JP2000220794A - 高圧容器 - Google Patents

高圧容器

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JP2000220794A
JP2000220794A JP2549199A JP2549199A JP2000220794A JP 2000220794 A JP2000220794 A JP 2000220794A JP 2549199 A JP2549199 A JP 2549199A JP 2549199 A JP2549199 A JP 2549199A JP 2000220794 A JP2000220794 A JP 2000220794A
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gas barrier
container
layer
barrier resin
polyethylene naphthalate
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Naoki Fukazawa
直樹 深澤
Kichiji Maruhashi
吉次 丸橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経時による内圧減少が抑制されたポリエチレ
ンナフタレート系の高圧容器、特に炭酸ガス等のガスの
樹脂への吸着が抑制された高圧容器、特にエアゾール容
器を提供するにある。 【解決手段】 熱可塑性樹脂で一体に形成された首部、
肩部、胴部及び閉塞底部を有する高圧容器であって、前
記容器壁は少なくともポリエチレンナフタレートを主体
とする層と、ガスバリアー性樹脂層とを備え、少なくと
も1個のガスバリアー性樹脂層は器壁の中心よりも内面
側に偏って配置されていることを特徴とする高圧容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、経時による内圧減
少が抑制された樹脂製高圧容器に関するものであり、よ
り詳細には炭酸ガス吸着などによる圧力減少が抑制され
た高圧容器、特にエアゾール容器に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルから成る延伸ブロ
ーボトルは、透明性、耐衝撃性、フレーバー保持性等に
優れており、各種飲料、調味料等の包装容器として広く
使用されている。また、ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートは、ガスバリアー性に優れ、耐熱性、透明性、強
度にも優れた素材として、包装の分野においても着目さ
れている。
【0003】ポリエチレン−2,6−ナフタレートか
ら、中空容器を製造することについても既に提案があ
り、特開昭52−45466号公報には、極限粘度0.
4以上の芳香族ポリエステルを素材とする中空容器にお
いて、該素材はポリエチレン−2,6−ナフタレートで
あって、しかも該容器の胴部及び/または底部は、式 N=n・λ/d ただし、式中 n:偏光顕微鏡で観察される複屈折による干渉縞の数、 λ:nの測定に使用された光源の波長、 d:測定に供せられた試料の厚み、 で定義されるN値が0.01以上であることを特徴とす
る中空容器が記載されている。
【0004】また、特開平2−233341号公報に
は、ポリエチレンナフタレート樹脂からなり、ボトル胴
部の中央部周上の複数箇所におけるX線干渉強度分布曲
線において、少なくとも80%以上の確率でβ角度0゜
±20’及びβ角度90゜±20’の両方の範囲におい
て極大値が認めれることを特徴とするポリエチレンナフ
タレート樹脂製延伸ボトルが記載されている。
【0005】更に、特開平4−142275号公報に
は、容器本体と噴射装置を取り付けた栓体とからなるエ
アゾール容器において、少なくとも容器本体がポリエチ
レンナフタレート樹脂からなることを特徴とするエアゾ
ール容器が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性プラスチック
から形成されたエアゾール容器は、軽量であり、また透
視により内容物の充填量を確認できるなどの利点を有す
るが、未だ耐熱性、耐圧性に問題があり、特に比較的短
期間の経時により内圧減少が生じやすいという問題を有
している。
【0007】ポリエチレンナフタレート(PEN)製の
容器は、他のポリエステル、例えばポリエチレンテレフ
タレートなどに比べると、耐圧性やガスバリアー性に優
れているとしても、金属製高圧容器の内圧減少が実質上
ゼロであるのに対して、無視できないオーダーで圧力減
少を生じる。
【0008】エアゾール容器の分野では、環境に優しい
噴射剤(プロペラント)として、炭酸ガスが着目されて
いるが、後述する例に示すとおり、炭酸ガスを充填した
PEN製の高圧容器では、2ヶ月後の内圧減少が5%以
上、半年後の内圧減少が10%以上にも達するものであ
り、その改善が求められている。
【0009】この内圧減少の原因としては、器壁を通し
ての直接のガス透過も考えられるが、本発明者らの研究
によると、むしろ内圧減少には、樹脂へのガス吸着の段
階とその後の樹脂からのガス透過の段階とがあると認め
られる。
【0010】従って、本発明の目的は、経時による内圧
減少が抑制されたポリエチレンナフタレート系の高圧容
器、特に炭酸ガス等のガスの樹脂への吸着が抑制された
高圧容器、特にエアゾール容器を提供するにある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、熱可
塑性樹脂で一体に形成された首部、肩部、胴部及び閉塞
底部を有する高圧容器であって、前記容器壁は少なくと
もポリエチレンナフタレートを主体とする層と、ガスバ
リアー性樹脂層とを備え、少なくとも1個のガスバリア
ー性樹脂層は器壁の中心よりも内面側に偏って配置され
ていることを特徴とする高圧容器が提供される。この高
圧容器は、熱可塑性樹脂の射出成形や圧縮成形でも製造
できるが、一般には延伸ブロー成形で形成されているこ
とが好ましい。
【0012】
【発明の実施形態】[作用]本発明では、高圧容器を、
少なくともポリエチレンナフタレートを主体とする層
と、ガスバリアー性樹脂層とを備えた器壁から構成する
と共に、射出成形或いは圧縮成形や延伸ブロー成形によ
り、首部、肩部、胴部及び閉塞底部が一体になった容器
に成形する。
【0013】本発明において、容器をポリエチレンナフ
タレートから成る層で形成するのは、上記エチレンナフ
タレート系ポリエステルは引張弾性率が23000kg
/cm以上と他のポリエステルに比して大きく、耐
圧性に優れていること、及び気体の透過性も他のポリエ
ステルに比して小さく、プロペラントの保存性に優れて
いることが、上記材料を使用する主な理由である。ま
た、夏期において、駐車している自動車の室内では温度
が80℃に達する場合があり、このような高温下では、
殆どのプラスチックエアゾール容器は変形して、使用に
耐えないことが確認されているが、エチレンナフタレー
ト系ポリエステルは、一般に融点(Tm)が250乃至
270℃及びガラス転移点(Tg)が110乃至120
℃の範囲にあって、耐熱性に優れていることが、上記材
料を使用する他の理由である。
【0014】ところが、ポリエチレンナフタレートは、
ポリエステルの中ではガスバリアー性に優れているとは
いえ、炭酸ガスを充填した場合には、経時により内圧の
著しい減少を生じる。
【0015】添付図面の図1は、ポリエチレンナフタレ
ート容器内に炭酸ガスを充填し、気温24℃及び湿度5
0%RHの条件で保存した場合における保存期間と内圧
減少率との関係を示している。この図1によると、内圧
減少の過程には、保存から2ヶ月までに認められる樹脂
へのガス吸着の段階と、その後の樹脂からのガス透過の
段階とが認められ、ガス吸着に伴う内圧減少速度はガス
透過に伴う内圧減少速度よりも大きくなっていることが
認められる。
【0016】また、ポリエチレンナフタレート単体から
成る容器(比較例1)では、2ヶ月経過後の内圧減少率
が約6%及び6ヶ月経過後の内圧減少率が約10%にも
達するのに対して、ポリエチレンナフタレートに対して
ガスバリアー性樹脂を器壁の中心よりも内側に偏らせて
配置した容器(実施例1)では、ガス吸着に伴う内圧減
少速度もガス透過に伴う内圧減少速度も半分以下の小さ
な値に抑制されていることがわかる。更に、ガスバリア
ー性樹脂層を配置するが、このガスバリアー性樹脂を器
壁の中心よりも外側に偏らせて配置した容器(比較例
2)では、ガス吸着に伴う内圧減少速度もガス透過に伴
う内圧減少速度も、実施例1の値に比べてかなり大き
く、ガスバリアー性樹脂を器壁の中心よりも内側に偏ら
せて配置することが重要であるという事実が明らかとな
る。更にまた、本発明による容器では、保存2ヶ月後か
らのガス透過による内圧減少速度が極めて低いレベルに
抑制されているという事実も着目されるべきである。
【0017】[エチレンナフタレート系ポリエステル]
本発明の容器は、ポリエチレンナフタレートを主体とす
る層を備えている。このポリエステルは90モル%以上
のエチレンナフタレート単位を含有するポリエステルか
ら成ることが好ましい。エチレンナフタレート単位とし
ては、エチレン−2,6−ナフタレートが好適である
が、それ以外のエチレンナフタレート単位を含有してい
ても差し支えない。ホモポリエチレン−2,6−ナフタ
レートが耐圧性、耐熱性の点で好適であるが、エチレン
−2,6−ナフタレート単位以外のエステル単位の少量
を含む共重合ポリエステルも使用し得る。エチレンナフ
タレート系ポリエステルは、ガラス転移点(Tg)が1
10乃至120℃で、融点(Tm)が250乃至270
℃にあることが好適である。
【0018】2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の二
塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セ
バチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;
の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリ
コール以外のジオール成分としては、プロピレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコー
ル、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0019】これらのポリエステルは、単独でも或いは
その本質を損なわない範囲で小量のナイロン類、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、或いは変性オレフィン系
樹脂等の他の樹脂とのブレンド物の形でも使用し得る。
【0020】容器の成形に用いるエチレンナフタレート
系ポリエステルは、後に述べる方法で求めた固有粘度
(IV)が0.5以上、特に0.55乃至0.75の範
囲にあるものが、エアゾール容器に要求される諸性能の
点で好適である。また、ジエチレングリコール成分(D
EG)の含有量が2.5重量%以下、特に2.0乃至
0.5重量%のものが好適である。
【0021】容器形成用のポリエステルには、それ自体
公知の任意の配合剤を配合することができ、例えば、光
安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を配合で
きる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤
等が挙げられ、例えば、1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ド
デシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチ
ル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート、テトラ(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカル
ボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシ
レートなどがあげられる。ヒンダードアミンを配合する
と、エチレンナフタレート系ポリエステルの蛍光発色を
抑制する効果があり、高圧容器の透明性向上の点で望ま
しい。ヒンダードアミンは、ポリエステル100重量部
当たり1乃至5重量部の量で配合するのが望ましい。同
様に、ポリマー鎖に紫外線吸収機能を持たせた三菱化学
(株)製”NOVAPEX”も有効である。また、フタ
ロシアニンブルー、キフタロンイェロー、群青、モノア
ゾイェロー、アントラキノン、コバルトブルー等の着色
剤も有効である。更に、チヌビン(TINUVIN)1
577などのトリアジン系配合剤を配合することもでき
る。
【0022】酸化防止剤としては、分子量400以上の
酸化防止剤が好適であり、これに限定されるものではな
いが、高分子フェノール系酸化防止剤、例えば、テトラ
キス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン
(分子量1177.7)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン(分子量544.8)、1,3,5−トリメチルー
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775.2)、ビ
ス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−t−
ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエス
テル(分子量794.4)、1,3,5−トリス(3’
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−
s−トリアジン 2,4,6−(1H,3H,5H)ト
リオン(分子量783.0)、トリエチレングリコール
−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート](分子量586.
8)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3、5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート(分子量638.9)等を用いることができる。
中でも特に、テトラキス[メチレン−3(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)メタンが好適である。分子量400以上の酸化
防止剤の他の例として、トコフェロール系酸化防止剤、
例えばα−型、β−型、γ−型、δ−型等のトコフェロ
ールを挙げることができる。α−トコフェロールが特に
好適である。これらの酸化防止剤を配合すると、エアゾ
ール容器の成形時或いはその後の経時よるポリエステル
の物性低下を抑制できるので、好ましい。酸化防止剤
は、前記ポリエステル100重量部当たり0.01乃至
1.5重量部の量で用いる。
【0023】[ガスバリアー性樹脂]中間層用ガスバリ
ヤー性樹脂としては、公知の任意のもの、例えばエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン
樹脂(Ny)、ガスバリアー性ポリエステル樹脂(BP
R)などを用いることができる。
【0024】本発明の一態様においては、中間層用ガス
バリヤー性樹脂層としては、ビニルアルコール含有量が
40乃至85モル%、特に50乃至80モル%のエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体を用いる。即ち、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体は、ガスバリヤー性に最
も優れた樹脂の一つであり、そのガスバリヤー性や熱成
形性はビニルアルコール単位含有量に依存する。ビニル
アルコール含有量が40モル%よりも小さい場合には、
上記範囲内にある場合に比して、炭酸ガスなどに対する
透過度が大きく、炭酸ガス吸着を防止するという本発明
の目的には適さず、一方この含有量が85モル%を超え
ると、水蒸気に対する透過性が大きくなるとともに、溶
融成形性が低下するのでやはり本発明の目的に適さな
い。
【0025】エチレン−ビニルアルコール共重合体は、
エチレンと酢酸ビニル等のビニルエステルとの共重合体
を、そのケン化度が96%以上、特に99%以上となる
ようにケン化することにより得られるが、この共重合体
は、上記成分以外に、酸素や炭酸ガス等へのガスバリヤ
ー性を損なわない範囲内で、例えば、3モル%までの範
囲内で、プロピレン、ブチレン−1、イソブチレン等の
炭素数3以上のオレフィンを共単量体成分として含有し
ていてもよい。
【0026】エチレン−ビニルアルコール共重合体の分
子量は、フィルムを形成し得るに足る分子量であれば特
に制限はないが、一般には、フェノール85重量%と水
15重量%との混合溶媒中、30℃の温度で測定して、
固有粘度(I.V.)が0.07乃至0.17dl/gの範囲にある
のがよい。
【0027】本発明の別の態様においては、ナイロン樹
脂、例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/
ナイロン6,6共重合体、キシリレン基含有ポリアミド
をガスバリヤー性樹脂として使用する。ナイロン樹脂を
構成するω−アミノカルボン酸成分としては、ε−カプ
ロラクタム、アミノヘプタン酸、アミノオクタン酸等が
挙げられ、ジアミン成分としては、ヘキサメチレンジア
ミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジンのような脂環
族ジアミン、m−キシリレンジアミン及び/又はp−キ
シリレンジアミンなどが挙げられ、二塩基酸成分として
は、脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸、セバシン
酸、スベリン酸等、芳香族ジカルボン酸、例えばテレフ
タル酸、イソフタル酸等が挙げられる。特にバリアー性
に優れたものとして、ジアミン成分の35モル%以上、
特に50モル%以上がm−キシリレン及び/又はp−キ
シリレンジアミンであり、二塩基酸成分が脂肪族ジカル
ボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸であり、所望によ
り全アミド反復単位当たり25モル%以下、特に20モ
ル%以下のω−アミノカルボン酸単位を含むポリアミド
が挙げられる。
【0028】用いるキシリレン基含有ポリアミドは、9
6重量%硫酸を使用し、1g/100mlの濃度及び25
℃の温度で測定して0.4 乃至4.5 の相対粘度(ηrel )
を有することが望ましい。
【0029】本発明の更に別の態様では、ガスバリヤー
性ポリエステルを用いる。このガスバリヤー性ポリエス
テルの1種(以下、BPRと記すこともある。)は、重
合体鎖中に、テレフタル酸成分(T)とイソフタル酸成
分(I)とを、 T:I=95: 5乃至 5:95 特に 75:25乃至25:75 のモル比で含有し且つエチレングリコール成分(E)と
ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン成分(BHE
B)とを、 E:BHEB=99.999:0.001 乃至2.0 :98.0 特に 99.95 :0.05 乃至40 :60 のモル比で含有する。BHEBとしては、1,3−ビス
(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンが好ましい。
【0030】このポリエステル(BPR)は、少なくと
もフィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであ
り、一般にフェノールとテトラクロルエタンとの60:
40の重量比の混合溶媒中、30℃の温度で測定して、
0.3 乃至2.8 dl/g、特に0.4乃至1.8dl/g の固有粘度
[η]を有することが望ましい。
【0031】[他の樹脂層]本発明の高圧容器は、上述
したポリエチレンナフタレート層及びガスバリアー性樹
脂層に加えて、任意の他の樹脂層を含有していることが
できる。例えば、ポリエチレンナフタレート層とガスバ
リアー性樹脂層との間に熱接着性がない場合には、両樹
脂層間に接着剤樹脂層を介在させることができる。接着
剤樹脂としては、特に限定されないが、酸変性オレフィ
ン系樹脂、例えば、無水マレイン酸グラフトポリエチレ
ン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなどを用い
ることができる。外に、ポリプロピレン等のオレフィン
樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の他のポリエステ
ルを用いることも可能である。
【0032】[高圧容器の構造]本発明の高圧容器(エ
アゾール容器)の一例を示す図2(側断面図)におい
て、この容器1は、ガスバリアー性樹脂層を含むエチレ
ンナフタレート系ポリエステルの二軸延伸ブロー成形で
形成され、首部(口部)2、円錐台状の肩部3、筒状の
胴部4及び閉ざされた底部5から成っている。
【0033】首部2と肩部3との接続部には、環状厚肉
接続部6が形成され、その上には環状凹部7及び環状厚
肉口部8が形成されていて、それ自体公知のバルブヘッ
ド(図示せず)が環状厚肉口部8に被せられ、その外側
が環状凹部の型の部分にカシメ等により固定されるよう
になっている。また、底部5には、自立安定性を与える
ためのそれ自体公知の上向きのドーム構造やペタロイド
型谷−足構造が形成されていてもよく、また底部が丸底
であって、別個に形成された自立性付与部品が接着等に
より固定されていてもよい。
【0034】本発明の高圧容器は、少なくともポリエチ
レンナフタレートを主体とする層と、ガスバリアー性樹
脂層とを備えているが、少なくとも1個のガスバリアー
性樹脂層が器壁の中心よりも内面側に偏って配置され
る。
【0035】この高圧容器の断面構造の一例を示す図3
において、この容器壁は、ポリエチレンナフタレートか
ら成る内層11及び外層12、エチレン−ビニールアル
コール共重合体などのガスバリアー性樹脂から成る中間
層13、必要により中間層13と内外層11、12との
間に介在する接着剤樹脂層14a、14bを備えてい
る。この具体例において、内層11は外層12に比べて
薄く、従ってガスバリアー性樹脂中間層13は器壁の中
心よりも内側に偏って配置されていることが明らかであ
る。
【0036】高圧容器の他の断面構造を示す図4におい
て、この容器壁は、ポリエチレンナフタレートから成る
内層11、外層12及び中間層15とから成り、一方、
エチレン−ビニールアルコール共重合体などのガスバリ
アー性樹脂は、内面側層13aと外面側層13bとの2
個の層に分割されていて、内面側層13aは内層11と
中間層15との間に、また外面側層13bは中間層15
と外層11との間に介在している。かくして、ガスバリ
アー性樹脂層の内1個の層13aは、やはり器壁の中心
よりも内側に偏って配置されていることが明らかであ
る。
【0037】高圧容器の更に他の断面構造を示す図5に
おいて、この容器壁は、ポリエチレンナフタレートから
成る外層12とその内面側に施されたラミネートフィル
ム層16とから成っており、このラミネートフィルム層
16は、内側からナイロン層17/エチレン−ビニール
アルコール共重合体層18/ポリエチレンテレフタレー
ト層19の層構成を有し、ポリエチレンテレフタレート
層19の側でポリエチレンナフタレートと接合されてい
る。かくして、ガスバリアー性樹脂層17、18は、や
はり器壁の中心よりも内側に偏って配置されていること
が明らかである。
【0038】本発明の高圧容器では、容器胴部の厚みが
0.55乃至3mm、特に好適には0.6乃至2mmで
あり、容器の目付と内容積との比は一般に0.10乃至
0.35g/dl、特に0.13乃至0.30g/dl
の範囲が適当である。
【0039】本発明の高圧容器では、容器の全厚みの6
0%以上、特に80%以上をポリエチレンナフタレート
を主体とする層が占めるのが耐圧性、耐熱性等の点で好
ましい。また、炭酸ガスの吸着や透過を防止するには、
ガスバリアー性樹脂の厚みは10μm以上、特に30μ
m以上であるのがよい。一方、ガスバリアー性樹脂層の
厚みが余りにも大きすぎると、二軸延伸ブロー成形性が
低下したり、コストが高くなるので、一般に500μm
以下、特に200μm以下であることが好ましい。
【0040】また、首部と肩部との間の環状厚肉接続部
における厚みは、一般に1.5乃至6.0mm、特に
2.0乃至5.0mmの範囲で、しかも接続部近傍の肩
部の厚みの1.1乃至2.0倍、特に1.2乃至1.8
倍の厚みを有することが、熱圧変形を防止する上で好適
である。同様な見地から、環状厚肉接続部における高さ
は、一般に1.5乃至5.0mm、特に1.7乃至4.
5mmの範囲にあることが好ましい。
【0041】[高圧容器の製造]本発明の高圧容器は、
小型容器の場合には射出成形や圧縮成形で製造できる
し、また前述した層構成の多層パリソンを成形し、この
多層パリソンを延伸ブロー成形することにより製造でき
る。
【0042】多層パリソンや多層小型容器の成形は、共
射出成形法乃至逐次射出成形法、インサート射出成形
法、多層圧縮成形法、多層パイプ押し出し法などのそれ
自体公知の方法で行うことができる。これらの何れの成
形法でも、ガスバリアー性樹脂層の配置は、前述した制
限を満足するものでなければならない。また、形成され
るパリソンは、ポリエチレンナフタレートが実質的に非
晶質であり、最終容器の口部に対応する口部を備えた有
底プリフォームであることが好ましい。
【0043】共射出成形法や逐次射出成形法の場合、ポ
リエチレンナフタレート用の射出機とガスバリアー性樹
脂用の射出機、更に必要ある場合には接着剤樹脂用の射
出機を使用し、多重ノズルを通して射出型中に射出す
る。共射出法の場合、内層形成用のポリエチレンナフタ
レート中実流、中間層形成用のガスバリアー性樹脂環状
流、及び外層形成用の最外環状流を同心円状に射出し、
これらの樹脂量を調節することにより前述した多層分布
構造の多層プリフォーム(例えば図3の多層分布構造の
プリフォーム)を製造することができる。勿論、ガスバ
リアー性樹脂を内外の環状流に分割すると共に、それら
の中間にポリエチレンナフタレートの中間層を介在させ
ることにより、図4に示す多層分布構造のプリフォーム
や小型容器を製造できる。
【0044】また、逐次射出成形法では、この射出に際
して、ガスバリアー性樹脂の射出タイミングを調節する
ことにより、前述した多層分布構造を有する多層プリフ
ォームの製造が可能となる。即ち、先ずポリエチレンナ
フタレートを射出し、タイミングを遅らせてガスバリア
ー性樹脂或いは更にポリエチレンナフタレートを射出
し、最終的なポリエチレンナフタレートの射出に先立っ
て、ガスバリアー性樹脂の射出を停止する。この射出の
タイミングにより、内層ポリエチレンナフタレートの厚
みが薄く、ガスバリアー性樹脂層が内面側に偏った多層
プリフォームや多層小型容器が形成される。また、3段
目のポリエチレンナフタレートの射出量が多い場合に
は、この射出に伴いガスバリアー性樹脂が内外2層に分
割される場合がある。
【0045】インサート射出成形法では、コア金型に、
ガスバリアー性樹脂樹脂層を備えたラミネートの円筒形
成形物を装着し、次いでポリエチレンナフタレートを射
出する。これにより、図5に示す多層構造のプリフォー
ムや小型容器が成形される。
【0046】多層圧縮成形法では、多層のメンコ状乃至
パイプ状の溶融物をキャビティ型に投入し、これをコア
金型で圧縮成形することにより、多層プリフォームや多
層小型容器を成形する。
【0047】多層パイプ押し出し法では、共押し出しに
より形成されたパイプの一端部を底打ちして閉塞底部を
形成させると共に、他端部を圧縮して口部を形成させる
ことにより、多層プリフォームを形成させる。
【0048】プリフォームからの延伸ブロー成形には、
一旦過冷却状態のプリフォームを製造し、このプリフォ
ームを延伸温度に加熱して延伸成形を行う方法(コール
ドパリソン法)や、成形されるプリフォームに与えられ
た熱、即ち余熱を利用して、予備成形に続いて延伸成形
を行う方法(ホットパリソン法)等が採用される。
【0049】多層プリフォームの二軸延伸ブロー成形
は、周方向延伸倍率が2.0乃至4.0倍、好適には面
積延伸倍率が1.5乃至10倍で、且つ延伸温度(Y、
℃)及び胴部の厚み(X、mm)が下記実験式(1) を満足するように行われていることが、容器の耐熱圧
性、更には耐衝撃性に関して好ましい。
【0050】容器への二軸延伸ブロー成形に際し、延伸
温度にあるプリフォーム乃至パリソンをブロー成形金型
内で軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体吹き込みに
より周方向に膨張延伸する。延伸倍率は、面積延伸倍率
(容器外表面積/プリフォーム外表面積基準)を1.5
乃至15倍、特に2.2乃至12倍とすべきであり、比
較的低い温度での延伸を可能にするために、周方向の延
伸速度を300%/sec以上、特に350乃至600
%/secとするのがよい。尚、高圧気体の吹き込みに
よるブローに先立って、圧力の低い流体によってプリブ
ローを行う場合には、このプリブローによる延伸後のも
のを基準として、延伸速度を定めるものとする。
【0051】高速延伸を可能にするために、用いる加圧
流体の圧力は可及的に高いことが好ましく、最終容器の
容量やプリフォームの厚みによっても相違するが、一般
に用いる気体の初期圧力は、10kg/cm以上、特
に12乃至45kg/cmの範囲内にあることが好ま
しい。プリフォーム内に印加される圧力は成形の途中で
一様であっても、また初期に高い圧力が印加されるもの
であってもよい。加圧用流体としては、未加熱の空気或
いは不活性気体でも、或いは加熱された空気或いは不活
性気体でも使用し得る。
【0052】[用途]本発明の高圧容器は、種々の内容
物及びプロペラントを充填する軽量且つ小型のエアゾー
ル容器として有用である。なお、本発明にかかる高圧容
器に充填することのできる内容物としては、従来公知の
ものを採用できる。該内容物としては、例えば人体用
品、家庭用品、工業用品があり、人体用品には頭髪用
品、化粧品、消臭、制汗剤、その他の人体用品があり、
家庭用品には殺虫剤、コーティング剤、クリーナ、食
品、その他の家庭用品があり、工業用品には自動車用
品、その他の工業用品がある。上記頭髪用品としてはヘ
アセットスプレー、ヘアドレッサーコンデイショナー、
ヘアシャンプー、リンス、酸性染毛剤、酸化型2剤タイ
プ永久染毛剤、カラースプレー、脱色剤、パーマ剤、育
毛剤等がある。化粧品としてはシエービングクリーム、
アフターシェーブローション、香水、オーデコロン、洗
顔料、日焼け止め、ファンデーション、脱毛、脱色剤、
浴用剤、歯磨き剤などがある。消臭・制汗剤としては消
臭剤、制汗剤、ボデイシャンプー等がある。その他の人
体用品としては筋肉消炎剤、皮膚疾患剤、水虫薬、その
他の医薬品、害虫忌避剤、冷却剤、清拭剤、口喉剤等が
ある。殺虫剤としては空間殺虫剤、ゴキブリ殺虫剤、園
芸用殺虫剤、殺ダニ剤、不快害虫剤等がある。コーティ
ング剤としては家庭用塗料、自動車用塗料、アンダーコ
ーティング剤等がある。クリーナとしては家庭用ガラス
クリーナ、レンズクリーナ、エアコンクリーナー、CD
・レコードクリーナー、OAクリーナー、絨毯クリー
ナ、浴用クリーナ、床・家具艶だしクリーナ、靴・皮革
クリーナ、ワックス艶だし剤等がある。その他の家庭用
品としては室内消臭剤、トイレ用消臭剤、防水剤、洗濯
糊、除草剤、衣類用防虫剤、防炎剤等がある。自動車用
品としては、防曇剤、撥水剤、解氷剤、エンジン始動
液、パンク修理液、エンジンクリーナ等がある。その他
の工業用品としては潤滑防錆剤、接着剤、金属深傷剤、
離型剤、冷却剤、標準ガス等がある。
【0053】上記内容物の形状としては液状、流動体
状、半流動体状、発泡体状、気体状の他、これら形状の
ものに粉体状や粒状の固体を少し混ぜたもの等、適宜選
択して採用することができる。
【0054】該素材にあっては従来内容物として採用さ
れる公知のものを採用でき、プロペラントとしては、炭
酸ガスが好適に使用さえ得るが、勿論LPG(液化石油
ガス)などの他のプロペラントを用いることもできる。
例えば、ヘアスプレーであれば変性アルコール、噴射剤
を主成分とし、アクリル樹脂アルカノールアミン液、ポ
リオキシエチレンオイルエーテル、香料等を添加したも
のがあり、上記ヘアトリートメントであれば変性アルコ
ール、噴射剤を主成分とし、流動パラフィン、プロピレ
ングリコール、メチルフエニルポリシロキサン、香料を
添加したものがある。
【0055】また、他の内容物としては、アルコール、
合成樹脂、噴射剤(LPG、DME(ジメチルエーテ
ル)、N、CO等の単体又はこれらの混合
物)、セルロース、アンモニウム、水、香料、染料、界
面活性剤、顔料等を適宜選択して追加することができ
る。
【0056】
【実施例】本発明を次の実施例により更に説明するが、
これらの例により本発明は何らかの制限を受けるもので
はない。
【0057】[実施例1]固有粘度(IV)0.7のポ
リエチレンナフタレート(PEN)とクラレ社製エチレ
ンビニルアルコール共重合体(EVOH樹脂)(商品
名:F101BZ)を、日精ASB社製ATH50を用
いコインジェクション成形で目付38g2種5層のプリ
フォームを得た。そのプリフォームを145℃に再加熱
し2軸延伸ブローを行い、口径19.8φ、高さ15c
m、内容量220ccの自立型ボトルを作製した。胴部
の層構成を図6に示す。そのボトルに育毛剤を132c
c加え、炭酸ガスで内圧が7kgf/cmになるよう
にして、噴射装置部品を組み付けた金属製の栓体を容器
の口部に巻締めて密封した。このようにして調整した容
器10個を、気温24℃、湿度50%RHの環境で半年
間保存し、内圧量の変化を測定した。この結果を表1に
示す。初期の炭酸ガス吸着段階である2ヶ月までの減圧
量は、2.4%であり、半年経過した時点の減圧量は
3.6%であった。
【0058】[実施例2]固有粘度(IV)0.7のポ
リエチレンナフタレート単体で、射出成型時、金型コア
に円筒形に加工した住友ベークライト社製スミライトフ
ィルムCEL−8540−A(層構成:ナイロン/EV
OH/PET=70μm/25μm/45μm)を添付
し、射出を行い内面にフィルム(プリフォームの内側か
らナイロン/EVOH/PET)を添付したプリフォー
ムを作製した。そのプリフォームを実施例1と同様に成
形を行い、内圧量の変化を測定した。尚、内層フィルム
の厚みはブロー成形により約1/3に減少していた。初
期の炭酸ガス吸着段階である2ヶ月までの減圧量は、
0.9%であり、半年経過した時点の減圧量は3.1%
であった。
【0059】[比較例1]固有粘度(IV)0.7のポ
リエチレンナフタレート(PEN)単体で、実施例1と
同様に成形を行い、得られたボトルについて実施例1と
同様に内圧量の変化を測定した。その結果を表1に示
す。初期の炭酸ガス吸着段階である2ヶ月までの減圧量
は、6.0%であり、半年経過した時点の減圧量は1
0.3%であった。
【0060】[比較例2]固有粘度(IV)0.7のポ
リエチレンナフタレート(PEN)とクラレ社製エチレ
ンビニルアルコール共重合体(EVOH樹脂)(商品
名:F101BZ)を、日精ASB社製ATH50を用
いコインジェクション成形で目付38g2種3層のプリ
フォームを得た。そのプリフォームで実施例1と同様に
成形を行い、得られたボトルについて実施例1と同様に
内圧量の変化を測定した。その結果を表1に示す。ま
た、胴部の層構成を図7に示す。
【0061】
【表1】 内 圧 減 圧 量 (%) 0ヶ月 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 実施例1 0.0 0.8 2.4 2.9 3.1 3.4 3.6 実施例2 0.0 0.3 0.9 1.4 1.7 2.6 3.1 比較例1 0.0 2.2 6.0 6.8 8.6 9.3 10.3 比較例2 0.00 1.4 4.0 4.5 4.8 5.6 6.3
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂で一体に
成形された、特にその二軸延伸ブロー成形で形成された
首部、肩部、胴部及び閉塞底部を有する高圧容器におい
て、容器壁を少なくともポリエチレンナフタレートを主
体とする層と、ガスバリアー性樹脂層とから形成すると
共に、少なくとも1個のガスバリアー性樹脂層を器壁の
中心よりも内面側に偏って配置したことにより、炭酸ガ
ス等のガスの樹脂への吸着が抑制され、経時による内圧
減少が抑制されたた高圧容器、特にエアゾール容器を提
供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の容器内に炭酸ガスを充填
し、気温24℃及び湿度50%RHの条件で保存した場
合における保存期間と内圧減少率との関係を示すグラフ
である。
【図2】本発明の高圧容器(エアゾール容器)の一例を
示す側断面図である。
【図3】本発明の高圧容器の断面構造の一例を示す断面
図である。
【図4】本発明の高圧容器の断面構造の他の例を示す断
面図である。
【図5】本発明の高圧容器の断面構造の更に他の例を示
す断面図である。
【図6】実施例1の高圧容器の断面構造を示す断面図で
ある。
【図7】本発明範囲外の高圧容器(比較例2)の断面構
造を示す断面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月30日(1999.4.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】高圧容器の他の断面構造を示す図4におい
て、この容器壁は、ポリエチレンナフタレートから成る
内層11、外層12及び中間層15とから成り、一方、
エチレン−ビニールアルコール共重合体などのガスバリ
アー性樹脂は、内面側層13aと外面側層13bとの2
個の層に分割されていて、内面側層13aは内層11と
中間層15との間に、また外面側層13bは中間層15
と外層12との間に介在している。かくして、ガスバリ
アー性樹脂層の内1個の層13aは、やはり器壁の中心
よりも内側に偏って配置されていることが明らかであ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂で一体に形成された首部、
    肩部、胴部及び閉塞底部を有する高圧容器であって、前
    記容器壁は少なくともポリエチレンナフタレートを主体
    とする層と、ガスバリアー性樹脂層とを備え、少なくと
    も1個のガスバリアー性樹脂層は器壁の中心よりも内面
    側に偏って配置されていることを特徴とする高圧容器。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂の延伸ブロー成形により形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の高圧容
    器。
  3. 【請求項3】 ガスバリアー性樹脂がエチレンビニルア
    ルコール共重合体またはナイロン樹脂であることを特徴
    とする請求項1または2に記載の高圧容器。
  4. 【請求項4】 ガスバリアー性樹脂層が5乃至500μ
    mの厚みを有することを特徴とする請求項1乃至3の何
    れかに記載の高圧容器。
  5. 【請求項5】 ガスバリアー性樹脂層が最内面層として
    存在する請求項1乃至4の何れかに記載の高圧容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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