JP2000238176A - 透明導電性フィルム - Google Patents

透明導電性フィルム

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JP2000238176A
JP2000238176A JP11043077A JP4307799A JP2000238176A JP 2000238176 A JP2000238176 A JP 2000238176A JP 11043077 A JP11043077 A JP 11043077A JP 4307799 A JP4307799 A JP 4307799A JP 2000238176 A JP2000238176 A JP 2000238176A
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film
transparent conductive
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gas barrier
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JP11043077A
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English (en)
Inventor
Tatsuichiro Kin
辰一郎 金
Seiji Tsuboi
誠治 坪井
Naoya Saito
直也 斎藤
Kazuo Hachiman
一雄 八幡
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中に浸漬してもカールの発生が抑えられ製
造工程上の取り扱い性に優れる透明導電性フィルムを提
供する。 【解決手段】 少なくとも熱可塑性高分子フィルムの両
面に膜厚1〜20μmの樹脂硬化層が積層され、片面の
該樹脂硬化層上に膜厚3〜500nmの金属酸化物から
なるガスバリヤ層と膜厚5〜300nmの金属および/
または金属酸化物からなる透明導電層とがこの順に積層
されてなり、少なくとも前記ガスバリヤ層と透明導電層
が積層されていない片面側の樹脂硬化層は、23℃55
%RHの吸水率が1%以下であることを特徴とする透明
導電性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の透明導電性フィルム
は特に好ましくは液晶表示素子の電極基板として用いら
れ、更にはエレクトロルミネッセンス素子、エレクトロ
クロミズム素子等の電極基板としても使用することが可
能である。
【0002】
【従来の技術】近年、ペイジャー(ポケベル)やセルラ
ー(携帯電話)、電子手帳、ペン入力機器等の携帯機器
利用の拡大につれて、従来のガラス基板に替わってプラ
スチックを基板とする液晶表示素子が実用化され始めて
いる。
【0003】プラスチック基板を用いた液晶表示素子は
前記用途における軽薄化、耐衝撃性向上の要望を満た
し、更には表示画像の視認性向上を実現できるが、その
欠点である空気や水蒸気等がプラスチックフィルムを透
過して液晶層内部に入り込んで表示欠陥を発生する現象
を防止するためにガスバリヤ性を有する層(ガスバリヤ
層)をフィルム上に積層する必要がある。またプラスチ
ックフィルムが高次加工における耐溶剤性、すなわち電
極パターニング用の酸性エッチング液やレジスト剥離用
のアルカリ水溶液、液晶配向膜の溶剤のN−メチルピロ
リドン等への耐性を有していない場合には、フィルム上
に所定の耐溶剤性を有する層(耐溶剤層)を積層する必
要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにプラスチ
ックフィルム上にガスバリヤ層と耐溶剤層を積層するよ
うな場合、例えばプラスチックフィルムの両面に湿式コ
ーティング法により耐溶剤層を積層し、更に片面の耐溶
剤層に金属酸化物からなるガスバリヤ層と金属およびま
たは金属酸化層による透明導電層を積層する構成が最も
簡略に作成でき、好ましく用いられる。
【0005】しかしながらこのような構成のフィルムで
は、例えば電極のパターニング等の各種の高次加工を行
う上で若干の取り扱い上の問題を生じる場合がある。す
なわちこれらの工程でフィルムを水中に浸せきされた場
合、水中もしくは水中から取り出した直後にガスバリヤ
層が積層されていない側のフィルム面を凸とする大きな
カールを生じる場合があり、工程での取り扱いが悪くな
ってしまう場合がある。
【0006】このように工程でのフィルム取り扱い性が
低下することによる具体的な不具合としては、例えばフ
ィルムに傷や皺を生じたり、フィルム上に塗布されるフ
ォトレジスト膜、液晶配向膜等の膜厚ムラを生じる場合
があり、加工工程での歩留まりを低下させ、また加工速
度を低下させる原因ともなる。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解決し、水中
に浸漬してもカールの発生が抑えられ製造工程上の取り
扱い性に優れる透明導電性フィルムを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも熱
可塑性高分子フィルムの両面に膜厚1〜20μmの樹脂
硬化層が積層され、片面の該樹脂硬化層上に膜厚3〜5
00nmの金属酸化物からなるガスバリヤ層と膜厚5〜
300nmの金属および/または金属酸化物からなる透
明導電層とがこの順に積層されてなり、少なくとも前記
ガスバリヤ層と透明導電層が積層されていない片面側の
樹脂硬化層は、23℃55%RHの吸水率が1%以下で
あることを特徴とする透明導電性フィルムである。
【0009】すなわち前述した水中に浸せきする事によ
るフィルムのカール発生は主に以下のようなメカニズム
で生じていると考える。
【0010】つまり前記の積層構成を有するフィルムに
おいては、片面の樹脂硬化層上に設けられたガスバリヤ
層が水分の浸入を抑制する機能を有するため、ガスバリ
ヤ層が設けられた側のフィルム面(以後表面側と記す)
からは水分が内部に浸入しにくい。これに対しガスバリ
ヤ層が設けられていない側のフィルム面(以後背面側と
記す)からは比較的水分が内部に浸入しやすいという特
徴を有している。ここで背面側の樹脂硬化層の吸水率が
高い場合には浸入した水分を吸収することにより層が若
干膨潤して引っ張り応力が発生し、背面側を凸としたカ
ールの変化を生じる。
【0011】この事から水中に浸せきした時のフィルム
のカール発生を抑制するためには、背面側の樹脂硬化層
に低吸水率の層を用いることが効果的であり、具体的に
は該樹脂硬化層の23℃55%RHの吸水率が少なくと
も1%以下、更に好ましくは0.5%以下である事が好
ましい。尚、ここで樹脂硬化層の吸水率として通常用い
られる飽和吸水率の値ではなく、23℃55%RHでの
吸水率を用いた理由は、後述する本発明での吸水率の測
定方法における測定精度を高める為である。
【0012】また本発明においては、背面側の樹脂硬化
層の吸水率が前記以下であるとともに、熱可塑性高分子
フィルムの吸水率や表面側の樹脂硬化層の吸水率が一定
値以下であることがより好ましい。
【0013】これはフィルムを水中浸せきする時間が長
くなっていくと、背面側から浸入した水分が背面側の樹
脂硬化層のみならず熱可塑性高分子フィルム、更には表
面側の樹脂硬化層にも浸透していき、加工工程等での大
きなカール変化の要因となるからである。
【0014】具体的には熱可塑性高分子フィルムの23
℃での飽和吸水率が1%以下であることが好ましく、更
に表面側の樹脂硬化層の23℃55%RHでの吸水率が
1%以下である事がより好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いる熱可塑性高分子フ
ィルムとしては前記のように23℃における飽和吸水率
が1%以下である事が好ましく、特に液晶表示素子の電
極基板としての用途に用いる場合においては、150℃
以上のガラス転移温度と20nm以下の面内リタデーシ
ョンを有していることがより好ましい。
【0016】このようなフィルムとしては例えば、ビス
フェノールA、ビスフェノールフルオレン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−(アルキル)シクロア
ルカン等の1種類または2種類以上をビスフェノール成
分とするポリカーボネート(例えば帝人化成製「C14
00」やバイエル製「APEC−HT9371」等)に
よるフィルム、ポリアリレート(例えばユニチカ製「U
ポリマー」)によるフィルム、非晶性ポリオレフィンに
よるフィルム(例えば日本合成ゴム製「アートンフィル
ム」)等が好ましく挙げられ、フィルムの製膜方法とし
ては溶液流延法もしくは溶融押し出し法等が挙げられ
る。
【0017】また熱可塑性高分子フィルムの両面に積層
される樹脂硬化層は必ずしも同様の仕様のものである必
要はないが、液晶表示素子の電極基板としての用途にお
いては少なくとも以下のような所定の耐溶剤性を有する
ことが望ましい。すなわち少なくとも5%水酸化カリウ
ム水溶液、5%塩酸、nメチルピロリドンを樹脂硬化層
上にそれぞれ滴下して、30℃で10分間放置した後に
滴下部分に肉眼で外観変化がいずれも生じていないこと
が好ましい。
【0018】このような樹脂硬化層として具体的には活
性光線(例えば紫外線)の照射により硬化が進行する樹
脂、その中でも特に分子内に多数のアクリレート基を有
する樹脂や、各種のアルコキシシランを前駆体とするシ
リコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ系、メラ
ミン系樹脂等の主に熱による硬化する樹脂が好ましく用
いられる。
【0019】アクリレート基を有する樹脂としては、例
えばジメチロールシクロデカンジアクリレート(DCP
A)、1,6−ヘキサジオールジアクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、2−エチル−2−n
−ブチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等
の各種ジアクリレートを挙げることができる。
【0020】アルコキシシランを前駆体とするシリコー
ン系樹脂としては、例えばエポキシ基含有の珪素アルコ
キシドの加水分解、縮合物からなるものを挙げることが
できる。かかる珪素アルコキシドとしては例えばγーグ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを
例示することができる。上記の珪素アルコキシドは、ア
ミノ基含有の珪素アルコキシドと適当な割合で混合する
事により層の架橋度が向上するので好ましい。ただしア
ミノ基含有の珪素アルコキシドは吸水性が若干高いの
で、両者の混合割合は重量比でおよそ9:1〜3:1の
範囲が好ましい。
【0021】更に必要に応じてそれらの樹脂にシリカ、
アルミナ等の無機微粒子を適量配合したものも好ましく
用いられる。更には、触媒もしくは硬化促進剤、および
該層の製膜性、機能性を高めるための各種添加剤(レベ
リング剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤など)の添加も適
時行われる。尚、これら樹脂硬化層は耐溶剤性を発現す
る為、比較的架橋密度を高く形成する必要があり、一般
的に分子内に多数の官能基を有し、反応性が高い樹脂で
あることが好ましい。
【0022】これらの樹脂硬化層をフィルム上にコーテ
ィングする方法としては、公知のロールコーティング法
が用いられ、より具体的にはグラビヤコート、マイクロ
グラビヤコート、マイヤーバーコート、リバースコート
等の各種の方法が用いられる。この際必要に応じて樹脂
成分を溶剤に適当な濃度で溶解したのちにコーティング
を行う事も好ましい。
【0023】これら樹脂硬化層の膜厚は1〜20μmの
範囲にある事が好ましい。膜厚が1μm以下では十分な
耐溶剤性が発現しなくなる場合があり、また20μm以
上では層の密着性の悪化等の物性低下が生じるので好ま
しくない。
【0024】尚、背面側の樹脂硬化層は、前記高分子フ
ィルムの耐溶剤層として機能するが、この樹脂硬化層に
ついては、層表面にわずかに凹凸形状を形成する事によ
りフィルムの滑り性を高める事が好ましく行われる。具
体的には樹脂硬化層の内部に少量のフィラーを添加する
方法や、あらかじめ凹凸が形成された型に未硬化の樹脂
層を密着させた状態で層を硬化させる方法等が好ましく
用いられる。
【0025】フィラーとしては、酸化珪素(シリカ)、
酸化アルミニウム等の金属酸化物系微粒子やポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン等の樹脂を適度に架橋し
てなる樹脂系微粒子が好ましく用いられる。尚、前者の
金属酸化物系微粒子は、各種の金属アルコキシ化合物を
焼成することによって得られる微粒子も含むものとす
る。
【0026】金属酸化物によるガスバリヤ層としては、
酸化珪素、酸化アルミニウム、窒化珪素等の無機金属酸
化物層が好ましく用いられ、層の膜厚が3〜500nm
の範囲にあることが好ましい。このようなガスバリヤ層
は公知のスパッタリング法、イオンプレーティング法、
蒸着法、CVD法等により作成が可能である。これらの
方法では一般的に3nm以下の膜厚の層を均一かつ安定
に形成することはかなり難しく、また500nm以上の
膜厚に形成する場合には層の形成に非常に長い時間を要
するので好ましくない。
【0027】こうしたガスバリヤ層を形成した後のフィ
ルムの30℃90%RH環境下における酸素透過率およ
び40℃90%RH環境下での水蒸気透過率が各々少な
くとも3cc/m2・day・atm以下、3g/m2
day・atm以下であることが好ましく、更に好まし
くはそれぞれ1cc/m2・day・atm以下、1g
/m2・day・atm以下であることが好ましい。
【0028】透明導電層としては、インジウム、錫、亜
鉛、鉛等の酸化物もしくはそれらを適当な割合で混合し
たものを主成分とし、必要に応じて少量のチタン、フッ
素、珪素、窒素、ハフニウム、ジルコニウム、タンタ
ル、銅、レニウム、ガドリニウム等を比抵抗調整の為の
ドーパントとして添加してなる金属酸化物からなる層、
銀、アルミニウム等の金属からなる層、これらの金属酸
化物層と金属層を積層してなる複合層等が好ましく用い
られ、スパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸
着法等により形成されることが好ましい。
【0029】導電層の透明性に関して膜厚100nmあ
たりの波長550nmにおけるの光吸収率が10%以
下、より好ましくは5%以下であることが好ましく、膜
厚については5〜300nmの範囲にあることが好まし
い。膜厚が5nm以下では均一かつ安定に層を形成する
のがかなり難しく、膜厚が300nm以上では光の吸収
が増加し、作成に多くの時間を要することから好ましく
ない。
【0030】尚、導電層の面抵抗は用途に応じて調整す
ることが好ましく、具体的には層の比抵抗、膜厚を調整
することにより前記面抵抗の調整が可能になる。
【0031】尚、本発明の透明導電性フィルムは、熱可
塑性高分子フィルムの両面に樹脂硬化層が積層され、そ
の片面の樹脂硬化層上にガスバリヤ層と透明導電層が積
層された構成をその基本構成とするものであるが、熱可
塑性高分子フィルムと樹脂硬化層との中間の位置に両者
の密着力を向上させる機能や樹脂硬化層の硬化収縮力を
補償する機能を有するアンカー層を積層することも必要
に応じて行われる。
【0032】またフィルムのガスバリヤ性を更に高めた
い場合には、前記熱可塑性高分子フィルムと樹脂硬化層
との中間の位置に金属酸化物もしくは樹脂材料等による
ガスバリヤ層を積層することも好ましく行われる。
【0033】
【実施例】以下実施例をもって本発明を更に詳しく説明
する。尚、各種評価は以下の要領で実施した。
【0034】1.樹脂硬化層および熱可塑性高分子フィ
ルムの吸水率 樹脂硬化層のサンプルの作成方法として、樹脂硬化層が
熱硬化型樹脂である場合には、ガラス板上に乾燥膜厚約
5μmにコーティングして130℃で5分間加熱して樹
脂層を硬化させる。また樹脂硬化層が紫外線硬化型樹脂
である場合には、樹脂100重量部に対し光開始剤(チ
バガイギー製イルガキュア187)を5重量部添加した
後にガラス板上に乾燥膜厚約20μmにコーティングし
て、160W/cmの高圧水銀ランプにより積算光量6
00mJ/cm2の紫外線を照射して樹脂層を硬化させ
る。
【0035】次にステンレス製のヘラを用いて、先の樹
脂硬化層をガラス板から剥離させ、もしくは削りとって
膜状もしくはフレーク状、粉状の樹脂硬化物のサンプル
を得る。
【0036】上記の樹脂硬化物のサンプルを130℃で
6時間、更に150℃で4時間乾燥して、絶乾状態のサ
ンプルを得る。次にこのサンプルを23℃55%RHに
調湿された室内に1週間保管して吸湿状態のサンプルを
得る。
【0037】また熱可塑性高分子フィルムについては、
10cm四方に切り取ったフィルムをまず120℃で2
4時間乾燥して絶乾状態のサンプルを得る。次にこのサ
ンプルを23℃の蒸留水に72時間完全に浸せきした
後、フィルム表面に付着している水滴を圧縮空気流によ
り吹き飛ばして、飽和吸水状態のサンプルを得る。
【0038】次にこれらのサンプルの吸水率の測定を下
記の2種の方法により実施する。すなわち一つの方法
(以下A法と記す)としては前記吸水状態の樹脂硬化物
に含まれる水分量をカールフィッシャー滴定法を用いて
滴定する。具体的には吸水状態のサンプルの重量(サン
プル量は約0.1g程度)を正確に秤量した後、微小水
分測定装置(三菱化学製CA−06)および水分気化装
置(同社製VA−06。サンプル加熱温度は220℃に
設定)を用いて水分量を測定し、「100×(水分量/
サンプル量)」の値(単位%)を、樹脂硬化物の23℃
55%RHにおける吸水率もしくは熱可塑性高分子フィ
ルムの23℃の飽和吸水率の値とした。
【0039】またもう一つの測定法(以下B法と記す)
としては前記絶乾状態でサンプル重量(サンプル量は2
0g以上とする)と吸水状態での重量をそれぞれ測り、
「100×(吸水状態の重量−絶乾状態の重量)/吸水
状態の重量」の値(単位%)を、樹脂硬化物の23℃5
5%RHにおける吸水率もしくは熱可塑性高分子フィル
ムの23℃の飽和吸水率の値とした。
【0040】2.水浸せきカール性 10cm角に切り取ったフィルムサンプルを23℃55
%RHに調湿された室内に1週間保管した状態を初期状
態とし、このサンプルを23℃の蒸留水を満たしたビー
カー(容量2リットル)の底部に沈め、3分後に水中か
ら取り出し、サンプルに付着した水滴を圧縮空気流によ
り吹き飛ばした状態を吸水状態とする。
【0041】フィルムのカールの値は、水平に保持され
たガラス板上でのフィルムサンプル4端の持ち上がり量
の平均値を用いることとし、前記初期状態のサンプルと
吸水状態のサンプルのカールの値を比較することでサン
プルの水浸せきカール性の大小を評価した。
【0042】尚、カールの値の正負の符号については、
フィルムサンプルのガスバリヤ層および透明導電層が積
層された面が凹状にカールする場合を正とし、この面が
凸状にカールする場合を負としている。
【0043】3.酸素透過率 酸素透過率測定装置(モダンコントロール製OX−TR
AN 2/20型)を用い30℃90%RH雰囲気下に
おける酸素透過率を測定した。
【0044】4.水蒸気透過率 水蒸気透過率測定装置(モダンコントロール製パーマト
ラン W1A型)を用い40℃90%RH雰囲気下にお
ける水蒸気透過率を測定した。
【0045】[実施例1]熱可塑性高分子フィルムとし
て、厚みが約100μm、面内リタデーション約8n
m、ガラス転移温度約156℃のポリカーボネートフィ
ルム(帝人製ピュアエースC110)を用いた。尚、こ
のポリカーボネートフィルムの23℃での飽和吸水率の
測定結果はA法、B法ともに約0.3%であった。この
フィルムの両面にそれぞれ、紫外線硬化型樹脂としてジ
メチロールトリシクロデカンジアクリレート(共栄社化
学製「ライトアクリレートDCPA」)70重量部およ
びポリエステルアクリレート(東亜合成化学製「アロニ
ックスM8560」)30重量部、光開始剤としてチバ
ガイギー製「イルガキュア187」5重量部、レベリン
グ剤として東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」
0.05重量部、希釈溶剤1メトキシ2プロパノール1
60重量部よりなる塗液を乾燥膜厚が約5μmになるよ
うにロールコーティングし、60℃で30秒乾燥後、強
度160W/cmの高圧水銀ランプにより積算光量60
0mJ/cm2の紫外線を照射して樹脂硬化層を形成し
た。尚、この樹脂硬化層は前述の耐溶剤性試験において
全く問題を生じなかった。
【0046】次にフィルムの片面に酸化珪素からなるガ
スバリヤ層をスパッタ法により形成した。すなわちガス
バリヤ層を積層しない側のフィルム面に保護フィルムと
してサンエ−化学製PAC−IIをラミネートした状態
で、BドープしたSiターゲットを設置した巻き取り式
のマグネトロンスパッタリング装置にフィルムを配置し
て3×10-6Torrまで排気した後、O2/Ar=
3:7の混合ガスを100sccm導入し、圧力を8×
10-4Torrになるように調整した。メインロール温
度25℃、投入電力密度1W/cm2、フィルム速度
1.0m/分の条件で反応性スパッタリングを行い、約
30nmの厚みの酸化珪素によるガスバリヤ層を形成し
た。尚、このガスバリヤ層を形成したフィルムのガスバ
リヤ性は、酸素透過率0.5cc/m2・day・at
m、水蒸気透過率0.9cc/m2・day・atmで
あった。
【0047】続いてこの酸化珪素層上に、Sn/In=
1:9の混合物を焼成してなるITOターゲットを用い
て透明導電膜を積層した。すなわち先と同様に装置内を
3×10-6Torrまで排気した後、O2/Ar=1.
2:98.8の混合ガスを100sccm導入し、圧力
を1×10-3Torrになるように調整した。メインロ
ール温度25℃、投入電力密度1W/cm2、フィルム
速度0.4m/分の条件でスパッタリングを行い、約2
5nmの厚みのITOによる透明導電層を形成した。
尚、この透明導電層の面抵抗は約300Ω/□であっ
た。こうして作成された透明導電性フィルムの水浸せき
カール性および樹脂硬化層の吸水率については表1に記
す。
【0048】[実施例2]フィルムの両面に樹脂硬化層
を下記のように形成した以外は全く実施例1と同様にし
て透明導電性フィルムを作成した。すなわち、水720
重量部、2−プロパノール1080重量部の混合溶媒
に、酢酸88重量部を加えた後、2−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン725重
量部と3−アミノプロピルトリメトキシシラン176重
量部を順次加えて3時間攪拌したものを塗液としてフィ
ルムの両面にロールコーティングして乾燥膜厚約2μm
の樹脂硬化層を形成した。尚、この樹脂硬化層の耐溶剤
性は全く問題がなかった。こうして作成された透明導電
性フィルムの水浸せきカール性および樹脂硬化層の吸水
率については表1に記す。
【0049】[比較例1]フィルムの両面に樹脂硬化層
を下記のように形成した以外は全く実施例1と同様にし
て透明導電性フィルムを作成した。すなわち紫外線硬化
型樹脂として日本合成ゴム製「デソライトKZ782
7」140重量部、希釈溶剤として1メトキシ2プロパ
ノール60重量部、レベリング剤塗液として東レ・ダウ
シリコーン製「SH28PA」0.05重量部、希釈溶
剤1メトキシ2プロパノール160重量部よりなる塗液
を乾燥膜厚が約4μmになるようにロールコーティング
し、60℃で30秒乾燥後、強度160W/cmの高圧
水銀ランプにより積算光量600mJ/cm2の紫外線
を照射して樹脂硬化層を形成した。尚、この樹脂硬化層
の耐溶剤性は全く問題がなかった。こうして作成された
透明導電性フィルムの水浸せきカール性および樹脂硬化
層の吸水率については表1に記す。
【0050】[比較例2]フィルムの両面に樹脂硬化層
を下記のように形成した以外は全く実施例1と同様にし
て透明導電性フィルムを作成した。すなわちウレタンア
クリレート系の紫外線硬化型樹脂(十条ケミカル製「T
PH19」)100重量部、希釈溶剤として1メトキシ
2プロパノール180重量部、レベリング剤塗液として
東レ・ダウシリコーン製「SH28PA」0.05重量
部、希釈溶剤1メトキシ2プロパノール160重量部よ
りなる塗液を乾燥膜厚が約4μmになるようにロールコ
ーティングし、60℃で30秒乾燥後、強度160W/
cmの高圧水銀ランプにより積算光量600mJ/cm
2の紫外線を照射して樹脂硬化層を形成した。尚、この
樹脂硬化層の耐溶剤性は全く問題がなかった。こうして
作成された透明導電性フィルムの水浸せきカール性およ
び樹脂硬化層の吸水率については表1に記す。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明の透明導電性フィルムは、電極エ
ッチング等の高次加工プロセスにおいてフィルムが水中
に浸せきされる場合に、浸せき前後でのフィルムカール
の変化が少ないので、工程での取り扱い性が良く、従来
よりも優れた生産性および高い歩留まりで多種の加工が
可能となる特徴を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 直也 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 (72)発明者 八幡 一雄 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内 Fターム(参考) 2H092 HA04 MA04 MA05 MA06 MA07 MA09 NA17 NA29 PA01 3K007 AB13 AB18 BA07 CA06 CB01 4F100 AA17D AA17E AA20 AA28 AA30 AB01E AK01A AK01B AK01C AK25 AK45 BA05 BA07 BA10B BA10E EH46 EH66 EJ08 EJ54 EJ86 GB41 JA20B JA20C JA20D JA20E JB07 JB12B JB12C JB14B JB14C JB16A JD02D JD03 JD04 JD15A JD15B JD15C JG01E JL01 JL02 JL04 JL05 JN01E YY00A YY00B YY00C YY00D YY00E 5G307 FA02 FB01 FB02 FC03 FC10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも熱可塑性高分子フィルムの両
    面に膜厚1〜20μmの樹脂硬化層が積層され、片面の
    該樹脂硬化層上に膜厚3〜500nmの金属酸化物から
    なるガスバリヤ層と膜厚5〜300nmの金属および/
    または金属酸化物からなる透明導電層とがこの順に積層
    されてなり、少なくとも前記ガスバリヤ層と透明導電層
    とが積層されていない片面側の樹脂硬化層は、23℃5
    5%RHの吸水率が1%以下であることを特徴とする透
    明導電性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性高分子フィルムの23℃に
    おける飽和吸水率が1%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の透明導電性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ガスバリヤ層と透明導電層とが積層
    されている片面側の樹脂硬化層は、23℃55%RHで
    の吸水率が1%以下であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の透明導電性フィルム。
  4. 【請求項4】 樹脂硬化層は、少なくとも5%水酸化カ
    リウム水溶液、5%塩酸、nメチルピロリドンをそれぞ
    れ滴下して、30℃で10分間放置した後に滴下部分に
    肉眼で外観変化が生じない請求項1〜3のいずれかに記
    載の透明導電性フィルム。
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