JP2000247446A

JP2000247446A - ロータリーフィーダー

Info

Publication number: JP2000247446A
Application number: JP11052392A
Authority: JP
Inventors: Ryoichi Miyagawa; 良一宮川
Original assignee: Aishin Industrial Corp
Current assignee: Aishin Industrial Corp
Priority date: 1999-03-01
Filing date: 1999-03-01
Publication date: 2000-09-12

Abstract

(57)【要約】【課題】シール性が良く、粉粒体の噛み込みや、挟み
込みが発生することもなく、装置全体を小型に維持する
ことができるロータリーフィーダーを提供する。【解決手段】上方及び下方が開口した円筒状のケーシ
ング２と、ケーシング２の上方開口を覆うとともに、粉
粒体の供給口３ａが穿設された上部カバー３と、ケーシ
ング２の下方開口を覆う下部カバー４と、鉛直方向に延
設された回転軸６と、回転軸６に一体的に備えられた複
数のブレード５ａと、ブレード５ａの外周に一体的に備
えられた外環リング５ｂとで構成されケーシング２の内
部に回動可能に収容されたローター５と、上部カバー３
あるいは下部カバー４のいずれか一方、または両方に穿
設された粉粒体の排出口３ｂ、４ｂを備えたロータリー
フィーダー１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロータリーフィー
ダーに関し、特に、粉粒体のハンドリングに使用される
竪軸型ロータリーフィーダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、粉粒体の粉砕、混合、乾燥、造
粒、分級、計量、包装等を行う際に使用される空気輸送
機や集塵装置等の各装置に広範にわたって、空気その他
のガスの圧力を遮断するとともに、粉粒体を定量供給し
たり、円滑に排出するため、ロータリーフィーダー
（「ロータリーバルブ」ともいう。）が使用されてい
る。そして、このロータリーフィーダーには、一般的
に、軸が水平方向に延設された横軸型と、軸が鉛直方向
に延設された竪軸型が存在する。

【０００３】図６は、従来使用されている横軸型ロータ
リーフィーダーの一例を示し、この横軸型ロータリーフ
ィーダー５０は、供給部５１ａと、排出部５１ｂと、胴
部５１ｃとを備えた円筒状のケーシング５１と、このケ
ーシング５１の両側面の開口を覆うためのカバー５４
と、ケーシング５１の胴部５１ｃ内に水平方向に延設さ
れた回転軸５２に固定された複数の回転羽根５３とを備
え、回転羽根５３の先端がケーシング５１の胴部５１ｃ
の内周面に摺接しながら回転する。

【０００４】ここで、横軸型ロータリーフィーダー５０
の上下に設けられた機器間に圧力差がなく、すなわち、
供給部５１ａと排出部５１ｂとの間に圧力差がない場合
には、単純な供給または排出用として使用されている場
合であって、シール性（気密性）は必要ないが、空気輸
送や集塵等の際の粉粒体のハンドリングにおいて、供給
部５１ａと排出部５１ｂのどちらかに圧力（プラス圧ま
たはマイナス圧の空気またはガス等の気体）が存在する
場合、または双方にプラス圧またはマイナス圧があって
も圧力差が存在する場合には、その圧力を遮断し、所定
の粉粒体を次工程に供給する必要がある。

【０００５】そこで、上方の供給部５１ａから粉粒体を
供給し、回転する複数の回転羽根５３によって粉粒体が
下方の排出部５１ｂに移動する途中において、ケーシン
グ５１との間で供給部５１ａと排出部５１ｂとの間の差
圧をシールし、排出部５１ｂから粉粒体を排出した後
は、回転羽根５３が上方の供給部５１ａに戻る間でシー
ルを行う。すなわち、この横軸型ローターリーフィーダ
５０では、回転羽根５３の先端を含む外周と、両側面の
３面によってシールされる。従って、供給部５１ａと排
出部５１ｂに圧力差が存在しても、粉粒体はスムーズに
排出部５１ｂから排出される。

【０００６】一方、図７は、従来使用されている竪軸型
ロータリーフィーダーを示し、このロータリーフィーダ
ー６０は、供給部６１ａを備えた上部カバー６１と、排
出部６２ａを備えた下部カバー６２と、円筒状のケーシ
ング６３を備え、このケーシング６３内には、鉛直方向
に延設された回転軸６４に固定された回転羽根６５が配
置され、回転羽根６５の上面６５ａ、下面６５ｂが各々
上部カバー６１の下面６１ｂ、下部カバー６２の上面６
２ｂと摺接するとともに、回転羽根６３の先端６５ｃが
ケーシング６３の内周面に摺接しながら回転する。そし
て、供給部６１ａから供給された粉粒体は、ケーシング
６３の内部を移動した後、排出部６２ａから排出され
る。

【０００７】この竪軸型ロータリーフィーダー６０にお
いても、上下に設けられた機器間に圧力差がない場合に
は単純な供給または排出用として使用されるが、圧力差
が存在する場合には、その圧力を遮断し、所定の粉粒体
を次工程に供給する必要がある。

【０００８】そこで、供給部６１ａと排出部６２ａとの
間に圧力差が存在しても、回転羽根６５の上面６５ａと
上部カバー６１の下面６１ｂ、回転羽根６５の下面６５
ｂと下部カバー６２の上面６２ｂ、回転羽根６５の先端
６５ｃを含む外周とケーシング６３の内周面、及び粉粒
体によってシールを行い、粉粒体をスムーズに排出部６
２ａから排出することができる。

【０００９】さらに、上記竪横軸型の両ロータリーフィ
ーダーとも、圧力をシールする面に種々の工夫を凝ら
し、シール性能を高める努力がなされている。

【発明が解決しようとする課題】

【００１０】しかし、上記ロータリーフィーダーにおい
ては、異物の混入を防止する必要のある工程に使用する
場合や、摩耗をできるだけ少なくする必要がある工程に
おいては、横軸型ロータリーフィーダー５０、竪軸型ロ
ータリーフィーダー６０を構成する部材にステンレス鋼
等の金属を使用しなければならない場合がある。そのよ
うな場合には、例えば、横軸型ロータリーフィーダー５
０において、ケーシング５１と回転羽根５３との隙間、
及びカバー５４と回転羽根５３との隙間を小さくしてリ
ークする空気等の量を少なくするように構成するが、ケ
ーシング５１とカバー５４の印ろうや、ベアリングの精
度や、はめあい公差や、回転軸５２とこの回転軸５２を
支持するベアリングの公差等の機械加工に限界がある。
また、粉粒体の物性（粒度や硬度）によっても噛み込み
や挟み込み等が発生するので、ケーシング５１と回転羽
根５３との間、及びカバー５４と回転羽根５３との間に
一定の隙間を設けることが不可避であり、リーク量を少
なくするには限界があった。

【００１１】また、横軸型ローターリーフィーダ５０、
竪軸型ローターリーフィーダ６０において、ケーシング
５１、６３や回転羽根５３、６５の摺動面等に、ゴム、
樹脂、非鉄金属材料、セラミックス等を使用してシール
性を高める方法もあるが、上述のように、異物の混入、
摩耗という点で問題があり、また、回転羽根５３等に上
記シール材を取り付けるための取付用のボルト、ナット
の脱落等の恐れもあり、使用箇所が限定されていた。

【００１２】さらに、横軸型ロータリーフィーダー５０
の場合には、回転羽根５３の側面にサイドプレートを取
り付けたサイドプレートローター（サイドウォール形ま
たはポケット形ローターともいう）を使用することも行
われている。このロータリーフィーダーは、一見、回転
羽根５３の先端を含む外周のみの一面シールが行われて
いるように見えるが、実際には、両サイドプレートの外
周とケーシングとの隙間からもリークするので、横軸型
ロータリーフィーダー５０と同様３面シールに変わりな
い。

【００１３】尚、このサイドプレートローターを使用す
る場合には、粉粒体がサイドプレートの外周とケーシン
グの隙間からサイドプレートの裏側（サイドカバー側）
へ漏れて滞留し、固着したり、ローターが回転する際の
ブレーキとなり、過負荷の原因になることもある。

【００１４】この際、粉詰まりを防止するため、サイド
プレートの下方の両側に切り欠き等のバイパスを設ける
こともあるが、その切り欠き等からリークした圧力がロ
ーターサイドプレートの外周を通って上方へリークした
り、粉粒体の性状によっては粉詰まりを解消することが
困難な場合がある。

【００１５】また、竪軸型ロータリーフィーダー６０に
ついても、横軸型ロータリーフィーダー５０の場合と同
様に、水平に回転する回転羽根６５の上面６５ａ、下面
６５ｂと、上部カバー６１及び下部カバー６２との隙間
から気体がリークする原理は同じである。

【００１６】さらに、ある種の竪軸型ロータリーフィー
ダーでは、図７における回転羽根６５を固定して、上部
カバー６１及び下部カバー６２を回転させ、その上部カ
バー６１と下部カバー６２の一部の異なる位置に、各
々、供給部６１ａと排出部６２ａを設け、上下２面シー
ルを行っているものもあるが、通常の竪軸型ロータリー
フィーダー６０と比較してシール面が一面減るものの、
上部カバー６１と回転羽根６５との隙間、及び下部カバ
ー６２と回転羽根６５との隙間からリークする。

【００１７】また、このような竪軸型ロータリーフィー
ダーでは、上部カバー６１と下部カバー６２の回転に伴
い供給部６１ａと排出部６２ａも回転移動するため、こ
の供給部６１ａへ粉粒体を供給するためのシュート等を
上部カバー６１の回転に同期して回転させる必要がある
とともに、排出部６２ａから排出された粉粒体を受ける
次工程の受け部等についても下部カバー６２の回転に同
期して回転させる必要があり、装置全体が大がかりなも
のとなる。

【００１８】圧力の遮断についてさらに説明を追加する
と、ロータリーフィーダーの構造上、例えば、ロータリ
ーフィーダーの上方より下方の圧力が高い場合には、回
転羽根５３または回転羽根６５は下部で粉粒体を排出し
た後、その空になった（多少粉粒体が残存している場合
もある）各羽根の間に下方の圧力（弛緩された気体であ
って背圧ともいう）を抱き込んで、その圧力を保持しな
がら圧力の低い上方の供給部５１ａまたは供給部６１ａ
でその圧力を吐き出す。そのため、吐き出された気体が
新たに回転羽根５３または回転羽根６５の各羽根間に充
満しようとして、粉粒体の流れを阻止して、粉粒体の回
転羽根５３または回転羽根６５への食い込みを悪くし、
排出量の低下を招き、性能が低下する。

【００１９】その弊害を改善するため、一般的に、例え
ば、下方から供給部５１ａまたは供給部６１ａに戻る間
で、ベント管等を使用して気体を抜く操作を行ったりす
ることも行われれているが、このベント管以降の処置に
問題があると、例えば、ベント管の閉塞を引き起こして
機能しなくなる等の弊害が生ずる。

【００２０】いずれにしても、リーク量を少なくするた
めに、様々な工夫をしているものの、粉粒体の物性や使
用条件によって各々状況異なるため、個別に対応してい
るのが現状である。

【００２１】また、このリーク量をいかに少なくできる
かが横軸型ロータリーフィーダー５０または竪軸型ロー
タリーフィーダー６０等を含む装置の性能や効率に大き
く影響するただけでなく、空気等の発生源としてのブロ
アやコンプレッサの吐出空気量の節約に繋がり、省エネ
ルギー、ひいては地球環境を護ることなる。

【００２２】さらに、リーク量を少なく押さえて発生源
の動力を小さくできれば、設備投資の削減と、ランニン
グコストの低減に繋がり、逆にリーク量が多くなると、
リークによる空気流等に粉流体を伴って装置を構成する
部材の摩耗を早めるため、リーク量を少なく押さえるこ
とは資源の節約にも貢献する。

【００２３】そこで、本発明は上記従来のロータリーフ
ィーダーにおける問題点に鑑みてなされたものであっ
て、シール性が良く、粉粒体の噛み込みや、挟み込みが
発生することもなく、装置全体を小型に維持することが
できるロータリーフィーダーを提供することを目的とす
る。

【００２４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、ローターリーフィーダであ
って、上方及び下方が開口した円筒状のケーシングと、
該ケーシングの上方開口を覆うとともに、粉粒体の供給
口が穿設された上部カバーと、前記ケーシングの下方開
口を覆う下部カバーと、鉛直方向に延設された回転軸
と、該回転軸に一体的に備えられた複数のブレードと、
該ブレードの外周に一体的に備えられた外環リングとで
構成され、前記ケーシングの内部に回動可能に収容され
たローターと、前記上部カバーあるいは前記下部カバー
のいずれか一方、または両方に穿設された粉粒体の排出
口を有することを特徴とする。

【００２５】そして請求項１記載の発明によれば、供給
口と排出口との間に圧力差があっても、外環リングが備
えられているため、従来の回転羽根の先端を含む外周部
に隙間がなく、シール面が従来より１面減って、シール
性が向上する。また、従来品に見受けられる回転羽根の
先端を含む外周における隙間での粉粒体の噛み込みや、
挟み込みが発生することもない。さらに、回転するのは
ローターのみであるため、従来の上部カバー及び下部カ
バーを回転する場合のように、供給部へ粉粒体を供給す
るためのシュート等、及び排出部から排出された粉粒体
を受ける受け部等を回転させる必要がなく、ローターリ
ーフィーダを含む装置全体が小型になる。

【００２６】また、請求項２記載の発明は、前記上部カ
バーあるいは前記下部カバーのいずれか一方、または両
方に板状のシール材を貼着したことを特徴とする。

【００２７】これによって、さらにシール性を向上させ
ることができる。尚、このシール材には、ゴム、樹脂、
非鉄金属材料、セラミックス等を使用することができ、
従来のようにブレードに取り付ける場合と異なり、ボル
トナット等の脱落の心配もない。

【００２８】さらに、請求項３記載の発明は、前記外環
リングの前記上部カバーに対向する面、あるいは前記下
部カバーに対向する面、またはこれらの両面にＯリング
を装着したことを特徴とする。

【００２９】このロータリーフィーダーでは、外環リン
グにＯリングが装着されているため、さらにシール性を
向上させることができる。

【００３０】また、請求項４記載の発明は、前記外環リ
ングの前記上部カバーに対向する面、あるいは前記下部
カバーに対向する面、またはこれらの両面に、前記粉粒
体が侵入可能な溝部を形成したことを特徴とする。

【００３１】これによって、粉粒体がこの外環リングの
溝部に入り、マテリアルシールを効かすことができ、さ
らにシール性を向上させることができる。

【００３２】さらに、請求項５記載の発明は、前記上部
カバーの前記粉粒体の供給口の、前記ローターの前記外
環リングまたは前記回転軸に近接する部分に邪魔板を備
えたことを特徴とする。

【００３３】このように構成すると、邪魔板の直下の空
隙部には粉粒体が存在しないため、ロータの外環リング
の外周面または回転軸側のボス部とケーシングの内周面
との間に粉粒体が噛み込むのを防止することができる。

【００３４】また、請求項６記載の発明は、前記上部カ
バーの前記粉粒体の供給口の、前記ローターの回転方向
側縁部に高圧ガスを吹き込むための吹込口を備えること
を特徴とする。

【００３５】これによって、ロータの外環リングの外周
面または回転軸側のボス部とケーシングの内周面との間
に入り込もうとする粉粒体が吹き飛ばされ、粉粒体の噛
み込みをさらに確実に防止することができる。

【００３６】請求項７記載の発明は、前記上部カバー
に、前記ケーシングの内部に連通する脱気口を穿設した
ことを特徴とする。

【００３７】このロータリーフィーダーでは、脱気口に
接続された脱気管を介して、ケーシングの背圧を抜くこ
とができるため、粉粒体のローターへの食い込みを良好
に保つことができ、排出量の低下を招くことがない。ま
た、この際、脱気管を鉛直方向に延設することができる
ため、脱気管を水平や傾斜させざるを得ない従来の横軸
型ロータリーフィーダーに比較して、脱気管の閉塞を防
止し易くすることができる。

【００３８】

【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるロータリー
フィーダーの実施の形態の具体例を図面を参照しながら
説明する。

【００３９】図１は、本発明にかかるロータリーフィー
ダーの一実施例を示す図であって、このロータリーフィ
ーダー１は、上方及び下方が開口した円筒状に形成され
たケーシング２と、このケーシング２の上下開口部を覆
う上部カバー３と下部カバー４と、ケーシング２の内部
に配置されたローター５と、輸送管７Ａ、７Ｂ等で構成
される。

【００４０】ケーシング２には、上部カバー３及び下部
カバー４が図示しない締結部材によって一体的に装着さ
れる。。

【００４１】上部カバー３は、ケーシング２の上方の開
口部を覆うとともに、供給口３ａが形成され、この供給
口３ａより粉粒体がケーシング２内に導かれる。また、
上部カバー３には排出口３ｂが穿設され、排出口３ｂ
は、上部カバー３に固定された輸送管７Ａの内部に連通
する。また、図１（ａ）に示すように上部カバー３に
は、ケーシング２内の背圧を抜くための脱気口１１が穿
設される。

【００４２】下部カバー４は、ケーシング２の下方開口
部を覆うとともに、排出口４ｂが穿設され、排出口４ｂ
は、下部カバー４に固定された輸送管７Ｂの内部に連通
する。

【００４３】ローター５は、ケーシング２の内部に収容
され、図２に示すように、鉛直方向に延設された回転軸
６に一体的に放射状に備えられた複数枚のブレード５ａ
と、ブレード５ａの外周に一体的に備えられた外環リン
グ５ｂとで構成され、隣接するブレード５ａの間の空間
は移送室５ｃを形成する。

【００４４】ローター５全体は、その中心部に固着され
た回転軸６によって回転し、移送室５ｃの内部に供給さ
れた粉粒体を供給口３ａから排出口３ｂまたは排出口４
ｂまで移動させる。尚、回転軸６は、ベアリング１０
Ａ、１０Ｂによって回転可能に支持されている。

【００４５】次に、上記構成を有する本発明にかかるロ
ーターリーフィーダ１の動作について図１及び図２を参
照しながら説明する。

【００４６】図１において、ケーシング２内のローター
５が回転すると、供給口３ａから供給された粉粒体がケ
ーシング２内、すなわちローター５の移送室５ｃ（図
２）に入り、ローター５の回転とともに、上部カバー３
の排出口３ｂまたは下部カバー４の排出口４ｂに移動す
る。そして、粉粒体が排出口３ｂ、４ｂから排出され、
例えば、コンプレッサからの圧縮空気の流れとともに輸
送管７Ａまたは輸送管７Ｂを介して次工程に供給され
る。

【００４７】ここで、供給口３ａと排出口３ｂまたは排
出口４ｂとの間に圧力差がある場合には、上部シール面
８と下部シール面９のみにおいてリークが発生する余地
があるが、従来品のロータリーフィーダー（放射状に外
周が抜けている）と異なり、外環リング５ｂが備えられ
ているため、外周部に隙間がなく、シール面が１面減っ
て、シール性が向上することとなる。また、従来品に見
受けられる回転羽根の外周における隙間での粉粒体の噛
み込みや、挟み込みが発生することがない。

【００４８】そして、上部シール面８と下部シール面９
におけるシール性を向上させるため、ローター５の上面
５ｄと上部カバー３の内面３ｃとの間、及びローター５
の下面５ｅと下部カバー４の内面４ａとの間の隙間を極
小にしたりほとんど０にすることもできる。

【００４９】また、シール面８、９にゴム、樹脂、非鉄
金属材料、セラミックス等のシール材を取り付けてシー
ル性を向上させることも可能である。この場合、ゴム等
は上部カバー３及び下部カバー４に固定することができ
るため、従来のように回転羽根に取り付ける場合と異な
り、ボルトナット等の脱落の心配がない。

【００５０】さらに、図２において、ローター５の上面
５ｄ、下面５ｅに図示しないＯリングを用いたり、溝を
設けてマテリアルシールを効かしてシール性を高めるこ
とも可能である。

【００５１】排出口３ｂ、排出口４ｂから粉粒体を排出
した後、輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂに戻る背圧がブレー
ド５ａ間に抱き込まれ、新たに供給口３ａからローター
５に充満される粉粒体の侵入を阻害したり、輸送管７Ａ
及び輸送管７Ｂで粉粒体のブリッジの発生を助長して性
能を低下させる場合には、輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂか
ら供給口３ａに戻る途中で脱気口１１を介して脱気す
る。

【００５２】脱気の方法としては、自然排気や吸引によ
る排気等種々の手法が考えられるが、本発明では脱気管
を鉛直方向に延設することができるため、脱気管を水平
や傾斜させて脱気処理せざるを得ない従来の横軸型ロー
タリーフィーダーに比較して、脱気管の閉塞を防止し易
くなる。

【００５３】また、従来の横軸型ロータリーフィーダー
の場合には、回転羽根が放射状で外周に抜けているた
め、粉粒体の噛み込み防止は構造上非常に難しい。しか
し、本発明にかかるローターリーフィーダ１において噛
み込み防止を必要とする場合には、図３に示すように、
上部カバー３の粉粒体の供給口３ａの、ローター５の外
環リング５ｂまたは回転軸６に近接する部分に邪魔板１
８Ａ、１８Ｂを設けることが好適である。ここで、図３
（ａ）は、回転軸６に近接する部分に邪魔板１８Ａ設け
た場合、図３（ｂ）は、外環リング５ｂに近接する部分
に邪魔板１８Ｂを設けた場合を示す。

【００５４】図３（ａ）に示すように、供給口３ａの回
転軸６に近接する部分に、断面が三角形状の邪魔板１８
Ａを設けると、邪魔板１８Ａの直下の空隙部２０Ａに
は、通常、粉粒体が存在しないため、粉粒体の噛み込み
がほとんど発生しない。

【００５５】また、図３（ｂ）に示すように、供給口３
ａの外環リング５ｂに近接する部分に、同じく断面が三
角形状の邪魔板１８Ｂを設けると、やはり邪魔板１８Ｂ
の直下の空隙部２０Ｂには、通常、粉粒体が存在しない
ため、粉粒体の噛み込みがほとんど発生しない。

【００５６】尚、上記のように邪魔板１８Ａまたは１８
Ｂを設けても、上方より落下してくる粉粒体は予測不能
な挙動を示し、依然として噛み込みが発生する場合もあ
る。そのような場合には、図示しない吹込口を介して、
粉粒体のすり切り面を構成する、供給口３ａのローター
５の回転方向側縁部３ｄに高圧ガスを吹き込み、この部
分の粉粒体を吹き飛ばすことにより噛み込みを防止する
こともできる。

【００５７】この際、供給口３ａの側縁部３ｄを図３
（ａ）、（ｂ）に示すような形状とすることにより、粉
粒体を回転軸６側（図３（ａ））、または外環リング５
ｂ側（図３（ｂ））に流れ易くして、粉粒体の滞留部１
９Ａ、１９Ｂに高圧ガスを吹き込むと効果的である。

【００５８】次に、上記構成を有する本発明にかかるロ
ーターリーフィーダ１の第１の使用例について図４を参
照しながら説明する。

【００５９】図４は、粉粒体の流動性が比較的良好な場
合であって、ローターリーフィーダ１の上方には、ホッ
パ１２が備えられ、このホッパ１２の内部は上部収容室
１２ａとなる。

【００６０】一方、上部カバー３の排出口３ｂ及び下部
カバー４の排出口４ｂは各々輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂ
の内部に連通し、粉粒体は輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂを
介して双方向に排出されるように構成される。

【００６１】そして、ケーシング２内のローター５が回
転すると、上部収容室１２ａから供給口３ａを介して粉
粒体がケーシング２内、すなわちローター５の移送室５
ｃ（図２）に入り、ローター５の回転とともに、上部カ
バー３の排出口３ｂまたは下部カバー４の排出口４ｂに
移動する。そして、粉粒体が排出口３ｂ、４ｂから排出
され、例えば、コンプレッサからの圧縮空気の流れとと
もに輸送管７Ａまたは輸送管７Ｂを介して次工程に供給
される。

【００６２】図５は、本発明にかかるローターリーフィ
ーダ１の第２の使用例として、粉粒体の流動性が比較的
悪い場合を示す。

【００６３】ローターリーフィーダ１の上方には、ホッ
パ１３が備えられ、このホッパ１３の内部は上部収容室
１３ａとなる。上部収容室１３ａの底部には、回転軸１
５に一体的に備えられた攪拌翼１４が備えられ、回転軸
１５と回転軸６との間には、ギヤ１６、１７が備えら
れ、回転軸１５は回転軸６と同期して回転するように構
成される。

【００６４】一方、上部カバー３の排出口３ｂ及び下部
カバー４の排出口４ｂは各々輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂ
の内部に連通し、粉粒体は輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂを
介して双方向に排出されるように構成される。

【００６５】そして、ケーシング２内のローター５が回
転すると、回転軸６の回転に応じてギヤ１６、１７を介
して回転軸１５も回転し、回転軸１５の回転によって攪
拌翼１４が回転する。これによって、上部収容室１３ａ
の下部に位置する粉粒体が攪拌されて流動性が良くな
り、供給口３ａにおいて発生し易い粉粒体特有のブリッ
ジ現象を引き起こすことなく、上部収容室１３ａから供
給口３ａを介してケーシング２内、すなわちローター５
の移送室５ｃ（図２）に供給される。

【００６６】そして、ローター５の回転とともに、粉粒
体が上部カバー３の排出口３ｂまたは下部カバー４の排
出口４ｂに移動して、排出され、例えば、コンプレッサ
からの圧縮空気の流れとともに輸送管７Ａまたは輸送管
７Ｂを介して次工程に供給される。

【００６７】尚、輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂにおける背
圧が、ローター５の回転に伴って供給口３ａで放出さ
れ、供給口３ａ近傍で粉粒体のローター５への食い込み
が悪い場合には、輸送管７Ａ及び輸送管７Ｂから供給口
３ａに戻る途中で脱気口１１を介して脱気して背圧を解
消することが好ましい。

【００６８】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明にかかるロータリーフィーダーによれば、シール性が
良いため、リーク量を少なくでき、ロータリーフィーダ
ーを含む装置の性能及び効率が向上し、空気等の発生源
としてのブロアやコンプレッサの吐出空気量を節約する
ことができ、省エネルギー、ひいては地球環境を護るこ
とができる。また、粉粒体の噛み込みや、挟み込みが発
生することもないため、安定した運転を確保することが
できる。さらに、ローターリーフィーダを含む装置全体
が小型になり、設備投資に要する費用を削減することも
可能となる。

【００６９】また、請求項２記載の発明によれば、さら
にシール性を向上させることができるとともに、ボルト
ナット等の脱落の心配もなく、異物の混入を防止するこ
とのできるロータリーフィーダーを提供することができ
る。

【００７０】さらに、請求項３または請求項４記載の発
明によれば、さらにシール性を向上させたロータリーフ
ィーダーを提供することができ、請求項５または請求項
６記載の発明によれば、粉粒体の噛み込みをさらに確実
に防止することのできるロータリーフィーダーを提供す
ることができる。

【００７１】また、請求項７記載の発明にかかるロータ
リーフィーダーによれば、粉粒体のローターへの食い込
みを良好に保つことができて排出量の低下を招くことが
なく、脱気管を鉛直方向に延設することができるため、
脱気管の閉塞を防止し易くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるロータリーフィーダーの一実施
例を示す図であって、（ａ）は一部破断平面図、（ｂ）
は縦断面図である。

【図２】図１のロータリーフィーダーのローター及び回
転軸を示す図であって、（ａ）は平面図、（ｂ）は縦断
面図である。

【図３】本発明にかかるロータリーフィーダーにおい
て、噛み込み防止対策として、供給口に邪魔板を設けた
状態を示す概略断面図であって、（ａ）は回転軸に近接
する部分に設けた場合、（ｂ）は外環リングに近接する
部分に設けた場合を示す。

【図４】本発明にかかるロータリーフィーダーの第１の
使用例を示す図であって、（ａ）は平面図、（ｂ）は縦
断面図である。

【図５】本発明にかかるロータリーフィーダーの第２の
使用例を示す図であって、（ａ）は平面図、（ｂ）は縦
断面図である。

【図６】従来の横軸型ロータリーフィーダーの一例を示
す縦断面図である。

【図７】従来の縦軸型ロータリーフィーダーの一例を示
す縦断面図であって、（ａ）は一部破断平面図、（ｂ）
は縦断面図である。

【符号の説明】

１ローターリーフィーダ２ケーシング３上部カバー３ａ供給口３ｂ排出口３ｃ内面３ｄ側縁部４下部カバー４ａ内面４ｂ排出口５ローター５ａブレード５ｂ外環リング５ｃ移送室６回転軸７Ａ、７Ｂ輸送管８上部シール面９下部シール面１０Ａ、１０Ｂベアリング１１脱気口１２ホッパ１２ａ上部収容室１３ホッパ１３ａ上部収容室１４攪拌翼１５回転軸１５１６、１７ギヤ１８Ａ、１８Ｂ邪魔板１９Ａ、１９Ｂ滞留部２０Ａ、２０Ｂ空隙部

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１２年６月１２日（２０００．６．１
２）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００５

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００５】そこで、上方の供給部５１ａから粉粒体を
供給し、回転する複数の回転羽根５３によって粉粒体が
下方の排出部５１ｂに移動する途中において、ケーシン
グ５１との間で供給部５１ａと排出部５１ｂとの間の差
圧をシールし、排出部５１ｂから粉粒体を排出した後
は、回転羽根５３が上方の供給部５１ａに戻る間でシー
ルを行う。すなわち、この横軸型ロータリーフィーダー
５０では、回転羽根５３の先端を含む外周と、両側面の
３面によってシールされる。従って、供給部５１ａと排
出部５１ｂに圧力差が存在しても、粉粒体はスムーズに
排出部５１ｂから排出される。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１１】また、横軸型ロータリーフィーダー５０、
竪軸型ロータリーフィーダー６０において、ケーシング
５１、６３や回転羽根５３、６５の摺動面等に、ゴム、
樹脂、非鉄金属材料、セラミックス等を使用してシール
性を高める方法もあるが、上述のように、異物の混入、
摩耗という点で問題があり、また、回転羽根５３等に上
記シール材を取り付けるための取付用のボルト、ナット
の脱落等の恐れもあり、使用箇所が限定されていた。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２４

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、ロータリーフィーダーであ
って、上方及び下方が開口した円筒状のケーシングと、
該ケーシングの上方開口を覆うとともに、粉粒体の供給
口が穿設された上部カバーと、前記ケーシングの下方開
口を覆う下部カバーと、鉛直方向に延設された回転軸
と、該回転軸に一体的に備えられた複数のブレードと、
該ブレードの外周に一体的に備えられた外環リングとで
構成され、前記ケーシングの内部に回動可能に収容され
たローターと、前記上部カバーあるいは前記下部カバー
のいずれか一方、または両方に穿設された粉粒体の排出
口を有することを特徴とする。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２５】そして請求項１記載の発明によれば、供給
口と排出口との間に圧力差があっても、外環リングが備
えられているため、従来の回転羽根の先端を含む外周部
に隙間がなく、シール面が従来より１面減って、シール
性が向上する。また、従来品に見受けられる回転羽根の
先端を含む外周における隙間での粉粒体の噛み込みや、
挟み込みが発生することもない。さらに、回転するのは
ローターのみであるため、従来の上部カバー及び下部カ
バーを回転する場合のように、供給部へ粉粒体を供給す
るためのシュート等、及び排出部から排出された粉粒体
を受ける受け部等を回転させる必要がなく、ロータリー
フィーダーを含む装置全体が小型になる。

【手続補正６】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００４５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００４５】次に、上記構成を有する本発明にかかるロ
ータリーフィーダー１の動作について図１及び図２を参
照しながら説明する。

【手続補正７】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００５３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００５３】また、従来の横軸型ロータリーフィーダー
の場合には、回転羽根が放射状で外周に抜けているた
め、粉粒体の噛み込み防止は構造上非常に難しい。しか
し、本発明にかかるロータリーフィーダー１において噛
み込み防止を必要とする場合には、図３に示すように、
上部カバー３の粉粒体の供給口３ａの、ローター５の外
環リング５ｂまたは回転軸６に近接する部分に邪魔板１
８Ａ、１８Ｂを設けることが好適である。ここで、図３
（ａ）は、回転軸６に近接する部分に邪魔板１８Ａ設け
た場合、図３（ｂ）は、外環リング５ｂに近接する部分
に邪魔板１８Ｂを設けた場合を示す。

【手続補正８】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００５８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００５８】次に、上記構成を有する本発明にかかるロ
ータリーフィーダー１の第１の使用例について図４を参
照しながら説明する。

【手続補正９】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００５９

【補正方法】変更

【補正内容】

【００５９】図４は、粉粒体の流動性が比較的良好な場
合であって、ロータリーフィーダー１の上方には、ホッ
パ１２が備えられ、このホッパ１２の内部は上部収容室
１２ａとなる。

【手続補正１０】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００６２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００６２】図５は、本発明にかかるロータリーフィー
ダー１の第２の使用例として、粉粒体の流動性が比較的
悪い場合を示す。

【手続補正１１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００６３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００６３】ロータリーフィーダー１の上方には、ホッ
パ１３が備えられ、このホッパ１３の内部は上部収容室
１３ａとなる。上部収容室１３ａの底部には、回転軸１
５に一体的に備えられた攪拌翼１４が備えられ、回転軸
１５と回転軸６との間には、ギヤ１６、１７が備えら
れ、回転軸１５は回転軸６と同期して回転するように構
成される。

【手続補正１２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００６８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００６８】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明にかかるロータリーフィーダーによれば、シール性が
良いため、リーク量を少なくでき、ロータリーフィーダ
ーを含む装置の性能及び効率が向上し、空気等の発生源
としてのブロアやコンプレッサの吐出空気量を節約する
ことができ、省エネルギー、ひいては地球環境を護るこ
とができる。また、粉粒体の噛み込みや、挟み込みが発
生することもないため、安定した運転を確保することが
できる。さらに、ロータリーフィーダーを含む装置全体
が小型になり、設備投資に要する費用を削減することも
可能となる。

【手続補正１３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【符号の説明】１ロータリーフィーダー２ケーシング３上部カバー３ａ供給口３ｂ排出口３ｃ内面３ｄ側縁部４下部カバー４ａ内面４ｂ排出口５ローター５ａブレード５ｂ外環リング５ｃ移送室６回転軸７Ａ、７Ｂ輸送管８上部シール面９下部シール面１０Ａ、１０Ｂベアリング１１脱気口１２ホッパ１２ａ上部収容室１３ホッパ１３ａ上部収容室１４攪拌翼１５回転軸１６、１７ギヤ１８Ａ、１８Ｂ邪魔板１９Ａ、１９Ｂ滞留部２０Ａ、２０Ｂ空隙部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上方及び下方が開口した円筒状のケーシ
ングと、該ケーシングの上方開口を覆うとともに、粉粒体の供給
口が穿設された上部カバーと、前記ケーシングの下方開口を覆う下部カバーと、鉛直方向に延設された回転軸と、該回転軸に一体的に備
えられた複数のブレードと、該ブレードの外周に一体的
に備えられた外環リングとで構成され、前記ケーシング
の内部に回動可能に収容されたローターと、前記上部カバーあるいは前記下部カバーのいずれか一
方、または両方に穿設された粉粒体の排出口を有するこ
とを特徴とするローターリーフィーダ。
【請求項２】前記上部カバーあるいは前記下部カバー
のいずれか一方、または両方に板状のシール材を貼着し
たことを特徴とする請求項１記載のローターリーフィー
ダ。
【請求項３】前記外環リングの前記上部カバーに対向
する面、あるいは前記下部カバーに対向する面、または
これらの両面にＯリングを装着したことを特徴とする請
求項１または２記載のローターリーフィーダ。
【請求項４】前記外環リングの前記上部カバーに対向
する面、あるいは前記下部カバーに対向する面、または
これらの両面に、前記粉粒体が侵入可能な溝部を形成し
たことを特徴とする請求項１、２または３記載のロータ
ーリーフィーダ。
【請求項５】前記上部カバーの前記粉粒体の供給口
の、前記ローターの前記外環リングまたは前記回転軸に
近接する部分に邪魔板を備えたことを特徴とする請求項
１乃至４のいずれかに記載のローターリーフィーダ。
【請求項６】前記上部カバーの前記粉粒体の供給口
の、前記ローターの回転方向側縁部に高圧ガスを吹き込
むための吹込口を備えることを特徴とする請求項１乃至
５のいずれかに記載のローターリーフィーダ。
【請求項７】前記上部カバーに、前記ケーシングの内
部に連通する脱気口を穿設したことを特徴とする請求項
１乃至６のいずれかに記載のローターリーフィーダ。