JPH1092395A - 電池缶形成材料及びその製造方法 - Google Patents
電池缶形成材料及びその製造方法Info
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- JPH1092395A JPH1092395A JP8242116A JP24211696A JPH1092395A JP H1092395 A JPH1092395 A JP H1092395A JP 8242116 A JP8242116 A JP 8242116A JP 24211696 A JP24211696 A JP 24211696A JP H1092395 A JPH1092395 A JP H1092395A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 クラッド鋼板により電池缶形成材料を設け
る。 【解決手段】連続鋳造された厚さ200mm〜300m
mのスラブの少なくとも片面に、厚さ1mm〜5mmの
スラブと異なる金属からなる合わせ材を積層した後、1
0%以下の幅絞めを施しながら熱間圧延を行い、幅方向
両端を加熱しながら巻き取り、その後、冷間圧延を行っ
て、上記スラブからなる母材の厚さを0.01mm〜
0.7mm、合わせ材の厚さを10μm以下としたクラ
ッド鋼としている。
る。 【解決手段】連続鋳造された厚さ200mm〜300m
mのスラブの少なくとも片面に、厚さ1mm〜5mmの
スラブと異なる金属からなる合わせ材を積層した後、1
0%以下の幅絞めを施しながら熱間圧延を行い、幅方向
両端を加熱しながら巻き取り、その後、冷間圧延を行っ
て、上記スラブからなる母材の厚さを0.01mm〜
0.7mm、合わせ材の厚さを10μm以下としたクラ
ッド鋼としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池缶形成材料、
該形成材料の製造方法および該形成材料で形成された電
池缶に関し、特に、コードレス機器や電気自動車等の電
源として好適に用いられるアルカリマンガン電池、リチ
ウム一次電池、リチウム二次電池、ニッケルカドミウム
電池、ニッケル水素電池等、各種電池の電池缶形成材料
であって、鋼板の表面にニッケル、ニッケル合金等、鋼
板と相違する金属を備えたクラッド材を基材として、缶
内面側の接触抵抗を低くして電池特性の向上を図ると共
に、缶外面側の耐食性および美観を高め、更には、加工
工数の減少を可能としてコストダウンを図るものであ
る。
該形成材料の製造方法および該形成材料で形成された電
池缶に関し、特に、コードレス機器や電気自動車等の電
源として好適に用いられるアルカリマンガン電池、リチ
ウム一次電池、リチウム二次電池、ニッケルカドミウム
電池、ニッケル水素電池等、各種電池の電池缶形成材料
であって、鋼板の表面にニッケル、ニッケル合金等、鋼
板と相違する金属を備えたクラッド材を基材として、缶
内面側の接触抵抗を低くして電池特性の向上を図ると共
に、缶外面側の耐食性および美観を高め、更には、加工
工数の減少を可能としてコストダウンを図るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電池缶は材料を多段絞り加工(ト
ランスファー絞り加工)あるいはDI(dorowing and i
roning)絞り加工等で絞り加工して形成している。 一般
に、この種の絞り加工により電池缶を形成するための材
料としてはニッケルメッキ鋼板が用いられ、 このニッケ
ルメッキ鋼板は、規定の厚さの普通冷延鋼板にニッケル
メッキを施して製造している。あるいは、普通冷延鋼板
にニッケルメッキを施した後、再度、焼鈍、調質圧延を
行う方法や、未焼鈍冷延鋼板にニッケルメッキを施し、
その後、焼鈍、調質圧延を行う方法により、鋼素地とニ
ッケルメッキ層とを拡散させて、鋼素地とニッケルメッ
キ層との間に鉄・ニッケル拡散層を形成すると共に、規
定の厚さとして製造している。
ランスファー絞り加工)あるいはDI(dorowing and i
roning)絞り加工等で絞り加工して形成している。 一般
に、この種の絞り加工により電池缶を形成するための材
料としてはニッケルメッキ鋼板が用いられ、 このニッケ
ルメッキ鋼板は、規定の厚さの普通冷延鋼板にニッケル
メッキを施して製造している。あるいは、普通冷延鋼板
にニッケルメッキを施した後、再度、焼鈍、調質圧延を
行う方法や、未焼鈍冷延鋼板にニッケルメッキを施し、
その後、焼鈍、調質圧延を行う方法により、鋼素地とニ
ッケルメッキ層とを拡散させて、鋼素地とニッケルメッ
キ層との間に鉄・ニッケル拡散層を形成すると共に、規
定の厚さとして製造している。
【0003】しかし、鋼板表面に直接ニッケルメッキを
施したニッケルメッキ鋼板では、メッキ層と鋼素地の密
着性がさほど良好でないため、絞り加工を施した場合
に、その形状によっては鋼板の変形にメッキ層が追従す
ることができず、剥離が生じることがあり、また、該ニ
ッケルメッキ層は硬くて脆いため、剥離を免れた部分に
もクラックが発生しやすく、さらに、メッキの付着量を
増やしてもピンホールの発生を回避することができない
等、加工性、耐食性等の点で問題があった。
施したニッケルメッキ鋼板では、メッキ層と鋼素地の密
着性がさほど良好でないため、絞り加工を施した場合
に、その形状によっては鋼板の変形にメッキ層が追従す
ることができず、剥離が生じることがあり、また、該ニ
ッケルメッキ層は硬くて脆いため、剥離を免れた部分に
もクラックが発生しやすく、さらに、メッキの付着量を
増やしてもピンホールの発生を回避することができない
等、加工性、耐食性等の点で問題があった。
【0004】また、普通冷延鋼板や未焼鈍冷延鋼板にニ
ッケルメッキを施した後、焼鈍、調質圧延して製造した
ニッケルメッキ鋼板では、鋼素地とニッケルメッキ層と
の界面に、冶金学的に結合した鉄・ニッケル拡散層を設
けているため、鋼素地に対するメッキ層の密着性を高め
ることができ、耐食性、加工性等を向上させることがで
きるが、該ニッケルメッキ鋼板の場合、鋼素地に対し
て、必要量の全ての付着量でニッケルメッキを施した後
に、該メッキ層の表層部にニッケルメッキ層を残した状
態で該メッキ層の内部の鋼素地との界面部分にのみ、焼
鈍処理により鉄・ニッケル拡散層を形成するため、鉄・
ニッケル拡散層およびニッケルメッキ層の厚さを略均一
な一定厚さとすることは極めて困難であった。
ッケルメッキを施した後、焼鈍、調質圧延して製造した
ニッケルメッキ鋼板では、鋼素地とニッケルメッキ層と
の界面に、冶金学的に結合した鉄・ニッケル拡散層を設
けているため、鋼素地に対するメッキ層の密着性を高め
ることができ、耐食性、加工性等を向上させることがで
きるが、該ニッケルメッキ鋼板の場合、鋼素地に対し
て、必要量の全ての付着量でニッケルメッキを施した後
に、該メッキ層の表層部にニッケルメッキ層を残した状
態で該メッキ層の内部の鋼素地との界面部分にのみ、焼
鈍処理により鉄・ニッケル拡散層を形成するため、鉄・
ニッケル拡散層およびニッケルメッキ層の厚さを略均一
な一定厚さとすることは極めて困難であった。
【0005】即ち、上記焼鈍処理の方法としてはバッチ
焼鈍方法と、連続焼鈍方法とがあるが、バッチ焼鈍の場
合、温度が高いコイル外部および上側では鉄・ニッケル
の拡散が早く始まる一方、内部および下段では拡散が遅
れて始まり、よって、温度の高い部分は鉄・ニッケル拡
散層の厚さは厚く、従って、ニッケルメッキ層の厚さは
薄く、また、温度が低い部分は鉄・ニッケル拡散層が薄
く、従って、ニッケルメッキ層の厚さが厚くなり、メッ
キ層および生成される鉄・ニッケル拡散層の厚さに必然
的に不均一が生じることとなる。一方、連続焼鈍の場合
においても、高温で短時間で加熱するため、ニッケルメ
ッキ層と鋼素地との拡散速度が速く、短時間で拡散する
ため、鉄・ニッケル拡散層の厚みを制御することができ
ない。
焼鈍方法と、連続焼鈍方法とがあるが、バッチ焼鈍の場
合、温度が高いコイル外部および上側では鉄・ニッケル
の拡散が早く始まる一方、内部および下段では拡散が遅
れて始まり、よって、温度の高い部分は鉄・ニッケル拡
散層の厚さは厚く、従って、ニッケルメッキ層の厚さは
薄く、また、温度が低い部分は鉄・ニッケル拡散層が薄
く、従って、ニッケルメッキ層の厚さが厚くなり、メッ
キ層および生成される鉄・ニッケル拡散層の厚さに必然
的に不均一が生じることとなる。一方、連続焼鈍の場合
においても、高温で短時間で加熱するため、ニッケルメ
ッキ層と鋼素地との拡散速度が速く、短時間で拡散する
ため、鉄・ニッケル拡散層の厚みを制御することができ
ない。
【0006】しかしながら、電池缶を形成するニッケル
メッキ鋼板において、鉄・ニッケル拡散層を均一な一定
の厚さにすることは不可欠なことであり、上記厚さが不
均一であると、絞り加工等の後加工で製造された製品に
問題が生じる。即ち、鉄・ニッケル拡散層が所要の厚さ
より薄い部分では耐食性が劣り、また、鉄・ニッケル拡
散層が所要厚より厚い部分では加工時にクラックが発生
し耐食性が著しく損なわれる。
メッキ鋼板において、鉄・ニッケル拡散層を均一な一定
の厚さにすることは不可欠なことであり、上記厚さが不
均一であると、絞り加工等の後加工で製造された製品に
問題が生じる。即ち、鉄・ニッケル拡散層が所要の厚さ
より薄い部分では耐食性が劣り、また、鉄・ニッケル拡
散層が所要厚より厚い部分では加工時にクラックが発生
し耐食性が著しく損なわれる。
【0007】また、この種のニッケルメッキ鋼板からな
る電池缶においては、表裏両面に同厚あるいは差厚の鉄
・ニッケル拡散層および/あるいはニッケルメッキ層を
必要とすることがあるが、上記した方法では、鉄・ニッ
ケル拡散層の厚さを制御することが困難であるため、差
厚の鉄・ニッケル拡散層および/あるいはニッケルメッ
キ層を形成することも当然ながら困難であった。
る電池缶においては、表裏両面に同厚あるいは差厚の鉄
・ニッケル拡散層および/あるいはニッケルメッキ層を
必要とすることがあるが、上記した方法では、鉄・ニッ
ケル拡散層の厚さを制御することが困難であるため、差
厚の鉄・ニッケル拡散層および/あるいはニッケルメッ
キ層を形成することも当然ながら困難であった。
【0008】さらにまた、上記した従来方法で製造され
たニッケルメッキ鋼板は、通常、無光沢メッキを付着し
て全メッキを施した後に鉄・ニッケル拡散層を形成して
いるため、製造されたニッケルメッキ鋼板の表層部は光
沢性が十分でない欠点がある。特に、上記の方法により
製造されたニッケルメッキ鋼板を用いて、プラス側部分
を備えた一体成型のトップ付電池缶を絞り加工した場
合、絞り部分の加工度合が大きいため光沢が全くなくな
り、外観として見える電池のプラス側が光沢がないこと
により、製品価値が落ちる欠点があった。
たニッケルメッキ鋼板は、通常、無光沢メッキを付着し
て全メッキを施した後に鉄・ニッケル拡散層を形成して
いるため、製造されたニッケルメッキ鋼板の表層部は光
沢性が十分でない欠点がある。特に、上記の方法により
製造されたニッケルメッキ鋼板を用いて、プラス側部分
を備えた一体成型のトップ付電池缶を絞り加工した場
合、絞り部分の加工度合が大きいため光沢が全くなくな
り、外観として見える電池のプラス側が光沢がないこと
により、製品価値が落ちる欠点があった。
【0009】一般に、電池缶を形成する場合、加工性
(絞り性)、耐食性、光沢性が材料を選択する際の重要
要件となるが、その内、耐食性および光沢性については
缶周壁外面となる面の要件とされる。さらに、缶周壁内
面の表面粗度が細かいと、充填材と接触する周壁の内周
面は平滑面となって接触抵抗が高くなり、電池特性が悪
化するため、電池特性に影響する缶周壁内面となる面に
おいては表面粗度が重要要件とされる。即ち、電池缶で
は、周壁の内面側では表面粗度を粗くして接触抵抗を低
くする方が電池特性の点から好ましく、周壁の外面側で
は耐食性および美観の点より平滑な光沢面を有すること
が好ましい。
(絞り性)、耐食性、光沢性が材料を選択する際の重要
要件となるが、その内、耐食性および光沢性については
缶周壁外面となる面の要件とされる。さらに、缶周壁内
面の表面粗度が細かいと、充填材と接触する周壁の内周
面は平滑面となって接触抵抗が高くなり、電池特性が悪
化するため、電池特性に影響する缶周壁内面となる面に
おいては表面粗度が重要要件とされる。即ち、電池缶で
は、周壁の内面側では表面粗度を粗くして接触抵抗を低
くする方が電池特性の点から好ましく、周壁の外面側で
は耐食性および美観の点より平滑な光沢面を有すること
が好ましい。
【0010】上記した加工性(絞り性)、電池特性、耐
食性および光沢性は相関関係にあり、一般に、絞り性が
良好であれば電池特性が悪くなり、一方、電池特性が良
好であると絞り性が悪くなる。例えば、鋼板の両面にニ
ッケルメッキを施し、メッキ面と鋼板の間に鉄・ニッケ
ル拡散層を5〜6μm備えた基材を用いた場合、電池用
缶の内面側となる面側では上記拡散層が厚く硬くなるた
め、絞り加工時に楔模様の割れが発生する。この状態で
は缶内部に充填する充填材との接触抵抗が低くなるため
電池特性の点では良好である。しかしながら、絞り性に
ついては、開口端面にイヤリングが発生する等、絞り性
が極端に悪くなる。また、耐食性についても、缶周壁外
面となる面側の拡散層が厚いと絞り加工後の表面にクラ
ックが入りやすく耐食性が落ちる問題がある。
食性および光沢性は相関関係にあり、一般に、絞り性が
良好であれば電池特性が悪くなり、一方、電池特性が良
好であると絞り性が悪くなる。例えば、鋼板の両面にニ
ッケルメッキを施し、メッキ面と鋼板の間に鉄・ニッケ
ル拡散層を5〜6μm備えた基材を用いた場合、電池用
缶の内面側となる面側では上記拡散層が厚く硬くなるた
め、絞り加工時に楔模様の割れが発生する。この状態で
は缶内部に充填する充填材との接触抵抗が低くなるため
電池特性の点では良好である。しかしながら、絞り性に
ついては、開口端面にイヤリングが発生する等、絞り性
が極端に悪くなる。また、耐食性についても、缶周壁外
面となる面側の拡散層が厚いと絞り加工後の表面にクラ
ックが入りやすく耐食性が落ちる問題がある。
【0011】即ち、電池特性の点からは缶周壁内面とな
る面側では5〜6μmの厚い拡散層を備えていることが
好ましく、耐食性の点からは缶周壁外面となる面側では
拡散層が2〜3μmと薄い方が好ましく、また、絞り性
の点からは両面側とも拡散層が薄い方が好ましい。
る面側では5〜6μmの厚い拡散層を備えていることが
好ましく、耐食性の点からは缶周壁外面となる面側では
拡散層が2〜3μmと薄い方が好ましく、また、絞り性
の点からは両面側とも拡散層が薄い方が好ましい。
【0012】上記問題を解決するため、例えば、特開平
3−166388号公報に開示されているような、鋼素
地の表裏両面の少なくともいずれか一方の面に薄い厚さ
でニッケルメッキを施した後、焼鈍処理し、該ニッケル
メッキの全てを鉄・ニッケル拡散層として鋼素地の表面
に一定厚さの鉄・ニッケル拡散層を形成し、ついで、調
質圧延を行った後に、鉄・ニッケル拡散層の表面に、ニ
ッケルメッキ(即ち、無光沢ニッケルメッキのみ、光沢
ニッケルメッキのみ、あるいは無光沢ニッケルメッキの
表面に光沢ニッケルメッキを施す3種の方法のいずれか
の方法によるニッケルメッキ)を施す方法が提供されて
いる。
3−166388号公報に開示されているような、鋼素
地の表裏両面の少なくともいずれか一方の面に薄い厚さ
でニッケルメッキを施した後、焼鈍処理し、該ニッケル
メッキの全てを鉄・ニッケル拡散層として鋼素地の表面
に一定厚さの鉄・ニッケル拡散層を形成し、ついで、調
質圧延を行った後に、鉄・ニッケル拡散層の表面に、ニ
ッケルメッキ(即ち、無光沢ニッケルメッキのみ、光沢
ニッケルメッキのみ、あるいは無光沢ニッケルメッキの
表面に光沢ニッケルメッキを施す3種の方法のいずれか
の方法によるニッケルメッキ)を施す方法が提供されて
いる。
【0013】上記のように、鋼素地に薄厚なニッケルメ
ッキを施し、焼鈍処理して該ニッケルメッキを全て鉄・
ニッケル拡散層とした後に、ニッケルメッキを施すと、
均一な厚さの鉄・ニッケル拡散層を形成することができ
ると共に、該鉄・ニッケル拡散層の厚さを任意に制御す
ることが可能となる。また、このような均一な厚さの鉄
・ニッケル拡散層の表面にニッケルメッキを施すため、
該ニッケルメッキ層の厚さも均一とすることができ、よ
って、均一な厚さの鉄・ニッケル拡散層およびニッケル
メッキ層を有するニッケルメッキ鋼板を製造することが
できる。また、鉄・ニッケル拡散層の厚さ自体も任意に
制御できることより、鋼素地の表裏両面に同厚あるいは
差厚の鉄・ニッケル拡散層およびニッケルメッキ層を形
成することも可能となる。
ッキを施し、焼鈍処理して該ニッケルメッキを全て鉄・
ニッケル拡散層とした後に、ニッケルメッキを施すと、
均一な厚さの鉄・ニッケル拡散層を形成することができ
ると共に、該鉄・ニッケル拡散層の厚さを任意に制御す
ることが可能となる。また、このような均一な厚さの鉄
・ニッケル拡散層の表面にニッケルメッキを施すため、
該ニッケルメッキ層の厚さも均一とすることができ、よ
って、均一な厚さの鉄・ニッケル拡散層およびニッケル
メッキ層を有するニッケルメッキ鋼板を製造することが
できる。また、鉄・ニッケル拡散層の厚さ自体も任意に
制御できることより、鋼素地の表裏両面に同厚あるいは
差厚の鉄・ニッケル拡散層およびニッケルメッキ層を形
成することも可能となる。
【0014】上記方法により製造されるニッケルメッキ
鋼板は、均一な厚さの鉄・ニッケル拡散層およびニッケ
ルメッキ層を有するため、拡散層の厚さが必要以上に薄
すぎたり或いは厚すぎたりする部分がなく、加工性およ
び耐食性の点でバラツキが生じない。また、鋼素地の表
裏両面に差厚の鉄・ニッケル拡散層を形成することがで
きるため、内面側の拡散層を厚くして、表面粗度を粗く
し、電池特性を向上させることができる。さらに、鉄・
ニッケル拡散層の表面にニッケルメッキを施すため、鋼
素地の表裏両面に同厚あるいは差厚のニッケルメッキ層
を確実に形成することができると共に、表面に光沢ニッ
ケルメッキを施した場合は、絞り加工などを行った場合
も、ニッケルメッキ鋼板表面の光沢が確保でき、加工
性、耐食性、光沢性、電池特性等、必要とされる全ての
品質の向上を図ることができる。
鋼板は、均一な厚さの鉄・ニッケル拡散層およびニッケ
ルメッキ層を有するため、拡散層の厚さが必要以上に薄
すぎたり或いは厚すぎたりする部分がなく、加工性およ
び耐食性の点でバラツキが生じない。また、鋼素地の表
裏両面に差厚の鉄・ニッケル拡散層を形成することがで
きるため、内面側の拡散層を厚くして、表面粗度を粗く
し、電池特性を向上させることができる。さらに、鉄・
ニッケル拡散層の表面にニッケルメッキを施すため、鋼
素地の表裏両面に同厚あるいは差厚のニッケルメッキ層
を確実に形成することができると共に、表面に光沢ニッ
ケルメッキを施した場合は、絞り加工などを行った場合
も、ニッケルメッキ鋼板表面の光沢が確保でき、加工
性、耐食性、光沢性、電池特性等、必要とされる全ての
品質の向上を図ることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記製
造方法では、鉄・ニッケル拡散層を形成するための一次
メッキおよび拡散層形成後の二次メッキと、少なくとも
2度のメッキを施す必要がある。特に、差厚の鉄・ニッ
ケル拡散層あるいはニッケルメッキ層を形成する場合
は、片面づつメッキを施さなければならないため、3度
から5度、また、電池缶周壁外面となる面を光沢面とす
る場合は、最低3度のメッキを施す必要があり、耐食
性、加工性、光沢性、電池特性すべてに優れたニッケル
メッキ鋼板を製造するためには、複雑且つ多数の工程を
経なければならないため、非常にコスト高となる欠点が
ある。
造方法では、鉄・ニッケル拡散層を形成するための一次
メッキおよび拡散層形成後の二次メッキと、少なくとも
2度のメッキを施す必要がある。特に、差厚の鉄・ニッ
ケル拡散層あるいはニッケルメッキ層を形成する場合
は、片面づつメッキを施さなければならないため、3度
から5度、また、電池缶周壁外面となる面を光沢面とす
る場合は、最低3度のメッキを施す必要があり、耐食
性、加工性、光沢性、電池特性すべてに優れたニッケル
メッキ鋼板を製造するためには、複雑且つ多数の工程を
経なければならないため、非常にコスト高となる欠点が
ある。
【0016】また、上記従来の製造方法による種々のニ
ッケルメッキ鋼板は、いずれも、製品寸法あるいは製品
寸法に近い板厚の鋼板にメッキ、焼鈍、調質圧延等を行
うため、板厚が薄いことにより、非常に時間と手数がか
かり、コスト高となる。また、メッキ工程におけるメッ
キ液の管理や排水処理を施す必要があるため、この点か
らもコスト高となる欠点がある。
ッケルメッキ鋼板は、いずれも、製品寸法あるいは製品
寸法に近い板厚の鋼板にメッキ、焼鈍、調質圧延等を行
うため、板厚が薄いことにより、非常に時間と手数がか
かり、コスト高となる。また、メッキ工程におけるメッ
キ液の管理や排水処理を施す必要があるため、この点か
らもコスト高となる欠点がある。
【0017】上記メッキ材に対して、母材からなる鋼板
の表面にチタン材、ニッケル合金材、等の金属板を合わ
せ材として組み合わせたクラッド材が提供されている。
この種のクラッド材は、一般に、厚さ100mm前後の
母材に対して、厚さ5mm〜30mmの合わせ材を用
い、圧延を行って、母材の厚さが20mm前後、合わせ
材の厚さが1mm〜3mm前後とされており、板厚は最
小のものでも、母材が10mm、合わせ材が1mm程度
である。
の表面にチタン材、ニッケル合金材、等の金属板を合わ
せ材として組み合わせたクラッド材が提供されている。
この種のクラッド材は、一般に、厚さ100mm前後の
母材に対して、厚さ5mm〜30mmの合わせ材を用
い、圧延を行って、母材の厚さが20mm前後、合わせ
材の厚さが1mm〜3mm前後とされており、板厚は最
小のものでも、母材が10mm、合わせ材が1mm程度
である。
【0018】上記クラッド材は、メッキ材と比較して、
メッキ液の管理や排水処理を施す必要がない等の利点は
あるが、一般に、鋼板の板厚が厚くなればなるほど展伸
性は低下するため、製品寸法が大きく、絞り加工度の低
い、鍋や釜のような浅絞り品を形成する場合と異なり、
製品寸法が小さく、絞り加工度や曲げ加工度が非常に高
い、電池缶を形成する場合、引張強さや伸びの関係か
ら、電池缶形成材料の母材たる鋼板の板厚をあまり厚く
できない問題がある。そのため、鋼板の板厚が1mm以
上であると、展伸性が不足して、コーナー部にクラック
が発生したり、所望の寸法を得られない等、絞り加工で
電池缶を形成することが非常に困難となる。
メッキ液の管理や排水処理を施す必要がない等の利点は
あるが、一般に、鋼板の板厚が厚くなればなるほど展伸
性は低下するため、製品寸法が大きく、絞り加工度の低
い、鍋や釜のような浅絞り品を形成する場合と異なり、
製品寸法が小さく、絞り加工度や曲げ加工度が非常に高
い、電池缶を形成する場合、引張強さや伸びの関係か
ら、電池缶形成材料の母材たる鋼板の板厚をあまり厚く
できない問題がある。そのため、鋼板の板厚が1mm以
上であると、展伸性が不足して、コーナー部にクラック
が発生したり、所望の寸法を得られない等、絞り加工で
電池缶を形成することが非常に困難となる。
【0019】また、近年、電池はパソコンや携帯電話等
の各種コードレス機器に広く汎用されており、これらの
携帯機器において電池の占めるスペースは非常に大き
く、機器の小型化、軽量化を図るために、電池自体も小
型化、軽量化しながら電池性能を高めるため、電池缶の
高容量化が要求されているが、電池缶の高容量化を図る
ためには、外形は国際規格で規定されているため、電池
缶の肉厚を薄くする必要がある。しかし、電池缶の内部
圧力に対する耐力、強度の点から電池缶の底壁の肉厚
は、電池缶の側壁と比較して薄くできない問題があり、
特に、二次電池の場合は、底壁が薄いと、スポット溶接
時に、底壁の内面および外面に歪みが発生するため、こ
の歪みが発生しないだけの板厚が要求されている。上記
のことより、電池缶を形成するための鋼板の板厚は、形
成される電池缶の底壁および側壁の厚さが略同一となる
多段絞り加工(トランスファー絞り加工)の場合には、
0.4mm以下、側壁の板厚が底壁の板厚よりも薄くな
るDI絞り加工の場合には、0.7mm以下とすること
が好ましい。
の各種コードレス機器に広く汎用されており、これらの
携帯機器において電池の占めるスペースは非常に大き
く、機器の小型化、軽量化を図るために、電池自体も小
型化、軽量化しながら電池性能を高めるため、電池缶の
高容量化が要求されているが、電池缶の高容量化を図る
ためには、外形は国際規格で規定されているため、電池
缶の肉厚を薄くする必要がある。しかし、電池缶の内部
圧力に対する耐力、強度の点から電池缶の底壁の肉厚
は、電池缶の側壁と比較して薄くできない問題があり、
特に、二次電池の場合は、底壁が薄いと、スポット溶接
時に、底壁の内面および外面に歪みが発生するため、こ
の歪みが発生しないだけの板厚が要求されている。上記
のことより、電池缶を形成するための鋼板の板厚は、形
成される電池缶の底壁および側壁の厚さが略同一となる
多段絞り加工(トランスファー絞り加工)の場合には、
0.4mm以下、側壁の板厚が底壁の板厚よりも薄くな
るDI絞り加工の場合には、0.7mm以下とすること
が好ましい。
【0020】さらに、ニッケルメッキ鋼板からなる電池
缶形成材料は、ニッケルメッキ層の厚さを5μm以下、
通常、2μm〜3μmと薄くしているが、これは、鋼板
にニッケルメッキを施すことにより、鋼板表面の発錆を
抑えることを基本目的としているため、厚くする必要が
ないためであり、上記クラッド材における合わせ材の板
厚も同様で、コストの点からも可能な限り薄くすること
が好ましい。また、鋼板以外の金属も、板厚が厚くなれ
ばなるほど展伸性は低下するため、この点からも、合わ
せ材の板厚はできるだけ薄くする必要がある。
缶形成材料は、ニッケルメッキ層の厚さを5μm以下、
通常、2μm〜3μmと薄くしているが、これは、鋼板
にニッケルメッキを施すことにより、鋼板表面の発錆を
抑えることを基本目的としているため、厚くする必要が
ないためであり、上記クラッド材における合わせ材の板
厚も同様で、コストの点からも可能な限り薄くすること
が好ましい。また、鋼板以外の金属も、板厚が厚くなれ
ばなるほど展伸性は低下するため、この点からも、合わ
せ材の板厚はできるだけ薄くする必要がある。
【0021】特に、上記クラッド材のように、チタン
材、ニッケル材、ニッケル合金材、等の金属板を合わせ
材とする場合は、鋼板の硬度より合わせ材の硬度の方が
硬いため、合わせ材の厚さが10μm以上であると、多
段絞り加工が困難であると共に、DI絞り加工で用いる
ことは不可能に近くなり、よって、上記のように、板厚
が最小のものでも母材が10mm、合わせ材が1mmの
クラッド鋼板は、電池缶形成材料として用いるには板厚
が大きすぎて、適用することはできなかった。
材、ニッケル材、ニッケル合金材、等の金属板を合わせ
材とする場合は、鋼板の硬度より合わせ材の硬度の方が
硬いため、合わせ材の厚さが10μm以上であると、多
段絞り加工が困難であると共に、DI絞り加工で用いる
ことは不可能に近くなり、よって、上記のように、板厚
が最小のものでも母材が10mm、合わせ材が1mmの
クラッド鋼板は、電池缶形成材料として用いるには板厚
が大きすぎて、適用することはできなかった。
【0022】なお、特開平4−2716号公報におい
て、薄いステンレス鋼板を母材とし、ニッケル箔を合わ
せ材としたニッケル・ステンレス鋼クラッド材を電池電
極材として用いる技術が提案されている。しかしなが
ら、通常、電池缶に用いられる鋼板の硬度Hvは135
以下であるのに対して、ステンレスの硬度Hvは150
以上であるため、硬すぎて絞り加工性に問題がある。よ
って、上記ニッケル・ステンレス鋼クラッド材を、電極
材ではなく、電池缶形成材料として用いて絞り加工で電
池缶を形成しようとした場合、追従性が悪く、割れが発
生しやすいため、電池缶形成材料として用いることはで
きない。また、万一、割れ等の品質問題なしに電池缶を
形成できたとしても、ステンレス鋼板の市場価格は普通
鋼板あるいは冷延鋼板の価格に対し、略3〜4倍と非常
に高額であり、さらには、硬度が硬いと、絞り加工速度
が落ち生産個数が減るため、上記ニッケル・ステンレス
鋼クラッド材を用いて電池缶を形成した場合、形成され
た電池缶1個当たりの価格は非常に高額となる問題があ
る。
て、薄いステンレス鋼板を母材とし、ニッケル箔を合わ
せ材としたニッケル・ステンレス鋼クラッド材を電池電
極材として用いる技術が提案されている。しかしなが
ら、通常、電池缶に用いられる鋼板の硬度Hvは135
以下であるのに対して、ステンレスの硬度Hvは150
以上であるため、硬すぎて絞り加工性に問題がある。よ
って、上記ニッケル・ステンレス鋼クラッド材を、電極
材ではなく、電池缶形成材料として用いて絞り加工で電
池缶を形成しようとした場合、追従性が悪く、割れが発
生しやすいため、電池缶形成材料として用いることはで
きない。また、万一、割れ等の品質問題なしに電池缶を
形成できたとしても、ステンレス鋼板の市場価格は普通
鋼板あるいは冷延鋼板の価格に対し、略3〜4倍と非常
に高額であり、さらには、硬度が硬いと、絞り加工速度
が落ち生産個数が減るため、上記ニッケル・ステンレス
鋼クラッド材を用いて電池缶を形成した場合、形成され
た電池缶1個当たりの価格は非常に高額となる問題があ
る。
【0023】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
ので、缶内面側の接触抵抗を低くして電池特性の向上を
図ると共に、缶外面側の耐食性および美観を高め、更に
は、加工工数の減少を可能としてコストダウンを図るこ
とができる、厚さが0.01mm〜0.7mmの鋼板の
表面に厚さが10μm以下のニッケル、ニッケル合金等
からなる異種金属を備えたクラッド材からなる電池缶形
成材料、該形成材料の製造方法および該形成材料からな
る電池缶を提供することを課題としている。
ので、缶内面側の接触抵抗を低くして電池特性の向上を
図ると共に、缶外面側の耐食性および美観を高め、更に
は、加工工数の減少を可能としてコストダウンを図るこ
とができる、厚さが0.01mm〜0.7mmの鋼板の
表面に厚さが10μm以下のニッケル、ニッケル合金等
からなる異種金属を備えたクラッド材からなる電池缶形
成材料、該形成材料の製造方法および該形成材料からな
る電池缶を提供することを課題としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1で、母材の両面に合わせ材を備
えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが0.0
1mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記各合わせ
材は厚さが10μm以下で、母材と相違する金属で且つ
互いに相違する他の金属からなることを特徴とする電池
缶形成材料を提供している。
め、本発明は、請求項1で、母材の両面に合わせ材を備
えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが0.0
1mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記各合わせ
材は厚さが10μm以下で、母材と相違する金属で且つ
互いに相違する他の金属からなることを特徴とする電池
缶形成材料を提供している。
【0025】また、請求項2で、母材の両面に合わせ材
を備えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが
0.01mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記各
合わせ材は厚さが10μm以下で、合わせ材同士は同一
金属であるが、母材とは相違する金属からなることを特
徴とする電池缶形成材料を提供している。
を備えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが
0.01mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記各
合わせ材は厚さが10μm以下で、合わせ材同士は同一
金属であるが、母材とは相違する金属からなることを特
徴とする電池缶形成材料を提供している。
【0026】また、請求項3で、母材の一面に合わせ材
を備えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが
0.01mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記合
わせ材は厚さが10μm以下で母材と相違する金属から
なり、且つ、母材の他面にメッキ層を備えていることを
特徴とする電池缶形成材料を提供している。
を備えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが
0.01mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記合
わせ材は厚さが10μm以下で母材と相違する金属から
なり、且つ、母材の他面にメッキ層を備えていることを
特徴とする電池缶形成材料を提供している。
【0027】さらに、請求項4で、母材の一面に合わせ
材を備えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが
0.01mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記合
わせ材は厚さが10μm以下で母材と相違する金属から
なり、且つ、母材の他面にカーボン塗布層を備えている
ことを特徴とする電池缶形成材料を提供している。
材を備えたクラッド鋼を基材としており、母材は厚さが
0.01mm〜0.7mmの鋼板からなる一方、上記合
わせ材は厚さが10μm以下で母材と相違する金属から
なり、且つ、母材の他面にカーボン塗布層を備えている
ことを特徴とする電池缶形成材料を提供している。
【0028】上記のように、請求項1では異なる合わせ
材を母材の両面に積層したクラッド材、請求項2では同
一の合わせ材を母材の両面に積層したクラッド材、請求
項3では一面に合わせ材を積層した母材の他面にメッキ
層を備えたもの、請求項4では一面に合わせ材を積層し
た母材の他面にカーボン塗布層を備えたものであること
を特徴としている。
材を母材の両面に積層したクラッド材、請求項2では同
一の合わせ材を母材の両面に積層したクラッド材、請求
項3では一面に合わせ材を積層した母材の他面にメッキ
層を備えたもの、請求項4では一面に合わせ材を積層し
た母材の他面にカーボン塗布層を備えたものであること
を特徴としている。
【0029】さらに、上記した4種類の電池缶形成材料
に対して、合わせ材の表面の少なくとも片面にメッキ層
を備える場合もあり(請求項5)、合わせ材の表面の少
なくとも片面にカーボン塗布層を備える場合もあり(請
求項6)、さらに、メッキ層の表面の少なくとも片面
に、カーボン塗布層を備える場合もある(請求項7)。
に対して、合わせ材の表面の少なくとも片面にメッキ層
を備える場合もあり(請求項5)、合わせ材の表面の少
なくとも片面にカーボン塗布層を備える場合もあり(請
求項6)、さらに、メッキ層の表面の少なくとも片面
に、カーボン塗布層を備える場合もある(請求項7)。
【0030】上記合わせ材として、ニッケル、ニッケル
合金、銅、銅合金、銀、金、チタン等が好適に用いられ
る(請求項8)。特に、電池缶形成時に電池缶の外面に
位置させる合わせ材はニッケルとし、電池缶内面に位置
させる合わせ材はニッケル合金とすることが好ましい
(請求項9)。
合金、銅、銅合金、銀、金、チタン等が好適に用いられ
る(請求項8)。特に、電池缶形成時に電池缶の外面に
位置させる合わせ材はニッケルとし、電池缶内面に位置
させる合わせ材はニッケル合金とすることが好ましい
(請求項9)。
【0031】また、上記メッキ層は、Au,Ag,M
o,Co,Ir,Rh,W,Zn等の接触電気抵抗の小
さい金属とすることが好ましい(請求項10)。さら
に、上記メッキ層は、C,Co,Pd等、およびNi−
C,Ni−Mn,Ni−Co,Ni−B,Ni−Fe,
Ni−Sn,Ni−Zn,Ni−Si,Ni−In,N
i−Ge,Ni−Se,Ni−Ln,Ni−W,Ni−
Ti,Ni−P,Ni−Mo,Ni−Ga,Co−M
o,Fe−W,Ag−Shからなる各種合金等の酸化し
にくい金属からなることが好ましい(請求項11)。
o,Co,Ir,Rh,W,Zn等の接触電気抵抗の小
さい金属とすることが好ましい(請求項10)。さら
に、上記メッキ層は、C,Co,Pd等、およびNi−
C,Ni−Mn,Ni−Co,Ni−B,Ni−Fe,
Ni−Sn,Ni−Zn,Ni−Si,Ni−In,N
i−Ge,Ni−Se,Ni−Ln,Ni−W,Ni−
Ti,Ni−P,Ni−Mo,Ni−Ga,Co−M
o,Fe−W,Ag−Shからなる各種合金等の酸化し
にくい金属からなることが好ましい(請求項11)。
【0032】さらに、本発明は、請求項12で、上記請
求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の電池缶形
成材料で形成された電池缶を提供している。
求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の電池缶形
成材料で形成された電池缶を提供している。
【0033】また、本発明は、請求項13から請求項1
8で、上記電池缶形成材料の製造方法を提供している。
8で、上記電池缶形成材料の製造方法を提供している。
【0034】即ち、請求項13では、連続鋳造された厚
さ200mm〜300mmのスラブの少なくとも片面
に、厚さ1mm〜5mmのスラブと異なる金属からなる
合わせ材を積層した後、10%以下の幅絞めを施しなが
ら熱間圧延を行い、幅方向両端を加熱しながら巻き取
り、その後、冷間圧延を行って、上記スラブからなる母
材の厚さを0.01mm〜0.7mm、合わせ材の厚さ
を10μm以下としたクラッド鋼としている電池缶形成
材料の製造方法を提供している。
さ200mm〜300mmのスラブの少なくとも片面
に、厚さ1mm〜5mmのスラブと異なる金属からなる
合わせ材を積層した後、10%以下の幅絞めを施しなが
ら熱間圧延を行い、幅方向両端を加熱しながら巻き取
り、その後、冷間圧延を行って、上記スラブからなる母
材の厚さを0.01mm〜0.7mm、合わせ材の厚さ
を10μm以下としたクラッド鋼としている電池缶形成
材料の製造方法を提供している。
【0035】上記製造方法で製造するクラッド材は、母
材の一面にのみ合わせ材を積層する場合、母材の両面に
合わせ材を積層する場合、かつ、両面に合わせ材を積層
する場合において合わせ材が同一金属からなる場合と、
相違する金属からなる場合とを含むものである。
材の一面にのみ合わせ材を積層する場合、母材の両面に
合わせ材を積層する場合、かつ、両面に合わせ材を積層
する場合において合わせ材が同一金属からなる場合と、
相違する金属からなる場合とを含むものである。
【0036】さらに、本発明は、請求項14で、連続鋳
造されたスラブの少なくとも片面に該スラブと異なる金
属からなる合わせ材を積層した積層体を2組設け、これ
ら積層体の合わせ材の間に分離材を塗布して積層した
後、熱間圧延を所定の比率で圧延し、その後、冷間圧延
で所定の比率で圧延し、その後、上記塗布した分離材の
部分で分離して、上記スラブからなる母材の厚さを0.
01mm〜0.7mm、合わせ材の厚さを10μm以下
としたクラッド鋼としている電池缶形成材料の製造方法
を提供している。
造されたスラブの少なくとも片面に該スラブと異なる金
属からなる合わせ材を積層した積層体を2組設け、これ
ら積層体の合わせ材の間に分離材を塗布して積層した
後、熱間圧延を所定の比率で圧延し、その後、冷間圧延
で所定の比率で圧延し、その後、上記塗布した分離材の
部分で分離して、上記スラブからなる母材の厚さを0.
01mm〜0.7mm、合わせ材の厚さを10μm以下
としたクラッド鋼としている電池缶形成材料の製造方法
を提供している。
【0037】さらに、本発明は、請求項15で、連続鋳
造されたスラブの少なくとも片面に該スラブと異なる金
属からなる合わせ材を積層した積層体を2組設け、これ
ら積層体の母材の間にカーボン粉末を塗布して積層した
後、熱間圧延を所定の比率で圧延し、その後、冷間圧延
で所定の比率で圧延し、その後、上記塗布したカーボン
粉末の部分で分離して、上記スラブからなる母材の厚さ
を0.01mm〜0.7mm、母材の一面側の合わせ材
の厚さを10μm以下で、母材の他面にカーボン粉末が
塗布されたクラッド鋼としている電池缶形成材料の製造
方法を提供している。
造されたスラブの少なくとも片面に該スラブと異なる金
属からなる合わせ材を積層した積層体を2組設け、これ
ら積層体の母材の間にカーボン粉末を塗布して積層した
後、熱間圧延を所定の比率で圧延し、その後、冷間圧延
で所定の比率で圧延し、その後、上記塗布したカーボン
粉末の部分で分離して、上記スラブからなる母材の厚さ
を0.01mm〜0.7mm、母材の一面側の合わせ材
の厚さを10μm以下で、母材の他面にカーボン粉末が
塗布されたクラッド鋼としている電池缶形成材料の製造
方法を提供している。
【0038】さらに、本発明は、請求項16で、連続鋳
造されたスラブの両面に該スラブと異なる金属からなる
合わせ材を積層した積層体を2組設け、これら積層体の
合わせ材の間にカーボン粉末を塗布して積層した後、熱
間圧延を所定の比率で圧延し、その後、冷間圧延で所定
の比率で圧延し、その後、上記塗布したカーボン粉末の
部分で分離して、上記スラブからなる母材の厚さを0.
01mm〜0.7mm、母材の両面側の合わせ材の厚さ
を10μm以下で、一方の合わせ材の表面にカーボン粉
末が塗布されたクラッド鋼としている電池缶形成材料の
製造方法を提供している。
造されたスラブの両面に該スラブと異なる金属からなる
合わせ材を積層した積層体を2組設け、これら積層体の
合わせ材の間にカーボン粉末を塗布して積層した後、熱
間圧延を所定の比率で圧延し、その後、冷間圧延で所定
の比率で圧延し、その後、上記塗布したカーボン粉末の
部分で分離して、上記スラブからなる母材の厚さを0.
01mm〜0.7mm、母材の両面側の合わせ材の厚さ
を10μm以下で、一方の合わせ材の表面にカーボン粉
末が塗布されたクラッド鋼としている電池缶形成材料の
製造方法を提供している。
【0039】上記請求項14乃至請求項16は、2枚の
電池缶形成材料を1回の製造工程で同時に製造する方法
に関し、かつ、請求項15および請求項16では2枚の
形成材料の分離材としてカーボン塗布層を利用している
点に特徴を有するものである。なお、カーボン塗布層
は、分離材としてカーボンを塗布して設ける以外に、別
途にカーボン塗布層を設けてもよいことは言うまでもな
い。
電池缶形成材料を1回の製造工程で同時に製造する方法
に関し、かつ、請求項15および請求項16では2枚の
形成材料の分離材としてカーボン塗布層を利用している
点に特徴を有するものである。なお、カーボン塗布層
は、分離材としてカーボンを塗布して設ける以外に、別
途にカーボン塗布層を設けてもよいことは言うまでもな
い。
【0040】上記冷間圧延後に、合わせ材の表面あるい
は/および母材の表面にメッキを施してメッキ層を設け
てもよい(請求項17)。さらに、上記メッキ層を設け
た後に、該メッキ層の表面にカーボンを塗布してカーボ
ン層を設けてもよい(請求項18)。即ち、上記クラッ
ド材とした後に、母材あるいは合わせ材の表面にメッキ
を施してメッキ層を設けること、母材あるいは合わせ材
の表面にカーボンを塗布してカーボン塗布層を設けるこ
と、さらに、メッキ層の表面にカーボン塗布層を設ける
こと等は後工程で任意にできる。
は/および母材の表面にメッキを施してメッキ層を設け
てもよい(請求項17)。さらに、上記メッキ層を設け
た後に、該メッキ層の表面にカーボンを塗布してカーボ
ン層を設けてもよい(請求項18)。即ち、上記クラッ
ド材とした後に、母材あるいは合わせ材の表面にメッキ
を施してメッキ層を設けること、母材あるいは合わせ材
の表面にカーボンを塗布してカーボン塗布層を設けるこ
と、さらに、メッキ層の表面にカーボン塗布層を設ける
こと等は後工程で任意にできる。
【0041】上記したように、本発明の電池缶形成材料
は、厚さ200mm〜300mmのスラブからなる母材
に対して、厚さ1mm〜5mm程度の合わせ材を積層し
た後、熱間圧延を行い、その後、冷缶圧延を行うことに
より製造しているが、従来のクラッド材に比較して薄厚
で、且つ、深絞り特性に優れたクラッド材を製造するた
め、上記熱間圧延時に、10%以下の幅絞めを施すこと
により、母材と合わせ材との密着性を良くして剥離する
のを防止すると共に、幅方向両端の厚さが減少して、所
謂エッジドロップが生じるのを防止し、さらには、熱延
コイル巻き取り時に、幅方向両端を加熱しながら巻き取
ることにより、幅方向中央部と両端部の冷却速度の差を
最小限に抑えて、幅方向の特性の均一化が図れる。その
結果、薄厚で、且つ、幅方向の中央と両端部の板厚およ
び金属組織が均一なクラッド鋼板を製造することがで
き、その縦・横・斜め方向の伸び率の差である面内異方
性Δrを小さくして、電池缶として筒状に絞り加工する
時に、先端の伸び率が異なって部分的に耳状の突出部が
できる、所謂イアリングの発生を抑制し、最終的に、母
材の厚さが0.01mm〜0.7mm、合わせ材の厚さ
を10μm以下とした、電池缶形成材料として適した厚
さのクラッド材を製造することができる。
は、厚さ200mm〜300mmのスラブからなる母材
に対して、厚さ1mm〜5mm程度の合わせ材を積層し
た後、熱間圧延を行い、その後、冷缶圧延を行うことに
より製造しているが、従来のクラッド材に比較して薄厚
で、且つ、深絞り特性に優れたクラッド材を製造するた
め、上記熱間圧延時に、10%以下の幅絞めを施すこと
により、母材と合わせ材との密着性を良くして剥離する
のを防止すると共に、幅方向両端の厚さが減少して、所
謂エッジドロップが生じるのを防止し、さらには、熱延
コイル巻き取り時に、幅方向両端を加熱しながら巻き取
ることにより、幅方向中央部と両端部の冷却速度の差を
最小限に抑えて、幅方向の特性の均一化が図れる。その
結果、薄厚で、且つ、幅方向の中央と両端部の板厚およ
び金属組織が均一なクラッド鋼板を製造することがで
き、その縦・横・斜め方向の伸び率の差である面内異方
性Δrを小さくして、電池缶として筒状に絞り加工する
時に、先端の伸び率が異なって部分的に耳状の突出部が
できる、所謂イアリングの発生を抑制し、最終的に、母
材の厚さが0.01mm〜0.7mm、合わせ材の厚さ
を10μm以下とした、電池缶形成材料として適した厚
さのクラッド材を製造することができる。
【0042】クラッド材を用いる場合、母材となるスラ
ブの両面にニッケル板、ニッケル合金板等の合わせ材を
溶接する手数がかかるが、母材と合わせ材との接合部分
に拡散層が生じるため接合強度が大となり、メッキの場
合のように焼鈍により拡散層を形成する必要がなくな
る。よって、スラブの鋳造時から製品まで一貫管理が容
易となる。特に、クラッド材とすると、鋼板の両面の金
属層を相違させることが極めて容易となる利点がある。
ブの両面にニッケル板、ニッケル合金板等の合わせ材を
溶接する手数がかかるが、母材と合わせ材との接合部分
に拡散層が生じるため接合強度が大となり、メッキの場
合のように焼鈍により拡散層を形成する必要がなくな
る。よって、スラブの鋳造時から製品まで一貫管理が容
易となる。特に、クラッド材とすると、鋼板の両面の金
属層を相違させることが極めて容易となる利点がある。
【0043】即ち、電池缶では、その外面は耐食性と光
沢性に優れた金属層が位置することが要求される一方、
内面には電池内部特性を向上させるため、電池内部抵抗
を小さくする金属層が位置することが要求される。よっ
て、クラッド材では、電池缶外面側となる合わせ材とし
て耐食性の良好な純ニッケル等の金属を用いる一方、電
池缶内面側となる合わせ材としてNi−Co等の合金を
用い、電池内容物との酸化をしにくくして電池内部特性
を良くすると共に、合金の配合率により伸びを悪くし
て、絞り加工後、電池缶内面側にクラックを発生させ、
電池内容物との密着をよくして接触抵抗を小さくして、
電池内部特性を良くすることができる。この場合、合金
の合わせ材に代えて合金メッキを施すことにより酸化し
にくくしたり、接触抵抗を小さくすることも可能である
が、メッキの場合、2〜3種類以上の異なる金属を混合
させて合金メッキを施すことは不可能に近く、クラッド
材の合わせ材として合金板を用いた場合は、10種類前
後の異なる金属を配合してなる合金を選択して用いるこ
とができるため、合金メッキを施す場合に比べ、電池内
部特性をより向上させることが可能となる。また、電池
缶内面側となる面に、Au,Ag等の接触電気抵抗の小
さい金属、あるいはC,Co等の酸化しにくい金属から
なるメッキ層を設けて、電池缶内面の接触電気抵抗を小
さくすることも可能である。
沢性に優れた金属層が位置することが要求される一方、
内面には電池内部特性を向上させるため、電池内部抵抗
を小さくする金属層が位置することが要求される。よっ
て、クラッド材では、電池缶外面側となる合わせ材とし
て耐食性の良好な純ニッケル等の金属を用いる一方、電
池缶内面側となる合わせ材としてNi−Co等の合金を
用い、電池内容物との酸化をしにくくして電池内部特性
を良くすると共に、合金の配合率により伸びを悪くし
て、絞り加工後、電池缶内面側にクラックを発生させ、
電池内容物との密着をよくして接触抵抗を小さくして、
電池内部特性を良くすることができる。この場合、合金
の合わせ材に代えて合金メッキを施すことにより酸化し
にくくしたり、接触抵抗を小さくすることも可能である
が、メッキの場合、2〜3種類以上の異なる金属を混合
させて合金メッキを施すことは不可能に近く、クラッド
材の合わせ材として合金板を用いた場合は、10種類前
後の異なる金属を配合してなる合金を選択して用いるこ
とができるため、合金メッキを施す場合に比べ、電池内
部特性をより向上させることが可能となる。また、電池
缶内面側となる面に、Au,Ag等の接触電気抵抗の小
さい金属、あるいはC,Co等の酸化しにくい金属から
なるメッキ層を設けて、電池缶内面の接触電気抵抗を小
さくすることも可能である。
【0044】さらに、現在、電池メーカーにおいて、電
池缶内面のニッケルメッキ表面にカーボンを塗布して電
池内部に充填する物質や合材との密着性を高め、電池缶
内面側の電池特性を向上させているが、本発明では、電
池缶形成材料を製造する際に、カーボン塗布層を予め設
けておくことができるため、電池メーカーにおけるカー
ボン塗布作業を省くことができる。特に、請求項15お
よび請求項16に記載したように、2枚の電池缶形成材
料を同時に積層して製造し、その分離材としてカーボン
を塗布しておくと、非常に簡単にカーボン塗布層を設け
ることができる。
池缶内面のニッケルメッキ表面にカーボンを塗布して電
池内部に充填する物質や合材との密着性を高め、電池缶
内面側の電池特性を向上させているが、本発明では、電
池缶形成材料を製造する際に、カーボン塗布層を予め設
けておくことができるため、電池メーカーにおけるカー
ボン塗布作業を省くことができる。特に、請求項15お
よび請求項16に記載したように、2枚の電池缶形成材
料を同時に積層して製造し、その分離材としてカーボン
を塗布しておくと、非常に簡単にカーボン塗布層を設け
ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。まず、図1に示す第1実施形
態の電池缶形成材料1は、鋼板からなる母材2の一面に
ニッケル板3を、他面にニッケル合金板4を合わせ材と
して備えたクラッド材からなり、電池缶形成材料1の全
体の厚さは0.3mmで、母材2の厚さは0.292m
m、合わせ材のニッケル板3およびニッケル合金板4の
厚さは0.004mm(4μm)である。
参照して詳細に説明する。まず、図1に示す第1実施形
態の電池缶形成材料1は、鋼板からなる母材2の一面に
ニッケル板3を、他面にニッケル合金板4を合わせ材と
して備えたクラッド材からなり、電池缶形成材料1の全
体の厚さは0.3mmで、母材2の厚さは0.292m
m、合わせ材のニッケル板3およびニッケル合金板4の
厚さは0.004mm(4μm)である。
【0046】上記第1実施形態の電池缶形成材料1の製
造方法を、図2のフローチャートおよび図3を用いて説
明すると、連続鋳造された厚さ250mm、幅900m
m、長さ4.5mのスラブ10に対して、ステップ♯1
で、スラブ10の表面より表面酸化物を除去する。該除
去作業は、スラブ10の各表面をそれぞれ1〜5mm
(本実施形態では3mm)だけ研削している。
造方法を、図2のフローチャートおよび図3を用いて説
明すると、連続鋳造された厚さ250mm、幅900m
m、長さ4.5mのスラブ10に対して、ステップ♯1
で、スラブ10の表面より表面酸化物を除去する。該除
去作業は、スラブ10の各表面をそれぞれ1〜5mm
(本実施形態では3mm)だけ研削している。
【0047】ついで、ステップ♯2で、上記スラブ10
の一面に厚さ4mmのニッケル板からなる合わせ材1
1、他面にニッケル合金板からなる合わせ材12を積層
して、これら合わせ材11、12の各辺をスラブ10に
溶接して固着する。その際、図3(A)に示すように、
合わせ材の11、12の幅は855mmと、スラブ10
の900mmの幅より小さく設定し、スラブ10の中心
と合わせ材11、12との中心を一致させて、母材とな
るスラブ10の幅方向の両端を若干突出させている。
の一面に厚さ4mmのニッケル板からなる合わせ材1
1、他面にニッケル合金板からなる合わせ材12を積層
して、これら合わせ材11、12の各辺をスラブ10に
溶接して固着する。その際、図3(A)に示すように、
合わせ材の11、12の幅は855mmと、スラブ10
の900mmの幅より小さく設定し、スラブ10の中心
と合わせ材11、12との中心を一致させて、母材とな
るスラブ10の幅方向の両端を若干突出させている。
【0048】ついで、ステップ♯3で加熱炉で1100
℃まで昇温した後、熱間圧延を行い、全体の板厚(母材
と両側の合わせ材を含めた厚さ)を2.45mmの熱延
鋼板として、コイル状に巻き取っている。上記熱間圧延
時に、図3(B)に示すように、5%の幅締めを行い、
合わせ材11、12が母材10から剥離するのを防止す
ると共に、幅方向両端の厚さが減少して、所謂エッジド
ロップが生じるのを防止している。また、上記コイル状
に巻き取る際、幅方向の両端に電熱ヒータ等からなる加
熱手段を配置して、鋼板の幅方向の両端を700℃に加
熱しながら巻き取ることにより、幅方向中央部と両端部
の冷却速度の差を最小限に抑えて、熱延鋼板の幅方向の
特性の均一化を図っている。
℃まで昇温した後、熱間圧延を行い、全体の板厚(母材
と両側の合わせ材を含めた厚さ)を2.45mmの熱延
鋼板として、コイル状に巻き取っている。上記熱間圧延
時に、図3(B)に示すように、5%の幅締めを行い、
合わせ材11、12が母材10から剥離するのを防止す
ると共に、幅方向両端の厚さが減少して、所謂エッジド
ロップが生じるのを防止している。また、上記コイル状
に巻き取る際、幅方向の両端に電熱ヒータ等からなる加
熱手段を配置して、鋼板の幅方向の両端を700℃に加
熱しながら巻き取ることにより、幅方向中央部と両端部
の冷却速度の差を最小限に抑えて、熱延鋼板の幅方向の
特性の均一化を図っている。
【0049】その後、上記熱延鋼板を酸洗した後、ステ
ップ♯4の冷間圧延を行う。該冷間圧延では圧延率8
7.6%として、全体の板厚を0.305mmとしてい
る。
ップ♯4の冷間圧延を行う。該冷間圧延では圧延率8
7.6%として、全体の板厚を0.305mmとしてい
る。
【0050】ついで、上記冷延鋼板を電解洗浄した後、
ステップ♯5の連続焼鈍を、600℃〜900℃で0.
5分〜2.0分行う。本実施形態では、750℃で1分
行っている。
ステップ♯5の連続焼鈍を、600℃〜900℃で0.
5分〜2.0分行う。本実施形態では、750℃で1分
行っている。
【0051】最後に、ステップ♯6の調質圧延を圧延率
1.2%で、上記した全体の板厚が0.3mmで、両側
のニッケル板からなる合わせ材11、ニッケル合金板か
らなる合わせ材12の厚さが0.004mm(4μm)
の電池缶形成材料1を製造した。
1.2%で、上記した全体の板厚が0.3mmで、両側
のニッケル板からなる合わせ材11、ニッケル合金板か
らなる合わせ材12の厚さが0.004mm(4μm)
の電池缶形成材料1を製造した。
【0052】上記電池缶形成材料1はトランスファー絞
り加工あるいはDI絞り加工で筒形状の電池缶として形
成したところ、従来のニッケルメッキ製の電池缶形成材
料と同様の伸びを有し、割れを発生させることなく加工
できた。其の際、図4(A)に示すように、電池缶20
の外面側をニッケル板からなる合わせ材11とし、内面
側をニッケル合金板からなる合わせ材12としており、
従来のニッケルメッキ製の電池缶と同等以上の耐食性お
よび電池内部特性を備えていた。
り加工あるいはDI絞り加工で筒形状の電池缶として形
成したところ、従来のニッケルメッキ製の電池缶形成材
料と同様の伸びを有し、割れを発生させることなく加工
できた。其の際、図4(A)に示すように、電池缶20
の外面側をニッケル板からなる合わせ材11とし、内面
側をニッケル合金板からなる合わせ材12としており、
従来のニッケルメッキ製の電池缶と同等以上の耐食性お
よび電池内部特性を備えていた。
【0053】また、熱間圧延時において、両端の幅締め
を行ってエッジドロップの発生を防止しているため、幅
方向の中央と両端部の板厚および金属組織が均一なクラ
ッド鋼板とすることができ、その縦・横・斜め方向の伸
び率の差である面内異方性△rを小さくできる。その結
果、電池缶として筒状に絞り加工する時に、先端の伸び
率が異なって部分的に耳状の突出部ができる、所謂イア
リングの発生を抑制でき、製品の歩留まりを向上させる
ことができる。
を行ってエッジドロップの発生を防止しているため、幅
方向の中央と両端部の板厚および金属組織が均一なクラ
ッド鋼板とすることができ、その縦・横・斜め方向の伸
び率の差である面内異方性△rを小さくできる。その結
果、電池缶として筒状に絞り加工する時に、先端の伸び
率が異なって部分的に耳状の突出部ができる、所謂イア
リングの発生を抑制でき、製品の歩留まりを向上させる
ことができる。
【0054】上記第1実施形態の電池缶形成材料となる
クラッド鋼板は、図5(A)に示すように、母材2の両
面に、母材2と相違すると共に互いに相違する金属(ニ
ッケル板とニッケル合金板)からなる合わせ材3、4を
備えた構成としているが、図5(B)に示すように、両
側の合わせ材3と4とを同一の金属板、例えば、両方を
ニッケル板としてもよい。さらに、図5(C)に示すよ
うに、母材2の一面にのみ合わせ材3を設けたクラッド
鋼板としてもよい。なお、図5(C)の場合は、合わせ
材を積層していない母材の他面には後述するメッキ層あ
るいはカーボン塗布層を設ける場合が多い。以下、電池
缶形成材料を示す概略図において、母材2は斜線、合わ
せ材3、4はクロス斜線、後述するカーボン塗布層6は
波線、メッキ層8は黒塗りで示す。
クラッド鋼板は、図5(A)に示すように、母材2の両
面に、母材2と相違すると共に互いに相違する金属(ニ
ッケル板とニッケル合金板)からなる合わせ材3、4を
備えた構成としているが、図5(B)に示すように、両
側の合わせ材3と4とを同一の金属板、例えば、両方を
ニッケル板としてもよい。さらに、図5(C)に示すよ
うに、母材2の一面にのみ合わせ材3を設けたクラッド
鋼板としてもよい。なお、図5(C)の場合は、合わせ
材を積層していない母材の他面には後述するメッキ層あ
るいはカーボン塗布層を設ける場合が多い。以下、電池
缶形成材料を示す概略図において、母材2は斜線、合わ
せ材3、4はクロス斜線、後述するカーボン塗布層6は
波線、メッキ層8は黒塗りで示す。
【0055】上記第1実施形態の製造方法は、クラッド
鋼板からなる1枚の電池缶形成材料の製造方法に係わる
ものであるが、第2実施形態では、図6(A)乃至
(D)に示すように、クラッド鋼板からなる2枚の電池
缶形成材料を同時に製造している。
鋼板からなる1枚の電池缶形成材料の製造方法に係わる
ものであるが、第2実施形態では、図6(A)乃至
(D)に示すように、クラッド鋼板からなる2枚の電池
缶形成材料を同時に製造している。
【0056】即ち、図6(A)では、スラブ10の一面
に合わせ材11を溶接して積層しており、他面には合わ
せ材を積層していない。このスラブ10と合わせ材11
とからなる積層材100を2組設けて、合わせ材11の
間に分離材15を介在させている。この状態で、第1実
施形態と同様に、熱間圧延→冷間圧延→調質圧延を行
う。その後、分離材15の中央部で分離して、それぞ
れ、母材の厚さが0.01mm〜0.7mmの鋼板から
なる一方、上記合わせ材11の厚さが10μm以下とな
る2枚のクラッド鋼板を形成している。上記合わせ材1
1が積層されておらず、スラブからなる母材10が露出
している面は、後述するメッキを施して、電池缶形成材
料とすることが好ましい。即ち、上記スラブ10の一面
に積層する合わせ材11としてニッケル板を積層してお
く一方、他面のFe面には、Ni合金メッキ、Agメッ
キ、等を施すことが好ましい。
に合わせ材11を溶接して積層しており、他面には合わ
せ材を積層していない。このスラブ10と合わせ材11
とからなる積層材100を2組設けて、合わせ材11の
間に分離材15を介在させている。この状態で、第1実
施形態と同様に、熱間圧延→冷間圧延→調質圧延を行
う。その後、分離材15の中央部で分離して、それぞ
れ、母材の厚さが0.01mm〜0.7mmの鋼板から
なる一方、上記合わせ材11の厚さが10μm以下とな
る2枚のクラッド鋼板を形成している。上記合わせ材1
1が積層されておらず、スラブからなる母材10が露出
している面は、後述するメッキを施して、電池缶形成材
料とすることが好ましい。即ち、上記スラブ10の一面
に積層する合わせ材11としてニッケル板を積層してお
く一方、他面のFe面には、Ni合金メッキ、Agメッ
キ、等を施すことが好ましい。
【0057】図6(B)は、スラブ10の両面に合わせ
材11と12とを溶接したものを2組設け、これら積層
材100’の合わせ材11と11との間に分離材15を
介在させている。この場合も図6(A)と同様に所要の
圧延を行ってから、中央の分離材15の部分で分離し
て、2枚のクラッド鋼板を1度に製造している。
材11と12とを溶接したものを2組設け、これら積層
材100’の合わせ材11と11との間に分離材15を
介在させている。この場合も図6(A)と同様に所要の
圧延を行ってから、中央の分離材15の部分で分離し
て、2枚のクラッド鋼板を1度に製造している。
【0058】図6(C)は、スラブ10の一面に合わせ
材11を溶接して積層しており、他面には合わせ材を積
層していない。このスラブ10とニッケル板等からなる
合わせ材11とからなる積層材100を2組設けて、母
材10の間に分離材としてカーボン粉末16を塗布して
介在させている。所要の圧延を施した後、中央のカーボ
ン塗布部分で分離すると、図7(A)に示す母材2の一
面に例えばニッケル板3を備える一方、他面にカーボン
塗布層6を備えた2枚の電池缶形成材料を1度に製造す
ることができる。なお、上記積層材100を、合わせ材
11同士の間にカーボン粉末からなる分離材を介して積
層し、圧延した後に分離すると、図7(B)に示す構成
のクラッド鋼板が2枚同時に製造できる。
材11を溶接して積層しており、他面には合わせ材を積
層していない。このスラブ10とニッケル板等からなる
合わせ材11とからなる積層材100を2組設けて、母
材10の間に分離材としてカーボン粉末16を塗布して
介在させている。所要の圧延を施した後、中央のカーボ
ン塗布部分で分離すると、図7(A)に示す母材2の一
面に例えばニッケル板3を備える一方、他面にカーボン
塗布層6を備えた2枚の電池缶形成材料を1度に製造す
ることができる。なお、上記積層材100を、合わせ材
11同士の間にカーボン粉末からなる分離材を介して積
層し、圧延した後に分離すると、図7(B)に示す構成
のクラッド鋼板が2枚同時に製造できる。
【0059】図6(D)は、スラブ10の両面に、ニッ
ケル板等からなる合わせ材11と、ニッケル合金板等か
らなる合わせ材12とを溶接したものを2組設け、これ
ら積層材100’の合わせ材12と12との間に分離材
としてカーボン粉末16を塗布して介在させている。所
要の圧延を施した後、中央のカーボン塗布部分で分離す
ると、図7(C)に示す母材2の一面に例えばニッケル
板3を備える一方、他面にニッケル合金板4を備え、該
ニッケル合金板4の表面にさらに、カーボン塗布層6を
備えた2枚の電池缶形成材料を1度に製造することがで
きる。
ケル板等からなる合わせ材11と、ニッケル合金板等か
らなる合わせ材12とを溶接したものを2組設け、これ
ら積層材100’の合わせ材12と12との間に分離材
としてカーボン粉末16を塗布して介在させている。所
要の圧延を施した後、中央のカーボン塗布部分で分離す
ると、図7(C)に示す母材2の一面に例えばニッケル
板3を備える一方、他面にニッケル合金板4を備え、該
ニッケル合金板4の表面にさらに、カーボン塗布層6を
備えた2枚の電池缶形成材料を1度に製造することがで
きる。
【0060】上記のように、母材に合わせ材を溶接固着
した積層体を2組設けて、カーボン粉末からなる分離材
を介して積層し、該状態で圧延を行うと、一面の表面に
カーボン塗布層を備えた電池缶形成材料を1度に2枚製
造することができ、生産性を高めることができると同時
に、後処理で電池缶内面側となる面にカーボン粉末を塗
布する工程を無くすことができる。
した積層体を2組設けて、カーボン粉末からなる分離材
を介して積層し、該状態で圧延を行うと、一面の表面に
カーボン塗布層を備えた電池缶形成材料を1度に2枚製
造することができ、生産性を高めることができると同時
に、後処理で電池缶内面側となる面にカーボン粉末を塗
布する工程を無くすことができる。
【0061】図8のフローチャートは本発明の第3実施
形態を示し、ステップ♯2では、スラブ10の一面にの
み合わせ材11を溶接固着し、他面には合わせ材を積層
していない。この積層材を第1実施形態と同様に、ステ
ップ♯3で熱間圧延、ステップ♯4で冷間圧延、ステッ
プ♯5で連続焼鈍、ステップ♯6で調質圧延を行い、そ
の後、ステップ♯7で、上記合わせ材11を積層してお
らず母材10が露出している面に、メッキを施してい
る。上記ステップ♯6まで図6(A)の方法で2枚1度
に製造した後、中央で分離した後、母材10が露出して
いる面にメッキを施しても良いことは言うまでもない。
形態を示し、ステップ♯2では、スラブ10の一面にの
み合わせ材11を溶接固着し、他面には合わせ材を積層
していない。この積層材を第1実施形態と同様に、ステ
ップ♯3で熱間圧延、ステップ♯4で冷間圧延、ステッ
プ♯5で連続焼鈍、ステップ♯6で調質圧延を行い、そ
の後、ステップ♯7で、上記合わせ材11を積層してお
らず母材10が露出している面に、メッキを施してい
る。上記ステップ♯6まで図6(A)の方法で2枚1度
に製造した後、中央で分離した後、母材10が露出して
いる面にメッキを施しても良いことは言うまでもない。
【0062】上記メッキを施した後、ステップ♯8で連
続焼鈍を行い、その後、ステップ♯9で再度調質圧延を
行って、図9(A)に示す母材2の厚さが0.01mm
〜0.7mmの鋼板からなる一方、母材2の一面に母材
と異なる金属板からなる10μm以下の合わせ材3を備
え、母材の他面にメッキ層8を備えている電池缶形成材
料を製造している。
続焼鈍を行い、その後、ステップ♯9で再度調質圧延を
行って、図9(A)に示す母材2の厚さが0.01mm
〜0.7mmの鋼板からなる一方、母材2の一面に母材
と異なる金属板からなる10μm以下の合わせ材3を備
え、母材の他面にメッキ層8を備えている電池缶形成材
料を製造している。
【0063】図9(B)以下はクラッド鋼板の少なくと
も一面にメッキ層を設ける第3実施形態の変形例を示
し、図9(B)は母材2の一面にメッキ層8、他面に合
わせ材3、該合わせ材3の表面にカーボンを塗布して、
カーボン塗布層6を備えている。図9(C)は、母材2
の一面にメッキ層8、他面に合わせ材3を備え、メッキ
層8の表面にカーボン塗布層6を備えている。図9
(D)は母材2の一面に合わせ材3、その表面にメッキ
層8を設け、母材2の他面は露出させている。図9
(E)は、母材2の両面に同一種類あるいは異なる金属
種からなる合わせ材3、4を備え、一方の合わせ材3の
表面にメッキ層8を備えている。図9(F)では、合わ
せ材3、4の両方の表面にメッキ層8を備えている。図
9(G)は母材2の一面に合わせ材3、該合わせ材3の
表面にメッキ層8を備え、かつ、母材2の他面にメッキ
層8を備えている。なお、電池缶に加工した場合には、
図4(B)に示すように、電池缶20の外面側にNiメ
ッキ層8、内面側に合金からなる合わせ材3が位置する
構成となることが好ましい。
も一面にメッキ層を設ける第3実施形態の変形例を示
し、図9(B)は母材2の一面にメッキ層8、他面に合
わせ材3、該合わせ材3の表面にカーボンを塗布して、
カーボン塗布層6を備えている。図9(C)は、母材2
の一面にメッキ層8、他面に合わせ材3を備え、メッキ
層8の表面にカーボン塗布層6を備えている。図9
(D)は母材2の一面に合わせ材3、その表面にメッキ
層8を設け、母材2の他面は露出させている。図9
(E)は、母材2の両面に同一種類あるいは異なる金属
種からなる合わせ材3、4を備え、一方の合わせ材3の
表面にメッキ層8を備えている。図9(F)では、合わ
せ材3、4の両方の表面にメッキ層8を備えている。図
9(G)は母材2の一面に合わせ材3、該合わせ材3の
表面にメッキ層8を備え、かつ、母材2の他面にメッキ
層8を備えている。なお、電池缶に加工した場合には、
図4(B)に示すように、電池缶20の外面側にNiメ
ッキ層8、内面側に合金からなる合わせ材3が位置する
構成となることが好ましい。
【0064】上記メッキとしては、電池缶内面となる側
には、接触電気抵抗の小さい、例えば、Au、Ag、M
o,Co,Ir、Rh,W,Zn等のメッキ、あるいは
/および酸化しにくい金属、例えば、C、Co、Pd
等、およびNi−C,Ni−Co等の合金メッキを施す
ことが好ましい。また、電池缶外面となる側には、耐食
性に優れると共に、光沢を有するメッキ、例えば、無光
沢ニッケルメッキの上に光沢ニッケルメッキを施すこと
等が好ましい。
には、接触電気抵抗の小さい、例えば、Au、Ag、M
o,Co,Ir、Rh,W,Zn等のメッキ、あるいは
/および酸化しにくい金属、例えば、C、Co、Pd
等、およびNi−C,Ni−Co等の合金メッキを施す
ことが好ましい。また、電池缶外面となる側には、耐食
性に優れると共に、光沢を有するメッキ、例えば、無光
沢ニッケルメッキの上に光沢ニッケルメッキを施すこと
等が好ましい。
【0065】上記図6(C)(D)に示すように、2枚
1度に製造する場合に、その分離材としてカーボン塗布
層6を設けることが好ましいが、分離材として設ける以
外に、単体として製造したクラッド鋼板の表面にカーボ
ン粉末を塗布してカーボン塗布層6を設けても良いこと
は言うまでもない。
1度に製造する場合に、その分離材としてカーボン塗布
層6を設けることが好ましいが、分離材として設ける以
外に、単体として製造したクラッド鋼板の表面にカーボ
ン粉末を塗布してカーボン塗布層6を設けても良いこと
は言うまでもない。
【0066】図6(C)(D)による方法あるいは、上
記のように後工程でカーボン塗布層6を設けると、図1
0(A)〜(G)に示すように、母材2、合わせ材3、
メッキ層8、カーボン塗布層6を各種態様で組み合わせ
た電池缶形成材料を製造することができる。この少なく
とも一面にカーボン塗布層6を設けた電池缶形成材料に
より電池缶を形成する場合、図4(C)に示すように、
電池缶20の内面側にカーボン塗布層6が位置し、外面
側に合わせ材3が位置することが好ましい。
記のように後工程でカーボン塗布層6を設けると、図1
0(A)〜(G)に示すように、母材2、合わせ材3、
メッキ層8、カーボン塗布層6を各種態様で組み合わせ
た電池缶形成材料を製造することができる。この少なく
とも一面にカーボン塗布層6を設けた電池缶形成材料に
より電池缶を形成する場合、図4(C)に示すように、
電池缶20の内面側にカーボン塗布層6が位置し、外面
側に合わせ材3が位置することが好ましい。
【0067】上記電池缶形成材料は電池缶、あるいは、
陽極端子、陰極端子の材料として好適に用いるられるほ
か、他の電池部品材料、例えば、集電体、リード端子、
ワッシャ、リング、防爆弁等の形成材料としても好適に
用いられることは言うまでもない。
陽極端子、陰極端子の材料として好適に用いるられるほ
か、他の電池部品材料、例えば、集電体、リード端子、
ワッシャ、リング、防爆弁等の形成材料としても好適に
用いられることは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
では、厚さ200mm〜300mmのスラブからなる母
材に対して、厚さ1mm〜5mm程度の合わせ材を積層
した後、10%以下の幅絞めを施しながら熱間圧延を行
い、幅方向両端を加熱しながら熱延コイルを巻き取っ
て、その後、冷間圧延を行っているため、従来のクラッ
ド鋼板では達成できなかった、母材の厚さが0.01m
m〜0.7mm、合わせ材の厚さが10μm以下の薄厚
で、且つ、深絞り特性に優れたクラッド鋼板を製造で
き、該クラッド鋼板からなる材料を電池缶形成材料とし
て用いることを可能としている。即ち、薄厚で展伸性に
優れ、且つ、幅方向の中央と両端部の板厚および金属組
織が均一なクラッド鋼板を製造することができるため、
その縦・横・斜め方向の伸び率の差である面内異方性Δ
rを小さくすることができ、電池缶を絞り加工で形成す
る時、クラッド鋼板が絞り加工の伸びに追従でき、クラ
ックやイアリングが発生したり、所望の寸法を得られな
い等の問題なしに、電池缶を絞り加工で形成することが
できる。また、上記のように、クラッド鋼板を電池缶形
成材料にすると、従来のニッケルメッキ鋼板等のメッキ
材からなる電池缶形成材料よりも、工程数を大幅に減少
して、簡単かつ安価に、耐食性、加工性、光沢性、電池
内部特性全てに優れた、電池缶形成材料を製造すること
ができる。よって、低コストで電池缶形成材料を提供す
ることが可能となる。
では、厚さ200mm〜300mmのスラブからなる母
材に対して、厚さ1mm〜5mm程度の合わせ材を積層
した後、10%以下の幅絞めを施しながら熱間圧延を行
い、幅方向両端を加熱しながら熱延コイルを巻き取っ
て、その後、冷間圧延を行っているため、従来のクラッ
ド鋼板では達成できなかった、母材の厚さが0.01m
m〜0.7mm、合わせ材の厚さが10μm以下の薄厚
で、且つ、深絞り特性に優れたクラッド鋼板を製造で
き、該クラッド鋼板からなる材料を電池缶形成材料とし
て用いることを可能としている。即ち、薄厚で展伸性に
優れ、且つ、幅方向の中央と両端部の板厚および金属組
織が均一なクラッド鋼板を製造することができるため、
その縦・横・斜め方向の伸び率の差である面内異方性Δ
rを小さくすることができ、電池缶を絞り加工で形成す
る時、クラッド鋼板が絞り加工の伸びに追従でき、クラ
ックやイアリングが発生したり、所望の寸法を得られな
い等の問題なしに、電池缶を絞り加工で形成することが
できる。また、上記のように、クラッド鋼板を電池缶形
成材料にすると、従来のニッケルメッキ鋼板等のメッキ
材からなる電池缶形成材料よりも、工程数を大幅に減少
して、簡単かつ安価に、耐食性、加工性、光沢性、電池
内部特性全てに優れた、電池缶形成材料を製造すること
ができる。よって、低コストで電池缶形成材料を提供す
ることが可能となる。
【0069】さらに、メッキの場合は、2〜3種類以上
の異なる金属を混合させて合金メッキを施すことは不可
能に近く、合金として混合できる金属の種類、数、混合
比率等が制限されるが、クラッド材の合わせ材として合
金板を用いる場合は、10種類前後の異なる金属を様々
な率により配合することが可能であるため、その種類、
数、混合比率等の制限がほとんど無くなり、性能および
価格等の点から、最適の合金からなる合わせ材を選択し
て用いることができる。
の異なる金属を混合させて合金メッキを施すことは不可
能に近く、合金として混合できる金属の種類、数、混合
比率等が制限されるが、クラッド材の合わせ材として合
金板を用いる場合は、10種類前後の異なる金属を様々
な率により配合することが可能であるため、その種類、
数、混合比率等の制限がほとんど無くなり、性能および
価格等の点から、最適の合金からなる合わせ材を選択し
て用いることができる。
【0070】さらにまた、電池缶では外面側と内面側と
の特性の要求が相違するが、クラッド鋼板では、母材の
両面の合わせ材として用いる金属を相違させて、表裏両
面の金属を相違させることが容易にできるため、上記要
求を簡単に充足することができる利点がある。
の特性の要求が相違するが、クラッド鋼板では、母材の
両面の合わせ材として用いる金属を相違させて、表裏両
面の金属を相違させることが容易にできるため、上記要
求を簡単に充足することができる利点がある。
【図1】 第1実施形態の電池缶形成材料の斜視図であ
る。
る。
【図2】 第1実施形態の製造工程のフローチャートで
ある。
ある。
【図3】 (A)(B)は製造工程時の状態を示す概略
図である。
図である。
【図4】 (A)乃至(C)は電池缶として加工した場
合の概略図である。
合の概略図である。
【図5】 (A)乃至(C)は第1実施形態の製造方法
で製造する電池缶形成材料の各種の例を示す概略図であ
る。
で製造する電池缶形成材料の各種の例を示す概略図であ
る。
【図6】 (A)乃至(D)は第2実施形態の製造方法
を示す概略図である。
を示す概略図である。
【図7】 (A)乃至(C)は第2実施形態の製造方法
で製造された電池缶形成材料を示す概略図である。
で製造された電池缶形成材料を示す概略図である。
【図8】 第3実施形態の製造方法を示すフローチャー
トである。
トである。
【図9】 (A)乃至(G)は第3実施形態の製造方法
で製造された電池缶形成材料の変形例を示す概略図であ
る。
で製造された電池缶形成材料の変形例を示す概略図であ
る。
【図10】 (A)乃至(G)はカーボン塗布層を表面
に備えた電池缶形成材料の変形例を示す概略図である。
に備えた電池缶形成材料の変形例を示す概略図である。
1 電池缶形成材料 2 母材 3、4 合わせ材 6 カーボン塗布層 8 メッキ層 10 スラブ 11、12 合わせ材 16 カーボン粉末 20 電池缶 21 陽極端子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項11
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来、電池缶は材料を多段絞り加工(ト
ランスファー絞り加工)あるいはDI(drawing and ir
oning)絞り加工等で絞り加工して形成している。 一般
に、この種の絞り加工により電池缶を形成するための材
料としてはニッケルメッキ鋼板が用いられ、 このニッケ
ルメッキ鋼板は、規定の厚さの普通冷延鋼板にニッケル
メッキを施して製造している。あるいは、普通冷延鋼板
にニッケルメッキを施した後、再度、焼鈍、調質圧延を
行う方法や、未焼鈍冷延鋼板にニッケルメッキを施し、
その後、焼鈍、調質圧延を行う方法により、鋼素地とニ
ッケルメッキ層とを拡散させて、鋼素地とニッケルメッ
キ層との間に鉄・ニッケル拡散層を形成すると共に、規
定の厚さとして製造している。
ランスファー絞り加工)あるいはDI(drawing and ir
oning)絞り加工等で絞り加工して形成している。 一般
に、この種の絞り加工により電池缶を形成するための材
料としてはニッケルメッキ鋼板が用いられ、 このニッケ
ルメッキ鋼板は、規定の厚さの普通冷延鋼板にニッケル
メッキを施して製造している。あるいは、普通冷延鋼板
にニッケルメッキを施した後、再度、焼鈍、調質圧延を
行う方法や、未焼鈍冷延鋼板にニッケルメッキを施し、
その後、焼鈍、調質圧延を行う方法により、鋼素地とニ
ッケルメッキ層とを拡散させて、鋼素地とニッケルメッ
キ層との間に鉄・ニッケル拡散層を形成すると共に、規
定の厚さとして製造している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】また、上記メッキ層は、Au,Ag,M
o,Co,Ir,Rh,W,Zn等の接触電気抵抗の小
さい金属とすることが好ましい(請求項10)。さら
に、上記メッキ層は、C,Co,Pd等、およびNi−
C,Ni−Mn,Ni−Co,Ni−B,Ni−Fe,
Ni−Sn,Ni−Zn,Ni−Si,Ni−In,N
i−Ge,Ni−Se,Ni−La,Ni−W,Ni−
Ti,Ni−P,Ni−Mo,Ni−Ga,Co−M
o,Fe−W,Ag−Snからなる各種合金等の酸化し
にくい金属からなることが好ましい(請求項11)。
o,Co,Ir,Rh,W,Zn等の接触電気抵抗の小
さい金属とすることが好ましい(請求項10)。さら
に、上記メッキ層は、C,Co,Pd等、およびNi−
C,Ni−Mn,Ni−Co,Ni−B,Ni−Fe,
Ni−Sn,Ni−Zn,Ni−Si,Ni−In,N
i−Ge,Ni−Se,Ni−La,Ni−W,Ni−
Ti,Ni−P,Ni−Mo,Ni−Ga,Co−M
o,Fe−W,Ag−Snからなる各種合金等の酸化し
にくい金属からなることが好ましい(請求項11)。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】上記電池缶形成材料1はトランスファー絞
り加工あるいはDI絞り加工で筒形状の電池缶として形
成したところ、従来のニッケルメッキ製の電池缶形成材
料と同様の伸びを有し、割れを発生させることなく加工
できた。其の際、図4(A)に示すように、電池缶20
の外面側をニッケル板からなる合わせ材3とし、内面側
をニッケル合金板からなる合わせ材4としており、従来
のニッケルメッキ製の電池缶と同等以上の耐食性および
電池内部特性を備えていた。
り加工あるいはDI絞り加工で筒形状の電池缶として形
成したところ、従来のニッケルメッキ製の電池缶形成材
料と同様の伸びを有し、割れを発生させることなく加工
できた。其の際、図4(A)に示すように、電池缶20
の外面側をニッケル板からなる合わせ材3とし、内面側
をニッケル合金板からなる合わせ材4としており、従来
のニッケルメッキ製の電池缶と同等以上の耐食性および
電池内部特性を備えていた。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】図9(B)以下はクラッド鋼板の少なくと
も一面にメッキ層を設ける第3実施形態の変形例を示
し、図9(B)は母材2の一面にメッキ層8、他面に合
わせ材3、該合わせ材3の表面にカーボンを塗布して、
カーボン塗布層6を備えている。図9(C)は、母材2
の一面にメッキ層8、他面に合わせ材3を備え、メッキ
層8の表面にカーボン塗布層6を備えている。図9
(D)は母材2の一面に合わせ材3、その表面にメッキ
層8を設け、母材2の他面は露出させている。図9
(E)は、母材2の両面に同一種類あるいは異なる金属
種からなる合わせ材3、4を備え、一方の合わせ材3の
表面にメッキ層8を備えている。図9(F)では、合わ
せ材3、4の両方の表面にメッキ層8を備えている。図
9(G)は母材2の一面に合わせ材3、該合わせ材3の
表面にメッキ層8を備え、かつ、母材2の他面にメッキ
層8を備えている。なお、電池缶に加工した場合には、
図4(B)に示すように、電池缶20の外面側にNiメ
ッキ層8、内面側に合金からなる合わせ材4が位置する
構成となることが好ましい。
も一面にメッキ層を設ける第3実施形態の変形例を示
し、図9(B)は母材2の一面にメッキ層8、他面に合
わせ材3、該合わせ材3の表面にカーボンを塗布して、
カーボン塗布層6を備えている。図9(C)は、母材2
の一面にメッキ層8、他面に合わせ材3を備え、メッキ
層8の表面にカーボン塗布層6を備えている。図9
(D)は母材2の一面に合わせ材3、その表面にメッキ
層8を設け、母材2の他面は露出させている。図9
(E)は、母材2の両面に同一種類あるいは異なる金属
種からなる合わせ材3、4を備え、一方の合わせ材3の
表面にメッキ層8を備えている。図9(F)では、合わ
せ材3、4の両方の表面にメッキ層8を備えている。図
9(G)は母材2の一面に合わせ材3、該合わせ材3の
表面にメッキ層8を備え、かつ、母材2の他面にメッキ
層8を備えている。なお、電池缶に加工した場合には、
図4(B)に示すように、電池缶20の外面側にNiメ
ッキ層8、内面側に合金からなる合わせ材4が位置する
構成となることが好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
Claims (18)
- 【請求項1】 母材の両面に合わせ材を備えたクラッド
鋼を基材としており、母材は厚さが0.01mm〜0.
7mmの鋼板からなる一方、上記各合わせ材は厚さが1
0μm以下で、母材と相違する金属で且つ互いに相違す
る他の金属からなることを特徴とする電池缶形成材料。 - 【請求項2】 母材の両面に合わせ材を備えたクラッド
鋼を基材としており、母材は厚さが0.01mm〜0.
7mmの鋼板からなる一方、上記各合わせ材は厚さが1
0μm以下で、合わせ材同士は同一金属であるが、母材
とは相違する金属からなることを特徴とする電池缶形成
材料。 - 【請求項3】 母材の一面に合わせ材を備えたクラッド
鋼を基材としており、母材は厚さが0.01mm〜0.
7mmの鋼板からなる一方、上記合わせ材は厚さが10
μm以下で母材と相違する金属からなり、且つ、母材の
他面にメッキ層を備えていることを特徴とする電池缶形
成材料。 - 【請求項4】 母材の一面に合わせ材を備えたクラッド
鋼を基材としており、母材は厚さが0.01mm〜0.
7mmの鋼板からなる一方、上記合わせ材は厚さが10
μm以下で母材と相違する金属からなり、且つ、母材の
他面にカーボン塗布層を備えていることを特徴とする電
池缶形成材料。 - 【請求項5】 上記合わせ材の表面の少なくとも片面に
メッキ層を備えている請求項1乃至請求項4のいずれか
1項に記載の電池缶形成材料。 - 【請求項6】 上記合わせ材の表面の少なくとも片面に
カーボン塗布層を備えている請求項1乃至請求項5のい
ずれか1項に記載の電池缶形成材料。 - 【請求項7】 上記メッキ層の表面の少なくとも片面
に、カーボン塗布層を備えている請求項3または請求項
5に記載の電池缶形成材料。 - 【請求項8】 上記合わせ材は、ニッケル、ニッケル合
金、銅、銅合金、銀、金、チタンからなる請求項1乃至
請求項7のいずれか1項に記載の電池缶形成材料。 - 【請求項9】 電池缶形成時に、電池缶の外面に位置さ
せる合わせ材はニッケルであり、電池缶内面に位置させ
る合わせ材はニッケル合金からなる請求項8に記載の電
池缶形成材料。 - 【請求項10】 上記メッキ層は、Au,Ag,Mo,
Co,Ir,Rh,W,Zn等の接触電気抵抗の小さい
金属からなる請求項3、5、6、7、8、9のいずれか
1項に記載の電池缶形成材料。 - 【請求項11】 上記メッキ層は、C,Co,Pd等,
およびNi−C,Ni−Mn,Ni−Co,Ni−B,
Ni−Fe,Ni−Sn,Ni−Zn,Ni−Si,N
i−In,Ni−Ge,Ni−Se,Ni−Ln,Ni
−W,Ni−Ti,Ni−P,Ni−Mo,Ni−G
a,Co−Mo,Fe−W,Ag−Shからなる各種合
金等の酸化しにくい金属からなる請求項3、5、6、
7、8、9のいずれか1項に記載の電池缶形成材料。 - 【請求項12】 上記請求項1乃至請求項11のいずれ
か1項に記載の電池缶形成材料で形成された電池缶。 - 【請求項13】 連続鋳造された厚さ200mm〜30
0mmのスラブの少なくとも片面に、厚さ1mm〜5m
mのスラブと異なる金属からなる合わせ材を積層した
後、10%以下の幅絞めを施しながら熱間圧延を行い、
幅方向両端を加熱しながら巻き取り、その後、冷間圧延
を行って、上記スラブからなる母材の厚さを0.01m
m〜0.7mm、合わせ材の厚さを10μm以下とした
クラッド鋼としている電池缶形成材料の製造方法。 - 【請求項14】 連続鋳造されたスラブの少なくとも片
面に該スラブと異なる金属からなる合わせ材を積層した
積層体を2組設け、これら積層体の合わせ材の間に分離
材を塗布して積層した後、熱間圧延を所定の比率で圧延
し、その後、冷間圧延で所定の比率で圧延し、その後、
上記塗布した分離材の部分で分離して、上記スラブから
なる母材の厚さを0.01mm〜0.7mm、合わせ材
の厚さを10μm以下としたクラッド鋼としている電池
缶形成材料の製造方法。 - 【請求項15】 連続鋳造されたスラブの少なくとも片
面に該スラブと異なる金属からなる合わせ材を積層した
積層体を2組設け、これら積層体の母材の間にカーボン
粉末を塗布して積層した後、熱間圧延を所定の比率で圧
延し、その後、冷間圧延で所定の比率で圧延し、その
後、上記塗布したカーボン粉末の部分で分離して、上記
スラブからなる母材の厚さを0.01mm〜0.7m
m、母材の一面側の合わせ材の厚さを10μm以下で、
母材の他面にカーボン粉末が塗布されたクラッド鋼とし
ている電池缶形成材料の製造方法。 - 【請求項16】 連続鋳造されたスラブの両面に該スラ
ブと異なる金属からなる合わせ材を積層した積層体を2
組設け、これら積層体の合わせ材の間にカーボン粉末を
塗布して積層した後、熱間圧延を所定の比率で圧延し、
その後、冷間圧延で所定の比率で圧延し、その後、上記
塗布したカーボン粉末の部分で分離して、上記スラブか
らなる母材の厚さを0.01mm〜0.7mm、母材の
両面側の合わせ材の厚さを10μm以下で、一方の合わ
せ材の表面にカーボン粉末が塗布されたクラッド鋼とし
ている電池缶形成材料の製造方法。 - 【請求項17】 上記冷間圧延後に、合わせ材の表面あ
るいは/および母材の表面にメッキを施してメッキ層を
設けている請求項13乃至請求項16のいずれか1項に
記載の電池缶形成材料の製造方法。 - 【請求項18】 上記メッキ層を設けた後に、該メッキ
層の表面にカーボンを塗布してカーボン層を設けている
請求項17に記載の電池缶形成材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8242116A JPH1092395A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 電池缶形成材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8242116A JPH1092395A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 電池缶形成材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1092395A true JPH1092395A (ja) | 1998-04-10 |
Family
ID=17084544
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8242116A Pending JPH1092395A (ja) | 1996-09-12 | 1996-09-12 | 電池缶形成材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1092395A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000039861A1 (en) * | 1998-12-25 | 2000-07-06 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Clad metal plate for battery case, battery case and battery using the battery case |
WO2000074155A1 (en) * | 1999-05-27 | 2000-12-07 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Surface-treated steel sheet for battery case, battery case comprising the same, methods for producing them, and battery |
JP2007253331A (ja) * | 2006-03-20 | 2007-10-04 | Neomax Material:Kk | プレス成形用クラッド材及びそのクラッド材によってプレス成形されたシームレス缶 |
WO2017179492A1 (ja) * | 2016-04-13 | 2017-10-19 | 東洋鋼鈑株式会社 | 電池容器用金属板およびこの電池容器用金属板の製造方法 |
WO2018151318A1 (ja) * | 2017-02-20 | 2018-08-23 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板 |
WO2024202153A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | 日本製鉄株式会社 | ニッケルクラッド板、及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-09-12 JP JP8242116A patent/JPH1092395A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000039861A1 (en) * | 1998-12-25 | 2000-07-06 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Clad metal plate for battery case, battery case and battery using the battery case |
WO2000074155A1 (en) * | 1999-05-27 | 2000-12-07 | Toyo Kohan Co., Ltd. | Surface-treated steel sheet for battery case, battery case comprising the same, methods for producing them, and battery |
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CN108701782A (zh) * | 2016-04-13 | 2018-10-23 | 东洋钢钣株式会社 | 电池容器用金属板及该电池容器用金属板的制造方法 |
CN108701782B (zh) * | 2016-04-13 | 2021-07-16 | 东洋钢钣株式会社 | 电池容器用金属板及该电池容器用金属板的制造方法 |
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JP6428968B1 (ja) * | 2017-02-20 | 2018-11-28 | 新日鐵住金株式会社 | 鋼板 |
US11408045B2 (en) | 2017-02-20 | 2022-08-09 | Nippon Steel Corporation | Steel sheet |
WO2024202153A1 (ja) * | 2023-03-29 | 2024-10-03 | 日本製鉄株式会社 | ニッケルクラッド板、及びその製造方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040914 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050125 |