JP2000239506A - 共重合ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

共重合ポリエステル樹脂組成物

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JP2000239506A
JP2000239506A JP11351318A JP35131899A JP2000239506A JP 2000239506 A JP2000239506 A JP 2000239506A JP 11351318 A JP11351318 A JP 11351318A JP 35131899 A JP35131899 A JP 35131899A JP 2000239506 A JP2000239506 A JP 2000239506A
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polyester resin
copolymerized polyester
antioxidant
acid
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JP11351318A
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English (en)
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Yoko Furuta
洋子 古田
Taiji Kawaguchi
泰治 川口
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Du Pont Toray Co Ltd
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Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱エージング性と耐油性に優れた共重合ポリ
エステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】芳香族ジカルボン酸(a−1)と、水素添
加したダイマー酸(a−2)とを主成分とし、水素添加
したダイマー酸(a−2)が、全ジカルボン酸成分の1
〜60モル%であるジカルボン酸成分(a)と、1,4
−ブタンジオールを主成分とするグリコール成分(b)
とから得られる共重合ポリエステル樹脂(A)100重
量部に対して、芳香族アミン系酸化防止剤(B)0.0
1〜5重量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
(C)0.01〜5重量部と、イオウ系酸化防止剤
(D)0.01〜5重量部および/またはリン系酸化防
止剤(E)0.01〜5重量部とを配合してなる共重合
ポリエステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れ、高
い機械的強度と、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性などの
ゴム的性質を有し、耐熱エージング性と耐油性に優れる
共重合ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレートのような結
晶性芳香族ポリエステル樹脂にダイマー酸を共重合した
共重合ポリエステル樹脂は、耐衝撃性、弾性回復性、柔
軟性などのゴム的性質を有し、しかも耐熱エージング性
に優れたポリエステル樹脂として知られている。たとえ
ば、特開昭50−90697号公報には、テレフタル酸
の他にダイマー酸を含む酸成分と、主として脂肪族ジオ
ールからなるグリコール成分から構成される共重合ポリ
エステル樹脂および、その重合時に芳香族アミン系安定
剤を使用することが開示されている。また、特開平5−
214219号公報には、水素添加ダイマー酸をポリブ
チレンテレフタレートに共重合したポリエステルに、ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤
と、チオエーテル系酸化防止剤を配合した樹脂組成物が
開示されている。
【0003】しかしながら、上記特開昭50−9069
7号公報に開示されたダイマー酸共重合ポリエステル樹
脂は、ある程度、耐熱エージング性に優れたポリエステ
ル樹脂であるが、過酷な条件での耐熱エージング性およ
び耐油性は十分ではなく、比較的短時間で強度や伸びが
低下して使用できなくなったり、成形品の表面に亀裂が
発生して外観が悪くなったりするという問題点があっ
た。また、上記特開平5−214219号公報に開示さ
れた樹脂組成物も、ある程度、耐熱エージング性に優れ
たポリエステル樹脂であるが、やはり、過酷な条件での
耐熱エージング性および耐油性は十分ではないという同
様の問題点があった。
【0004】また、ポリブチレンテレフタレートのよう
な結晶性芳香族ポリエステル樹脂にポリオキシメチレン
オキシドグリコールのようなポリエーテルを共重合した
ポリエステルブロック共重合体に、芳香族アミン系酸化
防止剤を配合した樹脂組成物が特開昭48−89955
号公報に、さらに、ポリエステルブロック共重合体にヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤
やリン系酸化防止剤を配合した樹脂組成物が特公昭44
−3911号公報に開示されている。これらの樹脂組成
物は柔軟でゴム的弾性を有し、熱可塑性で成形性に優
れ、ある程度耐熱エージング性に優れた樹脂組成物であ
るが、過酷な条件での耐熱エージング性および耐油性は
不十分であるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0006】したがって、本発明の目的は、成形性に優
れ、高い機械的強度と、耐衝撃性、弾性回復性、柔軟性
などのゴム的性質を有し、耐熱エージング性と耐油性に
優れた共重合ポリエステル樹脂組成物を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物は、芳香
族ジカルボン酸(a−1)と、水素添加したダイマー酸
(a−2)とを主成分とし、水素添加したダイマー酸
(a−2)が、全ジカルボン酸成分の1〜60モル%で
あるジカルボン酸成分(a)と、1,4−ブタンジオー
ルを主成分とするグリコール成分(b)とから得られる
共重合ポリエステル樹脂(A)100重量部に対して、
芳香族アミン系酸化防止剤(B)0.01〜5重量部
と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)0.01
〜5重量部と、イオウ系酸化防止剤(D)0.01〜5
重量部および/またはリン系酸化防止剤(E)0.01
〜5重量部とを配合してなることを特徴とする。
【0008】また、本発明の共重合ポリエステル樹脂組
成物においては、前記芳香族ジカルボン酸(a−1)が
テレフタル酸またはナフタレンジカルボン酸であるこ
と、前記水素添加したダイマー酸(a−2)の純度が9
4%以上であること、前記水素添加したダイマー酸(a
−2)の純度が98%以上であること、前記芳香族アミ
ン系酸化防止剤(B)がジフェニルアミン系化合物であ
ること、前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)
が分子量500以上のヒンダードフェノール系化合物で
あること、前記イオウ系酸化防止剤(D)がチオジプロ
ピオン酸エステル化合物であること、前記リン系酸化防
止剤(E)が分子中にリン原子とともにイオウ原子も有
する化合物であること、前記リン系酸化防止剤(F)が
分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物であるこ
と、が、いずれも好ましい条件であり、これらの条件を
適用した場合には一層優れた効果の取得を期待すること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
【0010】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を
形成する共重合ポリエステル樹脂(A)のジカルボン酸
成分(a)は、芳香族ジカルボン酸(a−1)と、水素
添加したダイマー酸(a−2)とを主成分とする。芳香
族ジカルボン酸(a−1)の具体例としては、テレフタ
ル酸またはナフタレンジカルボン酸、あるいはそのエス
テル形成性誘導体が好ましく、この他にイソフタル酸、
フタル酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸、5−スルホイソフタル
酸、あるいはこれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができる。本発明に用いられる水素添加したダイ
マー酸(a−2)は、精製した植物性不飽和脂肪酸の二
量化物の水素添加によって得られたもの、あるいはこれ
らのエステル形成性誘導体などを用いることができる。
水素添加したダイマー酸(a−2)は、蒸留精製によっ
て単量体や3量体を除去した高純度化したダイマー酸を
水素添加したものを用いることが好ましい。重合反応性
および共重合体の物性が優れていることから、水素添加
したダイマー酸(a−2)の純度が94%以上であるも
のが好ましく、98%以上であるものが特に好ましい。
【0011】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を
形成する共重合ポリエステル樹脂(A)においては、水
素添加したダイマー酸(a−2)が、全ジカルボン酸成
分の1〜60モル%、好ましくは5〜55モル%、さら
に好ましくは10〜50モル%である。水素添加したダ
イマー酸(a−2)が、1モル%未満では得られる共重
合ポリエステル樹脂組成物の耐衝撃性などのゴム的弾性
が十分ではない。また60モル%を越えると、剛性の低
下が大きい上、融点が低く、また結晶化速度が遅くな
り、成形性に劣る共重合ポリエステル樹脂組成物しか得
られない傾向にある。
【0012】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を
形成する共重合ポリエステル樹脂(A)のグリコール成
分(b)は、1,4−ブタンジオールを主成分とする
が、この他に、エチレングリコール、トリメチレングリ
コール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレングリ
コールなどの脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、トリシクロデカンジメチロールなどの
脂環式グリコール、キシリレングリコール、ビス(p−
ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2−ヒドロ
キシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン、4,
4’−ジヒドロキシ−p−ターフェニル、および4,
4’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニルなどの芳
香族グリコールを用いることができる。また、これらの
グリコール成分を2種以上併用することもできる。
【0013】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を
形成する共重合ポリエステル樹脂(A)においては、必
要に応じてトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリッ
ト酸などの3官能以上の多官能カルボン酸成分、多官能
オキシ酸成分および多官能ヒドロキシ成分を、重縮合中
にゲル化しない程度の少量、例えば、全ジカルボン酸成
分に対して0.05〜3mol%程度用いることができ
る。
【0014】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を
形成する共重合ポリエステル樹脂(A)の好ましい製造
方法としては、例えば、芳香族ジカルボン酸の低級アル
コールジエステルと、水素添加したダイマー酸と、過剰
量の低分子量グリコールを、チタン化合物、およびヒン
ダードフェノール化合物の存在下にエステル交換反応お
よびエステル化反応せしめ、得られる反応生成物を重縮
合する方法、あるいは芳香族ジカルボン酸と、水素添加
したダイマー酸と、過剰量のグリコールを、チタン化合
物、スズ化合物、およびヒンダードフェノール化合物の
存在下にエステル化反応せしめ、得られる反応生成物を
重縮合する方法などが挙げられる。また、ヒンダードフ
ェノール化合物は重縮合時に添加してもよいし、その一
部を重縮合終了後に配合してもよい。
【0015】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物に
用いられる成分の一つである芳香族アミン系酸化防止剤
(B)としては、フェニルナフチルアミン、4,4’−
ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α
−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、および4−イ
ソプロポキシジフェニルアミンなどを用いることができ
るが、これらの中でもジフェニルアミン系化合物の使用
が好ましい。
【0016】本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一
つであるヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)とし
ては、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−
ブチル−p−クレゾール、ヒドロキシメチル−2,6−
ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−α−ジメ
チルアミノ−p−クレゾール、2,5−ジ−t−ブチル
−4−エチルフェノール、、4,4’−ビス(2,6−
ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビ
ス−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2,2’
−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−
o−クレゾール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6
−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−
ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−
ヒドロキシ−5−t−ブチルベンジル)スルフィド、
4,4’−チオビス(6−t−ブチル−o−クレゾー
ル)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−
3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンゼンスルホン酸のジエチルエステル、2,2’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシ
ル)−5,5’−ジメチル−ジフェニルメタン、α−オ
クタデシル−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート、6−(ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス
−オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサメ
チレングリコール−ビス[β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート]、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸アミド)、2,2−
チオ[ジエチル−ビス−3(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゼンホスホン酸の
ジオクタデシルエステル、テトラキス[メチレン−3
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)イソシアヌレート、およびトリス
[β−(3,5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアヌレートな
どを用いることができるが、これらの中でも特にテトラ
キス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]メタンのような分
子量が500以上のものの使用が好ましい。
【0017】本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一
つであるイオウ系酸化防止剤(D)とは、チオエーテル
系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、
チオカルバニリド系、およびチオジプロピオンエステル
系などのイオウを含む化合物である。これらの中でも、
特にチオジプロピオンエステル系化合物の使用が好まし
い。
【0018】本発明の樹脂組成物に用いられる成分の一
つであるリン系酸化防止剤(E)とは、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸誘導体、フェニルホスホン酸、ポリホス
ホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファ
イト、およびジアルキルビスフェノールAジホスファイ
トなどのリンを含む化合物である。これらの中でも、分
子中にリン原子とともにイオウ原子も有する化合物、あ
るいは分子中に2つ以上のリン原子を有する化合物の使
用が好ましい。
【0019】これらの酸化防止剤(B)〜(E)の配合
量は、いずれも共重合ポリエステル樹脂(A)100重
量部に対し0.01〜5重量部、好ましくは0.05〜
3重量部、さらに好ましくは0.1〜1.5重量部であ
る。酸化防止剤(B)〜(E)の配合量をこの範囲に調
整することにより、所期の目的を達成することができ、
ブルーミング、機械的強度の低下も防止できる。
【0020】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物の
製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、
共重合ポリエステル樹脂に所定の酸化防止剤を配合した
原料を、スクリュー型押出機に供給し溶融混練する方
法、またスクリュー型押出機に、まず共重合ポリエステ
ル樹脂を供給して溶融し、さらに他の供給口より酸化防
止剤を供給して混練する方法など、適宜採用することが
できる。
【0021】このように構成される本発明の共重合ポリ
エステル樹脂組成物は、耐熱エージング性と耐油性に優
れる。
【0022】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で種々の添加剤を添
加することができる。例えば公知の結晶核剤や滑剤など
の成形助剤、耐光剤、顔料や染料などの着色剤、帯電防
止剤、導電剤、難燃剤、補強剤、充填剤、可塑剤、離型
剤などを任意に含有することができる。
【0023】本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物
は、成形性に優れ、高い機械的強度と、耐衝撃性、弾性
回復性、柔軟性などのゴム的性質を有し、耐熱エージン
グ性と耐油性に優れる。このため、自動車、電子・電気
機器、精密機器用途の成形品、各種シート、各種フィル
ムなどに有用である。
【0024】
【実施例】以下に実施例によって本発明の効果を説明す
る。なお、実施例中の%および部とは、ことわりのない
場合すべて重量基準である。また、実施例中に示される
物性は次のように測定した。 [相対粘度]o−クロロフェノールを溶媒とした0.5
%のポリマ溶液を25℃で測定した。 [融点]差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−
910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分
の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定
した。 [硬度(ショアDスケール)]JIS K−7215に
準じて測定した。 [耐熱エージング性]射出成形して作ったJIS 2号
型ダンベル試験片を、150℃の熱風オーブン中でエー
ジングし、引張破断伸びが初期の半分に低下する時間を
測定した。 [耐油性]射出成形して作ったJIS 2号型ダンベル
試験片を、120℃のASTMNo.3オイルに浸漬
し、引張破断伸度が初期の半分に低下する時間を測定し
た。 [参考例] [共重合ポリエステル樹脂(A−1)〜(A−3)の製
造]テレフタル酸145部、純度98%の水素添加した
ダイマー酸である”プリポール”1009(ユニケマ社
製)117部および1,4−ブタンジオール160部
を、テトラ−n−ブチルチタネート0.15部、モノ−
n−ブチル−モノヒドロキシスズオキサイド0.03部
とともに、ヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に
仕込み、190〜225℃で反応水を系外に留出しなが
らエステル化反応を行なった。反応混合物にテトラ−n
−ブチルチタネート0.45部を追添加し、さらに”イ
ルガノックス”1098(チバガイギー社製アミド基含
有ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤、分子量637)
0.15部を添加した後、245℃に昇温し、次いで5
0分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件
下で2時間45分重合を行わせた。得られたポリマを水
中にストランド状で吐出し、カッティングによりペレッ
ト化して、水素添加したダイマー酸が全ジカルボン酸成
分の19モル%である共重合ポリエステル樹脂(A−
1)を得た。これと同様に、表1に示す共重合ポリエス
テル樹脂(A−2)と(A−3)を得た。得られた共重
合ポリエステル樹脂の物性を表1に示す。 [ポリエステルブロック共重合体(X−1)の製造]テ
レフタル酸151部、1,4−ブタンジオール147部
および数平均分子量約1400のポリ(テトラメチレン
オキシド)グリコール107部をチタンテトラブトキシ
ド0.15部、モノ−n−ブチル−モノヒドロキシスズ
オキサイド0.03部と共にヘリカルリボン型攪拌翼を
備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加
熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応をお
こなった。反応混合物に”イルガノックス”1098
(チバガイギー社製ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止
剤)0.15部を添加した後、245℃に昇温し、次い
で40分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その
条件下で2時間50分重合をおこなった。得られたポリ
マを水中にストランド状で吐出し、カッティングにより
ペレット化してポリエステルブロック共重合体(X−
1)を得た。物性を表1に示す。
【0025】
【表1】 [酸化防止剤]下記実施例において使用した酸化防止剤
(B−1)、(C−1)、(D−1)、(E−1)およ
び(E−2)の略号と構造式を表2に示す。
【0026】
【表2】 [実施例1〜5]参考例で得られた共重合ポリエステル
樹脂(A−1)、(A−2)、(A−3)に、各酸化防
止剤をいずれも表3に示すような配合比率でドライブレ
ンドし、45mmφのスクリューを有する2軸押出機を
用いて、240℃で溶融混練したのちペレット化した。
このペレットを80℃で5時間乾燥後、成形温度240
℃、金型温度60℃で、JIS 2号型ダンベルに射出
成形した。この射出成形したダンベルを用いて耐熱エー
ジング性と耐油性を評価した。これらの結果を表3に示
す。
【0027】
【表3】 [比較例1〜7]樹脂組成物の原料を表3に示した各配
合比率でドライブレンドし、実施例1〜5と同様にペレ
ット化を行った。これらのペレットと、参考例で得られ
たポリエステルブロック共重合体(A−1)〜(A−
3)そのものから、実施例1〜5と同様に射出成形して
ダンベルを作り、同様に評価した。これらの結果を表3
に併せて示す。 [比較例8〜10]共重合ポリエステル樹脂の代わりに
ポリエステルブロック共重合体(X−1)を使用して表
4に示すような配合比率でドライブレンドし、実施例1
〜5と同様に射出成形してダンベルを作り、同様に評価
した。これらの結果を表3に併せて示す。
【0028】表3の結果から明らかなように、共重合ポ
リエステル樹脂に、芳香族アミン系酸化防止剤と、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤
および/またはリン系酸化防止剤とを配合した本発明の
樹脂組成物は、耐熱エージング性と耐油性に優れてい
る。一方、比較例の樹脂組成物は、本発明の組成物に比
較して、耐熱エージング性も耐油性も劣っている。ま
た、ポリエステルブロック共重合体に、芳香族アミン系
酸化防止剤と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、
イオウ系酸化防止剤および/またはリン系酸化防止剤と
を配合した比較例の樹脂組成物は、本発明の組成物に比
較して、耐熱エージング性も耐油性も劣っている。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の共重合ポ
リエステル樹脂組成物は、共重合ポリエステル樹脂に、
芳香族アミン系酸化防止剤と、ヒンダードフェノール系
酸化防止剤と、イオウ系酸化防止剤および/またはリン
系酸化防止剤とを配合することにより、優れた耐熱エー
ジング性と耐油性を発揮する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸(a−1)と、水素添
    加したダイマー酸(a−2)とを主成分とし、水素添加
    したダイマー酸(a−2)が、全ジカルボン酸成分の1
    〜60モル%であるジカルボン酸成分(a)と、1,4
    −ブタンジオールを主成分とするグリコール成分(b)
    とから得られる共重合ポリエステル樹脂(A)100重
    量部に対して、芳香族アミン系酸化防止剤(B)0.0
    1〜5重量部と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (C)0.01〜5重量部と、イオウ系酸化防止剤
    (D)0.01〜5重量部および/またはリン系酸化防
    止剤(E)0.01〜5重量部とを配合してなる共重合
    ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記芳香族ジカルボン酸(a−1)がテレ
    フタル酸またはナフタレンジカルボン酸である請求項1
    記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記水素添加したダイマー酸(a−2)の
    純度が94%以上である請求項1または2に記載の共重
    合ポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記水素添加したダイマー酸(a−2)の
    純度が98%以上である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記芳香族アミン系酸化防止剤(B)がジ
    フェニルアミン系化合物である請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤
    (C)が分子量500以上のヒンダードフェノール系化
    合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の共重合
    ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記イオウ系酸化防止剤(D)がチオジプ
    ロピオン酸エステル化合物である請求項1〜6のいずれ
    か1項に記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記リン系酸化防止剤(E)が分子中にリ
    ン原子とともにイオウ原子も有する化合物である請求項
    1〜7のいずれか1項に記載の共重合ポリエステル樹脂
    組成物。
  9. 【請求項9】前記リン系酸化防止剤(F)が分子中に2
    つ以上のリン原子を有する化合物である請求項1〜8の
    いずれか1項に記載の共重合ポリエステル樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013505311A (ja) * 2009-09-22 2013-02-14 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 調理用袋および食品を調理するためのその調理用袋の使用
JP2014502647A (ja) * 2010-12-16 2014-02-03 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 二量体化脂肪酸のモノマー単位を含有するポリマーを含有するポリマー組成物

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