JP2002265570A - 非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板 - Google Patents

非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板

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JP2002265570A
JP2002265570A JP2001067033A JP2001067033A JP2002265570A JP 2002265570 A JP2002265570 A JP 2002265570A JP 2001067033 A JP2001067033 A JP 2001067033A JP 2001067033 A JP2001067033 A JP 2001067033A JP 2002265570 A JP2002265570 A JP 2002265570A
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epoxy resin
resin composition
triazine
flame
halogen
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JP2001067033A
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English (en)
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Kiyoshi Mori
清 森
Junji Nantaku
淳二 南宅
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ハロゲン含有エポキシ樹脂、アン
チモンを添加することなく優れた難燃性、成形加工性を
有した熱硬化性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ及
び積層板を提供することを目的にしている。 【構成】 1分子中に2個以上のエポキシ基を有する非
ハロゲン系エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤中におい
て窒素含有量5〜20重量%で軟化点110〜150℃
のトリアジン変性フェノール樹脂と他のフェノール系硬
化剤との重量比が15:85〜100:0となるフェノ
ール系硬化剤、リン化合物、硬化促進剤を必須成分と
し、必須成分の合計100重量部に対して、窒素含有量
が0.5〜8.0重量%含まれ、リン含有量が0.5〜
2.5重量%含まれる非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂
組成物、及び前記記載の非ハロゲン系難燃性エポキシ樹
脂を基材に含浸させて得られるプリプレグ、そのプリプ
レグを1枚又は2枚以上重ね合わせ加熱加圧してなる難
燃性積層板又は銅張積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非ハロゲン系難燃性エ
ポキシ樹脂組成物とそれを用いたプリプレグ及び積層板
に関するものであり、ハロゲン含有エポキシ樹脂、アン
チモンを使用せずに優れた難燃性、成形加工性を有した
非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、積層板
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、その優れた特性から電
気及び電子機器部品などに広く使用されており、火災に
対する安全性を確保するため、電気・電子機器部品には
難燃性が付与されている場合が多く、電気・電子機器部
品の難燃化にはハロゲン含有エポキシ樹脂やアンチモン
等の難燃剤が使用され、要求される安全性を確保してき
た。
【0003】近年、ハロゲン含有エポキシ樹脂は高度な
難燃性を有するが、焼却時、焼却条件によってはダイオ
キシン関連物質を発生する可能性があるのではと疑われ
ている。また、アンチモンに関しても発ガン性の疑いが
ある為に、これらの物質を含まない非ハロゲン系難燃性
エポキシ樹脂組成物の要求が、環境問題に対する世間の
意識の高まりと共に強まってきた。このような理由か
ら、ハロゲン含有エポキシ樹脂、アンチモンに代わる難
燃剤としてリン化合物や窒素化合物などが鋭意検討され
てきている。
【0004】リン化合物、窒素化合物の組合せによって
は、優れた難燃化が実現できることがここ数年の検討で
判ってきた。その難燃機構としては、リン化合物と窒素
化合物が燃焼時に樹脂の炭化を促進させ、樹脂表面に炭
化被膜を形成し、断熱効果、酸素遮断効果により燃焼を
防ぐというものである。
【0005】しかし、今日用いられているリン化合物は
可塑剤であるものが多く、多量に添加するとプリプレグ
をプレスする際に端部より大量の樹脂が流出するといっ
た問題が発生し、かつ難燃性が十分に得られなくなると
いう欠点を有していた。樹脂の流出を防ぐ方法としては
硬化を進めるといった手段が有効である。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】従って、本発明が解決しようとする課題
は、ハロゲン含有エポキシ樹脂、アンチモンを使用せず
に前記した問題を解決し、難燃性、成形加工性に優れた
非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、積層板
又は銅張積層板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)1分子
中に2個以上のエポキシ基を有する非ハロゲン系エポキ
シ樹脂、(B)フェノール系硬化剤中において窒素含有
量5〜20重量%で軟化点が110〜150℃のトリア
ジン変性フェノール樹脂と他のフェノール系硬化剤との
重量比が15:85〜100:0となるフェノール系硬
化剤、(C)リン化合物、(D)硬化促進剤を必須成分
としており、(A)、(B)、(C)、(D)成分の合
計100重量部に対して、(B)成分中の窒素含有量が
0.5〜8.0重量%含み、(C)成分中のリン含有量
が0.5〜2.5重量%含まれる非ハロゲン系難燃性エ
ポキシ樹脂組成物を基材に含浸させて得られる難燃性プ
リプレグを用いることで、プレスする際に端部より大量
の樹脂が流出するといった問題と難燃性が十分に得られ
なくなるという欠点を克服するに至った。
【0008】本発明で用いているトリアジン変性フェノ
ール樹脂の軟化点は、この分野に用いられる硬化剤のそ
れより高いという特長がある。従来、このように軟化点
の高い硬化剤を用いた場合、材料中での分散性が悪くな
り、流動性や熱時硬度等が低下するといった問題があっ
たが、本発明のトリアジン変性フェノール樹脂はその傾
向が小さく、また、本発明のトリアジン変性フェノール
樹脂と他のフェノール系硬化剤を特定の重量割合で配合
した硬化剤を用いることで、前記したような問題を引き
起こすことなく硬化を進めることができ、かつ、プリプ
レグをプレスする際に端部より大量の樹脂が流出すると
いった問題も解決でき本発明に至った。
【0009】
【発明の細部構成と作用】本発明に用いる(A)非ハロ
ゲン系エポキシ樹脂としては、通常、電気・電子部品に
使用されるものであれば良く、1分子中に2個以上のエ
ポキシ基を有する非ハロゲン系エポキシ樹脂である限
り、分子構造、分子量等に制限されるものではない。例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げら
れる。中でも耐熱性、耐湿性に優れる点から、特にフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂又はクレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂が好ましい。
【0010】本発明に用いる(B)フェノール系硬化剤
の内、トリアジン変性フェノール樹脂の製造方法として
は、一般式(1)
【化1】 で表されるトリアジン化合物とフェノール類、ホルムア
ルデヒド類を触媒下または無触媒下で、加熱、脱水縮合
反応させた後、常圧または減圧脱水により残存原料を除
去することにより容易に得ることができる。また、フェ
ノール類とホルムアルデヒド類を先に反応させておき、
そこに一般式(1)のトリアジン化合物とホルムアルデ
ヒド類を追加して反応させた後、常圧または減圧脱水に
より残存原料を除去することにより得ることができる。
【0011】しかし、本発明のトリアジン変性フェノー
ル樹脂の製造方法はこれらに限定されるものではなく、
公知慣用な方法に従えばよいことは無論である。
【0012】一般式(1)のトリアジン化合物とフェノ
ール類の割合は、重量比で15:85〜50:50であ
る。この割合よりトリアジン化合物の割合が増えると吸
水率の増加が顕著になり、耐湿性の低下が生じる。ま
た、この割合よりフェノール類が増えると難燃性が十分
には得られなくなる。好ましくは、20:80〜45:
55である
【0013】トリアジン化合物とフェノール類に対する
ホルムアルデヒドの割合は、トリアジン化合物とフェノ
ール類の合計のモル数に対してホルムアルデヒド類0.
5〜1.0倍モルで反応することが重要である。この割
合が0.5倍モル以下では、フェノール類やトリアジン
化合物のモノマー体が多く残存する為、硬化後の樹脂組
成物の基本特性が十分に得られなくなり、1.0倍モル
以上ではトリアジン化合物やフェノール類に反応したホ
ルムアルデヒドが完全にはメチレン基とならずメチロー
ル基として多く存在する為、耐熱性が悪くなる。好まし
くはトリアジン化合物とフェノール類の合計モル数に対
して0.6〜0.9倍モルで反応させたものが良い。
【0014】また、反応に使用するトリアジン化合物や
フェノール類は1種もしくは2種以上の混合物であって
も良い。
【0015】一般式(1)中のR、R、Rの具体
的な例としては、水素、メチル基、エチル基、ブチル
基、2−エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、ヒド
ロキシエトキシエチル基、メトキシメチル基、シクロヘ
キシル基、等が挙げられるが、好ましくは水素、フェニ
ル基、メチル基、エチル基、メトキシメチル基が好まし
い。
【0016】また、Rの具体的な例としては、アミノ
基、アミド基、メチル基、フェニル基、メチルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、(メトキシメ
チル)アミノ基、ベンジル基等が挙げられるが、好まし
くは水素基、アミノ基、メチル基、フェニル基、ベンジ
ル基が好ましい。
【0017】フェノール類としては、フェノール、クレ
ゾール、キシレノール、ナフトール、ブチルフェノー
ル、フェニルフェノール、ビフェノール、ジヒドロキシ
ベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の1
価ならびに多価フェノール類及びそれらの置換体が挙げ
られる。
【0018】またホルムアルデヒド類としては、通常ホ
ルムアルデヒドの37%水溶液として市販されているも
のが一般的であるが、その水和重合物であるパラホルム
アルデヒドやトリオキサン、ポリオキシメチレン等もそ
の類である。また、ホルムアルデヒドとして反応するヘ
キサメチレンテトラミン等もその類である。
【0019】前記した方法から得られるトリアジン変性
フェノール樹脂としては、窒素含有量が5〜20重量%
で軟化点が110〜150℃のものが良い。窒素含有量
が5重量%以下では難燃性が十分には得られず、窒素含
有量が20重量%以上では吸水率の増加が顕著になり、
耐湿性の低下が生じる。軟化点が110℃以下のトリア
ジン変性フェノール樹脂をフェノール系硬化剤中に用い
るとプリプレグをプレスする際に端部より大量の樹脂が
流出するといった問題を抑制できず、軟化点が150℃
以上のトリアジン変性フェノール樹脂をフェノール系硬
化剤中に用いると材料中への分散性が悪くなり、流動性
や熱時硬度等が低下するといった問題が生じる。
【0020】尚、本発明のトリアジン変性フェノール樹
脂の軟化点については、JISC2104「電気絶縁塗
料用100%油溶性フェノール樹脂試験方法」に示され
た軟化点測定方法に準じて測定を行った。
【0021】トリアジン変性フェノール樹脂以外に使用
するフェノール系硬化剤としては、フェノールノボラッ
ク樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラル
キル樹脂もしくはナフタレンアラルキル樹脂等が挙げら
れる。中でも、吸水率が低くかつ難燃性が高い特長をも
つという点で、特にフェノールアラルキル樹脂もしくは
ナフタレンアラルキル樹脂が好ましい。
【0022】(B)成分中におけるトリアジン変性フェ
ノール樹脂と他のフェノール系硬化剤の重量比として
は、15:85〜100:0が好ましい。0:100〜
15:85の重量比の場合、プリプレグをプレスする際
に端部より大量の樹脂が流出するといった問題と難燃性
が十分に得られなくなるという欠点を抑制することがで
きない。
【0023】トリアジン変性フェノール樹脂の添加量と
しては、(A)、(B)、(C)、(D)成分の合計1
00重量部に対して、(B)成分中の窒素含有量が0.
5〜8.0重量%含まれることが必要である。0.5重
量%より少ない場合は、難燃性が十分には得られず、
8.0重量%より多くなる場合は、吸水率の増加が顕著
になり、耐湿性の低下が生じるといった問題が発生す
る。特に好ましくは、窒素含有量が0.8〜7.0重量
%の範囲である。
【0024】(B)成分のフェノール系硬化剤の使用量
は、特に限定されるものではないが、通常、エポキシ基
に対しそれぞれの未反応分を少なく抑えるため0.7〜
1.3当量の範囲に設定することが好ましい。
【0025】このようにして得られたトリアジン変性フ
ェノール樹脂を配合したフェノール系硬化剤を用いるこ
とによって硬化を進めることができ、プリプレグをプレ
スする際に端部より大量の樹脂が流出するといった問題
を解決することができる。
【0026】本発明に用いる(C)リン化合物として
は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシ
ルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ト
リフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホス
フェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エ
チルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2,6
ジメチルフェニル)ホスフェート、レゾルシンジフェニ
ルホスフェート等のリン酸エステル、ビスフェノールA
ビス(ジフェニル)ホスフェート、レゾルシノールビス
(ジフェニル)ホスフェート等の縮合リン酸エステル、
9,10―ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナントレン−10−オキシド等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。
【0027】リン化合物の添加量としては、(A)、
(B)、(C)、(D)成分の合計100重量部に対し
て、(C)成分中のリン含有量が0.5〜2.5重量%
含まれることが必要である。0.5重量%より少ない場
合は難燃効果が発揮されず、2.5重量%より多くなる
場合は、耐湿性の低下が生じる。
【0028】本発明に用いる(D)硬化促進剤として
は、1,8―ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
などのジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリエ
チレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノ
ールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール等の三級アミン類、2−
エチル−4−メチルイミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ
ール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−
メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等
のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフ
ェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホ
スフィン類等が挙げられる。これら硬化促進剤は、単独
または2種類以上組み合わせて使用することができる。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂の硬化を促進するに十分な
少量用いられる。
【0029】更に本発明の非ハロゲン系難燃性エポキシ
樹脂組成物は、本発明の目的に反しない範囲において、
無機充填剤、顔料、離型剤、シランカップリング剤、柔
軟剤等を添加することができる。特に、不燃性無機充填
剤の添加は、さらに本発明の組成物の難燃性を向上させ
る効果があり、難燃性の点では、多く添加することが好
ましい。不燃性無機充填剤としては、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0030】本発明の非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂
組成物は種々の形態で利用されるが、プリプレグを得る
ため、基材に含浸する際は通常溶剤が利用される。用い
られる溶剤としては組成に対して良好な溶解性を示すこ
とが好ましい。溶剤としては、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等
が挙げられる。
【0031】本発明に用いるガラス織布、ガラス不織布
としては、通常ガラスエポキシ銅張積層板に使用される
ものであれば特に制限なく使用することが出来る。
【0032】本発明の非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂
組成物を溶剤に溶解して得られるワニスは、ガラス織
布、ガラス不織布等の多孔質ガラス基材に塗布・含浸さ
せ、加熱・乾燥するという通常の方法によりプリプレグ
を製造することができる。また、このプリプレグは1枚
又は2枚以上重ね合わせ、加熱加圧して積層板又は銅張
積層板を製造することに用いられる。
【0033】本発明の非ハロゲン系難燃性エポキシ樹脂
組成物は、ハロゲン含有エポキシ樹脂、アンチモンを使
用しないことを特長としており、非ハロゲン系エポキシ
樹脂、フェノール系硬化剤、リン化合物、硬化促進剤を
必須成分とすることによって、優れた難燃化が達成で
き、成形加工性に優れた非ハロゲン系難燃性エポキシ樹
脂組成物とすることができた。
【0034】また、本発明の非ハロゲン系難燃性エポキ
シ樹脂組成物は、この様な積層板用途の他、半導体封止
材料、電気絶縁材料等の各種電気電子部品、繊維強化複
合材料、塗装材料、成型材料、接着剤材料などにも適用
できる。
【0035】以下に合成例及び実施例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は、その要旨をこえないか
ぎり、以下に示す合成例及び実施例に制約されるもので
はない。
【0036】
【合成例1】ベンゾグアナミン50g(0.267モ
ル)とフェノール150.0g(1.596モル)、3
7%ホルマリン120.9g(1.490モル)をセパ
ラブルの4つ口フラスコに仕込み、還流する温度で数時
間反応した。更に水を流出しながら120〜150℃の
温度で数時間反応させた後、減圧蒸留でモノマーを除去
し反応生成物を得た。この生成物は白色の固体であり、
窒素含有量が8.5%で軟化点が120℃であった。以
下、硬化剤(A)という。
【0037】
【合成例2】ベンゾグアナミン50g(0.267モ
ル)とビスフェノールF159.6g(0.798モ
ル)、37%ホルマリン56.1g(0.693モル)
をセパラブルの4つ口フラスコに仕込み、還流する温度
で数時間反応した。更に水を流出しながら120〜15
0℃の温度で数時間反応させた後、この反応物を50T
orr以下の減圧下、180℃で乾燥して水を完全に除
去した。この生成物は淡黄色の固体であり、窒素含有量
が8.5%で軟化点が131℃であった。以下、硬化剤
(B)という。
【0038】
【合成例3】ベンゾグアナミン29.9g(0.160
モル)、メラミン20.1g(0.160モル)とビス
フェノールF159.6g(0.798モル)、37%
ホルマリン51.8g(0.638モル)をセパラブル
の4つ口フラスコに仕込み、還流する温度で数時間反応
した。更に水を流出しながら120〜150℃の温度で
数時間反応させた後、この反応物を50Torr以下の
減圧下、180℃で乾燥して水を完全に除去した。この
生成物は淡黄色の固体であり、窒素含有量が11.3%
で軟化点が134℃であった。以下、硬化剤(C)とい
う。
【0039】次に、比較の為、窒素含有量が低く軟化点
の低いトリアジン変性フェノール樹脂及び窒素含有量が
高く軟化点が高いトリアジン変性フェノール樹脂を以下
のように合成した。
【0040】
【合成例4】ベンゾグアナミン20g(0.107モ
ル)とフェノール160.0g(1.702モル)、3
7%ホルマリン110.0g(1.356モル)をセパ
ラブルの4つ口フラスコに仕込み、還流する温度で数時
間反応した。更に水を流出しながら120〜150℃の
温度で数時間反応させた後、減圧蒸留でモノマーを除去
し反応生成物を得た。この生成物は白色の固体であり、
窒素含有量が3.8%で軟化点が102℃であった。以
下、硬化剤(D)という。
【0041】
【合成例5】ベンゾグアナミン150.0g(0.80
1モル)とフェノール50.0g(0.532モル)、
37%ホルマリン81.1g(1.000モル)をセパ
ラブルの4つ口フラスコに仕込み、還流する温度で数時
間反応した。更に水を流出しながら120〜150℃の
温度で数時間反応させた後、減圧蒸留でモノマーを除去
し反応生成物を得た。この生成物は白色の固体であり、
窒素含有量が26.4%で軟化点が181℃であった。
以下、硬化剤(E)という。
【0042】
【実施例1】クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量210)100重量部に対して、トリアジン
変性フェノール樹脂硬化剤(A)65重量部、トリフェ
ニルホスフェート39重量部、2−エチル−4−メチル
イミダゾ−ル0.1重量部の組成にメチルエチルケトン
を加えて溶解させワニスを調整した。
【0043】
【実施例2〜3、比較例1〜5】表1に示した組成にメ
チルエチルケトンを加えて溶解させワニスを調整した。
【0044】
【実施例4〜8、比較例6〜9】表2に示した組成にメ
チルエチルケトンを加えて溶解させワニスを調整した。
【0045】実施例1〜8及び比較例1〜9の組成から
調整したワニスを各々ガラス織布に塗布・含浸させ、1
60℃の温度で乾燥してプリプレグを製造した。こうし
て得られたプリプレグを8枚重ね、上下に35μmの銅
箔を重ねて、温度180℃で、40kg/cm2の圧力
で、60分間加熱・加圧し、厚さ1.6mmのガラスエ
ポキシ銅張積層板を得た。
【0046】得られた積層板の難燃性は、UL−94規
格に従い評価した。また、プリプレグをプレスする際に
端部より流出する樹脂の量については、温度180℃、
40kg/cm2の圧力で、60分間加熱・加圧した時
の端部からの流れ幅から判断し○△×の3段階評価で行
った。成形性の状態については、目視で判断し○△×の
3段階評価で行った。
【0047】表中のBGは、使用したトリアジン化合物
がベンゾグアナミンであることを指しており、MMはメ
ラミンを示している。この他、PHは、使用したフェノ
ール類がフェノールであることを指しており、BisF
はビスフェノールFを示している。クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂はエポキシ当量が210の樹脂を、フ
ェノールノボラック樹脂は水酸基当量が104の樹脂
を、フェノールアラルキル樹脂は水酸基当量が175の
樹脂を用いた。リン化合物1は、トリフェニルホスフェ
ート(リン含有量9.5%)を指し、リン化合物2はレ
ゾルシノールビス(ジフェニル)ホスフェート(リン含
有量10.9%)を、リン化合物3はビスフェノールA
ビス(ジフェニル)ホスフェートを(リン含有量8.8
%)を、リン化合物4は9,10―ジヒドロ−9−オキ
サ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド
(リン含有量14.3%)を示している。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】本発明の非ハロゲン系難燃性エポキシ樹
脂組成物、それを用いたプリプレグ及び積層板は、ハロ
ゲン含有エポキシ樹脂、アンチモンを添加しなくても優
れた難燃性、成形加工性を有しており、本件発明のトリ
アジン変性フェノール樹脂をフェノール系硬化剤中に特
定の重量割合で配合することで硬化速度を速めることが
でき、プリプレグをプレスする際に端部より大量の樹脂
が流出するといった問題を解決することができた。今
後、さらに要求されると思われる環境に優しいノンハロ
ゲン材料としての新規難燃性エポキシ樹脂組成物、プリ
プレグ及び積層板として提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AB29 AD23 AE01 AE02 AE07 AF19 AG03 4J002 CC28X CD05W CD06W EN036 EN106 EU116 EU136 EW016 EW047 FD010 FD13X FD137 FD14X FD156 GF00 GQ00 4J036 AA01 AF06 AF08 DA02 FA12 FB08 JA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)1分子中に2個以上のエポキシ基
    を有する非ハロゲン系エポキシ樹脂、(B)フェノール
    系硬化剤中に少なくともトリアジン変性フェノール樹脂
    を必ず含むフェノール系硬化剤、(C)リン化合物、
    (D)硬化促進剤が必須成分である非ハロゲン系難燃性
    エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分中記載のトリアジン変性フェ
    ノール樹脂は、下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中のRは、水素またはアルキル基、アリー
    ル基、ビニル基、シクロアルキル基、アミド基、―NH
    である。また、式中のR、R、Rは、同一又
    は相違なる水素またはアリール基、アルキル基、ヒドロ
    キシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、シクロアルキル基、ヒドロキシアルコキシア
    ルキル基である。)で表されるトリアジン化合物とフェ
    ノール類、ホルムアルデヒド類を縮合させた化合物を主
    成分とする縮合反応生成物であり、トリアジン化合物と
    フェノール類の重量比が15:85〜50:50で、ト
    リアジン化合物とフェノール類の合計モル数に対してホ
    ルムアルデヒド類を0.5〜1.0倍モルで反応するこ
    とによって得られ、窒素含有量が5〜20重量%で軟化
    点が110〜150℃であるトリアジン変性フェノール
    樹脂を必須成分とする請求項1記載の非ハロゲン系難燃
    性エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分中におけるトリアジン変性フ
    ェノール樹脂と他のフェノール系硬化剤との重量比が1
    5:85〜100:0となる硬化剤を配合した非ハロゲ
    ン系難燃性エポキシ樹脂組成物であり、(A)、
    (B)、(C)、(D)成分の合計100重量部に対し
    て、(B)成分中の窒素含有量が0.5〜8.0重量%
    含まれ、(C)成分中のリン含有量が0.5〜2.5重
    量%含まれる請求項1又は2記載の非ハロゲン系難燃性
    エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の非ハロゲン系
    難燃性エポキシ樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリ
    プレグ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のプリプレグを1枚又は2
    枚以上重ね合わせ加熱加圧してなる難燃性積層板又は銅
    張積層板。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008024805A (ja) * 2006-07-20 2008-02-07 Fujikura Ltd エポキシ系接着剤、カバーレイ、プリプレグ、金属張積層板、プリント配線基板
WO2008108313A1 (ja) * 2007-03-05 2008-09-12 Sumitomo Bakelite Co., Ltd. コンポジット積層板用樹脂組成物およびコンポジット積層板

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