JP2000248152A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

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JP2000248152A
JP2000248152A JP11051141A JP5114199A JP2000248152A JP 2000248152 A JP2000248152 A JP 2000248152A JP 11051141 A JP11051141 A JP 11051141A JP 5114199 A JP5114199 A JP 5114199A JP 2000248152 A JP2000248152 A JP 2000248152A
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phenol
triazine
epoxy resin
condensate
triazines
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Hisashi Ikeda
尚志 池田
Keiko Ohira
惠子 大平
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ワニス安定性に優れ、さらに特定のノボラック
型フェノール樹脂をエポキシ硬化剤として使用した場合
に、難燃性、耐熱性、耐湿性、金属密着性等に優れる硬
化物を与えることができるエポキシ樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】エポキシ樹脂と硬化剤と溶剤とを含んでな
るエポキシ樹脂組成物において、硬化剤としてフェノー
ル類とトリアジン類とアルデヒド類とからなるトリアジ
ン変性ノボラック型フェノール樹脂であって、該ノボラ
ック型フェノール樹脂が、フェノール類とトリアジン類
とアルデヒド類との縮合物(a)、トリアジン類とアル
デヒド類との縮合物(b)、フェノール類とアルデヒド
類との縮合物(c)、フェノール類(d)及びトリアジ
ン類(e)の混合物からなり、且つ該縮合物(a)及び
該縮合物(b)の中に、2種類の特定の構造単位が、特
定のモル比率で含まれているフェノール樹脂を用い、溶
剤としてエーテル化合物を用いることを特徴とするエポ
キシ樹脂組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物に関し、ワニス安定性に優れ、さらに特定のノボラッ
ク型フェノール樹脂をエポキシ硬化剤として使用した場
合に、難燃性、耐熱性、耐湿性、金属密着性等に優れる
硬化物を与えることができるので、積層、塗料などのエ
ポキシ樹脂を用いる各種用途、特にガラスエポキシ積層
板用として適するエポキシ樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた電気特性ゆ
えに電気電子材料部品を中心に幅広く使用される。
【0003】これら電気電子材料部品は、ガラスエポキ
シ積層板やIC封止材に代表されるように高い難燃性が
求められるが、エポキシ樹脂単独では充分な効果が得ら
れないため、このエポキシ樹脂にハロゲン系の難燃剤を
多く併用しているのが現状である。
【0004】ところが近年、ダイオキシンに代表される
ような有機ハロゲン物質の毒性が大きな問題となってい
ることや、ICパッケージにおけるハロゲンの長期信頼
性への悪影響などから、ハロゲンの使用量を低減する
か、ハロゲンに代替できる他の化合物を使用した難燃
剤、あるいは他の難燃処方が強く求められている。
【0005】そこで、例えばリン系化合物などの難燃剤
を添加する方法などが考案されているが、この方法によ
ると難燃性は改善されるが、耐熱性、耐湿性などの樹脂
の基本的な物性を損なうという欠点を有している。
【0006】この欠点を解消するため、特開平8−31
1142号公報には、エポキシ樹脂硬化剤としてトリア
ジン環を有する化合物で変性されたフェノール組成物を
使用し、溶剤としてメチルエチルケトン(以下「ME
K」と略記する)を使用することが提案されている。
【0007】しかし硬化剤の溶剤としてMEKを用いた
場合、エポキシ樹脂組成物が経時的に増粘したりゲルタ
イムが短縮するなどワニスの安定性が悪く、例えば積層
板に使用した場合、成形性が劣るなどの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エポキシ樹
脂組成物の溶液として使用した場合に、ワニス安定性に
優れ、さらにエポキシ樹脂硬化剤として使用した場合に
ハロゲンを使用しなくとも難燃性が改善され、難燃性、
耐熱性、耐湿性、金属密着性に優れる硬化物を与えるこ
とができ、積層、塗料などのエポキシ樹脂を用いる各種
用途、特にガラスエポキシ積層板用として適するエポキ
シ樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記実情
に鑑みて鋭意検討した結果、エポキシ樹脂の硬化剤とし
てフェノール類とトリアジン類との結合比率が特定の割
合であるフェノール樹脂と溶剤としてエーテル類を用い
ることで上記課題を解決することを見い出し、本発明を
完成するに至った。すなわち[I]本発明は、エポキシ
樹脂と硬化剤と溶剤とを含んでなるエポキシ樹脂組成物
において、硬化剤としてフェノール類とトリアジン類と
アルデヒド類とからなるトリアジン変性ノボラック型フ
ェノール樹脂であって、該ノボラック型フェノール樹脂
が、フェノール類とトリアジン類とアルデヒド類との縮
合物(a)、トリアジン類とアルデヒド類との縮合物
(b)、フェノール類とアルデヒド類との縮合物
(c)、フェノール類(d)及びトリアジン類(e)の
混合物からなり、且つ該縮合物(a)及び該縮合物
(b)の中に、一般式(1)で表される構造単位Aと一
般式(2)で表される構造単位Bが、モル比率で下記式
(3)を満足する状態で含まれているフェノール樹脂を
用い、溶剤としてエーテル化合物を用いることを特徴と
するエポキシ樹脂組成物溶液を提供するものであり、 (−X−NH−CH2−NH−) (1) (−X−NH−CH2−Y−) (2) (式中、Xはトリアジン類の残基を示し、Yはフェノー
ル類残基を示す) B/A≧1.5 [II]本発明は、前記縮合物(a)及び縮合物(b)中の
トリアジン類のモル比率が、全トリアジン類の30%以
上である上記[I]記載の組成物を提供するものであ
り、[III]本発明は、トリアジン類が、メラミン、ア
セトグアナミン及びベンゾグアナミンからなる群から選
ばれる1種又は2種以上である上記[I]又は[II]記載
のエポキシ樹脂組成物を提供するものであり、[IV]本
発明は、エーテル化合物が、全溶剤組成の30〜100
重量%である上記[I]〜[III]のいずれか記載のエポキ
シ樹脂組成物を提供するものであり、[V]本発明は、
エーテル化合物が、分子中にエーテル結合及びアルコー
ル性水酸基を含む化合物である上記[I]〜[IV]のいず
れか記載のエポキシ樹脂組成物を提供するものであり、
[VI]本発明は、分子中にエーテル結合及びアルコール
性水酸基を有する化合物が、プロピレングリコールモノ
メチルエーテルである上記[V]記載のエポキシ樹脂組
成物を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のフェノール樹脂を得るた
めの前記フェノール類としては、特に限定されるもので
はなく、たとえばフェノール、あるいはクレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、ノ
ニルフェノール、オクチルフェノールなどのアルキルフ
ェノール類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビ
スフェノールS、レゾルシン、カテコールなどの多価フ
ェノール類、ハロゲン化フェノール、フェニルフェノー
ル、アミノフェノールなどが挙げられる。またこれらの
フェノール類は、その使用にあたって1種類のみに限定
されるものではなく、2種以上の併用も可能である。さ
らに本発明のフェノール樹脂に用いるトリアジン環を含
む化合物としては、特に限定されるものではなく、トリ
アジン環を有すれば構造の如何を問わないが、メラミ
ン、アセトグアナミン又はベンゾグアナミンが好まし
い。
【0011】これらのトリアジン環を含む化合物を使用
するにあたっては、1種類のみに限定されるものではな
く、2種以上を併用することも可能である。
【0012】本発明のフェノール樹脂を得るためのアル
デヒド類は、特に限定されるものではないが、取扱いの
容易さの点からホルムアルデヒドが好ましい。ホルムア
ルデヒドとしては、限定するものではないが、代表的な
供給源としてホルマリン、パラホルムアルデヒド等が挙
げられる。
【0013】本発明におけるノボラック型フェノール樹
脂とは、メチロール基を実質的に含まないフェノール樹
脂をいい、未反応アルデヒドを含まないことを特徴とす
るものである。
【0014】本発明のノボラック型フェノール樹脂は、
メチロール基を実質的に含まず、未反応アルデヒドを含
まないことによりエポキシ樹脂用硬化剤として使用した
場合、エポキシ樹脂との配合安定性が極めて良くなると
いう効果を有するものである。
【0015】また本発明のノボラック型フェノール樹脂
に含まれる未反応一官能性フェノール単量体の量は特に
制限されるものではないが、3重量%以下であることが
好ましい。未反応一官能性フェノール単量体を3重量%
以下にすることによりエポキシ樹脂との配合安定性が向
上し、硬化して得られるエポキシ樹脂硬化物の耐熱性、
耐湿性が良くなるという効果がある。
【0016】ここでいう未反応一官能性フェノール単量
体とは、1分子中にエポキシ基と反応し得るフェノール
性の水酸基を1つだけ含むフェノール単量体を意味す
る。
【0017】また本発明のフェノール樹脂は、フェノー
ル類とトリアジン類とアルデヒド類とからなるトリアジ
ン類変性ノボラック型フェノール樹脂を含んでいるが、
該ノボラック型フェノール樹脂のうち、フェノール類と
トリアジン類とアルデヒド類との縮合物(a)、トリア
ジン類とアルデヒド類との縮合物(b)の中に、一般式
(1)で表される構成単位Aと一般式(2)で表される
構成単位Bとが、モル比率で下記式(3)を満足する状
態で含まれていることを特徴とするものである。 (−X−NH−CH2−NH−) (1) (−X−NH−CH2−Y−) (2) (式中、Xはトリアジン類の残基を示し、Yはフェノー
ル類残基を示す) B/A≧1.5 (3) このうちB/A≧3であることがより好ましい。B/A
<1.5であると、エポキシ樹脂との相溶性が悪くな
り、耐熱性が低下する。
【0018】本発明で規定する構成単位Aと構成単位B
とのモル比率は、核磁気共鳴スペクトル(以下13C−N
MRという)のチャートから求めることができる。すな
わち測定溶媒としてジメチルスルフォキシド(以下DM
SOという)や重アセトンを用い、基準物質としてテト
ラメチルシランを用い、常法の測定条件にしたがって測
定すると、構成単位Bのピークは13C−NMRチャート
の42.5〜45ppmに現れ、構成単位Aのピークは
47〜48.5ppmに現れることがわかっており、両
者のピーク積分値の比率を算出することにより構成単位
Aと構成単位Bとのモル比率を求めることができる。
【0019】また、本発明のトリアジン類変性ノボラッ
ク型フェノール樹脂は、縮合物(a)及び縮合物(b)中
のトリアジン類のモル比率は、特に制限ないが、全トリ
アジン類の30%以上であることが好ましい。30%未
満であると、耐熱性や耐湿性が低下する。
【0020】トリアジン類のモル比率は上記構成単位A
及び構成単位Bと同様、13C−NMRのチャートから
求めることができる。すなわちチャートの167.2〜
167.4ppmに現れるシャープなピークは未反応の
トリアジン類に帰属でき、そのピーク積分値をTmと
し、163〜167.2ppmに現れるブロ−ドなピー
クはホルムアルデヒドと反応したトリアジン類に帰属で
き、そのピーク積分値をTrとすると、前記縮合物
(a)及び縮合物(b)中のトリアジン類の全トリアジ
ン類中に占めるモル比率は下記式(4)で表わすことが
できる。 このモル比率の値を以下「トリアジン類の反応率」とい
う。
【0021】本発明のトリアジン変性ノボラック型フェ
ノール樹脂を得るための製造方法については特に限定さ
れるものではなく、例えば特開平11−21419等に
記載されている方法などが用いられる。
【0022】すなわち、フェノール類とトリアジン類と
アルデヒド類との混合物を、アルデヒド類が揮散しない
条件下で該混合物を反応させる工程(i)及び系内の反
応水を除去する工程(ii)を含み、第一段反応として工
程(i)工程(ii)及び工程(iii)を順次実施し、次
いで第2段反応として工程(ii)及び工程(iii)を第
1段反応より高い温度下に順次実施し、第3段反応とし
て工程(ii)及び工程(iii)を第2段反応より高い温
度下に実施するという方法である。
【0023】本発明のエポキシ樹脂としては、たとえば
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族エポキ
シ樹脂、芳香族エステル型エポキシ樹脂、環状脂肪族エ
ステル型エポキシ樹脂、脂肪族エステル型エポキシ樹
脂、エーテルエステル型エポキシ樹脂、リン変性エポキ
シ樹脂、およびエポキシ化大豆油の如き非グリシジル系
エポキシ樹脂およびこれらの臭素あるいは塩素等のハロ
ゲン置換体等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂を単
独又は数種類混合して使用しても何等差し支えない。さ
らに必要に応じて種々の添加剤、シリカや水酸化マグネ
シウム及び水酸化アルミニウムなどの無機充填剤等を適
宜配合することができる。
【0024】本発明に用いる溶剤としてのエーテル化合
物はその構造中にエーテル結合を有するものであれば特
に限定されるものではなく、例えばエチルエーテル、ブ
チルエーテル、1,4−ジオキサン、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸3−メトキ
シブチル、アセト酢酸3−メトキシブチル、アセト酢酸
エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、
酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げら
れる。この中でも積層乾燥時の乾燥効率の面から分子中
にエーテル結合とアルコール性水酸基を含む溶剤である
ことが好ましく、さらにはプロピレングリコールモノメ
チルエーテルがより好ましい。これらエーテル化合物が
全溶剤組成の中に占める割合は特に限定されるものでは
ないが、30重量%以上であることが好ましい。30重
量%以下ではワニス安定性の効果が十分ではない。エー
テル化合物以外の溶剤としては特に限定されず、例えば
アセトン、MEK、トルエン、キシレン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、エタノール等が挙げられる。これらの溶剤は、単独
または適宜に2種以上の混合溶剤として使用することが
できる。
【0025】エポキシ樹脂と本発明のフェノール樹脂と
の混合割合は、特に限定されるものではないが、エポキ
シ基1当量に対してフェノール樹脂組成物のフェノール
性水酸基当量が0.3〜2.0当量が好ましく、0.7
〜1.4当量がより好ましい。
【0026】また、エポキシ樹脂を硬化させるに際し
て、必要に応じて、一般にエポキシ化合物の硬化に用い
られている種々の硬化促進剤を使用することができる。
この硬化促進剤としては、例えばイミダゾールおよびそ
の誘導体、ホスフィン化合物、アミン類、BF3アミン
化合物などが例示される。
【0027】また、エポキシ樹脂組成物には必要に応じ
て他の難燃剤を配合することができる。特にリン化合物
を配合することで難燃性を高めることができる。リン含
有化合物とは、その構造中にリン原子を含む化合物をい
い、例えばリン酸、およびリン酸エステル、亜リン酸エ
ステル、酸性リン酸エステル、含ハロゲンリン酸エステ
ル、これらリン酸エステルの機能的誘導体、重合性りん
化合物、含窒素リン化合物、ホスフィン類、ホスフィン
オキサイド類、トリメチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、トリブチルホ
スフェート、トリフェニルホスファイト、ジブチルハイ
ドロジエンホスファイト、ジブチルホスフェート、トリ
スクロロエチルホスフェート、トリスクロロプロピルホ
スフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、ト
リスクレジルホスフェート、トリスキシレニルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジ
フェニルホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニル
ホスフェート、ジヒドロキシフェニルフェニルホスフェ
ート、トリヒドロキシフェニルホスフェート、及びこれ
らフェニルホスフェートのアルキル化物、ジフェニル−
2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、トリフ
ェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンオキサイ
ド、フェニルジアリルホスフィンオキサイドや赤リンな
どが例示される。
【0028】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
詳細に説明する。
【0029】実施例1 フェノール94部、ベンゾグアナミン12部に41.5
%ホルマリン45部、およびトリエチルアミン0.4部
を加え、系のpHを8.2に調整し、発熱に注意しなが
ら徐々に100℃まで昇温した。100℃にて5時間反
応させた後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで
2時間かけて昇温した。次に還流下にて3時間反応させ
た後、常圧下にて水を除去しながら160℃まで2時間
かけて昇温した。さらに還流下で3時間反応させた後、
常圧下にて水を除去しながら180℃まで2時間かけて
昇温した。次に減圧下にて未反応のフェノールを除去
し、軟化点111℃のフェノール樹脂を得た。
【0030】以下この樹脂を「N1」と略記する。
【0031】得られた樹脂中のフェノール類とトリアジ
ン類との重量比率、未反応ホルムアルデヒド量、メチロ
ール基の存在の有無、構成単位A、構成単位Bのモル比
率、未反応フェノールモノマー量、及びトリアジン類反
応率は次のように求めた。<フェノールとトリアジン類
(ベンゾグアナミン)の重量比率>上記記載の180
℃、減圧下にて反応系外に除去した流出物中のフェノー
ル含量をガスクロマトグラフィから算出し、仕込みのフ
ェノール部数から引いて樹脂中のフェノール存在量とし
た。ベンゾグアナミンは仕込み量がそのまま樹脂中に含
まれることとした。両者の比率を存在比とした。 カラム:30%セライト545カルナバワックス2m×
3mmΦ カラム温度:170℃ 注入口温度:230℃ 検出器:FID キャリアガス:N2ガス 1.0kg/cm2 測定法:内部標準法 <未反応ホルムアルデヒド量>蒸留水50gに細かく粉
砕した樹脂N1約5gを加え、室温で24時間保持し
た。pH計にセットし、N/10塩酸水溶液を加えてp
H=4.0に調整した。これにpH=4.0に調整した
7%ヒドロキシルアミン水溶液50mlを加え、アルミ
箔等で密封して30分放置した。その後pH計にセット
し、1Nの水酸化ナトリウム溶液でpH=4.0に中和
するまで滴定する。次式により遊離ホルムアルデヒド量
を決定した。 S:サンプル量(g) F:1N水酸化ナトリウムのファクター T:1N水酸化ナトリウムの滴下量(ml) <メチロール基の存在の有無>13C−NMRを用いて樹
脂組成物N1中に存在するメチロール基を測定した。 装置:日本電子(株)製 GSX270 プロトン:270MHZ 測定溶媒:DMSOあるいは重アセトン 基準物質:テトラメチルシラン 測定条件 パルス条件:45゜×10000times パルス間隔:2秒 得られたチャートの60〜70ppmにピークが現れ、
ノイズと明確に区別され得るピークを用いて判定した。
ピークが認められた場合を「有」、認められない場合を
「無」とした。 <構成単位A、構成単位Bのモル比率>メチロール基測
定と同一条件で測定した13C−NMRチャートを用いて
算出した。
【0032】チャートの42.5〜45ppmに現れる
ピークの積分値をBp、47〜48.5ppmに現れる
ピークの積分値をApとし、次式によりモル比率を求め
た。 構成単位B/構成単位A=Bp/Ap <未反応フェノールモノマー量>先に示したガスクロマ
トグラフィと同様の測定条件において流出物中のフェノ
ールモノマー含量を測定した。 <トリアジン類反応率>上記メチロール基を測定したの
と同一条件で測定した13C−NMRチャートを用いて算
出した。チャートの167.2〜167.4ppmに現
れるシャープなピークの積分値をTm、163〜16
7.2ppmに現れるブロードなピークのピーク積分値
をTrとし、次式により反応率を求めた。 このようにして求められた各成分量の結果は表1にまと
めて記した。
【0033】実施例2 フェノール94部、メラミン18部に41.5%ホルマ
リン45部、およびトリエチルアミン0.4部を加え、
系のpHを8.2に調整し、発熱に注意しながら徐々に
100℃まで昇温した。100℃にて5時間反応させた
後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで2時間か
けて昇温した。次に還流下にて3時間反応させた後、常
圧下にて水を除去しながら140℃まで2時間かけて昇
温した。還流下で3時間反応させた後、常圧下にて水を
除去しながら160℃まで2時間かけて昇温した。さら
に還流下で3時間反応させた後、常圧下にて水を除去し
ながら180℃まで2時間かけて昇温した。次に減圧下
にて未反応のフェノールを除去し、軟化点128℃のフ
ェノール樹脂を得た。フェノールとメラミンの重量比
率、未反応ホルムアルデヒド量、メチロール基の存在の
有無、構成単位A、構成単位Bのモル比率、未反応フェ
ノールモノマー量、及びトリアジン類反応率を、実施例
1と同様に求め、結果を表1にまとめて示した。
【0034】以下この樹脂を「N2」と略記する。
【表1】
【0035】応用例1〜3および比較応用例1〜3 エピクロン1050[エポキシ樹脂 エポキシ当量45
0 大日本インキ化学工業(株)製]50部とエピクロン
N690[エポキシ樹脂 エポキシ当量220大日本イ
ンキ化学工業(株)製]50部に対して、硬化剤としてN
1、N2を表2に示した割合にて配合た。この時、エピ
クロン及び硬化剤は表2に示した溶剤を用い、不揮発分
を55%になるように溶解させてから使用した。次いで
各々に硬化促進剤として2E4MZ0.1部を加えて、
応用例1〜3および比較例1〜3の混合溶液を調整し
た。
【0036】得られたエポキシ樹脂組成物のゲルタイム
を170℃で測定した後、溶液の一部を安定性試験用と
して40℃の恒温器中に保管した。
【0037】また、各々の混合溶液をガラスクロスに含
浸させ、160℃で3分間乾燥してプリプレグを得た。
このプリプレグを8枚重ね、その両面に35μの銅箔を
重ね、170℃、圧40kgf/cm2にて1時間加熱
加圧成型して厚さ1.6mmの両面銅張積層板を作製し
た。
【0038】次いで、積層板は、エッチング処理を施
し、銅箔除去した後、各物性試験を行った処、表2に示
されるような結果が得られた。 *1:昇温スピード 3℃/min *2:プレシャークッカーテスト(PCT)は、120
℃水蒸気下中で、所定時間試験片を処理した。 *3:耐半田性試験は、PCT処理2時間後及び4時間
後260℃の半田浴に20sec浸漬して評価を行った
(試験片は3箇使用した)。
【0039】評価は、その試験片の外観、特にミーズリ
ングの有無を目視判定により行った。
【0040】○:全く異常なし △:わずかにミーズリ
ング発生 ×:ミーズリング有り *4:消炎性試験 幅12.7mmの試験片を垂直に立て、10秒間炎にさ
らした後、自己消
【0041】
【図1】火するまでの時間(秒)。また、2分以上燃焼
が継続するか、下端から15cmまで燃焼した場合には
「燃焼」とした。
【0042】
【表2】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、ワニス
安定性に優れ、さらに特定の構造のフェノール樹脂を硬
化剤として使用した場合に、難燃性、耐熱性、耐湿性、
金属密着性に優れる硬化物を与えることができ、ハロゲ
ンを使用しなくとも難燃性の改善され、積層、塗料など
のエポキシ樹脂を用いる各種用途、特にガラスエポキシ
積層板に有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 CC04X CC05X CC06X CC18X CC19X CC27X CC28X CD01W CD05W CD06W CD07W CD08W CD12W CD16W CD20W EJ026 EJ036 EJ056 EU186 FD130 FD14X FD146 FD150 GF00 GH01 HA05 4J036 AA02 AB01 AC05 AD01 AD08 AF06 DA07 FA10 FB07 FB08 FB09 JA01 JA05 JA07 JA08 KA01 4J038 DA042 DA162 DA172 DA192 DB031 DB051 DB061 DB071 DB091 DB101 DB241 DB261 DB401 JA24 JA64 JB36 KA03 KA06 NA07 NA12 NA14 NA15 NA27 PB09 PC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂と硬化剤と溶剤とを含んでな
    るエポキシ樹脂組成物において、硬化剤としてフェノー
    ル類とトリアジン類とアルデヒド類とからなるトリアジ
    ン変性ノボラック型フェノール樹脂であって、該ノボラ
    ック型フェノール樹脂が、フェノール類とトリアジン類
    とアルデヒド類との縮合物(a)、トリアジン類とアル
    デヒド類との縮合物(b)、フェノール類とアルデヒド
    類との縮合物(c)、フェノール類(d)及びトリアジ
    ン類(e)の混合物からなり、且つ該縮合物(a)及び
    該縮合物(b)の中に、一般式(1)で表される構造単
    位Aと一般式(2)で表される構造単位Bが、モル比率
    で下記式(3)を満足する状態で含まれているフェノー
    ル樹脂を用い、溶剤としてエーテル化合物を用いること
    を特徴とするエポキシ樹脂組成物。 (−X−NH−CH2−NH−) (1) (−X−NH−CH2−Y−) (2) (式中、Xはトリアジン類の残基を示し、Yはフェノー
    ル類残基を示す) B/A≧1.5 (3)
  2. 【請求項2】前記縮合物(a)及び縮合物(b)中のト
    リアジン類のモル比率が、全トリアジン類の30%以上
    である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】トリアジン類が、メラミン、アセトグアナ
    ミン及びベンゾグアナミンからなる群から選ばれる1種
    又は2種以上である請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】エーテル化合物が、全溶剤組成の30〜1
    00重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】エーテル化合物が、分子中にエーテル結合
    及びアルコール性水酸基を含む化合物である請求項1〜
    4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】分子中にエーテル結合及びアルコール性水
    酸基を含む化合物が、プロピレングリコールモノメチル
    エーテルである請求項5記載の組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275244A (ja) * 2001-03-19 2002-09-25 Dainippon Ink & Chem Inc エポキシ樹脂組成物
JP2006045546A (ja) * 2004-07-05 2006-02-16 Dainippon Ink & Chem Inc 熱硬化性樹脂組成物、ホウ酸変性トリアジン構造含有ノボラック樹脂、およびその製造方法
JP2007297472A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Dainippon Ink & Chem Inc エポキシ樹脂組成物、及びその硬化物

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