JP2000234431A - 出隅柱 - Google Patents

出隅柱

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JP2000234431A JP11038811A JP3881199A JP2000234431A JP 2000234431 A JP2000234431 A JP 2000234431A JP 11038811 A JP11038811 A JP 11038811A JP 3881199 A JP3881199 A JP 3881199A JP 2000234431 A JP2000234431 A JP 2000234431A
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Morimichi Watanabe
守道 渡辺
Hiroshi Ito
伊藤  博
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造容易で,かつ意匠のバリエーションに富
む出隅柱を提供すること。 【解決手段】 一辺部11と他辺部12とをその端部1
15,125において接合して角状部を形成してなる出
隅柱1において,上記角状部には,上記各端部115,
125に設けた切欠部117,127によって形成した
凹状角柄部10を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,建築物の壁面に対して,板状の
建築板によって被覆できない出隅部を被覆する出隅柱に
関する。
【0002】
【従来技術】図6に示すごとく,従来の出隅柱9は,一
辺部91と他辺部92との2枚の部材を直角状に接合す
ることにより作製されている。上記出隅柱9の製造工程
を図7に示す。即ち,図7(a)に示すごとく,施工時
に隣接させる建築板2(図6)と柄模様,色彩及び材質
が同じ外壁材90を用意する。次いで,図7(b)に示
すごとく,上記外壁材90を巾切して,同じ巾の2枚の
部材(一辺部91,他辺部92)を作製する。
【0003】次いで,図7(c)に示すごとく,上記一
辺部91の端部915と上記他辺部92の端部925と
を留切して,互いの接合部分を形成する。次いで,図7
(d)に示すごとく,上記一辺部91の端部915と上
記他辺部92の端部925とを,タッカー94及び接着
剤95を用いて接合する。
【0004】次いで,図7(e)に示すごとく,上記接
着剤95が硬化するまで両者を養生する。次いで,図7
(f)に示すごとく,接合された端部915,925の
面取りをする。その後,溝加工,仕上げ塗装等を施し
て,図6に示すごとき出隅柱9を完成する。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の出
隅柱においては,次の問題がある。即ち,上記出隅柱9
は,隣接させる建築板2と同じ柄模様,色彩及び材質の
外壁材90を用いて製造する必要がある。これは,図6
に示すごとく,建築物の外観を,出隅部のみが際立たな
いよう,自然な建物外観に仕上げるためである。
【0006】また,出隅部の,特に,その接合部を際立
たないようにするためには,上記出隅柱9としては,接
合させるその一辺部91と他辺部92の各柄模様が連続
するように形成するのが望ましい。すなわち,図6に示
すような煉瓦積みの柄模様の場合には,水平方向の横線
がズレルことなく,90度方向を変えて連続するように
形成する必要がある。
【0007】このような出隅柱9を形成する場合には,
一辺部91と他辺部92の接合にあたり,接合すべき互
いの柄模様位置を正確に合わせる位置決めが重要となる
が,かかる作業は,そう簡単にできるものではない。接
合させる柄模様にズレを生じさせしまうおそれは十分に
あり,建物出隅部の美観を損なう結果を招く原因にもな
りかねない。
【0008】なお,図7(f)に示すごとく,接合され
た端部915,925には面取りを施すが,これは,角
をとるという外観意匠的な面からの要求に加えて,左右
に配される柄模様のズレをできるだけ目立たせないよう
にしたいという意味合いも持たせている。なお,形成さ
れた面取り部(平面)には,出隅柱9を製造する際に,
補修塗装が施されるようになっている。
【0009】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,製造容易で,かつ意匠のバリエーション
に富む出隅柱を提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,一辺部と
他辺部とをその端部において接合して角状部を形成して
なる出隅柱において,上記角状部には,上記各端部に設
けた切欠部によって形成した凹状角柄部を有しているこ
とを特徴とする出隅柱にある。
【0011】本発明において最も注目すべきことは,上
記出隅柱の接合部分である,一辺部の端部と他辺部の端
部とに切欠部を設けると共に,これにより両端部によっ
て形成される角状部に凹状角柄部を形成したことであ
る。
【0012】上記切欠部とは,上記一辺部の端部及び上
記他辺部の端部に,上記出隅柱の高さ方向に沿って形成
されたもので,上記各端部を例えば段状等に切欠いた部
分をいう。上記切欠部は,外壁材の製造時に形成しても
よいし,巾切された外壁材の端部を例えば段状等に切除
することにより形成してもよい。なお,上記切欠部に
は,必要に応じて柄模様を設けることもできる。
【0013】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,上記一辺部の柄模様と,これに接合
させる他辺部の柄模様とを,上記切欠部によって一旦途
切れさせている。そのため,必ずしも上記一辺部と他辺
部とを,同一柄模様にする必要がなくなる。このよう
に,同一柄模様を連続させるという制約がなくなること
により,建物出隅部のデザイン設計の自由度が拡がる。
また,そのため,製造が容易である。
【0014】具体的には,柄模様のパターン,色調,目
地デザイン,更には,出隅柱を形成する一辺部と他辺部
の幅寸法なども自由に設計することが可能となる。
【0015】さらに,上記切欠部によって形成された凹
状角柄部は,従来の出隅部の外観とは明らかに異なる外
観意匠を呈しており,逆に従来にはない建物出隅部の外
観意匠として独特なアクセントや立体感などを持たせる
ことが可能となる。
【0016】また,上記出隅柱を構成する一辺部とそれ
に隣接させる建築板のデザインと,同出隅柱を構成する
他辺部とそれに隣接させる建築板のデザインとを,その
建物に対する日照条件を考慮して別デザインとして設計
することも可能となる。
【0017】次に,請求項2の発明のように,上記切欠
部は,段状,弧状,凹状のいずれかであることが好まし
い。この場合には,変化のある立体的な柄模様を有する
凹状角柄部とすることができる。
【0018】次に,請求項3の発明のように,上記一辺
部の端部と他辺部の端部とは,互いに異なる形状の切欠
部を有していることが好ましい。この場合には,上記凹
状角柄部における立体的な柄模様を,出隅部を見る方角
によって,違った感じの外観意匠として発揮させること
が可能となる。
【0019】次に,請求項4の発明のように,上記出隅
柱は,窯業系外壁材により作製されていることが好まし
い。この場合には,品質,施工性に優れた窯業系外壁材
の特性を活かして,上記出隅柱の品質,施工性を優れた
ものとすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる出隅柱につき,図1,図2
を用いて説明する。本例の出隅柱1は,図1,図2に示
すごとく,一辺部11と他辺部12とをその端部11
5,125において直角状に接合して,角状部を形成し
てなる。上記角状部には,上記端部115に設けた切欠
部117と上記端部125に設けた切欠部127とによ
って形成した凹状角柄部10を有している。
【0021】図1,図2に示すごとく,上記一辺部11
の切欠部117の形状は,上記他辺部12の切欠部12
7の形状と同じであり,深さと巾の等しい等段状であ
る。そして,この段状の切欠部117,127によって
階段状の凹状角柄部10が形成される。図2に示すごと
く,上記切欠部117,127は,上記一辺部11の端
部115,及び上記他辺部12の端部125に,上記出
隅柱1の高さ方向Hに沿って形成されたものである。な
お,上記切欠部117,127には,柄模様を設けても
よいし,設けなくてもよい。
【0022】また,図2に示すごとく,上記一辺部11
の柄模様は,施工時に隣接させる上記建築板21の柄模
様と同じレンガ模様であり,上記他辺部12の柄模様
は,施工時に隣接させる上記建築板22の柄模様と同じ
縞模様である。また,上記一辺部11,他辺部12の色
彩は,上記建築板21,22の色彩と同じ赤茶色であ
る。なお,上記一辺部11の巾は上記他辺部12の巾と
等しい。
【0023】図1に示すごとく,上記出隅柱1及び上記
建築板21,22は,金具又はビス(図示略)により,
縦胴縁31を介して柱32に固定される。なお,上記縦
胴縁31と柱32との間には防水紙(図示略)を配設す
る。また,上記一辺部11と建築板21との間の縦目地
には,ハットジョイナー33を用いてコーキング材34
により目地シーリングを施す。
【0024】上記出隅柱1は,窯業系外壁材としての木
片セメント板により作製されている。即ち,上記一辺部
11と他辺部12とは,上記木片セメント板を巾切,留
切することにより,別個に作製されており,両者の各端
部115,125は,直角状に接着剤等により接合され
ている。
【0025】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例においては,図2に示すごとく,上記一辺部11の柄
模様と,これに接合させる他辺部12の柄模様とを,上
記切欠部117,127によって一旦途切れさせてい
る。そのため,上記一辺部11と他辺部12のデザイン
を,建物の日照条件や,周辺環境等を考慮して,別デザ
インとして設計することが可能となる。
【0026】また,上記一辺部11は,上記他辺部12
との意匠上の制約を受けない。そのため,上記出隅柱1
の柄模様として,上記レンガ模様と縞模様の組み合わせ
に限らず,例えば木目模様と縞模様,石目模様と縞模様
の組み合わせ等の,多種多様な柄模様を適用することが
できる。これにより,一辺部11と他辺部12との間で
柄模様を意図的に変化させることが可能となる。そのた
め,出隅柱1の外観を柄模様の変化に富んだものとする
ことができる。
【0027】さらに,上記切欠部117,127は段状
であり,これにより上記凹状角柄部10は2段の階段状
の立体的な柄模様を形成する。そのため,上記出隅柱1
の角状部に立体的なアクセントを与えることができる。
それ故,出隅柱1の外観を立体感に富んだ,外観性に優
れたものとすることができる。
【0028】また,上記出隅柱1の一辺部11側と他辺
部12側とで,柄模様を意図的に切り換えることができ
るので,上記一辺部11側に隣接させる建築板21と,
上記他辺部12側に隣接させる建築板22との間で,柄
模様を意図的に変化させることも可能となる。そのた
め,建築物の外観性を優れたものとすることもでき,ま
た,出隅柱1の製造も容易である。
【0029】なお,本例においては,一辺部11と他辺
部12との間で柄模様を意図的に変化させた例を示して
いるが,柄模様だけでなく,色彩についても同様に変化
させてもよい。
【0030】また,上記出隅柱1が,窯業系外壁材によ
り作製されているため,品質,施工性に優れた窯業系外
壁材の特性を活かして,上記出隅柱1の品質,施工性を
優れたものとすることができる。
【0031】なお,本例においては,木造造りの施工例
を示しているが,上記出隅柱1は鉄骨造りの場合にも適
用することができる。
【0032】実施形態例2 本例は,図3に示すごとく,上記切欠部117,127
の他の形状の例を示すものである。即ち,図3(a)に
示す切欠部117,127の形状は,それぞれ3段の段
状を呈している。これによって,上記凹状角柄部10に
6段の階段状の立体的な柄模様を形成する。
【0033】次に,図3(b)に示す切欠部117,1
27の形状は,それぞれ半径の等しい円弧状を呈してい
る。これによって,上記凹状角柄部10に円筒内の曲面
状の立体的な柄模様を形成する。次に,図3(c)に示
す切欠部117,127の形状は,それぞれ拡開した凹
状を呈している。これによって,上記凹状角柄部10に
3平面よりなる多面状の立体的な柄模様を形成する。そ
の他は,実施形態例1と同様である。
【0034】本例においては,上記のごとく,階段状,
曲面状,多面状等,変化のある立体的な柄模様を有する
凹状角柄部とすることができる。その他,実施形態例1
と同様の作用効果を得ることができる。
【0035】実施形態例3 本例は,図4に示すごとく,上記一辺部11と他辺部1
2とが,互いに異なる形状の段状の切欠部117,12
7を有する例である。即ち,上記他辺部12の切欠部1
27の形状は,上記一辺部11の切欠部117の形状
(等段状)と異なり,深さに比べて巾を広くした異段状
である。その他は,実施形態例1と同様である。
【0036】本例においては,上記一辺部11の切欠部
117と上記他辺部12の切欠部127とを非対称とす
ることにより,出隅部が,その見る方角によって,異な
る外観意匠を呈するようになり,外観表現力をより一層
豊富にすることが可能となる。その他,実施形態例1と
同様の作用効果を得ることができる。
【0037】実施形態例4 本例は,図5に示すごとく,一辺部11と他辺部12と
をその端部115,125において鈍角状に接合した例
である。また,上記一辺部11の切欠部117と上記他
辺部12の切欠部127とは共に,深さに比べて巾を広
くした異段状である。その他は,実施形態例1と同様で
ある。
【0038】本例においては,建築物の出隅部が直角以
外の場合にも容易に対応することができる。なお,上記
一辺部11と他辺部12との2枚の部材により,建築物
の出隅部を被覆できない場合には,上記一辺部11の両
端部に上記他辺部12を接合させた,複数枚の部材より
なる出隅柱を用いてもよい。その他,実施形態例1と同
様の作用効果を得ることができる。
【0039】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,製造容
易で,かつ意匠のバリエーションに富む出隅柱を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,出隅柱の断面説明図。
【図2】実施形態例1における,出隅柱の斜視図。
【図3】実施形態例2における,(a)段状,(b)円
弧状,(c)凹状の切欠部をする出隅柱の断面説明図。
【図4】実施形態例3における,一辺部の切欠部の形状
と他辺部の切欠部の形状とが互いに異なる出隅柱の断面
説明図。
【図5】実施形態例4における,複数枚の部材よりなる
出隅柱の斜視図。
【図6】従来例における,出隅柱の斜視図。
【図7】従来例における,出隅柱の製造方法の説明図。
【符号の説明】
1...出隅柱, 10...凹状角柄部, 11...一辺部, 115...端部, 117...切欠部, 12...他辺部, 125...端部, 127...切欠部, 21,22...建築板,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 AA70 AB04 AB27 BA12 BA13 BB07 BB22 BB33 BC14 BD23 BD26 CA07 CA23 CC02 CC04 CC25 DA03 DA06 DA09 DC12 DC21 DD03 DD10 DD13 GA23W GA33W GA33Y GA33Z GB01Z GB02Y GB23W GB62W GB62Y

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一辺部と他辺部とをその端部において接
    合して角状部を形成してなる出隅柱において,上記角状
    部には,上記各端部に設けた切欠部によって形成した凹
    状角柄部を有していることを特徴とする出隅柱。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記切欠部は,段
    状,弧状,凹状のいずれかであることを特徴とする出隅
    柱。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記一辺部の
    端部と他辺部の端部とは,互いに異なる形状の切欠部を
    有していることを特徴とする出隅柱。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記出隅柱は,窯業系外壁材により作製されていること
    を特徴とする出隅柱。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007303236A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Sekisui House Ltd 外壁の出隅部構造および出隅処理方法
JP2009114676A (ja) * 2007-11-02 2009-05-28 Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd 建物の外壁構造

Cited By (3)

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JP2007303236A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Sekisui House Ltd 外壁の出隅部構造および出隅処理方法
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