JPH0665641B2 - 農薬粒状製剤 - Google Patents

農薬粒状製剤

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JPH0665641B2
JPH0665641B2 JP60016638A JP1663885A JPH0665641B2 JP H0665641 B2 JPH0665641 B2 JP H0665641B2 JP 60016638 A JP60016638 A JP 60016638A JP 1663885 A JP1663885 A JP 1663885A JP H0665641 B2 JPH0665641 B2 JP H0665641B2
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譲 和田
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喜好 橋本
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日本バイエルアグロケム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な農薬粒状製剤及びその調製方法に関す
るものである。
更に詳しくは、下水汚泥無機成分を高温焼成処理して得
られる粒状基剤に有害生物防除活性化合物を含浸及び/
又は被覆させた新規な農薬粒状製剤及びその調製方法に
関するものである。
今日、農薬は農業生産物の安定供給のためには肥料とと
もに不可欠な農薬生産資材の一つになっている。しか
し、その普及とともに、農業生産物の増産に寄与する一
方で、環境の汚染または使用時の安全性の問題をもたら
している。
この問題解決のために、その農薬を製剤形態や使用方法
に種々の工夫、改善がなされて来た。
特に、粒状形態の農薬は、環境の汚染や使用時の安全性
および簡便な点で優れており近年その普及が著じるしい
が粒状の基剤の生産コストが高いことが欠点とされてい
る。
また、環境の汚染の点から考えると農薬の施用量は小量
であることが好ましいが、一方少量の施用で有効な農薬
は一般的に人畜に対する毒性も高いという欠点がある。
例えば、その作用機構から、特に殺虫剤にその傾向が見
られる。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究を重
ねた結果、驚くべきことに、安価に提供される都市下水
汚泥無機成分を高温処理をして得られる粒状基剤に有害
生物防除活性化合物を含浸および/又は被覆させて農薬
を使用した場合に極めて有効に有害生物を防除すること
が出来、環境の汚染の問題や農薬の使用時の安全性の問
題も解決できることを見出した。
即ち、本発明者等は、例えば、建築用骨材、フラワーポ
ット、ブロック等に既に利用されている下水汚泥を原料
とし多段噴流炉で焼成造粒した粒状基材を、上記問題を
解決するために農薬製剤分野への利用、特に有害生物防
除剤の粒状製剤への利用の可能性について鋭意研究し
た。
その結果、本発明者等が今回初めて農薬製剤分野に於い
て、下水汚泥を原料にした粒状基材を用いることによ
り、農薬を使用する場合に簡便かつ安全に有効使用する
ことが可能なることを見い出した。又、多段噴流炉で焼
成して製造した粒状基材に有害生物防除活性化合物を含
浸及び/又は被覆した新規な農薬粒状製剤が、従来の粒
状基材をキャリアーとした農薬粒状製剤に比し極めて優
れた物理的化学的特性を有し、使用する場合に簡便であ
りかつ人畜に対して安全であり、更に有害生物に対する
生物活性効果に於いても優れたものであること見い出し
本発明を完成した。
本発明の新規農薬粒状製剤に於いて使用する粒状基材
は、例えば、日本特許公開昭58-30380号及び58-30381号
公報に記載されている方法により製造することができ
る。
本発明の新規な農薬粒状製剤、即ち、上記した粒状基材
に有害生物防除活性化合物を含浸及び/又は被覆させた
農薬粒状製剤は、以下に記載する如き種々の優れた物理
的化学的特性を有する。
例えば、(1)平衡水分が少なく活性物質が安定であ
る、(2)本粒状基材を用いて製造するとき、適度の吸
油能があるので、含浸法により農薬粒剤を容易に製造す
ることができる、(3)該粒状製剤は、物理的にも化学
的にも長期間安定であり、長期保存に耐える、(4)該
粒状製剤は硬いので、製造中及び輸送中の磨砕が無い、
(5)該粒状製剤の磨砕による微粉の生成が無いので施
用時(散粒時)の粉立ちが無く、散布者の農薬被ばく量
を小さくすることができる、(6)該粒状製剤は、水中
で崩壊せず活性物質の放出が緩徐なので生物活性効果が
持続する、又手散布の場合、散布者の経皮吸収による被
ばく量を小さくすることができる。(7)有害生物に対
する生物活性効果も優れている、等従来の他の基材を用
いて製した農薬粒状製剤に比して極めて優れている事を
見い出した。
本発明で云う粒状基材の好ましい例としては、下水汚泥
無機成分を多段噴流炉で高温、好ましくは980゜〜1150
℃で焼成処理し製造した流状基材を挙げることができ
る。上記下水汚泥無機成分とは産業廃棄物をも含むもの
である。
該粒状基材は、例えば、その製造方法により異なる3種
の製品即ち、粒状基材(A)、粒状基材(B)及び粒状
基材(C)を挙げることができる。その製造方法を略記
するならば、例えば、都市下水汚泥を使用して製造した
粒状基材の場合、粒状基材(A)(スラジライト)は、
工程(I)下水汚泥の脱水ケーキを焼却し、その焼
却灰を微粉砕し、水と粘性を与えるための結合剤であ
る有機質廃液、例えばアルコール醗酵廃液を添加し加湿
混練し、次いで造粒、乾燥させ、高温度、好まし
くは980゜〜1150℃の温度で多段噴流炉に於いて焼成処
理し、空冷することにより製造され、粒状基材(B)
は、工程(II)、前記粒状基材(A)の工程(I)に於
いて及びの工程を省略し、且つ変形したものであ
り、前記下水汚泥の脱水ケーキと、該脱水ケーキの一部
を乾燥微粉砕したものとを混練し、造粒し、前記工程
(I)の,及びに従って製造される。この場合、
脱水ケーキとその乾燥微粉砕したものとの混合割合は、
混合物の水分含量が約20〜35%程度であればよく、例え
ば、脱水ケーキとその乾燥微粉砕したものとの混合物と
して1:3等の割合が例として挙げられる。また、粒状基
材(C)は、工程(III)、前記粒状基材(A)の工程
(I)に於いて、の水と有機質廃液の添加の代わりに
脱水ケーキを添加し混練し、前記工程(I)の,,
及びの処理をしたものである。
上記方法に於いて使用する多段噴流炉は、日本特許公開
昭58-30380及び58-30381号公報に記載のものが好適に使
用される。
焼却灰の組成は、例えば以下に示す成分からなる。
ただし、これのみに限定されるものでなく、粒状基材の
本発明の使用目的に応じ適宜変えることができまたその
必要がある場合がある。
なお、粒状基材のサイズは任意の大きさの粒、例えば直
径0.3〜3.5mmが適当であり、その使用目的により適度の
粒径の大きさの粒を選択することができる。
前記した如く、本発明の新規農薬粒状製剤は、従来の農
薬粒状製剤が有する下記の如き欠点がなく一層優れたも
のである。即ち、従来の練込造粒法による粒剤では、
輸送中に摩砕され粉立ちの原因となり、例えば袋の開封
時あるいは散布作業従事者の手に付着するあるいは作業
従事者が吸入すること、また散布の際の飛散(ドリフ
ト)の問題がある。また、破砕粒では、粒基材に角が
あるため製剤調製時及び輸送中に粒が摩砕されることに
より、の練込造粒法と同じ問題がある。従って、農
薬粒状製剤に於ける上記問題を改良すべく、農薬粒状製
剤を更に高分子を使用して固めたり、コーディングする
等の工程を加える場合もあるが、工程が増すと同時に原
料費が加わりコストが高くなる問題がある。
本発明に於いて使用する有害生物防除活性化合物として
は、通常の農薬、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、
殺菌剤、除草剤、植物生長調整剤等が挙げられ、具体的
には下記の農薬が例として挙げられる。しかしそれらに
は限定はされない。エチル4−メチルチオ−m−トリル
イソプロピルホスホルアミデート(一般名:フェナミホ
ス)、O−エチルO−(4−メチルチオフェニル)S−
プロピルホスホロジチオエート(一般名:スルプロホ
ス)、 O−(2,4−ジクロロフェニル)O−エチルS−プロピ
ルホスホロジチオエート(一般名:プロチオホス)、 O−エチルO−2−イソプロポキシカルボニルフェニル
イソプロピルホスホルアミドチオエート(一般名:イソ
フェンホス)、 O,O−ジメチルO−4−メチルチオ−m−トリルホスホ
ロチオネート(一般名:フェンチオン)、4−(メチル
チオ)フェニルジプロピルホスフェート(一般名:プロ
パホス)、 ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホ
スホネート(一般名:トリクロルホス)、O,O−ジエチ
ルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート(一
般名:ジスルホトン) S−(2−エチルスルフィニル−1−メチルエチル)O,
O−ジメチルホスホロチオエート(一般名:オキシデプ
ロホス)、 S−α−エトキシカルボニルベンジルO,O−ジメチルホ
スホロジチオエート(一般名:フェントエート)、 2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート(一般名:
ジクロルホス)、 O,O−ジエチルα−シアノベンジリデンアミノ−オキシ
ホスホノチオエート(一般名:ホキシム)、O−エチル
S,S−ジプロピルホスホロジチオエート(一般名:ethopr
ophos)、 O,O−ジエチルO−キノキサリン−2−イルホスホロチ
オエート(一般名:キナルホス)、 2−イソプロポキシフェニルメチルカーバメート(一般
名:プロポクスル)、 2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート
(一般名:エチオフェンカルブ)、 2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−ベンゾフラン−7−イ
ルメチルカーバメート(一般名:カルボフラン)、 S,S′−2−ジメチルアミノトリメチレンビス(チオカ
ーバメート)(一般名:カルタップ)、 N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ
−2−(メチルチオ)アセタミド(一般名:オキサミ
ル)、 N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン
(一般名:thiocyclam)、 2,2−ジメチル−1,3−ベンゾジオキソール−4−イルメ
チルカーバメート(一般名:bendiocarb)、 N−(ホスホノメチル)グリシン(一般名:glyphosat
e)、 1,1′−ジメチル−4,4′−ビピリジルジリウムジクロラ
イド(一般名:paraquat)、 これらの化合物は、例えばペスティサイドマニュアル
(The Pesticide Manual)第6版1979年(The British
Crop Protction Council発行)により公知である。
更に、ビス(2−クロロ−1−メチルエチル)エーテル
(商品名:ネマモール)、 2,3−ジヒドロ−3−オキソ−2−フェニル−6−ピリ
ダジニルジエチルホスホロチオネート(一般名:ピリダ
フェンチオン)、 3−アリルオキシ−1,2−ベンズイソチアゾール1,1−ジ
オキシド(一般名:プロナゾール)及びジイソプロピル
−1,3−ジチオラン−2−イリデンマロネート(一般
名:イソプロチオラン)〔農薬ハンドブック(日本植物
防疫協会発行1976年版記載〕 及び2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−
イルN−(N−イソプロピル−N−エトキシカルボニル
エチルアミノスルフェニル)N−メチルカーバメート
(一般名:aminosulfulan)(日本特許公開昭57-200377
号公報記載)等が挙げられる。なお、上記化合物は、単
独で又はそれらを混合した混合物として使用される。
本発明の新規な農薬粒状製剤の調製方法は、例えば、前
記した粒状基材(A),(B)または(C)に有害生物
防除活性化合物を、それが液状の場合はそのまま、又は
有機溶剤及び/又は界面活性剤を加え、結晶の場合は有
機溶剤及び/又は界面活性剤を加えて含浸させることに
より実施されるか、又は有害生物防除活性化合物に水又
は有機溶剤、糊料及び/又は界面活性剤を加えた混合物
を被覆させることにより実施される。
上記含浸方法を以下に具体的に説明する。即ち、粒状基
材の所定量をミキサーにとり撹拌しながら(必要な場合
には加温する)予じめ調製した有害生物防除活性化合物
の所定量を含有する原液の所定量を少量ずつ滴下する。
滴下終了後、この粒状組成物を充分に撹拌(必要な場合
には加温条件下で)均一に含浸させて目的とする農薬粒
状製剤を得る。この時用いる原液は下記の如くに製す
る。即ち、所定量の有害生物防除活性化合物をそれが液
状の場合はそのまま、固体状の場合は溶剤に溶かし液状
とし、また必要に応じ所定量の有機溶剤及び/又は界面
活性剤を加え、必要な場合には加温して活性化合物を溶
解し原液とする。なお、上記調製方法に於いて必要なら
ば、他の農薬補助剤及び肥料等を加えてもよい。
本発明の農薬粒状製剤は、有害生物防除活性化合物を0.
1〜30重量%、好ましくは1.0〜10重量%含有することが
できる。この有害生物防除活性化合物成分の含有量は、
施用する方法、目的、時期、場所及び有害生物の発生状
況等によって適当に変更できる。
本発明の農薬粒状製剤は、農薬製造分野にて通常一般に
行なわれている施用方法、例えば散粒、水面施用、土壌
施用、土壌混和、育苗箱施用等により行うことができ
る。
溶剤としては、脂肪族炭化水素類〔例えば、デカン、ペ
ンタデカン、ジオレフィン〕、石油留分〔例えば、ナフ
サ、灯油、中油、重油、パラフィン類〕、芳香族炭化水
素類〔ジエチルベンゼン、ドデシルベンゼン、ビフェニ
ル、ジベンジル、メチルナフタレン、スチレン〕、鉱物
油〔例えば、スピンドル油、シリコン油、マシン油〕、
植物油〔例えば、ヤシ油、カラシ油、綿実油、テレピン
油〕、ハロゲン化炭化水素類〔例えば、テトラクロルエ
タン、塩化エチルヘキシル、ジクロルベンゼン、クロル
ナフタレン〕、アルコール類〔例えば、シクロヘキサノ
ール、オクタノール、ドデカノール、テレピネオー
ル〕、エーテル類〔例えば、エチルフェニルエーテル、
ジクロルエチルエーテル、シネオール〕、ケトン類〔例
えば、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホ
ロン、アセトフェノン〕エステル類〔例えば、酢酸エチ
ルヘキシル、ステアリン酸ブチル、安息香酸プロピル、
グリコール類〔例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリン〕、グリコールエーテル類〔例え
ば、プロピレングリコールモノエーテル、ジエチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
フェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル〕、グリコールアセテート類〔例えば、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレング
リコールモノエチルエーテルアセテート〕、含窒素化合
物類〔例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルアセト
アミド、N−メチルピロリドン〕、含硫化合物類〔例え
ば、ジメチルスルホキシド、チオジエチレングリコー
ル、チオグリセロール〕を挙げることができる。
界面活性剤としては、アニオン(陰イオン)界面活性
剤;アルキル硫酸エステル類〔例えば、アルキルアリー
ルポリエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム〕アリールスルホン酸類〔例えば、アルキルアリール
スルホン酸カルシウム、アルキルアリールスルホン酸ア
ミン塩、ポリエチレングリコールアルキルアリールエー
テルスルホン酸塩〕、アルキルスルホン酸類〔エチルヘ
キシルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク
酸〕:カチオン(陽イオン)界面活性剤;アルキルアミ
ン類〔例えば、ラウリルアミン、ステアリルトリメチル
アンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルア
ンモニウムクロライド〕、非イオン界面活性剤;ポリエ
チレングリコールエーテル類〔例えば、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル、およびその縮合物〕、
ポリエチレングリコールエステル類〔例えば、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン糖エス
テル〕、多価アルコールエステル類〔例えば、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノ
ラウリン酸エステル〕:両性界面活性剤、等を挙げるこ
とができる。
糊料としては、天然物糊料、例えば、アルギン酸、リグ
ニン、アラビアゴム、キサンタンガム、ゼラチン、セル
ロース、澱粉、小麦粉、パラフィン、ワックス等、及び
/又はこれらの誘導体、例えば、アルギン酸塩、アルギ
ン酸エステル、カルボキシメチルセルロース、カルボキ
シメチルデンプン、デンプンリン酸エステル、メチルセ
ルロース等、及び/又は合成高分子糊料、例えば、ポリ
ビニルアルコール系、合成脂肪酸エステル系、合成ゴム
系、ユリア樹脂系、フェノール樹脂系、オレフィン樹脂
系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系、酢酸ビニル樹脂
系、アクリル樹脂系等の接着剤、及び/又はこれらの共
重合体による接着剤等を挙げることができる。
本発明は、下水汚泥無機成分(産業廃棄物無機成分を含
む)を高温焼成処理して得られる粒状基材に有害生物防
除活性化合物を、それが液状である場合はそのまま、又
は有機溶剤及び/又は界面活性剤を加え含浸させた、又
はそれが結晶である場合は有機溶剤及び/又は界面活性
剤を加え含浸させた、又は有害生物防除活性化合物に水
又は有機溶媒、糊料及び又は界面活性剤を加えた混合物
を被覆させた新規な農薬粒状製剤を提供する。
更に、本発明は、下水汚泥無機成分(産業廃棄物無機成
分を含む)を含む、及び/又は類似の造粒用無機成分を
高温、好ましくは980゜〜1150℃の温度で多段噴流炉で
焼成処理して得られる粒状基材に有害生物防除活性化合
物を、それが液状である場合はそのまま、又は有機溶剤
及び/又は界面活性剤を加え含浸させるか、又はそれが
結晶である場合は有機溶剤及び/又は界面活性剤を加え
含浸させるか、又は有害生物防除活性化合物に水又は有
機溶媒、糊料及び/又は界面活性剤を加えた混合物を被
覆させる新規な農薬粒状製剤の調製方法をも提供する。
次に実施例により本発明の内容を具体的に説明するが、
本発明はこれのみに限定させるべきものではない。
実施例1. 粒状基材(A)(スラジライト)を使用した
農薬粒状製剤の調製方法(ネマキュア粒剤−) 下水処理から排出する下水汚泥の脱水ケーキを焼却し、
その焼却灰を200メッシュ通過90%に粉砕し、その焼却
灰粉砕物100重量部に対し、アルコール廃液(水分58.8
%,乾燥固形分41.2%)を20重量部添加混合し、更に水
を20重量部添加して含水量を調製し、皿型造粒機により
0.3〜2.0mmの造粒物を作った後乾燥した。次にこの造粒
物を多段噴流炉(特開昭57-28982号公報記載)により10
00〜1150℃で焼成処理し、該焼成物を空冷し得られた細
粒剤である粒状基材(A)(スラジライト)を0.3〜1.7
mm(10〜48メッシュ)に篩分けした。この得られた粒状
基材87.5重量部をミキサーに入れ、加温条件下で撹拌し
ながら予じめ調製しておいたネマキュア(一般名:フェ
ナミホス)原液12.5重量部を少量ずつ滴下し、滴下終了
後充分に撹拌して均一に含浸させ製品とする。原液は下
記の如くに調製する。
ネマキュア3重量部に界面活性剤(ジアリルアルカンと
ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル及び
アルキルアリルスルホネートの混合物)2.5重量部及び
溶剤(ジエチレングリコール)7.0重量部を加え加温条
件下(50〜60℃)で撹拌して原体を溶解する。
実施例2. 粒状基材(B)を使用した農薬粒状製剤の調
製方法(ネマキュア粒剤−) 下水汚泥から排出する下水汚泥の脱水ケーキ1重量部
に、脱水ケーキを乾燥微粉砕したもの3重量部の割合で
添加混合することにより混練し、皿型造粒機により0.3
〜2.0mmの造粒物を作った後乾燥した。次に造粒物を多
段噴流炉(特開昭57-28982号記載)により980゜〜1150
℃で焼成処理し、該焼成物を空冷し粒状基材(B)を製
造した。該粒状基材を、10〜48メッシュのシフターを用
いて篩分けし得た粒度(0.3〜1.7mm)の粒状基材84.5重
量部をミキサーに入れ、撹拌しながら予じめ調製してお
いたネマキュア(一般名:フェナミホス)原液15.5重量
部を少量ずつ滴下し、滴下終了後更に撹拌して均一に含
浸させ製品とする。原液は下記の如くして製する。
ネマキュア3重量部に界面活性剤(ジアリルアルカンと
ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル及び
アルキルアリルスルホネートの混合物)2.5重量部及び
溶剤(ジエチレングリコール)10.0重量部を加え、撹拌
して原体を溶解する。
実施例3. 本発明農薬粒剤の物性試験 (i)物性試験 実施例1及び2並びに通常の方法に従って調製された各
種粒剤の各種物性、即ち、pH、水分、硬度、見掛比重及
び吸油能を測定し、その結果を第1表に示した。
ベントナイトとクレーを用いて造粒した練込み空粒87.5
重量部に、予じめネマキュア3.0重量部と界面活性剤
(ジアリルアルカンとポリオキシエチレントリスチリル
フェニルエーテル及びアルキルアリルスルホネートの混
合物)2.5重量部と溶剤(ジエチレングリコール)7.0重
量部に溶かして調製した原液を含浸させて調製する。
参考例2. ネマキュア粒剤−(破砕酸性白土粒) 参考例1に於いて練込み空粒の代わりにガレオナイト粒
を用いて同様にして調製する。
参考例3. ネマキュア粒剤−(破砕クレー粒) クレー粒93重量部に予じめネマキュア3.0重量部を参考
例1に記載した界面活性剤1.0重量部と、溶剤3.0重量部
に溶かして調製した原液を含浸させて調製する。
参考例4. ダイシストン粒剤(破砕クレー粒) クレー粒94重量部に、予じめダイシストン(一般名:ジ
スルホトン)5.0重量部と、界面活性剤1重量部を混合
して調製した原液を含浸させて調製する。
参考例5. サンサイド粒剤(練込み粒) サンサイド(一般名:プロポクスル)5重量部と、界面
活性剤1.5重量部、分解防止剤0.15重量部、ベントナイ
ト38重量部及びクレー55.35重量部を加えて混練した
後、ペレッターを用いて造粒し乾燥する。
(ii) 粘度分布試験 各種粒剤の粘度分布を測定しその結果を第2表に示し
た。
(iii) 粉立ち、及び水中での崩壊及び拡展性試験 実施例4 化学的安定性及び生物活性効果の比較試験 (i) 化学的安定性試験 基材の異なる各種ネマキュアを有効成分とする粒剤の化
学的安定性試験を実施しその結果を第4表に示した。
上記供試粒剤は、実施例3に記載の試料と同一試料を示
す。
(ii) 生物活性効果試験 サツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyneincognita)
の棲息密度の高い汚染土に、実施例1及び2、参考例1,
2及び3の方法で調製された所定量の粒剤を入れよく撹
拌した後、直径15cmのビニールポットに入れ、ポット当
り30粒のトマト(品種:米寿トマト)の種子を播種しガ
ラス温室に保って置いた薬剤処理25日後に防除価及び生
体重を測定した。なお、試験は1ポット5連制で実施し
た。結果を第5表に示した。
実施例5. 粒状基材(A)(スラジライト)をキャリア
ーとした各種粒剤の化学的安定性試験 スラジライトを粒状基材とし、各種薬剤を有効成分とし
た粒剤の化学的安定性試験を実施し、その結果を第6表
及び第7表で示した。
(i) ダイシストン粒剤の化学的安定性試験 (ii) 各種有効成分を含有する粒剤の化学的安定性試
上記試験に供試された粒剤は下記の通りである。
バイジット5%粒剤 バイジット(一般名:フェンチオン) 5.0重量部 界面活性剤 2.0重量部 スラジライト 93.0重量部 (含浸法) アリルメート5%粒剤 アリルメート(一般名:エチオフェンカルブ) 5.0重量
部 界面活性剤 3.0重量部 スラジライト 92.0重量部 (含浸法) アミドチッド5%粒剤 アミドチッド(一般名:イソフェンホス) 5.0重量部 溶剤 2.0重量部 スラジライト 96.5重量部 (含浸法) ダイシストン5%粒剤 ダイシストン(一般名:ジスルホトン) 5.0重量部 界面活性剤 1.0重量部 スラジライト 94.0重量部 (含浸法) ネマキュア3%粒剤 (実施例1に従って製した。) カルボフラン3%粒剤(被覆法) 粒状基材(スラジライト)93〜96重量部をミキサーに入
れ、3重量部のカルボフラン(一般名)を含む原末の所
定量と、0.3重量部の糊料を含む溶液の所定量を加え充
分に撹拌して粒の表面に被覆させた後、乾燥機で乾燥し
て粒剤とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−107936(JP,A) 特開 昭48−99345 (JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水汚泥無機成分を高温焼成処理して得ら
    れる粒状基材に有害生物防除活性化合物を含浸及び/又
    は被覆させた農薬粒状製剤。
  2. 【請求項2】粒状基材が、多段噴流炉を用い980゜〜115
    0℃の高温で焼成処理して得られるものである特許請求
    の範囲第1項記載の農薬粒状製剤。
  3. 【請求項3】有害生物防除活性化合物が液状である場合
    は、そのまま、又は有機溶剤及び/又は界面活性剤を加
    えて含浸させるか、又は結晶である場合は、有機溶剤及
    び/又は界面活性剤を加えて含浸させる特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の農薬粒状製剤。
  4. 【請求項4】有害生物防除活性化合物に水又は有機溶
    剤、糊料及び/又は界面活性剤を加えた混合物を被覆さ
    せる特許請求の範囲第1項又は第2項記載の農薬粒状製
    剤。
  5. 【請求項5】有害生物防除活性化合物を0.1〜30重量
    %、好ましくは1.0〜10重量%含浸及び/又は被覆させ
    た特許請求の範囲第1項、第2項、第3項又は第4項記
    載の農薬粒状製剤。
  6. 【請求項6】下水汚泥無機成分を多段噴流炉を用い980
    ℃〜1150℃の高温で焼成処理し得られた粒状基材に有害
    生物防除活性化合物を、液状である場合はそのまま、又
    は有機溶剤及び/又は界面活性剤を加えて含浸させる
    か、又は結晶である場合は有機溶剤及び/又は界面活性
    剤を加えて含浸させるか、又は有害生物防除活性化合物
    に水又は有機溶剤、糊料及び/又は界面活性剤を加えた
    混合物を被覆させることを特徴とする農薬粒状製剤の調
    製方法。
  7. 【請求項7】有害生物防除活性化合物を0.1〜30重量
    %、好ましくは1.0〜10重量%含浸及び/又は被覆させ
    る特許請求の範囲第6項記載の農薬粒状製剤の調製方
    法。
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