JP2000229871A - 抗アレルギー剤、活性酸素消去剤および皮膚化粧料 - Google Patents
抗アレルギー剤、活性酸素消去剤および皮膚化粧料Info
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Abstract
皮膚化粧料構成成分としての適性も備えた物質を植物体
から見いだし、皮膚化粧料のための抗アレルギー剤およ
び活性酸素消去剤として提供する。 【解決手段】 水、メタノール、エタノール、1,3−
ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはこれ
らの混合物を抽出溶媒とする抽出により得られたバーベ
リー樹皮の抽出物の活性酸素消去作用および抗アレルギ
ー作用を利用する。
Description
するのに適した抗アレルギー剤、活性酸素消去剤、およ
びこれら皮膚の炎症や老化症状の予防と改善に有効な成
分を配合してなる皮膚化粧料に関するものである。
アレルギーによる皮膚の各種炎症は、体内におけるヒス
タミン遊離、血小板凝集などのほか、スーパーオキサイ
ド、一重項酸素、ヒドロキシラジカル等の活性酸素が原
因となって発症する。
伴って肥満細胞内のヒスタミンが細胞外に遊離する現象
で、遊離されたヒスタミンがアレルギー症状の起炎物質
となる。このヒスタミンの遊離を阻害することによりア
レルギー症の一部を抑制するのに有効な物質としては、
トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、バイカリ
ン、バイカレイン、塩酸プロメタジン等がある。しかし
ながら、これらの物質は必ずといってよいほど副作用が
あり、一般的な皮膚化粧料に配合するには安全性の点で
問題があった。
スホリパーゼA2の活性化を招き、それによりロイコト
リエンBやプロスタグランジンE2等が放出されて起炎
物質となる。
解酵素・SODによる消去が不十分であったりして濃度
が高くなると、アレルギー性炎症を生じさせるだけでな
く、様々な組織障害の原因となる。皮膚は紫外線など環
境因子の刺激を直接受けるため活性酸素が発生しやすい
器官であるから、しばしば活性酸素濃度が上昇し、過酸
化脂質が生成してシミ、ソバカス、小ジワ等を増やす。
酸素の濃度が過大になるのを防ぐのに有効な活性酸素消
去性物質を皮膚化粧料に配合すること、および、そのた
めの活性酸素消去性物質を安全性の点で有利な天然物か
ら得る試みがなされ、その結果、ウワミズザクラのプル
ヌソールA、ユーカリ等のエラグ酸、大麦、黒米、黒イ
ンゲン等の穀類のフラボノイド類、茶のカテキン、ゴマ
のセサミン類、セージ、ローズマリー等のハーブ類に含
まれるカルノソールやロズマノール等の有効性が確認さ
れている。
レルギー作用と活性酸素消去作用を有し皮膚化粧料構成
成分としての適性も備えた物質を植物体から見いだし、
抗アレルギー剤および活性酸素消去剤として提供するこ
とにある。
系の抗アレルギー作用物質および活性酸素消去作用物質
を配合することにより抗炎症作用および皮膚保護作用を
強化した皮膚化粧料を提供することにある。
に成功した本発明は、メタノール、エタノール、1,3
−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の親水
性有機溶媒、水、またはこれらの混合物を抽出溶媒とす
る抽出によりバーベリー樹皮より得られる抽出物を有効
成分とする抗アレルギー剤および活性酸素消去剤、なら
びにこれらを配合することにより抗炎症作用および皮膚
保護作用を強化したことを特徴とする皮膚化粧料を提供
するものである。
epalaulensis)は主に中央アジアの亜高山
帯に生育するメギ科の植物であって、その樹皮は神経痛
の治療に有効とされているが、その場合の有効成分や薬
理作用の詳細は解明されていない。バーベリー樹皮に抗
アレルギー作用や活性酸素消去作用を有する物質が含ま
れていることも、もちろん知られていなかった。
ー作用や活性酸素消去作用を示す物質は、水溶性であ
り、また多くの化粧料に配合しても安定であり、さらに
経皮的に人体内によく吸収される性質のものである。し
かも、皮膚に塗布しても皮膚を刺激したり炎症を起こさ
せたりすることがない。したがって、皮膚化粧料に配合
してその有用作用を活用するのにきわめて好都合な性質
を備えている。
質を抽出するには各種の親水性有機溶媒、水、またはこ
れらの混合物を使用することができるが、特に好ましい
抽出溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール等、炭素数1〜4の脂肪族アルコール;
1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール;アセトン、メチルエチ
ルケトン等の低級脂肪族ケトン;水;またはこれらの混
合物である。
定されないが、好適には重量比で5〜15倍量の抽出溶
媒にバーベリー樹皮の粉砕物を浸漬し、常温ないし10
0℃程度の加熱下にゆるやかに撹拌しながら可溶性成分
を溶出させる。濾過または遠心分離して得られた抽出液
から溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られ、さ
らに乾燥すれば約3〜10数%の収率で淡褐色の抽出物
が得られるが、抗アレルギー剤または(および)活性酸
素消去剤として利用するバーベリー樹皮抽出物は固形の
抽出物である必要はなく、上記抽出液またはその濃縮液
の状態のものであってもよい。また、その有用作用を損
なわない限り、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換
樹脂処理、液−液向流分配等の方法により精製してから
用いてもよい。
の精製物を、必要に応じて任意の助剤と混合して、錠
剤、散剤、液剤等、任意の剤形のものとする。
素消去剤を配合した皮膚化粧料を製造するのに特別の配
慮は不要であって、化粧料製造に通常使用される原料を
常法により処理して乳液、ローション、クリーム、ゼリ
ー、パック等各種形態の化粧品を製造する工程の任意の
段階でこれを添加すればよい。
粧料の種類によっても異なるが、標準的なバーベリー樹
皮抽出物としておおむね0.001〜10重量%(特に
好ましくは0.05〜2重量%)である。
成分の選択が制限されることはなく、たとえばアボガド
油、コメヌカ油、コメ胚芽油、ラノリン、蜜ロウ、スク
ワラン、ワセリン、流動パラフィン等の油性成分;グリ
セリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、ヒ
アルロン酸およびその塩、コンドロイチン硫酸およびそ
の塩、キトサン、キチン等の保湿剤;グリセロリン脂
質、スフィンゴ脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴ糖脂
質等の複合脂質;SOD、カタラーゼ、β−カロチン、
イチョウ葉抽出物、ビタミンCおよびその誘導体、ビタ
ミンEおよびその誘導体、オウゴン抽出物、クジン抽出
物等の活性酸素消去作用物質;グアイアズレン、カマア
ズレンおよびその誘導体;グリチルリチン酸、グリチル
レチン酸およびその塩、グリチルレチン酸誘導体、酸化
亜鉛等の抗炎症剤;その他各種植物抽出物、増粘剤、防
腐剤、紫外線吸収剤、香料、酸化防止剤、水、アルコー
ル等、皮膚化粧料製造に通常使用される成分を任意に使
用することができる。
000mlに投入し、70℃に加熱しながら2時間撹拌
する。その後、濾過して得られた抽出液を減圧下に濃縮
し、さらに減圧乾燥機で乾燥して抽出物を得る。抽出溶
媒を種々変更して上記抽出を行なった場合の抽出物収率
は表1のとおりであった。
て、スーパーオキサイド消去作用、一重項酸素消去作
用、およびDPPH(ジフェニルピクリルヒドロラジカ
ル)に対するラジカル消去作用を試験した。試験法は次
のとおりである。
法):3mMキサンチン、0.05MNa2CO3緩衝
液(pH10.2)、3mM EDTA、BSA溶液お
よび0.75mM NBT 0.1mlを試験管にと
り、これに試料溶液0.1mlを添加し、25℃で10
分間放置する。次いでキサンチンオキシダーゼ溶液を加
えて素早く撹拌し、25℃で20分間静置する。その後
6mM塩化銅を加えて反応を停止させ、560nmにお
ける吸光度を測定する。同様の操作と吸光度測定を、酵
素溶液を添加せずに行う。さらに、試料溶液を添加せず
に蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行い、
次式によりスーパーオキサイド消去率を求める。
(Bt−Bo)〕×100 但し St:試料溶液添加,酵素溶液添加時の吸光度 So:試料溶液添加,酵素溶液無添加時の吸光度 Bt:試料溶液無添加,酵素溶液添加時の吸光度 Bo:試料溶液無添加,酵素溶液無添加時の吸光度
記抑制率の測定を行い、活性酸素産生の抑制率が50%
になる試料溶液の濃度を内挿法により求める。
ml容)中で2%赤血球懸濁液5ml、試料を所定濃度
で含むpH7.4の等張リン酸緩衝液5ml、および光
増感剤(10mMヘマトポルフィリン−20mM水酸化
ナトリウム溶液)0.01mlを混合する。得られた溶
液をメリーゴーランド上、7.5Wハロゲンランプで3
5分間均一に照射して1O2を発生させ、赤血球の溶血
を生じさせる。この反応溶液1mlを採取し、等張リン
酸緩衝液2mlを加えて混合後、4℃で3000rpm
・5分間の遠心分離を行う。次いで上清を採取し、波長
540nmの吸光度を測定する。別に、赤血球を一部溶
血させた上記反応溶液1mlをとり、これに蒸留水2m
lを加えて完全に溶血させたものを対照液とし、同様に
吸光度測定を行う。測定された吸光度より次式により一
重項酸素消去率を求める。 一重項酸素消去率(%)=(1−B/A)×100 但し A:対照液の吸光度 B:反応溶液上清の吸光度
記消去率の測定を行い、一重項酸素の消去率が50%に
なる試料溶液の濃度を内挿法により求める。
5×10−4MDPPHメタノール溶液3mlに試料溶
液3mlを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30
分間静置する。その後、520nmの吸光度を測定す
る。対照試験として、試料溶液の代わりにその溶媒を用
いて同様に操作し、520nmの吸光度を測定する。ま
た、空試験として、メタノールに試料溶液3mlを加え
たのち直ちに520nmの吸光度を測定する。測定され
た各吸光度より、次式によりラジカル消去率を算出す
る。
記消去率の測定を行い、DPPHラジカルの消去率が5
0%になる試料溶液の濃度を内挿法により求める。
よりヒスタミン遊離抑制作用を調べた(細胞内のヒスタ
ミンが遊離されると同時にヘキソサミニダーゼも遊離さ
れることから、ヘキソサミニダーゼ遊離を指標にヒスタ
ミン遊離抑制作用を評価する方法である。)。
%FBS添加MEM培地にRBL−2H3細胞1.0×
106個を播種し、5%CO2下、37℃で4日間培養
する。その後トリプシン処理および遠心処理(1000
rpm,2分間)を行なって細胞を沈殿物として得る。
これを上記培地と同じ培地に4.0×105cell/
ml懸濁させ、そこにマウスモノクロナール抗ジニトロ
フェニル基IgE(DNP−specific Ig
E)を5μl添加し、濃度を0.5μg/mlとする。
得られた細胞浮遊液を96穴プレートに80μl播種
し、5%CO2下37℃で24時間培養する。培養終了
後、各穴中の培地を除去し、シリガリアン緩衝液で洗浄
する。次に上記緩衝液30μlおよび試料溶液10μl
を加え、37℃で10分間インキュベートする。次にジ
ニトロフェニル化ウシ血清アルブミン(DNP−BS
A)10μlを加え、さらに37℃で15分間インキュ
ベートする。その後、氷冷下で上清液10μlを新たな
96穴プレートに移し替え、これに1mM p−ニトロ
フェニル−N−アセチル−β−D−グルコサミド溶液1
0μlを加え、37℃で1時間インキュベートする。反
応終了後、0.1M Na2CO3・NaHCO3溶液
250μlを加え、マイクロプレートリーダーにて41
5nmにおける吸光度Aを測定する。試料溶液を添加し
ない細胞浮遊液についても同様の処理と吸光度測定を行
う(このとき測定される吸光度をBとする)。また、細
胞浮遊液のかわりに上記緩衝液を用いて同様の処理と吸
光度測定を行う(このとき測定される吸光度をCとす
る)。そして、次式によりヘキソサミニダーゼ遊離抑制
率を算出する。 ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)=〔1−(A−
C)/(B−C)〕×100
法により抑制率を測定し、抑制率が50%になる試料溶
液の濃度を内挿法により求める。試験結果は表3のとお
りであった。
で血小板凝集抑制作用を試験した。
EDTAを1/10量添加し、1000rpmで10
分間遠心分離して沈殿物を除く。上清を2100rpm
で10分間遠心分離し、沈殿した血小板を採取する。得
られた血小板を血小板洗浄液に浮遊させ、2100rp
mで10分間遠心分離する。沈殿した血小板を採取し、
血小板数が30万個/μlになるように血小板浮遊液に
浮遊させる。上述のようにして調製した洗浄血小板浮遊
液223μlに塩化カルシウム溶液1μlを加え、37
℃に1分間保持する。そこに試料溶液1μlを加えてさ
らに2分間同温度に保持した後、1分間撹拌する。次い
でコラーゲン溶液を25μl添加し、37℃に10分間
保持した後、可視光線透過率Aを測定して、血小板凝集
状態の指標とする。別に、試料溶液を添加しないほかは
上記と同様に操作して可視光線透過率Bを測定し、次式
により血小板凝集抑制率を求める。
率を測定し、抑制率が50%になる濃度を内挿法により
求める。試験結果は表4のとおりであった。
の乳液を乳液製造の常法に従い製造した(「部」は重量
部を意味する。以下の各例において同じ。)。
を配合した下記組成の化粧水を、化粧水製造の常法によ
り製造した。
ール抽出物を配合した下記組成のクリームを、クリーム
製造の常法により製造した。
からなる被験者群2群の一方に実施例2の乳液を、他方
にはバーベリー樹皮抽出物を含まないほかは実施例2と
同じ組成の比較例乳液を、それぞれ1日2回、朝夕に、
3カ月間、顔面頬部に塗布させる。
いて各被験者に感想を述べさせた結果は表5,6のとお
りで、バーベリー樹皮抽出物を含有させることにより乳
液の使用効果が顕著に向上することが確認された。
Claims (3)
- 【請求項1】 水、メタノール、エタノール、1,3−
ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはこれ
らの混合物を抽出溶媒とする抽出により得られたバーベ
リー樹皮の抽出物を有効成分としてなる抗アレルギー
剤。 - 【請求項2】 水、メタノール、エタノール、1,3−
ブチレングリコール、プロピレングリコールまたはこれ
らの混合物を抽出溶媒とする抽出により得られたバーベ
リー樹皮の抽出物を有効成分としてなる活性酸素消去
剤。 - 【請求項3】 請求項1記載の抗アレルギー剤または
(および)活性酸素消去剤を含有することを特徴とする
皮膚化粧料。
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---|---|---|---|
JP07065499A JP4523087B2 (ja) | 1999-02-10 | 1999-02-10 | 抗アレルギー剤、活性酸素消去剤および皮膚化粧料 |
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---|---|---|---|
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004532212A (ja) * | 2001-04-05 | 2004-10-21 | ニュー・チャプター・インコーポレーテッド | 改良された抗炎症性ハーブ組成物及び使用方法 |
JP2004346019A (ja) * | 2003-05-22 | 2004-12-09 | Maruzen Pharmaceut Co Ltd | コラーゲン産生促進剤及びシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤 |
JP2007063192A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Lion Corp | 男性臭抑制剤 |
JP2008231429A (ja) * | 2008-04-07 | 2008-10-02 | Kanebo Cosmetics Inc | 抗酸化剤及び皮膚外用剤 |
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JP2000226312A (ja) * | 1999-02-02 | 2000-08-15 | Shiseido Co Ltd | 皮膚外用剤 |
-
1999
- 1999-02-10 JP JP07065499A patent/JP4523087B2/ja not_active Expired - Fee Related
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