JP2000247620A - 活性炭の製造方法 - Google Patents

活性炭の製造方法

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JP2000247620A
JP2000247620A JP11054237A JP5423799A JP2000247620A JP 2000247620 A JP2000247620 A JP 2000247620A JP 11054237 A JP11054237 A JP 11054237A JP 5423799 A JP5423799 A JP 5423799A JP 2000247620 A JP2000247620 A JP 2000247620A
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aqueous solution
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Kazuhide Hamada
和秀 浜田
Mitsumasa Tamura
光政 田村
Akio Nishijima
昭生 西嶋
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Kochi Prefecture
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物系原料から1段の焼成工程により、担持
量が多くて有害物質や悪臭物質に対する吸着除去能力に
優れた、金属成分担持活性炭の製造方法を提供する。 【解決手段】 親水性である植物系材料に、有害物質や
悪臭物質に対する吸着除去能力を有する遷移金属塩の水
溶液をあらかじめ含浸させた後に炭化させ、炭化と同時
に前記金属塩の金属元素の担持を行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭の新規な製
造方法に関する。さらに詳しくは、有害物質の吸着除去
能力に優れた活性炭の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭は、高い比表面積、速い吸着速度
等の利点から、種々の有害ガスの吸着材料、脱臭材料と
して幅広く利用されている。さらに性能を向上させる目
的で、種々の金属成分を添着、担持等させた活性炭が知
られており、例えば、活性炭に過マンガン酸カリウム溶
液を吸着させて二酸化マンガンを添着させた活性炭は悪
臭ガスに対する吸着に優れている(特開平8−1512
08)。また、活性炭を銅化合物溶液に浸漬して銅イオ
ンを担持した脱臭用活性炭(特開平5−269375号
公報)や、活性炭中のCOOH基に銅イオンや銀イオン
を結合させたイオン交換性活性炭(特開昭54−124
892号公報)、あるいは、二酸化チタンを表面添加さ
せた有害物質除去用活性炭(特開平9−67113)等
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の活性炭の製造方
法では、木材や果実殻等の植物系原料を炭化工程によっ
てまず炭化させ、続いて賦活工程を行うことが知られて
いるが、これらの工程はいずれも別個の高温加熱装置を
必要とするため、エネルギーコストが高い上に、装置コ
ストも高いという欠点を有している。
【0004】また、上述のように金属成分の添着、担持
等は活性炭の性能を向上させるが、一方で、汎用方法で
ある炭化物への含浸によって金属成分を導入する方法を
採った場合に、炭化物の疎水性によって含浸が充分にで
きないという問題点も有している。そこで本発明の課題
は、植物系原料から1段の焼成工程により、担持量が多
くて有害物質や悪臭物質に対する吸着除去能力に優れ
た、金属成分担持活性炭の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、活性炭の原料
である植物系材料は親水性であるので、これに有害物質
や悪臭物質に対する吸着除去能力を有する遷移金属の金
属塩の水溶液をあらかじめ含浸させるようにすれば含浸
量を極めて大きくできることを見いだし、このようにし
て遷移金属塩を含浸させた担持原料を、例えば、400
°C以上の温度で加熱し炭化させることを着想し、この
着想を実験により確かめ、金属元素の担持量が従来法に
くらべて大幅に向上した活性炭を製造できることを確認
して、本発明を完成させた。本発明の方法では、焼成工
程が1段のみであるため、エネルギーコスト的に、ま
た、装置コスト的にも有利である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明で用いる植物系原料として
は、活性炭の原料として従来から一般に用いられている
各種の植物系原料を使用することができ、例えば、松や
杉等の針葉樹の枝や幹、くぬぎや楢等の広葉樹の枝や
幹、やし殻やクルミ殻等の果実殻、建築廃材、製材廃棄
物などが挙げられる。この植物系原料は、固体状であれ
ばどのような形であってもよいが、取扱いの容易さと、
含浸処理のし易さの点で、塊状小片が特に好ましい。具
体的には、立方体または直方体構造の小片や、板状のも
の、さらには格子状や枠状のものなどが挙げられるが、
使用目的に応じて自由に形を選択することが可能であ
る。この場合、植物系原料の導管の吸水部が塊状小片の
表面にできるだけ多く存在するように、塊状小片をカッ
ティングして成形することが、後述の含浸の効率を上げ
る点で好ましい。
【0007】本発明で用いる遷移金属塩としては、有害
物質や悪臭物質の吸着除去性能のある金属塩であれば特
に制限はないが、本発明の効果を高める点で、硝酸銅、
モリブデン酸アンモニウム、酸化硫酸バナジウムが好ま
しく、この中でも酸化硫酸バナジウムが特に好ましい。
この遷移金属塩を濃度1〜0.01モル/lの水溶液と
して、上記植物系原料に含浸させる。
【0008】本発明により植物系原料に前記遷移金属塩
水溶液を含浸させるには、植物系原料の2〜10倍の溶
液量を用い、濃度1〜0.01モル/lの遷移金属塩水
溶液を植物系原料に加えて浸し、2〜5kg/cm2
圧力で、2〜4時間加圧を行うことが望ましい。加圧終
了後、含浸した植物系原料を取り出し、引き続き焼成工
程へと移るが、焼成工程前に水分を除去するために10
0〜120°Cで加熱乾燥してもよい。
【0009】本発明における含浸後の焼成工程は、上記
方法によって遷移金属塩の水溶液が含浸された植物系原
料を、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気
中で400°C以上、好ましくは400〜900°C、
より好ましくは600〜800°Cの温度で、加熱する
ことによって行う。加熱は通常3時間以内で行う。原料
を焼成温度まで昇温させる昇温速度は、5〜20°C/
分、好ましくは10°C/分である。コスト面からは、
使用する不活性ガスとしては窒素が望ましい。本焼成工
程により、植物系原料の炭化と、遷移金属塩の分解によ
る金属元素の担持が同時に実現できる。本発明における
金属元素の担持の形態としては特に限定されないが、金
属、金属炭化物、金属酸化物の中から選ばれる少なくと
も1種類の担持であることが好ましい。これらの形態に
おける担持によって、より優れた活性炭の性能が発現で
きる。
【0010】焼成工程で使用する焼成炉としては、外熱
式の焼成炉が好ましく使用され、例えば、外熱式の固定
床又は流動床焼成炉、攪拌式移動床炉、連続焼成炉等が
挙げられる。これらの焼成炉は、焼成原料、焼成条件、
原料の形状等を考慮して、適宜選択して使用すればよ
い。本発明の製造方法では、焼成工程が1段のみである
ため、炭化工程と焼成工程の2回の焼成処理が必要であ
った従来法に比べてエネルギーコスト的に、また、装置
コスト的に有利である。また、本発明では、親水性の植
物系原料に遷移金属塩水溶液を含浸させた後に焼成する
ので、疎水性の木炭に含浸させる従来法に比べて、含浸
効率が優れ、最終物中の金属含有量が向上する。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例により詳細に
説明するが、本発明は下記実施例により限定されるもの
ではない。 [実施例1]活性炭原料としての杉材の小片(1cm×
1cm×5cm)40個を、ステンレス製圧力容器に入
れ、真空ポンプで24時間乾燥した。その後、この圧力
容器に2リットルの0.5モル/l硝酸銅水溶液を入れ
て上記原料小片を浸し、5kg/cm2 の圧力で4時間
加圧して含浸させた。この金属塩を含浸させた杉材を1
05°Cで乾燥して活性炭製造原料とした。この原料を
管状電気炉の石英管(内径30mm×長さ50cm)中
央部に挿入し、窒素ガスを流通しながら、10°C/分
の昇温速度で900°Cまで昇温し、900°Cで1時
間保持した後、石英管を冷却し、得られた活性炭Aを取
り出した。活性炭Aの収量は32%であった。また、活
性炭A中の銅元素の担持の形態を分析するために、X線
回折装置(マックサイエンスMXP−18)で測定を行
ったところ、銅金属と酸化第一銅の存在が認められた。
活性炭AのX線回折チャートを図1に示した。 [比較例1]活性炭原料としての杉材の小片を硝酸銅水
溶液に含浸させない以外は実施例1と同様に行った。得
られた木炭Bの収量は22%であった。 [実施例2]含浸する金属塩水溶液として、モリブデン
酸アンモニウム水溶液を用い、焼成を700°Cで行う
以外は、実施例1と同様に行った。得られた活性炭Cの
モリブデン含有量は253mg/gであった。また、活
性炭C中のモリブデン元素の担持の形態を分析するため
に、X線回折装置(マックサイエンスMXP−18)で
測定を行ったところ、二酸化モリブデンと炭化モリブデ
ンの存在が認められた。活性炭CのX線回折チャートを
図2に示した。 [比較例2]比較例1で得られた木炭Bに、実施例2と
同様にモリブデン酸アンモニウム水溶液を含浸させて7
00°Cで加熱分解した。得られた活性炭Dのモリブデ
ン含有量は76mg/gであった。 [実施例3]含浸する金属塩水溶液として、酸化硫酸バ
ナジウム水溶液を用い、焼成を700°Cで行う以外
は、実施例1と同様に行った。得られた活性炭Eの収量
は35%であった。また、活性炭E中のバナジウム元素
の担持の形態を分析するために、X線回折装置(マック
サイエンスMXP−18)で測定を行ったところ、三酸
化二バナジウムと二酸化バナジウムの存在が認められ
た。活性炭EのX線回折チャートを図3に示した。 [実施例4]実施例1〜3で製造した活性炭(A、C、
E)、比較例1で製造した木炭B、および市販のヤシ殻
活性炭のそれぞれ1gを、内径13mm×長さ50mm
のガラス管に充填し、濃度2027ppmのNOガスを
50ml/分で流し、出口でのNO濃度を所定時間ごと
に測定した。結果を表1に示した。本発明の方法で製造
した活性炭はいずれも、木炭やヤシ殻活性炭に比べてN
O除去能力に優れている。特に、酸化硫酸バナジウムで
含浸した活性炭EのNO除去能力は非常に高く、NO流
通初期では特に極めて高い性能を示した。
【0012】
【表1】
【0013】[実施例5]実施例2、3で製造した活性
炭(C、E)、比較例1で製造した木炭B、および市販
のヤシ殻活性炭のそれぞれ1gを、実施例4と同様の条
件でNOガスを長時間(4〜96時間)流し、出口での
NO濃度を所定時間ごとに測定した。結果を表2に示し
た。本発明の方法で製造した活性炭C、Eはいずれも、
ヤシ殻活性炭に比べてNO除去能力の持続性に優れてお
り、木炭に比較しても性能が高い。
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、植物系原料
から1段の焼成工程により、有害物質や悪臭物質に対す
る吸着除去能力に優れ、金属元素の担持量が従来法にく
らべて大幅に向上した活性炭の製造方法を提供できる。
また、本発明の方法では、焼成工程が1段のみであるた
め、エネルギーコスト的に、また、装置コスト的にも有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性炭AのX線回折チャート図
【図2】活性炭CのX線回折チャート図
【図3】活性炭EのX線回折チャート図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西嶋 昭生 高知県高知市布師田3992番地3 高知県工 業技術センター内 Fターム(参考) 4G046 HA01 HB07 HC03 4G066 AA02B AA05B AA10D AA12B AA15B AA24B AA25B AA42B AA47A AA51A AA53A AC02A BA36 CA28 DA03 FA12 FA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性炭原料である植物系材料を炭化させて
    活性炭を製造する方法において、該植物系材料に遷移金
    属の金属塩の水溶液をあらかじめ含浸させた後に炭化さ
    せ、炭化と同時に前記金属塩の金属元素の担持を行わせ
    ることを特徴とする、活性炭の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属塩が、硝酸銅、モリブデン酸アン
    モニウム、酸化硫酸バナジウムの中から選ばれる少なく
    とも1種類である、請求項1に記載の活性炭の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記担持が、金属、金属炭化物、金属酸化
    物の中から選ばれる少なくとも1種類の担持である、請
    求項1または2に記載の活性炭の製造方法。
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