JP2000234592A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

ロータリ圧縮機

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JP2000234592A
JP2000234592A JP11033077A JP3307799A JP2000234592A JP 2000234592 A JP2000234592 A JP 2000234592A JP 11033077 A JP11033077 A JP 11033077A JP 3307799 A JP3307799 A JP 3307799A JP 2000234592 A JP2000234592 A JP 2000234592A
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JP
Japan
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roller
discharge port
rotary compressor
cylinder chamber
refrigerant gas
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JP11033077A
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English (en)
Inventor
Takao Nakayama
貴生 中山
Masanori Masuda
正典 増田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ室の死容積を小さくすることによっ
て、冷媒供給能力の向上を図り得るロータリ圧縮機を提
供する。 【解決手段】 シリンダ室の内周から内側にかけての領
域内に、圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出口17aが
配設され、吐出口17aの位置におけるローラ9の外周
側の圧力が内周側の圧力よりも低い状態において、吐出
口17aのうちのローラ9の内周側の部分を遮蔽するよ
うに、ローラ9の吐出口17a側の内周壁から内側に拡
張された吐出口閉塞部9bが設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調や冷房に用い
られるロータリ圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、モータと、このモータによる
回転力がクランク軸によって伝達され、冷媒ガスを圧縮
する回転圧縮要素とを備えるロータリ圧縮機が用いられ
ている。まず、従来から用いられているロータリ圧縮機
200の構造および動作を図9〜図16を用いて説明す
る。このロータリ圧縮機200は、図9に示すように、
ケーシング1の内部に設けられた固定子2と回転子3と
を有するモータの駆動に伴って回転するクランク軸4が
設けられている。また、シリンダ7と、シリンダ7を上
下から挟むフロントヘッド5およびリアヘッド6とによ
り、冷媒を圧縮するためのシリンダ室10が形成されて
いる。クランク軸4の回転に伴って、クランク軸4に偏
心して設けられたピストン部8がシリンダ室10内にお
いて回転する。それにより、図10〜図13に示すよう
に、吸入ポート11から吸入口11aを経て吸入された
矢印300で示す冷媒ガスが、シリンダ室10内で圧縮
される。それによって、図9で示すように、シリンダ室
10内で圧縮された冷媒ガスが吐出弁18を押し上げ、
シリンダ室10から、矢印400で示す冷媒ガスが吐出
される。
【0003】また、図10〜図13に示すように、圧縮
工程においてシリンダ室10を圧縮室10aと吸入室1
0bとを仕切るために、ローラ9の外周において径方向
に、ブレード9aが、シリンダ7内で回動可能に設けら
れた一対の半円形のブッシュ20の間で往復摺動可能に
設けられている。また、ブレード9の近傍のフロントヘ
ッド5には、シリンダ室10の上側面に面する吐出口1
7aを有する吐出ポート17が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ロータリ圧縮機2
00では、吸入口11aをローラ9の外周面が閉塞した
後、圧縮工程が開始した図13の状態から、図10に示
す冷媒を圧縮している途中の状態までは、高圧状態を維
持している油溜り8aとシリンダ室10内のローラ9外
側の空間が吐出口17aを介して連通することはない。
また、図10に示す状態から徐々に図11に示す状態へ
とピストン部8が回転すると、吐出口17aの一部がロ
ーラ9の内周より内側の領域に位置する状態となり、吐
出口17aを介してローラ9の内周側空間と外周側の圧
縮室10aとが連通した状態となる。このような図11
に示す状態においては、ローラ9の内周側のピストン部
8上側の油溜り8aの圧力と圧縮室10aの圧力とが均
衡しているため、油溜り8aの油は、ローラ9の内周側
空間と外周側空間とが吐出口17aを介して連通して
も、ローラ9の外周側に誘引されない。
【0005】しかしながら、圧縮工程終了直後におい
て、図12に示す状態から図13に示す状態へローラ9
が公転すると、シリンダ室10内において、吐出口17
aがシリンダ7の内周より内側に設けられている場合、
ピストン部8の上側の油溜り8aとシリンダ室10の吸
入室10bとが、図12の状態でのE−E線断面を示し
た図14から分かるように、吐出口17aのローラ9内
周側、吐出口17aのローラ9外周側および吐出ポート
17を介して連通する状態が生じる。
【0006】これにより、油溜り8aから圧縮工程終了
直後のシリンダ室10の吸入室10bに油が誘引されて
漏れることがある。また、高圧状態であった油溜り8a
の油が低圧になることにより、油が冷媒ガスを含むた
め、油の減圧発泡が生じる。そのため、ローラ9の内周
面とピストン部8の外周面との接触面に油が供給されに
くくなるという給油阻害が生じる。それにより、ピスト
ン部8の回転摺動特性が劣化するため、冷媒ガスを圧縮
する能力が低下する。そのため、冷媒ガスは所望の吐出
圧力が得られないという不都合な現象が生じる。その結
果、シリンダ室10からの矢印400で示す冷媒ガスの
吐出量が減少するため、ロータリ圧縮機の冷媒供給能力
が低下する。
【0007】上記のような、シリンダ室10内の油溜り
8aより圧力が低い空間と、油溜り8aとが連通する状
態の発生の防止を図る手段として、図15に示すよう
に、吐出ポート17を、平面的に見て常にシリンダ7の
内周よりも外側に位置するように配置することが考えら
れる。この場合、吐出口17aの開口面積を維持するた
めに、図16に示すように、シリンダ7の側壁の一部を
切欠いて拡張することが必要になる。
【0008】このような対処では、切欠き部分7aとロ
ーラ9の外周面とで形成される空間は、最大圧縮状態に
おいて容積が残る死容積部分となるため、シリンダ室1
0内の冷媒ガスの圧縮効率が劣化し、ロータリ圧縮機の
冷媒供給能力が低下する。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、シリンダ室の死容積部
分の形成を抑制することにより、冷媒供給能力の高いロ
ータリ圧縮機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
のロータリ圧縮機は、シリンダ室に内装され、このシリ
ンダ室内を公転するローラおよびシリンダ室を圧縮室と
吸入室とに区画するブレードを備え、吸入口から吸入し
た冷媒ガスを圧縮して吐出口に吐出するようにしたロー
タリ圧縮機において、シリンダ室の軸方向から圧縮室に
開口する吐出口と対向するローラの対向面に、この吐出
口を閉塞する吐出口閉塞部を設けたことを特徴とする。
【0011】このような構造にすることにより、吐出口
閉塞部が、ローラの内周より内側の領域に位置する状態
において、ブレードおよびローラの外周面により仕切ら
れているシリンダ室内の油溜りより低い圧力の空間とロ
ーラの内周側である油溜りとが連通することが防止され
る。その結果、高圧状態となった油溜りの油が、急激に
低圧となることが防止されるため、油の減圧発泡が発生
しない。
【0012】また、シリンダ内周面よりも内側の領域内
に、冷媒ガスの吐出口を設けることにより、シリンダ側
壁を切り欠く必要がないため、最大圧縮状態において容
積が残る死容積空間が増加することが抑制される。それ
により、シリンダ室内で、冷媒ガスの圧縮効率を改善す
ることができるため、シリンダ室容積を大きくすること
なく、ロータリ圧縮機の冷媒供給能力を向上させること
が可能となる。
【0013】請求項2に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、吐出口閉塞部が、少なくとも、吐出口の位置におけ
るローラの外周側の圧力が内周側の圧力よりも低い状態
において、吐出口のうちのローラの内周側の部分を遮蔽
するように設けられたことを特徴とする。
【0014】このような構造にすることにより、吐出口
閉塞部が、圧縮工程終了直後から、少なくともローラの
内周側と外周側との間の圧力が略等しくなるまでの間、
吐出口を介してローラの内周側と外周側との連通を遮断
することができる吐出口閉塞部を設けることで、上記請
求項1に記載の効果を達成できる。
【0015】請求項3に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、請求項1に記載のロータリ圧縮機において、ブレー
ドは、ローラの径方向外方に突出するようにローラと一
体的に形成されるとともに、吐出口を閉塞する吐出口閉
塞部は、ローラにおける対向面の一部に形成されている
ことを特徴とする。
【0016】上記のようにローラに固定されたブレード
を用いた、いわゆる、スイング型のロータリ圧縮機にお
いては、ローラはピストン部に対して所定の回転角の範
囲内を往復して回動するため、ローラは常に吐出口に対
して相対的に一定の範囲の位置を揺動する。したがっ
て、請求項3に記載の本発明のロータリ圧縮機のよう
に、ローラの対向面の一部に、小さなプレート状の吐出
口閉塞部を取付けるだけで、上記請求項1に記載の発明
の効果を達成することができる。
【0017】請求項4に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、請求項1に記載のロータリ圧縮機において、ブレー
ドは、ローラと分離され、このローラの外周面に摺動す
るように構成されるとともに、吐出口を閉塞する吐出口
閉塞部は、ローラにおける対向面の全周部にわたって形
成されていることを特徴とする。
【0018】上記のように、吐出口閉塞部が、ローラ内
周側の全周にわたって設けられていることにより、ロー
ラとブレードとが固定されていないために、ローラがピ
ストン部の周りを任意に自転しても、シリンダ室内のロ
ーラの外周側の油溜りより低い圧力の空間とローラの内
周側である油溜りとが吐出口を介して連通することが防
止される。その結果、ローラとブレードとが固定されて
いないタイプのロータリ圧縮機においても、上記の効果
を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0020】(実施の形態1)本発明の実施の形態1の
ロータリ圧縮機を図1〜図6を用いて説明する。本実施
の形態のロータリ圧縮機は、その全体構造においては、
図9に示した従来のロータリ圧縮機と同様である。
【0021】本実施の形態のロータリ圧縮機が従来のロ
ータリ圧縮機と異なるのは、ローラ9の構造においての
みである。具体的には、本実施の形態においては、図1
および図2に示すように、吐出口17aがシリンダ7の
内周よりも内側に設けられ、圧縮工程終了直後からロー
ラ9の外周面が吸入口11aを閉塞し、圧縮工程が開始
されるまでの間において、吐出口17aを遮蔽するよう
に、作動中に、ローラ9の内周面側のクランク軸4とに
干渉しない領域に、本発明の吐出口閉塞部としての吐出
口閉塞用プレート部9bが設けられている。
【0022】また、本実施の形態のロータリ圧縮機のピ
ストン部8およびローラ9の、駆動中のシリンダ室内で
の状態は、従来技術と同様に、冷媒ガスの圧縮工程の途
中の段階におけるシリンダ7内部の平断面を示す図3の
状態から、ピストン部8が回転して、圧縮工程の最終段
階におけるシリンダ内部の平断面を示す図4の状態を経
て、ローラ9の外周面が吸入口11aを通過し、圧縮工
程を開始する図5の状態へと変化する。
【0023】本実施の形態のロータリ圧縮機は、図3の
状態から図4の状態を経て図5の状態へと変化する間に
おいてのみ、吐出口17aが、ローラ9の内周より内側
に面する部分を有する状態となるが、この状態において
は、吐出口17aのローラ9の内周側部分は、常に、吐
出口閉塞用プレート部9bにより遮蔽されているような
構造となっている。
【0024】そのため、図6に示すように、シリンダ7
内周面よりも内側に、冷媒ガスの吐出口17aを設けて
も、シリンダ室10内の油溜り8aよりも低い圧力の冷
媒圧縮空間と油溜り8aとが吐出口17aを介して連通
することが防止される。そのため、油溜り8aの油が減
圧発泡することが防止される。それにより、ローラ9の
内周面とピストン部8の外周面との間に、油が供給され
ない油供給阻害が抑制される。そのため、ピストン部8
の潤滑特性の劣化が低下することが抑制される。
【0025】また、本実施の形態の構造によれば、シリ
ンダ7内周面よりも内側に、冷媒ガスの吐出口17aを
設けていることから、シリンダ7の側壁を切り欠く必要
がない。そのため、従来技術において図16で示したよ
うな、切欠き部7aにより生じる死容積部分が形成され
ない。その結果、ピストン部8とローラ9との間の潤滑
特性が向上し、かつ、所望の圧力の冷媒ガスが吐出ポー
ト17から効率よく吐出されるため、ロータリ圧縮機の
冷媒供給能力は向上する。
【0026】また、本実施の形態に記載したような、ロ
ーラ9にブレード9aが固定されているスイング型のロ
ータリ圧縮機においては、ローラ9はピストン部8に対
して所定の回転角の範囲内を往復して回動する。そのた
め、ローラ9内側を移動する吐出口17aの軌跡はブレ
ード9aに対して略一定範囲となる。それにより、吐出
口17aとブレード9bとは接近した位置関係にあるた
め、吐出口17aが、ローラ9の内周から最も内側の位
置にあるときよりもわずかに内側まで、ローラ9の側端
面を拡張するように、吐出口閉塞用プレート部9bを、
ブレード9a近傍のローラ9の内周面にのみ設けるだけ
で、上記の効果を達成することができる。その結果、図
1〜図6に示すような、小さなプレート状の吐出口閉塞
用プレート部9bをローラ9の内周側面側の所定の位置
に取付けるだけで目的が達成できるため、組み立て時に
おける取付けが簡単となる。
【0027】(実施の形態2)本発明の実施の形態2の
ロータリ圧縮機を図7および図8を用いて説明する。本
実施の形態のロータリ圧縮機は、その全体構造において
は、図9に示した従来のロータリ圧縮機および実施の形
態1のロータリ圧縮機と同様である。
【0028】本実施の形態のロータリ圧縮機が従来のロ
ータリ圧縮機および実施の形態1に記載のロータリ圧縮
機と異なるのは、クランク軸4に偏心して設けられたピ
ストン部8の外周に設けられたローラ9が、ブレード9
aと分離された方式である点である。また、図7および
図8に示すように、ローラ9の内周面側に設けられた吐
出口閉塞用プレート部9bが、ローラ9の内周と略同心
円状の開口を有する形状である点において実施の形態1
と異なる。また、本実施の形態のロータリ圧縮機におい
て、ローラ9は、実施の形態1で示した図3〜図5で示
した動作と同じ動作をする。
【0029】本実施の形態のローラリ圧縮機によれば、
吐出口閉塞用プレート部9bは、ローラ9の上側端面の
どの位置においても、吐出口17aが、ローラ9の内周
面から最も内側の位置にあるときよりもわずかに内側ま
で、一定の幅で、ローラ9の上側端面をローラ9内周か
ら内側に拡張している。そのため、ローラ9がピストン
部8の周りを自転しても、図3に示すような圧縮工程の
途中の段階から、ローラ9の外周面が吸入口11aを塞
いで圧縮工程が開始した直後の図5に示す状態までの間
において、吐出口閉塞用プレート部9bは、ローラ9の
内周側の吐出口17aを常に遮蔽する。すなわち、油溜
り8aより圧力が低い空間と油溜り8aとが連通するこ
とが防止される。その結果、ローラ9とブレード9aと
が分離されているため、ローラ9がピストン部8の周り
を任意に自転するタイプのロータリ圧縮機においても、
上記実施の形態1に記載のロータリ圧縮機と同様の効果
を得ることができる。
【0030】なお、上記実施の形態に記載の構造は、単
なる例示にすぎないものであって、本発明はこれらの構
造に限られるものではない。たとえば、本実施の形態で
は、吐出口17aを閉塞するために、吐出口閉塞部を、
プレート状の吐出口閉塞用プレート部9bとしたが、吐
出口17aを閉塞する機能を有しているものであれば、
断面が直三角形の小片のようなものを、吐出口17aを
塞ぐようにローラ9の内周面に設けてもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の本発明のロータリ
圧縮機によれば、シリンダ内周よりも内側の領域内に冷
媒ガスの吐出口を配し、かつ、ローラに吐出口閉塞部を
設けたことにより、吐出口を設けるためにシリンダに切
欠きを形成することなく、ローラ外周側の低圧空間とロ
ーラ内周側の高圧空間である油溜りとが連通することが
防止される。それにより、シリンダ室内の死容積部分が
増大しないため、冷媒ガスは所望の吐出圧力が得られ、
また、油溜りの油の減圧発泡が抑制されるため、ピスト
ン部への給油阻害が抑制される。その結果、冷媒ガスの
吐出量を維持したままで、ピストン部とローラとの摺動
部の潤滑特性を良好にすることによって、ロータリ圧縮
機の冷媒供給能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す、図1のA−A線断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスを圧縮している途中の状
態を示す、図9のD−D線に相当する線で切ったときの
部分平断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスを圧縮し終った直後の状
態を示す、図9のD−D線に相当する線で切ったときの
部分平断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスの圧縮を開始した直後の
状態を示す、図9のD−D線で切ったときの部分平断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスを圧縮し終った直後の状
態を示す、図4のB−B線で切ったときの部分断面図で
ある。
【図7】本発明の実施の形態2のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態2のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す、図7のC−C線断
面図である。
【図9】従来または本発明のロータリ圧縮機の全体構造
を示す断面図である。
【図10】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮している途中の状態を示す、図9のD−D線に
相当する線で切ったときの部分平断面図である。
【図11】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮している途中において、吐出口がローラの外周
側と内周側とを連通させた状態を示す、図9のD−D線
に相当する線で切ったときの部分平断面図である。
【図12】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮し終わった直後の状態を示す、図9のD−D線
で切ったときの部分平断面図である。
【図13】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スの圧縮を開始した直後の状態を示す、図9のD−D線
で切ったときの部分平断面図である。
【図14】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮し終わった直後の状態を示す、図12のE−E
線で切ったときの部分断面図である。
【図15】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
を切り欠いて設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷
媒ガスを圧縮し終った直後の状態を示す、図9のD−D
線に相当する線で切ったときの部分平断面図である。
【図16】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
を切り欠いて設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷
媒ガスを圧縮し終った直後の状態を示す、図15のF−
F線で切ったときの部分断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 固定子 3 回転子 4 クランク軸 5 フロントヘッド 6 リアヘッド 7 シリンダ 8 ピストン部(クランク軸) 8a 油溜り 9 ローラ 9a ブレード 9b 吐出口閉塞用プレート部 10 シリンダ室 10a 圧縮室 10b 吸入室 11 冷媒ガス吸入管 11a 冷媒ガス吸入口 17 吐出ポート 17a 吐出口 18 吐出弁 20 ブッシュ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月22日(1999.2.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ロータリ圧縮機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空調や冷房に用い
られるロータリ圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、モータと、このモータによる
回転力がクランク軸によって伝達され、冷媒ガスを圧縮
する回転圧縮要素とを備えるロータリ圧縮機が用いられ
ている。まず、従来から用いられているロータリ圧縮機
200の構造および動作を図9〜図16を用いて説明す
る。このロータリ圧縮機200は、図9に示すように、
ケーシング1の内部に設けられた固定子2と回転子3と
を有するモータの駆動に伴って回転するクランク軸4が
設けられている。また、シリンダ7と、シリンダ7を上
下から挟むフロントヘッド5およびリアヘッド6とによ
り、冷媒を圧縮するためのシリンダ室10が形成されて
いる。クランク軸4の回転に伴って、クランク軸4に偏
心して設けられたピストン部8がシリンダ室10内にお
いて回転する。それにより、図10〜図13に示すよう
に、吸入ポート11から吸入口11aを経て吸入された
矢印300で示す冷媒ガスが、シリンダ室10内で圧縮
される。それによって、図9で示すように、シリンダ室
10内で圧縮された冷媒ガスが吐出弁18を押し上げ、
シリンダ室10から、矢印400で示す冷媒ガスが吐出
される。
【0003】また、図10〜図13に示すように、圧縮
工程においてシリンダ室10を圧縮室10aと吸入室1
0bとを仕切るために、ローラ9の外周において径方向
に、ブレード9aが、シリンダ7内で回動可能に設けら
れた一対の半円形のブッシュ20の間で往復摺動可能に
設けられている。また、ブレード9の近傍のフロントヘ
ッド5には、シリンダ室10の上側面に面する吐出口1
7aを有する吐出ポート17が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ロータリ圧縮機2
00では、吸入口11aをローラ9の外周面が閉塞した
後、圧縮工程が開始した図13の状態から、図10に示
す冷媒を圧縮している途中の状態までは、高圧状態を維
持している油溜り8aとシリンダ室10内のローラ9外
側の空間が吐出口17aを介して連通することはない。
また、図10に示す状態から徐々に図11に示す状態へ
とピストン部8が回転すると、吐出口17aの一部がロ
ーラ9の内周より内側の領域に位置する状態となり、吐
出口17aを介してローラ9の内周側空間と外周側の圧
縮室10aとが連通した状態となる。このような図11
に示す状態においては、ローラ9の内周側のピストン部
8上側の油溜り8aの圧力と圧縮室10aの圧力とが均
衡しているため、油溜り8aの油は、ローラ9の内周側
空間と外周側空間とが吐出口17aを介して連通して
も、ローラ9の外周側に誘引されない。
【0005】しかしながら、圧縮工程終了直後におい
て、図12に示す状態から図13に示す状態へローラ9
が公転すると、シリンダ室10内において、吐出口17
aがシリンダ7の内周より内側に設けられている場合、
ピストン部8の上側の油溜り8aとシリンダ室10の吸
入室10bとが、図12の状態でのE−E線断面を示し
た図14から分かるように、吐出口17aのローラ9内
周側、吐出口17aのローラ9外周側および吐出ポート
17を介して連通する状態が生じる。
【0006】これにより、油溜り8aから圧縮工程終了
直後のシリンダ室10の吸入室10bに油が誘引されて
漏れることがある。また、高圧状態であった油溜り8a
の油が低圧になることにより、油が冷媒ガスを含むた
め、油の減圧発泡が生じる。そのため、ローラ9の内周
面とピストン部8の外周面との接触面に油が供給されに
くくなるという給油阻害が生じる
【0007】記のような、シリンダ室10内の油溜り
8aより圧力が低い空間と、油溜り8aとが連通する状
態の発生の防止を図る手段として、図15に示すよう
に、吐出ポート17を、平面的に見て常にシリンダ7の
内周よりも外側に位置するように配置することが考えら
れる。この場合、吐出口17aの開口面積を維持するた
めに、図16に示すように、シリンダ7の側壁の一部を
切欠いて拡張することが必要になる。
【0008】このような対処では、切欠き部分7aとロ
ーラ9の外周面とで形成される空間は、最大圧縮状態に
おいて容積が残る死容積部分となるため、シリンダ室1
0内の冷媒ガスの圧縮効率が劣化し、ロータリ圧縮機の
冷媒供給能力が低下する。
【0009】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、シリンダ室の死容積部
分の形成を抑制することにより、冷媒供給能力の高いロ
ータリ圧縮機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
のロータリ圧縮機は、シリンダ室に内装され、このシリ
ンダ室内を公転するローラおよびシリンダ室を圧縮室と
吸入室とに区画するブレードを備え、吸入口から吸入し
た冷媒ガスを圧縮して吐出口に吐出するようにしたロー
タリ圧縮機において、シリンダ室の軸方向から圧縮室に
開口する吐出口と対向するローラの対向面に、この吐出
口を閉塞する吐出口閉塞部を設けたことを特徴とする。
【0011】このような構造にすることにより、吐出口
閉塞部が、ローラの内周より内側の領域に位置する状態
において、ブレードおよびローラの外周面により仕切ら
れているシリンダ室内の油溜りより低い圧力の空間とロ
ーラの内周側である油溜りとが連通することが防止され
る。その結果、高圧状態となった油溜りの油が、急激に
低圧となることが防止されるため、油の減圧発泡が発生
しない。
【0012】また、シリンダ内周面よりも内側の領域内
に、冷媒ガスの吐出口を設けることにより、シリンダ側
壁を切り欠く必要がないため、最大圧縮状態において容
積が残る死容積空間が増加することが抑制される。それ
により、シリンダ室内で、冷媒ガスの圧縮効率を改善す
ることができるため、シリンダ室容積を大きくすること
なく、ロータリ圧縮機の冷媒供給能力を向上させること
が可能となる。
【0013】請求項2に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、回転軸に偏心して設けられたピストン部の外周に回
転周動可能にローラが配置され、このローラの外周をシ
リンダ室の内周に沿わせながら公転することによってシ
リンダ室内の冷媒ガスを圧縮するロータリ圧縮機であっ
て、シリンダ室の側端面外縁から内側にかけての領域内
に、圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出口が配設され、
吐出口の位置におけるローラの外周側の圧力が内周側の
圧力よりも低い状態において、吐出口のうちのローラの
内周側の部分を遮蔽するように、ローラの前記吐出口側
の側端面内周から内側に拡張された吐出口閉塞部が設け
られている。
【0014】このような構造にすることにより、吐出口
閉塞部が、圧縮工程終了直後から、少なくともローラの
内周側と外周側との間の圧力が略等しくなるまでの間、
吐出口を介してローラの内周側と外周側との連通を遮断
することができる吐出口閉塞部を設けることで、上記請
求項1に記載の効果を達成できる。
【0015】請求項3に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、請求項1に記載のロータリ圧縮機において、ブレー
ドは、ローラの径方向外方に突出するようにローラと一
体的に形成されるとともに、吐出口を閉塞する吐出口閉
塞部は、ローラにおける対向面の一部に形成されている
ことを特徴とする。
【0016】上記のようにローラに固定されたブレード
を用いた、いわゆる、スイング型のロータリ圧縮機にお
いては、ローラはピストン部に対して所定の回転角の範
囲内を往復して回動するため、ローラは常に吐出口に対
して相対的に一定の範囲の位置を揺動する。したがっ
て、請求項3に記載の本発明のロータリ圧縮機のよう
に、ローラの対向面の一部に、小さなプレート状の吐出
口閉塞部を取付けるだけで、上記請求項1に記載の発明
の効果を達成することができる。
【0017】請求項4に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、請求項2に記載のロータリ圧縮機において、ローラ
の外周面とシリンダ室の内面との間の空間を圧縮室と吸
入室とに仕切るために、ローラの外周面から径方向に、
ローラに固定して設けられたブレードを備え、吐出口閉
塞部が、ローラの側端部内周の、ブレードの近傍のみに
設けられている。
【0018】通常、ロータリ圧縮機においては、ブレー
ドの近傍に吐出口が設けられているため、ローラの側端
部内周の、ブレードの近傍のみに吐出口閉塞部を設ける
だけで、上記請求項2に記載の効果を達成できる。
【0019】請求項に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、請求項1に記載のロータリ圧縮機において、ブレー
ドは、ローラと分離され、このローラの外周面に摺動す
るように構成されるとともに、吐出口を閉塞する吐出口
閉塞部は、ローラにおける対向面の全周部にわたって形
成されていることを特徴とする。
【0020】上記のように、吐出口閉塞部が、ローラ内
周側の全周にわたって設けられていることにより、ロー
ラとブレードとが固定されていないために、ローラがピ
ストン部の周りを任意に自転しても、シリンダ室内のロ
ーラの外周側の油溜りより低い圧力の空間とローラの内
周側である油溜りとが吐出口を介して連通することが防
止される。その結果、ローラとブレードとが固定されて
いないタイプのロータリ圧縮機においても、上記請求項
の効果を得ることができる。
【0021】請求項6に記載の本発明のロータリ圧縮機
は、請求項2に記載のロータリ圧縮機において、ローラ
の外周面とシリンダ室の内面との間の空間を圧縮室と吸
入室とに仕切るために、ローラの外周面と摺動可能に設
けられたブレードを備え、吐出閉塞部が、ローラの側端
部内周の全周にわたって設けられている。
【0022】上記のように、吐出口閉塞部が、ローラの
側端部内周の全周にわたって設けられていることによ
り、ローラとブレードとが固定されていないために、ロ
ーラがピストン部の周りを任意に自転しても、シリンダ
室内のローラの外周側の低圧空間とローラの内周側であ
る油溜りとが吐出口を介して連通することが防止され
る。その結果、ローラとブレードとが固定されていない
タイプのロータリ圧縮機においても、上記請求項2の効
果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0024】(実施の形態1)本発明の実施の形態1の
ロータリ圧縮機を図1〜図6を用いて説明する。本実施
の形態のロータリ圧縮機は、その全体構造においては、
図9に示した従来のロータリ圧縮機と同様である。
【0025】本実施の形態のロータリ圧縮機が従来のロ
ータリ圧縮機と異なるのは、ローラ9の構造においての
みである。具体的には、本実施の形態においては、図1
および図2に示すように、吐出口17aがシリンダ7の
内周よりも内側に設けられ、圧縮工程終了直後からロー
ラ9の外周面が吸入口11aを閉塞し、圧縮工程が開始
されるまでの間において、吐出口17aを遮蔽するよう
に、作動中に、ローラ9の内周面側のクランク軸4とに
干渉しない領域に、本発明の吐出口閉塞部としての吐出
口閉塞用プレート部9bが設けられている。
【0026】また、本実施の形態のロータリ圧縮機のピ
ストン部8およびローラ9の、駆動中のシリンダ室内で
の状態は、従来技術と同様に、冷媒ガスの圧縮工程の途
中の段階におけるシリンダ7内部の平断面を示す図3の
状態から、ピストン部8が回転して、圧縮工程の最終段
階におけるシリンダ内部の平断面を示す図4の状態を経
て、ローラ9の外周面が吸入口11aを通過し、圧縮工
程を開始する図5の状態へと変化する。
【0027】本実施の形態のロータリ圧縮機は、図3の
状態から図4の状態を経て図5の状態へと変化する間に
おいてのみ、吐出口17aが、ローラ9の内周より内側
に面する部分を有する状態となるが、この状態において
は、吐出口17aのローラ9の内周側部分は、常に、吐
出口閉塞用プレート部9bにより遮蔽されているような
構造となっている。
【0028】そのため、図6に示すように、シリンダ7
内周面よりも内側に、冷媒ガスの吐出口17aを設けて
も、シリンダ室10内の油溜り8aよりも低い圧力の冷
媒圧縮空間と油溜り8aとが吐出口17aを介して連通
することが防止される。そのため、油溜り8aの油が減
圧発泡することが防止される。それにより、ローラ9の
内周面とピストン部8の外周面との間に、油が供給され
ない油供給阻害が抑制される。そのため、ピストン部8
の潤滑特性の劣化が低下することが抑制される。
【0029】また、本実施の形態の構造によれば、シリ
ンダ7内周面よりも内側に、冷媒ガスの吐出口17aを
設けていることから、シリンダ7の側壁を切り欠く必要
がない。そのため、従来技術において図16で示したよ
うな、切欠き部7aにより生じる死容積部分が形成され
ない。その結果、ピストン部8とローラ9との間の潤滑
特性が向上し、かつ、所望の圧力の冷媒ガスが吐出ポー
ト17から効率よく吐出されるため、ロータリ圧縮機の
冷媒供給能力は向上する。
【0030】また、本実施の形態に記載したような、ロ
ーラ9にブレード9aが固定されているスイング型のロ
ータリ圧縮機においては、ローラ9はピストン部8に対
して所定の回転角の範囲内を往復して回動する。そのた
め、ローラ9内側を移動する吐出口17aの軌跡はブレ
ード9aに対して略一定範囲となる。それにより、吐出
口17aとブレード9bとは接近した位置関係にあるた
め、吐出口17aが、ローラ9の内周から最も内側の位
置にあるときよりもわずかに内側まで、ローラ9の側端
面を拡張するように、吐出口閉塞用プレート部9bを、
ブレード9a近傍のローラ9の内周面にのみ設けるだけ
で、上記の効果を達成することができる。その結果、図
1〜図6に示すような、小さなプレート状の吐出口閉塞
用プレート部9bをローラ9の内周側面側の所定の位置
に取付けるだけで目的が達成できるため、組み立て時に
おける取付けが簡単となる。
【0031】(実施の形態2)本発明の実施の形態2の
ロータリ圧縮機を図7および図8を用いて説明する。本
実施の形態のロータリ圧縮機は、その全体構造において
は、図9に示した従来のロータリ圧縮機および実施の形
態1のロータリ圧縮機と同様である。
【0032】本実施の形態のロータリ圧縮機が従来のロ
ータリ圧縮機および実施の形態1に記載のロータリ圧縮
機と異なるのは、クランク軸4に偏心して設けられたピ
ストン部8の外周に設けられたローラ9が、ブレード9
aと分離された方式である点である。また、図7および
図8に示すように、ローラ9の内周面側に設けられた吐
出口閉塞用プレート部9bが、ローラ9の内周と略同心
円状の開口を有する形状である点において実施の形態1
と異なる。また、本実施の形態のロータリ圧縮機におい
て、ローラ9は、実施の形態1で示した図3〜図5で示
した動作と同じ動作をする。
【0033】本実施の形態のローラリ圧縮機によれば、
吐出口閉塞用プレート部9bは、ローラ9の上側端面の
どの位置においても、吐出口17aが、ローラ9の内周
面から最も内側の位置にあるときよりもわずかに内側ま
で、一定の幅で、ローラ9の上側端面をローラ9内周か
ら内側に拡張している。そのため、ローラ9がピストン
部8の周りを自転しても、図3に示すような圧縮工程の
途中の段階から、ローラ9の外周面が吸入口11aを塞
いで圧縮工程が開始した直後の図5に示す状態までの間
において、吐出口閉塞用プレート部9bは、ローラ9の
内周側の吐出口17aを常に遮蔽する。すなわち、油溜
り8aより圧力が低い空間と油溜り8aとが連通するこ
とが防止される。その結果、ローラ9とブレード9aと
が分離されているため、ローラ9がピストン部8の周り
を任意に自転するタイプのロータリ圧縮機においても、
上記実施の形態1に記載のロータリ圧縮機と同様の効果
を得ることができる。
【0034】なお、上記実施の形態に記載の構造は、単
なる例示にすぎないものであって、本発明はこれらの構
造に限られるものではない。たとえば、本実施の形態で
は、吐出口17aを閉塞するために、吐出口閉塞部を、
プレート状の吐出口閉塞用プレート部9bとしたが、吐
出口17aを閉塞する機能を有しているものであれば、
断面が直三角形の小片のようなものを、吐出口17aを
塞ぐようにローラ9の内周面に設けてもよい。
【0035】
【発明の効果】請求項1〜に記載の本発明のロータリ
圧縮機によれば、シリンダ内周よりも内側の領域内に冷
媒ガスの吐出口を配し、かつ、ローラに吐出口閉塞部を
設けたことにより、吐出口を設けるためにシリンダに切
欠きを形成することなく、ローラ外周側の低圧空間とロ
ーラ内周側の高圧空間である油溜りとが連通することが
防止される。それにより、シリンダ室内の死容積部分が
増大しないため、冷媒ガスは所望の吐出圧力が得られ、
また、油溜りの油の減圧発泡が抑制されるため、ピスト
ン部への給油阻害が抑制される。その結果、冷媒ガスの
吐出量を維持したままで、ピストン部とローラとの摺動
部の潤滑特性を良好にすることによって、ロータリ圧縮
機の冷媒供給能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す、図1のA−A線断
面図である。
【図3】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスを圧縮している途中の状
態を示す、図9のD−D線に相当する線で切ったときの
部分平断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスを圧縮し終った直後の状
態を示す、図9のD−D線に相当する線で切ったときの
部分平断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスの圧縮を開始した直後の
状態を示す、図9のD−D線で切ったときの部分平断面
図である。
【図6】本発明の実施の形態1のロータリ圧縮機の、シ
リンダ室内でローラが冷媒ガスを圧縮し終った直後の状
態を示す、図4のB−B線で切ったときの部分断面図で
ある。
【図7】本発明の実施の形態2のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す平面図である。
【図8】本発明の実施の形態2のロータリ圧縮機の、ピ
ストン部、ブレード、ローラ、および、ローラに設けら
れた吐出口閉塞用プレート部を示す、図7のC−C線断
面図である。
【図9】従来または本発明のロータリ圧縮機の全体構造
を示す断面図である。
【図10】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮している途中の状態を示す、図9のD−D線に
相当する線で切ったときの部分平断面図である。
【図11】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮している途中において、吐出口がローラの外周
側と内周側とを連通させた状態を示す、図9のD−D線
に相当する線で切ったときの部分平断面図である。
【図12】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮し終わった直後の状態を示す、図9のD−D線
で切ったときの部分平断面図である。
【図13】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スの圧縮を開始した直後の状態を示す、図9のD−D線
で切ったときの部分平断面図である。
【図14】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
の内側に設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷媒ガ
スを圧縮し終わった直後の状態を示す、図12のE−E
線で切ったときの部分断面図である。
【図15】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
を切り欠いて設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷
媒ガスを圧縮し終った直後の状態を示す、図9のD−D
線に相当する線で切ったときの部分平断面図である。
【図16】従来のロータリ圧縮機の、吐出口をシリンダ
を切り欠いて設けた場合の、シリンダ室内でローラが冷
媒ガスを圧縮し終った直後の状態を示す、図15のF−
F線で切ったときの部分断面図である。
【符号の説明】 1 ケーシング 2 固定子 3 回転子 4 クランク軸 5 フロントヘッド 6 リアヘッド 7 シリンダ 8 ピストン部(クランク軸) 8a 油溜り 9 ローラ 9a ブレード 9b 吐出口閉塞用プレート部 10 シリンダ室 10a 圧縮室 10b 吸入室 11 冷媒ガス吸入管 11a 冷媒ガス吸入口 17 吐出ポート 17a 吐出口 18 吐出弁 20 ブッシュ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ室(10)に内装され、該シリ
    ンダ室(10)内を公転するローラ(9)および前記シ
    リンダ室(10)を圧縮室(10a)と吸入室(10
    b)とに区画するブレード(9a)を備え、吸入口(1
    1a)から吸入した冷媒ガスを圧縮して吐出口(17
    a)に吐出するようにしたロータリ圧縮機において、前
    記シリンダ室(10)の軸方向から前記圧縮室(10
    a)に開口する吐出口(17a)と対向するローラ
    (9)の対向面に、該吐出口(17a)を閉塞する吐出
    口閉塞部(9b)を設けたことを特徴とする、ロータリ
    圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記吐出口閉塞部(9b)が、少なくと
    も、前記吐出口(17a)の位置における前記ローラ
    (9)の外周側の圧力が内周側の圧力よりも低い状態に
    おいて、前記吐出口(17a)のうちの前記ローラ
    (9)の内周側の部分を遮蔽するように設けられたこと
    を特徴とする、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ブレード(9a)は、前記ローラ
    (9)の径方向外方に突出するように前記ローラ(9)
    と一体的に形成されるとともに、前記吐出口(17a)
    を閉塞する前記吐出口閉塞部(9b)は、前記ローラ
    (9)における対向面の一部に形成されていることを特
    徴とする、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ブレード(9a)は、前記ローラ
    (9)と分離され、該ローラ(9)の外周面に摺動する
    ように構成されるとともに、前記吐出口(17a)を閉
    塞する前記吐出口閉塞部(9b)は、前記ローラ(9)
    における対向面の全周部にわたって形成されていること
    を特徴とする、請求項1に記載のロータリ圧縮機。
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