JP2000227038A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2000227038A
JP2000227038A JP11028877A JP2887799A JP2000227038A JP 2000227038 A JP2000227038 A JP 2000227038A JP 11028877 A JP11028877 A JP 11028877A JP 2887799 A JP2887799 A JP 2887799A JP 2000227038 A JP2000227038 A JP 2000227038A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前置触媒装置を備えると共に、リーン状態の
排気ガスとリッチ状態の排気ガスとをNOX 吸蔵還元触
媒装置等の主触媒装置へ流入させて主触媒装置を昇温さ
せる内燃機関の排気浄化装置において、前置触媒装置の
劣化による交換期間を延長することである。 【解決手段】 主触媒装置5の上流側に複数の前置触媒
装置81,82が並列配置され、各前置触媒装置が比較
的高温度の時において主触媒装置の温度を昇温させるた
めに、少なくとも一つの前置触媒装置を通過するリッチ
状態の排気ガスと、他の少なくとも一つの前置触媒装置
を通過するリーン状態の排気ガスとを主触媒装置へ流入
させる昇温制御を必要に応じて実施し、昇温制御が実施
される毎に、特定の前置触媒装置だけにリーン状態の排
気ガスが通過しないように、リッチ空燃比で運転させる
気筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気浄
化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料消費率を低減するために、リ
ーン混合気を燃焼させる希薄燃焼内燃機関が実用化され
ている。希薄燃焼においては、有害なNOx が比較的多
量に生成されるために、大気中へのNOx 放出量を低減
しなければならない。
【0003】このために、機関排気系にNOx 吸蔵還元
触媒装置を配置することが提案されている。NOx 吸蔵
還元触媒装置は、排気ガス中の酸素濃度が高い時にNO
x を硝酸塩の形で吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低く
なると吸収したNOx を放出すると共に、排気ガス中の
還元成分によって放出したNOx を還元浄化させるもの
である。このように、NOx 吸蔵還元触媒装置は、酸素
濃度の高い希薄燃焼の排気ガス中からNOx を良好に吸
収し、定期的なリッチ混合気燃焼運転によって、排気ガ
ス中の酸素濃度を低下させると共に排気ガス中にHC及
びCO等の還元成分を存在させ、吸収したNOx を大気
中に放出させることなく良好に浄化することができる。
【0004】ところで、内燃機関の燃料には硫黄が含ま
れており、燃焼に際してSOx が生成される。SO
x は、NOx 吸蔵還元触媒装置へNOx と同様なメカニ
ズムにより硫酸塩の形で吸収される。硫酸塩は、安定な
物質であるために、通常のリッチ混合気燃焼運転を実施
してもNOx 吸蔵還元触媒装置から放出され難く、吸蔵
量が徐々に増加する。NOx 吸蔵還元触媒装置への硝酸
塩又は硫酸塩の吸蔵可能量は有限であり、NOx 吸蔵還
元触媒装置における硫酸塩の吸蔵量が増加すれば(以
下、SOx 被毒と称する)、その分、硝酸塩の吸蔵可能
量が減少し、遂には、全くNOx を吸収することができ
なくなる。
【0005】従って、SOx 被毒されたNOx 吸蔵還元
触媒装置は回復させなければならない。硫酸塩は安定な
物質であるが、NOx 吸蔵還元触媒装置が600°C程
度の高温とされれば、排気ガスをストイキ又はリッチ状
態として酸素濃度を低下させることにより、SOx とし
て放出させることができる。それにより、特開平8−6
1052号公報には、SOx 被毒回復に際して、機関高
負荷時等のようにNO x 吸蔵還元触媒装置の温度が比較
的高い時に、六気筒内燃機関の三気筒をリッチ空燃比で
運転すると共に残りの三気筒をリーン空燃比で運転する
ことにより、リッチ状態の排気ガスとリーン状態の排気
ガスとをNOx 吸蔵還元触媒装置へ流入させ、リッチ状
態の排気ガス中のHC及びCOをリーン状態の排気ガス
中のO2により燃焼させ、NOx 吸蔵還元触媒装置の温
度をさらに昇温して600°C程度とすることが提案さ
れている。
【0006】希薄燃焼内燃機関においても、機関始動直
後から排気ガスを浄化することが必要であるために、熱
容量が小さく機関始動直後から活性化する前置触媒装置
を機関本体近傍に配置することが好ましい。前置触媒装
置は、機関始動時の空燃比がリッチ又はストイキである
ために、一般的には、酸化触媒又は三元触媒とされる。
このような酸化作用を活発化させる前置触媒装置を前述
の従来技術に適用する場合には、SOx 被毒回復に際し
て、リッチ状態の排気ガスとリーン状態の排気ガスとが
同じ前置触媒装置を通過しないようにしなければならな
い。そうしないと、前置触媒装置でHC及びCOが燃焼
してしまいNOx 吸蔵還元触媒装置を意図するように昇
温することができない。それにより、SOx 被毒回復に
際してリッチ空燃比で運転される三気筒とリーン空燃比
で運転される残り三気筒とで、少なくとも別の前置触媒
装置を設ける必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成において、機関高負荷時に三気筒をリッチ空燃
比で運転して残り三気筒をリーン空燃比で運転すると、
リーン空燃比で運転される気筒側に配置された前置触媒
装置は、比較的高温となっているところに、過剰に酸素
を含む排気ガスが通過することとなり、前置触媒装置に
使用されている白金Ptのような貴金属が酸素によって
シンダリングを起こして劣化する。こうして、SOx
毒回復毎に、リーン空燃比で運転される気筒側に配置さ
れた前置触媒装置の劣化だけ進行するために、この前置
触媒装置を早期に交換することが必要となる。
【0008】従って、本発明の目的は、前置触媒装置を
備えると共に、リーン状態の排気ガスとリッチ状態の排
気ガスとをNOX 吸蔵還元触媒装置等の主触媒装置へ流
入させて主触媒装置を昇温させる内燃機関の排気浄化装
置において、前置触媒装置の劣化による交換期間を延長
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による請求項1に
記載の内燃機関の排気浄化装置は、主触媒装置と、前記
主触媒装置の上流側に並列配置された複数の前置触媒装
置とを具備し、各前記前置触媒装置が比較的高温度の時
において前記主触媒装置の温度を昇温させるために、リ
ッチ空燃比で運転させる気筒及びリーン空燃比で運転さ
せる気筒を選定して、少なくとも一つの前記前置触媒装
置を通過するリッチ状態の排気ガスと、他の少なくとも
一つの前記前置触媒装置を通過するリーン状態の排気ガ
スとを前記主触媒装置へ流入させる昇温制御を必要に応
じて実施する内燃機関の排気浄化装置において、前記昇
温制御が実施される毎に、特定の前記前置触媒装置だけ
にリーン状態の排気ガスが通過しないように、リッチ空
燃比で運転させる気筒とリーン空燃比で運転させる気筒
とを選定することを特徴とする。
【0010】また、本発明による請求項2に記載の内燃
機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排
気浄化装置において、前記昇温制御が実施される毎に、
各前記前置触媒装置をリーン状態の排気ガスが通過する
積算時間が略等しくなるように、リッチ空燃比で運転さ
せる気筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定する
ことを特徴とする。
【0011】また、本発明による請求項3に記載の内燃
機関の排気浄化装置は、請求項1に記載の内燃機関の排
気浄化装置において、各前記前置触媒装置の劣化程度を
把握する劣化把握手段を具備し、前記昇温制御が実施さ
れる毎に、各前記前置触媒装置の劣化程度が略等しくな
るように、前記昇温制御中におけるリッチ空燃比で運転
させる気筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定す
ることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による内燃機関の
排気浄化装置が取り付けられた機関排気系を示す概略図
である。同図において、1は希薄燃焼を実施する内燃機
関本体である。本実施形態において、内燃機関は#1〜
#4の四つの気筒を有するものである。これら四つの気
筒の点火順序は、#1−#3−#4−#2である。21
〜24は各気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁
である。
【0013】機関排気系において、各気筒の排気管31
〜34は、#1気筒の排気管31と#4気筒の排気管3
4とが第1合流部41において合流し、#2気筒の排気
管32と#3気筒の排気管33とが第2合流部42にお
いて合流している。第1合流部41の下流側の排気通路
には第1前置触媒装置81が配置され、第2合流部42
の下流側の排気通路には第2前置触媒装置82が配置さ
れている。第1前置触媒装置81の下流側と第2前置触
媒装置82の下流側とが、第3合流部43において合流
し、第3合流部43の下流側にはNOx 吸蔵還元触媒装
置5が配置されている。こうして、NOx 吸蔵還元触媒
装置5の上流側には、二つの前置触媒装置81,82が
並列配置されている。
【0014】6はNOx 吸蔵還元触媒装置5へ流入する
排気ガスの空燃比状態を検出する第1空燃比センサであ
り、7はNOx 吸蔵還元触媒装置5から流出する排気ガ
スの空燃比状態を検出する第2空燃比センサである。第
1及び第2空燃比センサ6,7として、排気ガス中の酸
素濃度を検出する酸素センサが使用可能である。
【0015】20は、点火時期制御等に加えて、各燃料
噴射弁21〜24を介しての燃料噴射制御を実施して最
適な運転を実行するための制御装置であり、第1及び第
2空燃比センサ6,7が接続されると共に、例えば、機
関負荷としてのアクセルペダルの踏み込み量を検出する
アクセルペダルストロークセンサ、機関回転数を検出す
るための回転センサ、及び、機関温度として冷却水温を
検出する冷却水温センサ(いずれも図示せず)等の機関
運転状態を把握するためのセンサが接続されている。
【0016】内燃機関1における希薄燃焼において、排
気ガス中には比較的多量のNOx が含まれている。NO
x 吸蔵還元触媒装置5は、この排気ガス中からNOx
吸蔵して還元浄化するためのものであり、例えばアルミ
ナを担体とし、この担体上に例えばカリウムK、ナトリ
ウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカ
リ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカ
リ土類、ランタンLa、セリウムCe、イットリウムY
のような希土類から選択された少なくとも一つの成分
と、白金Ptのような貴金属とを担持させたものであ
る。
【0017】このようなNOx 吸蔵還元触媒装置5とし
て、白金Pt及びバリウムBaを使用した場合を例とし
て、以下にNOx を吸収するメカニズムを説明する。ま
ず、排気ガス中の酸素濃度が高いリーン状態の排気ガス
において、酸素が、O2 - の形で白金Ptの表面に付着
し、次いで、排気ガス中のNOが白金Ptの表面上でO
2 - と反応してNO2 となる。こうして生成されたNO
2 の一部は、白金Pt上で酸化されつつNOx 吸蔵還元
触媒装置内へ吸収され、酸化バリウムBaOと結合しな
がら硝酸塩BaNO4 として硝酸イオンNO3 - の形で
吸蔵される。
【0018】排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Pt
の表面でNO2 が生成され、NOx吸蔵還元触媒装置の
NOx 吸蔵能力が飽和しない限りNO2 が吸蔵される。
しかしながら、排気ガスがリッチ状態となって酸素濃度
が低下することによってNO 2 の生成量が低下すると、
逆に硝酸イオンNO3 - がNO2 の形でNOx 吸蔵還元
触媒装置から放出される。このNO2 は、リッチ状態の
排気ガス中に含まれる未燃HC及びCOと反応して還元
浄化される。
【0019】この一方で、ガソリン等の内燃機関の燃料
には硫黄Sが含まれており、内燃機関における燃焼によ
ってSOx が生成される。排気ガス中のSOx は、NO
x と同様なメカニズムによって硫酸イオンSO4 2-の形
でNOx 吸蔵還元触媒装置に吸収され、硫酸塩BaSO
4 が生成される。この硫酸塩BaSO4 は安定していて
分解し難く、排気ガスがリッチ状態となっても分解され
ずにNOx 吸蔵還元触媒装置内に残留する。こうして、
徐々に、NOx 吸蔵還元触媒装置内の硫酸塩BaSO4
が増大する。NOx 吸蔵還元触媒装置における硝酸塩B
aNO4 又は硫酸塩BaSO4 の吸蔵可能量は有限であ
り、硫酸塩BaSO4 の吸蔵によるSO x 被毒によっ
て、その分、硝酸塩BaNO4 の吸蔵可能量が減少し、
遂には、全くNOx を吸収することができなくなる。そ
れにより、NOx 吸蔵還元触媒装置からSOx 被毒を良
好に回復させなければならない。
【0020】制御装置20による最適運転実行処理は、
図2に示す第一フローチャートに従って実施される。本
フローチャートは、所定期間毎に繰り返されるものであ
る。まず、ステップ101において、詳しくは後述され
るフラグF1が1であるか否かが判断される。通常時
は、この判断は否定されてステップ102に進み、詳し
くは後述されるフラグF2が1であるか否かが判断され
る。通常時は、この判断は否定されてステップ103に
進み、詳しくは後述されるフラグF3が1であるか否か
が判断される。通常時は、この判断は否定されてステッ
プ104に進み、リーン運転実行処理が行われる。
【0021】このリーン運転実行処理は、圧縮行程での
燃料噴射によって点火プラグ近傍だけに可燃混合気を形
成して成層燃焼を実施し、全体としてリーン混合気を燃
焼を可能とするものである。もちろん、前述のセンサに
より把握される現在の機関運転状態に基づき、燃料噴射
量及び点火時期等は最適値に制御される。
【0022】こうして、通常時はリーン運転が実行さ
れ、排気ガス中にはNOx が比較的多量に含まれる。し
かしながら、排気ガスはリーン状態であり、酸素濃度が
高いために、前述したように、NOx 吸蔵還元触媒装置
5が排気ガス中のNOx を良好に吸蔵し、大気中に放出
されるNOx 量を十分に低減することができる。
【0023】フラグF1は、現在の機関運転状態が加速
時又は機関高負荷時等の高出力を必要としている場合
に、セットされるものである。それにより、ステップ1
01における判断が肯定される時には、ステップ105
に進み、ストイキ運転実行処理が行われる。このストイ
キ運転実行処理は、吸気行程での燃料噴射によって気筒
内全体に均一混合気を形成して均一燃焼を実施し、スト
イキ混合気を燃焼させるものである。もちろん、前述の
センサにより把握される現在の機関運転状態に基づき、
燃料噴射量及び点火時期等は最適値に制御される。
【0024】第1前置触媒装置81及び第2前置触媒装
置82は、比較的小型の三元触媒装置であり、機関本体
近傍に設置されていることに加えて熱容量が小さいため
に、排気ガスの熱によって機関始動直後から活性化し、
機関始動時のリッチ又はストイキ混合気の燃焼に際し
て、排気ガスを浄化することを可能とする。さらに、加
速時に又は機関高負荷時等のストイキ運転においても排
気ガスを良好に浄化することができる。
【0025】前述のリーン運転によってNOx 吸蔵還元
触媒装置5に吸蔵されたNOx 量は徐々に増加する。前
述したように、NOx 吸蔵還元触媒装置5におけるNO
x 吸蔵可能量は有限であり、吸蔵されたNOx 量がNO
x 吸蔵可能量を越える以前にNOx 吸蔵還元触媒装置5
からNOx を放出させて還元浄化する必要がある。この
時にはフラグF2がセットされてステップ106に進
み、リッチスパイク実行処理が行われる。
【0026】図3は、フラグF2をセットするための第
二フローチャートであり、これを以下に説明する。本フ
ローチャートは所定期間毎に繰り返されるものである。
まず、ステップ201において、詳しくは後述されるフ
ラグF4が1であるか否かが判断される。この判断は当
初否定されてステップ202に進み、目標NOx 吸蔵量
stはs1とされる。このs1は、例えば、NOx 吸蔵
還元触媒装置5のNO x 吸蔵可能量の70%の値であ
る。次いで、リーン運転毎にNOx 吸蔵還元触媒装置5
に吸蔵されるNOx 量が積算され、NOx 吸蔵量sが算
出される。この積算には、機関運転状態に基づき単位時
間当たりに内燃機関で生成されるNOx 量が考慮され
る。
【0027】次いで、ステップ205において、NOx
吸蔵量sが目標NOx 吸蔵量stに達したか否かが判断
され、この判断が否定される時はステップ206に進
み、フラグF2は0のまま終了する。一方、ステップ2
05における判断が肯定される時にはステップ207に
進み、フラグF2は1にセットされ、ステップ208に
おいて、NOx 吸蔵量sは0とされ終了する。
【0028】リッチスパイク実行処理は、図4に示す第
三フローチャートに従って実行される。まず、ステップ
301において、リッチスパイクを実行する。リッチス
パイクは、運転空燃比を所定のリッチ空燃比にすること
である。それにより、排気ガスがリッチ状態となって酸
素濃度が低くなるために、前述したように、NOx 吸蔵
還元触媒装置5からNOx が徐々に放出され、このNO
x は、この時の排気ガス中に含まれるHC及びCO等に
よって還元浄化される。
【0029】次いで、ステップ302においてタイマを
作動し、ステップ303において第1空燃比センサ6の
出力A1と第2空燃比センサ7の出力A2とがほぼ一致
しているか否かが判断される。この判断が否定される時
には、ステップ301におけるリッチスパイクを継続す
る。リッチスパイクによるNOx の還元が行われている
間は、NOx 吸蔵還元触媒装置5から流出する排気ガス
の空燃比状態はストイキとなるために、NOx 吸蔵還元
触媒装置5へ流入する排気ガスのリッチ空燃比状態とは
異なり、第1空燃比センサ6の出力A1と第2空燃比セ
ンサ7の出力A2とは異なっている。
【0030】これに対して、NOx 吸蔵還元触媒装置5
から全てのNOx が放出されて還元が完了すると、NO
x 吸蔵還元触媒装置5から流出する排気ガスの空燃比状
態は、NOx 吸蔵還元触媒装置5へ流入する排気ガスの
空燃比状態とほぼ等しくなり、第1空燃比センサ6の出
力A1と第2空燃比センサ7の出力A2とがほぼ一致す
るために、ステップ304に進み、リッチスパイクが中
止されると共にタイマを停止させる。本実施形態におい
て、二つの空燃比センサ6,7を設けたが、NOx 吸蔵
還元触媒装置5の下流側だけに空燃比センサを設け、こ
の空燃比センサの出力がリッチスパイクの空燃比と一致
した時にNOx 吸蔵還元触媒装置から全てのNOx が放
出されて還元が完了したとしても良い。
【0031】次いで、ステップ305において、詳しく
は後述されるフラグF4が1であるか否かが判断され、
この判断は当初否定されてステップ306に進む。ステ
ップ306では、タイマのカウント時間Tが第一所定時
間T1未満であるか否かが判断される。この第一所定時
間T1は、リッチスパイクの排気ガスの空燃比状態にお
いて、NOx 吸蔵還元触媒装置5からNOx 吸蔵可能量
の70%のNOx を放出させ還元するのに要する時間で
ある。それにより、NOx 吸蔵可能量の70%を目標N
x 吸蔵量としている現在において、NOx 吸蔵還元触
媒装置5に目標NOx 吸蔵量が貯蔵されていれば、ステ
ップ306における判断は否定されてステップ307に
進み、フラグF3は0とされる。
【0032】一方、ステップ306における判断が肯定
される時には、NOx 吸蔵還元触媒装置5にNOx 吸蔵
可能量の70%未満のNOx しか吸蔵されていないこと
になる。これは、前述の積算計算がNOx 吸蔵還元触媒
装置5に吸蔵されるはずのNOx 量を比較的正確に算出
するものであるために、SOx 被毒がNOx 吸蔵可能量
の30%を越えて進行したことを示している。SOx
毒は、リッチスパイク実行頻度に比較して緩やかに進行
するものであるために、ステップ306における判断が
肯定されると、SOx 被毒は、NOx 吸蔵可能量のほぼ
30%となる。この時には、ステップ308に進み、フ
ラグF3は1とされる。フラグF3がセットされると、
前述の第一フローチャートのステップ103における判
断が肯定されてステップ107に進み、SOx 被毒の回
復運転実行処理が行われる。
【0033】第三フローチャートにおいて、ステップ3
07又はステップ308を通過した後は、ステップ31
2においてフラグF2は0とされ、ステップ313にお
いてフラグF4は0とされ終了する。第三フローチャー
トのステップ309〜310を説明する前に、図4に示
す第四フローチャートに従って実施されるSOx 被毒の
回復運転実行処理を説明する。
【0034】まず、ステップ401において、現在、機
関運転状態に基づき推定されるか又は実測されたNOx
吸蔵還元触媒装置5の温度THが、例えば、400°C
以上であるか否かが判断される。SOx 被毒の回復に
は、前述したように、NOx 吸蔵還元触媒装置5を約6
00°C以上の温度としなければならないが、400°
Cを下回っていると、過剰な昇温が必要となるために、
機関運転状態の変化によって肯定されるまでこの判断が
繰り返される。
【0035】ステップ401における判断が肯定される
と、ステップ402において、NO x 吸蔵還元触媒装置
5の温度THが600°C以上であるか否かが判断され
る。この判断が肯定される時にはステップ404に進む
が、否定される時にはステップ403における昇温処理
によってNOx 吸蔵還元触媒装置5の温度を600°C
以上に高めた後にステップ404に進む。この昇温処理
は後に説明するとして、先にステップ404以降の処理
を説明する。ところで、SOx 被毒は、比較的緩やかで
あるために、フラグF3がセットされてからステップ4
04以降の処理が実施されるまでに、NOx 吸蔵還元触
媒装置のSOx 吸蔵量が大きく増加することはない。
【0036】ステップ404において、詳しくは後述さ
れるフラグF5が1であるか否かが判断され、この判断
が当初否定されてステップ406に進む。ステップ40
6では、目標回復運転時間tkをdtkだけ短縮させ
る。次いで、ステップ407において、排気ガスの空燃
比状態をストイキ又はリッチの所定空燃比AFtにする
回復運転が実施される。次に、ステップ408におい
て、目標回復運転時間tkだけ回復運転が実施されたか
否かが判断され、この判断が否定される時には、ステッ
プ407の処理を継続する。すなわち、排気ガスの空燃
比が所定空燃比AFtとなる運転を目標回復運転時間t
kだけ継続した後にステップ409においてフラグF4
は1にセットして終了する。排気ガスの空燃比がストイ
キ又はリッチの所定空燃比AFtとなる運転は、各気筒
における燃焼空燃比を所定空燃比AFtとして運転して
も良いが、点火時期が連続する二つの気筒における燃焼
空燃比を合わせて所定空燃比AFtとしても良い。但
し、この場合には、詳しくは後述するが、いずれの気筒
のおける燃焼空燃比もリーンとしない方が好ましい。ま
た、機関排気系に直接的に燃料を供給して、又は排気行
程での二次燃料噴射によって、排気ガスの空燃比を所定
空燃比AFtとしても良い。
【0037】こうして、SOx 被毒の回復運転が終了す
るが、この時にだけフラグF4がセットされる。それに
より、フラグF2をセットするための第二フローチャー
トにおいて、ステップ201の判断が肯定されてステッ
プ203に進み、この時に限り、目標NOx 吸蔵量st
はs2とされる。このs2は、NOx 吸蔵還元触媒装置
5のNOx 吸蔵可能量と等しくされる。それにより、S
x 被毒の回復運転後の一回に限り、ステップ205に
おいて、NOx 吸蔵可能量の100%のNOxが吸蔵さ
れたと積算されるまでフラグF2はセットされない。
【0038】フラグF2がセットされると、前述の第三
フローチャートが実施されるが、今回はフラグF4は1
であり、ステップ305における判断が肯定され、ステ
ップ309に進む。ステップ309では、タイマのカウ
ント時間Tが第二所定時間T2未満であるか否かが判断
される。この第二所定時間T2は、リッチスパイクの排
気ガスの空燃比状態において、NOx 吸蔵還元触媒装置
5からNOx 吸蔵可能量の100%のNOx を放出させ
還元するのに要する時間である。それにより、NOx
蔵可能量の100%のNOx がNOx 吸蔵還元触媒装置
に吸蔵されていれば、すなわち、回復運転によってSO
x 被毒が完全に回復していれば、ステップ309におけ
る判断は否定されてステップ310に進み、フラグF5
は0とされる。
【0039】一方、ステップ309における判断が肯定
される時には、NOx 吸蔵還元触媒装置5にNOx 吸蔵
可能量の100%のNOx が吸蔵されていないことにな
り、SOx 被毒から完全に回復していないことを示して
いる。この時には、ステップ311において、フラグF
5は1にセットされる。このように、本実施形態では、
回復運転後の回復程度の評価に、一般的な劣化検出法を
使用している。
【0040】フラグF5がセットされると、次回のSO
x 被毒の回復運転において、第四フローチャートのステ
ップ404における判断が肯定され、ステップ405に
おいて目標回復運転時間tkはdtkだけ延長され、こ
の時間だけ回復運転が実施される。
【0041】このように、NOx 吸蔵還元触媒装置5の
SOx 被毒がNOx 吸蔵可能量の30%に達した時点
で、目標回復運転時間だけ排気ガスの空燃比状態をスト
イキ又はリッチとする回復運転が実施されるが、この目
標回復運転時間は、SOx 被毒が完全に回復すれば徐々
に短縮され、回復が不十分であると徐々に延長されるよ
うになっている。また、第三フローチャートにおけるタ
イマのカウント時間TはSOx 被毒の未回復度に反比例
する値であり、このカウント時間Tが小さいほど、目標
回復運転時間tkを大幅に延長するようにしても良い。
【0042】次に、第四フローチャートのステップ40
3において実施される昇温処理を説明する。これは、図
6に示す第5フローチャートに従って実施される。先
ず、ステップ501において、現在のNOx 吸蔵還元触
媒装置5の温度THに基づき、昇温処理時間tsを決定
する。現在において温度THは400°C以上で600
°C未満であるが、この温度THが低いほど昇温処理時
間tsは長くなる。
【0043】次に、ステップ502において、第1積算
昇温処理時間ts1が第2積算昇温処理時間ts2より
大きいか否かが判断される。本実施形態における昇温処
理は、例えば、#1気筒と#4気筒とを所定リッチ空燃
比で運転し、#2気筒と#3気筒とを所定リーン空燃比
で運転することである。それにより、NOx 吸蔵還元触
媒5の上流側には前置触媒装置81,82が配置されて
いるが、第1前置触媒装置81にはリッチ状態の排気ガ
スしか通過せず、第2前置触媒装置82にはリーン状態
の排気ガスしか通過しないために、いずれの状態の排気
ガスもそのままNOx 吸蔵還元触媒装置5へ流入する。
特に、点火順序の関係からリッチ状態の排気ガスとリー
ン状態の排気ガスとは交互にNOx 吸蔵還元触媒装置5
へ流入し、排気ガスの空燃比状態がストイキとなる。そ
れにより、NOx 吸蔵還元触媒装置5上でリッチ状態の
排気ガス中のHC及びCOをリーン状態の排気ガス中の
2 によって良好に燃焼させ、NOx 吸蔵還元触媒装置
5を昇温させることができる。もちろん、リッチ空燃比
で運転する気筒群とリーン状態で運転する気筒群とを逆
にすることも可能である。
【0044】このような昇温処理は、前述したようにN
x 吸蔵還元触媒装置5が400°C以上の時に実施さ
れる。各前置触媒装置81,82は、機関本体に近接し
ていて熱容量が小さいために、昇温処理が実施される時
には、400°Cをかなり上回る温度となっている。こ
のように高温度の前置触媒装置81,82に酸素濃度の
高いリーン状態の排気ガスが通過すると、白金Ptのよ
うな貴金属が酸素によってシンダリングを起こし、前置
触媒装置81,82は劣化して浄化能力が低下する。
【0045】それにより、NOx 吸蔵還元触媒装置5の
昇温処理毎に、常に一方の前置触媒装置だけにリーン状
態の排気ガスが通過するようにすると、この前置触媒装
置の劣化程度は、早期に交換を必要とするまで増大する
ために、頻繁に車両を整備工場等へ持ち込む必要があ
る。
【0046】本実施形態では、これを防止するために、
昇温処理が実施される毎に、特定の前置触媒装置だけに
リーン状態の排気ガスが通過しないように、リッチ空燃
比で運転させる気筒とリーン空燃比で運転させる気筒と
を選定するようになっている。四気筒内燃機関におい
て、点火順序が連続しない二気筒をリッチ空燃比で運転
して残り二気筒をリーン空燃比で運転する場合には、簡
単には、昇温処理が実施される毎にリーン空燃比で運転
される気筒群を変えるようにしても良いが、第5フロー
チャートでは、二つの前置触媒装置の劣化程度を略等し
くするために、これまでの昇温処理においてリーン状態
の排気ガスが通過した積算時間が短い前置触媒装置に、
今回の昇温処理においてリーン状態の排気ガスを通過さ
せるようになっている。
【0047】具体的には、第1積算昇温処理時間ts1
とは、第1前置触媒装置81にリーン状態の排気ガスが
通過した積算時間であり、すなわち、これまでの昇温処
理において、#1気筒と#4気筒とをリーン空燃比で運
転した積算時間であり、第2積算昇温処理時間ts2と
は、第2前置触媒装置82にリーン状態の排気ガスが通
過した積算時間であり、すなわち、これまでの昇温処理
において、#2気筒と#3気筒とをリーン空燃比で運転
した積算時間である。従って、ステップ502における
判断が肯定される時には、第1前置触媒装置81にリー
ン状態の排気ガスを通過させた積算時間が長いために、
今回の昇温処理では、ステップ503において#1気筒
と#4気筒とをリッチ空燃比で運転させ、ステップ50
4において#2気筒と#3気筒とをリーン空燃比で運転
させる。次に、ステップ505において、今回の昇温処
理時間tsが経過したか否かが判断され、この判断が否
定される時には昇温のための各気筒の運転が継続され
る。一方、この判断が肯定されれば今回の昇温処理は完
了したとして昇温のための各気筒の運転は中止され、ス
テップ505に進み、第2積算昇温処理時間ts2に、
すなわち、第2前置触媒装置82にリーン状態の排気ガ
スが通過した積算時間に、今回の昇温処理時間tsが積
算されて終了する。
【0048】一方、ステップ502における判断が否定
される時、すなわち、第2前置触媒装置82にリーン状
態の排気ガスを通過させた積算時間が長い時には、今回
の昇温処理では、ステップ507において#2気筒と#
3気筒とをリッチ空燃比で運転させ、ステップ508に
おいて#1気筒と#4気筒とをリーン空燃比で運転させ
る。次に、ステップ509において、今回の昇温処理時
間tsが経過したか否かが判断され、この判断が否定さ
れる時には昇温のための各気筒の運転が継続される。一
方、この判断が肯定されれば今回の昇温処理は完了した
として昇温のための各気筒の運転は中止され、ステップ
510に進み、第1積算昇温処理時間ts1に、すなわ
ち、第1前置触媒装置81にリーン状態の排気ガスが通
過した積算時間に、今回の昇温処理時間tsが積算され
て終了する。
【0049】こうして、NOx 吸蔵還元触媒装置5の昇
温処理において、第1前置触媒装置81及び第2前置触
媒装置82における劣化程度をほぼ等しくすることがで
き、すなわち、いずれかの前置触媒装置の劣化程度が交
換を必要とするまでに増大する期間を延長することがで
き、車両を整備工場等へ持ち込む機会を減少させること
ができる。
【0050】図7に示す第六フローチャートは、第五フ
ローチャートの代わりに実施される昇温処理を示してい
る。第五フローチャートとの違いについてのみ以下に説
明する。本フローチャートでは、ステップ602におい
て、第1前置触媒装置81の劣化程度D1が第2前置触
媒装置82の劣化程度D2を上回っているか否かが判断
される。この判断が肯定される時には、第五フローチャ
ートと同様に、昇温処理時間tsが経過するまで、#1
気筒と#4気筒とをリッチ空燃比で運転させ、#2気筒
と#3気筒とをリーン空燃比で運転させる。その後、ス
テップ606において、第2前置触媒装置82の劣化程
度D2に今回の劣化度Dを積算して終了する。
【0051】一方、第1前置触媒装置81の劣化程度D
1が第2前置触媒装置82の劣化程度D2を下回ってい
る時には、第五フローチャートと同様に、昇温処理時間
tsが経過するまで、#2気筒と#3気筒とをリッチ空
燃比で運転させ、#1気筒と#4気筒とをリーン空燃比
で運転させる。その後、ステップ610において、第1
前置触媒装置81の劣化程度D1に今回の劣化度Dを積
算して終了する。
【0052】ステップ606及び610における今回の
劣化程度Dは、図8に示すマップから決定される。具体
的には、今回の昇温処理において、リーン状態の排気ガ
スを通過させる前置触媒装置の温度が、機関運転状態に
基づき推定されるか又は実測されると共に、今回の昇温
処理中に前置触媒装置を通過したリーン状態の排気ガス
量が、吸入空気量を昇温処理時間tsだけ積算すること
によって推定される。こうして、推定された前置触媒装
置温度と排気ガス量とに基づき劣化度Dを決定する。図
8に示すマップにおいては、前置触媒装置温度が高いほ
ど及び排気ガス量が多いほど、シンダリングが発生し易
いために劣化度Dが大きくなるようになっている。
【0053】こうして、NOx 吸蔵還元触媒装置5の昇
温処理において、第1前置触媒装置81及び第2前置触
媒装置82における劣化程度を、第五フローチャートに
比較してさらに正確に等しくすることができ、それによ
り、いずれかの前置触媒装置の劣化程度が交換を必要と
するまでに増大する期間をさらに確実に延長することが
でき、車両を整備工場等へ持ち込む機会をさらに確実に
減少させることができる。
【0054】第五フローチャートでは、第1前置触媒装
置81及び第2前置触媒装置82の劣化程度を、昇温処
理においてリーン状態の排気ガスが通過する毎に、各前
置触媒装置の温度及び通過する排気ガス量に基づき決定
された劣化度を積算することによって推定しているが、
もちろん、各前置触媒装置に対して上流側酸素センサと
下流側酸素センサとを配置し、昇温処理に先立ち、両酸
素センサの出力差によって各前置触媒装置のO2 ストレ
ージ能力の低下程度を検出し、これを各前置触媒装置の
劣化程度として使用しても良い。また、各前置触媒装置
の下流側だけに酸素センサを配置し、実際の空燃比の変
化に対する酸素センサの出力変化によって各前置触媒装
置のO2 ストレージ能力を検出することも可能である。
【0055】本実施形態において、昇温処理に続くSO
x 被毒回復処理は、各前置触媒装置の劣化を防止するた
めに、各前置触媒装置にはリーン状態の排気ガスが通過
しないようにしたが、もちろん、昇温処理とSOx 被毒
回復処理とを同時に実施するために、NOx 吸蔵還元触
媒装置に流入するリッチ状態の排気ガスとリーン状態の
排気ガスとを合わせて排気ガスの空燃比をストイキから
リッチ側の空燃比状態とするようにしても良い。
【0056】この場合には、昇温及びSOx 被毒回復処
理が実施されている間において、一方の前置触媒装置に
は、リーン状態の排気ガスが通過することとなる。それ
により、第五フローチャートにおいては、昇温処理の時
間に代えて、この昇温及びSOx 被毒回復処理の時間を
使用するようにすれば良い。また、第六フローチャート
においては、この昇温及びSOx 被毒回復処理の時間に
おける劣化度をマップ等から決定するようにすれば良
い。
【0057】本実施形態において、NOx 吸蔵還元触媒
装置の昇温処理は、簡単のために、四気筒内燃機関の場
合を示し、点火時期が連続しない二気筒をリッチ空燃比
で運転すると共に残り二気筒をリーン空燃比で運転する
ようにしたが、これは本発明を限定するものではない。
例えば、前述同様な構成を有する四気筒内燃機関であっ
ても、一方の前置触媒装置へ通じる二つの気筒のうちの
一方をリッチ空燃比で運転すると共に他方をストイキ空
燃比で運転し、他方の前置触媒装置へ通じる二つの気筒
のうちの一方をリーン空燃比で運転すると共に他方をス
トイキ空燃比で運転するようにしても良い。このように
しても、リッチ状態の排気ガス中のHC及びCOを前置
触媒装置で燃焼させることなくNOx 吸蔵還元触媒装置
へ流入させて燃焼させることができる。
【0058】また、四気筒を含む複数気筒の内燃機関に
一つ又は複数のNOx 吸蔵還元触媒装置を配置し、各N
x 吸蔵還元触媒装置に対して上流側に並列配置された
二つの前置触媒装置を設けることも可能であり、この場
合には、各NOx 吸蔵還元触媒に対する二つの前置触媒
装置に前述の考え方を適用すれば良い。
【0059】また、昇温させる主触媒装置は、NOx
蔵還元触媒装置に限定されるものではなく、昇温を必要
とする他の主触媒装置としても良い。また、一つの主触
媒装置に対して並列配置される前置触媒装置の数は三つ
以上とすることもできる。この場合には、昇温処理毎に
特定の前置触媒装置だけにリーン状態の排気ガスが通過
しないようにすれば良い。好ましくは、第五フローチャ
ート及び第六フローチャートのように、各前置触媒装置
にリーン状態の排気ガスが通過する積算時間又は各前置
触媒装置の劣化程度を略等しくするように、リッチ状態
で運転する気筒とリーン状態で運転する気筒とを選定す
れば良い。
【0060】
【発明の効果】このように、本発明による請求項1に記
載の内燃機関の排気浄化装置によれば、主触媒装置と、
主触媒装置の上流側に並列配置された複数の前置触媒装
置とを具備し、各前置触媒装置が比較的高温度の時にお
いて主触媒装置の温度を昇温させるために、リッチ空燃
比で運転させる気筒及びリーン空燃比で運転させる気筒
を選定して、少なくとも一つの前置触媒装置を通過する
リッチ状態の排気ガスと、他の少なくとも一つの前置触
媒装置を通過するリーン状態の排気ガスとを主触媒装置
へ流入させる昇温制御を必要に応じて実施する内燃機関
の排気浄化装置において、昇温制御が実施される毎に、
特定の前置触媒装置だけにリーン状態の排気ガスが通過
しないように、リッチ空燃比で運転させる気筒とリーン
空燃比で運転させる気筒とを選定するようになってい
る。それにより、比較的高温度の前置触媒装置にリーン
状態の排気ガスが通過することによって、前置触媒装置
はシンダリングにより劣化するが、特定の前置触媒装置
だけが劣化されることがないために、この前置触媒装置
の交換時期が延長し、車両を整備工場等へ持ち込む機会
を減少させることができる。
【0061】また、本発明による請求項2に記載の内燃
機関の排気浄化装置によれば、請求項1に記載の内燃機
関の排気浄化装置において、昇温制御が実施される毎
に、各前置触媒装置をリーン状態の排気ガスが通過する
積算時間が略等しくなるように、リッチ空燃比で運転さ
せる気筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定する
ようになっている。それにより、各前置触媒装置のシン
ダリングによる劣化程度を略等しくすることができ、こ
れは、各前置触媒装置の交換時期を確実に延長すること
を可能とし、車両を整備工場等へ持ち込む機会をさらに
減少させることができる。
【0062】また、本発明による請求項3に記載の内燃
機関の排気浄化装置によれば、請求項1に記載の内燃機
関の排気浄化装置において、各前置触媒装置の劣化程度
を把握する劣化把握手段を具備し、昇温制御が実施され
る毎に、各前置触媒装置の劣化程度が略等しくなるよう
に、昇温制御中におけるリッチ空燃比で運転させる気筒
とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定するようにな
っている。それにより、各前置触媒装置のシンダリング
による劣化程度をさらに正確に等しくすることができ、
これは、各前置触媒装置の交換時期をさらに確実に延長
することを可能とし、車両を整備工場等へ持ち込む機会
をさらに確実に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による排気浄化装置が取り付けられた内
燃機関の排気系を示す概略図である。
【図2】機関運転状態を制御するための第一フローチャ
ートである。
【図3】リッチスパイク実行処理のためのフラグF2を
セットするための第二フローチャートである。
【図4】リッチスパイク実行処理のための第三フローチ
ャートである。
【図5】回復運転実行処理のための第四フローチャート
である。
【図6】昇温処理のための第五フローチャートである。
【図7】もう一つの昇温処理のための第六フローチャー
トである。
【図8】第六フローチャートで使用される劣化度を決定
するためのマップである。
【符号の説明】
1…内燃機関 5…NOx 吸蔵還元触媒装置 6…第1空燃比センサ 7…第2空燃比センサ 81…第1前置触媒装置 82…第二前置触媒装置 20…制御装置
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/28 301 F01N 3/28 301F F02D 41/04 305 F02D 41/04 305Z Fターム(参考) 3G091 AA02 AA12 AA13 AA17 AA28 AB03 AB06 AB09 BA07 BA11 BA14 BA33 CA05 CA18 CB02 CB05 DA00 DB06 DB10 DC01 EA00 EA07 EA16 EA18 EA30 EA33 EA34 FB10 FB11 FB12 FC04 GB02W GB03W GB04W GB05W GB17X HA08 HA10 HA12 HA20 3G301 HA01 HA06 HA16 HA18 JA15 LA00 LB02 MA01 MA11 NA04 NA06 NA08 ND01 NE00 NE13 NE14 NE15 NE23 PD00Z PD01Z PD09A PD09Z PD12Z PE01Z PE05Z PE08Z PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主触媒装置と、前記主触媒装置の上流側
    に並列配置された複数の前置触媒装置とを具備し、各前
    記前置触媒装置が比較的高温度の時において前記主触媒
    装置の温度を昇温させるために、リッチ空燃比で運転さ
    せる気筒及びリーン空燃比で運転させる気筒を選定し
    て、少なくとも一つの前記前置触媒装置を通過するリッ
    チ状態の排気ガスと、他の少なくとも一つの前記前置触
    媒装置を通過するリーン状態の排気ガスとを前記主触媒
    装置へ流入させる昇温制御を必要に応じて実施する内燃
    機関の排気浄化装置において、前記昇温制御が実施され
    る毎に、特定の前記前置触媒装置だけにリーン状態の排
    気ガスが通過しないように、リッチ空燃比で運転させる
    気筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定すること
    を特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記昇温制御が実施される毎に、各前記
    前置触媒装置をリーン状態の排気ガスが通過する積算時
    間が略等しくなるように、リッチ空燃比で運転させる気
    筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定することを
    特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 各前記前置触媒装置の劣化程度を把握す
    る劣化把握手段を具備し、前記昇温制御が実施される毎
    に、各前記前置触媒装置の劣化程度が略等しくなるよう
    に、前記昇温制御中におけるリッチ空燃比で運転させる
    気筒とリーン空燃比で運転させる気筒とを選定すること
    を特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
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