JP2000234197A - 耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板 - Google Patents
耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板Info
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Abstract
池特性と耐食性を同時に向上させた電池缶用材料を提供
する。 【解決手段】 冷延鋼板の片面または両面にニッケルメ
ッキを施した鋼板をDI絞り加工して容器を形成する材料
であって、容器の内周壁にDI(dorowing and ironing)絞
り加工で多数の割れを生じる硬質ニッケルメッキ層を有
しかつその下に割れの生じない軟質ニッケルメッキ層を
有する。更に軟質ニッケルメッキ層と鋼板表面との間に
薄肉のFe-Ni拡散層を備えている。また、これらの面と
反対側の面に、鉄-ニッケル拡散層を有し、あるいはこ
れに接してまたは中間に軟質ニッケルメッキ層をはさん
で光沢メッキ層を有する。
Description
加工した容器材に用いる形成材料に関するものである。
多段絞り加工あるいはDI(drawing andironing)絞り加工
して形成される。このニッケルメッキ鋼板は規定の厚さ
の冷延鋼板にニッケルメッキを施して、あるいは冷延鋼
板にニッケルメッキした後、再度焼鈍、調質圧延を行っ
て鋼素地とニッケルメッキ層との間に鉄-ニッケル拡散
層を形成して製造される(特開平3-166388号公報)。
化が図られる中で、電池特性の向上も強く望まれ、その
ための対策がいくつか行われている。たとえば電池の充
填材を増してパワーアップ化を図るために電池缶の加工
方法として、多段絞りよりも周壁をしごいて周壁の薄肉
化を図ることができるDI絞りを採用する場合がある(特
開平6-346284号公報)。
表面はしごかれて細かな鏡面光沢となる。一般に缶周壁
内面の表面粗度が細かいと、充填材と接触する周壁の内
周面は平滑面となって接触抵抗が高くなり、電池特性が
悪化する。そこでDI絞り加工で形成される電池用缶のニ
ッケルメッキ鋼板は、内周面の表面粗度を粗くして接触
抵抗を低減するため、DI絞り加工時に多数の割れが生じ
る硬質メッキ層が鉄-ニッケル拡散層の上に施されてい
る(特開平5-021044号公報)。
の内周面の鉄-ニッケル拡散層の上に硬質メッキを施し
て、DI絞り加工により多数の割れを形成した場合、割れ
の一部は硬質メッキ層の最下部まで貫通するものがあ
る。電池缶の内周壁には腐食性の高い充填材が封入され
ている。その一部が硬質メッキ層の割れを通って下層の
鉄-ニッケル拡散層まで到達すると拡散層の鉄が腐食さ
れるおそれがある。さらに腐食が拡散層を越えて下地の
冷延鋼板まで進行することもある。
る場合を想定して安全性が図られているが、電池缶内部
はきわめて鉄が腐食されやすい環境にある。電池缶内周
壁の一部に鉄が露出していると、電池の保管中において
も本来電池の反応に寄与しない鉄の腐食反応が内部で進
行し電池特性を著しく悪化させる要因となる。
破壊によって生じるものであるため、硬質メッキ層を厚
くしても貫通割れを防止することは極めて困難である。
一方で拡散層、硬質メッキ層の厚さは絞り性および充填
材増量の点からは薄い方が望ましい。
もので、電池特性と耐食性を同時に向上させた電池缶用
材料を提供するものである。
より解決される。
面上に、第1層としての鉄-ニッケル合金層と、この第
1層の上に形成された中間層としての軟質ニッケルメッ
キ層と、この中間層の上に形成された最表層メッキ層と
しての硬質ニッケルメッキ層とを備えたことを特徴とす
る耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板である。
ルメッキした鋼板からなり、DI絞り加工で電池用缶を形
成するために用いられるもので、缶形成材料の内周壁に
DI絞り加工時に多数の割れが生じる硬質メッキ層を有し
かつその下に割れの生じない軟質ニッケルメッキ層を有
することにより、硬質メッキ層の貫通割れを通して充填
材による鉄の腐食を防止することを骨子とする。さらに
メッキ層と下地の鋼板との密着性向上のため、軟質ニッ
ケルメッキ層と鋼板の間に均一厚さの鉄-ニッケル合金
層を有している。この合金層は、軟質ニッケルメッキ前
にニッケルメッキ冷延鋼板を拡散焼鈍して形成したもの
である。
合、缶内周面には電池特性を向上させるためDI絞り加工
時に割れの生じる硬質メッキ層が施される。従来の技術
では、この割れが硬質メッキ層を貫通している箇所で
は、そこから電池充填物が浸透し下層の鉄-ニッケル合
金層あるいはさらに下地の鋼板が腐食される。
の下にDI絞り加工しても割れの生じない軟質ニッケルメ
ッキを施してある。これにより、電池充填物の合金層ま
たは鋼板表面への浸透を防ぎ鉄の腐食を防止することが
できる。
より、下地の鋼板とメッキ層の密着性が向上し、絞り加
工後にメッキ層が剥落して耐食性が劣化することを防ぐ
ことができる。
面上に、第1層としての鉄-ニッケル合金層と、この第1
層の上に形成された第2層としてのニッケルメッキ層と
を備え、この第2層としてのニッケルメッキ層の硬度は
前記第1層に接する側から表層側にかけて傾斜的に硬質
化していることを特徴とする耐食性に優れた多層ニッケ
ルメッキ鋼板である。
を傾斜的に硬質化しているニッケルメッキ層に置換えた
ものである。この場合も、表面は硬質メッキ層であるた
めDI絞り加工により割れを生じ、第1層に接する側は軟
質のため割れを生じない。従って、第1の発明と同様、
耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板となる。
えている面とは反対側の面に、鉄-ニッケル合金層を有
することを特徴とする第1あるいは第2の発明の耐食性
に優れた多層ニッケルメッキ鋼板である。
合金層を有するので、缶周壁の外面についても耐食性が
向上する。
てあるいは中間に軟質ニッケルメッキ層をはさんで光沢
メッキ層を有することを特徴とする第3の発明の耐食性
に優れた多層ニッケルメッキ鋼板である。
周壁に光沢メッキ層を有しているので、電池缶の外観が
良好になる。あるいは鉄-ニッケル合金層の外周壁を調
質圧延の圧下条件により光沢を与えても良い。
キ鋼板の構成を示す。この図に示すように、最内層に
は、第1層としての鉄-ニッケル合金層が形成されてい
る。この層の上には中間層としての軟質ニッケルメッキ
層が形成され、さらにその層の上最表層メッキ層として
の硬質ニッケルメッキ層が形成されている。なおこの図
では、最表層メッキ層については、DI絞り加工後の多数
の割れが生じた状態を示す。
に、鉄-ニッケル拡散層、さらにこの上に軟質ニッケル
メッキ層、最表層に光沢メッキ層が形成されている。
メッキの際、高電流密度で流速を通常の10分の1以下に
落とすことにより、またはメッキ材に添加物を混入させ
ることにより形成することができる。
例では、図の上から順に、薄鋼板を冷間圧延した未焼鈍
冷延鋼板について、バッチ焼鈍を行い、深絞り加工等の
加工性を付与する。その後、鋼板の形状矯正等のために
調質圧延を行い、ニッケルメッキを施す。次に、拡散焼
鈍を行い、鉄-ニッケル拡散層を生成させる。再度、調
質圧延を行った後、軟質ニッケルメッキを施す。最後に
最表層のニッケルメッキを施すが、その際、片面には硬
質メッキ、他方には光沢メッキを施し、絞り成形容器用
多層ニッケルメッキ鋼板を製造する。
絞り加工によって電池缶を形成するにあたり、缶内周壁
の硬質メッキ層に多数の割れを発生させて充填材の接触
抵抗を低減し電池特性を向上させるとともに、その下に
割れの生じない軟質ニッケルメッキ層を備えておくこと
により電池内部における容器材の鉄の腐食およびそれに
よる鉄の溶出を防止することで電池の安全性を高めるこ
とができる。
図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 鋼板の少なくとも一方の表面上に、第1
層としての鉄-ニッケル合金層と、この第1層の上に形
成された中間層としての軟質ニッケルメッキ層と、この
中間層の上に形成された最表層メッキ層としての硬質ニ
ッケルメッキ層とを備えたことを特徴とする耐食性に優
れた多層ニッケルメッキ鋼板。 - 【請求項2】 鋼板の少なくとも一方の表面上に、第1
層としての鉄-ニッケル合金層と、この第1層の上に形
成された第2層としてのニッケルメッキ層とを備え、こ
の第2層としてのニッケルメッキ層の硬度は前記第1層
に接する側から表層側にかけて傾斜的に硬質化している
ことを特徴とする耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼
板。 - 【請求項3】 硬質ニッケルメッキ層を備えている面と
は反対側の面に、鉄-ニッケル合金層を有することを特
徴とする請求項1あるいは請求項2記載の耐食性に優れ
た多層ニッケルメッキ鋼板。 - 【請求項4】 鉄-ニッケル合金層に接してあるいは中
間に軟質ニッケルメッキ層をはさんで光沢メッキ層を有
することを特徴とする請求項3記載の耐食性に優れた多
層ニッケルメッキ鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11031490A JP2000234197A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11031490A JP2000234197A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000234197A true JP2000234197A (ja) | 2000-08-29 |
Family
ID=12332715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11031490A Pending JP2000234197A (ja) | 1999-02-09 | 1999-02-09 | 耐食性に優れた多層ニッケルメッキ鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000234197A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002212778A (ja) * | 2001-01-19 | 2002-07-31 | Nippon Steel Corp | 電池特性の優れたアルカリマンガン電池正極缶用Niメッキ鋼板および製造方法 |
WO2020137874A1 (ja) | 2018-12-27 | 2020-07-02 | 日本製鉄株式会社 | 加工後耐食性に優れたNiめっき鋼板、及びNiめっき鋼板の製造方法 |
-
1999
- 1999-02-09 JP JP11031490A patent/JP2000234197A/ja active Pending
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