JP2000239105A - 徐放性農薬製剤およびその製造方法 - Google Patents
徐放性農薬製剤およびその製造方法Info
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Abstract
ワックスおよびc)撥水性粉末を芯材にコーティングする
ことによって徐放性農薬製剤を製造する際に、上記b)の
ワックス成分をエマルジョンとして芯材にコーティング
する。
Description
よびその製造方法に関する。
場合、農薬成分が速い速度で製剤中から放出され、栽培
植物に薬害を生じたり、適切な残効が得られなかった
り、オーバーフローやリーチング等のために環境中に放
出されてしまう原因となることがある。
難溶性の物質の中に農薬成分を分散あるいは溶解させる
方法、農薬の表面に水不溶性あるいは難溶性の物質を被
覆する方法、対イオンを農薬成分に結合させて水に溶解
しにくい塩を得る方法などが知られている。
たり、農薬製造工程で通常用いられない加熱等の設備を
要したり、揮発性の有機溶媒を用いるために排気回収の
設備を要したり、原料の価格が高くなるなどの問題があ
る場合が多く、実現に困難を伴うことが多かった。
は各種エマルジョンが広く知られているが、多くの場
合、農薬成分の溶出抑制力が大きくなく、水溶解度の大
きな農薬成分に適用した場合、溶出抑制の効果が不十分
な場合が多い。またエマルジョンの種類によっては高価
であったり、エマルジョン自体が不安定であるとか、粘
度が高すぎるとか、固体濃度が低すぎるとかして取り扱
いが難しい場合も多い。
は、短時間に安価に製造できる、農薬成分の製剤外への
溶出が効果的に抑制された農薬製剤を提供することにあ
る。
0℃以上であるワックスのエマルジョン、農薬成分およ
び撥水性粉末を芯材にコーティングすることによって、
ワックスエマルジョンもしくは撥水性の粉末をそれぞれ
単独に農薬製剤中へ添加するよりも農薬成分の水への接
触がより妨げられ、その結果水溶解度の高い農薬成分の
製剤外への溶出が効果的に抑制されることを見いだし
た。
発性有機溶媒を用いる必要がなく、短時間に、安価に従
来の農薬製造設備、すなわち単純なミキサーと乾燥機の
みの設備を用いて製造することができる。
は、特に限定されないが農薬成分の水溶解度が10ppm以
上、特に50ppm以上の場合、溶出抑制の効果が顕著に現
れる。
剤、殺菌剤、除草剤(植物調整剤)、薬害軽減剤、誘因
剤、忌避剤、殺鼠剤等およびこれらの混合剤や農薬肥料
に利用可能であるがこれらに限定されるものではない。
ことができる。
まま使用可能であるし、液体のものでも適当な吸収剤、
例えば合成シリカ、軽石などの無機多孔質性物質、セル
ロース等の有機質多孔質性を用いることによって使用可
能である。芯材が多孔質の材料の場合、芯材自体が農薬
成分の吸収剤として働くことも可能である。
0.1%から80% 、好ましくは0.5%から70%の量で添加され
る。
めに60℃以上の融点を有するワックスが使用される。
ワックスをエマルジョン化するために使用される界面活
性剤等の種類や含有量は特定する必要はないが、エマル
ジョン中のワックス濃度は乾燥等の工程を容易にするた
め25 %以上であることが望ましい。用いるワックスエマ
ルジョンの種類としては、パラフィンワックスエマルジ
ョン、マイクロクリスタルワックスエマルジョン、カル
ナウバワックスエマルジョン、ポリエチレンワックスエ
マルジョン、モンタンワックスエマルジョンなどの単独
もしくは混合されたエマルジョンを例示出来るがこれら
に限定されるものではない。これらのワックスエマルジ
ョンとしては、例えばモービル石油からマルレックス20
9、クラリアントジャパンからホスタディスパT-730およ
び日本精蝋からEmulstar-0413が市販されている。
70%、望ましくは2%から 50%の量で添加される。
水性のホワイトカーボン、撥水処理した鉱物質粉、高分
子脂肪酸、高分子脂肪酸塩、高分子脂肪酸エステル、高
分子アルコール、撥水処理した穀物粉、高分子ポリマー
粉、松脂粉、適当な粉体と撥水処理剤との併用等を例示
できるがこれらに限定されるものではない。
コーティング操作を円滑に行うためには芯材の粒度の約
1/10以下であることが望ましい。
60%、望ましくは1%から40%の量で添加される。
質粒状物、例えばケイ砂粒、炭酸カルシウム粒、ロウ石
粒、セリサイト粒、ベントナイト粒、ゼオライト粒、ケ
イソウ土粒、軽石粒、アタパルジャイト粒、海岸砂粒、
河川砂粒などあるいは鉱物質微粉の造粒物、鉱物質の加
工品、木材の破砕品、動植物破砕物の造粒品、プラスチ
ック粒、紙の造粒品、繊維の造粒品、ガラス破砕品、植
物種子などを例示できるがこれらに限定されるものでは
ない。
製造工程に要求される粒度の範囲の中で適当な徐放効果
を実現出来るものを適時選択すればよいが、そのまま農
薬製剤として利用する場合は、0.3〜1.7mmの範囲とな
り、さらに加工を行う場合の原料とする場合は0.02〜1.
7mm、好ましくは0.05〜1.7mmのものが使用される。
バインダー、増量材、色素、香料、安定化剤、界面活性
剤、比重調整剤などの製剤の性能を向上させるのに必要
な成分および農薬成分を溶解させる不揮発性の有機、無
機の溶媒を適時加えることが出来る。
ング機械を用いて、各成分を芯材にコーティングするこ
とによって製造することができる。このコーティング機
械としては、コーティング用ドラムミキサー、転動造粒
機、攪拌造粒機などを例示できるが、これらに限定され
るものではない。
を加えた後に、他の原料を一括もしくは何回かに分けて
投入し、必要ならば水を加えて行う。
用ミキサーに直接熱風を送り込む方法、コーティングが
終了した粒を取り出して流動層乾燥機などを用いる方法
で乾燥を行う。その後必要に応じて整粒操作を行う。
かに分けて多層コーティングをしたり、1種あるいは2
種以上の農薬成分を分けてワックスエマルジョンと撥水
性粉末の前後にコーティングしたり、さらにその上にコ
ーティングを行うなどして農薬成分の全部もしくは一部
の農薬成分の粒剤からの溶出を違う速度に調整すること
も可能である。
量や比率を調整するか、コーティングを何回かに分ける
ことによって粒剤からの農薬成分の溶出速度を適当に調
整することが可能である。
択、その一部を他のエマルジョンや撥水性の異なる粉末
に置き換えたり、芯材の粒度分布を選択することによっ
て溶出速度を調整することも可能である。
スエマルジョンに含まれる水を取り除くためにコーティ
ングされた芯材を乾燥する。この乾燥工程は、例えば各
成分の芯材へのコーティング中またはコーティング後
に、通常の乾燥方法で行うことができる。農薬製剤の製
造工程の複雑さおよび経済性の点から、コーティング後
に乾燥を行うことが好ましい。
他のコーティング操作を行うことも可能である。また、
乾燥に続いて、従来の造粒法、例えば単純混合、コーテ
ィング法、練り混み造粒法、攪拌造粒法、転動造粒法、
スプレードライ法、流動層造粒法、圧縮造粒法で処理し
て農薬製剤を得ることも可能である。
後、ハ゜ラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス混合エマルシ゛ョン7%を加えて
混合した。次にエトキシスルフロン原体を加えコーティング操作
を行い均一とした。さらにハ゜ラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス混
合エマルシ゛ョン18%を加え均一にした後、撥水性ホワイトカーホ゛ン6.0
0%を加え、粉体が均一に粒の周りにコーティングされる
までミキサーを運転した。その後流動層乾燥機を用い
て、乾燥を行った。
後、カルナウハ゛ワックスエマルシ゛ョン15%を加えて混合した。次にエトキシ
スルフロン原体を加えコーティング操作を行い均一とした。
さらにカルナウハ゛ワックスエマルシ゛ョン7%を加え均一にした後、撥水
性ホワイトカーホ゛ン6.00 %を加え、粉体が均一に粒の周りにコ
ーティングされるまでミキサーを運転した。その後流動
層乾燥機を用いて、乾燥を行った。
後、ハ゜ラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス7%を加えて混合した。次
にエトキシスルフロン原体を加えコーティング操作を行い均一と
した。さらにハ゜ラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス混合エマルシ゛ョン10%
を加え均一にした後、撥水性ホワイトカーホ゛ン3.50 %を加え、
粉体が均一に粒の周りにコーティングされるまでミキサ
ーを運転した。その後流動層乾燥機を用いて、乾燥を行
った。
後、ハ゜ラフィンワックス、マイクロクリスタルワックスエマルシ゛ョン7%を加えて混合
した。次にエトキシスルフロン原体を加えコーティング操作を行
い均一とした。さらにハ゜ラフィンワックス、マイクロクリスタルワックス混合エマ
ルシ゛ョン18%を加え均一にした後、親水性ホワイトカーホ゛ン4.50%を
加え、粉体が均一に粒の周りにコーティングされるまで
ミキサーを運転した。その後流動層乾燥機を用いて、乾
燥を行った。
後、ウレタンエマルシ゛ョン7%を加えて混合した。次にエトキシスルフロン原
体を加えコーティング操作を行い均一とした。さらにウレ
タンエマルシ゛ョン20 %を加え均一にした後、撥水性ホワイトカーホ゛ン6.
00 %を加え、粉体が均一に粒の周りにコーティングされ
るされるまでミキサーを運転した。その後流動層乾燥機
を用いて、乾燥を行った。
後、アクリルエマルシ゛ョン7%を加えて混合した。次にエトキシスルフロン原
体を加えコーティング操作を行い均一とした。さらにアク
リルエマルシ゛ョン17 %を加え均一にした後、撥水性ホワイトカーホ゛ン6.
00 %を加え、粉体が均一に粒の周りにコーティングされ
るされるまでミキサーを運転した。その後流動層乾燥機
を用いて、乾燥を行った。 溶出性試験 方法 縦16 cm横 25cm高さ12 cmのポリプロピレン製ホ゜ットを6
個用意しそれぞれに水道水を水深5cm加えた(2000 m
l)。ポットを20℃の恒温槽内に一昼夜保管した。各
実施例1―3および比較例1―3の計6粒剤をそれぞれ
のポットに0.04 gづつ散布し、食品用ラップで覆った
後、恒温槽内で保管し続けた。所定の時間毎にポット内
の水約1 mlを採取しHPLC法で分析を行った。粒剤内に含
まれるエトキシスルフロンが完全に溶出してポット内で均一にな
った場合、水中濃度は0.05ppmとなる。 溶出率 = 水中濃度 / 0.05 × 100 結果 農薬成分の溶出率(%)
Claims (4)
- 【請求項1】 a)農薬成分、b)融点が60℃以上である
ワックスおよびc)撥水性粉末を芯材にコーティングする
ことによって徐放性農薬製剤を製造する方法において、
上記b)のワックス成分をエマルジョンとして芯材にコー
ティングすることを特徴とする上記方法。 - 【請求項2】 a)〜c)の全成分を芯材にコーティングし
た後に、コーティングされた芯材を乾燥して、エマルジ
ョン中に含まれていた水を除去する請求項1に記載の方
法。 - 【請求項3】 さらに通常の造粒手段によって造粒する
請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
より製造される徐放性農薬製剤。
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JP03731699A JP4462666B2 (ja) | 1999-02-16 | 1999-02-16 | 徐放性農薬製剤およびその製造方法 |
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---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-02-16 JP JP03731699A patent/JP4462666B2/ja not_active Expired - Fee Related
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