JP2001002724A - エチレンの三量化触媒及びこれを用いたエチレンの三量化方法 - Google Patents

エチレンの三量化触媒及びこれを用いたエチレンの三量化方法

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JP2001002724A
JP2001002724A JP11178552A JP17855299A JP2001002724A JP 2001002724 A JP2001002724 A JP 2001002724A JP 11178552 A JP11178552 A JP 11178552A JP 17855299 A JP17855299 A JP 17855299A JP 2001002724 A JP2001002724 A JP 2001002724A
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tris
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ethylene
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JP11178552A
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English (en)
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Hideyuki Mimura
英之 三村
Motohiro Oguri
元宏 小栗
Toshihide Yamamoto
敏秀 山本
Hisanori Okada
久則 岡田
Osamu Yoshida
統 吉田
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレンから効率よく、かつ高選択的に1−
ヘキセンを製造する。 【解決手段】 (a)中性の多座配位子が配位したクロ
ム錯体、(b)アルキル金属化合物及び(c)三級芳香
族アミン化合物(イミンを除く)及び/または窒素含有
複素環式化合物の少なくとも3成分からなる触媒を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレンの三量化
触媒及びそれを用いたエチレンの三量化方法に関する。
さらに詳しくは、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)の原料コモノマーとして有用な1−ヘキセンをエチ
レンから効率よく、かつ高選択的に製造するエチレンの
三量化触媒及びこれを用いたエチレンの三量化方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】エチレンを三量化して1−ヘキセンを得
る方法において、特定の多座配位子が配位したクロム錯
体とアルキルアルミニウム化合物からなる触媒を用いる
ことは公知である。例えば、特開平10−7712号公
報には特定の窒素配位子が配位したクロムの塩素錯体や
アルキル錯体とアルミニウム化合物からなる触媒が、特
開平10−231317号公報には環状ポリアミンまた
はヒドロトリス(ピラゾリル)ボレートが配位したクロ
ム錯体とアルキルアルミニウム化合物からなる触媒が開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平10−
7712号公報に記載の方法は、触媒活性が低いという
問題があった。また、オリゴマー中の1−ヘキセン選択
性も低く、工業的な観点から十分なものではなかった。
また、特開平10−231317号公報に記載の方法も
触媒活性は低かった。さらに、選択性に関しても1−ヘ
キセンよりもポリエチレンの生成が多いばかりか、オリ
ゴマー中の1−ヘキセン選択性も低いという欠点があっ
た。
【0004】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的はLLDPEの原料コモノマーとして
有用な1−ヘキセンをエチレンから効率よく、かつ高選
択的に製造することができるエチレンの三量化触媒及び
それを用いたエチレンの三量化方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するため鋭意検討を行った結果、中性の多座配
位子が配位したクロム錯体、アルキル金属化合物及び特
定のアミン化合物の少なくとも3成分からなるエチレン
の三量化触媒を用いると高い活性でエチレンの三量化反
応が進行し、高選択的に1−ヘキセンが生成することを
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、(a)中性の多座配位子が
配位したクロム錯体、(b)アルキル金属化合物及び
(c)三級芳香族アミン化合物(イミンを除く)及び/
または窒素含有複素環式化合物の少なくとも3成分から
なるエチレンの三量化触媒及びそれを用いたエチレンの
三量化方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明についてさらに詳し
く説明する。
【0008】本発明においては、エチレンの三量化触媒
を構成する一成分として、(c)三級芳香族アミン化合
物(イミンを除く)及び/または窒素含有複素環式化合
物が用いられる。三級芳香族アミン化合物(イミンを除
く)としては特に限定されるものではないが、例えば、
N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリ
ン、N,N−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジブチ
ルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、ジフェニル
メチルアミン、トリフェニルアミン、トリス(p−メチ
ルフェニル)アミン、トリス(m−メチルフェニル)ア
ミン、トリス(o−メチルフェニル)アミン、N,N−
ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−ト
ルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,
N,2,3−テトラメチルアニリン、N,N,2,4−
テトラメチルアニリン、N,N,2,5−テトラメチル
アニリン、N,N,2,6−テトラメチルアニリン、
N,N,3,4−テトラメチルアニリン、N,N,3,
5−テトラメチルアニリン、N,N−2,3,4−ペン
タメチルアニリン、N,N−2,3,5−ペンタメチル
アニリン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリ
ン、N,N−3,4,5−ペンタメチルアニリン、N,
N−2,3,4,5,6−ヘプタメチルアニリン、N,
N−ジメチル−2−エチルアニリン、N,N−ジメチル
−3−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチル
アニリン、N,N−ジメチル−6−エチル−o−トルイ
ジン、N,N−ジメチル−2−イソプロピルアニリン、
N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N
−ジメチル−2−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチ
ル−4−s−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−4−
t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−2,6−ジエ
チルアニリン、N,N−ジメチル−6−イソプロピル−
o−トルイジン、N,N−ジメチル−2−フルオロアニ
リン、N,N−ジメチル−3−フルオロアニリン、N,
N−ジメチル−4−フルオロアニリン、N,N−ジメチ
ル−2,3−ジフルオロアニリン、N,N−ジメチル−
2,4−ジフルオロアニリン、N,N−ジメチル−2,
5−ジフルオロアニリン、N,N−ジメチル−2,6−
ジフルオロアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジフ
ルオロアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジフルオ
ロアニリン、N,N−ジメチル−2,3,4−トリフル
オロアニリン、N,N−ジメチル−2,3,5−トリフ
ルオロアニリン、N,N−ジメチル−2,4,6−トリ
フルオロアニリン、N,N−ジメチル−3,4,5−ト
リフルオロアニリン、N,N−ジメチル−2,3,4,
5,6−ペンタフルオロアニリン、N,N−ジメチル−
3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、N,N
−ジメチル−2−クロロアニリン、N,N−ジメチル−
3−クロロアニリン、N,N−ジメチル−4−クロロア
ニリン、N,N−ジメチル−2−ブロモアニリン、N,
N−ジメチル−3−ブロモアニリン、N,N−ジメチル
−4−ブロモアニリン、N,N−ジメチル−o−アニシ
ジン、N,N−ジメチル−m−アニシジン、N,N−ジ
メチル−p−アニシジン、N,N−ジメチル−o−フェ
ネチジン、N,N−ジメチル−m−フェネチジン、N,
N−ジメチル−p−フェネチジン、N,N−ジメチル−
1−アミノナフタレン、N,N−ジメチル−2−アミノ
ナフタレン、N,N−ジメチル−1−アミノフルオレ
ン、N,N−ジメチル−2−アミノフルオレン、N,N
−ジメチル−3−アミノフルオレン、N,N−ジメチル
−4−アミノフルオレン、N,N−ジメチル−5−アミ
ノインダン、N,N−ジメチル−2−アミノビフェニ
ル、N,N−ジメチル−4−アミノビフェニル、N,N
−ジメチル−p−トリメチルシリルアニリン等が挙げら
れる。
【0009】また、窒素含有複素環式化合物としては特
に限定されるものではないが、例えば、ピリジン、2−
メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリ
ジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピ
リジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチル
ピリジン、2,3,4−トリメチルピリジン、2,3,
5−トリメチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリ
ジン、2−エチルピリジン、3−エチルピリジン、4−
エチルピリジン、2−イソプロピルピリジン、4−イソ
プロピルピリジン、2−t−ブチルピリジン、4−t−
ブチルピリジン、2,6−ジエチルピリジン、2,6−
ジ−n−プロピルピリジン、2,6−ジ−i−プロピル
ピリジン、2,6−ジフェニルピリジン、2,6−ジ−
t−ブチルピリジン、2−メチル−6−エチルピリジ
ン、2−メチル−6−イソプロピルピリジン、2−フル
オロピリジン、3−フルオロピリジン、4−フルオロピ
リジン、2,3−ジフルオロピリジン、2,4−ジフル
オロピリジン、2,5−ジフルオロピリジン、2,6−
ジフルオロピリジン、2,3,4−トリフルオロピリジ
ン、2,3,5−トリフルオロピリジン、2,4,6−
トリフルオロピリジン、ペンタフルオロピリジン、2−
クロロピリジン、3−クロロピリジン、4−クロロピリ
ジン、2−ブロモピリジン、3−ブロモピリジン、4−
ブロモピリジン、2−メトキシピリジン、3−メトキシ
ピリジン、4−メトキシピリジン、キノリン、イソキノ
リン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、シノリン、
フタラジン、キナゾリン、キノクサリン、アシリジン等
が挙げられる。
【0010】これらのうち触媒活性の面から、三級芳香
族アミン化合物(イミンを除く)が好ましく用いられ、
より好ましくはN,N−ジメチルアニリン、ジフェニル
メチルアミン及びトリフェニルアミンが用いられる。ま
た、上記(c)三級芳香族アミン化合物(イミンを除
く)及び/または窒素含有複素環式化合物(以下、
(c)成分と称する。)はそれぞれ単独で使用し得るの
みならず、二種以上を混合して用いることも可能であ
る。
【0011】また、この(c)成分の使用量は、クロム
錯体1モルに対して0.01〜10000当量であり、
好ましくは0.05〜3000当量、より好ましくは
0.1〜1000当量である。(c)成分の使用量がク
ロム錯体1モルに対し0.01当量未満の場合は十分な
活性が得られず、逆に10000当量を越える場合は触
媒活性が増加せず経済的でない。
【0012】本発明においては、エチレンの三量化触媒
を構成する一成分として、(a)中性の多座配位子が配
位したクロム錯体が用いられる。中性の多座配位子が配
位したクロム錯体は、下記一般式(1) ACrBn (1) (式中、Aは中性の多座配位子である。nは1〜3の整
数であり、Bは水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、炭素数1〜10のカルボキシレート基、炭素数1〜
10のジケトナート基、ハロゲン原子、アミド基、イミ
ド基、アルコキシド基、チオアルコキシド基、カルボニ
ル配位子、アレーン配位子、アルケン配位子、アルキン
配位子、アミン配位子、イミン配位子、ニトリル配位
子、イソニトリル配位子、ホスフィン配位子、ホスフィ
ンオキシド配位子、ホスファイト配位子、エーテル配位
子、スルホン配位子、スルホキシド配位子及びスルフィ
ド配位子からなる群より選ばれる1種以上を表す。)で
示される錯体が好適なものとして挙げられる。
【0013】ここで、クロム錯体に配位させる中性の多
座配位子として用いられるものは特に限定されるもので
はないが、例えば、下記一般式(3)
【0014】
【化1】
【0015】(式中、j,k,mはそれぞれ独立して0
〜6の整数である。D1はそれぞれ独立して、置換基を
有していてもよい2価の炭化水素基、L1はそれぞれ独
立して、周期表14族、15族、16族または17族元
素を含有する置換基を表す。また、G1は炭素またはケ
イ素、R1は水素基、炭素数1〜10のアルキル基また
は炭素数1〜10のアリール基を表す。)または下記一
般式(4)
【0016】
【化2】
【0017】(式中、a,b,cはそれぞれ独立して0
〜6の整数であり、uは0または1の整数である。D2
はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の
炭化水素基、L2はそれぞれ独立して、周期表14族、
15族、16族または17族元素を含有する置換基を表
す。また、G2は窒素またはリン、R2は酸素またはイオ
ウを表す。)で示される三脚型構造を有する多座配位
子、下記一般式(5)
【0018】
【化3】
【0019】(式中、d,e,fはそれぞれ独立して1
〜6の整数であり、rは0または1の整数である。D3
はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の
炭化水素基、L3はそれぞれ独立して、周期表14族、
15族、16族または17族元素、R3は炭素数1〜1
0のアルキル基または炭素数1〜10のアリール基を表
す。)で示される環状型構造を有する多座配位子及び下
記一般式(6)
【0020】
【化4】
【0021】(式中、g,hはそれぞれ独立して0〜6
の整数である。D4はそれぞれ独立して、置換基を有し
ていてもよい2価の炭化水素基、L4及びL5はそれぞれ
独立して、周期表14族、15族、16族または17族
元素を含有する置換基を表す。)で示されるブリッジ型
構造を有する多座配位子等が挙げられる。
【0022】上記一般式(3)、(4)、(5)及び
(6)において、D1、D2、D3及びD4としては特に限
定されるものではないが、例えば、アルキレン基、シク
ロアルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレ
ン基等が挙げられる。また、その置換基としては、例え
ば、メチル基、エチル基等のアルキル基類、メトキシ
基、エトキシ基等のアルコキシ基類等が挙げられる。
【0023】一般式(3)、(4)及び(6)におい
て、L1、L2及びL4で示される周期表14族、15
族、16族または17族元素を含有する置換基としては
特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ
基類、フェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基等
のアリールオキシ基類、メチルチオ基、エチルチオ基、
プロピルチオ基、ブチルチオ基等のアルキルチオ基類、
フェニルチオ基、トリルチオ基等のアリールチオ基類、
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ビス(トリメチ
ルシリル)アミノ基等のジアルキルアミノ基類、ジフェ
ニルアミノ基等のジアリールアミノ基類、メチルフェニ
ル基等のアルキルアリールアミノ基類、ジメチルホスフ
ィノ基、ジエチルホスフィノ基等のジアルキルホスフィ
ノ基、ジフェニルホスフィノ基、ジトリルホスフィノ基
等のジアリールホスフィノ基、メチルフェニルホスフィ
ノ基等のアルキルアリールホスフィノ基類が挙げられ
る。
【0024】また、フリル基、ベンゾフリル基、チエニ
ル基、ベンゾチエニル基、ピラゾリル基、トリアゾリル
基、テトラゾリル基、ピリジル基、イミダゾリル基、ベ
ンゾイミダゾリル基、インダゾリル基、キノリル基、イ
ソキノリル基、オキサゾリル基、チアゾール基等の複素
環基類が挙げられる。これらの複素環基の環上の置換基
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、オクチル基、フェニル基等が挙げられる。
【0025】一般式(3)におけるR1は特に限定され
るものではないが、例えば、水素基類、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基、ヒドロキシ
メチル基、シアノエチル基、アリル基、トリフルオロプ
ロピル基等の炭素数1〜10のアルキル基類またはフェ
ニル基、p−メチルフェニル基、p−クロロフェニル基
等の炭素数1〜10のアリール基類が挙げられる。
【0026】一般式(5)において、L3としては特に
限定されるものではないが、例えば、リン原子、酸素原
子またはイオウ原子等が挙げられる。また、R3として
は特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜10の
アルキル基類、またフェニル基、p−メチルフェニル基
等の炭素数1〜10のアリール基類が挙げられる。
【0027】一般式(6)において、L5で示される周
期表14族、15族、16族または17族元素を含有す
る置換基としては特に限定されるものではないが、例え
ば、下記一般式(7)
【0028】
【化5】
【0029】(式中、tは0または1の整数である。Y
はリン原子、酸素原子またはイオウ原子、R4は炭素数
1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアリール
基を表す。)または下記一般式(8)
【0030】
【化6】
【0031】(式中、Zは酸素原子、イオウ原子、もし
くは水素基、アルキル基またはアリール基を有するリン
原子を表す。)で示されるものが挙げられる。
【0032】ここで、R4としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基類、また
はフェニル基、p−メチルフェニル基等の炭素数1〜1
0のアリール基類が挙げられる。また、一般式(8)の
アルキル基としては特に限定されるものではないが、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、
アリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル
基等が挙げられる。
【0033】上記一般式(3)または(4)で示される
三脚型構造を有する多座配位子として通常用いられるも
のは特に限定されるものではないが、例えば、トリス
(メトキシメチル)メタン、1,1,1−トリス(メト
キシメチル)エタン、1,1,1−トリス(メトキシメ
チル)プロパン、1,1,1−トリス(メトキシメチ
ル)ブタン、1,1,1−トリス(エトキシメチル)エ
タン、1,1,1−トリス(プロポキシメチル)エタ
ン、1,1,1−トリス(ブトキシメチル)エタン、
1,1,1−トリス(フェノキシメチル)エタン、トリ
フリルメタン、トリス(5−メチル−2−フリル)メタ
ン、トリス(5−エチル−2−フリル)メタン、トリス
(5−ブチル−2−フリル)メタン、1,1,1−トリ
フリルエタン、トリフリルアミン、トリフリルホスフィ
ン、トリフリルホスフィンオキシド等の含酸素多座配位
子類、1,1,1−トリス(メチルチオメチル)エタ
ン、1,1,1−トリス(ブチルチオメチル)エタン、
1,1,1−トリス(フェニルチオメチル)エタン、ト
リス(チエニル)メタン等の含イオウ多座配位子類、
1,1,1−トリス(ジメチルアミノメチル)エタン、
1,1,1−トリス(ジフェニルアミノメチル)エタ
ン、トリス(ピラゾリル)メタン、トリス(3,5−ジ
メチル−1−ピラゾリル)メタン、トリス(3,5−ジ
イソプロピル−1−ピラゾリル)メタン、1,1,1−
トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)エタン、
1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)プロパン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル
−1−ピラゾリル)ブタン、トリス(2−ピリジル)メ
タン、トリス(6−メチル−2−ピリジル)メタン、ト
リス(2−ピリジル)アミン、トリス(2−ピリジル)
ホスフィン、トリス(2−ピリジル)ホスフィンオキシ
ド、トリス(2−ピリジル)ヒドロキシメタン、トリス
(1−イミダゾリル)メタン等の含窒素多座配位子類、
1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エ
タン、1,1,1−トリス(ジメチルホスフィノメチ
ル)エタン、1,1,1−トリス(ジエチルホスフィノ
メチル)エタン等の含リン多座配位子類が挙げられる。
【0034】また、一般式(5)で示される環状型構造
を有する多座配位子としては特に限定されるものではな
いが、例えば、1,3,5−トリメチル−1,3,5−
トリアザシクロヘキサン、1,3,5−トリエチル−
1,3,5−トリアザシクロヘキサン、1,3,5−ト
リ−i−プロピル−1,3,5−トリアザシクロヘキサ
ン、1,3,5−トリ−t−ブチル−1,3,5−トリ
アザシクロヘキサン、1,3,5−トリ−n−ブチル−
1,3,5−トリアザシクロヘキサン、1,3,5−ト
リシクロヘキシル−1,3,5−トリアザシクロヘキサ
ン、1,3,5−トリベンジル−1,3,5−トリアザ
シクロヘキサン、1,3,5−トリフェニル−1,3,
5−トリアザシクロヘキサン、2,4,6−トリメチル
−1,3,5−トリアザシクロヘキサン、1,4,7−
トリアザシクロノナン、1,4,7−トリメチル−1,
4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7−トリエチ
ル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7−
トリ−i−プロピル−1,4,7−トリアザシクロノナ
ン、1,4,7−トリ−t−ブチル−1,4,7−トリ
アザシクロノナン、1,4,7−トリシクロヘキシル−
1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7−トリ
フェニル−1,4,7−トリアザシクロノナン等の含窒
素多座配位子類、1,3,5−トリチアシクロヘキサ
ン、1,4,7−トリチアシクロノナン、1,4,7,
10−テトラチアシクロドデカン、1,5,9,13−
テトラチアヘキサデカン等の含イオウ多座配位子類、
1,3,5−トリオキサシクロヘキサン、1,4,7−
トリオキサシクロノナン、12−クラウン−4、15−
クラウン−5、18−クラウン−6等の含酸素多座配位
子類が挙げられる。
【0035】一般式(6)で示されるブリッジ型構造を
有する多座配位子としては特に限定されるものではない
が、例えば、ビス(ジメチルホスフィノエチル)メチル
ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノエチル)フェ
ニルホスフィン等の含リン多座配位子類、ジエチレント
リアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)メチルアミ
ン、ビス(ジエチルアミノエチル)エチルアミン、ビス
(フェニルアミノエチル)アミン、α,α’,α”−ト
リピリジン、2,6−ビス(2−フェニル−2−アザエ
テニル)ピリジン、ビス[3−(2−ピリジルエチルイ
ミノ)−2−ブタノンオキシム]等の含窒素多座配位子
類、ジエチレングリコールメチルエーテル、ビス(メト
キシエチル)エーテル、ビス(エトキシエチル)エーテ
ル、ビス(ブトキシエチル)エーテル、(t−ブトキシ
エチル)(メトキシエチル)エーテル等の含酸素多座配
位子類が挙げられる。
【0036】また、上記一般式(1)のBにおいて、炭
素数1〜10の炭化水素基としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基またはフ
ェニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のカルボキシ
レート基としては特に限定されるものではないが、例え
ば、アセテート基、ナフテネート基または2−エチルヘ
キサノエート基等が挙げられる。炭素数1〜10のジケ
トナート基としては特に限定されるものではないが、例
えば、アセチルアセトナート基等が挙げられる。ハロゲ
ン原子としては特に限定されるものではないが、例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
等が挙げられる。アミド基としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミ
ド基、ジイソプロピルアミド基、ジオクチルアミド基、
ジデシルアミド基、ジドデシルアミド基、ビス(トリメ
チルシリル)アミド基、ジフェニルアミド基、N−メチ
ルアニリドまたはアニリド基等が挙げられる。イミド基
としては特に限定されるものではないが、例えば、ベン
ゾフェノンイミド等が挙げられる。アルコキシド基とし
ては特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ
ド基、エトキシド基、プロポキシド基、ブトキシド基ま
たはフェノキシド基等が挙げられる。チオアルコキシド
基としては特に限定されるものではないが、例えば、チ
オメトキシド基、チオエトキシド基、チオプロポキシド
基、チオブトキシド基またはチオフェノキシド基等が挙
げられる。アレーン配位子としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、
トリメチルベンゼン、ヘキサメチルベンゼンまたはナフ
タレン等が挙げられる。アルケン配位子としては特に限
定されるものではないが、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、ヘキセンまたはデセン等が挙げられる。ア
ルキン配位子としては特に限定されるものではないが、
例えば、アセチレン、フェニルアセチレンまたはジフェ
ニルアセチレン等が挙げられる。アミン配位子としては
特に限定されるものではないが、例えば、トリエチルア
ミンまたはトリブチルアミン等が挙げられる。イミン配
位子としては特に限定されるものではないが、例えば、
ベンゾフェノンイミンまたはメチルエチルケトンイミン
等が挙げられる。ニトリル配位子としては特に限定され
るものではないが、例えば、アセトニトリルまたはベン
ゾニトリル等が挙げられる。イソニトリル配位子として
は特に限定されるものではないが、例えば、t−ブチル
イソニトリルまたはフェニルイソニトリル等が挙げられ
る。ホスフィン配位子としては特に限定されるものでは
ないが、例えば、トリフェニルホスフィン、トリトリル
ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンまたはトリ
ブチルホスフィン等が挙げられる。ホスフィンオキシド
配位子としては特に限定されるものではないが、例え
ば、トリブチルホスフィンオキシドまたはトリフェニル
ホスフィンオキシド等が挙げられる。ホスファイト配位
子としては特に限定されるものではないが、例えば、ト
リフェニルホスファイト、トリトリルホスファイト、ト
リブチルホスファイトまたはトリエチルホスファイト等
が挙げられる。エーテル配位子としては特に限定される
ものではないが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチル
エーテルまたはテトラヒドロフラン等が挙げられる。ス
ルホン配位子としては特に限定されるものではないが、
例えば、ジメチルスルホンまたはジブチルスルホン等が
挙げられる。スルホキシド配位子としては特に限定され
るものではないが、例えば、ジメチルスルホキシドまた
はジブチルスルホキシド等が挙げられる。スルフィド配
位子としては特に限定されるものではないが、例えば、
エチルスルフィドまたはブチルスルフィド等が挙げられ
る。
【0037】上記一般式(1)で示される中性の多座配
位子が配位したクロム錯体の具体的な例としては特に限
定されるものではないが、例えば、トリス(メトキシメ
チル)メタンクロムトリクロライド(III)、1,
1,1−トリス(メトキシメチル)エタンクロムトリカ
ルボニル(0)、1,1,1−トリス(メトキシメチ
ル)エタンクロムトリクロライド(III)、1,1,
1−トリス(メトキシメチル)エタン−トリス(ジイソ
プロピルアミド)クロム(III)、1,1,1−トリ
ス(メトキシメチル)エタン−トリス(ジメチルアミ
ド)クロム(III)、1,1,1−トリス(メトキシ
メチル)エタン−トリス[ビス(トリメチルシリル)ア
ミド]クロム(III)、1,1,1−トリス(メトキ
シメチル)エタンクロムトリエトキシド(III)、
1,1,1−トリス(メトキシメチル)エタンクロムト
リチオブトキシド(III)、1,1,1−トリス(エ
トキシメチル)エタンクロムトリクロライド(II
I)、1,1,1−トリス(ブトキシメチル)エタンク
ロムトリクロライド(III)、1,1,1−トリス
(フェノキシメチル)エタンクロムトリクロライド(I
II)、トリフリルメタンクロムトリカルボニル
(0)、トリス(5−メチル−2−フリル)メタンクロ
ムトリカルボニル(0)、トリス(5−ブチル−2−フ
リル)メタンクロムトリカルボニル(0)、トリフリル
アミンクロムトリカルボニル(0)、トリフリルホスフ
ィンクロムトリカルボニル(0)、トリフリルホスフィ
ンオキシドクロムトリカルボニル(0)、1,1,1−
トリス(メチルチオメチル)エタンクロムトリカルボニ
ル(0)、トリス(チエニル)メタンクロムトリカルボ
ニル(0)、1,1,1−トリス(ジメチルアミノメチ
ル)エタンクロムトリカルボニル(0)、トリス(ピラ
ゾリル)メタンクロムトリカルボニル(0)、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロムト
リカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−
ピラゾリル)メタンクロムトリクロライド(III)、
トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタン−
トリス(ジエチルアミド)クロム(III)、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタン−トリス
(ジイソプロピルアミド)クロム(III)、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタン−トリス
[ビス(トリメチルシリル)アミド]クロム(II
I)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メ
タン−トリス(ベンゾフェノンイミド)クロム(II
I)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メ
タンクロムトリエトキシド(III)、トリス(3,5
−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロムトリチオブ
トキシド(III)、トリス(3,5−ジメチル−1−
ピラゾリル)メタン−トルエンクロム(0)、トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロム
(エチレン)ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジ
メチル−1−ピラゾリル)メタンクロム(フェニルアセ
チレン)ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチ
ル−1−ピラゾリル)メタンクロム(ジメチルアニリ
ン)ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−
1−ピラゾリル)メタンクロム(ベンゾフェノンイミ
ン)ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−
1−ピラゾリル)メタンクロム(アセトニトリル)ジカ
ルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラ
ゾリル)メタンクロム(t−ブチルイソニトリル)ジカ
ルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラ
ゾリル)メタンクロム(トリブチルホスフィン)ジカル
ボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾ
リル)メタンクロム(トリブチルホスフィンオキシド)
ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−
ピラゾリル)メタンクロム(トリフェニルホスファイ
ト)ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−
1−ピラゾリル)メタンクロム(テトラヒドロフラン)
ジカルボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−
ピラゾリル)メタンクロム(ジメチルスルホン)ジカル
ボニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾ
リル)メタンクロム(ジメチルスルホキシド)ジカルボ
ニル(0)、トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリ
ル)メタンクロム(ジブチルスルフィド)ジカルボニル
(0)、トリス(3,5−ジイソプロピル−1−ピラゾ
リル)メタンクロムトリカルボニル(0)、1,1,1
−トリス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)エタン
クロムトリカルボニル(0)、1,1,1−トリス
(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)プロパンクロム
トリカルボニル(0)、1,1,1−トリス(3,5−
ジメチル−1−ピラゾリル)ブタンクロムトリカルボニ
ル(0)、トリス(2−ピリジル)メタンクロムトリカ
ルボニル(0)、トリス(6−メチル−2−ピリジル)
メタンクロムトリカルボニル(0)、トリス(2−ピリ
ジル)アミンクロムトリカルボニル(0)、トリス(2
−ピリジル)ホスフィンクロムトリカルボニル(0)、
トリス(2−ピリジル)ホスフィンオキシドクロムトリ
カルボニル(0)、トリス(1−イミダゾリル)メタン
クロムトリカルボニル(0)、1,1,1−トリス(ジ
フェニルホスフィノメチル)エタンクロムトリカルボニ
ル(0)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノ
メチル)エタンクロムトリクロライド(III)、1,
1,1−トリス(ジメチルホスフィノメチル)エタンク
ロムトリカルボニル(0)、1,1,1−トリス(ジエ
チルホスフィノメチル)エタンクロムトリカルボニル
(0)、1,1,1−トリス(ジエチルホスフィノメチ
ル)エタンクロムトリクロライド(III)、1,1,
1−トリス(ジエチルホスフィノメチル)エタン−トリ
ス(ジイソプロピルアミド)クロム(III)等の三脚
型構造を有する多座配位子が配位したクロム錯体が挙げ
られる。
【0038】また、1,3,5−トリエチル−1,3,
5−トリアザシクロヘキサンクロムトリカルボニル
(0)、1,3,5−トリ−i−プロピル−1,3,5
−トリアザシクロヘキサンクロムトリカルボニル
(0)、1,3,5−トリ−i−プロピル−1,3,5
−トリアザシクロヘキサンクロムトリクロライド(II
I)、1,3,5−トリ−i−プロピル−1,3,5−
トリアザシクロヘキサンクロムジクロライド(II)、
ジクロロフェニルクロム−1,3,5−トリメチル−
1,3,5−トリアザシクロヘキサンクロム(II
I)、ジクロロフェニルクロム−1,3,5−トリ−i
−プロピル−1,3,5−トリアザシクロヘキサンクロ
ム(III)、1,3,5−トリ−t−ブチル−1,
3,5−トリアザシクロヘキサンクロムトリカルボニル
(0)、1,3,5−トリ−t−ブチル−1,3,5−
トリアザシクロヘキサンクロムトリクロライド(II
I)、1,3,5−トリ−t−ブチル−1,3,5−ト
リアザシクロヘキサン−トリス(ジイソプロピルアミ
ド)クロム(III)、1,3,5−トリシクロヘキシ
ル−1,3,5−トリアザシクロヘキサンクロムトリカ
ルボニル(0)、2,4,6−トリメチル−1,3,5
−トリアザシクロヘキサンクロムトリカルボニル
(0)、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリア
ザシクロノナンクロムトリクロライド(III)、1,
4,7−トリ−t−ブチル−1,4,7−トリアザシク
ロノナンクロムトリカルボニル(0)、1,3,5−ト
リチアシクロヘキサンクロムトリカルボニル(0)、
1,4,7−トリチアシクロノナンクロムトリカルボニ
ル(0)、1,3,5−トリオキサシクロヘキサンクロ
ムトリカルボニル(0)、1,4,7−トリオキサシク
ロノナンクロムトリカルボニル(0)等の環状型構造を
有する多座配位子が配位したクロム錯体が挙げられる。
【0039】さらに、ビス(ジメチルホスフィノエチ
ル)メチルホスフィンクロムトリクロライド(II
I)、ビス(ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホ
スフィンクロムトリカルボニル(0)、ビス(ジフェニ
ルホスフィノエチル)フェニルホスフィンクロムトリク
ロライド(III)、ジエチレントリアミンクロムトリ
カルボニル(0)、ビス(ジメチルアミノエチル)メチ
ルアミンクロムトリクロライド(III)、α,α’,
α”−トリピリジンクロムトリクロライド(III)、
2,6−ビス(2−フェニル−2−アザエテニル)ピリ
ジンクロムトリクロライド(III)、ビス[3−(2
−ピリジルエチルイミノ)−2−ブタノンオキシム]ク
ロムトリクロライド(III)、ビス(メトキシエチ
ル)エーテルクロムトリクロライド(III)、ビス
(エトキシエチル)エーテルクロムトリクロライド(I
II)等のブリッジ型構造を有する多座配位子が配位し
たクロム錯体が挙げられる。
【0040】これらのうち1−ヘキセン選択性や触媒活
性の面から、一般式(1)の中性の多座配位子としては
三脚型構造を有する多座配位子が好ましく用いられる。
また、Bとしてはカルボニル配位子、炭素数1〜10の
炭化水素基、ハロゲン原子、アミド基、アルコキシド基
及びチオアルコキシド基が好ましく用いられる。より好
ましくは三脚型構造を有する多座配位子が配位したクロ
ムのカルボニル錯体、三脚型構造を有する多座配位子が
配位したクロムのハロゲン錯体及び三脚型構造を有する
多座配位子が配位したクロムのアミド錯体が用いられ
る。さらに好ましくは、トリス(3,5−ジメチル−1
−ピラゾリル)メタンクロムトリカルボニル(0)、ト
リス(3,5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンクロ
ムトリクロライド(III)、トリス(3,5−ジメチ
ル−1−ピラゾリル)メタン−トリス(ジイソプロピル
アミド)クロム(III)、1,1,1−トリス(メト
キシメチル)エタンクロムトリカルボニル(0)等が用
いられる。
【0041】本発明において、上記の中性の多座配位子
が配位したクロム錯体の合成法は特に限定されるもので
はないが、例えば、中性の多座配位子とクロム化合物と
から公知の錯体形成法[例えば、J.Amer.Che
m.Soc.,92,5118(1970)及びAng
ew.Chem.Int.Ed.Engl.,33,1
877(1994)等]により容易に合成することがで
きる。この場合、使用できるクロム化合物としては特に
限定されるものではないが、例えば、クロムヘキサカル
ボニル(0)、ペンタカルボニル(トリフェニルホスフ
ィン)クロム(0)、テトラカルボニルビス(エチレ
ン)クロム(0)、トリカルボニル(ベンゼン)クロム
(0)、トリカルボニル(トルエン)クロム(0)、ト
リカルボニル(トリメチルベンゼン)クロム(0)、ト
リカルボニル(ヘキサメチルベンゼン)クロム(0)、
トリカルボニル(ナフタレン)クロム(0)、トリカル
ボニル(シクロヘプタトリエン)クロム(0)、トリカ
ルボニルトリス(アセトニトリル)クロム(0)、トリ
カルボニルトリス(トリフェニルホスファイト)クロム
(0)、(エチレン)ジカルボニル(トリメチルベンゼ
ン)クロム(0)、シクロヘキシルイソニトリルジカル
ボニル(トリメチルベンゼン)クロム(0)、トリブチ
ルホスフィンジカルボニル(トリメチルベンゼン)クロ
ム(0)、トリカルボニル(シクロペンタジエニル)ク
ロム(I)ダイマー、ヒドリドトリカルボニル(シクロ
ペンタジエニル)クロム(II)等のクロムカルボニル
化合物類、塩化クロム(III)、塩化クロム(I
I)、臭化クロム(III)、臭化クロム(II)、ヨ
ウ化クロム(III)、ヨウ化クロム(II)、フッ化
クロム(III)、フッ化クロム(II)、トリス(テ
トラヒドロフラン)クロムクロライド(III)、トリ
ス(1,4−ジオキサン)クロムクロライド(II
I)、トリス(ジエチルエーテル)クロムクロライド
(III)、トリス(ピリジン)クロムクロライド(I
II)、トリス(アセトニトリル)クロムクロライド
(III)等のクロムハロゲン化物類、トリス(テトラ
ヒドロフラン)クロムトリス(ジイソプロピルアミド)
(III)、トリス(テトラヒドロフラン)クロムトリ
ス(ジエチルアミド)(III)等のクロムアミド類、
クロム(IV)t−ブトキシド等のクロムアルコキシド
類、クロム(III)アセチルアセトナート等のクロム
ジケトナート類、クロム(III)2−エチルヘキサノ
エート、クロム(III)アセテート、クロム(II
I)ナフテネート等のクロムカルボン酸塩類が挙げられ
る。
【0042】中性の多座配位子とクロム化合物を反応さ
せ、クロム錯体を形成させる際のクロム金属の濃度は特
に制限されない。また、ここで用いられる溶媒としては
特に限定されるものではないが、有機溶媒が好ましく用
いられる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、デカリン等
の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
クメン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン
化炭化水素類が挙げられる。また、上記溶媒はそれぞれ
単独で使用し得るのみならず、二種以上を混合して用い
ることも可能である。
【0043】また、錯体形成反応の温度は、−80℃か
ら使用する反応溶媒の沸点までの任意の温度で行われ、
好ましくは20〜200℃である。反応溶媒の沸点以上
の温度で錯形成反応を行う場合には、加圧下で行うこと
もできる。反応時間は特に制限されず、通常1分〜48
時間、好ましくは5分〜24時間である。なお、反応時
のすべての操作は、空気と水分を避けて行なうことが望
ましい。また、原料及び溶媒は十分に乾燥しておくこと
が好ましい。
【0044】中性の多座配位子が配位したクロム錯体
は、通常固体として沈殿するので、ろ別により反応溶媒
から分離できる。さらに、必要に応じて、上記溶媒を用
いて洗浄を行い、次いで乾燥してエチレンの三量化触媒
の構成成分の一つであるクロム錯体が合成される。な
お、沈殿しない場合は、溶媒留去、貧溶媒の添加あるい
は冷却処理等により沈殿させることができる。
【0045】本発明においては、中性の多座配位子が配
位したクロム錯体のうち、その多座配位子がfacia
lに配位したクロム錯体を用いることが好ましい。多座
配位子がfacialに配位したクロム錯体を用いるこ
とにより、ポリエチレンの副生が抑えられる等の効果が
認められる。ここで、多座配位子がfacialに配位
した錯体とは、多座配位子により3つの配位座が占有さ
れた6配位八面体型錯体の異性体の一つである[化学選
書 有機金属化学−基礎と応用−、143頁(裳華
房)]。即ち、多座配位子により3つの配位座が占有さ
れた6配位八面体型錯体において、多座配位子が、3つ
の配位座が互いにシス位になるような配置で配位してい
ることを意味する。
【0046】本発明において使用される(b)アルキル
金属化合物は特に限定されるものではないが、例えば、
下記一般式(2) RpMXq (2) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
ネシウム、亜鉛、ボロンまたはアルミニウムを表し、R
は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれる
1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシド基、アリ
ール基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以
上を表す。)で示される化合物が好適なものとして挙げ
られる。
【0047】上記一般式(2)において、炭素数1〜1
0のアルキル基としては特に限定されるものではない
が、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、シクロヘキシル基またはオクチル基等が挙げられ
る。アルコキシド基としては特に限定されるものではな
いが、例えば、メトキシド基、エトキシド基、ブトキシ
ド基またはフェノキシド基等が挙げられる。アリール基
としては特に限定されるものではないが、例えば、フェ
ニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては特に限定
されるものではないが、例えば、フッ素、塩素、臭素ま
たはヨウ素が挙げられる。
【0048】なお、上記一般式(2)において、MがA
lで、pとqがそれぞれ1.5のとき、AlR1.51.5
となる。このような化合物は、理論的には存在しない
が、通常、慣用的にAl233のセスキ体として表現
されており、これらの化合物も本発明に含まれる。
【0049】上記一般式(2)で示されるアルキル金属
化合物としては、例えば、メチルリチウム、エチルリチ
ウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブ
チルリチウム、t−ブチルリチウム、ジエチルマグネシ
ウム、エチルブチルマグネシウム、エチルクロロマグネ
シウム、エチルブロモマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジ
エチル亜鉛、ジブチル亜鉛、トリメチルボラン、トリエ
チルボラン、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘ
キシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウ
ム、トリシクロヘキシルアルミニウム、ジメチルエチル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムヒドリド、ジイソ
ブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムエ
トキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジシク
ロヘキシルフェニルアルミニウム、エチルアルミニウム
エトキシクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジ
エチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウ
ムクロリド、ジシクロヘキシルアルミニウムクロリド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウ
ムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミ
ニウムジクロリド等が挙げられる。
【0050】これらのうち入手の容易さ及び活性の面か
ら、アルキルアルミニウム化合物が好ましく用いられ、
さらに好ましくはトリエチルアルミニウムまたはトリイ
ソブチルアルミニウムが用いられる。これらのアルキル
金属化合物は単独で使用し得るのみならず、二種以上を
混合して用いることも可能である。
【0051】アルキル金属化合物の使用量は、クロム錯
体1モルに対して0.1〜10000当量であり、好ま
しくは3〜3000当量、より好ましくは5〜2000
当量である。
【0052】本発明の(a)中性の多座配位子が配位し
たクロム錯体(以下、(a)成分と称す。)、(b)ア
ルキル金属化合物(以下、(b)成分と称す。)及び
(c)三級芳香族アミン化合物(イミンを除く)及び/
または窒素含有複素環式化合物((c)成分)からなる
エチレンの三量化触媒は、前記の(a)成分、(b)成
分及び(c)成分を原料に、溶媒中で接触させることに
より調製できる。接触方法は特に制限されない。
【0053】この触媒を調製する際のクロム錯体の濃度
は特に制限されないが、通常、溶媒1lあたり0.00
1マイクロモル〜100ミリモル、好ましくは0.01
マイクロモル〜10ミリモルの濃度で使用される。これ
より小さい触媒濃度では十分な活性が得られず、逆にこ
れより大きい触媒濃度では触媒活性が増加せず経済的で
ない。また、ここで用いられる溶媒としては、例えば、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イ
ソオクタン、ノナン、デカン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デ
カリン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族炭化
水素類及び塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、
ジクロロエタン等の塩素化炭化水素類が挙げられる。ま
た反応生成物、即ち、1−ヘキセンを溶媒として用いる
こともできる。これらの溶媒はそれぞれ単独で使用し得
るのみならず、二種以上を混合して用いることも可能で
ある。ここで、エチレンの三量化反応時のクロム錯体濃
度をコントロールする目的で、必要に応じて濃縮や希釈
しても差し支えない。
【0054】また、前記の(a)成分、(b)成分及び
(c)成分を接触させる際の温度は−100〜250
℃、好ましくは0〜200℃である。接触時間は特に制
限されず、1分〜24時間、好ましくは2分〜12時間
である。なお、接触時のすべての操作は、空気と水分を
避けて行なうことが望ましい。また、原料及び溶媒は十
分に乾燥しておくことが好ましい。
【0055】本発明のエチレンの三量化反応は、前記の
(a)成分、(b)成分及び(c)成分からなる触媒と
エチレンを接触させることにより行うことができる。接
触方法は特に制限されないが、例えば、三量化反応の原
料であるエチレンの存在下に、(a)成分、(b)成分
及び(c)成分を接触させて、接触と同時に三量化反応
を開始する方法、または(a)成分、(b)成分及び
(c)成分を前もって接触させた後、エチレンと接触さ
せて三量化反応を行う方法が採られる。
【0056】具体的には、前者の場合は、(1)(a)
成分、(b)成分、(c)成分及びエチレンをそれぞれ
同時に独立に反応系に導入する、(2)(b)成分を含
む溶液に(a)成分、(c)成分及びエチレンを導入す
る、(3)(a)成分、(c)成分を含む溶液に(b)
成分及びエチレンを導入する、(4)(b)成分及び
(c)成分を含む溶液に(a)成分及びエチレンを導入
する、(5)(a)成分を含む溶液に(b)成分、
(c)成分及びエチレンを導入する、という方法により
触媒を調製することができる。また、後者の場合は、
(1)(a)成分及び(c)成分を含む溶液に(b)成
分を導入する、(2)(b)成分及び(c)成分を含む
溶液に(a)成分を導入する、(3)(b)成分を含む
溶液に(a)成分及び(c)成分を導入する、(4)
(a)成分を含む溶液に(c)成分と(b)成分を導入
する、という方法により触媒を調製することができる。
なお、これらの原料の混合順序は特に制限されない。
【0057】本発明においては、必要に応じて(a)成
分、(b)成分及び(c)成分からなる触媒に光を照射
し、エチレンの三量化反応を行ってもよい。光の照射に
より触媒活性が大幅に向上する等の効果が認められる。
【0058】本発明において使用される光は特に限定さ
れるものではないが、例えば、紫外光、可視光、赤外光
が挙げられ、発光波長としては、1〜2000nmの光
が好ましく、より好ましくは200〜700nmの光が
用いられる。また、光の照度は特に制限されない。
【0059】光の光源としては、太陽光または人工光源
のいずれを用いても良いが、太陽光は照度が小さく、天
候に影響され、夜間の使用ができないことから、人工光
源が望ましい。人工光源としては特に限定されるもので
はないが、例えば、重水素ランプ、キセノンランプ、タ
ングステンランプ、白熱電球、ハロゲンランプ、低圧水
銀ランプ、ホロ−カソードランプ、金属蒸気放電管、メ
タルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、タリウム
ランプ、水銀−タリウムランプ、水銀−鉛ランプ、H型
放電管、キセノン−水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高
圧水銀ランプ、フラッシュランプ等が挙げられる。
【0060】光の照射時期は特に制限されるものではな
いが、前記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分か
らなる触媒に照射してもよいし、またエチレンの三量化
反応系に直接照射してもよい。なお、光の照射時間は特
に制限されない。
【0061】本発明におけるエチレンの三量化反応の温
度は、−100〜250℃であるが、好ましくは0〜2
00℃である。反応圧力は、反応系がエチレン雰囲気で
あれば特に制限されないが、絶対圧で0.01〜300
0kg/cm2であり、好ましくは0.1〜300kg
/cm2である。また、反応時間は温度や圧力に左右さ
れ、一概に決めることはできないが、5秒〜6時間であ
る。また、エチレンは、前記の圧力を保つように連続的
に供給してもよいし、反応開始時に前記圧力で封入して
反応させてもよい。原料ガスであるエチレンには、反応
に不活性なガス、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム等が
含まれていても何ら差し支えない。なお、エチレンの三
量化反応のすべての操作は、空気と水分を避けて行うこ
とが望ましい。また、エチレンは十分に乾燥しておくこ
とが好ましい。
【0062】本反応は、回分式、半回分式、連続式のい
ずれでも実施できる。エチレンの三量化反応終了後、反
応液に、例えば、水、アルコール、水酸化ナトリウム水
溶液等の失活剤を添加して反応を停止させることができ
る。失活した廃クロム触媒は、公知の脱灰処理方法、例
えば、水またはアルカリ水溶液による抽出等で除去でき
る。生成した1−ヘキセンは、公知の抽出法や蒸留法に
より反応液より分離される。また、副生するポリエチレ
ンは、反応液出口で公知の遠心分離法や1−ヘキセンの
蒸留分離の際の残渣として分離除去することができる。
【0063】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いてさらに詳細
に説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すも
ので、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0064】IR測定:IRは、島津製作所製 赤外分
光光度計(FTIR−8100)を用いて、ヌジョール
法で測定した。
【0065】ガスクロマトグラフィーによる分析:反応
液中に含まれる炭素数4〜8の生成物の定量は、GLサ
イエンス製 TC−1のカラムを装着した島津製作所製
ガスクロマトグラフ(GC−14A)を用いて分析し
た。分析条件は、窒素キャリアを用い、インジェクショ
ン温度280℃、検出器温度280℃に設定し、内部標
準としてn−ヘプタンを用いた。分析は、このガスクロ
マトグラフに反応液を1.0μl注入した後、カラムの
温度を40℃から250℃まで昇温することにより行っ
た。
【0066】また、炭素数10以上の生成物は、上記ガ
スクロマトグラフとは別途用意したGLサイエンス製
TC−1のカラムを装着した島津製作所製 ガスクロマ
トグラフ(GC−14A)を用いて分析した。分析条件
は、窒素キャリアを用い、インジェクション温度300
℃、検出器温度300℃に設定し、内部標準としてn−
ヘプタンを用いた。分析は、このガスクロマトグラフに
反応液を1.5μl注入した後、カラムの温度を50℃
から300℃まで昇温することにより行った。
【0067】気体中に含まれる生成物は、クロムパック
製 Al23/KClのカラムを装着した島津製作所製
ガスクロマトグラフ(GC−9A)を用いて分析し
た。分析条件は、窒素キャリアを用い、インジェクショ
ン温度200℃、検出器温度200℃及びカラム温度1
20℃に設定し、絶対検量線法を用いた。分析は、この
ガスクロマトグラフに回収した気体を0.2ml注入す
ることにより行った。
【0068】参考例1 シュレンク管に、J.Amer.Chem.Soc.,
92,5118(1970)に記載の方法で合成した三
脚型構造を有するトリス(3,5−ジメチル−1−ピラ
ゾリル)メタン 238mg、クロムヘキサカルボニル
176mg、メシチレン40ml及びトルエン10ml
を加え、窒素雰囲気下で1時間攪拌しながら加熱還流し
た。析出した結晶をろ別し、トリス(3,5−ジメチル
−1−ピラゾリル)メタンクロムトリカルボニル(0)
(以下、錯体Aと称する。)を得た。この錯体のIR分
析を行った結果、CO吸収に基づく2本のピークが18
96cm-1と1759cm-1に認められ、トリス(3,
5−ジメチル−1−ピラゾリル)メタンがクロムにfa
cialで配位していることを示した。
【0069】実施例1 内容積50mlのステンレス容器に、0.028mol
/lのN,N−ジメチルアニリン/トルエン溶液1.4
ml及び乾燥したトルエン40mlを入れた(以下、溶
液Bと称する。)。
【0070】温度計及び攪拌装置を備えた内容積150
mlのガラス製耐圧反応容器に、参考例1で合成した錯
体Aを1.7mg、0.24mol/lのトリイソブチ
ルアルミニウム/シクロヘキサン溶液2.0mlと乾燥
したトルエン40mlを入れ、混合撹拌した。反応容器
を80℃に加熱し、撹拌速度を1400rpmに調整
後、反応容器にエチレンを導入して、反応容器内の絶対
圧力を5kg/cm2とした。ウシオ電気製 超高圧水
銀ランプ(500W)を用い、外部から光を5分間照射
した後、上記溶液Bをエチレンで圧入した。
【0071】以後、エチレンを前記圧力を維持するよう
に導入し続け、80℃,5kg/cm2の反応条件を保
った状態で30分反応を行なった。30分後、反応容器
中に水を窒素で圧入することによって触媒を失活させて
反応を停止した。
【0072】反応容器を室温まで冷却し、次いで脱圧し
た。反応液及び回収した気体中に含まれる生成物をガス
クロマトグラフィーにより分析した。また、反応液に含
まれる固体分をろ紙を用いてろ別し、これを風乾後、減
圧下で乾燥(1Torr,100℃)してその重量を測
定し、ポリマー重量とした。結果を表1に示す。
【0073】実施例2 0.028mol/lのN,N−ジメチルアニリン/ト
ルエン溶液0.29mlを用いたこと以外、実施例1と
同様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
【0074】実施例3 0.028mol/lのN,N−ジメチルアニリン/ト
ルエン溶液2.9mlを用いたこと以外、実施例1と同
様にして反応を行なった。結果を表1に示す。
【0075】実施例4〜6 N,N−ジメチルアニリンの代わりに、表1に示す三級
芳香族アミン化合物を用いたこと以外、実施例1と同様
にして反応を行なった。結果を表1に示す。
【0076】比較例1 N,N−ジメチルアニリンを用いなかったこと以外、実
施例1と同様にして反応を行なった。結果を表2に示
す。
【0077】比較例2 N,N−ジメチルアニリンの代わりに、三級脂肪族アミ
ンであるN,N−ジメチルオクタデシルアミン 12m
gを用いたこと以外、実施例1と同様にして反応を行な
った。結果を表2に示す。
【0078】比較例3 N,N−ジメチルアニリンの代わりに、二級アミンであ
るジドデシルアミン14mgを用いたこと以外、実施例
1と同様にして反応を行なった。結果を表2に示す。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、(a)中性の多座配位
子が配位したクロム錯体、(b)アルキル金属化合物及
び(c)三級芳香族アミン化合物(イミンを除く)及び
/または窒素含有複素環式化合物の少なくとも3成分か
らなるエチレンの三量化触媒を用いるとエチレンから効
率よく、かつ高選択的に1−ヘキセンを製造することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AC42A BA01A BA01B BB00A BB00B BB01A BB01B BC01A BC01B BC05A BC05B BC06A BC06B BC09A BC09B BC13A BC13B BC15A BC15B BC16A BC16B BC17A BC17B BC19A BC19B BC24A BC24B BC27A BC27B CB64A CB64B CB64C CB65A CB65B CB65C CB74A CB74B CB74C CB75A CB75B CB75C CB77A CB77B CB77C DB04A DB04B DB05A DB05B DB05C EA01 EB02 EC01 FA02 FA06 FA07 FA10 GB01 4J100 AA02P CA01 DA02 FA08 FA09 JA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)中性の多座配位子が配位したクロム
    錯体、(b)アルキル金属化合物及び(c)三級芳香族
    アミン化合物(イミンを除く)及び/または窒素含有複
    素環式化合物の少なくとも3成分からなるエチレンの三
    量化触媒。
  2. 【請求項2】中性の多座配位子が配位したクロム錯体
    が、下記一般式(1) ACrBn (1) (式中、Aは中性の多座配位子である。nは1〜3の整
    数であり、Bは水素原子、炭素数1〜10のアルキル
    基、炭素数1〜10のカルボキシレート基、炭素数1〜
    10のジケトナート基、ハロゲン原子、アミド基、イミ
    ド基、アルコキシド基、チオアルコキシド基、カルボニ
    ル配位子、アレーン配位子、アルケン配位子、アルキン
    配位子、アミン配位子、イミン配位子、ニトリル配位
    子、イソニトリル配位子、ホスフィン配位子、ホスフィ
    ンオキシド配位子、ホスファイト配位子、エーテル配位
    子、スルホン配位子、スルホキシド配位子及びスルフィ
    ド配位子からなる群より選ばれる1種以上を表す。)で
    示される錯体であることを特徴とする請求項1に記載の
    エチレンの三量化触媒。
  3. 【請求項3】中性の多座配位子が三脚型構造を有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエチレ
    ンの三量化触媒。
  4. 【請求項4】中性の多座配位子がfacialに配位し
    たクロム錯体であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項3に記載のエチレンの三量化触媒。
  5. 【請求項5】中性の多座配位子がトリス(3,5−ジメ
    チルピラゾリル)メタンであることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4に記載のエチレンの三量化触媒。
  6. 【請求項6】上記一般式(1)におけるBが、ハロゲン
    原子、アミド基、アルコキシド基、チオアルコキシド基
    及びカルボニル配位子からなる群より選ばれる1種以上
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の
    エチレンの三量化触媒。
  7. 【請求項7】アルキル金属化合物が、下記一般式(2) RpMXq (2) (式中、pは0<p≦3であり、qは0≦q<3であっ
    て、しかもp+qは1〜3である。Mはリチウム、マグ
    ネシウム、亜鉛、ボロンまたはアルミニウムを表し、R
    は炭素数1〜10のアルキル基からなる群より選ばれる
    1種以上を表し、Xは水素原子、アルコキシド基、アリ
    ール基及びハロゲン原子からなる群より選ばれる1種以
    上を表す。)で示される化合物であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項6に記載のエチレンの三量化触媒。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の
    エチレンの三量化触媒の存在下で、エチレンを三量化す
    ることを特徴とするエチレンの三量化方法。
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