JPH093636A - 大型スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
大型スパッタリングターゲットの製造方法Info
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- JPH093636A JPH093636A JP15937495A JP15937495A JPH093636A JP H093636 A JPH093636 A JP H093636A JP 15937495 A JP15937495 A JP 15937495A JP 15937495 A JP15937495 A JP 15937495A JP H093636 A JPH093636 A JP H093636A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 セラミック原料粉末を2枚の金属板ではさ
み、真空パックした後、5〜50MPaの圧力で予備冷
間静水圧処理をし、次に、再度真空パックした後、本冷
間静水圧処理をしてセラミック成形体を得、しかる後、
該セラミック成形体を焼結することを特徴とする大型ス
パッタリングターゲットの製造方法。 【効果】 良好な平坦度を有する大型のセラミック成形
体を成形でき、ひいては該成形体を切削加工することな
く焼結することにより大型スパッタリングターゲットを
得ることができ、従って、大型スパッタリングターゲッ
トを製造するに際し、セラミック成形体の切削加工が不
要となり、それにより製造工程が簡略になり、製造時間
が短縮され、しかも材料の歩留まりが向上し、ひいては
製造コストの低減がはかれるようになる。
み、真空パックした後、5〜50MPaの圧力で予備冷
間静水圧処理をし、次に、再度真空パックした後、本冷
間静水圧処理をしてセラミック成形体を得、しかる後、
該セラミック成形体を焼結することを特徴とする大型ス
パッタリングターゲットの製造方法。 【効果】 良好な平坦度を有する大型のセラミック成形
体を成形でき、ひいては該成形体を切削加工することな
く焼結することにより大型スパッタリングターゲットを
得ることができ、従って、大型スパッタリングターゲッ
トを製造するに際し、セラミック成形体の切削加工が不
要となり、それにより製造工程が簡略になり、製造時間
が短縮され、しかも材料の歩留まりが向上し、ひいては
製造コストの低減がはかれるようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大型スパッタリングタ
ーゲットの製造方法に関し、詳細には、大面積のセラミ
ックよりなる磁性体、誘電体、導電体、あるいは、耐摩
耗性膜等(以降、セラミック機能膜という)を、スパッ
タリング法によって形成する際に用いられる大面積のセ
ラミック機能膜形成用大型(大面積)スパッタリングタ
ーゲットの製造方法に関する。
ーゲットの製造方法に関し、詳細には、大面積のセラミ
ックよりなる磁性体、誘電体、導電体、あるいは、耐摩
耗性膜等(以降、セラミック機能膜という)を、スパッ
タリング法によって形成する際に用いられる大面積のセ
ラミック機能膜形成用大型(大面積)スパッタリングタ
ーゲットの製造方法に関する。
【0002】特には、LCD(液晶)やEL(エレクトロルミ
ネッセンス)等の薄型ディスプレー用表示デバイス駆動
電極、太陽電池の透明電極、更には窓ガラスへの熱線遮
蔽コーティング、高速交通機関のウインドシールドの防
曇・防氷、各種機材の帯電防止処理、静電遮蔽コーティ
ング等に用いられる大面積のITOよりなる透明(透光
性)の導電膜(以降、ITO透明導電膜という)を、ス
パッタリング法によって形成する際に用いられる大面積
のITO透明導電膜形成用大型スパッタリングターゲッ
トの製造方法に関する。尚、ITOとは、Indium Tin O
xideのこと(略称)であり、この物質は酸化インジウム
と酸化錫を出発原料にしてなり、酸化インジウムに酸化
錫をドープさせたものであって、組織的(結晶構造的)
には酸化インジウム中に錫が固溶した状態のものであ
る。
ネッセンス)等の薄型ディスプレー用表示デバイス駆動
電極、太陽電池の透明電極、更には窓ガラスへの熱線遮
蔽コーティング、高速交通機関のウインドシールドの防
曇・防氷、各種機材の帯電防止処理、静電遮蔽コーティ
ング等に用いられる大面積のITOよりなる透明(透光
性)の導電膜(以降、ITO透明導電膜という)を、ス
パッタリング法によって形成する際に用いられる大面積
のITO透明導電膜形成用大型スパッタリングターゲッ
トの製造方法に関する。尚、ITOとは、Indium Tin O
xideのこと(略称)であり、この物質は酸化インジウム
と酸化錫を出発原料にしてなり、酸化インジウムに酸化
錫をドープさせたものであって、組織的(結晶構造的)
には酸化インジウム中に錫が固溶した状態のものであ
る。
【0003】
【従来の技術】ITO透明導電膜等のセラミック機能膜
の製造方法には、スパッタリング法、真空蒸着法、CV
D法、スプレー熱分解法等があるが、特に良質な膜が要
求される分野ではスパッタリング法が採用されている。
の製造方法には、スパッタリング法、真空蒸着法、CV
D法、スプレー熱分解法等があるが、特に良質な膜が要
求される分野ではスパッタリング法が採用されている。
【0004】スパッタリング法によりITO透明導電膜
を製造する場合、スパッタガスとしてはアルゴン−酸素
混合ガスが用いられ、このとき、ガス中の酸素濃度は、
低抵抗であって且つ高透過率を有するITO透明導電膜
が得られるような量に設定される。又、スパッタリング
ターゲットとしては、IT(:In-Sn合金)よりなるター
ゲット又はITOよりなるターゲット(ITOターゲッ
ト)が用いられるが、最近では、膜性能及び膜の均一性
の向上、及び、成膜操作の簡便性に有利な酸化物焼結体
よりなるITOターゲットを用いる方法が主流となって
いる。
を製造する場合、スパッタガスとしてはアルゴン−酸素
混合ガスが用いられ、このとき、ガス中の酸素濃度は、
低抵抗であって且つ高透過率を有するITO透明導電膜
が得られるような量に設定される。又、スパッタリング
ターゲットとしては、IT(:In-Sn合金)よりなるター
ゲット又はITOよりなるターゲット(ITOターゲッ
ト)が用いられるが、最近では、膜性能及び膜の均一性
の向上、及び、成膜操作の簡便性に有利な酸化物焼結体
よりなるITOターゲットを用いる方法が主流となって
いる。
【0005】従来、かかるITOターゲットは、ITO
粉末を金型プレス法により成形して成形体を得、該成形
体を焼成する方法により製造されている。しかしなが
ら、この方法は、成型体の密度が低いために高密度なI
TOターゲットが得られ難く、低密度のITOターゲッ
トとなり易い。かかる低密度のITOターゲットは、抵
抗率が高く、熱伝導率が低く、又、抗折力が弱く、その
ため、スパッタリングに際し、異常放電が生じ、得られ
るITO透明導電膜に悪影響を及ぼす。このようなこと
から、ITOターゲットとして特性向上が望まれる重要
な特性の一つとして高密度化がある。
粉末を金型プレス法により成形して成形体を得、該成形
体を焼成する方法により製造されている。しかしなが
ら、この方法は、成型体の密度が低いために高密度なI
TOターゲットが得られ難く、低密度のITOターゲッ
トとなり易い。かかる低密度のITOターゲットは、抵
抗率が高く、熱伝導率が低く、又、抗折力が弱く、その
ため、スパッタリングに際し、異常放電が生じ、得られ
るITO透明導電膜に悪影響を及ぼす。このようなこと
から、ITOターゲットとして特性向上が望まれる重要
な特性の一つとして高密度化がある。
【0006】即ち、低密度なITOターゲットをスパッ
タリングに使用した場合、放電電圧が上昇し、ターゲッ
トの表面温度も上昇してくる。そのため、ターゲット表
面が還元されて低級酸化物(酸素の結合比率の低い酸化
物)となり、それにより黒色化やノジュールの発生が起
こってターゲットの使用効率が低下したり、又、形成さ
れるITO透明導電膜の抵抗が高く、透過率が低くな
り、膜特性が悪くなる。従って、これらを防止すること
が望まれ、そのためにITOターゲットの高密度化が望
まれており、現在では、相対密度85%以上、更には相対
密度90%以上の高密度ITOターゲットが望まれてい
る。
タリングに使用した場合、放電電圧が上昇し、ターゲッ
トの表面温度も上昇してくる。そのため、ターゲット表
面が還元されて低級酸化物(酸素の結合比率の低い酸化
物)となり、それにより黒色化やノジュールの発生が起
こってターゲットの使用効率が低下したり、又、形成さ
れるITO透明導電膜の抵抗が高く、透過率が低くな
り、膜特性が悪くなる。従って、これらを防止すること
が望まれ、そのためにITOターゲットの高密度化が望
まれており、現在では、相対密度85%以上、更には相対
密度90%以上の高密度ITOターゲットが望まれてい
る。
【0007】かかるITOターゲットの高密度化を目的
として検討されたものとして、特開平1-290551号公報に
記載されたITOターゲットの製造方法がある。この製
造方法は、酸化インジウム−酸化スズを含有する粉末を
予備成型して得られた成型体を冷間静水圧プレスにより
圧密化し、次いで焼成することを特徴とするITOター
ゲットの製造方法である。この方法によれば、相対密度
70%以上のITOターゲットが得られると記載されてい
る。
として検討されたものとして、特開平1-290551号公報に
記載されたITOターゲットの製造方法がある。この製
造方法は、酸化インジウム−酸化スズを含有する粉末を
予備成型して得られた成型体を冷間静水圧プレスにより
圧密化し、次いで焼成することを特徴とするITOター
ゲットの製造方法である。この方法によれば、相対密度
70%以上のITOターゲットが得られると記載されてい
る。
【0008】一方、近年は液晶画面が大型化してきてお
り、それに伴ってターゲットの大型化が望まれている。
かかる大型(大面積)のターゲットの製造に際し、先ず
原料粉末を成形して大型の成形体を得る必要があるが、
大型の成形体を成形するには、従来の金型プレス成形法
では非常に難しく、例えば、プレス成形法で 4000kgf/c
m2(400MPa) の圧力を5×15inchの成形体に加えようと
すると2000トンプレス機が必要であり、設備的負担が大
きすぎる等の難点があり、そのため、冷間静水圧処理に
よる成形法が採用される。
り、それに伴ってターゲットの大型化が望まれている。
かかる大型(大面積)のターゲットの製造に際し、先ず
原料粉末を成形して大型の成形体を得る必要があるが、
大型の成形体を成形するには、従来の金型プレス成形法
では非常に難しく、例えば、プレス成形法で 4000kgf/c
m2(400MPa) の圧力を5×15inchの成形体に加えようと
すると2000トンプレス機が必要であり、設備的負担が大
きすぎる等の難点があり、そのため、冷間静水圧処理に
よる成形法が採用される。
【0009】ところが、冷間静水圧処理によって大型の
成形体を成形した場合、原料粉末の充填の偏りや空気の
巻き込み、治具の変形によって歪みが生じてしまい、そ
のため良好な平坦度の成形体(成形板)が得られないと
いう問題点がある。従って、所望の大きさのターゲット
を得るには、所望の大きさよりも大きい(厚い)成形体
に成形しておき、これを切削加工して所望の大きさにし
た後、脱脂、焼結する必要があり、そのため、材料の歩
留まりが大幅に低下し、又、切削加工に長時間を要し、
ひいてはターゲットの製造コストが上昇するという問題
点がある。尚、平坦度とは、成形体(成形板)の反りの
程度及び表面の凹凸の程度のことであり、良好な平坦度
の成形体とは、これら反り及び凹凸の程度が小さく、充
分に平坦で円滑であって、切削加工が不要である成形体
のことである(以降同様)。
成形体を成形した場合、原料粉末の充填の偏りや空気の
巻き込み、治具の変形によって歪みが生じてしまい、そ
のため良好な平坦度の成形体(成形板)が得られないと
いう問題点がある。従って、所望の大きさのターゲット
を得るには、所望の大きさよりも大きい(厚い)成形体
に成形しておき、これを切削加工して所望の大きさにし
た後、脱脂、焼結する必要があり、そのため、材料の歩
留まりが大幅に低下し、又、切削加工に長時間を要し、
ひいてはターゲットの製造コストが上昇するという問題
点がある。尚、平坦度とは、成形体(成形板)の反りの
程度及び表面の凹凸の程度のことであり、良好な平坦度
の成形体とは、これら反り及び凹凸の程度が小さく、充
分に平坦で円滑であって、切削加工が不要である成形体
のことである(以降同様)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は、前記従
来の冷間静水圧処理による大型成形体の成形の場合に比
較し、良好な平坦度を有する大型のセラミック成形体を
成形でき、ひいては該成形体を切削加工することなく焼
結することにより大型スパッタリングターゲットを得る
ことができる大型スパッタリングターゲットの製造方法
を提供しようとするものである。
に着目してなされたものであって、その目的は、前記従
来の冷間静水圧処理による大型成形体の成形の場合に比
較し、良好な平坦度を有する大型のセラミック成形体を
成形でき、ひいては該成形体を切削加工することなく焼
結することにより大型スパッタリングターゲットを得る
ことができる大型スパッタリングターゲットの製造方法
を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る大型スパッタリングターゲットの製
造方法は、次のような構成としている。即ち、請求項1
記載の大型スパッタリングターゲットの製造方法は、セ
ラミック原料粉末を2枚の金属板ではさみ、これを真空
パックした後、5〜50MPaの圧力で予備冷間静水圧
処理をし、次に、再度真空パックした後、本冷間静水圧
処理をしてセラミック成形体を得、しかる後、該セラミ
ック成形体を焼結することを特徴とする大型スパッタリ
ングターゲットの製造方法である。
めに、本発明に係る大型スパッタリングターゲットの製
造方法は、次のような構成としている。即ち、請求項1
記載の大型スパッタリングターゲットの製造方法は、セ
ラミック原料粉末を2枚の金属板ではさみ、これを真空
パックした後、5〜50MPaの圧力で予備冷間静水圧
処理をし、次に、再度真空パックした後、本冷間静水圧
処理をしてセラミック成形体を得、しかる後、該セラミ
ック成形体を焼結することを特徴とする大型スパッタリ
ングターゲットの製造方法である。
【0012】請求項2記載の大型スパッタリングターゲ
ットの製造方法は、前記本冷間静水圧処理を150〜4
00MPaの圧力で行う請求項1記載の大型スパッタリ
ングターゲットの製造方法である。請求項3記載の大型
スパッタリングターゲットの製造方法は、前記セラミッ
ク原料粉末が酸化インジウム粉末及び酸化錫粉末を含む
混合粉末である請求項1又は2記載の大型スパッタリン
グターゲットの製造方法である。
ットの製造方法は、前記本冷間静水圧処理を150〜4
00MPaの圧力で行う請求項1記載の大型スパッタリ
ングターゲットの製造方法である。請求項3記載の大型
スパッタリングターゲットの製造方法は、前記セラミッ
ク原料粉末が酸化インジウム粉末及び酸化錫粉末を含む
混合粉末である請求項1又は2記載の大型スパッタリン
グターゲットの製造方法である。
【0013】
【作用】本発明に係る大型スパッタリングターゲットの
製造方法は、前記の如く、セラミック原料粉末を2枚の
金属板ではさみ、これを真空パックした後、5〜50M
Paの圧力で予備冷間静水圧処理をし、次に、再度真空
パックした後、本冷間静水圧処理をしてセラミック成形
体を得、しかる後、該セラミック成形体を焼結するよう
にしている。尚、予備冷間静水圧処理、本冷間静水圧処
理のいづれも冷間静水圧処理であるが、予備冷間静水圧
処理は、本冷間静水圧処理の前に予備的に行われる冷間
静水圧処理であり、本冷間静水圧処理は、予備冷間静水
圧処理の後に行われる冷間静水圧処理であって、焼結に
供するセラミック成形体を成形するための冷間静水圧処
理であり、予備冷間静水圧処理よりも高い圧力で行われ
る。
製造方法は、前記の如く、セラミック原料粉末を2枚の
金属板ではさみ、これを真空パックした後、5〜50M
Paの圧力で予備冷間静水圧処理をし、次に、再度真空
パックした後、本冷間静水圧処理をしてセラミック成形
体を得、しかる後、該セラミック成形体を焼結するよう
にしている。尚、予備冷間静水圧処理、本冷間静水圧処
理のいづれも冷間静水圧処理であるが、予備冷間静水圧
処理は、本冷間静水圧処理の前に予備的に行われる冷間
静水圧処理であり、本冷間静水圧処理は、予備冷間静水
圧処理の後に行われる冷間静水圧処理であって、焼結に
供するセラミック成形体を成形するための冷間静水圧処
理であり、予備冷間静水圧処理よりも高い圧力で行われ
る。
【0014】このようにすると、予備冷間静水圧処理に
よりセラミック原料粉末間の気体等の気体(主に空気)
が除去されるので、気体の凝集を生じることなく本冷間
静水圧処理し得、そのため、金属板の表面(平坦面)に
沿った表面を有し、金属板と同様の良好な平坦度を有す
る大型のセラミック成形体が得られ、従って、該成形体
を切削加工することなく焼結することにより大型スパッ
タリングターゲットを得ることができるようになる。
よりセラミック原料粉末間の気体等の気体(主に空気)
が除去されるので、気体の凝集を生じることなく本冷間
静水圧処理し得、そのため、金属板の表面(平坦面)に
沿った表面を有し、金属板と同様の良好な平坦度を有す
る大型のセラミック成形体が得られ、従って、該成形体
を切削加工することなく焼結することにより大型スパッ
タリングターゲットを得ることができるようになる。
【0015】以下、この詳細について説明する。セラミ
ック原料粉末を2枚の金属板ではさみ、これを真空パッ
クし、冷間静水圧処理をすると、得られるセラミック成
形体の平坦度及び平行度(箇所による厚みのばらつきの
少なさ、即ち厚みの均一性)を向上させることができ
る。即ち、冷間静水圧処理は、被処理物に対して等方的
に圧力を加えるものであるが、上記の如く金属板を用い
ることにより、疑似1軸プレスのような働きが生じ、そ
れに起因して全体的には(マクロ的には、即ち局部的凹
凸を除けば)金属板と同様な平坦度、平行度を有するセ
ラミック成形体を得ることができる。そして、下記の如
き気体の凝集による凹み部の発生がなければ、局部的
(ミクロ的)にも金属板と同様に良好な平坦度を有する
セラミック成形体を得ることができる。
ック原料粉末を2枚の金属板ではさみ、これを真空パッ
クし、冷間静水圧処理をすると、得られるセラミック成
形体の平坦度及び平行度(箇所による厚みのばらつきの
少なさ、即ち厚みの均一性)を向上させることができ
る。即ち、冷間静水圧処理は、被処理物に対して等方的
に圧力を加えるものであるが、上記の如く金属板を用い
ることにより、疑似1軸プレスのような働きが生じ、そ
れに起因して全体的には(マクロ的には、即ち局部的凹
凸を除けば)金属板と同様な平坦度、平行度を有するセ
ラミック成形体を得ることができる。そして、下記の如
き気体の凝集による凹み部の発生がなければ、局部的
(ミクロ的)にも金属板と同様に良好な平坦度を有する
セラミック成形体を得ることができる。
【0016】しかしながら、上記の如くセラミック原料
粉末を2枚の金属板ではさみ、これを真空パックし、冷
間静水圧処理をすると、冷間静水圧による加圧の際に、
金属板とセラミック原料粉末層(2枚の金属板にはさま
れたセラミック原料粉末)との間に気体の凝集が起こ
り、それに起因して凹んだ部分を有し、平坦度の不充分
なセラミック成形体となってしまう。即ち、セラミック
原料粉末を2枚の金属板ではさむ際及び真空パックする
際に空気等の気体が巻き込まれ、真空パック後もセラミ
ック原料粉末間等に空気等の気体が存在する。そして、
これらの気体が冷間静水圧処理の際に金属板とセラミッ
ク原料粉末層との間に凝集し、その状態で冷間静水圧に
より加圧されてセラミック成形体となるので、このセラ
ミック成形体は前記凝集した気体に接する箇所で凹み、
平坦度が不充分なものとなってしまう。従って、その対
策が必要である。
粉末を2枚の金属板ではさみ、これを真空パックし、冷
間静水圧処理をすると、冷間静水圧による加圧の際に、
金属板とセラミック原料粉末層(2枚の金属板にはさま
れたセラミック原料粉末)との間に気体の凝集が起こ
り、それに起因して凹んだ部分を有し、平坦度の不充分
なセラミック成形体となってしまう。即ち、セラミック
原料粉末を2枚の金属板ではさむ際及び真空パックする
際に空気等の気体が巻き込まれ、真空パック後もセラミ
ック原料粉末間等に空気等の気体が存在する。そして、
これらの気体が冷間静水圧処理の際に金属板とセラミッ
ク原料粉末層との間に凝集し、その状態で冷間静水圧に
より加圧されてセラミック成形体となるので、このセラ
ミック成形体は前記凝集した気体に接する箇所で凹み、
平坦度が不充分なものとなってしまう。従って、その対
策が必要である。
【0017】そこで、この対策を検討し、その結果、冷
間静水圧処理の前に予備冷間静水圧処理をすればよいこ
と、より詳細には、セラミック原料粉末を2枚の金属板
ではさみ、これを真空パックした後、5〜50MPaの
圧力で予備冷間静水圧処理をし、次に、再度真空パック
した後、冷間静水圧処理(本冷間静水圧処理)をすれば
よいことがわかったので、そのようにしている。
間静水圧処理の前に予備冷間静水圧処理をすればよいこ
と、より詳細には、セラミック原料粉末を2枚の金属板
ではさみ、これを真空パックした後、5〜50MPaの
圧力で予備冷間静水圧処理をし、次に、再度真空パック
した後、冷間静水圧処理(本冷間静水圧処理)をすれば
よいことがわかったので、そのようにしている。
【0018】このようにすると、予備冷間静水圧処理に
よりセラミック原料粉末層が圧縮され、セラミック原料
粉末間の気体等の気体がセラミック原料粉末層から追い
出された状態となり、次に、これを再度真空パックする
ことによりセラミック原料粉末間等に気体が存在しない
か、存在しても極めて少ない状態(気体が充分に除去さ
れた状態)となる。そして、このような状態下で本冷間
静水圧処理をすることになる。従って、前記の如き気体
の凝集を生じることなく本冷間静水圧処理をし得、その
ため、凹みがなく、金属板の表面(平坦面)に沿った表
面を有し、金属板と同様の良好な平坦度を有する大型の
セラミック成形体が得られる。即ち、大型スパッタリン
グターゲットのニアネットシェイブの成形体であって切
削加工を要しないものが得られる。
よりセラミック原料粉末層が圧縮され、セラミック原料
粉末間の気体等の気体がセラミック原料粉末層から追い
出された状態となり、次に、これを再度真空パックする
ことによりセラミック原料粉末間等に気体が存在しない
か、存在しても極めて少ない状態(気体が充分に除去さ
れた状態)となる。そして、このような状態下で本冷間
静水圧処理をすることになる。従って、前記の如き気体
の凝集を生じることなく本冷間静水圧処理をし得、その
ため、凹みがなく、金属板の表面(平坦面)に沿った表
面を有し、金属板と同様の良好な平坦度を有する大型の
セラミック成形体が得られる。即ち、大型スパッタリン
グターゲットのニアネットシェイブの成形体であって切
削加工を要しないものが得られる。
【0019】ひいては、該成形体を切削加工することな
く焼結することにより大型スパッタリングターゲットを
得ることができる。
く焼結することにより大型スパッタリングターゲットを
得ることができる。
【0020】ここで、予備冷間静水圧処理を5〜50M
Paの圧力で行うようにしているのは、5MPa未満の
圧力で行うと、セラミック原料粉末層等からの気体の追
い出しが不充分となり、ひいては、本冷間静水圧処理の
際に気体の凝集による凹みが生じ、得られる大型のセラ
ミック成形体の平坦度が低下し、切削加工を要するよう
になり、一方、50MPa超の圧力で行うと、予備冷間
静水圧処理の際に金属板とセラミック原料粉末層との間
に気体の凝集が起こり、その状態で加圧され、それに起
因して金属板の変形が起こり、更に成形体の変形が起こ
るようになるからである。
Paの圧力で行うようにしているのは、5MPa未満の
圧力で行うと、セラミック原料粉末層等からの気体の追
い出しが不充分となり、ひいては、本冷間静水圧処理の
際に気体の凝集による凹みが生じ、得られる大型のセラ
ミック成形体の平坦度が低下し、切削加工を要するよう
になり、一方、50MPa超の圧力で行うと、予備冷間
静水圧処理の際に金属板とセラミック原料粉末層との間
に気体の凝集が起こり、その状態で加圧され、それに起
因して金属板の変形が起こり、更に成形体の変形が起こ
るようになるからである。
【0021】前記本冷間静水圧処理を150MPa未満
の圧力で行うと、得られる大型セラミック成形体の密度
が低くなる傾向にあるが、150MPa以上の圧力で行
うと、高密度の大型セラミック成形体が得られ、ひいて
は高密度の大型スパッタリングターゲットが得られるよ
うになる。しかし、400MPa超の圧力で行うと、金
属板の縁が高圧力の影響で変形するため、得られる大型
セラミック成形体の平坦度が低下したり、成形時に割れ
が発生したりする傾向がある。かかる点から、150〜
400MPaの圧力で行うようにすることが望ましい
(請求項2記載の大型スパッタリングターゲットの製造
方法)。
の圧力で行うと、得られる大型セラミック成形体の密度
が低くなる傾向にあるが、150MPa以上の圧力で行
うと、高密度の大型セラミック成形体が得られ、ひいて
は高密度の大型スパッタリングターゲットが得られるよ
うになる。しかし、400MPa超の圧力で行うと、金
属板の縁が高圧力の影響で変形するため、得られる大型
セラミック成形体の平坦度が低下したり、成形時に割れ
が発生したりする傾向がある。かかる点から、150〜
400MPaの圧力で行うようにすることが望ましい
(請求項2記載の大型スパッタリングターゲットの製造
方法)。
【0022】前記セラミック原料粉末とは、大型セラミ
ック成形体ひいては大型スパッタリングターゲットを得
るための原料であってセラミック粉末(粉末状セラミッ
ク)のことである。このようなセラミック原料粉末とし
ては、特に限定されるものではなく、製造する大型スパ
ッタリングターゲットの用途に応じて選定される。例え
ば、大面積のITO透明導電膜形成用の大型ITOスパ
ッタリングターゲットを製造する場合には、それに応じ
たセラミック原料粉末が選定され、かかるセラミック原
料粉末としては酸化インジウム粉末及び酸化錫粉末を含
む混合粉末が挙げられる(請求項3記載の大型スパッタ
リングターゲットの製造方法)。
ック成形体ひいては大型スパッタリングターゲットを得
るための原料であってセラミック粉末(粉末状セラミッ
ク)のことである。このようなセラミック原料粉末とし
ては、特に限定されるものではなく、製造する大型スパ
ッタリングターゲットの用途に応じて選定される。例え
ば、大面積のITO透明導電膜形成用の大型ITOスパ
ッタリングターゲットを製造する場合には、それに応じ
たセラミック原料粉末が選定され、かかるセラミック原
料粉末としては酸化インジウム粉末及び酸化錫粉末を含
む混合粉末が挙げられる(請求項3記載の大型スパッタ
リングターゲットの製造方法)。
【0023】前記真空パックとは、セラミック原料粉末
を2枚の金属板ではさんだもの、セラミック原料粉末を
2枚の金属板ではさみ、これを発泡スチロール等よりな
る型の中に充填したもの、或いは更にゴム等よりなる材
料で覆ったもの等を、ビニール袋等の袋に入れた後、そ
の中を真空ポンプ等によってほぼ真空又は減圧にするこ
とをいう。
を2枚の金属板ではさんだもの、セラミック原料粉末を
2枚の金属板ではさみ、これを発泡スチロール等よりな
る型の中に充填したもの、或いは更にゴム等よりなる材
料で覆ったもの等を、ビニール袋等の袋に入れた後、そ
の中を真空ポンプ等によってほぼ真空又は減圧にするこ
とをいう。
【0024】
(実施例1)先ず、厚さ:20mmの発泡スチロールで内寸
法: 465×165 ×20mmの型を作製した。次に、In2O3-10
wt%SnO2造粒粉(酸化錫粉末を10wt%含む酸化インジウ
ム基混合粉末)を2枚のアルミ板ではさんだ状態で前記
型の中に充填した。この充填後の状態を図1に示す。次
に、この充填後のものをゴム袋で覆った後、ビニール袋
に入れ、その中を真空ポンプによって減圧にすることに
より、真空パックをした。この真空パックの後、真空ポ
ンプを作動させた状態で、5MPaの圧力で予備冷間静
水圧処理をした。
法: 465×165 ×20mmの型を作製した。次に、In2O3-10
wt%SnO2造粒粉(酸化錫粉末を10wt%含む酸化インジウ
ム基混合粉末)を2枚のアルミ板ではさんだ状態で前記
型の中に充填した。この充填後の状態を図1に示す。次
に、この充填後のものをゴム袋で覆った後、ビニール袋
に入れ、その中を真空ポンプによって減圧にすることに
より、真空パックをした。この真空パックの後、真空ポ
ンプを作動させた状態で、5MPaの圧力で予備冷間静
水圧処理をした。
【0025】上記予備冷間静水圧処理の後、ビニール袋
を外したものを新たなビニール袋に入れ、その中を真空
ポンプによって減圧にすることにより、再度真空パック
し、次に、真空ポンプを作動させた状態で、400MP
aの圧力で本冷間静水圧処理をして大型セラミック成形
体(ITO成形体)を得た。
を外したものを新たなビニール袋に入れ、その中を真空
ポンプによって減圧にすることにより、再度真空パック
し、次に、真空ポンプを作動させた状態で、400MP
aの圧力で本冷間静水圧処理をして大型セラミック成形
体(ITO成形体)を得た。
【0026】このようにして得られたITO成形体は、
大きさ: 465×165 ×20mmであり、平坦度、平行度に優
れ、反りは0.2mm であり、割れ等の欠陥は認められず、
切削加工が不要のものであった。そこで、このITO成
形体を脱脂処理した後、酸素雰囲気中で1500℃に10時間
加熱して焼結し、大型ITO焼結体(即ち大型ITOス
パッタリングターゲット)を得た。このターゲットは大
きさ: 381×127 ×5mmという大型ITOスパッタリン
グターゲットであり、その相対密度は92%であった。
尚、ターゲットの相対密度は、アルキメデス法により測
定されるターゲットの密度:ρ1(g/cm2)と、出発原料で
ある前記混合粉末(In2O3-10wt%SnO2)の密度:ρ0(7.
155g/cm2) とから下記式を用いて求めた。尚、成形体の
反りは、成形体の凸面側を上にして定盤上に置き、成形
体と定盤との隙間の間隔(距離)の最大値を求める方法
により測定し、この最大値を反りの値とした。 (ρ1 /ρ0 )× 100=ITO焼結体の相対密度(%)
大きさ: 465×165 ×20mmであり、平坦度、平行度に優
れ、反りは0.2mm であり、割れ等の欠陥は認められず、
切削加工が不要のものであった。そこで、このITO成
形体を脱脂処理した後、酸素雰囲気中で1500℃に10時間
加熱して焼結し、大型ITO焼結体(即ち大型ITOス
パッタリングターゲット)を得た。このターゲットは大
きさ: 381×127 ×5mmという大型ITOスパッタリン
グターゲットであり、その相対密度は92%であった。
尚、ターゲットの相対密度は、アルキメデス法により測
定されるターゲットの密度:ρ1(g/cm2)と、出発原料で
ある前記混合粉末(In2O3-10wt%SnO2)の密度:ρ0(7.
155g/cm2) とから下記式を用いて求めた。尚、成形体の
反りは、成形体の凸面側を上にして定盤上に置き、成形
体と定盤との隙間の間隔(距離)の最大値を求める方法
により測定し、この最大値を反りの値とした。 (ρ1 /ρ0 )× 100=ITO焼結体の相対密度(%)
【0027】(実施例2)予備冷間静水圧処理での圧力
を50MPaとし、この点を除き実施例1と同様の方法
により同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このI
TO成形体は、平坦度、平行度に優れ、反りは0.4mm で
あり、割れ等の欠陥は認められず、切削加工が不要のも
のであった。そこで、このITO成形体を実施例1と同
様の方法により焼結し、同様の大きさの大型ITOスパ
ッタリングターゲットを得た。このターゲットの相対密
度は93%であった。
を50MPaとし、この点を除き実施例1と同様の方法
により同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このI
TO成形体は、平坦度、平行度に優れ、反りは0.4mm で
あり、割れ等の欠陥は認められず、切削加工が不要のも
のであった。そこで、このITO成形体を実施例1と同
様の方法により焼結し、同様の大きさの大型ITOスパ
ッタリングターゲットを得た。このターゲットの相対密
度は93%であった。
【0028】(実施例3)予備冷間静水圧処理での圧力
を50MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を150
MPaとし、かかる点を除き実施例1と同様の方法によ
り同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO
成形体は、平坦度、平行度に優れ、反りは0.1mm であ
り、割れ等の欠陥は認められず、切削加工が不要のもの
であった。そこで、このITO成形体を実施例1と同様
の方法により焼結し、同様の大きさの大型ITOスパッ
タリングターゲットを得た。このターゲットの相対密度
は90%であった。
を50MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を150
MPaとし、かかる点を除き実施例1と同様の方法によ
り同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO
成形体は、平坦度、平行度に優れ、反りは0.1mm であ
り、割れ等の欠陥は認められず、切削加工が不要のもの
であった。そこで、このITO成形体を実施例1と同様
の方法により焼結し、同様の大きさの大型ITOスパッ
タリングターゲットを得た。このターゲットの相対密度
は90%であった。
【0029】(比較例1)予備冷間静水圧処理での圧力
を実施例1では5MPaとしたが、比較例1ではこれに
代えて60MPaとし、この点を除き実施例1と同様の
方法により予備冷間静水圧処理を行ったところ、該処理
後の成形体(予備成形体)は、その両側のアルミ板と共
に反ってしまい、この成形体の反りは4mmであった。
尚、この成形体を実施例1と同様の方法により再度真空
パックして本冷間静水圧処理を施したが、これにより得
られた大型ITO成形体は反りが4mmであって平坦度に
劣り、切削加工を要するものであった。
を実施例1では5MPaとしたが、比較例1ではこれに
代えて60MPaとし、この点を除き実施例1と同様の
方法により予備冷間静水圧処理を行ったところ、該処理
後の成形体(予備成形体)は、その両側のアルミ板と共
に反ってしまい、この成形体の反りは4mmであった。
尚、この成形体を実施例1と同様の方法により再度真空
パックして本冷間静水圧処理を施したが、これにより得
られた大型ITO成形体は反りが4mmであって平坦度に
劣り、切削加工を要するものであった。
【0030】(比較例2)予備冷間静水圧処理での圧力
を3MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を150M
Paとし、かかる点を除き実施例1と同様の方法により
同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO成
形体は、その両側のアルミ板と共に反ってしまい、この
成形体の反りは3mmであって平坦度に劣り、切削加工を
要するものであった。
を3MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を150M
Paとし、かかる点を除き実施例1と同様の方法により
同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO成
形体は、その両側のアルミ板と共に反ってしまい、この
成形体の反りは3mmであって平坦度に劣り、切削加工を
要するものであった。
【0031】(実施例4)予備冷間静水圧処理での圧力
を20MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を120
MPaとし、かかる点を除き実施例1と同様の方法によ
り同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO
成形体は、平坦度、平行度に優れ、反りが認められず、
又、割れ等の欠陥も認められず、切削加工が不要のもの
であった。そこで、このITO成形体を実施例1と同様
の方法により焼結し、同様の大きさの大型ITOスパッ
タリングターゲットを得た。このターゲットは、相対密
度:83%であり、実施例1〜3の場合に比較して低密度
であった。
を20MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を120
MPaとし、かかる点を除き実施例1と同様の方法によ
り同様の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO
成形体は、平坦度、平行度に優れ、反りが認められず、
又、割れ等の欠陥も認められず、切削加工が不要のもの
であった。そこで、このITO成形体を実施例1と同様
の方法により焼結し、同様の大きさの大型ITOスパッ
タリングターゲットを得た。このターゲットは、相対密
度:83%であり、実施例1〜3の場合に比較して低密度
であった。
【0032】一方、予備冷間静水圧処理での圧力を50
MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を450MPa
とし、かかる点を除き実施例1と同様の方法により同様
の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO成形体
は、割れが発生して粉々の状態であった。又、この成形
体の両側のアルミ板は縁の部分が変形し、反りも生じて
いた。
MPaとし、本冷間静水圧処理での圧力を450MPa
とし、かかる点を除き実施例1と同様の方法により同様
の大きさの大型ITO成形体を得た。このITO成形体
は、割れが発生して粉々の状態であった。又、この成形
体の両側のアルミ板は縁の部分が変形し、反りも生じて
いた。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る大型スパッタリングターゲ
ットの製造方法によれば、従来の冷間静水圧処理による
大型成形体の成形の場合に比較し、良好な平坦度を有す
る大型のセラミック成形体を成形でき、ひいては該成形
体を切削加工することなく焼結することにより大型スパ
ッタリングターゲットを得ることができるようになる。
従って、セラミック成形体の切削加工を要することな
く、良好な平坦度を有する大型スパッタリングターゲッ
トを得ることができるようになる。そのため、大型スパ
ッタリングターゲットを製造するに際し、セラミック成
形体の切削加工が不要となり、それにより製造工程が簡
略になり、製造時間が短縮され、しかも材料の歩留まり
が向上し、ひいては製造コストの低減がはかれるように
なる。
ットの製造方法によれば、従来の冷間静水圧処理による
大型成形体の成形の場合に比較し、良好な平坦度を有す
る大型のセラミック成形体を成形でき、ひいては該成形
体を切削加工することなく焼結することにより大型スパ
ッタリングターゲットを得ることができるようになる。
従って、セラミック成形体の切削加工を要することな
く、良好な平坦度を有する大型スパッタリングターゲッ
トを得ることができるようになる。そのため、大型スパ
ッタリングターゲットを製造するに際し、セラミック成
形体の切削加工が不要となり、それにより製造工程が簡
略になり、製造時間が短縮され、しかも材料の歩留まり
が向上し、ひいては製造コストの低減がはかれるように
なる。
【図1】 実施例に係るセラミック粉末を2枚の金属板
ではさんだものを発泡スチロールよりなる型の中に充填
した状態を示す図であり、図1の(A) は正面図、図1の
(B) は横断面図、図1の(C) は縦断面図である。
ではさんだものを発泡スチロールよりなる型の中に充填
した状態を示す図であり、図1の(A) は正面図、図1の
(B) は横断面図、図1の(C) は縦断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 セラミック原料粉末を2枚の金属板では
さみ、これを真空パックした後、5〜50MPaの圧力
で予備冷間静水圧処理をし、次に、再度真空パックした
後、本冷間静水圧処理をしてセラミック成形体を得、し
かる後、該セラミック成形体を焼結することを特徴とす
る大型スパッタリングターゲットの製造方法。 - 【請求項2】 前記本冷間静水圧処理を150〜400
MPaの圧力で行う請求項1記載の大型スパッタリング
ターゲットの製造方法。 - 【請求項3】 前記セラミック原料粉末が酸化インジウ
ム粉末及び酸化錫粉末を含む混合粉末である請求項1又
は2記載の大型スパッタリングターゲットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15937495A JPH093636A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 大型スパッタリングターゲットの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15937495A JPH093636A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 大型スパッタリングターゲットの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093636A true JPH093636A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=15692433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15937495A Pending JPH093636A (ja) | 1995-06-26 | 1995-06-26 | 大型スパッタリングターゲットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH093636A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035777A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Tosoh Corp | 成形型、それを用いた成形体及びスパッタリングターゲットの製造方法並びにスパッタリングターゲット |
JP2006241595A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-09-14 | Tosoh Corp | 焼結体、スパッタリングターゲット及び成形型並びに焼結体の製造方法 |
US8419400B2 (en) | 2005-02-01 | 2013-04-16 | Tosoh Corporation | Sintered body, sputtering target and molding die, and process for producing sintered body employing the same |
CN109849385A (zh) * | 2018-12-20 | 2019-06-07 | 赣州海盛硬质合金有限公司 | 一种增加板坯在压制过程中致密化的方法 |
CN114773039A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-07-22 | 杭州恒影科技有限公司 | 一种尖晶石球罩等静压成型方法 |
-
1995
- 1995-06-26 JP JP15937495A patent/JPH093636A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006035777A (ja) * | 2004-07-29 | 2006-02-09 | Tosoh Corp | 成形型、それを用いた成形体及びスパッタリングターゲットの製造方法並びにスパッタリングターゲット |
JP2006241595A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-09-14 | Tosoh Corp | 焼結体、スパッタリングターゲット及び成形型並びに焼結体の製造方法 |
US8419400B2 (en) | 2005-02-01 | 2013-04-16 | Tosoh Corporation | Sintered body, sputtering target and molding die, and process for producing sintered body employing the same |
JP2014129231A (ja) * | 2005-02-01 | 2014-07-10 | Tosoh Corp | 焼結体及びスパッタリングターゲット |
US9920420B2 (en) | 2005-02-01 | 2018-03-20 | Tosoh Corporation | Sintered body, sputtering target and molding die, and process for producing sintered body employing the same |
CN109849385A (zh) * | 2018-12-20 | 2019-06-07 | 赣州海盛硬质合金有限公司 | 一种增加板坯在压制过程中致密化的方法 |
CN114773039A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-07-22 | 杭州恒影科技有限公司 | 一种尖晶石球罩等静压成型方法 |
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