JP2000248013A - スチレン系樹脂及びその製造方法 - Google Patents
スチレン系樹脂及びその製造方法Info
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Abstract
有量の少ないスチレン系樹脂をラジカル重合法によって
生産性良く、かつ分子量の低下を伴うことなく製造する
ことができるスチレン系樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】 スチレンのラジカル重合に際し、重合開
始剤としての一分子中に3個以上のペルオキシ結合を有
する多官能ペルオキシドが単量体に対しペルオキシド結
合濃度として0.001〜0.05(モル/リットル)
使用される。重合温度は80〜140℃で、下記の数式
(1)の条件を満たすことが必要である。 kd[I]/ki≧8000〔(モル)3 /(リットル)3 〕 ・・・(1) 式中、kdは多官能ペルオキシドの熱分解速度定数
〔(秒)-1〕、[I]は初期ペルオキシ結合濃度(モル
/リットル)、kiは熱開始速度定数〔(リットル)2
×(モル)-2×(秒)-1〕を表す。
Description
ー及びスチレントリマーの含有量が少ないスチレン系樹
脂を、ラジカル重合法によって生産性良く、かつ分子量
の低下を伴うことなく製造することができるスチレン系
樹脂及びその製造方法に関するものである。
性及び剛性に優れた樹脂であることから、電気製品、雑
貨、食品容器、包装材等の原材料として幅広く用いられ
ている。このようなスチレン系樹脂は、主として熱開始
によるラジカル重合(以下「熱重合」と称する)、又は
熱重合と有機過酸化物等を重合開始剤とするラジカル重
合とを併用する方法によって製造されている。
レン系樹脂は、主にラジカル重合の開始段階でスチレン
単量体が加熱されることにより生成するスチレンダイマ
ー及びスチレントリマーを含有していることが知られて
いる。例えば、エンサイクロピーディア オブ ケミカ
ル テクノロジー(Encyclopedia ofC
hemical Technology、Kirt−O
thmer、Third Edition、John
Wiley & Sons)21巻の817頁に記載さ
れている。すなわち、100℃以上の熱重合におけるス
チレンダイマーとトリマーの総含有量は約10000p
pmになり、その主要な成分は、1,2−ジフェニルシ
クロブタン及び1−フェニル−4−(1’−フェニルエ
チル)テトラリンの環状ダイマー及び環状トリマー、さ
らに2,4−ジフェニル−1−ブテン及び2,4,6−
トリフェニル−1−ヘキセンの直鎖状ダイマー及び直鎖
状トリマーであると記載されている。
スチレン系樹脂中に含まれるスチレンダイマー及びスチ
レントリマーの低減化が要求されている。低減化の一つ
の手法として、例えば特開平9−111070号公報に
は、ラジカル重合の脱揮工程を改良する方法が開示され
ている。
法は環状ダイマーである1,2−ジフェニルシクロブタ
ンなどの特定のダイマーを低減化する方法としては有効
ではあるが、脱揮工程の改良ではその他のダイマー及び
トリマーの低減化には限度があり、有効とはいえなかっ
た。
スチレントリマーは主に熱開始反応時に生成することか
ら、それらの生成自体を抑制する方法として、比較的低
い温度で重合する方法や熱重合単独ではなく、重合開始
剤を用いたラジカル重合を併用する方法が考えられる。
しかし、低温での重合は重合速度の低下、即ち生産性の
低下を招くといった問題があった。
合速度の低下は避けられるが、スチレンダイマー及びス
チレントリマーの含有量を1500ppm以下に減少さ
せるためには重合開始剤を多量に使用しなければならな
い。例えば、従来の重合開始剤としてt−ブチルペルオ
キシイソプロピルモノカーボネートや1,1−ビス(t
−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサンを多量に用いた場合には、結果として得られる
スチレン系樹脂の分子量が低下するという新たな問題が
あった。
点に着目してなされたものである。その目的とするとこ
ろは、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有量
の少ないスチレン系樹脂及びそのようなスチレン系樹脂
をラジカル重合法によって生産性良く、かつ分子量の低
下を伴うことなく製造することができるスチレン系樹脂
の製造方法を提供することにある。
を達成するために鋭意検討した結果、重合開始剤として
特定のペルオキシドを使用し、特定の重合条件下でスチ
レン系単量体をラジカル重合させることにより、スチレ
ンダイマー及びスチレントリマーの含有量の少ないスチ
レン系樹脂を生産性良く、かつ分子量の低下を伴うこと
なく製造できることを見出しこの発明を完成するに至っ
た。
方法は、重合開始剤を用いてスチレン系単量体をラジカ
ル重合するスチレン系樹脂の製造方法において、重合開
始剤として一分子中に3個以上のペルオキシ結合を有す
る多官能ペルオキシドを使用し、その多官能ペルオキシ
ドを単量体に対しペルオキシド結合濃度として0.00
1〜0.05モル/リットル使用し、重合温度80〜1
40℃であり、かつ下記の数式(1)を満たす条件下で
重合させることを特徴とするものである。
〔(秒)-1〕、[I]は初期ペルオキシ結合濃度(モル
/リットル)、kiは熱開始速度定数〔(リットル)2
×(モル)-2×(秒)-1〕を表す。
明の製造方法により得られ、スチレンダイマー及びスチ
レントリマーの総含有量が1500ppm以下であるも
のである。
明のスチレン系樹脂において、食品用として用いられる
ものである。
いて詳細に説明する。スチレン系樹脂は、重合開始剤と
して一分子中に3個以上のペルオキシ結合を有する多官
能ペルオキシドを使用し、スチレン系単量体をラジカル
重合することにより製造される。ここで、スチレン系単
量体とは、スチレン単独、スチレンとスチレン誘導体の
混合物、又はスチレンを主体としこれと共重合可能な単
量体の混合物をいう。
レン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等
が挙げられる。また、スチレンと共重合可能な単量体と
しては、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル
酸エステル例えばメチルメタクリレート、ブチルメタク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等、ア
クリル酸、アクリル酸エステル例えばメチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート等、フマル酸及びフマル酸エス
テル、イタコン酸及びイタコン酸エステル、マレイミド
類例えばマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、
N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
ては、4官能ペルオキシケタール類例えば2,2−ビス
(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)
プロパン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−アミルペル
オキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,
4−ジ−t−ヘキシルペルオキシシクロヘキシル)プロ
パン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−オクチルペルオ
キシシクロヘキシル)プロパン等、3官能モノペルオキ
シカーボネート類例えば1,1,1−トリス(t−ブチ
ルペルオキシカルボニルオキシメチル)プロパン、1,
1,1−トリス(t−アミルペルオキシカルボニルオキ
シメチル)プロパン、1,1,1−トリス(t−ヘキシ
ルペルオキシカルボニルオキシメチル)プロパン、1,
1,1−トリス(t−オクチルペルオキシカルボニルオ
キシメチル)プロパン等、4官能モノペルオキシカーボ
ネート類例えばジ(2,2−ビス(t−ブチルペルオキ
シカルボニルオキシメチル)ブチル)カーボネート、ジ
(2,2−ビス(t−アミルペルオキシカルボニルオキ
シメチル)ブチル)カーボネート、ジ(2,2−ビス
(t−ヘキシルペルオキシカルボニルオキシメチル)ブ
チル)カーボネート、ジ(2,2−ビス(t−オクチル
ペルオキシカルボニルオキシメチル)ブチル)カーボネ
ート等、トリス(t−ブチルペルオキシ)トリメリテー
ト、さらにアゼライン酸塩化物と過酸化ナトリウムの反
応により得られるジアシル型ポリメリックペルオキシ
ド、アゼライン酸塩化物と2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジヒドロペルオキシドとの反応により得られる
ポリメリックペルオキシエステル等が挙げられる。
−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキ
シル)プロパン及び1,1,1−トリス(t−ブチルペ
ルオキシカルボニルオキシメチル)プロパンは、重合開
始活性が高く、スチレンダイマー及びスチレントリマー
を効果的に低減できる点で好ましい。
キシドの他に、必要に応じて単官能や2官能のペルオキ
シドを併用することもできる。併用可能な重合開始剤と
しては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−ヘキシ
ルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、1,1−ビス
(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビ
ス(t−ヘキシルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1
−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオ
キシ)ブタン、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t
−ヘキシルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオ
キシラウレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−
トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプ
ロピルモノカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソ
プロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2
−エチルヘキシルモノカーボネート、ベンゾイルペルオ
キシド、ラウロイルペルオキシド等が挙げられる。
件により異なるが、単量体に対しペルオキシ結合濃度と
して0.001〜0.05(モル/リットル)である。
つまり、ペルオキシ結合濃度は、スチレン系単量体1リ
ットル中に含まれる重合開始剤中のペルオキシ結合のモ
ル数が0.001〜0.05であることを意味する。こ
の濃度が0.001(モル/リットル)未満では重合速
度が低下するとともに、熱重合の寄与が大きくなり、ス
チレンダイマー及びスチレントリマーの生成量が多くな
る。また、0.05(モル/リットル)を越えると、重
合体の分子量が低下するとともに、重合速度の調節が困
難となる。
130℃が好ましい。重合温度が80℃未満では重合速
度が遅く、生産性が悪くなる。一方、140℃を越える
と重合体の分子量が低下するとともに、熱重合の寄与が
大きくなってスチレンダイマー及びスチレントリマーの
生成量が増加する。
においては、下記の数式(1)を満たす条件下で重合を
行なう必要がある。 kd[I]/ki≧8000〔(モル)3 /(リットル)3 〕 ・・・(1) 式中、kdは多官能ペルオキシドの熱分解速度定数
〔(秒)-1〕、[I]は初期ペルオキシ結合濃度(モル
/リットル)、kiは熱開始速度定数〔(リットル)2
×(モル)-2×(秒)-1〕を表す。
00≧kd[I]/ki≧8000〔(モル)3 /(リ
ットル)3 〕、さらに好ましくは50000≧kd
[I]/ki≧10000〔(モル)3 /(リットル)
3 〕である。数式(1)の分子のkd[I]はペルオキ
シド開裂に由来する重合開始速度を代表するパラメータ
であり、分母のkiは熱開始に由来する重合開始速度を
代表するパラメータである。従って、kd[I]/ki
は熱開始重合に対するペルオキシド開始重合の割合を代
表するパラメータとなる。
〔(モル)3 /(リットル)3 〕未満の場合には、熱重
合の寄与が大きくなり、スチレンダイマー及びスチレン
トリマーの生成量が増加する。また、kd[I]/ki
が100000〔(モル)3/(リットル)3 〕を越え
ると、重合速度の調節が困難となる傾向にある。
溶媒中、初期ペルオキシ結合濃度が約0.1モル/リッ
トルの条件下で測定された値である。通常まず、3点以
上の異なる温度でkdを測定し、熱分解活性化パラメー
ター〔頻度因子(A)及び活性化エネルギー(E)〕を
求め、それを下記の数式(2)(アレニウス式)に代入
することにより任意の温度におけるkdが計算される。
イエンス(J.Appl.Polym.Sci.)、1
6巻、749頁(1972)に記載された下記の数式
(3)から求められる。
は、塊状重合法、溶液重合法又は懸濁重合法が採用さ
れ、またそれらの重合方法の組み合わせも採用される。
さらに、バッチ式重合法又は連続式重合法の何れの方法
であってもよい。溶液重合法においては、エチルベンゼ
ン、キシレン、トルエン等が溶媒として好適であり、そ
の使用量はスチレン系単量体に対し25重量%以下とす
ることが好ましい。
チレン系樹脂が得られる。前述の製造方法においては、
スチレン系単量体のラジカル重合条件を、重合開始剤と
して一分子中に3個以上のペルオキシ結合を有する多官
能ペルオキシドを用い、その多官能ペルオキシドを単量
体に対しペルオキシド結合濃度を0.001〜0.05
(モル/リットル)とするとともに、重合温度を80〜
140℃とし、かつ前記の数式(1)の条件を満たすよ
うに設定した。
重合の寄与を抑制して熱開始重合に対するペルオキシド
開始重合の割合を増大させることができる。そして、重
合体の分子量の低下を防止しつつ、スチレンダイマー及
びスチレントリマーの生成量を低減させることができ
る。
ンダイマー及びスチレントリマーの総含有量が好ましく
は1500ppm以下、さらに好ましくは1000pp
m以下となる。その結果、このスチレン系樹脂は食品容
器や包装材等食品用の用途に好適に用いられる。
製造方法の効果について記載する。 ・ 実施形態のスチレン系樹脂の製造方法によれば、特
に重合開始剤として一分子中に3個以上のペルオキシ結
合を有する多官能ペルオキシドを用い、特にその多官能
ペルオキシドのペルオキシド結合濃度及び重合温度を所
定範囲に設定したことから、重合速度を維持し、生産性
良くスチレン系樹脂を製造することができる。
によれば、特に重合開始剤の濃度と重合温度範囲を適正
範囲に設定したことから、分子量の低下を伴うことなく
高分子量のスチレン系樹脂を製造することができる。
によれば、特に前記数式(1)に示したように熱開始重
合に対するペルオキシド開始重合の割合を増大させたこ
とから、スチレンダイマー及びスチレントリマーの含有
量の少ないスチレン系樹脂を製造することができる。
うな製造方法により得られるため、スチレンダイマー及
びスチレントリマーの総含有量が好ましくは1500p
pm以下、さらに好ましくは1000ppm以下とな
る。
ダイマー及びスチレントリマーの総含有量が従来のスチ
レン系樹脂に比べ格段に少ないので、環境衛生の観点か
らその価値は極めて大きい。従って、このスチレン系樹
脂は例えば食品容器、発泡体として食品用トレー、ラン
チボックス、食品用カップ等の食品と接触するような用
途に好適に使用される。
をさらに具体的に説明する。なお、各例中の略号は以下
の化合物を示す。
−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン TMP: 1,1,1−トリス(t−ブチルペルオキシ
カルボニルオキシメチル)プロパン BuI: t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカー
ボネート 3M: 1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン 各例中で使用したペルオキシドの熱分解活性化パラメー
ターは以下の通りである。
15(秒)-1、E=33.7kcal/モル TMP: A=1.88×1015(秒)-1、E=34.
2kcal/モル BuI: A=1.75×1015(秒)-1、E=33.
9kcal/モル 3M: A=1.43×1015(秒)-1、E=33.0
kcal/モル (実施例1)PTA〔ペルオキシ結合濃度0.004
(モル/リットル)〕を溶解したスチレンを、内径4m
m、長さ300mmのガラスアンプルに2ml入れ、窒
素置換後封管し、120℃の恒温槽に浸し、4時間塊状
重合を行なった。重合後、残存スチレン量のガスクロマ
トグラフ(GC)による定量から重合転化率を求めた。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)
により重合体の重量平均分子量(Mw)を求めた。その
結果を表1に示した。
準物質としてα−メチルスチレンダイマーを含有するベ
ンゼン溶液2ml、次いでベンゼン5mlを添加して重
合体を溶解させた。この溶液にメタノール50mlを添
加し、攪拌、静置後、析出した重合体を自然ろ過した。
ろ液を20℃以下の温度でエバポレーターにより約2m
lまで濃縮した後、濃縮液をGC分析してスチレンダイ
マー及びスチレントリマーを定量した。それらの結果を
表1に示した。
マーの定性は文献(食衛誌、39巻、110頁、199
8年)に記載のスチレンダイマー及びスチレントリマー
のGC−MSトータルイオンクロマトグラム及びマスス
ペクトルを参照しながら、GC−MS(島津製作所社製
の商品名QP5000)を用いて行なった。
速度の評価、重合体の重量平均分子量(Mw)に基づく
重合体分子量の評価並びにスチレンダイマー及びスチレ
ントリマー含有量の評価は以下の評価基準で行なった。 (重合速度) ○:重合転化率/重合時間≧10%/h、 ×:重合転
化率/重合時間<10%/h (重合体分子量) ○:Mw≧40万、 ×:Mw<40万 (スチレンダイマー及びスチレントリマー総含有量) ○:≦1500ppm、 ×:>1500ppm (実施例2〜6及び比較例1〜8)表1に示す実施例1
において、重合開始剤の種類及び添加量並びに重合条件
を表2から表4の通りに代えた他は、実施例1に準じて
実施した。その結果を表2から表4に示した。なお、重
合は重合転化率が70〜90%に達する時間まで行なっ
た。
能ペルオキシドを用いる方法により、スチレンダイマー
及びスチレントリマーの含有量の少ないスチレン系樹脂
を、重合速度を低下させることなく、かつ高分子量で製
造できることがわかる。
単官能ペルオキシドを用いた場合(比較例1、2)、2
官能ペルオキシドを用いた場合(比較例3〜5)及び開
始剤を用いない熱重合の場合(比較例6、7)には、上
記の三つの効果の全てを達成することはできなかった。
また、比較例8から、多官能ペルオキシドを用いた場合
でも、kd[I]/kiが8000未満のときには、ス
チレンダイマー及びスチレントリマーの含有量が多くな
ることがわかる。
思想について以下に記載する。 ・ 前記数式(1)は下記の条件を満たすものである請
求項1に記載のスチレン系樹脂の製造方法。
〔(秒)-1〕、[I]は初期ペルオキシ結合濃度(モル
/リットル)、kiは熱開始速度定数〔(リットル)2
×(モル)-2×(秒)-1〕を表す。
体の重合速度の調節が困難となるのを防止することがで
き、かつスチレンダイマー及びスチレントリマーを効果
的に低減させることができる。
ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシ
ル)プロパン又は1,1,1−トリス(t−ブチルペル
オキシカルボニルオキシメチル)プロパンである請求項
1に記載のスチレン系樹脂の製造方法。
体の重合開始活性が高く、スチレンダイマー及びスチレ
ントリマーを効果的に低減させることができる。さら
に、高分子量の重合体を製造することができる。
ペルオキシドを併用する請求項1に記載のスチレン系樹
脂の製造方法。 このように構成した場合、目的に応じてスチレン系単量
体の重合速度及び重合体の分子量の調節を容易に行うこ
とができる。
ため、次のような効果を奏する。第1の発明のスチレン
系樹脂の製造方法によれば、スチレンダイマー及びスチ
レントリマーの含有量の少ないスチレン系樹脂をラジカ
ル重合法によって生産性良く、かつ分子量の低下を伴う
ことなく製造することができる。
の製造方法により得られ、スチレンダイマー及びスチレ
ントリマーの総含有量を1500ppm以下という低減
されたものとすることができる。
明のスチレン系樹脂を食品用として好適に用いることが
でき、環境衛生の観点からその価値は極めて大きい。
Claims (3)
- 【請求項1】 重合開始剤を用いてスチレン系単量体を
ラジカル重合するスチレン系樹脂の製造方法において、 重合開始剤として一分子中に3個以上のペルオキシ結合
を有する多官能ペルオキシドを使用し、その多官能ペル
オキシドを単量体に対しペルオキシド結合濃度として
0.001〜0.05(モル/リットル)使用し、重合
温度80〜140℃であり、かつ下記の数式(1)を満
たす条件下で重合させることを特徴とするスチレン系樹
脂の製造方法。 kd[I]/ki≧8000〔(モル)3 /(リットル)3 〕 ・・・(1) 式中、kdは多官能ペルオキシドの熱分解速度定数
〔(秒)-1〕、[I]は初期ペルオキシ結合濃度(モル
/リットル)、kiは熱開始速度定数〔(リットル)2
×(モル)-2×(秒)-1〕を表す。 - 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法により得ら
れ、スチレンダイマー及びスチレントリマーの総含有量
が1500ppm以下であるスチレン系樹脂。 - 【請求項3】 食品用として用いられるものである請求
項2に記載のスチレン系樹脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5016299A JP2000248013A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | スチレン系樹脂及びその製造方法 |
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JP5016299A JP2000248013A (ja) | 1999-02-26 | 1999-02-26 | スチレン系樹脂及びその製造方法 |
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---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005248003A (ja) * | 2004-03-04 | 2005-09-15 | Ps Japan Corp | 耐熱性スチレン系樹脂の製造方法及びその組成物 |
JP2009197105A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Ps Japan Corp | 芳香族モノビニル系樹脂の製造方法 |
-
1999
- 1999-02-26 JP JP5016299A patent/JP2000248013A/ja active Pending
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JP4721645B2 (ja) * | 2004-03-04 | 2011-07-13 | Psジャパン株式会社 | 耐熱性スチレン系樹脂の製造方法及びその組成物 |
JP2009197105A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Ps Japan Corp | 芳香族モノビニル系樹脂の製造方法 |
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