JP2023077507A - 焼結体の製造方法、焼結前成形体及び焼結体 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の成形体を適切に熱間等方圧加圧法により加圧して複数の焼結体を同時に得ることができる焼結体の製造方法、焼結前成形体及び焼結体を提供する。【解決手段】粉末材料を成形体1枚分ずつ加圧して板状の成形体を1枚ずつ複数形成する成形体形成工程と、複数の成形体を金属製のカプセル内に積層状態に収容して、熱間等方圧加圧法により加圧及び加熱して焼結体を形成する焼結体形成工程と、を備え、焼結体形成工程では、積層状態において成形体間に離型材が配置されるように金属製のカプセル内に複数の成形体及び離型材を収容する。【選択図】図4
Description
本発明は、スパッタリングターゲット等の焼結体を形成する焼結体の製造方法、焼結後に焼結体となる焼結前成形体及び焼結体に関する。
従来、粉末材料からスパッタリングターゲットを製作する場合には、粉末材料を加圧して成形体を製造し、その成形体を焼成してスパッタリングターゲット(焼結体)を形成している。スパッタリングターゲットのような高密度の焼結体を得るための成形方法として、熱間等方圧加圧法(HIP:Hot Isostatic Pressing法)が用いられることが多い。熱間等方圧加工法(熱間静水圧プレス)では、金属製のカプセルの中に粉末材料が密封され、このカプセルの周囲に加熱されたアルゴン等のガスの圧力が加えられることで、粉末材料の表面が一様の加圧力を受けて、方向性なく圧縮成形されるとともに焼成され、焼結体が形成される。
このような熱間等方圧加工法(以下、HIP法と称す)によりスパッタリングターゲットを成形する製造方法として、例えば、特許文献1が開示されている。特許文献1に記載のスパッタリング用クロムターゲットの製造方法は、Cr粉末を金属容器に詰めて、これを真空密封し、この真空密封容器に熱間静水圧プレスによる全方向均一の加熱、加圧処理を施して、Cr粉末を高密度の均質成形体に成形し、ついで容器内から取り出した成形体を所定厚みの板厚にスライスした後、これらの板体に機械加工を施してその板体をスパッタリングターゲットとしている。
しかしながら、特許文献1の製造方法では、均質成形体を所定厚みの板厚にスライスする必要があるので、例えば、脆性材料によりスパッタリングターゲットを製造する場合、金属材料とは異なり脆いため、スライス加工時の負荷に耐えられず、スパッタリングターゲットに割れが発生してしまう。このため、特許文献1の製造方法を用いて脆弱材料からなるスパッタリングターゲットを製造するためには、1つの金属カプセルにつき、1つの焼結体しか製造することができない。このような問題を解決するため、例えば、特許文献2が開示されている。
この特許文献2のスパッタリングターゲット用ターゲットの製造方法は、金属製のカプセルの底部に分離板材を設けて第1の金属粉末を充填する第1工程に引続き、該金属粉末の上に分離板材を設け、該分離板材の上に第2の金属粉末を充填する工程を少なくとも1回以上繰り返す第2工程を有し、最終の金属粉末の上に分離板材を設けた後に金属製カプセル内に真空密封してHIP法により焼結している。このため、特許文献2の構成では、スライス加工を施すことなく、複数のスパッタリングターゲットを製造している。
一方、均一な密度のスパッタリングターゲットを製造する方法として、例えば、特許文献3が開示されている。この特許文献3に記載のスパッタリングターゲットの製造方法は、冷間等方圧加圧法(CIP:Cold Isostatic Pressing法)により圧粉体を形成し、この圧粉体に熱間等方圧加工法を施して合金成形体(焼結体)を成形している。
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、金属粉末(粉末材料)をHIP法により高温で加圧するため、均質な密度の焼結体を製造することが難しい。この点、特許文献3に記載の方法を用いれば、均質な金属材料を製造することができるものの、複数の焼結体を同時に得ることはできない。仮に、これら特許文献2の技術と特許文献3の技術を組み合わせ、CIP法により複数の成形体を同時に製造したとしても、成形体に反りや割れが生じる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、複数の成形体を適切に熱間等方圧加圧法により加圧して複数の焼結体を同時に得ることができる焼結体の製造方法、焼結前成形体及び焼結体を提供することを目的とする。
本発明の焼結体の製造方法は、粉末材料を成形体1枚分ずつ加圧して板状の成形体を複数形成する成形体形成工程と、複数の前記成形体を金属製のカプセル内に積層状態に収容して、熱間等方圧加圧法により加圧及び加熱して焼結体を形成する焼結体形成工程と、を備え、前記焼結体形成工程では、前記積層状態において前記成形体間に離型材が配置されるように前記金属製のカプセル内に複数の前記成形体及び前記離型材を収容する。
本発明では、成形体を1枚ずつ形成するので、例えば、複数の成形体を同時に形成する場合に比べて、個々の成形体を密度ムラ等のない均一な成形体に形成することができる。また、CIP法により粉末材料を加圧して形成された成形体を熱間等方圧加圧法(HIP法)により加圧及び加熱するので、成形体を形成することなくHIP法により焼結体を形成する場合に比べて、相対密度の上昇に伴う焼結前成形体の割れを抑制できる。また、複数の成形体を、離型材を介して金属製のカプセル内に収容し、これを焼結しているので、一度の焼結体形成工程で複数の焼結体を得ることが可能であり、かつ割れを生じることも抑制される。
本発明の焼結体の製造方法の好ましい態様としては、前記成形体形成工程では、前記成形体の相対密度が45%以上85%以下となるように前記粉末材料を加圧するとよい。
上記態様では、粉末材料を加圧して形成された成形体の相対密度を45%以上85%以下にしているので、焼結時に焼結体が割れることを抑制できる。
なお、成形体の相対密度が45%未満では、焼結体の相対密度が低くなり過ぎて強度が低下し、成形時に割れが生じるおそれがあり、85%を超えると、HIP法による焼結時に収縮代がなく、靭性が低いために割れが生じやすくなる可能性がある。
上記態様では、粉末材料を加圧して形成された成形体の相対密度を45%以上85%以下にしているので、焼結時に焼結体が割れることを抑制できる。
なお、成形体の相対密度が45%未満では、焼結体の相対密度が低くなり過ぎて強度が低下し、成形時に割れが生じるおそれがあり、85%を超えると、HIP法による焼結時に収縮代がなく、靭性が低いために割れが生じやすくなる可能性がある。
本発明の焼結体の製造方法の好ましい態様としては、前記成形体形成工程と前記焼結体形成工程との間に、前記成形体の表面を面削加工した焼結前成形体を形成する焼結前成形体形成工程を備えるとよい。
上記態様では、成形体の表面を面削加工して焼結前成形体とし、これをHIP法により焼結するので、焼結時にさらに反りが生じて焼結体が割れることを抑制できる。
上記態様では、成形体の表面を面削加工して焼結前成形体とし、これをHIP法により焼結するので、焼結時にさらに反りが生じて焼結体が割れることを抑制できる。
本発明の焼結体の製造方法の好ましい態様としては、前記焼結前成形体形成工程では、前記成形体のスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下となるように前記成形体の表面を面削加工するとよい。
上記単位長さ当たりの反り量とは、焼結前成形体の表面にストレートゲージを当て、焼結前成形体の表面とストレートゲージとの間に生じた隙間を隙間ゲージで測定した値を、成形体の表面における測定した部位の長さで除した値(mm)をいう。
上記態様では、成形体の表面を面削加工してスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量を0.020mm以下とするので、HIP法により焼結する際にさらに反りが生じて焼結体が割れることを確実に抑制できる。
なお、焼結前成形体の単位長さ当たりの反り量が0.020mmを超えると、HIP法により焼結する際に反りが増大して割れが生じる可能性がある。
上記単位長さ当たりの反り量とは、焼結前成形体の表面にストレートゲージを当て、焼結前成形体の表面とストレートゲージとの間に生じた隙間を隙間ゲージで測定した値を、成形体の表面における測定した部位の長さで除した値(mm)をいう。
上記態様では、成形体の表面を面削加工してスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量を0.020mm以下とするので、HIP法により焼結する際にさらに反りが生じて焼結体が割れることを確実に抑制できる。
なお、焼結前成形体の単位長さ当たりの反り量が0.020mmを超えると、HIP法により焼結する際に反りが増大して割れが生じる可能性がある。
本発明の焼結体の製造方法の好ましい態様としては、前記成形体形成工程では、前記粉末材料を成形型内に充填した状態で冷間等方圧加圧法により加圧するとよい。
上記態様では、冷間等方圧加圧法により成形型内に充填した粉末材料を加圧することから、粉末材料の各面を均等圧で押圧できるので、品質にばらつきのないスパッタリングターゲットに適した高品質の成形体を形成することができる。
上記態様では、冷間等方圧加圧法により成形型内に充填した粉末材料を加圧することから、粉末材料の各面を均等圧で押圧できるので、品質にばらつきのないスパッタリングターゲットに適した高品質の成形体を形成することができる。
本発明の焼結体の製造方法の好ましい態様としては、前記成形型は、曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材により形成されており、前記成形体形成工程は、該成形型内に前記粉末材料を充填する充填工程と、充填工程後の前記成形型を真空パックして密封状態とする真空パック工程と、真空パックされた前記成形型を冷間等方圧加圧法により加圧する加圧工程と、を備えるとよい。
上記曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材としては、例えば、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴム等を挙げることができる。
本発明では、成形体となる原料粉末が接触する成形型の天面部、底面部及び側面部のいずれもが面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さいので、CIP法による加圧工程において、粉末材料の収縮に追従するように、鉛直方向及び水平方向のいずれの方向にも収縮変形して、粉末材料全体に均等に力を加えることができ、成形体の密度ムラをより小さくして均一な密度の成形体を製造することができる。
上記曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材としては、例えば、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴム等を挙げることができる。
本発明では、成形体となる原料粉末が接触する成形型の天面部、底面部及び側面部のいずれもが面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さいので、CIP法による加圧工程において、粉末材料の収縮に追従するように、鉛直方向及び水平方向のいずれの方向にも収縮変形して、粉末材料全体に均等に力を加えることができ、成形体の密度ムラをより小さくして均一な密度の成形体を製造することができる。
本発明の焼結体の製造方法の好ましい態様としては、前記離型材は、シート状に形成されているとよい。
上記態様では、離型材がシート状に形成されているので、例えば、成形体を収容するごとに粉末状の離型材を配置する場合に比べて、その取り扱いを容易にできる。また、成形体に多少の凹凸があった場合でも離型材のシートによりその両面が挟持された状態となるので、シートのクッション性により、HIP法により焼結する際に割れが生じることを抑制できる。
上記態様では、離型材がシート状に形成されているので、例えば、成形体を収容するごとに粉末状の離型材を配置する場合に比べて、その取り扱いを容易にできる。また、成形体に多少の凹凸があった場合でも離型材のシートによりその両面が挟持された状態となるので、シートのクッション性により、HIP法により焼結する際に割れが生じることを抑制できる。
本発明の焼結前成形体は、板状の焼結前成形体であって、スパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下である。
本発明では、焼結前成形体の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下であるので、これらを複数枚重ねて同時に焼結しても、各焼結体が割れることを抑制できる。
本発明では、焼結前成形体の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下であるので、これらを複数枚重ねて同時に焼結しても、各焼結体が割れることを抑制できる。
本発明の焼結体は、板状の焼結体であって、スパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.052mm以下である。
本発明では、焼結体の反り量が0.052mm以下と小さいので、この焼結体の反りを除去する後工程を簡易にできる。
本発明では、焼結体の反り量が0.052mm以下と小さいので、この焼結体の反りを除去する後工程を簡易にできる。
本発明によれば、複数の焼結前成形体を適切に熱間等方圧加圧法により加圧して複数の焼結体を同時に得ることができる。
以下、本発明の焼結体の製造方法、焼結前成形体及び焼結体に用いられる成形体の製造方法及び成形体の一実施形態について図面を用いて説明する。なお、本実施形態では、焼結体としてスパッタリングターゲットを一例に挙げて説明する。
図1は、本実施形態の製造方法で製造されるスパッタリングターゲットを示している。このスパッタリングターゲット1は、金属、あるいは酸化物、炭化物、窒化物等のセラミックス、もしくはこれらの混合物により形成されている。例えば、Cu、Al、W、Cr、Ti、ZnO、WO3、WO2、SiO2、Y2O3、TiO2、Al2O3、In2O3、SnO2、ZrO2、NbC、WC、SiC、CuGa、ITO(In2O3-SnO2)、IGZO(InGaZnO4)、AZO(Al2O3-ZnO)、ZrO2-SiO2-In2O3、Cr-CrO2などが用いられる。これらのうち、酸化物、窒化物、炭化物、それぞれの混合物、さらにこれらと金属との混合物は、脆性材料であり、脆いため、延性材料の金属に比べて取り扱いに注意を要する。
また、図1に示す例では、平面視が正方形の平板状に形成されている。大きいものでは、例えば600mm×300mmの平面サイズを有する。
また、図1に示す例では、平面視が正方形の平板状に形成されている。大きいものでは、例えば600mm×300mmの平面サイズを有する。
このスパッタリングターゲット1は、成形型21内に粉末材料を充填し、真空パックした後、加圧することにより圧粉体である成形体を製造し、製造した複数の成形体を容器としてのカプセルに積層状態で収容して、該複数の成形体をまとめて加圧及び加熱することにより製造される。スパッタリングターゲット1は、例えば、以下の製造方法により製造される。この製造方法は、粉末材料を成形体1枚分ずつ加圧して板状の成形体を複数形成する成形体形成工程と、成形体形成後に成形体の表面を面削加工して焼結前成形体を形成する焼結前成形体形成工程と、成形体(焼結前成形体)を加圧及び加熱して焼結体を形成する焼結体形成工程と、を備えている。また、成形体形成工程は、成形型内に前記粉末材料を充填する充填工程と、充填工程後の成形型を真空パックして密封状態とする真空パック工程と、真空パックされた成形型を冷間等方圧加圧法により加圧する加圧工程と、を備えている。
[成形体形成工程]
成形体形成工程で用いる成形型21は、図2に示すように、段ボール製の型枠22と、同じく段ボール製の蓋体23と、必要に応じて設けられる離型紙(図示省略)とを備えている。型枠22は、底面部が正方形状とされ、その底面部の各辺から立ち上がる四つの側面部と、開口部とを有し、上方を開口した箱状に形成されている。蓋体23は、その型枠22の側面部の上端に載置し得る正方形状に形成され、型枠22の開口部を閉塞する。
成形体形成工程で用いる成形型21は、図2に示すように、段ボール製の型枠22と、同じく段ボール製の蓋体23と、必要に応じて設けられる離型紙(図示省略)とを備えている。型枠22は、底面部が正方形状とされ、その底面部の各辺から立ち上がる四つの側面部と、開口部とを有し、上方を開口した箱状に形成されている。蓋体23は、その型枠22の側面部の上端に載置し得る正方形状に形成され、型枠22の開口部を閉塞する。
これら型枠22及び蓋体23は、面方向に沿う外力に対して容易に変形が可能な部材により形成されている。このような部材としては、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴムなどの弾性体を例示でき、本実施形態では、段ボールにより成形型21(型枠22及び蓋体23)が形成されている。
まず、前述の型枠(段ボール製型枠)22を用意し、型枠22の内面に離型紙を配置する。次に、型枠22の開口部27まで粉末材料Pを充填する。この粉末材料Pは、金属粉末材料、酸化物粉末、又は窒化物粉末等からなり、酸化物粉末や窒化物粉末からなる場合は、原料粉末にバインダー等が混合される。
例えば、酸化物粉末としてZnO粉末は、メディアミルとしてはボールミル、バスケットミル、ビーズミル等を用いられ、分散材としてポリカルボン酸、ナフタレン、スルホン酸等を用い、水を溶剤として湿式粉砕混合により、粒径(D50)が0.1μm~50μm、純度99%以上の粉末に作製される。このZnOの原料粉末にバインダーとしてポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂を混合し、スプレードライ方式により250μm以下に分級される。
金属性の粉末材料は、例えば、Cu粉末の場合は乾式混合機により作製することができる。
例えば、酸化物粉末としてZnO粉末は、メディアミルとしてはボールミル、バスケットミル、ビーズミル等を用いられ、分散材としてポリカルボン酸、ナフタレン、スルホン酸等を用い、水を溶剤として湿式粉砕混合により、粒径(D50)が0.1μm~50μm、純度99%以上の粉末に作製される。このZnOの原料粉末にバインダーとしてポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂を混合し、スプレードライ方式により250μm以下に分級される。
金属性の粉末材料は、例えば、Cu粉末の場合は乾式混合機により作製することができる。
(充填工程)
次に、1枚の成形体となる分量の粉末材料Pを型枠22の開口部27まで充填した後、図2に示すように、その上に離型紙及び蓋体23を被せることで開口部27を閉塞し、型21を構成する。
(真空パック工程)
続いて、内部に粉末材料Pが充填された型21の外側を覆うように樹脂フィルム35により真空パックを施す。これにより、型21の内部が密封された状態となり、真空引きにより粉末材料P中の空隙がほぼなくなることから、硬い真空パック品36が形成される。この真空パック品36は、図3に示すように、成形型21の外形に合わせた平板状となり、硬く固まっているため、保形性が良く、持ち運び等の取り扱いも容易である。
次に、1枚の成形体となる分量の粉末材料Pを型枠22の開口部27まで充填した後、図2に示すように、その上に離型紙及び蓋体23を被せることで開口部27を閉塞し、型21を構成する。
(真空パック工程)
続いて、内部に粉末材料Pが充填された型21の外側を覆うように樹脂フィルム35により真空パックを施す。これにより、型21の内部が密封された状態となり、真空引きにより粉末材料P中の空隙がほぼなくなることから、硬い真空パック品36が形成される。この真空パック品36は、図3に示すように、成形型21の外形に合わせた平板状となり、硬く固まっているため、保形性が良く、持ち運び等の取り扱いも容易である。
(加圧工程)
そして、真空パック品36の上下面にアルミニウム板を配置し、これらアルミニウム板をばねやゴムで挟持することによりアルミニウム板で真空パック品36を挟持した状態でCIP装置内に投入し、冷間等方圧加圧法により成形体の相対密度が45%以上85%以下となるように加圧されることで、粉末材料Pが一体に圧縮成形され、成形体に形成される。
冷間等方圧加圧法においては、真空パック品36が加圧されることから、体積比で例えば70%~80%程度の大きさに収縮する。このとき、成形型21を構成している段ボールは、面方向の圧縮力に対する抵抗が小さいので、粉末材料Pとともに収縮する。この成形型21が粉末材料Pの収縮に追従するように収縮することにより、成形型21内での粉末材料Pの偏りが抑制され、相対密度が45%以上85%以下の密度ムラのない均質な成形体を得ることができる。また、粉末材料Pの収縮に追従することから、局部的に応力集中することが抑制され、欠けや割れの発生も防止される。
なお、成形体の相対密度が45%未満では、焼結体の相対密度が低くなり過ぎて強度が低下し、成形時に割れが生じるおそれがあり、85%を超えると、HIP法による焼結時に収縮代がなく、靭性が低いために割れが生じやすくなる可能性がある。
そして、真空パック品36の上下面にアルミニウム板を配置し、これらアルミニウム板をばねやゴムで挟持することによりアルミニウム板で真空パック品36を挟持した状態でCIP装置内に投入し、冷間等方圧加圧法により成形体の相対密度が45%以上85%以下となるように加圧されることで、粉末材料Pが一体に圧縮成形され、成形体に形成される。
冷間等方圧加圧法においては、真空パック品36が加圧されることから、体積比で例えば70%~80%程度の大きさに収縮する。このとき、成形型21を構成している段ボールは、面方向の圧縮力に対する抵抗が小さいので、粉末材料Pとともに収縮する。この成形型21が粉末材料Pの収縮に追従するように収縮することにより、成形型21内での粉末材料Pの偏りが抑制され、相対密度が45%以上85%以下の密度ムラのない均質な成形体を得ることができる。また、粉末材料Pの収縮に追従することから、局部的に応力集中することが抑制され、欠けや割れの発生も防止される。
なお、成形体の相対密度が45%未満では、焼結体の相対密度が低くなり過ぎて強度が低下し、成形時に割れが生じるおそれがあり、85%を超えると、HIP法による焼結時に収縮代がなく、靭性が低いために割れが生じやすくなる可能性がある。
冷間等方圧加圧がなされた後、圧力を開放し、成形型21から成形体(CIP成形体)が取り出される。成形型21は収縮しているので、1回の冷間等方圧加圧ごとに使い捨てとなる。成形型21から取り出した成形体は、表面を洗浄して汚れ等が取り除かれる。
なお、上述した成形体形成工程の各種処理では、1枚の成形体を形成することが可能であり、上記処理を繰り返すことにより複数の成形体を形成する。すなわち、成形体形成工程では、複数の成形体を同時に形成しない。
なお、上述した成形体形成工程の各種処理では、1枚の成形体を形成することが可能であり、上記処理を繰り返すことにより複数の成形体を形成する。すなわち、成形体形成工程では、複数の成形体を同時に形成しない。
[焼結前成形体形成工程]
焼結前成形体形成工程では、成形体形成工程後に成形体の表面を面削加工して焼結前成形体S1を形成する。具体的には、成形体のスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下となるように成形体の表面を面削加工することにより、表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下の焼結前成形体S1を形成する。なお、単位長さ当たりの反り量とは、焼結前成形体の表面にストレートゲージを当て、焼結前成形の表面とストレートゲージとの間に生じた隙間を隙間ゲージで測定した値を、成形体の表面における測定した部位の長さで除した値(mm)をいう。
なお、焼結前成形体のスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mmを超えると、HIP法により焼結する際に反りが増大して割れが生じる可能性がある。
焼結前成形体形成工程では、成形体形成工程後に成形体の表面を面削加工して焼結前成形体S1を形成する。具体的には、成形体のスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下となるように成形体の表面を面削加工することにより、表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下の焼結前成形体S1を形成する。なお、単位長さ当たりの反り量とは、焼結前成形体の表面にストレートゲージを当て、焼結前成形の表面とストレートゲージとの間に生じた隙間を隙間ゲージで測定した値を、成形体の表面における測定した部位の長さで除した値(mm)をいう。
なお、焼結前成形体のスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mmを超えると、HIP法により焼結する際に反りが増大して割れが生じる可能性がある。
[焼結体形成工程]
焼結体形成工程では、図4に示すように、複数の焼結前成形体S1(図5に示す例では5枚)を金属製のカプセル41内に積層状態に収容して、熱間等方圧加圧法(HIP:Hot Isostatic Pressing法)により加圧及び加熱して焼結体を形成する。この焼結体形成工程では、図4に示すように、積層状態において重なり合う焼結前成形体S1間に離型材42が配置されるように金属製のカプセル41内に複数の焼結前成形体S1及び離型材42を収容する。この金属製のカプセルは、例えば、ステンレス製缶(SUS缶)や炭素量0.15%以下の低炭素鋼製缶からなり、離型材42は、シート状に形成された酸化アルミニウムや酸化シリコン等からなる。なお、離型材42をシート状としたが、これに限らず、酸化アルミニウム粉、酸化シリコン粉、窒化ホウ素粉等であってもかまわない。
焼結体形成工程では、図4に示すように、複数の焼結前成形体S1(図5に示す例では5枚)を金属製のカプセル41内に積層状態に収容して、熱間等方圧加圧法(HIP:Hot Isostatic Pressing法)により加圧及び加熱して焼結体を形成する。この焼結体形成工程では、図4に示すように、積層状態において重なり合う焼結前成形体S1間に離型材42が配置されるように金属製のカプセル41内に複数の焼結前成形体S1及び離型材42を収容する。この金属製のカプセルは、例えば、ステンレス製缶(SUS缶)や炭素量0.15%以下の低炭素鋼製缶からなり、離型材42は、シート状に形成された酸化アルミニウムや酸化シリコン等からなる。なお、離型材42をシート状としたが、これに限らず、酸化アルミニウム粉、酸化シリコン粉、窒化ホウ素粉等であってもかまわない。
具体的には、金属製のカプセル41の底面及び側面にシート状の離型材42を配置し、1つめの焼結前成形体S1を配置し、その上に離型材42を配置する。そして、焼結前成形体S1及び離型材42を交互に配置し、最後(5つ目)の焼結前成形体S1の上に離型材42を配置し、金属製のカプセル41を密封し、図4に示す状態とする。これにより、焼結前成形体S1の周囲が離型材42により覆われた状態となる。次に、カプセルの周囲に加熱されたアルゴン等のガスの圧力を加えることにより、焼結前成形体S1の表面が一様の加圧力を受けて、方向性なく圧縮成形されるとともに焼成され、焼結体が形成される。
ここで、焼結体の反りが大きいと、後工程で反りの除去が煩雑になるとともに、スパッタリングターゲットの表面を研削する際に割れが生じる可能性がある。このため、本実施形態では、離型材42を焼結前成形体S1の周囲に配置することで、焼結体のスパッタ面となる表面単位長さ当たりの反り量を0.052mm以下としている。
ここで、焼結体の反りが大きいと、後工程で反りの除去が煩雑になるとともに、スパッタリングターゲットの表面を研削する際に割れが生じる可能性がある。このため、本実施形態では、離型材42を焼結前成形体S1の周囲に配置することで、焼結体のスパッタ面となる表面単位長さ当たりの反り量を0.052mm以下としている。
(後加工工程)
その後、焼結体の表面を研削するなどにより、表面の反りやしわ等を除去し、所望の厚さのスパッタリングターゲット1を作製する。
その後、焼結体の表面を研削するなどにより、表面の反りやしわ等を除去し、所望の厚さのスパッタリングターゲット1を作製する。
本実施形態では、成形体を1枚ずつ形成するので、例えば、複数の成形体を同時に形成する場合に比べて、個々の成形体を密度ムラ等のない均一な成形体に形成することができる。また、粉末材料を加圧して形成された成形体を熱間等方圧加圧法(HIP法)により加圧及び加熱するので、成形体を形成することなくHIP法により焼結体を形成する場合に比べて、相対密度の上昇に伴う焼結前成形体S1の割れを抑制できる。また、複数の焼結前成形体S1を、離型材42を介して金属製のカプセル内41に収容し、これを焼結しているので、一度の焼結体形成工程で複数の焼結体を得ることが可能であり、かつ割れを生じることも抑制される。また、成形体形成工程では、粉末材料を加圧して形成された成形体の相対密度を45%以上85%以下にしているので、焼結時に焼結体が割れることを抑制できる。さらに、成形体の表面を面削加工して単位長さ当たりの反り量を0.020mm以下と小さくして、反り量の小さい焼結前成形体S1とし、これをHIP法により焼結するので、焼結時にさらに反りが生じて焼結体が割れることを抑制できる。
また、成形体形成工程では、冷間等方圧加圧法により成形型内に充填した粉末材料を加圧することから、粉末材料の各面を均等圧で押圧できるので、品質にばらつきのないスパッタリングターゲットに適した高品質の成形体を形成することができる。
さらに、離型材がシート状により形成されているので、例えば、成形体を収容するごとに粉末状の離型材を配置する場合に比べて、その取り扱いを容易にできる。また、成形体に多少の凹凸があった場合でも離型材42のシートによりその両面が挟持された状態となるので、シートのクッション性により、HIP法により焼結する際に割れが生じることを抑制できる。
さらに、離型材がシート状により形成されているので、例えば、成形体を収容するごとに粉末状の離型材を配置する場合に比べて、その取り扱いを容易にできる。また、成形体に多少の凹凸があった場合でも離型材42のシートによりその両面が挟持された状態となるので、シートのクッション性により、HIP法により焼結する際に割れが生じることを抑制できる。
また、焼結前成形体S1は、スパッタ面となる表面単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下であるので、これらを複数枚重ねて同時に焼結しても、各焼結体が割れることを抑制できる。
上記実施形態の製造方法により製造した焼結体は、スパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.052mm以下と小さいので、この焼結体の反りを除去する後工程を簡易にできる。
上記実施形態の製造方法により製造した焼結体は、スパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.052mm以下と小さいので、この焼結体の反りを除去する後工程を簡易にできる。
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、段ボールにより成形型21(型枠22及び蓋体23)が形成することとしたが、これに限らず、例えば、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴム等により成形型21を形成することとしてもよい。
例えば、上記実施形態では、段ボールにより成形型21(型枠22及び蓋体23)が形成することとしたが、これに限らず、例えば、段ボール、厚紙、樹脂フィルム、ゴム等により成形型21を形成することとしてもよい。
上記実施形態では、枠体22の底面部及び蓋体23を正方形に形成したが、これに限らず、長方形等の四角形、円形等の形状とすることができる。
上記実施形態では、焼結体形成工程において5枚の焼結前成形体を金属製のカプセル41に収容して、同時にHIP法により焼結させることとしたが、これに限らず、6枚以上又は2~4枚を同時に金属製のカプセル41に収容してHIP法により焼結させてもよい。
上記実施形態では、焼結体形成工程において5枚の焼結前成形体を金属製のカプセル41に収容して、同時にHIP法により焼結させることとしたが、これに限らず、6枚以上又は2~4枚を同時に金属製のカプセル41に収容してHIP法により焼結させてもよい。
上記実施形態では、成形体形成工程において、粉末材料を成形型内に充填し、周囲を樹脂フィルムで真空パックした状態で冷間等方圧加圧法により加圧することとしたが、これに限らず、例えば、ホットプレス処理(HP処理)や機械プレスにより加圧して成形体を形成してもかまわない。
実施例1~11及び比較例2~4のそれぞれにおいて、寸法が200mm×250mm×35mmの成形型に上記実施形態で示した手順で1枚の成形体となる分量の表1に示す原料粉末(粉末材料)を投入し、投入後の成形型を真空パックして、真空パック品を形成した。これら実施例1~11及び比較例2~4については、成形型としてJIS規格におけるEフルートの段ボールを用いた。そして、実施例1~4,10,11及び比較例2~4では、真空パック品の上下面に、アルミニウム板を配置し、これらアルミニウム板をばねやゴムで挟持することによりアルミニウム板で真空パック品を保持した状態で、CIP装置(株式会社神戸製鋼所製)内に、真空パック品を投入し、表1に示す圧力で表1に示す時間、冷間等方圧加工法により加圧して成形体を作製した。また、実施例5~7では、HP装置(株式会社IHI製)内に真空パック品を投入し、表1に示す条件で加圧して成形体を作成した。さらに、実施例8,9では、プレス装置に真空パック品を配置し、表1に示す条件でこれを加圧して成形体を作成した。そして、実施例1~11及び比較例2,3では、得られた成形体に対して面削加工を施し、面削加工後、相対密度を測定した。また、この面削加工後の成形体の寸法は、150mm×200mm、厚さ20mmとし、各実施例1~11及び比較例2~4ごとに粉末材料を成形体1枚分ずつ加圧して成形体を形成する上記工程を5回繰り返し、計5枚ずつ形成した。
なお、成形体形成工程の各種条件として、実施例1~4,10,11及び比較例2~4ではCIP処理の条件として、時間(min)×加圧力(MPa)を示し、実施例5~7では、HIP処理の条件として、真空雰囲気下、温度(℃)×時間(hr)×加圧力(Mpa)を示し、実施例8,9では機械プレス処理の条件として、時間(min)×加圧力(Mpa)を示した。
なお、成形体形成工程の各種条件として、実施例1~4,10,11及び比較例2~4ではCIP処理の条件として、時間(min)×加圧力(MPa)を示し、実施例5~7では、HIP処理の条件として、真空雰囲気下、温度(℃)×時間(hr)×加圧力(Mpa)を示し、実施例8,9では機械プレス処理の条件として、時間(min)×加圧力(Mpa)を示した。
そして、実施例1~11及び比較例2~4は、金属製(炭素量0.15%以下の低炭素鋼)のカプセルの底面及び側面に酸化アルミニウム製のシート(離型材)を配置し、1つめの焼結前成形体を配置し、その上に酸化アルミニウム製のシートを配置する。そして、焼結前成形体及び酸化アルミニウム製のシートを交互に配置し、最後(5つ目)の焼結前成形体の上に酸化アルミニウム製のシートを配置し、金属製のカプセルを密封し、図4に示す状態とする。そして、この金属製のカプセルをHIP装置(株式会社神戸製鋼所製)に投入し、表1に示す条件でアルゴンガスにより加熱及び加圧して焼結体を形成した。そして、HIP法による加熱後、グラインダーで金属製のカプセルを取り外して5枚の焼結体を得た。
一方、比較例1では、成形体を形成することなく、金属製のカプセルの底面及び側面に酸化アルミニウム製のシート(離型材)を配置し、1つめの焼結体となる分量の原料粉末を配置し、その上に酸化アルミニウム製のシートを配置する。そして、原料粉末及び酸化アルミニウム製のシートを交互に配置し、最後の原料粉末の上に酸化アルミニウム製のシートを配置し、金属製のカプセルを密封し、金属製のカプセルをHIP装置に投入し、表1に示す条件でアルゴンガスにより加熱及び加圧して焼結体を形成した。なお、焼結体形成工程のHIP処理条件として、温度(℃)×時間(hr)×加圧力(Mpa)を示した。
そして、HIP法による加熱後、グラインダーで金属製のカプセルを取り外して5枚の焼結体を得た。このようにして得た焼結体について、相対密度を測定するとともに、焼結体の反り量(単位長さ当たりの反り量)及び割れの有無を測定した。
そして、HIP法による加熱後、グラインダーで金属製のカプセルを取り外して5枚の焼結体を得た。このようにして得た焼結体について、相対密度を測定するとともに、焼結体の反り量(単位長さ当たりの反り量)及び割れの有無を測定した。
[成形体及び焼結体の相対密度の測定方法]
成形体及び焼結体の相対密度は、成形体及び焼結体の長手方向、短手方向、厚み方向のそれぞれにおいて各4点を測定した。具体的には、各成形体及び焼結体の重量を測定するとともに、各成形体及び焼結体×全12点の平均値を算出し、その平均値から体積を算出した。そして、測定した各焼結体の重量を各焼結体の体積で除して相対密度を算出した。
成形体及び焼結体の相対密度は、成形体及び焼結体の長手方向、短手方向、厚み方向のそれぞれにおいて各4点を測定した。具体的には、各成形体及び焼結体の重量を測定するとともに、各成形体及び焼結体×全12点の平均値を算出し、その平均値から体積を算出した。そして、測定した各焼結体の重量を各焼結体の体積で除して相対密度を算出した。
[焼結体の反り量並びに成形体及び焼結体の単位長さ当たりの反り量の測定方法]
焼結体の反り量は、焼結体のスパッタ面となる表面における対角線上にストレートゲージを当て、焼結体の表面とストレートゲージとの間に生じた隙間を隙間ゲージで対角の2ヵ所測定し、測定した値の平均値を反り量とした。また、この反り量に基づいて、単位長さ辺りの反り量の平均値(mm)も併せて算出した。さらに、焼結体の単位長さ当たりの反り量と同様の方法で、成形体の単位長さ当たりの反り量の平均値(mm)も算出した。
焼結体の反り量は、焼結体のスパッタ面となる表面における対角線上にストレートゲージを当て、焼結体の表面とストレートゲージとの間に生じた隙間を隙間ゲージで対角の2ヵ所測定し、測定した値の平均値を反り量とした。また、この反り量に基づいて、単位長さ辺りの反り量の平均値(mm)も併せて算出した。さらに、焼結体の単位長さ当たりの反り量と同様の方法で、成形体の単位長さ当たりの反り量の平均値(mm)も算出した。
[焼結体の割れの有無]
焼結体の割れ(焼結後の割れ)の有無については、目視で確認し、スケール付きルーペで成形体及び焼結体を観察し、長さ10mm以上のクラックが認められたものを「有」と判定し、長さ10mm以上のクラックが認められなかったものを「無」と判定した。
これらの結果を表2に示す。
焼結体の割れ(焼結後の割れ)の有無については、目視で確認し、スケール付きルーペで成形体及び焼結体を観察し、長さ10mm以上のクラックが認められたものを「有」と判定し、長さ10mm以上のクラックが認められなかったものを「無」と判定した。
これらの結果を表2に示す。
表2に示すように、粉末材料を成形体1枚分ずつ加圧して成形体を形成してからHIP法により焼結体を形成した実施例1~11では、いずれも焼結体に割れが生じていなかった。また、実施例1~11では、焼結体の反り量も13mm以下と小さく、単位長さ当たりの反り量も0.052mm以下と小さかった。特に、粉末材料をCIP法により均等に加圧し、成形体の相対密度が46.1%以上61.1%以下の実施例1~4は、焼結体の反り量が5mm以下、単位長さ当たりの反り量が0.02mm以下と特に小さかった。また、実施例1~11では、成形体の相対密度が46.5%以上84.9%以下、焼結体の相対密度が93.4%以上98.2%以下であった。
一方、比較例1~3では、焼結体に割れが生じていた。また、比較例1では、成形体を形成していないため、原料粉末の相対密度(成形体の相対密度の欄に記載)が37.6%と低く、焼結体の反り量も21mmと大きかった。また、比較例2では、CIP法により成形体を形成していたものの、成形体の相対密度が41.3%と低かった。逆に比較例3では、成形体の相対密度が86.1%と高かったため、焼結体に割れが生じた。なお、比較例4はCIP処理時のハンドリングの際に割れが発生したため、以降の処理を行うことができなかった。
1 スパッタリングターゲット
21 成形型
22 型枠
23 蓋体
35 樹脂フィルム
36 真空パック品
41 金属製のカプセル
42 離型材
P 粉末材料
S1 焼結前成形体
21 成形型
22 型枠
23 蓋体
35 樹脂フィルム
36 真空パック品
41 金属製のカプセル
42 離型材
P 粉末材料
S1 焼結前成形体
Claims (9)
- 粉末材料を成形体1枚分ずつ加圧して板状の成形体を1枚ずつ複数形成する成形体形成工程と、複数の前記成形体を金属製のカプセル内に積層状態に収容して、熱間等方圧加圧法により加圧及び加熱して焼結体を形成する焼結体形成工程と、を備え、
前記焼結体形成工程では、前記積層状態において前記成形体間に離型材が配置されるように前記金属製のカプセル内に複数の前記成形体及び前記離型材を収容することを特徴とする焼結体の製造方法。 - 前記成形体形成工程では、前記成形体の相対密度が45%以上85%以下となるように前記粉末材料を加圧することを特徴とする請求項1に記載の焼結体の製造方法。
- 前記成形体形成工程と前記焼結体形成工程との間に、前記成形体の表面を面削加工した焼結前成形体を形成する焼結前成形体形成工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結体の製造方法。
- 前記焼結前成形体形成工程では、前記成形体のスパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下となるように前記成形体の表面を面削加工することを特徴とする請求項3に記載の焼結体の製造方法。
- 前記成形体形成工程では、前記粉末材料を成形型内に充填した状態で冷間等方圧加圧法により加圧することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の焼結体の製造方法。
- 前記成形型は、曲げ剛性に比して面方向に沿う圧縮変形に対する抵抗が小さい素材により形成されており、前記成形体形成工程は、該成形型内に前記粉末材料を充填する充填工程と、充填工程後の前記成形型を真空パックして密封状態とする真空パック工程と、真空パックされた前記成形型を冷間等方圧加圧法により加圧する加圧工程と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の焼結体の製造方法。
- 前記離型材は、シート状に形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の焼結体の製造方法。
- 板状の焼結前成形体であって、スパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.020mm以下であることを特徴とする焼結前成形体。
- 板状の焼結体であって、スパッタ面となる表面の単位長さ当たりの反り量が0.052mm以下であることを特徴とする焼結体。
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