JP2612807B2 - Itoスパッタリング用ターゲットの製造方法 - Google Patents

Itoスパッタリング用ターゲットの製造方法

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JP2612807B2
JP2612807B2 JP5086350A JP8635093A JP2612807B2 JP 2612807 B2 JP2612807 B2 JP 2612807B2 JP 5086350 A JP5086350 A JP 5086350A JP 8635093 A JP8635093 A JP 8635093A JP 2612807 B2 JP2612807 B2 JP 2612807B2
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野 直 紀 尾
戸 康 博 瀬
原 哲 也 川
本 浩 敏 福
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリングにより
ITO膜(Indium Tin Oxide膜)を形成させる際に使用
するITOスパッタリング用ターゲットの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ITO膜は、高い導電性と可視光透過性
を併せ持つため、液晶表示デバイスや、窓ガラス用結露
防止発熱膜等、様々な用途に広く用いられている。この
ITO膜の形成方法としてCVD法、真空蒸着法、スパ
ッタリング法等が知られているが、この中でも特に、ス
パッタリング法は、大面積の成膜が可能である、成
膜速度が速い、低抵抗の膜を再現性よく形成できる、
等などの利点から広く採用されている。
【0003】スパッタリング法によりITO膜を形成す
るに際しては、ITOスパッタリング用ターゲット(以
下、「ITOターゲット」という)が使用される。この
ITOターゲットは、一般に酸化インジウムと酸化すず
の粉末混合体、もしくはこれに添加物を入れた粉末混合
物をプレス成形し、焼結したものが用いられている。
【0004】このITOターゲットの焼結密度は、スパ
ッタリングによるITO成膜に大きな影響を与えること
が知られており、焼結密度が高いもの程、成膜速度が
速い、ターゲット寿命が長い、ITO特有の表面黒
色化が少ない、基板上のゴミ(パーティクル)が減少
する等の利点がある。このためより高い密度のITOタ
ーゲットが求められているが、ITOは焼結性が悪く、
また高温に加熱すると不安定化する性質があるため一般
的な焼成方法では、焼結後の密度が4.2〜5.0g/
cm3 程度(理論密度の60〜70%)の低いものしか得
られない。
【0005】そこで、より高密度のITOターゲットを
製造するために通常の焼結法に替えて、ホットプレス法
が用いられている。これにより、密度6.8g/cm
3 (理論密度95%)程度のものが製造されているが、
この方法には、設備のイニシアルコストが高い、ラ
ンニングコストが高い、同時に多数のターゲツトを焼
結することが困難である、等の欠点がある。
【0006】また、特開平3−207858号公報に
は、焼成時の雰囲気を1気圧以上の加圧酸素雰囲気とす
ることにより理論密度の95%以上の高密度ITOター
ゲットを得る方法が開示されており、ここでは、「焼結
雰囲気の酸素分圧が1気圧(ゲージ圧)を下回ると焼結
体の密度向上効果が小さい」および「より優れた効果を
確保するためには焼結雰囲気の酸素分圧を3気圧以上に
設定するのが望ましい」としている。しかしながら、酸
素ガスは支燃性を持つため、このように圧力の高い酸素
ガスを必要とする製造方法は、操業上危険が伴うという
問題点を有している。
【0007】これらの方法以外に理論密度の95%を超
えるITOスパッタリング用ターゲットを製造する方法
は、知られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術の問題点を解決するためのものであって、高い圧
力の酸素雰囲気を必要とせず、即ち安全かつ低コストで
理論密度の95%を超える高密度のITOターゲットを
高い生産性のもとに製造する方法を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な目的を達成すべく研究を進め、以下の知見を得るに至
った。すなわち、酸化インジウム及び酸化すずを主成分
とする粉末混合体をプレス成形した成形体を焼成してI
TOターゲットを製造するに際し、原料粉末を混合した
後、乾式ボールミル処理を行い、次いでバインダーを添
加してプレス成形を行い、得られた成形体は酸素雰囲気
中で焼結し、このとき焼結温度にまでプレス成形体を加
熱昇温する速度を1時間に350℃以上とすることによ
り、理論密度の95%を超える高密度のITOスパッタ
リングターゲットが得られる、ということである。
【0010】本発明は、このような知見に基いてなされ
たものであって、酸化インジウムと酸化すずを主成分と
するITOスパッタリング用ターゲットを製造するに際
し、原料粉末を混合した後、乾式ボールミル処理を行
い、次いでバインダーを添加してプレス成形を行い、得
られた成形体を酸素雰囲気中で焼結し、このとき焼結温
度にまでプレス成形体を加熱昇温する速度を1時間に3
50℃以上とすること、を特徴としている。ここで、酸
素雰囲気とは、いわゆる純酸素雰囲気であり、酸素ガス
及び不可避に含まれる不純物ガスをいう。焼結雰囲気の
圧力は常圧であっても、理論密度の95%を超えるIT
Oターゲットが得られるが、加圧雰囲気であれば更に密
度が向上する。ただし、高い圧力の酸素ガスを扱う操業
には危険が伴うため、加圧を行う場合でもゲージ圧で1
気圧以下とすることが好ましい。
【0011】昇温速度を350℃以上に限定する理由
は、これより遅い昇温速度では十分に高密度なITOタ
ーゲットが得られないためである。昇温速度には特に上
限はないが、好ましくは800℃/時程度以下とする。
その理由は、急激な昇温に伴って加熱が不均一になると
危険性が高くなり熱歪みにより焼結体にクラック等が生
じる恐れがあるためである。ただし、加熱の均一性が十
分保たれる場合にはこの限りではない。
【0012】乾式ボールミル処理は、ボールからの汚染
がないように耐摩耗性の高いZrO2 製またはAl2
3 製ボールを用いることが好ましい。
【0013】本発明により理論密度の95%を超える高
密度のITOターゲットが得られる理由については詳細
には未解明であるが、乾式ボールミル処理によって原料
粉末混合体中の微細な凝結体が解砕される効果と、その
解砕された粒子が表面拡散機構によって緻密化を伴わず
に粒成長してしまうのを抑えるのに急速加熱と酸素雰囲
気が有効に作用しているものと考えられる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いてさらに説明す
る。実施例1 平均粒径1μm以下の酸化インジウム及び酸化すず混合
粉末(SnO2 10wt%)をZrO2 ボールを使用して
乾式ボールミル処理(10時間)し、次いでバインダー
を添加して900 kgf/cm2 の圧力で成形して150×
150×10(mm)の平板状成形体を得た。これを純酸
素中(大気圧)で1時間に650℃の速さで昇温し15
50℃に達した後2時間保持して焼結を行ったところ得
られたITO焼結体ターゲットの密度は、6.90(g
/cm3 )(理論密度の96.5%)であった。
【0015】比較例1−1 実施例1と同様の原料混合体を乾式ボールミル処理なし
でバインダー添加して900 kgf/cm2 の圧力でプレス
成形して同様のサイズの成形体を得た。これを純酸素中
(大気圧)で1時間に650℃の速さで昇温し1550
℃に達した後、2時間保持して焼結を行ったところ、得
られたITO焼結体ターゲットの密度は6.38(g/
cm3 )(理論密度の89.2%)であった。
【0016】比較例1−2 実施例1と同様にして乾式ボールミル処理した同様の成
形体を脱脂後、純酸素中(大気圧)で1時間に200℃
の速さで昇温し1550℃に達した後2時間保持して焼
結を行ったところ得られたITO焼結体ターゲットの密
度は6.45(g/cm3 )(理論密度の90.2%)で
あった。実施例1と比較例1−1,1−2を対比する
と、酸素雰囲気中において95%以上の高密度の焼結体
を得るためには、乾式ボールミル処理と急速昇温は必要
条件であることが分る。
【0017】実施例2 実施例1と同様の成形体を純酸素加圧雰囲気(0.9気
圧)で1時間に650℃の速さで昇温し、1600℃に
達した後、2時間保持して焼結を行ったところ、得られ
た焼結体ターゲットの密度は、7.06(g/cm3
(理論密度の98.7%)であった。
【0018】比較例2−1 実施例2と同様の原料粉混合体を乾式ボールミル処理な
しでバインダー添加して900kgf /cm2 の圧力でプレ
ス成形して同様のサイズの成形体を得た。これを純酸素
加圧雰囲気(0.9気圧)で1時間に650℃の速さで
昇温し1600℃に達した後、2時間保持して焼結を行
ったところ、得られたITO焼結体ターゲットの密度
は、6.46(g/cm3 )(理論密度の90.3%)で
あった。
【0019】比較例2−2 実施例2と同様にして乾式ボールミル処理した同様の成
形体を純酸素加圧雰囲気(0.9気圧)で1時間に20
0℃の速さで昇温し、1600℃に達した後、2時間保
持して焼結を行ったところ、得られたITO焼結体ター
ゲットの密度は、6.65(g/cm3 )(理論密度の9
3.0%)であった。
【0020】実施例2と比較例2−1,2−2の結果か
ら乾式ボールミル処理と急速昇温をすることによって1
気圧以下の僅かな酸素加圧であっても、非常に高い密度
のITOターゲットが得られることが分る。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、高い圧力の酸素雰囲気
を用いることなく、即ち安全かつ低コストで理論密度の
95%を超える高密度ITOスパッタリング用ターゲッ
トを高い生産性のもとに製造することができる。また、
加熱・昇温速度が速くなると全体としての焼結時間が短
くてすむため、生産効率が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−299345(JP,A) 特開 平6−128019(JP,A) 特開 平6−24826(JP,A) 特開 平5−222410(JP,A) 特開 平5−70210(JP,A) 特開 平4−285163(JP,A) 特開 平3−207858(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化インジウムと酸化すずを主成分とする
    ITOスパッタリング用ターゲットを製造するに際し、
    原料粉末を混合した後、乾式ボールミル処理を行い、次
    いでバインダーを添加してプレス成形を行い、得られた
    成形体を酸素雰囲気中で焼結し、このとき成形体を焼結
    温度にまで加熱・昇温する速度を1時間に350℃以上
    とすることを特徴とする、ITOスパッタリング用ター
    ゲットの製造方法。
  2. 【請求項2】乾式ボールミル処理において、ZrO
    またはAl製ボールを用いることを特徴とする請
    求項1に記載のITOスパッタリング用ターゲットの製
    造方法。
  3. 【請求項3】プレス成形により得られた成形体を脱脂し
    て後、酸素雰囲気中で焼結することを特徴とする請求項
    1に記載のITOスパッタリング用ターゲットの製造方
    法。
  4. 【請求項4】焼結雰囲気がゲージ圧で1気圧以下の酸素
    加圧雰囲気であることを特徴とする請求項1に記載のI
    TOスパッタリング用ターゲットの製造方法。
  5. 【請求項5】成嵌体を焼結温度にまで加熱・昇温する速
    度を1時間に350℃〜800℃にすることを特徴とす
    る請求項1に記載のITOスパッタリング用ターゲット
    の製造方法。
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