JP2000229241A - エチレンの三量化触媒及びその触媒を用いたエチレンの三量化方法 - Google Patents

エチレンの三量化触媒及びその触媒を用いたエチレンの三量化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレンから効率よく、かつ高選択的に1−
ヘキセンを製造する。 【解決手段】 ACrBnt
(1) (式中、Aは三脚型構造を有する中性の多座配位子であ
る。nは1〜3の整数であり、またtは0〜2の整数で
ある。Bはアミド基、カルボキシレート基、ジケトナー
ト基、アルコキシド基及びチオアルコキシド基からなる
群より選ばれる1種以上を表し、Eはハロゲン原子また
はアルキル基を表す。) 上記(1)式で示される三脚型構造を有する中性の多座
配位子が配位したクロム錯体とアルキル金属化合物から
なる触媒を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンの三量化
触媒及びその触媒を用いたエチレンの三量化方法に関す
る。さらに詳しくは、線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)の原料コモノマーとして有用な1−ヘキセンをエ
チレンから効率よく、かつ高選択的に製造するエチレン
の三量化触媒、及びその触媒を用いたエチレンの三量化
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレンを三量化して1−ヘキセンを得
る方法において、クロム化合物を触媒として用いること
は公知である。例えば、特開昭62−265237号公
報には、クロム化合物、ポリヒドロカルビルアルミニウ
ムオキシド及びドナー配位子からなる触媒系が開示され
ている。特開平6−239920号公報には、クロム化
合物、ピロール含有化合物、金属アルキル化合物及びハ
ライドからなる触媒系が、また特開平8−59732号
公報には、クロム化合物、金属アルキル化合物及び酸ア
ミドまたはイミド化合物からなる触媒系が開示されてい
る。
【0003】また、特開平6−298673号公報に
は、クロミウム塩の多座配位子であるホスフィン、アル
シン及び/またはスチビンとの配位錯体とアルミノキサ
ンからなる触媒が開示されている。さらに、特開平10
−7712号公報には、特定の窒素配位子が配位したク
ロムの塩素錯体やアルキル錯体とアルミニウム化合物か
らなる触媒が、特開平10−231317号公報には、
環状ポリアミンまたはヒドロトリス(ピラゾリル)ボレ
ートが配位したクロム錯体とアルキルアルミニウム化合
物からなる触媒が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭62−
265237号公報に記載の方法では、1−ヘキセンと
同時にポリエチレンが多く副生する欠点がある。また、
触媒の構成成分であるポリヒドロカルビルアルミニウム
オキシド(アルミノキサンとも称する。)は、アルキル
アルミニウムと水を反応させて得られる重合体であるた
め、一定の品質を有するポリヒドロカルビルアルミニウ
ムオキシドの合成が難しい。それ故、エチレンの三量化
反応においても再現性のよい反応を行うことができない
という問題があった。
【0005】特開平6−239920号公報に記載の方
法は、ポリエチレンの副生が少なく、この点ではかなり
改善している。しかし、触媒の構成成分であるピロール
含有化合物は、空気に対して極めて不安定な物質である
ため着色して劣化しやすい。従って、取り扱いが難しい
ばかりか、反応終了後には着色成分を除去するための処
理または新たな装置を必要とする等、工業的な触媒とし
ては十分なものではなかった。また、特開平8−597
32号公報に記載の方法では、触媒の構成成分である酸
アミドまたはイミド化合物の中で活性を得るには、ある
特定のイミド化合物、即ちマレイミドを用いる必要があ
る。マレイミドは溶解性が低いため触媒調製が煩雑であ
り、しかも、マレイミドは入手が難しいばかりか高価で
あり、経済性の面においても問題がある。
【0006】一方、特開平6−298673号公報に記
載の方法では、再現性よく合成することのできないアル
ミノキサンを用いなければいけないという問題があっ
た。また、特開平10−7712号公報に記載の方法
は、触媒活性が低いという問題があった。さらに、特開
平10−231317号公報に記載の方法は、1−ヘキ
センよりもポリエチレンの生成が多いばかりか、オリゴ
マー中の1−ヘキセン選択性も低いという欠点があっ
た。
【0007】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的はLLDPEの原料コモノマーとして
有用な1−ヘキセンをエチレンから効率よく、かつ高選
択的に製造し、しかも取り扱いの容易なエチレンの三量
化触媒、及びその触媒を用いたエチレンの三量化方法を
提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の多座配
位子が配位したクロム錯体とアルキル金属化合物からな
るエチレンの三量化触媒は、安定で取り扱いが容易であ
り、しかもこれを用いると高い活性でエチレンの三量化
反応が進行し、高選択的に1−ヘキセンが生成すること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明は、三脚型構造を有する中性の
多座配位子が配位したクロム錯体とアルキル金属化合物
からなるエチレンの三量化触媒及びそれを用いたエチレ
ンの三量化方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳し
く説明する。
【0011】本発明においては、エチレンの三量化触媒
を構成する一成分として、下記一般式(1) ACrBnt (1) (式中、Aは三脚型構造を有する中性の多座配位子であ
る。nは1〜3の整数であり、またtは0〜2の整数で
ある。Bはアミド基、カルボキシレート基、ジケトナー
ト基、アルコキシド基及びチオアルコキシド基からなる
群より選ばれる1種以上を表し、Eはハロゲン原子また
はアルキル基を表す)で示される三脚型構造を有する中
性の多座配位子が配位したクロム錯体が用いられる。
【0012】ここで、クロム錯体に配位させる三脚型構
造を有する中性の多座配位子として用いられるものは特
に限定されないが、例えば、下記一般式(2)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、j,k,mはそれぞれ独立して0
〜6の整数である。D1はそれぞれ独立して、置換基を
有していてもよい2価の炭化水素基、L1はそれぞれ独
立して、周期表14族、15族、16族または17族元
素を含有する置換基を表す。また、G1は炭素またはケ
イ素、R1は水素基、炭素数1〜10のアルキル基また
は炭素数1〜10のアリール基を表す。)または下記一
般式(3)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、a,b,cはそれぞれ独立して0
〜6の整数であり、uは0または1の整数である。D2
はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の
炭化水素基、L2はそれぞれ独立して、周期表14族、
15族、16族または17族元素を含有する置換基を表
す。また、G2は窒素またはリン、R2は酸素またはイオ
ウを表す。)で示される三座配位子が好適なものとして
挙げられる。
【0017】上記一般式(2)及び(3)において、D
1及びD2としては特に限定されるものではないが、例え
ば、アルキレン基、シクロアルキレン基、フェニレン
基、トリレン基、キシリレン基等が挙げられる。また、
その置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の
アルキル基類、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基類等が挙げられる。
【0018】一般式(2)及び(3)において、L1
びL2で示される周期表14族、15族、16族または
17族元素を含有する置換基は特に限定されるものでは
ないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等のアルコキシ基類、フェノキシ基、
2,6−ジメチルフェノキシ基等のアリールオキシ基
類、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブ
チルチオ基等のアルキルチオ基類、フェニルチオ基、ト
リルチオ基等のアリールチオ基類、ジメチルアミノ基、
ジエチルアミノ基、ビス(トリメチルシリル)アミノ基
等のジアルキルアミノ基類、ジフェニルアミノ基等のジ
アリールアミノ基類、メチルフェニル基等のアルキルア
リールアミノ基類、ジメチルホスフィノ基、ジエチルホ
スフィノ基等のジアルキルホスフィノ基、ジフェニルホ
スフィノ基、ジトリルホスフィノ基等のジアリールホス
フィノ基、メチルフェニルホスフィノ基等のアルキルア
リールホスフィノ基類が挙げられる。
【0019】また、フリル基、ベンゾフリル基、チエニ
ル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル
基、テトラゾリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ベ
ンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、キノリル基、イ
ソキノリル基、オキサゾリル基、チアゾール基等の周期
表14族、15族、16族または17族元素を含有する
複素環基類が挙げられる。これらの複素環基類の環上の
置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、オクチル基、フェニル基等が挙げられ
る。
【0020】一般式(2)におけるR1は特に限定され
るものではないが、例えば、水素基類、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、ヒドロキシ
メチル基、シアノエチル基、アリル基、トリフルオロプ
ロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基類またはフェ
ニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基
等の炭素数1〜10のアリール基類が挙げられる。
【0021】上記一般式(2)及び(3)で示される三
脚型構造を有する中性の三座配位子は特に限定されるも
のではないが、例えば、周期表14族、15族、16族
または17族元素を含有する置換基を持つ多座配位子と
しては、トリス(メトキシメチル)メタン、1,1,1
−トリス(メトキシメチル)エタン、1,1,1−トリ
ス(メトキシメチル)プロパン、1,1,1−トリス
(メトキシメチル)ブタン、1,1,1−トリス(エト
キシメチル)エタン、1,1,1−トリス(プロポキシ
メチル)エタン、1,1,1−トリス(ブトキシメチ
ル)エタン、1,1,1−トリス(フェノキシメチル)
エタン等の含酸素三座配位子類、1,1,1−トリス
(メチルチオメチル)エタン、1,1,1−トリス(ブ
チルチオメチル)エタン、1,1,1−トリス(フェニ
ルチオメチル)エタン等の含イオウ三座配位子類、1,
1,1−トリス(ジメチルアミノメチル)エタン、1,
1,1−トリス(ジフェニルアミノメチル)エタン等の
含窒素三座配位子類、1,1,1−トリス(ジフェニル
ホスフィノメチル)エタン、1,1,1−トリス(ジメ
チルホスフィノメチル)エタン、1,1,1−トリス
(ジエチルホスフィノメチル)エタン等の含リン三座配
位子類が挙げられる。
【0022】さらに、周期表14族、15族、16族ま
たは17族元素を含有する複素環基を持つ多座配位子と
しては、トリフリルメタン、トリス(5−メチル−2−
フリル)メタン、トリス(5−エチル−2−フリル)メ
タン、トリス(5−ブチル−2−フリル)メタン、1,
1,1−トリフリルエタン、トリフリルアミン、トリフ
リルホスフィン、トリフリルホスフィンオキシド等の含
酸素三座配位子類、トリス(チエニル)メタン等の含イ
オウ三座配位子類、トリス(ピラゾリル)メタン、トリ
ス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタン、トリ
ス(3,5−ジイソプロピル−1−ピラゾリル)メタ
ン、トリス(3,5−ジフェニル−1−ピラゾリル)メ
タン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−1−ピ
ラゾリル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメ
チル−1−ピラゾリル)プロパン、1,1,1−トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)ブタン、トリス
(2−ピリジル)メタン、トリス(6−メチル−2−ピ
リジル)メタン、トリス(2−ピリジル)アミン、トリ
ス(2−ピリジル)ホスフィン、トリス(2−ピリジ
ル)ホスフィンオキシド、トリス(2−ピリジル)ヒド
ロキシメタン、トリス(1−イミダゾリル)メタン等の
含窒素三座配位子類が挙げられる。
【0023】本発明において、上記一般式(1)のBで
用いられるアミド基は特に限定されるものではないが、
例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソ
プロピルアミド基、ジオクチルアミド基、ジデシルアミ
ド基、ジドデシルアミド基、ビス(トリメチルシリル)
アミド基、ピロリド基、インドール基、マレイミド基、
フタルイミド基、ジフェニルアミド基、アニリド基また
はN−メチルアニリド基等が挙げられる。カルボキシレ
ート基としては特に限定されるものではないが、例え
ば、アセテート基、ナフテネート基または2−エチルヘ
キサノエート基等が挙げられる。ジケトナート基として
は特に限定されるものではないが、例えば、アセチルア
セトナート基等が挙げられる。アルコキシド基としては
特に限定されるものではないが、例えば、メトキシド
基、エトキシド基、プロポキシド基、ブトキシド基また
はフェノキシド基等が挙げられる。チオアルコキシド基
としては特に限定されるものではないが、例えば、チオ
メトキシド基、チオエトキシド基、チオプロポキシド
基、チオブトキシド基またはチオフェノキシド基等が挙
げられる。
【0024】また、上記一般式(1)のEにおいて、ハ
ロゲン原子としては特に限定されるものではないが、例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子等が挙げられる。アルキル基としては特に限定される
ものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または
フェニル基等が挙げられる。
【0025】上記一般式(1)で示されるクロム錯体の
具体的な例としては特に限定されるものではないが、例
えば、トリス(メトキシメチル)メタンクロムトリス
(ジイソプロピルアミド)(III)、トリス(メトキ
シメチル)メタンクロムメタン−トリス(ジベンジルア
ミド)(III)、1,1,1−トリス(エトキシメチ
ル)エタンクロムトリス(ジイソプロピルアミド)(I
II)、1,1,1−トリス(ブトキシメチル)エタン
クロムトリス(ジイソプロピルアミド)(III)、
1,1,1−トリス(フェノキシメチル)エタンクロム
トリス(ジイソプロピルアミド)(III)、トリフリ
ルメタンクロムトリス(ジイソプロピルアミド)(II
I)、1,1,1−トリス(メチルチオメチル)エタン
クロムトリス(ジイソプロピルアミド)(III)、
1,1,1−トリス(ジメチルアミノメチル)エタンク
ロムトリス(ジイソプロピルアミド)(III)、トリ
ス(ピラゾリル)メタンクロムトリス(ジイソプロピル
アミド)(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−
ピラゾリル)メタンクロムトリス(ジエチルアミド)
(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)メタンクロムトリス(ジイソプロピルアミド)(I
II)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)
メタンクロムトリス(ジベンジルアミド)(III)、
トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンク
ロムトリス(ジフェニルアミド)(III)、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロムト
リス[ビス(トリメチルシリル)アミド](III)、
トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンク
ロムトリエトキシド(III)、トリス(3,5−ジメ
チル−1−ピラゾリル)メタンクロムトリブトキシド
(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)メタンクロムトリチオブトキシド(III)、トリ
ス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロム
ビス(ジイソプロピルアミド)(III)、トリス
(3,5−ジフェニル−1−ピラゾリル)メタンクロム
トリス(ジイソプロピルアミド)(III)、トリス
(2−ピリジル)メタンクロムトリス(ジイソプロピル
アミド)(III)、トリス(6−メチル−2−ピリジ
ル)メタンクロムトリス(ジイソプロピルアミド)(I
II)、トリス(2−ピリジル)アミンクロムトリス
(ジイソプロピルアミド)(III)、トリス(1−イ
ミダゾリル)メタンクロムトリス(ジイソプロピルアミ
ド)(III)、1,1,1−トリス(ジメチルホスフ
ィノメチル)エタンクロムトリス(ジイソプロピルアミ
ド)(III)、1,1,1−トリス(ジフェニルホス
フィノメチル)エタンクロムトリス(ジイソプロピルア
ミド)(III)、1,1,1−トリス(ジエチルホス
フィノメチル)エタンクロムトリス(ジイソプロピルア
ミド)(III)等が挙げられる。
【0026】これらのうち触媒活性の面から、一般式
(1)で示される三脚型構造を有する中性の多座配位子
としては、複素環基を持つ含窒素三座配位子類が好まし
く用いられ、より好ましくはトリス(3,5−ジメチル
−1−ピラゾリル)メタンが用いられる。また、Bとし
てはアミド基が好ましく用いられる。さらに好ましい三
脚型構造を有する中性の多座配位子が配位したクロム錯
体としては、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)メタンクロムトリス(ジエチルアミド)(II
I)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メ
タンクロムトリス(ジイソプロピルアミド)(II
I)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メ
タンクロムトリス(ジフェニルアミド)(III)、ト
リス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロ
ムトリス[ビス(トリメチルシリル)アミド](II
I)等が用いられる。
【0027】本発明において、上記の三脚型構造を有す
る中性の多座配位子が配位したクロム錯体の合成は特に
限定されるものではないが、例えば、三脚型構造を有す
る中性の多座配位子と下記のクロム化合物とから容易に
合成することができる。
【0028】この場合、使用できるクロム化合物として
は特に限定されるものではないが、例えば、トリス(テ
トラヒドロフラン)クロムトリス(ジエチルアミド)
(III)、トリス(テトラヒドロフラン)クロムトリ
ス(ジイソプロピルアミド)(III)、トリス(テト
ラヒドロフラン)クロムトリス(ジフェニルアミド)
(III)、トリス(テトラヒドロフラン)クロムトリ
ス[ビス(トリメチルシリル)アミド](III)等の
クロムアミド錯体類、クロムトリス(2−エチルヘキサ
ノエート)(III)、クロムトリス(アセテート)
(III)等のクロムカルボキシレート錯体類、クロム
アセチルアセトナート(III)等のクロムジケトナー
ト錯体類、クロム(IV)t−ブトキシド、トリス(テ
トラヒドロフラン)クロムトリエトキシド(III)等
のクロムアルコキシド錯体類、クロム(IV)チオブト
キシド、トリス(テトラヒドロフラン)クロムトリチオ
エトキシド(III)等のクロムチオアルコキシド錯体
類が挙げられる。
【0029】前記の多座配位子とクロム化合物を反応さ
せ、クロム錯体を形成させる際のクロム金属の濃度は特
に制限されない。また、ここで用いられる溶媒としては
特に限定されるものではないが、有機溶媒が好ましく用
いられる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカリン等
の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クメン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素類が挙げられる。上記溶媒は、それぞれ単独
で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用いるこ
とも可能である。
【0030】また、錯体形成反応は、−80℃から使用
する反応溶媒の沸点までの任意の温度で行われ、好まし
くは20〜200℃である。反応溶媒の沸点以上の温度
で錯形成反応を行う場合には、加圧下で行うこともでき
る。反応時間は特に制限されず、通常1分〜48時間、
好ましくは5分〜24時間である。なお、反応時のすべ
ての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望まし
い。また、原料及び溶媒は十分に乾燥しておくことが好
ましい。
【0031】さらに別途合成法として、三脚型構造を有
する中性の多座配位子が配位したクロムハロゲン錯体を
原料に、アルキルアミド、金属アルコキシドまたは金属
チオアルコキシドを溶媒中で反応させて、本発明に用い
る三脚型構造を有する中性の多座配位子が配位したクロ
ム錯体を合成してもよい。
【0032】ここで、三脚型構造を有する中性の多座配
位子が配位したクロムハロゲン錯体としては特に限定さ
れるものではないが、例えば、1,1,1−トリス(メ
トキシメチル)エタンクロムトリクロライド(II
I)、1,1,1−トリス(メトキシメチル)プロパン
クロムトリクロライド(III)、1,1,1−トリス
(エトキシメチル)エタンクロムトリクロライド(II
I)、1,1,1−トリス(ブトキシメチル)エタンク
ロムトリクロライド(III)、1,1,1−トリス
(メチルチオメチル)エタンクロムトリクロライド(I
II)、1,1,1−トリス(ジメチルアミノメチル)
エタンクロムトリクロライド(III)、1,1,1−
トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンクロムト
リクロライド(III)等が挙げられる。
【0033】さらに、トリフリルメタンクロムトリクロ
ライド(III)、トリス(5−メチル−2−フリル)
メタンクロムトリクロライド(III)、トリフリルホ
スフィンオキシドクロムトリクロライド(III)、ト
リス(ピラゾリル)メタンクロムトリクロライド(II
I)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メ
タンクロムトリクロライド(III)、トリス(3,5
−ジイソプロピル−1−ピラゾリル)メタンクロムトリ
クロライド(III)、トリス(2−ピリジル)メタン
クロムトリクロライド(III)、トリス(6−メチル
−2−ピリジル)メタンクロムトリクロライド(II
I)等が挙げられる。
【0034】また、使用できる金属アミド、金属アルコ
キシドまたは金属チオアルコキシドとしては特に限定さ
れるものではないが、例えば、リチウムジメチルアミ
ド、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピル
アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナ
トリウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウム
ジフェニルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、ナトリウムプロポキシド、ナトリウムフェ
ノキシド、ナトリウムチオメトキシド、ナトリウムチオ
エトキシド、ナトリウムチオブトキシドまたはナトリウ
ムチオフェノキシド等が挙げられる。
【0035】多座配位子が配位したクロム錯体は、通常
固体として沈殿するので、ろ別により反応溶媒から分離
できる。さらに、必要に応じて、上記溶媒を用いて洗浄
を行い、次いで乾燥してエチレンの三量化触媒の構成成
分の一つであるクロム錯体が合成される。なお、沈殿し
ない場合は、溶媒留去、貧溶媒の添加あるいは冷却処理
等により沈殿させることができる。
【0036】本発明においては、三脚型構造を有する中
性の多座配位子が配位したクロム錯体のうち、その多座
配位子がfacialに配位したクロム錯体を用いるこ
とが好ましい。多座配位子がfacialに配位したク
ロム錯体を用いることにより、ポリエチレンの副生が抑
えられる等の効果が認められる。ここで、多座配位子が
facialに配位した錯体とは、多座配位子により3
つの配位座が占有された6配位八面体型錯体の異性体の
一つである[化学選書 有機金属化学−基礎と応用−、
143頁(裳華房)]。即ち、多座配位子により3つの
配位座が占有された6配位八面体型錯体において、多座
配位子が、3つの配位座が互いにシス位になるような配
置で配位していることを意味する。
【0037】本発明において使用されるアルキル金属化
合物は特に限定されるものではないが、例えば、下記一
般式(4) RpMXq (4) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
ネシウム、亜鉛、ボロンまたはアルミニウムを表し、R
は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれる
1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシド基、アリ
ール基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以
上を表す。)で示される化合物が好適なものとして挙げ
られる。
【0038】上記一般式(4)において、炭素数1〜1
0のアルキル基は特に限定されるものではないが、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シク
ロヘキシル基またはオクチル基等が挙げられる。アルコ
キシド基としては特に限定されるものではないが、例え
ば、メトキシド基、エトキシド基、ブトキシド基または
フェノキシド基等が挙げられる。アリール基としては特
に限定されるものではないが、例えば、フェニル基等が
挙げられる。ハロゲン原子としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素
が挙げられる。
【0039】なお、上記一般式(4)において、MがA
lで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.51.5
となる。このような化合物は、理論的には存在しない
が、通常、慣用的にAl233のセスキ体として表現
されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0040】上記一般式(4)で示されるアルキル金属
化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチ
ウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルクロロマグネ
シウム、エチルブロモマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジ
エチル亜鉛、ジブチル亜鉛、トリメチルボラン、トリエ
チルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジメチルエチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソ
ブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジシク
ロヘキシルフェニルアルミニウム、エチルアルミニウム
エトキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミ
ニウムジクロリド等が挙げられる。
【0041】これらのうち入手の容易さ及び活性の面か
ら、アルキルアルミニウム化合物が好ましく用いられ、
さらに好ましくはトリエチルアルミニウムまたはトリイ
ソブチルアルミニウムが用いられる。これらのアルキル
金属化合物は単独で使用し得るのみならず、二種以上を
混合して用いることも可能である。
【0042】アルキル金属化合物の使用量は、クロム錯
体1モルに対して0.1〜10000当量であり、好ま
しくは3〜3000当量、より好ましくは5〜2000
当量である。
【0043】本発明の三脚型構造を有する中性の多座配
位子が配位したクロム錯体とアルキル金属化合物からな
るエチレンの三量化触媒は、前記のクロム錯体とアルキ
ル金属化合物を原料に、溶媒中で接触させることにより
調製できる。接触方法は特に制限されない。
【0044】この触媒を調製する際のクロム錯体の濃度
は特に制限されないが、通常、溶媒1lあたり0.00
1マイクロモル〜100ミリモル、好ましくは0.01
マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用される。これ
より小さい触媒濃度では十分な活性が得られず、逆にこ
れより大きい触媒濃度では触媒活性が増加せず経済的で
ない。また、ここで用いられる溶媒としては、例えば、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イ
ソオクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デ
カリン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化
水素類及び塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
ジクロロエタン等の塩素化炭化水素類が挙げられる。ま
た反応生成物、即ち、1−ヘキセンを溶媒として用いる
こともできる。これらの溶媒は、それぞれ単独で使用し
得るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能
である。ここで、エチレンの三量化反応時のクロム錯体
濃度をコントロールする目的で、必要に応じて濃縮や希
釈しても差し支えない。
【0045】また、前記のクロム錯体とアルキル金属化
合物を接触させる際の温度は−100〜250℃、好ま
しくは0〜200℃である。接触時間は特に制限され
ず、1分〜24時間、好ましくは2分〜2時間である。
なお、接触時のすべての操作は、空気と水分を避けて行
なうことが望ましい。また、原料及び溶媒は十分に乾燥
しておくことが好ましい。
【0046】本発明のエチレンの三量化反応は、前記の
クロム錯体とアルキル金属化合物からなる触媒とエチレ
ンを接触させることにより行うことができる。接触方法
は特に制限されないが、例えば、三量化反応の原料であ
るエチレンの存在下に、クロム錯体及びアルキル金属化
合物を接触させて、接触と同時に三量化反応を開始する
方法、またはクロム錯体とアルキル金属化合物を前もっ
て接触させた後、エチレンと接触させて三量化反応を行
う方法が採られる。具体的には、前者の場合は、(1)
クロム錯体、アルキル金属化合物及びエチレンをそれぞ
れ同時に独立に反応系に導入する、(2)アルキル金属
化合物を含む溶液にクロム錯体及びエチレンを導入す
る、(3)クロム錯体を含む溶液にアルキル金属化合物
及びエチレンを導入する、という方法によりエチレンの
三量化反応を行うことができる。また、後者の場合は、
(1)クロム錯体を含む溶液にアルキル金属化合物を導
入した後、エチレンと接触させる、(2)アルキル金属
化合物を含む溶液にクロム錯体を導入した後、エチレン
と接触させる、という方法によりエチレンの三量化反応
を行うことができる。なお、これらの原料の混合順序は
特に制限されない。
【0047】本発明におけるエチレンの三量化反応の温
度は、−100〜250℃であるが、好ましくは0〜2
00℃である。反応圧力は、反応系がエチレン雰囲気で
あれば特に制限されないが、通常、絶対圧で0.01〜
3000kg/cm2であり、好ましくは0.1〜30
0kg/cm2である。また、反応時間は温度や圧力に
左右され、一概に決めることはできないが、通常、5秒
〜6時間である。また、エチレンは、前記の圧力を保つ
ように連続的に供給してもよいし、反応開始時に前記圧
力で封入して反応させてもよい。原料ガスであるエチレ
ンには、反応に不活性なガス、例えば窒素、アルゴン、
ヘリウム等が含まれていても何ら差し支えない。なお、
エチレンの三量化反応のすべての操作は、空気と水分を
避けて行うことが望ましい。また、エチレンは十分に乾
燥しておくことが好ましい。
【0048】本反応は、回分式、半回分式、連続式のい
ずれでも実施できる。エチレンの三量化反応終了後、反
応液に、例えば、水、アルコール、水酸化ナトリウム水
溶液等の失活剤を添加して反応を停止させることができ
る。失活した廃クロム触媒は、公知の脱灰処理方法、例
えば、水またはアルカリ水溶液による抽出等で除去でき
る。生成した1−ヘキセンは、公知の抽出法や蒸留法に
より反応液より分離される。また、副生するポリエチレ
ンは、反応液出口で公知の遠心分離法や1−ヘキセンを
蒸留分離する際の残渣として分離除去することができ
る。
【0049】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いてさらに詳細
に説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すも
ので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0050】ガスクロマトグラフィーによる分析:反応
液中に含まれる炭素数4〜8の生成物の定量は、GLサ
イエンス製 TC−1のカラムを装着した島津製作所製
ガスクロマトグラフ(GC−14A)を用いて分析し
た。分析条件は、窒素キャリアを用い、インジェクショ
ン温度280℃、検出器温度280℃に設定し、内部標
準としてn−ヘプタンを用いた。分析は、このガスクロ
マトグラフに反応液を1.0μl注入した後、カラムの
温度を40℃から250℃まで昇温することにより行っ
た。
【0051】また、炭素数10以上の生成物は、上記ガ
スクロマトグラフとは別途用意したGLサイエンス製
TC−1のカラムを装着した島津製作所製 ガスクロマ
トグラフ(GC−14A)を用いて分析した。分析条件
は、窒素キャリアを用い、インジェクション温度300
℃、検出器温度300℃に設定し、内部標準としてn−
ヘプタンを用いた。分析は、このガスクロマトグラフに
反応液を1.5μl注入した後、カラムの温度を50℃
から300℃まで昇温することにより行った。
【0052】気体中に含まれる生成物は、クロムパック
製 Al23/KClのカラムを装着した島津製作所製
ガスクロマトグラフ(GC−9A)を用いて分析し
た。分析条件は、窒素キャリアを用い、インジェクショ
ン温度200℃、検出器温度200℃及びカラム温度1
20℃に設定し、絶対検量線法を用いた。分析は、この
ガスクロマトグラフに回収した気体を0.2ml注入す
ることにより行った。
【0053】参考例1 内容積100mlのシュレンク管に、J.Amer.C
hem.Soc.,92,5118(1970)に記載
の方法で合成した三脚型構造を有するトリス(3,5−
ジメチル−1−ピラゾリル)メタン 126mg、トリ
ス(テトラヒドロフラン)クロムトリクロライド(II
I)143mg及びテトラヒドロフラン20mlを加
え、窒素雰囲気下で12時間攪拌した。生成した結晶を
ろ別し、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)
メタンクロムトリクロライド(III)を得た。このト
リス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロ
ムトリクロライド(III) 90mg、2.0Mのリ
チウムジイソプロピルアミド/エチルベンゼン−THF
溶液0.36ml及びトルエン10mlをシュレンク管
に入れ、窒素雰囲気下で12時間攪拌した。反応液をろ
過し、溶媒を減圧乾燥してトリス(3,5−ジメチル−
1−ピラゾリル)メタン−トリス(ジイソプロピルアミ
ド)クロム(III)(以下、錯体Aと称する。)を得
た。
【0054】実施例1 温度計及び攪拌装置を備えた内容積150mlのガラス
製耐圧反応容器に、参考例1で合成した錯体Aを10.
4mgと乾燥したトルエン80mlを入れ、混合撹拌し
た。
【0055】反応容器を80℃に加熱し、撹拌速度を1
400rpmに調整後、エチレン圧により0.154m
ol/lのトリイソブチルアルミニウム/シクロヘキサ
ン溶液1.6mlを導入して、エチレンの三量化反応を
開始した。反応容器内の絶対圧力を5kg/cm2とな
るようにエチレンガスを吹き込み、以後、前記圧力を維
持するように導入し続け、これらの反応条件を保った状
態で30分反応を行なった。30分後、反応容器中に水
を窒素で圧入することによって触媒を失活させて反応を
停止した。
【0056】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。結果を表1に示
す。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、三脚型構造を有する中
性の多座配位子が配位したクロム錯体とアルキル金属化
合物からなるエチレンの三量化触媒は、安定で取り扱い
が容易であり、しかもこれを用いるとエチレンから効率
よく、かつ高選択的に1−ヘキセンを製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA08 AA15 BA27A BA27B BC04A BC10A BC16A BC16B BC35A BC58A BD03A BD11A BE09A BE13A CB47 FB77 4H006 AA02 AC21 BA03 BA06 BA07 BA09 BA14 BA31 BA32 BA39 BA43 BA44 BA45 BA46 BA48 4H039 CA29 CL19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) ACrBnt (1) (式中、Aは三脚型構造を有する中性の多座配位子であ
    る。nは1〜3の整数であり、またtは0〜2の整数で
    ある。Bはアミド基、カルボキシレート基、ジケトナー
    ト基、アルコキシド基及びチオアルコキシド基からなる
    群より選ばれる1種以上を表し、Eはハロゲン原子また
    はアルキル基を表す。)で示される三脚型構造を有する
    中性の多座配位子が配位したクロム錯体とアルキル金属
    化合物からなるエチレンの三量化触媒。
  2. 【請求項2】三脚型構造を有する中性の多座配位子が、
    下記一般式(2) 【化1】 (式中、j,k,mはそれぞれ独立して0〜6の整数で
    ある。D1はそれぞれ独立して、置換基を有していても
    よい2価の炭化水素基、L1はそれぞれ独立して、周期
    表14族、15族、16族または17族元素を含有する
    置換基を表す。また、G1は炭素またはケイ素、R1は水
    素基、炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜1
    0のアリール基を表す。)または下記一般式(3) 【化2】 (式中、a,b,cはそれぞれ独立して0〜6の整数で
    あり、uは0または1の整数である。D2はそれぞれ独
    立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、
    2はそれぞれ独立して、周期表14族、15族、16
    族または17族元素を含有する置換基を表す。また、G
    2は窒素またはリン、R2は酸素またはイオウを表す。)
    で示される三座配位子であることを特徴とする請求項1
    に記載のエチレンの三量化触媒。
  3. 【請求項3】三脚型構造を有する中性の多座配位子がf
    acialに配位したクロム錯体を用いることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載のエチレンの三量化
    触媒。
  4. 【請求項4】アルキル金属化合物が、下記一般式(4) RpMXq (4) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
    て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
    ネシウム、亜鉛、ボロンまたはアルミニウムを表し、R
    は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれる
    1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシド基、アリ
    ール基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以
    上を表す。)で示される化合物であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3に記載のエチレンの三量化触媒。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    エチレンの三量化触媒の存在下で、エチレンを三量化す
    ることを特徴とするエチレンの三量化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001219071A (ja) * 1999-12-24 2001-08-14 Inst Fr Petrole 触媒組成物および特にエチレンの1−ヘキセンへのオリゴマー化方法
JP2002233765A (ja) * 2000-09-29 2002-08-20 Tosoh Corp エチレンの三量化触媒およびこの触媒を用いたエチレンの三量化方法

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