JP2023069670A - 成形体の製造方法、成形体及びスパッタリングターゲット - Google Patents

成形体の製造方法、成形体及びスパッタリングターゲット Download PDF

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Susumu Okano
幸也 杉内
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Abstract

【課題】成形体のCIP時の割れの発生、その後の後工程における割れの発生を防止できる成形体の製造方法、成形体及びスパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】成形型は、底面部と、側面部と、天面部と、を備え、底面部、側面部及び天面部のそれぞれが曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材により形成されており、成形型内に粉末材料を充填する充填工程と、充填工程後の成形型を真空パックして密封状態とする真空パック工程と、真空パック工程後の成形型の底面部の外底面と天面部の上面とに成形型の素材より曲げ剛性の高い補強板を当接させた状態で、補強板をばねにより、0.004N/mm2以上冷間等方圧加工法の加圧力以下の圧力で押圧する補強工程と、ばねにより押圧された状態の成形型を冷間等方圧加圧法により加圧する加圧工程とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、スパッタリングターゲット等に用いられる成形体の製造方法、成形体及びスパッタリングターゲットに関する。
従来、粉末材料からスパッタリングターゲットを製作する場合には、粉末材料を加圧して成形体を製造し、その成形体を焼成することが行われる。この場合、高密度の成形体を得るための成形方法として、冷間等方圧加工法(Cold Isostatic Pressing法)が用いられることが多い。冷間等方圧加工法では、加圧による変形抵抗の少ない材料で形成された成形型の中に粉末材料が密封され、この成形型の周囲より流体圧が加えられることで、成形体表面が一様の加圧力を受けて、方向性なく圧縮成形される。
このような冷間等方圧加工法(以下、CIP法と称す)により成形体を成形する製造方法として、例えば、特許文献1が開示されている。特許文献1に記載のスパッタリングターゲットの製造方法は、ゴム型に粉末を充填して、CIP法にて直接高圧成形している。しかし、特許文献1に記載の成形体の製造方法では、ゴム型が肉厚に構成されているために、加圧時には、曲げ応力が発生して中央部が大きく変形する。このため、得られる成形体は面方向における中央部の厚みが端部よりも小さくなるため、成形体の断面形状が鼓状となり、形状精度の悪い成形体しか得られない。
このような問題を解決するため、特許文献2に記載の成形体の成形型が提案されている。この特許文献2に記載の成形型は、冷間静水圧プレスでの加圧においても変形を起こさない板材と、加圧時に容易に収縮または変形するが、減圧時に復元力を発生させない部材とで構成されており、型の外部からスプリングやゴムバンドを用いてその復元力以上の力を加えた状態で成形している。これにより、成形後の減圧したときに、スプリングバックに起因して成形体と枠との間に生じる応力によって成形体が割れることを防止している。
特開2003-3257号公報 特許第4830276号公報
しかしながら、この特許文献2に記載の方法では、成形時に復元力以上の力で型上下面が加圧されていることから粉末の成形が阻害され、密度斑のある成形体となるおそれがある。その結果、割れの発生、その後の焼成工程における割れの発生を防止しきれない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スパッタリングターゲット等に用いられる成形体をCIP法で成形する際の成形時の割れの発生、その後の後工程における割れの発生を防止できる成形体の製造方法、成形体及びスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明の成形体の製造方法は、成形型内に充填した粉末材料を冷間等方圧加工法により加圧して成形体を製造する成形体の製造方法であって、前記成形型は、底面部と、前記底面部の周囲から立ち上がる側面部と、前記側面部を介して前記底面部に対向して配置される天面部と、を備え、前記底面部、前記側面部及び前記天面部のそれぞれが曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材により形成されており、該成形型内に前記粉末材料を充填する充填工程と、充填工程後の前記成形型を真空パックして密封状態とする真空パック工程と、真空パック工程後の前記成形型の前記底面部の外底面と前記天面部の上面とに前記成形型の素材より曲げ剛性の高い補強板を当接させた状態で、前記補強板をばねにより、0.004N/mm以上前記冷間等方圧加工法の加圧力以下の圧力で押圧する補強工程と、前記ばねにより押圧された状態の前記成形型を冷間等方圧加圧法により加圧する加圧工程とを備える。
上記曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材としては、例えば、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴム等を挙げることができる。
本発明では、成形体となる原料粉末が接触する成形型の天面部、底面部及び側面部のいずれもが面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さいので、CIP法による加圧工程において、粉末材料の収縮に追従するように、鉛直方向及び水平方向のいずれの方向にも収縮変形して、粉末材料全体に均等に力を加えることができ、成形体の密度ムラをより小さくして均一な密度の成形体を製造することができる。また、板材より曲げ剛性の高い補強板をばねにより0.004N/mm以上の圧力で押圧した状態で成形型を冷間等方圧加圧法により加圧するので、反りの発生を防止でき、これにより形状精度の良い成形体を得ることができる。
なお、ばねの押圧力が0.004N/mm未満であると成形型を適切に押圧できず、成形体の反りを抑制できない可能性があり、冷間等方圧加工法の加圧力以上の圧力で押圧すると、成形時の粉末の移動が阻害されて割れが生じるおそれがあり、また、成形型の天面部の上面及び底面部の下面にかかる圧力と側面部にかかる圧力とが異なることとなるため、成形型を均等に押圧することができず、成形体の密度ムラを小さくできない可能性がある。
本発明の成形体は、スパッタリングターゲット用成形体であって、相対密度のばらつきσが1.6以下であるとよい。
本発明では、相対密度のばらつきσが1.6以下と密度のムラが少ないので、品質にばらつきのないスパッタリングターゲットに適した高品質の成形体となる。この成形体に焼結工程を施して、必要な仕上げ工程を施すことにより、スパッタリングターゲットが製造されるが、成形体の密度ムラが小さいので、成形体に対して後工程(例えば、焼結工程及び仕上げ工程等)を施す際に割れが発生することを抑制できる。
本発明のスパッタリングターゲットは、相対密度のばらつきσが1.6以下であるとよい。
本発明では、相対密度のばらつきσが1.6以下と密度のムラが少ないので、高品質のスパッタリングを行うことができる。
本発明によれば、スパッタリングターゲット等に用いられる成形体をCIP法で成形する際の成形時の割れの発生、その後の後工程における割れの発生を防止できる。
本発明の一実施形態の製造方法によって製造されるスパッタリングターゲットを示す斜視図である。 本実施形態の成形型を示す分解斜視図である。 図1の成形型に用いられている段ボールを示す断面図である。 型枠内に粉末材料を充填して蓋体を装着する状態を示す斜視図である。 型に真空パックを施した状態を示す斜視図である。 真空パック品に補強板を配置する状態を示す斜視図である。 補強板を両側からばねにより押圧する状態を示す平面図である。 厚さの測定点、及び密度の測定点を示す模式図である。
以下、本発明のスパッタリングターゲット等に用いられる成形体の製造方法及び成形体の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、成形体として焼結することによりスパッタリングターゲットとなるスパッタリングターゲット用成形体を一例に挙げて説明する。
図1は、第1実施形態の製造方法で製造されるスパッタリングターゲットを示している。このスパッタリングターゲット1は、金属、あるいは酸化物、炭化物、窒化物等のセラミックス、もしくはこれらの混合物により形成されている。例えば、Cu、Al、W、Cr、Ti、ZnO、WO、WO、SiO、Y、TiO、Al、In、SnO、ZrO、NbC、WC、SiC、CuGa、ITO(In-SnO)、IGZO(InGaZnO)、AZO(Al-ZnO)、ZrO-SiO-In、Cr-CrOなどが用いられる。
また、図1に示す例では、平面視が正方形の平板状に形成されている。大きいものでは、例えば600mm×300mmの平面サイズを有する。
このスパッタリングターゲット1は、成形型21内に上に列挙した組成から選ばれる粉末材料2を充填し、真空パックした後、加圧することにより、圧粉体である成形体を製造し、その後、焼結工程、後加工工程を経て製造される。成形体の製造工程は、型枠準備工程、材料充填工程、型組立工程、真空パック工程、補強工程、加圧工程の順に実施される。
成形型21は、図2に示すように、本発明の底面部及び側面部を構成する段ボール製の型枠22と、同じく段ボール製の本発明の天面部を構成する蓋体23と、必要に応じて設けられる離型紙24とを備えている。型枠22は、正方形状の底面部25と、底面部25の各辺から立ち上がる四つの側面部26と、開口部27とを有し、上方を開口した箱状に形成されている。蓋体23は、その型枠22の側面部26の上端に載置し得る正方形状に形成され、型枠22の開口部27を閉塞する。
これら型枠22及び蓋体23は、面方向に沿う外力に対して容易に変形が可能な部材により形成されている。このような部材としては、段ボール、厚紙、樹脂フィルムを例示でき、本実施形態では、段ボールにより成形型21(型枠22及び蓋体23)が形成されている。
型枠22及び蓋体23を構成する段ボール31は、図3に示すように、ライナ32と中芯33とを一体化したトラス構造の断面を有している。ライナ32は段ボール31の表裏に用いられる板紙であり、中芯33は波形に形成された板紙である。JIS規格では、段ボール31は、Aフルート、Bフルート、Cフルート、Eフルート、Fフルート、Gフルートが規定され、Gに近づくほど細かい波形となる。いずれも中芯33が波板状に形成されていることから、内部が三角形を連ねたトラス構造に形成されており、外部より面方向と直交する方向に力が加わったときには、このトラス構造により力が分散されて剛性が確保される。一方、この曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗は小さく、外力によって面方向に沿って圧縮力が作用したときには、全体が折りたたまれるように容易に変形する(変形度が大きい)ことができる。
本実施形態に使用する段ボール31としては、後述する真空パック形成工程後まで強度が保たれる程度であればよく、例えばEフルートが使用される。Eフルートは、図3に示すように、両面ライナ32の間に、波形の段の数が30cmの範囲で93±5個の中芯33が配置され、ライナ32及び中芯33を合わせた厚さが約1.5mmに規定される。
離型紙24は、例えば防湿紙や普通紙などからなり、型枠22及び蓋体23の内面を覆うように設けられる。図2に示す例では、複数枚の半透明の離型紙24を組み合わせて型枠22の内面を覆い、また、充填された粉末材料の上面にも重ね得る大きさに設定されている。この離型紙24を型枠22及び蓋体23の内面を覆うように設けることにより、成形後の圧粉体である成形体が離型しやすくなり、成形体の欠け等が防止される。成形体に欠け等が生じ難い場合は、離型紙24は使用しなくてもよい。
(型枠準備工程)
まず、型枠準備工程において、前述の型枠(段ボール製型枠)22を用意する。必要に応じて、底面部25と側面部26との角部、側面部26どうしの角部の外面にテープ等を貼り付けて補強してもよい。
次に、型枠22の内面に離型紙24を配置する。
(材料充填工程)
次に、型枠22の開口部27まで粉末材料Pを充填する。この粉末材料Pは、金属粉末材料、酸化物粉末、炭化物粉末、又は窒化物粉末、あるいはこれらの混合粉等からなり、具体的には先に列挙した組成から選ばれる材料であり、バインダー等が混合される場合もある。
例えば、酸化物粉末としてZnO粉末は、メディアミルとしてはボールミル、バスケットミル、ビーズミル等を用いられ、分散材としてポリカルボン酸、ナフタレン、スルホン酸等を用い、水を溶剤として湿式粉砕混合により、粒径(D50)が0.1μm~50μm、純度99%以上の粉末に作製される。このZnOの原料粉末にバインダーとしてポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂を混合し、スプレードライ方式により250μm以下に分級される。
金属性の粉末材料は、例えば、Cu粉末の場合は乾式混合機により作製することができる。
(型組立工程)
粉末材料Pを型枠22の開口部27まで充填した後、図4に示すように、その上に離型紙24及び蓋体23を被せることで開口部27を閉塞し、型21を構成する。
(真空パック工程)
続いて、内部に粉末材料Pが充填された型21の外側を覆うように樹脂フィルム35により真空パックを施す。これにより、型21の内部が密封された状態となり、真空引きにより粉末材料P中の空隙がほぼなくなることから、硬い真空パック品36が形成される。この真空パック品36は、図5に示すように、成形型21の外形に合わせた平板状となり、硬く固まっているため、保形性が良く、持ち運び等の取り扱いも容易である。
(補強工程)
図6に示すように、真空パック品36の両面に、硬質材料からなる補強板37を当接状態に配置する。そして、図7に示すように、真空パック品36の底面部の外底面と天面部の上面とに補強板37を当接させた状態で、これら補強板37を軸39に挿通して連結し、補強板37をばね38により、0.004N/mm以上、冷間等方圧加工法の加圧力以下の圧力で押圧した状態にすることにより、両補強板37によって真空パック品36を挟持した状態に保持する。補強板37は、型枠22及び蓋体23を構成する段ボール31より曲げ剛性が高く、例えばアルミニウム合金、塩化ビニール等により形成され、真空パック品36を挟持することで、反りの発生が防止される。補強板37はアルミニウム合金以外の金属材料、塩化ビニール以外の樹脂材料、あるいは金属、樹脂以外の材料によって形成されていてもよい。
なお、ばね38の押圧力が0.004N/mm未満であると真空パック品36を適切に押圧できず、次の加圧工程における成形体の反りを抑制できない可能性があり、冷間等方圧加工法の加圧力以上の圧力で押圧すると、成形時の粉末の移動が阻害されて割れが生じるおそれがあり、また、真空パック品36の天面部の上面及び底面部の下面にかかる圧力と側面部にかかる圧力とが異なることとなるため、真空パック品36を均等に押圧することができず、成形体の密度ムラを小さくできない可能性がある。
(加圧工程)
そして、この補強板37を介してばね38により押圧された状態の真空パック品36は、冷間等方圧加圧法により加圧されることで、粉末材料Pが一体に圧縮成形され、成形体に形成される。
冷間等方圧加圧法においては、真空パック品36が加圧されることから、体積比で例えば50%~80%程度の大きさに収縮する。このとき、成形型21を構成している段ボールは、面方向の圧縮力に対する抵抗が小さいので、粉末材料Pとともに収縮する。特にEフルートの段ボールの場合、薄いために収縮もしやすく、粉末材料Pの収縮に追従するように収縮することにより、成形型21内での粉末材料Pの偏りが抑制され、密度ムラのない均質な成形体を得ることができる。また、粉末材料Pの収縮に追従することから、局部的に応力集中することが抑制され、欠けや割れの発生も防止される。
冷間等方圧加圧がなされた後、圧力を開放し、成形型21から成形体(CIP成形体)が取り出される。成形型21は収縮しているので、1回の冷間等方圧加圧ごとに使い捨てとなる。成形型21から取り出した成形体は、表面を洗浄して汚れ等が取り除かれ、スパッタリングターゲット用成形体となる。
このようにして形成されるスパッタリングターゲット用成形体は、前述した粉末材料から形成されるものであるので、金属、あるいは酸化物、炭化物、窒化物等のセラミックス、もしくはこれらの混合物により形成されている。具体的には、Cu、Al、W、Cr、Ti、ZnO、WO、WO、SiO、Y、TiO、Al、In、SnO、ZrO、NbC、WC、SiC、CuGa、ITO(In-SnO)、IGZO(InGaZnO)、AZO(Al-ZnO)、ZrO-SiO-In、Cr-CrOなどが用いられる。
(焼結工程)
次いで、スパッタリングターゲット用成形体を焼結炉(図示略)内に投入して、真空、窒素ガス、不活性ガス、あるいは還元ガス等の雰囲気下で加熱され、焼結されることにより、焼結体が製造される。具体的には、熱間等方圧加圧法(HIP:Hot Isostatic Pressing法)を用いて焼結体を製造しており、この熱間等方圧加圧法では、金属製のカプセル(例えばステンレス製缶:SUS缶)の中に成形体を密封し、このカプセルの周囲に加熱されたアルゴン等のガスの圧力を加えることにより、成形体の表面が一様の加圧力を受けて、方向性なく圧縮成形されるとともに焼成され、焼結体が形成される。
(後加工工程)
その後、焼結体の表面を研削するなどにより、表面のしわ等を除去し、所望の厚さのスパッタリングターゲット1を作製する。
本実施形態では、成形体となる原料粉末が接触する成形型21の天面部、底面部及び側面部を構成する型枠22及び蓋体23のいずれもが圧縮変形に対する抵抗が小さいので、CIP法による加圧工程において、粉末材料の収縮に追従するように、鉛直方向及び水平方向のいずれの方向にも収縮変形して、粉末材料全体に均等に力を加えることができ、成形体の密度ムラをより小さくして均一な密度の成形体を製造することができる。また、板材より曲げ剛性の高い補強板37をばね38により0.004N/mm以上の圧力で押圧した状態で真空パック品36を冷間等方圧加圧するので、反りの発生を防止でき、これにより形状精度の良い成形体を得ることができる。
また、上記実施形態の製造方法により製造した成形体は、相対密度のばらつきσが1.6以下となる。本実施形態の成形体は、相対密度のばらつきσが1.6以下と密度のムラが少ないので、品質にばらつきのないスパッタリングターゲットに適した高品質の成形体となる。このように成形体の密度ムラが小さいので、成形体に対して焼結工程及び後工程を施す際に割れが発生することを抑制できる。
さらに、上述した製造方法により製造された成形体が焼結されて形成されたスパッタリングターゲットの相対密度のばらつきσも1.6以下と密度のムラが少ないので、高品質のスパッタリングを行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、段ボールにより成形型21(型枠22及び蓋体23)が形成することとしたが、これに限らず、例えば、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴム等により成形型21を形成することとしてもよい。
上記実施形態では、枠体22の底面部24及び蓋体23を正方形に形成したが、これに限らず、長方形等の四角形、円形等の形状とすることができる。
実施例1~17及び比較例1~3のそれぞれにおいて、寸法が650mm×300mm×200mmの成形型に上記実施形態で示した手順で表1に示す原料粉末を投入し、投入後の成形型を真空パックして、真空パック品を形成した。実施例1~15については成形型として両面段ボールのEフルートを用い、実施例16ではゴムを用いた。そして、実施例1~15では、真空パック品の上下面に、アルミニウム板を配置し、これらアルミニウム板を図7に示すように保持した状態で、表1に示すばね圧力(押圧力)となるように押圧した。実施例16では、ゴム型内に原料粉末を収容して真空パックし、その真空パック品の上下面にアルミニウム板を配置して図7に示すように保持した。また、実施例17では、段ボールを用いた型の真空パック品の上下面に、アルミニウム板を配置し、ゴムバンドで結束した。そのときの真空パック品にかかる圧力を「バネ圧力」の欄に記入した。
そして、CIP装置内に、ばね等により押圧した状態の真空パック品を投入し、1.6t/cm(≒157N/mm)の圧力で1時間、冷間等方圧加工法により加圧して成形体を作製した。
一方、比較例1では、真空パック品をそのままCIP装置に投入し、冷間等方圧加圧法により1.6t/cm(≒157N/mm)の圧力で1時間加圧して、成形体を作製した。また、比較例2では、真空パック品の上下面にアルミニウム板を配置し、側面には発泡スチロール成型品を配置して、図7に示す装置により0.008N/mmのばね圧を作用させた状態で、同様の条件で冷間等方圧加圧法により加圧して成形体を作製した。比較例3では、真空パック品の上下面に、アルミニウム板を配置し、ゴムバンドで結束した状態でCIP装置に投入し、同様の条件で冷間等方圧加圧法により加圧して成形体を作製した。
(ばらつきσの算出方法)
そして、成形体の厚さ及び相対密度を測定し、成形体内でのばらつきσを調査した。この場合、成形体の3辺の中で一番短い辺を厚さと規定し、ノギスにて厚さを測定した。測定点は、図8に示した直方体の長手方向を均等に9分割した位置(測定点1~9(丸印の1~9))を測定点とし、9点の平均値をもとに厚さのばらつきσとして標準偏差を算出した。
また、密度のばらつきσについては、図8に立方体のブロック状に示した測定点1~9より30mm角のサンプルを切り出し、その幅、長さ、厚さを測定して体積を計算し、測定したサンプルの重量との関係から相対密度を算出し、9個の相対密度の平均値(%)をもとに相対密度のばらつきσとして標準偏差を算出した。
そして、成形体をSUS缶に投入し、145MPaの圧力および800℃の温度にて2時間加熱するHIP法による処理(HIP処理という)を実施した。HIP処理後、グラインダーでSUS缶を取り外して焼結体を得た。焼結体においても成形体と同様に、図8に示す測定点1~9(立方体のブロック状に示した1~9)から上記方法で相対密度を測定し、焼結体内での相対密度の平均値(%)及びばらつきσを算出した。
[成形体及び焼結体の割れの有無]
成形体の割れ(CIP後の割れ)及び焼結体の割れ(焼結後の割れ)の有無については、目視で確認し、スケール付きルーペで成形体及び焼結体を観察し、長さ10mm以上のクラックが認められたものを「有」と判定し、長さ10mm以上のクラックが認められなかったものを「無」と判定した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2023069670000002
Figure 2023069670000003
表2に示すように、段ボールやゴムにより形成された成形型に粉末材料を充填して得た真空パック品に補強板(アルミニウム板)を当接させ、0.004N/mm以上の圧力で押圧した状態でCIP法により加圧した実施例1~16では、成形体及び焼結体のいずれにも割れが生じていなかった。また、実施例1~16では、成形体の相対密度のばらつきσは、1.6以下、焼結体の相対密度のばらつきαが1.58以下であった。
一方、比較例1及び比較例2では、成形体には割れが認められなかったものの、その後の焼結により割れが生じていた。また、比較例3では、成形型が外れないように単にゴムバンドで押さえただけであり、圧力が小さすぎたため、CIP法による成形体で割れが生じた。このため、焼結体は製造しなかった。また、成形体の相対密度のばらつきσは、比較例1,3では2.21、比較例2では1.98と高く、焼結体の相対密度のばらつきσは、比較例1では2.07、比較例2では1.88と高かった。
1,11 スパッタリングターゲット
22 型枠
23 蓋体
24 離型紙
25 底面部
26 側面部
27 開口部
31 段ボール
32 ライナ
33 中芯
35 樹脂フィルム
36 真空パック品
37 補強板
38 ばね
39 軸
42 型枠
43 蓋体
44 芯材
45 底面部
46 側面部
47 開口部
49 補強板
51 樹脂フィルム
52 真空パック品

Claims (3)

  1. 成形型内に充填した粉末材料を冷間等方圧加工法により加圧して成形体を製造する成形体の製造方法であって、
    前記成形型は、底面部と、前記底面部の周囲から立ち上がる側面部と、前記側面部を介して前記底面部に対向して配置される天面部と、を備え、前記底面部、前記側面部及び前記天面部のそれぞれが曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材により形成されており、
    該成形型内に前記粉末材料を充填する充填工程と、充填工程後の前記成形型を真空パックして密封状態とする真空パック工程と、真空パック工程後の前記成形型の前記底面部の外底面と前記天面部の上面とに前記成形型の素材より曲げ剛性の高い補強板を当接させた状態で、前記補強板をばねにより、0.004N/mm以上前記冷間等方圧加工法の加圧力以下の圧力で押圧する補強工程と、前記ばねにより押圧された状態の前記成形型を冷間等方圧加圧法により加圧する加圧工程とを備えることを特徴とする成形体の製造方法。
  2. スパッタリングターゲット用成形体であって、相対密度のばらつきσが1.6以下であることを特徴とする成形体。
  3. 相対密度のばらつきσが1.6以下であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
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