JP2010255594A - ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンの磨耗や焼きつきを抑えることが可能なロータリ圧縮機を提供すること。
【解決手段】ロータリ圧縮機は、シリンダ30と、シリンダ30内に配置されるシャフト31の偏心部と、偏心部に嵌合され、円柱状の溝が形成されたピストン32と、シリンダの両端面を閉塞する二つの軸受34、35と、シリンダ30に形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ30内の圧縮室を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーン33と、を備える。ここで、二つの軸受34、35の一方には、高圧側からのガスを吐出する吐出ポート38が形成され、ピストン32の端面には、吐出ポート38とオーバーラップしない位置に、オイルが満たされる凹部32bが形成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、シリンダに形成されたスロット内に挿入され、圧縮室を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ円柱状の円柱部を有するベーンを備えるロータリ圧縮機に関する。
従来、冷凍装置や空気調和装置などにおいては、蒸発器で蒸発したガス冷媒を吸入し、吸入したガス冷媒を凝縮するために必要な圧力まで圧縮して冷媒回路中に高温高圧のガス冷媒を送り出す圧縮機が使用されている。このような圧縮機の一つとして、ローリングピストン型ロータリ圧縮機が知られている。
図8は、従来のローリングピストン型ロータリ圧縮機の一例を示す部分縦断面図である。また、図9は、図8に示すロータリ圧縮機の、面A−Aに沿う横断面を示す図である。
図8,9に例示されるように、ロータリ圧縮機においては、電動機202と圧縮機構部203とがシャフト231で連結された状態で密閉容器201内に収納される。圧縮機構部203は、シリンダ230と、該シリンダ230の上端面及び下端面を閉塞する上軸受234及び下軸受235とを備えている。シリンダ230、上軸受234及び下軸受235により、圧縮室239と呼ばれる空間が形成される。
圧縮室239内には、上軸受234及び下軸受235に支持されるシャフト231の偏心部231aに嵌合されたピストン232が備わる。圧縮室239内にはさらに、ピストン232の外周の偏心回転に追従して往復運動し、圧縮室239内を低圧側と高圧側とに仕切るベーン233が備わる。
シャフト231には、中心軸に沿って油穴241が形成されると共に、上軸受234の下端部分及び下軸受235の上端部分に近接する部分には、油穴241に連通した給油穴242及び給油穴243が設けられている。また、シャフト231において、偏心部231aに近接する部分には、上記油穴241に連通した給油穴244が設けられる。また、シャフト231の外周には、この給油穴244の開口部分を通る油溝245が形成されている。
シリンダ230には、圧縮室239の低圧側にガスを吸入する吸入ポート240が開通されており、上軸受234には、低圧側から転じて形成される圧縮室239の高圧側からガスを吐出する吐出ポート238が開通されている。吐出ポート238は、上軸受234を貫通する平面視で円形の孔として形成される。また、上軸受234において吐出ポート238の上方には、所定の大きさ以上の圧力を吐出ポート238から受けた場合に開放される吐出弁236が設けられる。上軸受234にはさらに、吐出弁236を覆うように、カップマフラ−237が配置されている。
以上のような構成のロータリ圧縮機において、圧縮室239の低圧側では、ピストン232とシリンダ230の摺接部分が偏心回転により吸入ポート240を通過し始めると、吸入室が徐々に拡大する。この間、吸入ポート240から吸入室内にガスが吸入される。一方、高圧側では、ピストン232の摺動部が吐出ポート238へと、圧縮室239を徐々に縮小しながら近づいていき、所定圧力以上に圧縮された時点で吐出弁236が開いて吐出ポート238からガスが流出する。流出したガスは、カップマフラ−237により密閉容器201内に吐出される。
上記の構成では、ピストン232とベーン233の先端との摺動部分では、オイルが保持されにくく、摺動性が厳しい。つまり油膜が形成され難いため、金属接触が起こり、磨耗が起こりやすい。さらに、近年の代替冷媒の移行により、非共沸混合冷媒のR407CやR410Aを従来のロータリ圧縮機で使用すると、これら冷媒自身の潤滑性が悪いため、上記摺動部分での磨耗がさらに発生しやすい。
このような磨耗の問題に対する解決手段がいくつか提案されている。図10は、この解決手段の一例である揺動ピストン型ロータリ圧縮機のベーン及びピストンの周辺を示す図である。図10において、シリンダ130の上下両側は、端板134,135により閉塞され、端板134,135のいずれか一方には、圧縮されたガスを吐出する吐出ポート138が形成されている。ピストン132は、シリンダ130内に設けられたシャフト131の偏心部130aに嵌合される。ベーン133の本体部分は、シリンダ130に設けられたスロット130b内に往復運動可能に挿入される。また、ベーン133の円柱部は、ピストン132が揺動自由に接続される。これにより、ピストン132とベーン133の先端との間にオイルが保持されやすく油膜が形成されるようになり、ベーン133の信頼性を大幅に向上させることが出来る(例えば特許文献1を参照)。
特開昭50−80510号公報
上述の揺動ピストン型では、ベーン133の先端の信頼性は大幅に向上するものの、前述のローリングピストン型と較べて、ピストン132の外周部分にベーン133の円柱部が揺動自由に接続されるため、ピストン133の外径が大きくなってしまう。その結果、ピストン132の上下端面と端板134,135との間の摺動面積が増加する。また、摺動面積増加に伴う潤滑不足に起因して、ピストン132の上下端面の摺動が厳しくなり、ピストン132や上軸受234及び下軸受235の磨耗や焼き付きの要因となっていた。さらに、ピストン132は自転しないため、ピストン132の高圧側が特に高温になり熱膨張することにより、ピストン132と端板134,135との摺動がさらに厳しくなることという問題があった。
それ故に、本発明は、ピストンの磨耗や焼きつきを抑えることが可能なロータリ圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダと、シリンダ内に配置される、シャフトの偏心部と、偏心部に嵌合され、円柱状の溝が形成されたピストンと、シリンダの両端面を閉塞する二つの軸受と、シリンダに形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ内の圧縮室を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーンと、を備えるロータリ圧縮機であって、二つの軸受の一方には、高圧側からのガスを吐出する吐出ポートが形成され、ピストンの端面には、吐出ポートとオーバーラップしない位置に、オイルが満たされる凹部が形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、ロータリ圧縮機において、ピストンの端面に形成された凹部にオイルが保持されるため、潤滑性や冷却性が向上する。これによって、ピストンの端面の磨耗や焼き付き等を抑制できる。また、凹部が吐出ポートとオーバーラップしない位置に形成されることにより、オイルに満たされた凹部と圧縮室とが吐出ポートを介して連通するこ
とを防ぎ、オイルやガスの再膨張を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る揺動ピストン型ロータリ圧縮機の部分縦断面図 図1に示すロータリ圧縮機の圧縮機構の拡大図 図1に示すシャフト31が一回転する間における圧縮機構部3の状態遷移を示す図 図1,2に示すシャフト31、ピストン32及びベーン33の拡大斜視図 図1,2に示すシャフト31、ピストン32及びベーン33の変形例を示す拡大斜視図 図5に示すシャフト31が一回転する間におけるピストン32及びベーン33の変形例の状態遷移を示す図 図4に示すピストン32に設けられるマーク32cを例示する図 従来のロータリ圧縮機の一例を示す部分縦断面図 図8に示すロータリ圧縮機の、面A−Aに沿う横断面を示す図 従来の揺動ピストン型ロータリ圧縮機の圧縮機構部を示す横断面図
本発明は、シリンダと、シリンダ内に配置される、シャフトの偏心部と、偏心部に嵌合され、円柱状の溝が形成されたピストンと、シリンダの両端面を閉塞する二つの軸受と、シリンダに形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ内の圧縮室を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーンと、を備えるロータリ圧縮機であって、二つの軸受の一方には、高圧側からのガスを吐出する吐出ポートが形成され、ピストンの端面には、吐出ポートとオーバーラップしない位置に、オイルが満たされる凹部が形成されることを特徴とする。
上記構成によれば、ロータリ圧縮機において、ピストンの端面に形成された凹部にオイルが保持されるため、潤滑性や冷却性が向上する。これによって、ピストンの端面の磨耗や焼き付き等を抑制できる。また、凹部が吐出ポートとオーバーラップしない位置に形成されることにより、オイルに満たされた凹部と圧縮室とが吐出ポートを介して連通することを防ぎ、オイルやガスの再膨張を抑制することができる。
好ましくは、凹部と圧縮室とのシール幅が低圧側よりも高圧側の方が狭くなる位置に該凹部が形成される。これにより、シール幅の狭くなった高圧部側のピストンの端面に特にオイルが流れることにから、潤滑性と冷却性が向上し、高圧部側のピストンの熱膨張が抑制され、より高い信頼性が得られる。
好ましくは、ピストンの端面のそれぞれに凹部は形成され、該上端面側の凹部の面積と比べて、該下端面側の凹部の面積が概ね同じか大きい。上下端面の凹部の面積を同等にすることにより、凹部に満たされた高圧オイルによって発生する上下の力がバランスされ、上下軸受の一方に強く摺動することを回避できる。また、そもそもピストンは自重により下軸受に押さえつけられているため、ピストンの下端面側の凹部の面積を大きくすることにより、ピストンの自重と釣り合う力が発生し、ピストンは浮上する。これによって、ピストンの上端面側及び下端面側の隙間が均一化され、両方の隙間にオイルが保持されやすくなり、信頼性が大幅に向上する。
好ましくは、ピストンの二側面のどちらか一方にマークがある。このマークは組み立て時に、ピストンの上下を判断する目印とすることができるので、ロータリ圧縮機の組み立て間違いによるロスを減少することが可能となる。
ロータリ圧縮機において、作動流体として、高圧冷媒であるCOを用いることが可能である。COに関しては、差圧が大きく、摺動損失や漏れ損失が大きいが、円柱部と溝とを上記のようにすることで、作動流体としてCOを用いるのにより好適になる。これにより、圧縮機の効率と信頼性を向上させることが可能となる。
ロータリ圧縮機において、作動冷媒として炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、2重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒を用いることが可能である。この冷媒は、塩素を含まないため摺動部分の信頼性が非常に厳しい。しかし、溝を上記のようにし、この冷媒を用いることで、より効果的に圧縮機の効率と信頼性を向上させることが可能となる。また、この冷媒に関しては、オゾン破壊が無く、地球温暖化係数が低いため、地球に優しい空調サイクルの構成に寄与することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る揺動ピストン型ロータリ圧縮機の部分縦断面図である。図2は、図1に示すロータリ圧縮機の圧縮機構の拡大図である。
図1,2において、ロータリ圧縮機においては、電動機2と圧縮機構部3とがシャフト31で連結された状態で密閉容器1内に収納される。圧縮機構部3は、シリンダ30と、該シリンダ30の上端面及び下端面を閉塞し、シャフト31を支持する上軸受34及び下軸受35とを備えている。シリンダ30、上軸受34及び下軸受35により、圧縮室39と呼ばれる空間が形成される。
圧縮室39内には、シャフト31の偏心部31aに嵌合されたピストン32が備わる。圧縮室39内にはさらに、ピストン32の外周の偏心回転に追従して往復運動し、圧縮室39内を低圧側と高圧側とに仕切るベーン33が備わる。ベーン33の本体部分は、シリンダ30に設けられたスロット30b内に往復運動可能に挿入される。
シャフト31には、中心軸に沿って油穴41が形成されると共に、上軸受34の下端部分及び下軸受35の上端部分に近接する部分には、油穴41に連通した給油穴42及び給油穴43が設けられている。また、シャフト31において偏心部31aに近接する部分には、上記油穴41に連通した給油穴44が設けられる。また、シャフト31の外周には、この給油穴44の開口部分を通る油溝45が形成されている。
シリンダ30には、圧縮室39の低圧側にガスを吸入する吸入ポート40が開通されており、上軸受34には、低圧側から転じて形成される圧縮室39の高圧側からガスを吐出する吐出ポート38が開通されている。吐出ポート38は、上軸受34を貫通する平面視で円形の孔として形成される。また、上軸受34において吐出ポート38の上方には、所定の大きさ以上の圧力を吐出ポート38から受けた場合に開放される吐出弁36が設けられる。上軸受34にはさらに、吐出弁36を覆うように、カップマフラ−37が配置されている。
ここで、図3は、図1に示すシャフト31が一回転する間における圧縮機構部3の状態遷移を示す図である。なお、図3では、ベーン33の円柱部33aがシリンダ30の内壁に最も近接する位置を0度としている。また、図3には上軸受34は図示されていないが、理解を容易にするために、上軸受34に形成される吐出ポート38が点線で示されている。
図3において、低圧側では、ピストン32とシリンダ30との摺接部分は、吸入ポート
40を通過すると、ガスの吸入室を徐々に拡大しながら吸入ポート40から離れていく。この間、吸入ポート40から吸入室内にガスが吸入される。一方、高圧側では、ピストン32の摺動部が圧縮室39を徐々に縮小しながら吐出ポート38へ近づいていき、圧縮室39内のガスが所定圧力以上に圧縮された時点で吐出弁36(図1参照)が開き、吐出ポート38からガスが流出する。流出したガスは、図1に示すカップマフラ−37より密閉容器1内、より具体的には圧縮機構部3の外側である高圧の吐出空間52に吐出される。
なお、図1に示すように、偏心部31a、上軸受34及びピストン32の各内周面の間には空間46(図2参照)があり、偏心部31a、下軸受け35及びピストン32の各内周面との間には空間47(図2参照)がある。その空間46,47には、油穴41から給油穴42,43を経て油が漏れ込んでくる。また、この空間46,47は、ほぼ常に、圧縮室39の内部の圧力より高い状態にある。
図4は、図1,2に示すシャフト31、ピストン32及びベーン33の拡大斜視図である。図4において、ベーン33は、円柱形状を有する円柱部33aを先端部分に有する。また、ピストン32には、この円柱部33aの直径と概ね同径で、円弧角が180°超の円柱状の溝32aが形成されている。円柱部33aはこの溝32aに揺動自在に嵌合して、両者は接続される。また、ピストン32は、上述のように、シャフト31の偏心部31aに嵌合されており、シリンダ30、上軸受34及び下軸受35で形成される圧縮室39(図2参照)に入れられる。ここで、ピストン32の上端面及び下端面は、図2に示されるように、上軸受34の下端面及び下軸受35の上端面と接している。それゆえ、ピストン32の揺動により、ピストン32の上下端面は、上軸受34の下端面及び下軸受35の上端面に対し摺動する。この摺動に起因するピストンの磨耗や焼きつきを抑えるため、図示した例では、ピストン32の上端面に、ザグリ加工により凹部32bが形成される。
具体的には、図4の例では、凹部32bは、上方から見ると、ピストン32の中心から所定半径を有する円弧と、その円弧を結ぶ弦との組み合わせからなる部分円形を有する。この部分円の内部をザグリ加工することにより、凹部32bは形成される。ここで、凹部32bの径は、ピストン32の径よりも小さい。
また、弦の位置は以下のようにして定められる。図3に示すように、吐出ポート38は上軸受34において圧縮室39の外縁部分に設けられる。弦は、シャフト31が一回転する間に凹部32bが吐出ポート38の開口部分とオーバーラップしない位置に設けられる。これにより、オイルに満たされた空間46(図4参照)と圧縮室39とが吐出ポート38を介して連通することを防ぎオイルやガスの再膨張を抑制することができる。さらに、ピストン32の上下端面の摺動面積を減少させることが出来るため、機械損失の低減により、より高い効率の圧縮機を実現することが可能となる。また、凹部32bには、例えば給油穴42,43から供給されるオイルが満たされるため、ピストン32の上下端面の潤滑性や冷却性が向上し、磨耗や焼き付き等を抑制できる。
以上のことから、本実施形態にかかる圧縮機によれば、従来の揺動ピストン型が有していた、ピストン33の外径の大型化により生じる課題を解決でき、本来持っているベーン33の先端部の高い信頼性を十分に発揮することが出来る。
図5は、図1,2に示すシャフト31、ピストン32及びベーン33の変形例を示す拡大斜視図であり、図4に示す凹部32bの変形例を示す図である。図5の例では、凹部32bは、ピストン32の上方から見ると所定径を有する円形を有しており、ピストン32の中心から所定方向にずれた位置に中心を有する。この円内をザグリ加工することにより、凹部32bは形成される。ここで、凹部32bの径は、少なくともピストン32の径よりも小さい。
また、凹部32bの形成位置は以下のようにして定められる。吐出ポート38は、図6に示すように、本実施形態では、シリンダ30において圧縮室39の外縁部分に設けられる。凹部32bの中心位置は、シャフト31が一回転する間に凹部32bが吐出ポート38の開口部分とオーバーラップしないように定められる。さらに、凹部32bと圧縮室39とのシール幅が低圧側より高圧側を狭くする位置に凹部32bは形成される。従来の揺動ピストン型ロータリ圧縮機では、図10を参照して説明したとおり、ピストン132は自転しないため、ピストン132の高圧側が相対的に高温になりやすかった。その結果、ピストン132が熱膨張して、端板134、135との摺動がさらに厳しくなっていた。しかしながら、図5及び図6に示す構成を採用することにより、シール幅の狭くなった高圧側のピストン32の端面に特にオイルが流れることから、さらに潤滑性と冷却性が向上し、ピストン32の熱膨張が抑制され、より高い信頼性が得られる。さらに、吸入ポート40側のシール幅が長くなるため、高温のオイルが吸入室へと漏れ込む量が減少し、吸入ガスへの加熱が低減されることから、体積効率が向上する。
また、ピストン32の上下端面のそれぞれに凹部32bが形成される場合には、上軸受34側のピストン32の上端面の凹部32bの開口面積と比べて、下軸受35側のピストン32の下端面の凹部32bの開口面積を略同等、もしくは大きくする構成とすることが好ましい。両凹部32bの開口面積を同等にすることにより、各凹部32bに導かれた高圧オイルによって発生する上下の力がバランスされ、上軸受34及び下軸受35のいずれか一方にピストン32が強く摺動することを回避できる。
また、そもそも、ピストン32は、主として自重により下軸受35に押さえつけられているため、下軸受35側の凹部32bの開口面積を大きくすることにより、ピストン32の自重と釣り合う力が発生する。これにより、ピストン32は浮上し、上下端面と上軸受34及び下軸受35の隙間が均一化され、上下端面の両方にオイルが保持されやすくなり、信頼性が大幅に向上する。また、従来まではピストン132(図10参照)が片側に寄っていたため、いずれかの端面の隙間を拡大すると、低圧側へのガスやオイルの漏れこみ量が増加し、効率が大幅に悪化していた。それに対して、図5及び図6に示す構成により上下端面隙間を均一化することにより、この隙間を従来の構成よりも拡大しても、圧縮機の効率は同等もしくは向上し、圧縮機の信頼性は大幅に向上する。
また、図7に示すように、ピストン32の上端面か下端面のどちらか一方に、例えば小さなくぼみをマーク32cとして設けることが好ましい。これにより、組み立て時にピストン32の上下方向を判断する目印となる。この目印は、凹部32bがピストン32の片面に形成されている場合や、互いに開口面積の異なる凹部32bがピストン32の上下端面に形成される場合に、好適であり、これによって、組み立て間違いによるロスを減少することが可能となる。
また、本圧縮機は、作動流体としてCOを用いるのに好適である。COは、差圧が大きく、漏れ損失と摺動損失が大きいが、本実施形態に係るピストン32とベーン33を採用することにより、より効果的に圧縮機の効率と信頼性の向上が可能となる。
また、作動流体として炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、2重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒が本圧縮機に用いられる。この冷媒は塩素を含まないため摺動部の信頼性が非常に厳しいが、本実施形態に係るピストン32とベーン33を採用することにより、より効果的に信頼性と効率を向上することが出来る。さらに、オゾン破壊のないまた地球温暖化係数の低い冷媒であるため地球に優しい空調サイクルを構成することができる。
本発明にかかるロータリ圧縮機は、ピストンの磨耗や焼きつきを抑えることが可能であり、給湯装置、空気調和機、冷凍冷蔵庫、除湿機等に好適である。
30 シリンダ
31 シャフト
32 ピストン
32b 凹部
33 ベーン
34 上軸受
35 下軸受
38 吐出ポート

Claims (6)

  1. シリンダと、
    前記シリンダ内に配置される、シャフトの偏心部と、
    前記偏心部に嵌合され、円柱状の溝が形成されたピストンと、
    前記シリンダの両端面を閉塞する二つの軸受と、
    前記シリンダに形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ内の圧縮室を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ前記溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーンと、
    を備えるロータリ圧縮機であって、
    前記二つの軸受の一方には、高圧側からのガスを吐出する吐出ポートが形成され、前記ピストンの端面には、前記吐出ポートとオーバーラップしない位置に、オイルが満たされる凹部が形成されることを特徴とする、ロータリ圧縮機。
  2. 前記凹部と前記圧縮室とのシール幅が前記低圧側よりも前記高圧側の方が狭くなる位置に該凹部が形成されることを特徴とする、請求項1記載のロータリ圧縮機。
  3. 前記ピストンの端面のそれぞれに前記凹部は形成され、該上端面側の凹部の面積と比べて、該下端面側の凹部の面積が概ね同じか大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載のロータリ圧縮機。
  4. 前記ピストンの二側面のどちらか一方にマークがあることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
  5. 作動流体として、高圧冷媒であるCOが用いられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
  6. 作動冷媒として炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、2重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒を使用した、請求項1〜5のいずれかに記載のロータリ圧縮機。
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