JP2000232856A - 澄明なローヤルゼリー乳化組成物およびその製造方法 - Google Patents

澄明なローヤルゼリー乳化組成物およびその製造方法

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JP2000232856A JP11036938A JP3693899A JP2000232856A JP 2000232856 A JP2000232856 A JP 2000232856A JP 11036938 A JP11036938 A JP 11036938A JP 3693899 A JP3693899 A JP 3693899A JP 2000232856 A JP2000232856 A JP 2000232856A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に澄明でしかも生ローヤルゼリーに含ま
れる有効成分がほとんど失われておらず、その中に含ま
れる粒子径も小さく、かつ粒度分布の幅が狭く、安定性
にも優れた乳化組成物を得る。 【解決手段】 ローヤルゼリーを0.05%以上含有
し、ローヤルゼリー中の蛋白質が60%以上残存し、か
つ透過率が10%以上で澄明度が高いローヤルゼリー乳
化組成物、ならびに約60℃以上において、pHが約
4.0以下のローヤルゼリー水分散液について、HLB
値のより高い乳化剤を用いる乳化処理およびHLB値の
より低い乳化剤を用いる乳化処理に分けて乳化処理を行
うことを特徴とする、その製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ローヤルゼリーを
高濃度に含有し、かつ澄明な乳化組成物、およびその製
造方法、ならびにかかる乳化組成物を含有してなる飲食
品に関する。
【0002】
【従来の技術】ローヤルゼリーは古くから栄養価が高い
健康食品、あるいは医薬品として利用されている。その
効果としては間脳自律神経中枢の老化防止、血清コレス
テロール値の増加抑制効果、抗腫瘍効果、一過性の血流
増加作用、精神的疲労の改善、抗酸化効果などが報告さ
れている。ところで、ローヤルゼリーを清涼飲料水(栄
養飲料、スポーツ飲料、果汁飲料等)、乳飲料、医薬ド
リンク剤、ゼリー等の各種飲食物に利用しようとする場
合、生ローヤルゼリーを単に添加するだけでは、生ロー
ヤルゼリー中に多量に含有されている蛋白質、脂質等
が、飲食品等のpHやその中に含まれる多価フェノー
ル、金属イオン等の影響により、経時的に凝集、沈殿、
相分離等を起こし、外観上好ましい状態を得ることが困
難である。そこで従来から、ローヤルゼリーのエチルア
ルコール抽出画分や、酸および酵素分解、乳化処理物を
飲食品等に添加する方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エチル
アルコールで抽出すると、生ローヤルゼリーに特有の成
分である10−ヒドロキシ−δ2−デセン酸をはじめと
する脂肪酸類および他のエチルアルコール可溶性成分は
かなりの割合で抽出することができるが、それでも15
%以上の損失が生じる。さらに、生理活性効果が高いと
考えられている蛋白質や糖質等の有効成分が大量に失わ
れてしまう。また、酸による蛋白分解処理(特開平第5
−23120(アピ(株)))および酵素による蛋白分
解処理(特許第2623044号((株)バイオック
ス))も、やはり、生理活性効果が高いと考えられてい
る蛋白質を変性あるいは分解してしまう。したがって、
これらの方法では生ローヤルゼリー中の有効かつバラン
スの良い栄養分を利用できなくなるという問題点があっ
た。一方、乳化法としては乳化剤および食用油脂を用い
る方法(特許第2566643号)や、特開平第4−2
3956号の方法がある。特開平第4−23956号に
は、レシチン、HLB値10以下の多価アルコール脂肪
酸エステルおよびアラビアガムのうち1種以上を主成分
とすることを特徴とする、ローヤルゼリーを水に分散さ
せる分散剤を用いるローヤルゼリーの水分散液の製造方
法が記載されているが、かかる方法により得られる水分
散液は半透明ないし白濁状のものが多く、澄明度の高い
ものを得ることは困難であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記事情に鑑み、ローヤルゼリー本来の成分を極力損なわ
ず、自然の組成に近い状態で含有し、かつ長期間安定で
ある澄明なローヤルゼリー乳化組成物を調製し、これを
含有してなる飲食品等を得ることを目的として鋭意研究
した結果、特定領域のpHと温度において、ローヤルゼ
リーの水分散液について、HLB値のより高い乳化剤を
用いる乳化処理およびHLB値のより低い乳化剤を用い
る乳化処理に分けて乳化処理を行うことにより、非常に
澄明でしかも生ローヤルゼリーに含まれる有効成分がほ
とんど失われておらず、その中に含まれる粒子径も小さ
く、かつ粒度分布の幅が狭く、安定性にも優れた乳化組
成物を得ることに成功し、その用途についても検討を進
めて本発明を完成したものである。
【0005】すなわち、本発明は、(1)ローヤルゼリ
ーを0.05%以上含有し、ローヤルゼリー中の蛋白質
が60%以上残存し、かつ透過率が10%以上で澄明度
が高いローヤルゼリー乳化組成物、(2)約60℃以上
において、pHが約4.0以下のローヤルゼリー水分散
液について、HLB値のより高い乳化剤を用いる乳化処
理およびHLB値のより低い乳化剤を用いる乳化処理に
分けて乳化処理を行うことにより得ることのできる
(1)に記載の乳化組成物、(3)約60℃以上におい
て、pHが約4.0以下のローヤルゼリー水分散液につ
いて、HLB値のより高い乳化剤を用いる乳化処理およ
びHLB値のより低い乳化剤を用いる乳化処理に分けて
乳化処理を行うことを特徴とする、(1)または(2)
に記載の乳化組成物の製造方法、(4)(1)または
(2)に記載の乳化組成物を含有してなる飲食品、およ
び(5)(1)または(2)に記載の乳化組成物を含有
してなる医薬品に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のローヤルゼリー乳化組成
物の製造に際して用いられるローヤルゼリーは、特に限
定されるものではなく、例えば、「ローヤルゼリーの表
示に関する公正競争規約」で定義されているような「生
ローヤルゼリー」、「乾燥ローヤルゼリー」あるいは
「調製ローヤルゼリー」のいずれも使用できる。本発明
の目的からすると、天然状態で含まれる各種有効成分を
できるだけ高濃度に含むものを原料とすることが、当然
好ましい。
【0007】まず、ローヤルゼリーの水分散液を調製す
るが、この際、ローヤルゼリー、pH調整剤、乳化剤、
イオン交換水を、均一な分散物が得られる温度、例えば
約60℃以上、好ましくは70〜85℃に加熱し、撹拌
機等を用いて均一に分散させる。この分散工程における
上限温度は特に限定されないが、一般に100℃までで
十分であり、それ以上に加熱する必要は特にない。ロー
ヤルゼリーの水分散液中のローヤルゼリー配合量は、最
終の乳化組成物中に0.05重量%以上となるようにす
る。最終の乳化組成物中に約20.0重量%の高濃度と
なるようにしても本発明の目的とする澄明な乳化組成物
が得られるが、好ましくは最終の乳化組成物中に1.0
〜20.0重量%、さらに好ましくは5.0〜10.0重
量%含まれるように配合する。このような高濃度で実施
すれば作業効率上有利である。この水分散液のpHを約
4.0以下に調整する。好ましくはpH2.5〜3.5の
間とする。pH調整には可食性でありローヤルゼリーの
風味を損なわない有機酸あるいは無機酸を用いるのが好
ましい。一般に、有機酸としてはクエン酸、リンゴ酸、
乳酸、酒石酸、フマル酸あるいは酢酸などが好ましく、
とりわけクエン酸が好ましい。無機酸としてはリン酸な
どが好ましい。このpH調整のためには、酸水溶液、例
えば無水クエン酸の場合、約0.2〜1%の濃度の水溶
液として添加してもよい。得られた水分散液を乳化処理
に付す前に、異物等がある場合には常法により数10μ
mの孔サイズのフィルターで濾過してこれを除去しても
よい。
【0008】次いで、この水分散液について、HLB値
のより高い乳化剤を用いる乳化処理(以下、一次乳化と
いう)およびHLB値のより低い乳化剤を用いる乳化処
理に分けて乳化処理(以下、二次乳化という)を行う。
好ましくは、HLB値が10以上の乳化剤を単品または
2種以上組み合わせて用いて一次乳化を行い、好ましく
は、HLB値が10またはそれ未満の乳化剤を単品また
は2種以上組み合わせて用いて二次乳化を行う。一次乳
化および二次乳化はそれぞれ1回または2回以上行うこ
とができる。一次乳化および二次乳化のいずれを先に行
ってもよい。一次乳化および二次乳化の回数および順
序、ならびに乳化剤の種類およびHLB値については使
用原料、使用機器、水分散液の物理的および化学的状
態、ならびに目的とする最終製品等の諸要因に応じて適
宜選択または変更できる。かかる乳化処理を行う理由
は、ローヤルゼリー中の有効成分である10−ヒドロキ
シ−δ2−デセン酸をはじめとする脂肪酸類と、蛋白類
とにそれぞれ適した乳化剤を用いて十分に乳化させるた
めである。なお、より高いHBL値を有する乳化剤を用
いる一次乳化は脂肪酸類の乳化に適し、より低いHLB
値を有する乳化剤を用いる二次乳化は蛋白類の乳化に適
している。
【0009】使用する乳化剤は本発明の目的からすると
可食性のものが好ましい。乳化剤の使用量は、処理条件
や原料にもよるが、一次乳化、二次乳化ともにローヤル
ゼリーに対して合計0.05〜20重量%とするのが好
ましい。一次乳化に用いられるHLB値が10以上の乳
化剤の種類としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エスエル、ホスホグリセリン脂肪酸エステルな
どがある。例としては、デカグリセリンモノラウレート
(HLB16)、デカグリセリンモノステアレート(H
LB12)、デカグリセリンモノオレエート(HLB1
2)等が挙げられる。特にデカグリセリンモノオレエー
トが好ましい。二次乳化に用いられるHLB値が10ま
たはそれ未満の乳化剤の種類としては、グリセリン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エスエル、ホスホグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニンなど
がある。例としては、デカグリセリンデカオレエート
(HLB3.4)、ソルビタンモノステアレート(HL
B4.7)、ソルビタンモノオレエート(HLB4.
9)、有機酸モノグリセリド類(例えば、乳酸モノグリ
セリド、コハク酸モノグリセリド、酢酸モノグリセリ
ド)(HLB0〜10)等が挙げられる。特にソルビタ
ンモノオレエートが好ましい。
【0010】乳化処理に付すに際して水分散液を約60
℃以上、好ましくは約75〜85℃に加熱する。上限温
度は特に限定されないが、一般に100℃までで十分で
あり、それ以上に加熱する必要は特にない。一次乳化、
二次乳化は、超音波乳化機あるいは高圧ホモジナイザー
などを用いて行われ、同一の装置あるいは別の装置を用
いてもよい。とりわけ、超音波乳化機で乳化処理すると
澄明度のより高い乳化組成物が得られる。例えば、超音
波乳化機を用いる場合、処理量に応じて振動体を数個連
結した装置を用い、振動体の出力にもよるが、適当時
間、例えば600Wの出力で2分間処理を行ってもよ
い。また、高圧ホモジナイザーで2段均質法を用いる場
合、圧力の合計を700〜1000kgf/cm2以上
にして処理し、また圧力の合計が500〜700kgf
/cm2の場合には2回以上処理を行うのが好ましい。
【0011】このように、従来の乳化法とは異なり、本
発明においては、濁りの原因である従来の食用油脂を乳
化剤に置き換え、上記のごとく乳化処理を2段階または
それ以上行うことにより、澄明なローヤルゼリー乳化組
成物を得ることが可能となった。本発明方法においては
食用油脂を配合しないので、基本的には比重調整を行う
必要がなくなった。
【0012】乳化処理後、必要ならば糖類を添加し、常
法により撹拌機等で均一に分散させることにより比重調
節を行ってもよい。使用する糖類は本発明の目的からす
ると可食性であることが好ましく、例としてはハチミ
ツ、糖アルコール、還元麦芽糖水飴、ブドウ糖、果糖、
ショ糖、サイクロデキストリンなどが挙げられるが、こ
れらに限定されない。
【0013】次に、必要ならば濾過を行ってもよい。濾
過方法は特に限定されないが、一般には常法により孔サ
イズ1μmのメンブランフィルターを用いるのが好まし
い。濾過により品質的により安定な水溶液が得られやす
くなる。
【0014】上記のような乳化処理を行うことにより、
ローヤルゼリーを高濃度に含み、かつ澄明な乳化組成物
が得られる。本発明ローヤルゼリー乳化組成物中にはロ
ーヤルゼリー中の各種有効成分が極めて高含量状態で存
在して、ローヤルゼリー本来の栄養や生理活性効果を十
分に活かすことができる。かかる効果は従来のローヤル
ゼリーのエタノール抽出物や酸および酵素分解物にはみ
られないものである。
【0015】また、本発明乳化組成物中の粒子径は小さ
く、またそのばらつきも少ない。粒子径が小さいことは
澄明度を向上させ、粒度分布の幅が狭いことは組成物お
よびこれを含有してなる飲食物等の安定性、長期保存性
の向上につながる。乳化組成物の粒度分布は体積分布で
95%以上が1.0μm以下のもの、さらには95%以
上が0.5μm〜0.3μm以下のものを得ることもでき
る。平均粒子径は0.3μm以下、さらには0.15μ
m〜0.10μm以下のものが得られる。粒子径の分布
の範囲に関しては、体積分布における標準偏差が0.3
μm以下のもの、さらには0.15μm〜0.05μm以
下のものを得ることもできる。
【0016】かくして得られる本発明乳化組成物は澄明
感に優れている。例えば、特許第2566643号に記
載のごとく調製した、ローヤルゼリー10重量%配合の
乳化組成物(以下、従来品という)の透過率は0.1〜
0.3%であったが、本発明によれば、ローヤルゼリー
を10重量%配合した場合、透過率が10.0%以上、
さらには20.0〜60.0%以上の乳化組成物を得るこ
とができる。ローヤルゼリーを10重量%配合した本発
明乳化組成物を2.0重量%配合した水分散液(最終ロ
ーヤルゼリー濃度0.2重量%)の透過率は90.0%以
上、さらには90.0〜95.0%以上とすることもでき
る。同一ローヤルゼリー濃度の従来品による水分散物の
透過率は85%未満であり、濁りが大きい。
【0017】上記のごとく得られる本発明乳化組成物
は、ローヤルゼリーを高濃度に含み、澄明感に優れ、か
つ安定で長期間保存しても分離が起こらず品質的に良好
である。本発明乳化組成物は、そのまま飲食品や医薬品
に配合することができる。また、本発明乳化組成物をそ
のままあるいは賦形剤を配合して、公知の凍結乾燥法ま
たは噴霧乾燥法等により乾燥させて粉末化させることも
できる。使用可能な賦形剤としては、可食性のものであ
ればよく、粉末食品素材または乾燥可能な食品等が挙げ
られるが、特に限定されない。賦形剤としては水に澄明
に分散する食品素材(例えば、でんぷん類、糖類等)が
好ましい。また医薬品に利用する際は、賦形剤は医薬上
許容されるもの(例えば、乳糖、ショ糖、でんぷん、ペ
クチン等)でなくてはならない。このようにして得られ
る粉末乳化組成物は水に容易に分散し、均一で澄明な乳
化水溶液となる。
【0018】本発明乳化組成物はそのまま広範な飲食品
または医薬品として利用することも可能であり、さらに
各種の飲食品、医薬品に配合して加工してもよい。しか
も、その使用に際しては、水と単に混合するだけで均一
な溶液となり、強い撹拌や新たな乳化処理等は不必要で
ある。対象とする飲食品等としては、清涼飲料水(栄養
飲料、スポーツ飲料、果汁飲料等)、乳飲料(例えば、
乳酸菌飲料、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳等)、炭酸飲
料水、医薬ドリンク剤(例えば、各種ビタミン、生薬エ
キス類配合の内服液等)、デザート類(例えばゼリー、
プリン等)、ヨーグルト、ババロアの素、錠剤、飴、焼
き菓子(ソフトケーキ、ビスケット等)、ゼリーの素、
ホット飲料粉末、チョコレート、液状調味料等が挙げら
れるが、特に透明感を必要とする清涼飲料水、炭酸飲料
水、ゼリーなどへの利用が好ましい。また、粉末化させ
た本発明乳化組成物をそのまま、あるいは賦形剤を混合
してローヤルゼリー製剤とすることもできる。配合量は
適宜目的に応じて選択できるが、通常、製品中のローヤ
ルゼリー濃度が0.01重量%以上となるように配合さ
れる。
【実施例】
【0019】次に、実施例をあげて本発明をさらに具体
的に説明する。 実施例1 ローヤルゼリー乳化組成物の調製 表1に示す3種の処方で、乳化組成物を調製した(表1
の各成分の数値は重量%)。
【0020】
【表1】
【0021】すなわち、生ローヤルゼリー、クエン酸、
一次乳化用乳化剤、イオン交換水を撹拌混合し、加熱し
ながら溶解した後(pH3.0とする)、液温が70〜
85℃となったところで30 CD型高圧ホモジナイザー(A
PV GAULIN製)により800kgf/cm2で1回、ある
いはUS-600型超音波乳化機(日本精機製作所製)により
600Wで2分間(1回照射)の乳化処理を行い、つい
で、二次乳化用乳化剤を添加して30 CD型高圧ホモジナ
ザー(APV GAULIN製)により800kgf/cm2で1
回、あるいはUS-600型超音波乳化機(日本精機製作所製
製)により600Wで2分間(1回照射)の乳化処理
後、孔サイズ1μmのメンブランフィルターで濾過を行
った。果糖ブドウ糖液糖、精製ハチミツまたはサイクロ
デキストリンを添加し、混合撹拌した後、95℃達温で
殺菌して生ローヤルゼリー5重量%(処方1)または1
0重量%(処方2、3)を含有する澄明な乳化組成物を
得た。この乳化組成物中におけるローヤルゼリーの各種
成分残存率を常法により分析した結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表1の処方2を用い、上記のごとく高圧ホ
モジナイザーにより一次乳化および二次乳化することに
より調製したローヤルゼリー濃度が10.0重量%の乳
化組成物(処方2のイ)、上記のごとく超音波乳化機に
より一次乳化および二次乳化することにより調製したロ
ーヤルゼリー濃度が10.0重量%の乳化組成物(処方
2のロ)、さらに従来品につき、透過率を調べた。透過
率測定条件は、U-3210型自記分光光度計(日立製作所)
を用い、波長660nmとし、10mm x 10mmの
セルを使用した。処方2のイおよびロについてはそれぞ
れ21.06%および63.09%であり、従来品につい
ては0.18%であった。さらに、これらの乳化組成物
をイオン交換水で希釈したものにつき透過率を調べた。
生ローヤルゼリーの最終濃度と透過率の関係を表3に示
す(数値は透過率%)。
【0024】
【表3】 生ローヤルゼリーの濃度(重量%) 0.01 0.04 0.10 0.20 0.60 処方2のイ 99.79 98.93 97.88 96.12 85.39 処方2のロ 99.91 99.74 99.38 98.57 96.06 従来品 98.98 95.94 89.96 81.59 53.94
【0025】これらの結果を図1にも示す。本発明乳化
組成物はいずれも従来品と比較して透過率が高く、ロー
ヤルゼリーを高濃度(0.6重量%)とした場合であっ
ても、透過率の低下が少なく、いずれも85%以上の透
過率となり、澄明性において非常に優れていることが示
されたが、従来品は透過率が60%未満であり、濁りが
大きかった。
【0026】上記処方2のイおよびロ、ならびに従来品
について、粒子分析機(ベックマン・コールター社製、
LS-230型)により、粒度分布を調べた。結果を図2に示
す。処方2のイおよび処方2のロの体積分布はそれぞれ
95%以上が0.3μm以下および0.2μm以下であ
り、平均粒径はそれぞれ0.127μmおよび0.111
μmであった。また、処方2のイおよび処方2のロの体
積分布における標準偏差はそれぞれ0.048μmおよ
び0.023μmであった。一方、従来品の体積分布は
95%以上が0.414μm、平均粒径は0.191μ
m、体積分布における標準偏差は0.111μmであっ
た。図2からわかるように、本発明乳化組成物の平均粒
径および標準偏差が従来品と比較して非常に小さく、単
分散的な乳化組成物であることがわかった。粒径の小さ
いこと、その標準偏差が小さいことは、製品の澄明性お
よび安定性に貢献する。本処方2のイおよびロを5℃で
12カ月間の保存試験に付したところ、粒度分布の変化
がほとんどなく、白濁、沈殿および分離等の外観変化は
認められなかった。
【0027】実施例2 飲料製剤の調製 実施例1の処方2で調製した乳化組成物を用いて下記処
方により飲料製剤を調製した。 <処方>(数値は重量%) 乳化組成物 0.4 果糖ブドウ糖液糖 9.0 クエン酸 0.4 ビタミン製剤 0.05 レモン果汁 0.4 香料 0.3 イオン交換水 89.45 上記のごとく調製した飲料製剤は透明または澄明で、こ
のものを25℃で12カ月間の保存試験に付したとこ
ろ、粒度分布の変化および外観変化などがほとんどな
く、ローヤルゼリー成分の沈殿および分離等も認められ
ず、その乳化安定性は極めて良好であった。
【0028】実施例3 飲料製剤の調製 実施例1の処方2で調製した乳化組成物を用いて下記処
方により飲料製剤を調製した。 <処方>(数値は重量%) 乳化組成物 10.00 精製ハチミツ 20.00 クエン酸 0.35 ビタミン製剤 0.15 香料 0.30 生薬エキス 0.50 イオン交換水 68.70 上記のごとく調製した飲料製剤は透明または澄明で、こ
のものを25℃で12カ月間の保存試験に付したとこ
ろ、粒度分布の変化および外観変化などがほとんどな
く、ローヤルゼリー成分の沈殿および分離等も認められ
ず、その乳化安定性は極めて良好であった。
【0029】実施例4 ゼリーの調製 実施例1の処方2で調製した乳化組成物を用いて下記処
方によりゼリーを調製した。 <処方>(数値は重量%) 乳化組成物 5.0 精製ハツミツ 20.0 ゼラチン 5.0 クエン酸 0.2 香料 1.5 イオン交換水 68.3 上記のごとく調製したゼリーは透明または澄明で、この
ものを25℃で6カ月間の保存試験に付したところ、外
観変化などがほとんどなく、ローヤルゼリー成分の沈殿
および分離等も認められず、その乳化安定性は極めて良
好であった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ローヤリゼリーを高濃
度に含有し、ローヤルゼリー中の有効成分の損失も少な
く、かつ非常に澄明なローヤルゼリー乳化組成物が得ら
れる。この乳化組成物は安定性が高く長期保存しても白
濁、沈殿および分離などの現象が認められない。これを
飲食品等に利用すると、生ローヤルゼリーに含まれる有
効成分を十分活かし、しかも外観上好ましいものが得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明乳化組成物および従来品を用いて調製
した水分散液の透過率を比較したグラフである。
【図2】 本発明乳化組成物および従来品における粒度
分布を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A23L 1/06 A23L 2/00 K Fターム(参考) 4B017 LC07 LK06 LK20 LL06 4B041 LC10 LD02 LD06 LK08 LK40 LP04 4C076 AA17 BB01 DD08 DD43 DD67 EE42 FF16 GG45 4C087 AA01 BB22 CA03 MA22 MA52 NA03

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローヤルゼリーを0.05%以上含有
    し、ローヤルゼリー中の蛋白質が60%以上残存し、か
    つ透過率が10%以上で澄明度が高いローヤルゼリー乳
    化組成物。
  2. 【請求項2】 約60℃以上において、pHが約4.0
    以下のローヤルゼリー水分散液について、HLB値のよ
    り高い乳化剤を用いる乳化処理およびHLB値のより低
    い乳化剤を用いる乳化処理に分けて乳化処理を行うこと
    により得ることのできる請求項1に記載の乳化組成物。
  3. 【請求項3】 約60℃以上において、pHが約4.0
    以下のローヤルゼリー水分散液について、HLB値のよ
    り高い乳化剤を用いる乳化処理およびHLB値のより低
    い乳化剤を用いる乳化処理に分けて乳化処理を行うこと
    を特徴とする、請求項1または2に記載の乳化組成物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の乳化組成物を
    含有してなる飲食品。
  5. 【請求項5】 請求項1または2に記載の乳化組成物を
    含有してなる医薬品。
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