JP2000223722A - Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器 - Google Patents

Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器

Info

Publication number
JP2000223722A
JP2000223722A JP11045008A JP4500899A JP2000223722A JP 2000223722 A JP2000223722 A JP 2000223722A JP 11045008 A JP11045008 A JP 11045008A JP 4500899 A JP4500899 A JP 4500899A JP 2000223722 A JP2000223722 A JP 2000223722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
type
mis
region
capacitor
conductivity type
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11045008A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Miyama
博行 深山
Yasuhiro Sakurai
保宏 桜井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Citizen Watch Co Ltd filed Critical Citizen Watch Co Ltd
Priority to JP11045008A priority Critical patent/JP2000223722A/ja
Publication of JP2000223722A publication Critical patent/JP2000223722A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 MIS型可変容量コンデンサにおいて、電圧
変化に対する容量値変化の追従性を良好にし、コンデン
サとして利用できる電圧の範囲を拡大する。 【解決手段】 N型半導体基板15上に絶縁膜23と導
電膜21を順次形成して「導電膜−絶縁膜−半導体」か
らなるコンデンサ構造とし、導電膜21を端子19に接
続する。N型半導体基板15上に導電膜21で覆われる
被覆領域15aに接するように、不純物濃度の高い高濃
度P型領域13を設け、さらに、半導体側の電極を引き
出すための高濃度N型領域11を設けて高濃度P型領域
13と接続し、端子17を設ける。端子17,19間に
印加する電圧Viによって容量値が速やかに変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体基板上に
形成するMIS型可変容量コンデンサおよびそれを用い
た温度補償型発振器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MIS型可変容量コンデンサは、印加す
る直流電圧に応じてその容量が変化するので、従来から
電圧制御型発振器の発振周波数の制御に用いられてい
る。また、MOS型集積回路と構造が類似していること
から、MOS型集積回路への集積が極めて容易であり、
MOS型集積回路を形成する半導体基板上に設ける容量
素子としても用いられている。
【0003】さらに、MIS型可変容量コンデンサは、
半導体のPN接合における空乏層容量の電圧依存性を利
用した可変容量ダイオード(バリキャップ)と比較する
と、低い電圧における狭い電圧範囲内で大きな容量変化
が得られるので、低電圧でも発振周波数の調整幅を広く
とることができる利点がある。
【0004】ここで、従来のMIS型可変容量コンデン
サの一例を図12によって簡単に説明する。このMIS
型可変容量コンデンサは、N型の半導体基板91上に絶
縁膜89と導電膜87とを順次重ねて形成するととも
に、半導体基板91の絶縁膜89で被覆される被覆領域
91aに接するように、半導体基板91よりも不純物濃
度の高い高濃度N型領域83を設けている。
【0005】このMIS型可変容量コンデンサは、導電
膜87から導電膜側電極の端子85を、高濃度N型領域
83から半導体側電極の端子81をそれぞれ引き出し、
導電膜−絶縁膜−半導体からなる可変容量コンデンサを
構成している。この端子81と端子85の間に印加する
電圧Viによって、このMIS型可変容量コンデンサの
容量値が変化する。
【0006】例えば図14に示すように、端子81,8
5間に印加する電圧Viを電圧値Va(端子81に対し
て端子85側が負電圧)から電圧値Vb(端子81に対
して端子85側が正電圧)へと上昇させていくと(途中
の電圧値Vcでマイナスからプラスに変化している)、
図12に示したMIS型可変容量コンデンサの容量値が
曲線80で示すように増加していく。図14において、
横軸は端子81,85間に印加する電圧Viの電圧値、
縦軸は容量値を示している。この容量値の変化は、図1
2に示した半導体基板91の被覆領域91aにおける次
のような作用によってもたらされる。
【0007】まず、電圧値が低いVaの状態では、図1
2に示すように、被覆領域91aの表面付近に少数キャ
リアである正孔が誘起されることによって反転層92が
形成され、その下側に空乏層94が形成される。この状
態から電圧値を上昇させていくと、それに応じて空乏層
94の厚さが次第に減少していく。その反転層92は導
電性を有するが、空乏層94は絶縁層となる。
【0008】この場合、被覆領域91aに絶縁性の空乏
層94が存在することになるため、MIS型可変容量コ
ンデンサは、導電膜87と反転層92とによって絶縁膜
89を挟んで構成されるコンデンサと、反転層92と半
導体基板91の空乏層94の下側の部分とによって空乏
層94を挟んで構成されるコンデンサとを直列に接続し
た状態になる。したがって、その容量値は各コンデンサ
の直列合成容量値となる。
【0009】そして、印加電圧Viの増加に伴って空乏
層94の厚みが減少すると、その空乏層94を挟んで構
成されるコンデンサの容量が増加するため、MIS型可
変容量コンデンサの容量も図14に示したように増加す
ることになる。
【0010】ところが、印可電圧Viがさらに上昇して
図14に示す電圧値Vbに達すると、図13に示すよう
に空乏層94が消滅し、被覆領域91aの表面部分に電
子が誘起された蓄積層95が形成される。この蓄積層9
5は導電性を有するので、絶縁性の空乏層94が消滅し
てしまえば、MIS型可変容量コンデンサの容量値は、
膜厚が変化しない絶縁膜89を挟んで構成されるコンデ
ンサの容量値と等しくなるため、Vb以上の電圧では一
定の容量値になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、MIS型
可変容量コンデンサは、印加する電圧値がある範囲内で
は、電圧の変化に対して容量が変化する性質を有する
が、電圧の変化に対する容量変化の追従性が悪く、端子
81,85間に印加する電圧を図14における電圧値V
bから電圧値Vaへ減少させる方向に瞬間的に変化させ
ると、容量値の変化がこれに追従できず、電圧が変化し
た後、ゆっくり容量値が変化するという欠点があった。
【0012】これは、印加電圧を減少させていく、被覆
領域91aの表面付近に正孔が誘起されて反転層92が
形成されることになるが、正孔はN型の半導体基板91
内では少数キャリアであるためにその供給が緩慢であ
り、少数キャリア濃度が熱平衡状態に達するまでに時間
を要するためであると考えられる。また、少数キャリア
濃度が熱平衡状態に達するまでの間は、空乏層92の厚
さが変化するため、MIS型可変容量コンデンサの容量
も変化する。
【0013】したがって、このような従来のMIS型可
変容量コンデンサを、電圧制御型発振器における発振回
路の周波数制御に使用すると、制御電圧の変化に容量値
の変化が追従しないため、制御電圧の変化に対して発振
周波数の変化が遅れてしまうことになり、電圧制御型発
振器の周波数追従性に重大な障害となるという問題があ
った。
【0014】また、このようなMIS型可変容量コンデ
ンサは、反転層92が形成された後に空乏層94が生じ
て容量値が大きく減少するので、これを増幅器の位相補
償用などの通常のコンデンサとして使用すると、反転層
が形成される低い電圧の範囲ではコンデンサとしての作
用が弱まり、必要とする容量が得られなくなるので、使
用可能な電圧の範囲が所定値以上の範囲に制限されると
いう問題もある。
【0015】この発明は、MIS型可変容量コンデンサ
におけるこれらの問題を解決するためになされたもので
あり、印加される電圧の変化に対する容量変化の追従性
をよくすることを第1の目的とする。また、反転層が形
成される電圧の範囲内での容量値の落ち込みを少なく
し、コンデンサとして有効に利用できる電圧の範囲を拡
大することを第2の目的とする。 さらに、温度変化に
対する発振周波数の補償制御を応答性よく行うことがで
きる温度補償型発振器を提供することを第3の目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は上記第1及び
第2の目的を達成するため、第1導電型の半導体と、該
第1導電型の半導体上に形成した絶縁膜と、該絶縁膜上
に形成した導電膜とで構成する導電膜−絶縁膜−半導体
からなるコンデンサ構造を有し、第1導電型の半導体
に、導電膜で覆われる被覆領域に接するように第2導電
型の領域を設けたMIS型可変容量コンデンサを提供す
る。
【0017】このMIS型可変容量コンデンサは、第1
導電型の半導体に少数キャリアを供給するための第2導
電型の領域を設けたため、印加電圧を高い状態から急に
低下させた時にも少数キャリアが迅速に供給され、反転
層と空乏層が形成されて速やかに熱平衡状態に達する。
したがって、電圧変化に対する容量変化の追従性が大幅
に向上し、上記第1の目的を達成できる。また、上記M
IS型可変容量コンデンサにおいて、第1導電型の半導
体と第2導電型の領域とを予め相互に電気的に接続して
おけば、すぐに使用できる。
【0018】さらに、このMIS型可変容量コンデンサ
の場合は、印加電圧が低く反転層が充分に形成された状
態では、この反転層が反対の導電型の導電性のある領域
となり、第2導電型の領域が、導電膜と反転層によって
絶縁膜を挟んで構成されるコンデンサの反転層側の電極
引出部の役目をなす。その容量値は、印加電圧が充分高
く空乏層が消滅したときの状態と同様であり、絶縁膜を
挟んで構成されるコンデンサの容量値と等しく、一定値
となる。
【0019】したがって、印加電圧が低い範囲でもコン
デンサとしての一定の容量値が得られるから、従来のM
IS型可変容量コンデンサに比べて、コンデンサとして
有効に利用できる電圧範囲が広くなり、上記第2の目的
も達成できる。
【0020】このMIS型可変容量コンデンサは、第1
導電型の半導体をN型半導体基板とし、第2導電型の領
域をP型領域とすることができる。あるいは、第1導電
型の半導体をP型半導体基板とし、第2導電型の領域を
N型領域とすることもできる。さらに、第1導電型の半
導体に、前記第2導電型の領域に接することなく該半導
体よりも不純物濃度が高い第1導電型の領域を設けれ
ば、その第1導電型の領域を半導体側の電極引出部とす
ることができるので便利である。
【0021】この発明はまた、第1導電型の半導体に設
けた第2導電型の領域と、該第2導電型の領域上に形成
した絶縁膜と、該絶縁膜上に形成した導電膜とで構成す
る導電膜−絶縁膜−半導体からなるコンデンサ構造を有
し、第2導電型の領域内に、該領域よりも不純物濃度が
高い第2導電型の領域を設けるとともに、導電膜で覆わ
れる被覆領域に接するように第1導電型の領域を設けた
MIS型可変容量素子を、複数個並列に接続してMIS
型可変容量コンデンサを構成する。
【0022】そして、上記複数個のMIS型可変容量素
子のうち、1個または複数個のMIS型可変容量素子の
導電膜を、他のMIS型可変容量素子の第2導電型の領
域内にそれぞれ設けた第2導電型の領域および第1導電
型の領域に接続するとともに、上記1個または複数個の
MIS型可変容量素子の第2導電型の領域内にそれぞれ
設けた第2導電型の領域および第1導電型の領域を、上
記他のMIS型可変容量素子の導電膜にそれぞれ接続す
る。
【0023】このように構成したMIS型可変容量コン
デンサは、複数のMIS型可変容量素子が互いに逆極性
の電圧が印加されるように並列接続されるので、その一
方と他方のMIS型可変容量素子の電圧変化に対する容
量変化特性が対称的になり、それらの合成容量が低下す
る電圧の範囲および低下量が更に小さくなる。したがっ
て、上記第2の目的を一層効果的に達成することができ
る。
【0024】さらに、上記と同様なMIS型可変容量素
子を複数個並列に接続してMIS型可変容量素子群と
し、そのMIS型可変容量素子群を複数群形成してMI
S型可変容量コンデンサを構成するようにしてもよい。
【0025】その場合には、上記複数群のMIS型可変
容量素子群のうち、1群または複数群のMIS型可変容
量素子群を構成する各MIS型可変容量素子の導電膜
を、他のMIS型可変容量素子群を構成する各MIS型
可変容量素子の第2導電型の領域内にそれぞれ設けた第
2導電型の領域および第1導電型の領域に接続するとと
もに、上記1群または複数群のMIS型可変容量素子群
を構成する各MIS型可変容量素子の第2導電型の領域
内にそれぞれ設けた第2導電型の領域および第1導電型
の領域を、上記他のMIS型可変容量素子群を構成する
各MIS型可変容量素子の導電膜にそれぞれ接続する。
【0026】MIS型可変容量コンデンサをこのように
構成すれば、互いに逆の極性の電圧が印加されるように
並列接続されるMIS型可変容量素子の数が多くなるの
で、MIS型可変容量コンデンサとしての合成容量が低
下する電圧の範囲およびその低下量が一層小さくなり、
上記第2の目的をさらに効果的に達成することができ
る。
【0027】この発明はさらに、前述した第3の目的を
達成するため、発振回路と、該発振回路の温度を検出す
る温度検出回路と、該回路による検出温度に応じた信号
を入力して制御電圧を発生する制御電圧発生回路と、該
回路からの制御電圧に応じて容量が変化する電圧可変型
可変容量コンデンサを有し、上記発振回路による発振周
波数を制御する周波数調整回路とを備えた温度補償型発
振器において、その周波数調整回路の電圧可変型可変容
量コンデンサを、前述したこの発明によるMIS型可変
容量コンデンサとする。
【0028】すなわち、上記電圧可変型可変容量コンデ
ンサを、第1導電型の半導体と、該第1導電型の半導体
上に形成した絶縁膜と、該絶縁膜上に形成した導電膜と
で構成する導電膜−絶縁膜−半導体からなるコンデンサ
構造を有し、その第1導電型の半導体に、上記導電膜で
覆われる被覆領域に接するように第2導電型の領域を設
けたものとする。
【0029】この温度補償型発振器によれば、発振回路
の温度が変化してその温度特性によって発振周波数が変
化すると、温度検出回路がその温度変化を検知してその
検知温度に応じた信号を制御電圧発生回路へ入力させ、
制御電圧発生回路がその信号に応じて制御電圧を発生
し、それを周波数調整回路の電圧可変型可変容量コンデ
ンサに印加する。それによって、該コンデンサの容量が
制御電圧に迅速に応答して変化し、発振回路の発振周波
数を温度変化による周波数変化を補償するように速やか
に制御する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を用いて説明する。はじめに、この発明によるMIS
型可変容量コンデンサの第1の実施形態について説明す
る。
【0031】[第1の実施形態]図1は、この発明によ
るMIS型可変容量コンデンサの第1の実施形態の構成
を示す模式的な断面図である。但し、図示の都合上半導
体基板にはハッチングを施していない。他の断面図にお
いても同様である。このMIS型可変容量コンデンサ
は、第1導電型の半導体であるN型半導体基板15の上
面に、絶縁膜23と導電膜21とを順次重ねて形成した
「導電膜−絶縁膜−半導体」からなるコンデンサ構造を
有している。
【0032】そして、N型半導体基板15の導電膜21
で覆われる被覆領域15aの一方の端部付近に、そのN
型半導体基板15よりも不純物濃度が高い高濃度N型領
域11(図1にN+ で示す)を設けるとともに、被覆領
域15aの他方の端部に接するように、第2導電型であ
るP型で不純物濃度が高い高濃度P型領域13(図1に
P+ で示す)を設けている。
【0033】このMIS型可変容量コンデンサは、図2
に示すように、導電膜21から導電膜側電極の端子19
を、高濃度N型領域11から半導体側電極をそれぞれ引
き出し、さらに、高濃度N型領域11(N型半導体基板
15側に設けた電極であればよい)と高濃度P型領域1
3とを相互に電気的に接続する。
【0034】次に、図2〜図4および図8を用いて、こ
の第1の実施形態のMIS型可変容量コンデンサの動作
および作用について説明する。このMIS型可変容量コ
ンデンサの半導体側電極の端子17と導電膜側電極の端
子19との間に、図2に示すように電圧Viを印加し、
その電圧Viを図8に示す電圧値V1(端子17に対し
て端子19側が負電圧)から電圧値V4(端子17に対
して端子19側が正電圧)へと上昇させた場合、このM
IS型可変容量コンデンサの端子17,19間の容量値
は、例えば図8に曲線20で示すように変化する。
【0035】すなわち、このMIS型可変容量コンデン
サの容量は、印加電圧Viが電圧値がV2になるまで一
定値を示した後に急激に減少し、電圧値がV3になった
ところで極小値を示した後、電圧値がV4になるまでの
間に急激に立ち上がるほぼV字状の特性曲線を示し、電
圧値がV4以上になると、一定の容量値を示す。なお、
図8において、横軸は端子17,19間の印加電圧の電
圧値、縦軸は端子17,19間の容量値を示す。この実
施形態のMIS型可変容量コンデンサにおけるこのよう
な容量値の変化は、半導体基板15の被覆領域15aに
おける次のような作用によってもたらされる。
【0036】印加電圧Viが低い負の電圧値V1の状態
の場合、図2に示すように被覆領域15aの表面付近
に、少数キャリアである正孔が多数誘起されて多数キャ
リアである電子よりも相対的に多くなり、P型半導体の
ようになっている。このため、表面付近には、N型半導
体基板15と導電型が反対の反転層24が形成され、そ
の下側に空乏層25が形成される。
【0037】そして、印加電圧Viが電圧値V2より低
い状態では、反転層24に存在する正孔の濃度が高いた
め、反転層24が導電性のある電極と等価なものとな
る。そのため、導電膜21とこの反転層24によって絶
縁膜23を挟んでコンデンサを構成し、高濃度P型領域
13が、そのコンデンサの反転層側の電極引出部の役目
をなすので、このMIS型可変容量コンデンサは、電圧
可変型可変容量コンデンサとなり、その容量値は、上記
絶縁膜23を挟むコンデンサの容量値と等しく、図8に
示すように一定値となる。このとき、空乏層25が形成
されているが、反転層24と高濃度P型領域13及び高
濃度N型領域11とが導通状態になっているため、その
空乏層25を挟むコンデンサは構成されない。
【0038】次に、印加電圧Viが図8に示す電圧値V
2より上昇すると、次第に導電膜21側に電子が引き寄
せられ、それと同時に正孔が追い出されるようになるた
め、反転層24における正孔の濃度が相対的に減少す
る。すると、反転層24が導電性のある電極と等価とな
ものとして作用する状態から脱して、次第にこの反転層
24と半導体基板15とによって空乏層25を挟んでコ
ンデンサが形成されるようになる。
【0039】このとき、絶縁膜23を挟んで構成される
コンデンサをCa とし、空乏層25を挟んで構成される
コンデンサをCb とすると、このMIS型可変容量コン
デンサは、図4に示すようにコンデンサCa とコンデン
サCb を直列に接続した等価回路で表せるようになる。
したがって、このMIS型可変容量コンデンサの容量値
は、コンデンサCa とコンデンサCb の直列合成容量値
になるため、コンデンサCb の影響により、急峻に減少
することになる。
【0040】そして、その容量値は、印加電圧Viが図
8に示す電圧値V3になったときに極小値をとり、さら
に端子19側が正の電圧で増加していくと、容量値が急
激に増加していく。この過程の作用は、次の通りであ
る。コンデンサCb は、空乏層25を挟んで構成される
コンデンサに相当するが、この空乏層25の厚みが印加
電圧Viを上昇させてゆく過程で次第に減少していくた
め、電圧に対する可変容量コンデンサとなる。これは、
コンデンサCb の容量値が空乏層25の厚みの逆数に比
例するため、電圧値の上昇に対応して空乏層25の厚み
が減少すると、それに応じて容量が増加することによる
ものである。
【0041】このとき、MIS型可変容量コンデンサ
は、コンデンサCa とコンデンサCbを直列に接続した
コンデンサと等価なものとして機能するため、コンデン
サCbの容量値が増加することにともなって、その直列
合成容量値も増加するので、電圧の上昇とともにMIS
型可変容量コンデンサの容量値が増加することになる。
【0042】ところが、印加電圧Viが図8に示す電圧
値V4に達すると、空乏層25自体が消滅するため、コ
ンデンサCb の影響がなくなってしまう。それととも
に、図3に示すように、正電圧が印加されている導電膜
21側に半導体基板15内の多数の電子が引き寄せられ
ることによって、被覆領域15aの表面付近に蓄積層2
7が形成される。この蓄積層27が導電性を有する電極
と等価になり、高濃度N型領域11と導通状態になる。
したがって、印加電圧Viが電圧値V4以上の状態で
は、このMIS型可変容量コンデンサの容量値は、導電
膜21と蓄積層27とによって絶縁膜23を挟んで構成
されるコンデンサCaの容量値と等しく、一定の値とな
る。
【0043】このMIS型可変容量コンデンサは、端子
17,19間に印加される電圧Viの変化に対して容量
値が上述のように変化するが、印加電圧Viをゆっくり
変化させた場合はもとより、急速に変化させた場合で
も、その変化に追従して迅速に容量値が変化する。
【0044】従来のMIS型可変容量コンデンサの場合
は、印加電圧を急激に減少させると、この電圧の急激な
変化に少数キャリアである正孔の供給が追従できず、容
量の変化が電圧の変化に追従し得ないという欠点があっ
た。
【0045】しかし、この発明のMIS型可変容量コン
デンサの場合は、被覆領域15aに接するように高濃度
P型領域13を設けているため、正孔の供給が高濃度P
型領域13から速やかになされる。したがって、印加電
圧に応じた数の正孔が瞬時に供給され、反転層24にお
ける正孔の濃度は、ごく短時間の間に熱平衡状態に到達
し、空乏層25の厚さも速やかに一定値に達する。これ
により、この発明によるMIS型可変容量コンデンサの
容量値は、印加電圧Viの急激な変化にも遅れることな
く追従して変化する。この動作は、印加電圧Viを電圧
値V4から、それより低いいかなる電圧値へ瞬間的に変
化させた場合も全く同様である。
【0046】また、従来のMIS型可変容量コンデンサ
場合は、反転層が形成される電圧印加状態では空乏層の
存在によって容量値の低下を余儀なくされていたが、こ
の実施形態のMIS型可変容量コンデンサの場合は、高
濃度P型領域13と高濃度N型領域11とを接続して半
導体側電極の端子17に接続しているため、反転層24
が導電性のある電極と等価なものとして作用する状態に
なると、空乏層を挟むコンデンサが構成されなくなり、
その存在による容量値の低下を避けられる。従って、容
量値が一定値を示す電圧の範囲がそれだけ拡大すること
になる。
【0047】なお、この第1の実施形態のMIS型可変
容量コンデンサには、N型の半導体基板15の被覆領域
15aの一端に高濃度N型領域11を設け、これを半導
体側電極の引出部とすることによって抵抗を少なくして
いるが、この高濃度N型領域11は、高濃度P型領域1
3に接しないようにすれば、半導体基板15のどこに設
けてもよく、半導体側電極の引出部として都合のよい位
置に設ければよい。また、半導体基板15の裏面などに
面積の広い金属膜を形成して半導体側電極とするような
場合には、この高濃度N型領域11を省略することがで
きる。
【0048】また、コンデンサを構成する半導体をP型
の半導体基板にして、半導体側電極の引出部とする領域
を高濃度P型領域にし、少数キャリアを供給するための
領域を高濃度N型領域にしてもよい。少数キャリアを供
給するための領域は、コンデンサを構成する半導体とは
逆の導電型であって、不純物濃度が高い方が望ましい
が、高濃度領域であることは必須ではなく、反転層が形
成されるときにコンデンサを構成する半導体の少数キャ
リアを充分に供給できればよい。
【0049】[第2の実施形態]次に、この発明による
MIS型可変容量コンデンサの第2の実施形態につい
て、図5,図6,および図9によって説明する。図5は
そのMIS型可変容量コンデンサの構成を示す模式的な
断面図である。
【0050】このMIS型可変容量コンデンサは、図5
に示すように、第1導電型の半導体であるN型半導体基
板15に第2導電型の領域であるP型領域(Pウエル)
37,38を間隔を置いて設け、そのP型領域37,3
8のそれぞれに、前述した第1の実施形態のMIS型可
変容量コンデンサとは各半導体領域の導電型が逆になっ
ている2個のMIS型可変容量素子57、59を形成
し、そのMIS型可変容量素子57,59の極性を互い
に逆転させて並列に接続した構造になっている。
【0051】一方のMIS型可変容量素子57は、第2
導電型であるP型領域37の上面に絶縁膜55と導電膜
53を順次形成して、「導電膜−絶縁膜−半導体」から
なるコンデンサ構造を有している。そして、P型領域3
7の導電膜53で覆われる被覆領域37aの一端部に接
するように、不純物濃度が高い第1導電型の高濃度N型
領域39を設けて少数キャリアの供給部とし、被覆領域
38aの他端部側に、P型領域37より不純物濃度が高
い第2導電型の高濃度P型領域31を設けて、半導体側
電極の引出部としている。
【0052】他方のMIS型可変容量素子59は、第2
導電型であるP型領域38の上面に絶縁膜56と導電膜
54を順次形成して、「導電膜−絶縁膜−半導体」から
なるコンデンサ構造を有している。そして、P型領域3
8の導電膜54で覆われる被覆領域38aの一端部に接
するように、不純物濃度が高い第1導電型の高濃度N型
領域41を設けて少数キャリアの供給部とし、被覆領域
37aの他端部側に、P型領域38より不純物濃度が高
い第2導電型の高濃度P型領域49を設けて、半導体側
電極の引出部としている。
【0053】そして、このMIS型可変容量素子57と
59とは、次のようにして極性を互いに逆転させて並列
に接続する。すなわち、MIS型可変容量素子57の導
電膜53を、MIS型可変容量素子59のP型領域37
内にそれぞれ設けた高濃度N型領域41および高濃度P
型領域49に配線51aによって接続するとともに、そ
の配線51aを端子51に接続する。
【0054】また、MIS型可変容量素子57のP型領
域37内にそれぞれ設けた高濃度N型領域39および高
濃度P型領域31を、MIS型可変容量素子59の導電
膜54に配線58aによって接続するとともに、その配
線58aを端子58に接続する。
【0055】この実施形態におけるMIS型可変容量コ
ンデンサは、第1の実施形態におけるMIS型可変容量
コンデンサと同等の作用効果を有するMIS型可変容量
素子57と、MIS型可変容量素子59とを互いに極性
を逆転させて並列に接続して構成されている。そのた
め、図6に示すように、端子51と端子58の間に電圧
Viを印加したとき、MIS型可変容量素子57と59
の導電膜53,54側と半導体(P型領域37,38)
側の各電極に加わる電圧の極性が互いに逆になる。
【0056】そして、各MIS型可変容量素子57,5
9とも、空乏層が形成されたときに、絶縁膜55又は5
6を挟んで構成されるコンデンサと、空乏層を挟んで構
成されるコンデンサを直列に接続したものと等価にな
る。そこで、MIS型可変容量素子57,59の絶縁膜
55、56を挟んで構成される各コンデンサをそれぞれ
Ca1,Ca2とし、P型領域37,38の表面付近に形成
される反転層の下側に形成される空乏層を挟んで構成さ
れるコンデンサをCb1,Cb2とすると、このMIS型可
変容量コンデンサは、図7に示す等価回路を構成するコ
ンデンサと等価となる。
【0057】そして、図9を参照してこのMIS型可変
容量コンデンサの端子51と端子58の間に電圧Viを
印加したときの作用を説明する。
【0058】印加電圧Viが図9に示す電圧値V1(端
子51に対しては負電圧で、端子58に対しては正電
圧)のときは、図6に示すように、MIS型可変容量素
子57のP型領域37における被覆領域37aの表面付
近には、多数キャリアである正孔が誘起されることによ
って蓄積層33が形成され、MIS型可変容量素子59
のP型領域38における被覆領域38aの表面付近に
は、少数キャリアである電子が誘起されることによって
反転層43と空乏層47が形成される。
【0059】これに対して、印加電圧Viが図9に示す
電圧値V4(端子51に対しては正電圧で、端子58に
対しては負電圧)のときは、MIS型可変容量素子57
の状態は、印加電圧Viが電圧値V1のときのMIS型
可変容量素子59の状態と同じになり、一方、MIS型
可変容量素子59の状態は、印加電圧Viが電圧値V1
のときのMIS型可変容量コンデンサ57の状態と同じ
になる。
【0060】したがって、図9に示すように、印加電圧
Viを電圧値V1から電圧値V4まで変化させると、M
IS型可変容量素子57の容量値は2点鎖線の曲線71
で示すように変化し、MIS型可変容量素子59の容量
値は破線の曲線73で示すように変化する。そして、両
曲線71と72は電圧値V1とV4の中間値を通る直線
74に対して対称な形となる。
【0061】このMIS型可変容量コンデンサは、図7
に示すように、MIS型可変容量素子57とMIS型可
変容量素子59を並列に接続したものであるから、その
容量値は並列合成容量値、すなわち各MIS型可変容量
素子57と59の容量値を加算した値となる。
【0062】したがって、この実施形態のMIS型可変
容量コンデンサの容量値は、図9に実線の曲線75で示
すように変化し、一定の容量値が大きくなるばかりか、
容量値が低下する電圧の範囲が狭くなり、且つその低下
量も少なくなる。これにより、増幅器の位相補償等の通
常のコンデンサとして使用する場合に、より好ましいコ
ンデンサとなる。
【0063】このMIS型可変容量コンデンサによって
も、印加電圧Viに応じて容量値が変化する電圧範囲に
おいては、その応答性が極めて良好なことは、第1の実
施形態の場合と同様である。
【0064】上述の例では、一対のMIS型可変容量素
子を極性を反対にして並列に接続してMIS型可変容量
コンデンサを構成したが、MIS型可変容量コンデンサ
を構成するMIS型可変容量素子の数は複数であれば何
個でもよい。その複数のMIS型可変容量素子を、1個
又は複数個ずつの2グループに分けて(両グループのM
IS型可変容量素子の数は同じでなくてもよい)、その
グループを構成するMIS型可変容量素子間でそれぞれ
図5に示したように接続してもよい。
【0065】[第3の実施形態]次に、この発明による
MIS型可変容量コンデンサの第3の実施形態について
図10によって説明する。図10は、そのMIS型可変
容量コンデンサの構成を示す模式的な断面図である。
【0066】このMIS型可変容量コンデンサは、図1
0に示すように、第1導電型の半導体であるN型半導体
基板15に、第1のMIS型可変容量素子群62と第2
のMIS型可変容量素子群65とを形成している。
【0067】第1のMIS型可変容量素子群62は、2
つのMIS型可変容量素子571と572を並列に接続
した構成を有し、第2のMIS型可変容量素子群65
は、2つのMIS型可変容量素子591と592とを並
列に接続した構成を有している。なお、MIS型可変容
量素子571と572は、図5,図6に示したMIS型
可変容量素子57と同一の構造であり、MIS型可変容
量素子591と592は、同じくMIS型可変容量素子
59と同一の構造である。
【0068】すなわち、N型の半導体基板15に形成し
た4個のP型領域371,372,381,382上
に、それぞれ絶縁膜551,552,561,562
と、導電膜531,532,541,542を重ねて形
成して「導電膜−絶縁膜−半導体」のコンデンサ構造を
形成している。
【0069】そして、図10に示すように、第1のMI
S型可変容量素子群62を構成する2個のMIS型可変
容量素子571と572の各導電膜531と532は、
配線61aによって互いに接続するとともに端子61に
接続しており、且つ第2のMIS型可変容量素子群65
を構成するMIS型可変容量素子591と592の各高
濃度P型領域491,492および高濃度N型領域41
1,412に接続されている。
【0070】また、MIS型可変容量素子571と57
2の各高濃度P型領域391,392および高濃度N型
領域311,312は、互いに接続されて、MIS型可
変容量素子591,592の各導電膜541と542に
配線68aによって接続されている。なお、配線68a
は、端子68に接続されている。
【0071】この接続によって、第1のMIS型可変容
量素子群62の各MIS型可変容量素子571,572
と、第2のMIS型可変容量素子群65の各MIS型可
変容量素子591,592とは、互いに極性を逆にして
並列に接続されたことになる。そして、端子61と68
の間に電圧を印加して使用すると次のようになる。
【0072】この場合、第1のMIS型可変容量素子群
62は、第2の実施形態のMIS型可変容量素子57と
同一の構造を備えた2つのMIS型可変容量素子571
と572とを並列に接続した構成を有するため、MIS
型可変容量素子57を2つ並列に接続したものと等価と
なり、容量値は2倍になるが、その印加電圧に対する容
量値の変化はMIS型可変容量素子57と同じ特性を示
す。
【0073】また、第2のMIS型可変容量素子群65
は、第2の実施形態のMIS型可変容量素子59と同一
の構造を備えた2つのMIS型可変容量素子591と5
92とを並列に接続した構成を有するから、MIS型可
変容量素子59を2つ並列に接続したものと等価とな
り、容量値は2倍になるが、その印加電圧に対する容量
値の変化はMIS型可変容量素子59と同じ特性を示
す。したがって、この第2の実施形態のMIS型可変容
量コンデンサは、第2の実施形態におけるMIS型可変
容量コンデンサと容量値が2倍になるだけで同じ特性を
示す。
【0074】なお、この実施形態においても、各MIS
型可変容量素子群を構成するMIS型可変容量素子の数
は2個以上であればよく、MIS型可変容量素子群の数
も複数であればよい。その複数のMIS型可変容量素子
を、1群又は複数群ずつの2グループに分けて(両グル
ープのMIS型可変容量素子群の数は同じでなくてもよ
い)、そのグループを構成するMIS型可変容量素子群
の間でそれぞれ図10に示したように接続すればよい。
【0075】また、上述した第2及び第3の実施形態に
おいては、コンデンサを構成する半導体領域を、N型の
半導体基板に形成したP型領域にしたが、P型の半導体
基板に形成したN型領域にしてもよい。さらに、上述の
各実施形態では、半導体の第1の導電型をN型とし、第
2の導電型をP型として説明したが、逆に第1の導電型
をP型とし、第2の導電型をN型としてもよい。
【0076】[温度補償型発振器]次に、この発明によ
る温度補償型発振器の実施形態について図11によって
説明する。図11はその温度補償型発振器の構成を示す
ブロック回路図である。この温度補償型発振器は、温度
検出回路101と、制御電圧発生回路103と、周波数
調整回路107と、発振回路111と、抵抗119,1
21とから構成されている。
【0077】発振回路111は、水晶振動子113とイ
ンバーター117および帰還抵抗115によって構成さ
れている水晶発振回路である。周波数調整回路107
は、2個の電圧可変型可変容量コンデンサ105,10
9からなり、そのコンデンサ105,109を発振回路
111の水晶振動子113の両端とアース間にそれぞれ
接続している。この電圧可変型可変容量コンデンサ10
5,109は、図1,図2によって説明したようなこの
発明によるMIS型可変容量コンデンサである。
【0078】すなわち、この電圧可変型可変容量コンデ
ンサ105,109は、第1導電型の半導体上に絶縁膜
と導電膜とを順次重ねて形成した「導電膜−絶縁膜−半
導体」からなるコンデンサ構造を有し、その第1導電型
の半導体に、その導電膜で覆われる被覆領域に接するよ
うに第2導電型の領域を設けたものである。
【0079】温度検出回路101は、発振回路111の
温度を検出してその検出温度に応じた信号を出力する。
制御電圧発生回路103は、温度検出回路101からの
信号を入力して制御電圧を発生し、抵抗119,121
を介して、周波数調整回路107の各電圧可変型可変容
量コンデンサ105,109にその制御電圧を印加し
て、その各容量値を制御する。
【0080】なお、抵抗素子119,121は、制御電
圧発生回路103の浮遊容量が、周波数調整回路107
を構成する電圧可変型可変容量コンデンサ105,10
9へ容量的な影響を及ぼすのを遮断するために設けたも
のである。
【0081】この温度補償型発振器によれば、発振回路
111の温度が変化して水晶振動子113等の温度特性
によって発振周波数が変化すると、温度検出回路101
がその温度変化を検知してその検知温度に応じた信号を
制御電圧発生回路103へ入力し、制御電圧発生回路1
03がその入力信号に応じて制御電圧を発生し、それを
抵抗119,121を介して周波数調整回路107の電
圧可変型可変容量コンデンサ105,109に印加す
る。それによって、該コンデンサ105,109の容量
が制御電圧に迅速に応答して変化し、温度変化による周
波数変化を補償するように発振回路111の発振周波数
を速やかに制御する。
【0082】こうして発振回路111は、周囲温度の変
化にかかわらず常に一定の周波数で発振することがで
き、応答性のよい温度補償がなされることになる。な
お、発振回路は水晶発振回路に限るものではない。
【0083】
【発明の効果】以上のように、この発明におけるMIS
型可変容量コンデンサは、第1導電型の半導体基板上に
少数キャリアの供給源となる第二導電型の領域を形成し
たことによって、少数キャリアの供給が加速ないし補強
されるので、反転層の形成が早まり、電圧変化に対する
容量変化の追従性を大幅に改善することができる。
【0084】また、第2導電型の領域を第1導電型の半
導体基板に相互に電気的に接続していることによって空
乏層の存在による容量の落ち込みを防ぎ、容量値が一定
となる範囲を拡大することができる。このため、この発
明におけるMIS型可変容量コンデンサは、増幅器の位
相補償用等の通常の固定容量のコンデンサとしても使用
しやすくなる。
【0085】そして、電圧可変型可変容量コンデンサと
して、この発明によるMIS型可変容量コンデンサを備
えた周波数調整回路を有する温度補償型発振器は、温度
変化に応じた制御電圧の変化に対してコンデンサの容量
がすばやく追従して変化し、発振回路の発振周波数を制
御するため、温度変化にかかわらず常に一定の周波数で
発振することができ、応答性のよい温度補償がなされ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるMIS型可変容量コンデンサの
第1の実施形態の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの印
加電圧が低い場合の動作を説明するための模式的な断面
図である。
【図3】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの印
加電圧が高い場合の動作を説明するための模式的な断面
図である。
【図4】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの等
価回路図である。
【図5】この発明によるMIS型可変容量コンデンサの
第2の実施形態の構成を示す模式的な断面図である。
【図6】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの動
作を説明するための模式的な断面図である。
【図7】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの等
価回路図である。
【図8】この発明の第1の実施形態のMIS型可変容量
コンデンサの印加電圧と容量値との関係を示す線図であ
る。
【図9】この発明の第2の実施形態のMIS型可変容量
コンデンサの印加電圧と容量値との関係を示す線図であ
る。
【図10】この発明によるMIS型可変容量コンデンサ
の第3の実施形態の構成を示す模式的な断面図である。
【図11】この発明による温度補償型発振器の一実施形
態の構成を示すブロック回路図である。
【図12】従来のMIS型可変容量コンデンサの構成を
示す模式的な断面図である。
【図13】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの
動作を説明するための模式的な断面図である。
【図14】同じく、そのMIS型可変容量コンデンサの
印加電圧と容量値との関係を示す線図である。
【符号の説明】
11,39,41,391,392,411,412:
高濃度N型領域 13,31,49,311,312,491,492:
高濃度P型領域 15:N型半導体基板 21,53,54,531,532,541,542:
導電膜 23,55,56,551,552,561,562:
絶縁膜 15a,37a,38a:被覆領域 17,19,51,58,61,68:端子 37,38,371.372,381,382:P型領
域 57,59,571,572,591,592:MIS
型可変容量素子 62,65:MIS型可変容量素子群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F038 AC03 AC05 BH16 DF01 DF14 EZ20 5J079 AA04 BA02 BA47 CB01 DA14 FA05 FA15 FA17 FA21 FB03 GA04 GA09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体と、該第1導電型の
    半導体上に形成した絶縁膜と、該絶縁膜上に形成した導
    電膜とで構成する導電膜−絶縁膜−半導体からなるコン
    デンサ構造を有し、 前記第1導電型の半導体に、前記導電膜で覆われる被覆
    領域に接するように第2導電型の領域を設けたことを特
    徴とするMIS型可変容量コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記第1導電型の半導体と前記第2導電
    型の領域とを相互に電気的に接続している請求項1に記
    載のMIS型可変容量コンデンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のMIS型可変容
    量コンデンサにおいて、前記第1導電型の半導体がN型
    半導体基板であり、前記第2導電型の領域がP型領域で
    あるMIS型可変容量コンデンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載のMIS型可変容
    量コンデンサにおいて、前記第1導電型の半導体がP型
    半導体基板であり、前記第2導電型の領域がN型領域で
    あるMIS型可変容量コンデンサ。
  5. 【請求項5】 前記第1導電型の半導体に、前記第2導
    電型の領域に接することなく該半導体よりも不純物濃度
    が高い第1導電型の領域を設けた請求項1乃至4のいず
    れか一項に記載のMIS型可変容量コンデンサ。
  6. 【請求項6】 第1導電型の半導体に設けた第2導電型
    の領域と、該第2導電型の領域上に形成した絶縁膜と、
    該絶縁膜上に形成した導電膜とで構成する導電膜−絶縁
    膜−半導体からなるコンデンサ構造を有し、前記第2導
    電型の領域内に、該領域よりも不純物濃度が高い第2導
    電型の領域を設けるとともに、前記導電膜で覆われる被
    覆領域に接するように第1導電型の領域を設けたMIS
    型可変容量素子を、複数個並列に接続してなるMIS型
    可変容量コンデンサであって、 前記複数個のMIS型可変容量素子のうち、1個または
    複数個のMIS型可変容量素子の前記導電膜を、他のM
    IS型可変容量素子の前記第2導電型の領域内にそれぞ
    れ設けた前記第2導電型の領域および第1導電型の領域
    に接続するとともに、 前記1個または複数個のMIS型可変容量素子の前記第
    2導電型の領域内にそれぞれ設けた前記第2導電型の領
    域および第1導電型の領域を、前記他のMIS型可変容
    量素子の前記導電膜にそれぞれ接続してなることを特徴
    とするMIS型可変容量コンデンサ。
  7. 【請求項7】 第1導電型の半導体に設けた第2導電型
    の領域と、該第2導電型の領域上に形成した絶縁膜と、
    該絶縁膜上に形成した導電膜とで構成する導電膜−絶縁
    膜−半導体からなるコンデンサ構造を有し、前記第2導
    電型の領域内に、該領域よりも不純物濃度が高い第2導
    電型の領域を設けるとともに、前記導電膜で覆われる被
    覆領域に接するように第1導電型の領域を設けたMIS
    型可変容量素子を複数個並列に接続してなるMIS型可
    変容量素子群を複数群形成したMIS型可変容量コンデ
    ンサであって、 前記複数群のMIS型可変容量素子群のうち、1群また
    は複数群のMIS型可変容量素子群を構成する各MIS
    型可変容量素子の前記導電膜を、他のMIS型可変容量
    素子群を構成する各MIS型可変容量素子の前記第2導
    電型の領域内にそれぞれ設けた前記第2導電型の領域お
    よび第1導電型の領域に接続するとともに、 前記1群または複数群のMIS型可変容量素子群を構成
    する各MIS型可変容量素子の前記第2導電型の領域内
    にそれぞれ設けた前記第2導電型の領域および第1導電
    型の領域を、前記他のMIS型可変容量素子群を構成す
    る各MIS型可変容量素子の前記導電膜にそれぞれ接続
    してなることを特徴とするMIS型可変容量コンデン
    サ。
  8. 【請求項8】 発振回路と、該発振回路の温度を検出す
    る温度検出回路と、該回路による検出温度に応じた信号
    を入力して制御電圧を発生する制御電圧発生回路と、該
    回路からの制御電圧に応じて容量が変化する電圧可変型
    可変容量コンデンサを有し、前記発振回路による発振周
    波数を制御する周波数調整回路とを備えた温度補償型発
    振器であって、 前記周波数調整回路の電圧可変型可変容量コンデンサ
    が、 第1導電型の半導体と、該第1導電型の半導体上に形成
    した絶縁膜と、該絶縁膜上に形成した導電膜とで構成す
    る導電膜−絶縁膜−半導体からなるコンデンサ構造を有
    し、前記第1導電型の半導体に、前記導電膜で覆われる
    被覆領域に接するように第2導電型の領域を設けてなる
    MIS型可変容量コンデンサであることを特徴とする温
    度補償型発振器。
  9. 【請求項9】 前記MIS型可変容量コンデンサの前記
    第1導電型の半導体と前記第2導電型の領域とを相互に
    電気的に接続している請求項8に記載の温度補償型発振
    器。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の温度補償型発
    振器において、前記MIS型可変容量コンデンサの前記
    第1導電型の半導体がN型半導体基板であり、前記第2
    導電型の領域がP型領域である温度補償型発振器。
  11. 【請求項11】 請求項8又は9に記載の温度補償型発
    振器において、前記MIS型可変容量コンデンサの前記
    第1導電型の半導体がP型半導体基板であり、前記第2
    導電型の領域がN型領域である温度補償型発振器。
  12. 【請求項12】 前記MIS型可変容量コンデンサの前
    記第1導電型の半導体に、前記第2導電型の領域に接す
    ることなく該半導体よりも不純物濃度が高い第1導電型
    の領域を設けたことを特徴とする請求項8乃至11のい
    ずれか一項に記載の温度補償型発振器。
JP11045008A 1998-02-25 1999-02-23 Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器 Pending JP2000223722A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11045008A JP2000223722A (ja) 1998-02-25 1999-02-23 Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-43141 1998-02-05
JP4314198 1998-02-25
JP33519298 1998-11-26
JP10-335192 1998-11-26
JP11045008A JP2000223722A (ja) 1998-02-25 1999-02-23 Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000223722A true JP2000223722A (ja) 2000-08-11

Family

ID=27291449

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11045008A Pending JP2000223722A (ja) 1998-02-25 1999-02-23 Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000223722A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000323729A (ja) * 1999-05-10 2000-11-24 Citizen Watch Co Ltd 可変容量回路
JP2005340791A (ja) * 2004-04-28 2005-12-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd Mos容量素子及び半導体装置
KR20120121914A (ko) * 2010-02-12 2012-11-06 어드밴스드 마이크로 디바이시즈, 인코포레이티드 연속적인 웰 디커플링 커패시터를 위한 시스템 및 방법
US8558238B2 (en) 2006-06-01 2013-10-15 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000323729A (ja) * 1999-05-10 2000-11-24 Citizen Watch Co Ltd 可変容量回路
JP2005340791A (ja) * 2004-04-28 2005-12-08 Semiconductor Energy Lab Co Ltd Mos容量素子及び半導体装置
US8558238B2 (en) 2006-06-01 2013-10-15 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device
US8791461B2 (en) 2006-06-01 2014-07-29 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device
KR20120121914A (ko) * 2010-02-12 2012-11-06 어드밴스드 마이크로 디바이시즈, 인코포레이티드 연속적인 웰 디커플링 커패시터를 위한 시스템 및 방법
JP2013520016A (ja) * 2010-02-12 2013-05-30 アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド 連続ウェルデカップリングコンデンサのためのシステムおよび方法
KR101697720B1 (ko) * 2010-02-12 2017-01-18 어드밴스드 마이크로 디바이시즈, 인코포레이티드 연속적인 웰 디커플링 커패시터를 위한 시스템 및 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8854791B2 (en) Voltage controlled variable capacitor and voltage controlled oscillator
US8106723B2 (en) Resonant circuit, oscillation circuit, filter circuit, and electronic device
JPS62280653A (ja) 水晶発振器の周波数温度補償回路
JPS6124824B2 (ja)
US6239662B1 (en) Mis variable capacitor and temperature-compensated oscillator using the same
US20010000414A1 (en) MIS variable capacitor and temperature-compensated oscillator using the same
CN100431151C (zh) 集成电路电容器
CN101290935A (zh) 半导体器件
JP4233634B2 (ja) 温度補償型水晶発振器
JP2000223722A (ja) Mis型可変容量コンデンサおよびそれを用いた温度補償型発振器
KR100954021B1 (ko) 압전발진기
US4097829A (en) Thermoelectric compensation for voltage control devices
JPH1051238A (ja) 電圧制御発振器
WO2021205695A1 (ja) 可変容量素子及びそれを備えた発振器
JP2000252480A (ja) Mos型キャパシタ及び半導体集積回路装置
JP3742197B2 (ja) 可変容量回路およびこの回路を用いた水晶発振回路
JP3501664B2 (ja) 半導体装置
US20090096548A1 (en) Tuning and compensation technique for semiconductor bulk resonators
JPH0318345B2 (ja)
JPH11298246A (ja) 温度補償型発振器
JP2002057526A (ja) 電圧制御水晶発振器
JP2001267497A (ja) 可変容量素子
JP2005033329A (ja) 温度補償型圧電発振器
JPH1197932A (ja) 水晶発振器
JPS60170964A (ja) 容量素子