JPH07149817A - 食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents
食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法Info
- Publication number
- JPH07149817A JPH07149817A JP30195993A JP30195993A JPH07149817A JP H07149817 A JPH07149817 A JP H07149817A JP 30195993 A JP30195993 A JP 30195993A JP 30195993 A JP30195993 A JP 30195993A JP H07149817 A JPH07149817 A JP H07149817A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aromatic vinyl
- vinyl monomer
- polymerization
- monomers
- vinyl resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 芳香族ビニル単量体の重合体であって、重量
平均分子量が20万以上70万以下であり、残存芳香族
ビニル単量体が100ppm以下であることを特徴とす
る食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造において、芳香族
ビニル単量体を重合率が99%以上となるまで重合した
後、200℃以上の温度、100torr以下の圧力の条件
で、未反応芳香族ビニル単量体を除去する工程におい
て、下式で表わされるフェノール系熱劣化防止剤0.0
1〜0.5重量部を添加することを特徴とする食品容器
用芳香族ビニル樹脂の製造方法。 【化1】 【効果】 本発明の製造法により、残留芳香族ビニルモ
ノマー量が100ppm以下であり食品容器として好適
に使用できる低臭気の芳香族ビニル樹脂を製造すること
が可能である。
平均分子量が20万以上70万以下であり、残存芳香族
ビニル単量体が100ppm以下であることを特徴とす
る食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造において、芳香族
ビニル単量体を重合率が99%以上となるまで重合した
後、200℃以上の温度、100torr以下の圧力の条件
で、未反応芳香族ビニル単量体を除去する工程におい
て、下式で表わされるフェノール系熱劣化防止剤0.0
1〜0.5重量部を添加することを特徴とする食品容器
用芳香族ビニル樹脂の製造方法。 【化1】 【効果】 本発明の製造法により、残留芳香族ビニルモ
ノマー量が100ppm以下であり食品容器として好適
に使用できる低臭気の芳香族ビニル樹脂を製造すること
が可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】芳香族ビニル樹脂であるスチレン
系樹脂はその優れた成形性により、各種工業材料、電気
製品材料、雑貨、食品容器、包装材料として広く使用さ
れている。本発明はこれらの中でも特に食品容器として
好適に使用できる低臭気のスチレン系樹脂の製造方法に
関するものである。
系樹脂はその優れた成形性により、各種工業材料、電気
製品材料、雑貨、食品容器、包装材料として広く使用さ
れている。本発明はこれらの中でも特に食品容器として
好適に使用できる低臭気のスチレン系樹脂の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ビニル樹脂は工業的にはラジカル
重合法を用いて、連続塊状重合法、懸濁重合法、あるい
は乳化重合法により製造される。これらの重合法におい
て未反応の芳香族ビニル単量体を除去する方法として、
例えばポリスチレンの連続塊状重合法では、蒸発缶ある
いは押出機を用いてスチレン単量体及び/または重合溶
媒を高温かつ減圧下で脱揮する方法、懸濁重合では重合
反応後の懸濁ポリマー粒子を脱水洗浄後、乾燥し、ベン
ト付き押出機で造粒する方法等が用いられている。これ
らの脱揮工程において水等を添加する方法も広く知られ
ている。しかしながらこれらの方法では、スチレン単量
体の除去率を高めるために脱揮温度を高くしたり、真空
暴露時間を長くすると、ポリスチレンの熱分解によるス
チレン単量体の生成により樹脂中に残存するスチレン単
量体の量を100ppm以下に低減することが困難であ
る。
重合法を用いて、連続塊状重合法、懸濁重合法、あるい
は乳化重合法により製造される。これらの重合法におい
て未反応の芳香族ビニル単量体を除去する方法として、
例えばポリスチレンの連続塊状重合法では、蒸発缶ある
いは押出機を用いてスチレン単量体及び/または重合溶
媒を高温かつ減圧下で脱揮する方法、懸濁重合では重合
反応後の懸濁ポリマー粒子を脱水洗浄後、乾燥し、ベン
ト付き押出機で造粒する方法等が用いられている。これ
らの脱揮工程において水等を添加する方法も広く知られ
ている。しかしながらこれらの方法では、スチレン単量
体の除去率を高めるために脱揮温度を高くしたり、真空
暴露時間を長くすると、ポリスチレンの熱分解によるス
チレン単量体の生成により樹脂中に残存するスチレン単
量体の量を100ppm以下に低減することが困難であ
る。
【0003】本発明に用いられる化1により示されるフ
ェノール系熱劣化防止剤に関しては特開平5−1708
25号公報において金型へのオイル付着低減を目的とし
たモノビニル芳香族の2量体、3量体等の低分子量成分
の低減に関して示されているが本発明の効果である単量
体の低減による芳香族ビニル樹脂の低臭気化に関しては
なんら開示されていない。
ェノール系熱劣化防止剤に関しては特開平5−1708
25号公報において金型へのオイル付着低減を目的とし
たモノビニル芳香族の2量体、3量体等の低分子量成分
の低減に関して示されているが本発明の効果である単量
体の低減による芳香族ビニル樹脂の低臭気化に関しては
なんら開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の未反応芳香族ビ
ニル単量体の除去方法で得られる芳香族ビニル重合体、
例えばポリスチレンでは、通常300ppm以上のスチ
レン単量体を含んでおり、このようなポリスチレンを用
いた成形品は、使用時に臭気が問題となる場合がある。
特に食品容器のように食品と直接接触する用途において
は使用目的から残留スチレンモノマー量を低減した低臭
気のポリスチレンが求められている。
ニル単量体の除去方法で得られる芳香族ビニル重合体、
例えばポリスチレンでは、通常300ppm以上のスチ
レン単量体を含んでおり、このようなポリスチレンを用
いた成形品は、使用時に臭気が問題となる場合がある。
特に食品容器のように食品と直接接触する用途において
は使用目的から残留スチレンモノマー量を低減した低臭
気のポリスチレンが求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、芳香族ビニル樹
脂を製造する工程において特定のフェノール系熱劣化防
止剤を特定の添加量で使用して脱揮することにより臭気
の低減に予想だにしない改善効果を得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、芳香族ビニル樹
脂を製造する工程において特定のフェノール系熱劣化防
止剤を特定の添加量で使用して脱揮することにより臭気
の低減に予想だにしない改善効果を得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は芳香族ビニル単量体の重合体
であって、重量平均分子量が20万以上70万以下であ
り、残存芳香族ビニル単量体が100ppm以下である
ことを特徴とする食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造に
おいて、芳香族ビニル単量体を重合率が99%以上とな
るまで重合した後、200℃以上の温度、100torr以
下の圧力の条件で、未反応芳香族ビニル単量体を除去す
る工程において、化1で表わされるフェノール系熱劣化
防止剤0.01〜0.5重量部を添加することを特徴と
する食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法に関するも
のである。
であって、重量平均分子量が20万以上70万以下であ
り、残存芳香族ビニル単量体が100ppm以下である
ことを特徴とする食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造に
おいて、芳香族ビニル単量体を重合率が99%以上とな
るまで重合した後、200℃以上の温度、100torr以
下の圧力の条件で、未反応芳香族ビニル単量体を除去す
る工程において、化1で表わされるフェノール系熱劣化
防止剤0.01〜0.5重量部を添加することを特徴と
する食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法に関するも
のである。
【0007】本発明において原料として用いる芳香族ビ
ニル単量体としては、スチレン、αメチルスチレン、あ
るいはpメチルスチレン等を挙げることができる。これ
らを単独あるいは2種以上共重合させることも可能であ
る。また更にビニル単量体として、メタアクリル酸およ
びそのエステル、アクリル酸およびそのエステル、ある
いはアクリロニトリル等を芳香族ビニル単量体と共重合
することも可能である。これらの芳香族ビニル単量体を
重合する方法に関しては特に制限は無く、連続塊状重合
法、懸濁重合法、乳化重合法で製造することができる。
また重合は、有機過酸化物やアゾ系開始剤のような重合
開始剤を使用してもよいし、あるいは重合開始剤を使用
しない熱重合法でもよい。化1で表わされるフェノール
系熱劣化防止剤を添加し脱揮する方法には特に制限はな
いが、例えば、連続塊状重合で得られるペレット粒子、
懸濁重合で得られる懸濁粒子等に所定量のフェノール系
熱劣化防止剤を混合した後に脱揮工程に導入してもよい
し、溶媒に溶解後添加してもよい。
ニル単量体としては、スチレン、αメチルスチレン、あ
るいはpメチルスチレン等を挙げることができる。これ
らを単独あるいは2種以上共重合させることも可能であ
る。また更にビニル単量体として、メタアクリル酸およ
びそのエステル、アクリル酸およびそのエステル、ある
いはアクリロニトリル等を芳香族ビニル単量体と共重合
することも可能である。これらの芳香族ビニル単量体を
重合する方法に関しては特に制限は無く、連続塊状重合
法、懸濁重合法、乳化重合法で製造することができる。
また重合は、有機過酸化物やアゾ系開始剤のような重合
開始剤を使用してもよいし、あるいは重合開始剤を使用
しない熱重合法でもよい。化1で表わされるフェノール
系熱劣化防止剤を添加し脱揮する方法には特に制限はな
いが、例えば、連続塊状重合で得られるペレット粒子、
懸濁重合で得られる懸濁粒子等に所定量のフェノール系
熱劣化防止剤を混合した後に脱揮工程に導入してもよい
し、溶媒に溶解後添加してもよい。
【0008】
【実施例】次に実施例および比較例によって本発明をさ
らに詳細に説明する。なお実施例中の残留スチレンモノ
マーの定量は下記のガスクロマトグラフィー法により実
施した。 測定条件 検出方法 : 水素炎検出法 機器 : 島津製作所 GC9A カラム充填剤 : PEG−6000 10%,3m カラム温度 : 140℃ 注入口温度 : 220℃ キャリアガス : 窒素ガス、50ml/分 臭気判定法は下記に示す方法で実施した。200℃で加
熱圧縮成形した100mm平方、厚さ1mmのポリスチ
レンシートをステンレス製バットに入れ、そこに90℃
の温湯200mlを注ぐ。この3分後にこの温湯の臭気
を判定する。
らに詳細に説明する。なお実施例中の残留スチレンモノ
マーの定量は下記のガスクロマトグラフィー法により実
施した。 測定条件 検出方法 : 水素炎検出法 機器 : 島津製作所 GC9A カラム充填剤 : PEG−6000 10%,3m カラム温度 : 140℃ 注入口温度 : 220℃ キャリアガス : 窒素ガス、50ml/分 臭気判定法は下記に示す方法で実施した。200℃で加
熱圧縮成形した100mm平方、厚さ1mmのポリスチ
レンシートをステンレス製バットに入れ、そこに90℃
の温湯200mlを注ぐ。この3分後にこの温湯の臭気
を判定する。
【0009】
【実施例1】500mlの容量のガラス製ナス型フラス
コに、重量平均分子量31万、残留モノマーを374p
pm含むポリスチレン60gおよびエチルベンゼン40
gを加えて溶解後、熱劣化防止剤として化2で示される
構造を有する2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル
−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート[住友化学社製、登録商標
スミライザーGS]をポリスチレン重量に対して0.1
重量部添加し、混合する。このガラス製ナス型フラスコ
内を窒素ガスで充分置換した後、240℃のオイルバス
に投入し、10torrで20分間減圧脱揮する。所定
時間後、ガラス製ナス型フラスコを取り出し、室温まで
冷却後に大気圧に戻し、内容物であるポリスチレンを取
り出す。このポリスチレン中の残留スチレンモノマー
量、臭気判定結果を表1に示す。
コに、重量平均分子量31万、残留モノマーを374p
pm含むポリスチレン60gおよびエチルベンゼン40
gを加えて溶解後、熱劣化防止剤として化2で示される
構造を有する2−t−ブチル−6−(3’−t−ブチル
−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メ
チルフェニルアクリレート[住友化学社製、登録商標
スミライザーGS]をポリスチレン重量に対して0.1
重量部添加し、混合する。このガラス製ナス型フラスコ
内を窒素ガスで充分置換した後、240℃のオイルバス
に投入し、10torrで20分間減圧脱揮する。所定
時間後、ガラス製ナス型フラスコを取り出し、室温まで
冷却後に大気圧に戻し、内容物であるポリスチレンを取
り出す。このポリスチレン中の残留スチレンモノマー
量、臭気判定結果を表1に示す。
【0010】
【化2】
【0011】
【実施例2】添加する熱劣化防止剤量をポリスチレン重
量に対して0.3重量部とした以外は、実施例1と同様
にして減圧脱揮する。このポリスチレン中の残留スチレ
ンモノマー量、フィルム法による臭気判定結果を表1に
示す。
量に対して0.3重量部とした以外は、実施例1と同様
にして減圧脱揮する。このポリスチレン中の残留スチレ
ンモノマー量、フィルム法による臭気判定結果を表1に
示す。
【0012】
【比較例1】熱劣化防止剤を使用しないこと以外は実施
例1と同様に減圧脱揮する。このポリスチレン中の残留
スチレンモノマー量、フィルム法による臭気判定結果を
表1に示す。
例1と同様に減圧脱揮する。このポリスチレン中の残留
スチレンモノマー量、フィルム法による臭気判定結果を
表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明の製造方法により、残留芳香族ビ
ニルモノマー量が100ppm以下であり食品容器とし
て好適に使用できる低臭気の芳香族ビニル樹脂を製造す
ることが可能である。
ニルモノマー量が100ppm以下であり食品容器とし
て好適に使用できる低臭気の芳香族ビニル樹脂を製造す
ることが可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 芳香族ビニル単量体の重合体であって、
重量平均分子量が20万以上70万以下であり、残存芳
香族ビニル単量体が100ppm以下である食品容器用
芳香族ビニル樹脂の製造において、芳香族ビニル単量体
を重合率が99%以上となるまで重合した後、200℃
以上の温度、100torr以下の圧力の条件で、未反応芳
香族ビニル単量体を除去する際に、下式で表わされるフ
ェノール系熱劣化防止剤0.01〜0.5重量部を添加
することを特徴とする食品容器用芳香族ビニル樹脂の製
造方法。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30195993A JPH07149817A (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30195993A JPH07149817A (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07149817A true JPH07149817A (ja) | 1995-06-13 |
Family
ID=17903184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30195993A Pending JPH07149817A (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | 食品容器用芳香族ビニル樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07149817A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002012391A1 (fr) * | 2000-08-09 | 2002-02-14 | A & M Styrene Co., Ltd. | Composition de resine monovinylique aromatique |
JP2003231784A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-19 | Ps Japan Corp | 芳香族モノビニル系樹脂シート及びそのシート用樹脂の製造方法 |
JP2019014782A (ja) * | 2017-07-04 | 2019-01-31 | 東洋スチレン株式会社 | スチレン系樹脂組成物、発泡シート、及び食品容器 |
-
1993
- 1993-12-01 JP JP30195993A patent/JPH07149817A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002012391A1 (fr) * | 2000-08-09 | 2002-02-14 | A & M Styrene Co., Ltd. | Composition de resine monovinylique aromatique |
US6890978B2 (en) | 2000-08-09 | 2005-05-10 | A&M Styrene Co., Ltd. | Aromatic monovinyl resin composition |
JP2003231784A (ja) * | 2002-02-08 | 2003-08-19 | Ps Japan Corp | 芳香族モノビニル系樹脂シート及びそのシート用樹脂の製造方法 |
JP2019014782A (ja) * | 2017-07-04 | 2019-01-31 | 東洋スチレン株式会社 | スチレン系樹脂組成物、発泡シート、及び食品容器 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040203 |