JP2000233299A - プレス成形用構造体及び成形方法 - Google Patents

プレス成形用構造体及び成形方法

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JP2000233299A
JP2000233299A JP11035049A JP3504999A JP2000233299A JP 2000233299 A JP2000233299 A JP 2000233299A JP 11035049 A JP11035049 A JP 11035049A JP 3504999 A JP3504999 A JP 3504999A JP 2000233299 A JP2000233299 A JP 2000233299A
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punches
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powder
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JP11035049A
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Koichiro Ejima
光一郎 江島
Katsuaki Okabe
勝明 岡部
Mitsuteru Toishi
光輝 戸石
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Dowa Holdings Co Ltd
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Dowa Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造体が大型化してもパンチの摺動性を損な
う心配が無くて,繰り返し成形を行っても粉漏れが発生
せず,またパンチ内面と粉体の付着も生じないプレス成
形用構造体及び成形方法を提供する。 【解決手段】 金属製の型枠2と金属製の上下のパンチ
3,4を備え,型枠2内に挿入した上下のパンチ3,4
の内面同士の間で粉体を静水圧プレス成形する成形用の
構造体1である。上下のパンチ3,4の内面に樹脂層を
それぞれ設け,型枠2の内側面2aに沿って摺動する上
下のパンチ3,4の周面にも樹脂層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えばセラミック
ス原料粉や金属粉などの粉体を板形状などといった所望
の形状にプレス成形する際に利用されるプレス成形用構
造体と成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス製造や粉末冶金で行われる
板状厚物(板の厚さt=1mm以上)の成形について
は,金型プレス成形や鋳込み成形,静水圧プレス成形等
が用いられる。この中で本発明者らは静水圧プレス成形
法について特公平8−9120号に開示したように,樹
脂製の組立式型枠と同材質の上下パンチを型枠内面で摺
動自在に挿入した構造体を用いて粉末を板状に成形する
方法を提案している。この方法は,従来のゴム型を使う
静水圧プレス成形に比べて,形状精度が高いことが特徴
である。また,一軸の油圧プレスと比較しても遜色無い
形状精度が得られ,かつ通常の一軸プレスの金型に比べ
型枠構造体のコストがかからないことから特に大型板状
の成形体に適用できることや型抜き時のスプリングバッ
クによる割れに対しても効果があることを示している。
【0003】この様な板状成形体は,成形後,焼成−加
工が施され,ターゲット材や耐摩耗材などに用いること
ができる。例えばLCD(液晶ディスプレイ)や半導体
の製造では,セラミックスや金属からなるターゲットに
加速した粒子を衝突させ,衝撃で飛び出た原子をガラス
基板に蒸着させるスパッタリング法が行われる。各ター
ゲット材については,LCDの大型化に伴い,ターゲッ
トの大型化の要求が高くなってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】大型の圧粉成形体など
を成形する場合,上記技術を用いて更に大型化の検討を
行ったところ,樹脂製の構造体を利用すると樹脂型で3
00×300mm以上の型枠の加工を精度良く行うのが
難しいうえに,大型化した樹脂型構造体で成形を行う
と,型枠やパンチの変形も大きくなり形状精度が安定し
なかった。また,成形中の型枠の変形により隙間から粉
漏れが発生し,成型密度むらや厚さのばらつきが非常に
大きくなった。金属製の構造体でも,特に構造体が大型
化すると,型枠の内側面に沿って摺動するパンチの摺動
性が悪くなり,パンチの内面全体で均一な圧縮ができな
くなって成形密度むらや厚さのばらつきが大きくなる問
題があった。更に繰り返し成形を行った場合,型枠の変
形やパンチ周面の摩耗変形により,型枠の内側面とパン
チの周面とのクリアランスが次第に大きくなって,隙間
から粉漏れが発生し,粉漏れによって粉体充填が少なく
なったところは密度が低くなったりパンチが傾いて厚さ
が薄くなったりし,これにより成形密度むらや厚さのば
らつきがより大きくなる問題があった。またパンチ内面
と粉体の付着も発生し,成形板の表面性状が粗くなるだ
けではなく,成形体が層状に割れることもあった。
【0005】本発明の目的は,構造体が大型化してもパ
ンチの摺動性を損なわず,繰り返し成形を行っても粉漏
れが発生せず,またパンチ内面と粉体の付着も生じない
プレス成形用構造体及び成形方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に,請求項1の発明にあっては,金属製の型枠と金属製
の上下のパンチを備え,前記型枠内に挿入した前記上下
のパンチの内面同士の間で粉体を静水圧プレスを用いて
プレス成形する成形用の構造体であって,前記上下のパ
ンチの内面に樹脂層をそれぞれ設けると共に,前記型枠
の内側面に沿って摺動する前記上下のパンチの周面に樹
脂層を設けたことを特徴としている。
【0007】ここでいう静水圧プレスとは,水圧に限ら
ず,水圧の代わりに油圧等のように水以外の他の液体に
よる加圧に置き換えたプレスをすべて含む。この請求項
1のプレス成形用構造体において,型枠内に挿入した上
下のパンチの内面同士の間で粉体を静水圧プレスを用い
てプレス成形する。その際,この請求項1のプレス成形
用構造体によれば,上下のパンチの内面に樹脂層が設け
られているので,パンチ内面と粉体の付着が生じること
がなく,成形板の表面性状があれたり,解枠時に成型割
れを起こす心配がない。また上下のパンチの周面に樹脂
層が設けられているので,上下のパンチは型枠の内側面
に沿って滑らかに摺動し,パンチの内面全体で均一な圧
縮を行うことにより,成形密度むらや厚さのばらつきが
抑制され,更に型枠の変形やパンチ周面の摩耗変形もほ
とんどないので粉漏れも発生しない。また上下のパンチ
の周面に樹脂層が設けられていることにより,例えば成
型中に型枠が変形しても,上下のパンチの周面と型枠の
内側面との間に生じた隙間を樹脂層の変形などによって
吸収して埋めることができ,そのような隙間から生ずる
粉漏れを防止できる。
【0008】この請求項1のプレス成形用構造体におい
て,樹脂層は上下のパンチへの樹脂コーティングなどに
よって設けても良いが,請求項2に記載したように,前
記樹脂層は樹脂シートとし,該樹脂シートを上下のパン
チの内面や周面に貼り付けても良い。なお成型後に上下
のパンチの内面などでは樹脂層が剥がれたり表面があれ
ることなどもあるので,交換のし易さを考慮すると樹脂
シートを利用することが好ましい。またこの場合,樹脂
シートの材質としては,上下のパンチの内面への粉体の
付着防止や型枠の内側面との摺動性などを考慮すると,
請求項3に記載したように,前記樹脂シートはフッ素樹
脂シートであることが好ましい。このようなフッ素樹脂
シートを前記上下のパンチの内面や周面に装着すること
によって,パンチ内面と粉体の付着を抑制でき,また上
下のパンチを型枠の内側面に沿って滑らかに摺動させる
ことができるようになる。
【0009】また請求項4に記載したように,前記型枠
の内側面の表面粗さが,中心線平均粗さRaにおいて
1.6a以下(中心線平均粗さRaが1.6μm以下)
であることが好ましい。これにより,上下のパンチを型
枠の内側面に沿ってより滑らかに摺動させることができ
るようになる。なお,ここでいう中心線平均粗さRaに
おいて1.6a以下の表面粗さとは,JIS B 00
31(面の肌の図示方法)やJIS B 0601(表
面粗さの定義と表示)に定められる仕上げ記号におい
て,三角が3つ以上付される程度の表面粗さを示し,実
質的には上下のパンチの摺動を阻害するようなキズが前
記型枠の内側面に無いことを意味している。
【0010】また請求項5の発明は,金属製の型枠内に
金属製の上下のパンチを挿入し,前記上下のパンチの内
面同士の間で粉体を静水圧プレスを用いてプレス成形す
る成形方法であって,前記型枠内に前記上下のパンチを
挿入するに際し,前記上下のパンチの内面と前記型枠の
内側面に沿って摺動する前記上下のパンチの周面に予め
樹脂シートを配置することを特徴としている。ここでい
う静水圧プレスとは,水圧に限らず,水圧の代わりに油
圧等のように水以外の他の液体による加圧に置き換えた
プレスをすべて含む。この請求項5のプレス成形方法に
おいて,請求項6に記載したように,前記樹脂シートは
フッ素樹脂シートであることが好ましい。また請求項7
に記載したように,前記プレス成形後,先に型枠を外し
てから上下のパンチを外すことが,スプリングバックに
よる成型体の破損を防止する上で好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下,本発明の好ましい実施の形
態を図面を用いて説明する。図1は,本発明の実施の形
態にかかるプレス成形用の構造体1の分解斜視図であ
る。この構造体1は型枠2と上下のパンチ3,4を備え
ている。型枠2と上下のパンチ3,4はいずれも金属製
である。型枠2は,後述するプレス成型時の圧縮に耐え
られるように,例えばS45C以上の強度を持った鋼材
などで形成されることが望ましい。一方,上下のパンチ
3,4は,後述するプレス成型時に塑性変形を生じるこ
とが無く,また割れ等に対する強度も強い金属であれば
良いが,重量を軽減するために例えばアルミニウムなど
で作製されることが望ましい。
【0012】型枠2は,一対の横枠5,5と一対の縦枠
6,6で構成されており,図1に示すように,長方形に
配置したこれら横枠5,5と縦枠6,6の端部をネジ7
によってそれぞれ脱着自在に固定することにより,型枠
2の内部には長方形の空間8が形成されている。またこ
の実施の形態では,型枠2の内側面2aの表面粗さは,
中心線平均粗さRaにおいて1.6a以下に形成されて
いる。このような表面粗さは,例えば型枠2の内側面2
aを研磨したり,型枠2の内側面2aに光沢メッキ等の
加工を施すことによって達成できる。
【0013】上下のパンチ3,4の外周形状は,平面視
においていずれも型枠2の内部に形成される空間8とほ
ぼ等しいか,もしくはそれよりも僅かに小さい長方形に
形成されており,これらパンチ3,4は,水平な姿勢を
保ったまま,水平に配置された型枠2の空間8に上下か
ら挿入できるようになっている。
【0014】上下のパンチ3,4の内面(上のパンチ3
にあっては下面,下のパンチ4にあっては上面)と上下
のパンチ3,4の周面(図1において符号3a,4aで
示される上下のパンチ3,4の外側面)には,いずれも
樹脂シート10が装着されている。即ち上のパンチ3に
ついて代表して説明すると,図2に示すように,上のパ
ンチ3の内面を下にして樹脂シート10の上に載せ,樹
脂シート10の辺縁部10’を上のパンチ3の裏面(図
2では上面)側に折り返すことにより,上のパンチ3の
内面と周面は,いずれも樹脂シート10によって覆われ
た状態になっている。なお,折り返した樹脂シート10
の辺縁部10’はパンチ3の裏面にテープ11で固定さ
れている。樹脂シート10としてはフッ素樹脂(PTF
E)シートが好適であるが,その他,ビニールシートな
ども利用できる。フッ素樹脂シートを用いる場合は,そ
の厚さは例えば0.01〜0.05mmとすることがで
きる。なお代表して上のパンチ3について説明したが,
下のパンチ4の内面(上面)と周面も同様に樹脂シート
10によって覆われている。
【0015】次に,以上のような構造体1を用いたプレ
ス成形方法を説明する。先ず図3に示すように,型枠2
の空間8に下から下のパンチ4を挿入する。この場合,
図3に示すように,下のパンチ4の挿入位置を調節する
ために,スペーサー20を用いても良い。
【0016】また挿入の前に下のパンチ4には,先に説
明したように樹脂シート10を装着し,下のパンチ4の
内面(上面)と周面を予め樹脂シート10によって覆っ
ておく。これにより,挿入の際には下のパンチ4の周面
は型枠2の内側面2aに直接接触せず,型枠2の内側面
2aには樹脂シート10の表面が接触することとなり,
更に型枠2の内側面2aの表面粗さが中心線平均粗さR
aにおいて好ましくは1.6a以下に形成されているこ
とから,下のパンチ4を型枠2の内側面2aに沿って滑
らかに摺動させることが可能となる。
【0017】次に図4に示すように,型枠2の空間8に
上から粉体21を入れ,更にスクレーパ22等によって
粉体21の表面をならすことにより,下のパンチ4の内
面の上に全体的に均一に粉体21を載せる。
【0018】次に図5に示すように,型枠2の空間8に
上から上のパンチ3を挿入する。この場合も図5に示す
ように,上のパンチ3の挿入位置を調節するために,ス
ペーサー20を用いても良い。
【0019】また同様に,挿入の前に上のパンチ3に
は,先に説明したように樹脂シート10を装着し,上の
パンチ3の内面(下面)と周面を予め樹脂シート10に
よって覆っておく。これにより,挿入の際には上のパン
チ3の周面は型枠2の内側面2aに直接接触せず,型枠
2の内側面2aには樹脂シート10の表面が接触するこ
ととなり,更に型枠2の内側面2aの表面粗さが中心線
平均粗さRaにおいて好ましくは1.6a以下に形成さ
れていることから,上のパンチ3を型枠2の内側面2a
に沿って滑らかに摺動させることが可能となる。
【0020】このようにして型枠2内に挿入した上下の
パンチ3,4の内面同士の間で粉体21を挟んだ後,図
6に示すように,必要に応じて型枠2の外側からゴムバ
ンド25で固定し,更にシールパック26で密封してか
ら,外側から静水圧を付加して粉体21をプレス成形す
る。このようにプレス成形が行われる際には,上下のパ
ンチ3,4の内面(上のパンチ3にあっては下面,下の
パンチ4にあっては上面)が樹脂シート10で覆われて
いるので,上下のパンチ3,4の内面と粉体21の付着
が生じることがない。また上下のパンチ3,4の周面も
樹脂シート10で覆われており,更に型枠2の内側面2
aの表面粗さが中心線平均粗さRaにおいて1.6a以
下に形成されていることから,上下のパンチ3,4は型
枠2の内側面2aに沿って滑らかに摺動し,上下のパン
チ3,4の内面全体で均一な圧縮を行うことができる。
このため,成形密度むらや厚さのばらつきが抑制され,
更に型枠2の変形もなく,また上下のパンチ3,4の周
面の摩耗変形もほとんどない。
【0021】そしてこのようにプレス成形を終了した
後,必要に応じて型枠2の外側に装着したシールパック
26とゴムバンド25を外す。そして図7に示すよう
に,先に型枠2を分解してから,上のパンチ3を取り外
すことにより,成形板30を得る。なお型枠2の分解
は,先に図1で説明したネジ7を外して,横枠5,5と
縦枠6,6を分解することにより容易に行うことができ
る。また上のパンチ3を取り外す際には,上のパンチ3
の内面(下面)が樹脂シート10で覆われていることに
より,上のパンチ3の内面と成形板30の表面(図7で
は成形板30の上面)との付着が発生せず,上のパンチ
3を成形板30から円滑に剥がすことができる。また同
様に,下のパンチ4の内面(上面)も樹脂シート10で
覆われているので,成形板30を持ち上げる際にも下の
パンチ4の内面が成形板30の表面(図7では成形板3
0の下面)と付着しない。このため,成形板30の表面
性状を劣化させる心配がない。ここで一般に金型成型の
際は,型枠から成形板を抜き取る場合,型枠を固定して
上のパンチを押さえながら下のパンチを上昇させること
が多いが,成形板の寸法が大きい場合,そのような手順
によると型枠から解放されたときのスプリングバックが
大きく割れの原因となる。しかし,この実施の形態で説
明したように,先に型枠2を分解してから,上のパンチ
3を取り外せば,スプリングバックによる割れを発生さ
せないようにして成形板30を得ることができる。
【0022】そして,このようにしてプレス成形して得
た成形板30を,更にプレス成形して2次成形しても良
い。この実施の形態によれば,上下のパンチ3,4の周
面と型枠2の内側面2aの摺動性を損なう心配が無く,
上下のパンチ3,4の周面や型枠2の内側面2aを摩擦
で損耗する心配が無いので,繰り返し成形を行っても上
下のパンチ3,4の周面と型枠2の内側面2aとのクリ
アランスが一定に保たれ,上下のパンチ3,4の周面と
型枠2の内側面2aとのクリアランスを例えば0.1m
m以内に収めることができ,隙間からの粉漏れを防止で
きる。
【0023】以上,本発明の好ましい実施の形態の一例
を説明したが,本発明はここで説明した形態に限定され
ない。例えば樹脂シート10はフッ素樹脂シートに限ら
ず,ビニールシートも利用できる。なお,上下のパンチ
3,4に樹脂シート10を装着する際には樹脂シート1
0がしわを生じないようにすることが望ましい。また,
圧縮成型を行うごとに樹脂シート10を交換することが
望ましい。更に,樹脂シート10に代えて,上下のパン
チ3,4の内面や周面にフッ素樹脂などをコーティング
して樹脂層を形成しても良い。また,圧縮成型を行うご
とに上下のパンチ3,4の内面及び周面や型枠2の内側
面2aなどに滑剤を塗布しても良い。なお図7に示すよ
うに型枠2を分解する際には,成形板30になるべく応
力をかけないようにして,成形板30のスプリングバッ
クを解放して割れを防ぐのが良い。
【0024】
【実施例】(実施例1)本発明の実施の形態で説明した
構造体を実際に用いて粉体を圧縮成型した。型枠はS4
5C製であり,型枠の内面にはメッキ加工を施した。上
下のパンチはいずれも厚さ約15mmのアルミニウム板
であり,内面(Ra1.0μm)の面積はいずれも57
4×714mmである。粉体にはアルミナ顆粒(スプレ
ー造粒品)を12kg使用した。樹脂シートはフッ素樹
脂シート(厚さ0.05mm)とし,圧縮成型を行うご
とに交換した。型枠内に上下のパンチを挿入して粉体を
挟んだ後,ゴムバンドを装着し,全体をゴム枠で包んだ
後,更にビニールテープでシールした。これをφ150
0×2000mmのラバープレス機にいれ,静水圧にて
1t/cmまで加圧して30秒保持した後,降圧し
た。その後,先に型枠を外してから上下のパンチを外す
ことにより,構造体を分解して成形板を得た。同様の圧
縮成型を10回繰り返した。その結果,スプリングバッ
クによる割れも発生せず,成形板は問題なく成形でき,
パンチ内面への粉体の付着もパンチを外す際の成形体の
剥離も見られず,上下のパンチのズレや粉漏れ,パンチ
の摺動時の引っかかり等による成形板の厚みの偏りもみ
られなかった。得られた成形体はほぼ714×574m
m厚さは14mmプラスマイナス1mmであり,外周部
の角部に僅かな欠けがあるものの,ほぼ金型プレス成形
並の形状が得られた。
【0025】(比較例)実施例1と同様の寸法でフッ素
樹脂シートを用いずに同様の条件で成型を行ったとこ
ろ,成型後のパンチに粉付着が生じ,パンチを外す際に
成形体の剥離が見られた。また同じ操作で成型を行った
場合,枠内面にキズがつき,この枠体を用いて成型する
と,成型時にパンチが摺動せず,圧力が粉体に充分に伝
わらずに成型密度が高くならず,成形体に割れを生じ
た。
【0026】(実施例2)実施例1と同様の構造体を用
いて透明導電膜(スパッタ膜)形成法として用いられる
ITO(インジウムスズ複合酸化物)焼結体の作製を行
った。ITO造粒粉としては,比表面積33m/gの
酸化インジウム粉に比表面積4m/gの酸化スズ粉を
ITO焼結体中の酸化スズ換算で10%混合した粉を湿
式ビーズミルで分散処理し,レーザー散乱径でD50
0.6μm,D90が1.8μmであるスラリーとし
て,このスラリーを噴霧乾燥して造粒径がSEM径で3
2μm,安息角が23度にした流動性の高い造粒粉とし
たものを用いた。実施例1の構造体にこのITO造粒粉
を20kg充填し,実施例1と同様の操作でラバープレ
ス機に入れ,静水圧にて0.5t/cmまで加圧し3
0秒保持した後,降圧した。その後,構造体の型枠を外
した後,パンチを取り外して成形体(寸法は714×5
74×14mm)を得た。その結果,実施例1と同様に
スプリングバックによる割れも発生せず,パンチ内面へ
の粉体の付着やパンチを外す際の成形体の剥離も見られ
ずに,問題なく成形体を得ることができた。更にこの成
形体を伸縮性のある防水シート(ビニールシート)で真
空パックし,再度ラバープレス機で2t/cmの圧力
で2次成形を行った。成形体の相対密度は53%であっ
た。この成形体を酸素雰囲気炉で1550゜C,10時
間で焼成したところ,相対密度98%,寸法は2次成型
焼成時の収縮により約520×420×12mmの焼結
体が得られた。この焼結体の厚さのばらつき範囲は1.
0mmであった。
【0027】
【発明の効果】請求項1〜7によれば,構造体が大型化
してもパンチの摺動性を損なう心配が無く,成形密度む
らや厚さのばらつきが抑制される。また繰り返し成形を
行っても上下のパンチの周面と型枠の内側面とのクリア
ランスが一定に保たれるので,隙間からの粉漏れも防止
できる。更に上下のパンチの内面と成形板の表面との付
着が発生せず,成形板の表面性状を劣化させる心配がな
い。特に請求項7のように,プレス成形後,先に型枠を
外してから上下のパンチを外すことにより,スプリング
バックによる割れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるプレス成形用の構
造体の分解斜視図である。
【図2】上下のパンチに樹脂シートを装着した状態を示
す斜視図である。
【図3】型枠に下のパンチを挿入した状態を示す断面図
である。
【図4】型枠内に粉体を入れた状態を示す断面図であ
る。
【図5】型枠に上のパンチを挿入した状態を示す断面図
である。
【図6】静水圧プレス成形した状態を示す断面図であ
る。
【図7】静水圧プレス成形後,型枠を分解し,上のパン
チを取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 構造体 2 型枠 2a 内側面 3 上のパンチ3 4 下のパンチ 5 横枠 6 縦枠 7 ネジ 8 空間 10 樹脂シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸石 光輝 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内 Fターム(参考) 4E050 JA01 JA02 JA08 JB10 JC02 JC03 JD07 4G054 AA05 AB00 AC00 BE07 4K018 CA13 CA17 CA23

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の型枠と金属製の上下のパンチを
    備え,前記型枠内に挿入した前記上下のパンチの内面同
    士の間で粉体を静水圧プレスを用いてプレス成形する成
    形用の構造体であって,前記上下のパンチの内面に樹脂
    層をそれぞれ設けると共に,前記型枠の内側面に沿って
    摺動する前記上下のパンチの周面に樹脂層を設けたこと
    を特徴とする,プレス成形用構造体。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層は樹脂シートであることを特
    徴とする,請求項1のプレス成形用構造体。
  3. 【請求項3】 前記樹脂シートはフッ素樹脂シートであ
    ることを特徴とする,請求項2のプレス成形用構造体。
  4. 【請求項4】 前記型枠の内側面の表面粗さが,中心線
    平均粗さRaにおいて1.6a以下であることを特徴と
    する,請求項1,2又は3のいずれかのプレス成形用構
    造体。
  5. 【請求項5】 金属製の型枠内に金属製の上下のパンチ
    を挿入し,前記上下のパンチの内面同士の間で粉体を静
    水圧プレスを用いてプレス成形する成形方法であって,
    前記型枠内に前記上下のパンチを挿入するに際し,前記
    上下のパンチの内面と前記型枠の内側面に沿って摺動す
    る前記上下のパンチの周面に予め樹脂シートを配置する
    ことを特徴とする,プレス成形方法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂シートはフッ素樹脂シートであ
    ることを特徴とする,請求項5のプレス成形方法。
  7. 【請求項7】 前記プレス成形後,先に型枠を外してか
    ら上下のパンチを外すことを特徴とする,請求項5又は
    6のプレス成形方法。
JP11035049A 1999-02-12 1999-02-12 プレス成形用構造体及び成形方法 Pending JP2000233299A (ja)

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