JP2599748B2 - 多層共射出構造体 - Google Patents

多層共射出構造体

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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は酸素あるいは炭酸ガスなどのガスバリアー
性、防湿性、保香性、フレーバーバリアー性及び外観良
好な飲料、食品、化粧品などの容器に用いられる合成樹
脂製の共射出延伸多層プラスチック容器、特に熱可塑性
ポリアミド(以下PAと略記する)層とエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物(以下EVOHと略記する)層の少な
くとも2層からなる、特に耐衝撃層間剥離性(以下デラ
ミと略記する)及びタテズシ、偏肉等の外観不良を大巾
に改善した、多層共射出構造体に関する。
B.従来の技術 ポリアミド容器はその優れた透明性、剛性により多数
の分野で使用が望まれてはいるが、成形性、特に延伸ブ
ロー成形性が悪い事やガスバリアー性が十分でないなど
の問題点があり、限られた用途にしか使用されていない
のが現状である。特にガスバリアー性を改善する方法と
してEVOHと組合わせ多層化する方法は種々提案されてい
る。すなわち、共押出成形法、多段射出成形法、共射出
成形法等があるが夫々一長一短がある。この中で特に装
置が簡単であり、ロスが少ない方法として異種ポリマー
を共射出成形法で多層化する方法が注目され、多種特許
が出願されている。しかしながら、この方式は接着性樹
脂を使用していない場合が多く、異種樹脂層の界面は大
気圧で密着されているだけである。その結果、容器に内
容物を入れて落下させると、衝撃により層間剥離(デラ
ミ)が生じ、共射出成形容器は実用上使用に耐えないも
のであった。また、PAは延伸ブロー成形が困難である等
の問題もある。しかしながら、PA/EVOH多層容器を共射
出以外の方式で作る場合、トリム等のロスが40〜50wt%
も生じるのが現状であり、EVOHとPAとのブレンド物な熱
安定性悪く再使用が困難な為、コスト的に大きな問題で
ある反面、上記した共射出容器は製造時のロスが少ない
事より魅力的なプロセスであり、成形性及び品質(デラ
ミ及び外見不良)の改善方法が望まれる所であった。
C.発明が解決しようとする課題 PA容器の成形性、特に延伸ブロー成形性及びガスバリ
アー性を付与改善する為、ロスの少ない共射出成形法に
着目し、成形容器の成形性及び品質(充填容器の衝撃デ
ラミ防止及びスジ、偏肉等の外見不良)を改善する方法
について、鋭意検討を行った。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは共射出成形装置を用いて5≦CH2/NHCO≦
7……(I)を満足するがカプロアミドを主成分としな
いPA層とEVOH層の少なくとも二層からなる多層共射出構
造体、とくにPAを(最)内層および(最)外層に有し、
またEVOHからなる中間層を、最内外層で完全に封入した
構成のカップ状容器を製造した。この容器に水を充填
し、開口部をアルミニウム板でカバーし、接着剤でシー
ルした。この容器を1mの高さよりコンクリート床に落下
させた所、衝撃によりPA層とEVOH層間にデラミが生じ、
外見上好ましいものではなかった。そこで本発明者ら
は、鋭意検討を行った結果、おどろくべき事にPAとし
て、カプロアミドを主成分とし、−CH2−と−NHCO−と
の比が上記式(I)を満足する場合に該衝撃デラミが生
じにくい事が判明し、本発明を完成するにいたった。EV
OHと式(I)を満足するPAとを用い2種3層共押出装置
でシートを作り、熱成形により、上記と同様のカップを
作成し、落下テスト行うと、後述の比較例1に示すとお
り、デラミが発生しやすく、またレトルトなどの過酷な
条件下では白化などの現象がみられるにもかかわらず、
共射出成形下に、上記EVOHとPAを使用した場合には、大
巾な耐衝撃デラミ性が発現し、またレトルトなどの過酷
な条件下において白化などの現象がみられないことは予
想外なことである。この事実は以下に述べる実施例から
も明らかである。
ところで、上記樹脂を用いて、共射出成形したパリソ
ンを延伸ブロー装置を用いてブロー成形したボルトも耐
衝撃性が大巾に改善されるだけでなく、おどろくべき事
に、延伸ブロー成形性が大巾に改善する事がわかった。
すなわち、一般的にPAあるいはEVOH単層の射出成形パリ
ソンを延伸ブロー装置を用いてブロー成形しようとす
る、ボトル胴部方向(周方向)の延伸時、大きなのびム
ラが生じ、時として破れが発生し、安全生産が極めて困
難である。しかしながら、意外な事にPAとEVOHとの複合
パリソンを延伸ブローする場合、特に上記式(I)を満
足するPAを用いた場合、ボトルの破れの発生を抑えら
れ、ブロー成形性が大巾に改善されるのみならず、ボト
ル胴部の偏肉、厚みムラ、スジなどを大巾に減少させる
ことができる。
ところで、この様にして得られた延伸ブローボトルは
100℃以下のホットフィルム充填容器として、あるいは
ボイル殺菌容器、レトルト殺菌容器としてこのままの状
態で使用可能であるが、より熱収縮性が問題となる分野
あるいは、高温下で使用する場合には、該ボトルをPAの
軟化点以下あるいは、EVOHの軟化温度(Vicat軟化温
度)以下で熱固定する事が有効である。すなわち、PET
系ボトルでも最近耐熱性を向上させる為、熱固定がなさ
れる場合が多いが口部あるいは底部の未延伸部分が白濁
し、外見上好ましくないだけでなく、落下強度の大巾な
低下が認められるにもかかわらず、PA/EVOH系の場合
は、このような欠点のない、透明性良好な、ボルトが得
られだけでなく、ガスバリアー性の大巾な改善、さら
に、おどろくべき事に耐衝撃デラミ性が大巾に改善する
事が判明した。
さらに本発明においては、EVOH層にEVOHに融点あるい
は融点がない場合にはVicat軟化温度が120℃以上のPAを
ブレンドした樹脂を用いる場合、特により好適には、内
層または外層のPAと同じPAを用いる場合には、耐衝撃デ
ラミ性が大巾に改善されるばかりでなく、おどろくべき
事に高温スチーム加熱殺菌(レトルト処理)を行った場
合に時として発生しやすい、容器の微小なシワ、くもり
が大巾に改善される事が判明した。
ところで、EVOH層の少なくとも一層を、最内層または
最外層に有し、かつ接着性樹脂層を有しない共射出成形
物あるいは特にその延伸ブロー成形物は、成形時デラミ
が生じたり、たとえ成形物が出来ても、耐衝撃デラミが
非常に悪い。しかしながら、おどろくべきことに、上記
(I)を満足するPAを用いた場合には、EVOH層およびPA
層間に接着性樹脂層を設けなくても成形時のデラミが生
じにくく、かつ、耐衝撃デラミ性が大巾に改善するとい
う事も見い出された。すなわちEVOH層を最内外層にまた
ポリアミド層を中間層に配した構造体においても、上記
特性が発現することがわかり、本発明を完成するにいた
った。このことは以下で示す実施例からも明らかであ
る。
E.発明のより詳細な説明 本発明で使用されるポリアミドとは、カプロアミドを
主たる構成単位とし、かつメチレン基数とアミド基数の
比が式5≦CH2/NHCO≦7、好適には5≦CH2/NHCO≦6.5
を満足するポリアミド樹脂である。カプロアミドと共重
合する相手側のアミド成分としては、ラウロラクタム
(12・ナイロン)、ウンデカンアミド(11・ナイロ
ン)、ヘキサメチレン・セバカミド(6,10ナイロン)、
ヘキサメチレン・アジパミド(6,6ナイロン)、ω−ア
ミノヘプタン酸(7・ナイロン)、ωアミノノナン酸
(9・ナインロン)ピペラジンなどの脂環式ジアミン、
メタキシリレンジアミン(MXD)などの芳香族ジアミ
ン、その他各種脂肪族、芳香族ジカルボン酸などがあげ
られるが、特に、ラウロラクタム(12・ナイロン)、ヘ
キサメチレンアジパミド(6,6ナイロン)、ω−アミノ
ノナン酸(9・ナイロン)が有効である。
本発明において、式(I)を満足することは、上記し
たとおり極めて重要であり、メチレン基数とアミドの比
がCH2/NHCO<5の場合、多層シート成形時、ゲル・ブツ
が多発しやすく、外見が悪いだけでなく、ガスバリアー
性が大巾に悪化するし、またCH2/NHCO>7の場合は、ゲ
ル・ブツの発生がほとんどなく、また、延伸成形容器は
外見上良好であるが、耐衝撃デラミ性の改善効果が認め
られないばかりでなく、レトルトなどの過酷な条件下で
は白濁がみられる。このことは後述の比較例2および比
較例5から明らかである。
またPAとしては2種以上のPAをブレンドしたもの、た
とえば後述する実施例からも明らかなように6・ナイロ
ンとMXDナイロン(メタキシリレンジアミンとアジピン
酸の重縮合物)のブレンドを使用することもできる。ブ
レンドを使用する場合はブレンド組成物において5≦CH
2/NHCO≦7を満足することが重要である。
本発明に用いられるEVOH樹脂は、エチレン含量20〜60
モル%の範囲が良く、好ましくは25〜55モル%である。
エチレン単位の含有量が20モル%未満の場合には融点と
分解点が接近し、熱安定性、溶融成形性に劣る。またエ
チレン単位の含有量が60モル%を越えると、ガスバリア
ー性が劣る為好ましくない。該EVOHのけん化度は95モル
%以上が良く、好ましくは98モル%以上である。かかる
けん化度が95モル%未満では、熱安定性に劣り、溶融成
形時に着色し、ゲルやフィッシュアイが生じやすくなる
だけでなく、ガスバリアー性も低下する為好ましくな
い。また本発明のEVOH樹脂は本発明の目的が阻害されな
い範囲内で他の共重合体モノマーで変性されていても良
い。かかる変性用モノマーとしては、プロピレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸、高級脂肪酸エステル、ア
ルキルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチ
ル)メタクリルアミド類、あるいはその4級化物、N−
ビニルイミダゾール、あるいはその4級化物、N−n−
ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチル
メトキシシラン等を例示することができる。また、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、無機粉末類、可塑剤、
各種熱可塑性ポリマー等を本発明の目的を阻害しない範
囲内で添加する事は自由である。
本発明にかかるEVOH樹脂はJIS K6760に記載の方法で
温度190℃、荷重2160gの条件で測定したメルトインデッ
クス(MI)が0.1〜50g/10分のものがよく、さらに好適
には0.5〜30g/10分、特に0.5〜20g/10分のものである。
かかるMIが0.1g/10分未満の場合には溶融成形時の流動
性に劣り、押出負荷、射出負荷の増大を来し、高速連続
運転性に支障を来し、さらに悪いことには、ゲルやフィ
ッシュアイを発生しやすくなり好ましくない。またMIが
50g/10分を越えると成形容器の落下強度衝撃強度が低下
するのみならず、多数個取り成形機における、各金型内
へのEVOH射出量が安定せず、均質な容器成形が困難とな
り、さらに悪いことには、多層射出成形したプリフオー
ムのEVOHの軸方向の厚み分布も不均一となり、また、軸
と直角な方向のEVOHの厚み分布も、プリフオームの口金
部分に厚くなる傾向を示し外見上口部が白濁しやすく好
ましくない。
EVOHにPAをブレンドして使用する場合、EVOH5〜95重
量%に対してPAを95〜5重量%、好適にはEVOH40〜95重
量%、PAが60〜5重量%であるEVOHが5重量%以下の場
合、ガスバリヤー性改善効果がなく、一方95重量%以上
では、耐衝撃デラミ性の大巾の改善が望めないだけでな
く、レトルト処理時の容器表面のシワ、くもりが防止出
来ず好ましくない。PAとしては融点あるいは融点のない
場合は軟化点が120℃以上のもの、好ましくは130℃以上
のものであれば、特に限定されるものではないが、特に
PAとしては前述した(I)式を満足するPAが好適であ
る。
PAとEVOHとをブレンドする方法については特に限定さ
れるものではないが十分乾燥したPA及びEVOHをドライブ
レンドしてそのまま使用する方法、該ドライブレンドペ
レットをバンバリーミキサー、一軸押出機あるいは二軸
押出機に通し再ペレット化、乾燥を行う方法なとがあげ
られる。また、ブレンドに際し、本発明の目的を阻害し
ない範囲内でヒンダートフェノール、ヒンアダートアミ
ン、金属セッケンなとの酸化防止剤、紫外線吸収剤、あ
るいは着色剤を添加する事は自由であるし、また有効で
ある。また溶融成形機の樹脂ホッパー口及びペレット乾
燥時等にN2を使用する事は、ブレンド物の熱安定性(着
色、ゲルブツ)を増すことになるので有効である。
多層構造を有する容器あるいは容器の前駆体(パリソ
ン)は、通常2台の射出シリンダーを有する成形機を用
い、単一の金型に1回の型締め操作で溶融したPA及びEV
OHまたはEVOH樹脂組成物をそれぞれの射出シリンダーよ
りタイミングをずらして交互あるいは/及び同心円状の
ノズル内を同時に射出する事により得られる。例えば先
に射出したPAが、後から射出したEVOHまたはEVOH組成物
層の内外層に、または最初に射出したEVOHが後から射出
したPAの内外層に、さらに場合によっては再度EVOHまた
はEVOH組成物及び/あるいはPAを射出するなど中間層が
最内外PA層で完全に封入された有底パリソンを得る一般
的な方法で得られ、特に設備上限定を受けるものではな
い。また、該外層パリソンはあたたかい状態で直接ある
いはブロックヒーター、赤外線ヒーターなどの発熱体で
75〜150℃に加熱された後、延伸ブロー工程におくれ
ら、タテ方向に1〜5倍にストレッチされた後、圧空な
どで1〜4倍でブローされ、一軸あるいは二軸延伸さ
れ、多層PA/EVOH延伸ブロー容器が得られる。該加熱延
伸工程においても設備上特に限定されるものではない。
本発明において多層共射出構造体とは前述の説明から
も明らかなように共射出パリソン、該パリソンを延伸ブ
ローして得た共射出延伸ブロー容器、あるいは共射出に
よるカップなどを意味する。
共射出カップあるいは延伸ブロー容器を熱処理するか
どうかは、多層容器の耐熱性及び衝撃デラミ性改善に大
きく関与する。すなわち、熱固定条件としては、PAの軟
化点(Vicat軟化温度)以下で熱固定されることが望ま
しく、該温度以上では耐熱性は耐衝撃デラミ性は改善さ
れるが、強度、ガラスバリアー性の面で有効でない。あ
るいは、EVOHの軟化温度以下で熱固定する方法もガスバ
リアー性の面から有効である。また熱処理時間に関して
は1〜60秒、好適には1〜20秒である。一般的には、ブ
ロー工程の金型温度を増す方法および/または加圧下、
再度加熱金型にみちびき熱処理する方法、あるいは熱
風、熱媒で熱処理する方法などがあげられる。また熱処
理後、温度の高いボトルを取り出すに際しては該加熱金
型あるいは熱媒を急冷する方法、あるいは、再度冷却金
型にみちびき加圧下、冷却金型で冷却する方法などがあ
げられる。
本発明の多層共射出構造体の構成は、PA及びEVOHまた
はEVOH組成物2種類の樹脂を用いEVOHまたはEVOH組成物
1層以上あるいは、EVOHまたはEVOH組成物とPAとを各1
層以上含む中間層を最内外PA層が完全に封入した形成で
あり、一般的にはPA/EVOHまたはEVOH組成物/PA、PA/EVO
HまたはEVOH組成物/PA/PA、PA/EVOHまたはEVOH組成物/P
A/EVOHまたはEVOH組成物/PA、EVOHまたはEVOH組成物/PA
などがあげられる。またO2バリアー性と耐薬品性、フレ
ーバーバリアー性を重視した構成としてEVOH/PA/EVOH、
EVOH/PA/EVOH/PA/EVOH、PA/EVOHなどがある。多層共射
出パリソンの厚みに関しては、総厚みで2〜5mm、EVOH
組成物層は合計で10〜500μであり、一般的にはEVOHま
たはEVOH組成物層が薄いほど、EVOHまたはEVOH組成物層
の数が少ないほど、さらにEVOHまたはEVOH組成物層の位
置が多層表面に近いほど容器の衝撃によるデラミが生じ
やすい。また多層共射出パリソンを延伸ブローして得た
容器の胴部の総厚みは一般的には100μ〜3mmであり、用
途に応じて使い分けられる。またこの時のEVOHまたはEV
OH組成物層の合計厚みに一は2〜200μ、好ましくは5
〜100μである。共射出して得たカップの厚み構成もこ
の延伸ブロー容器の厚み構成とほぼ同じである。また共
射出成形する場合、層間接着剤を使用することはとくに
必要ないが、その使用を禁止するものではない。
本発明の容器は優れた特性を有することから、種々の
内容物に対する容器、特に酸素や炭酸ガス或いは香りの
成分の透過を遮断する軽量容器として、有効であり、例
えばジュース、コーラ等の飲料水、常温保存、低温保存
食品、レトルト食品、化粧品、農薬、有機溶剤含有物、
その他防中剤などの防臭性を必要とする物質などに使用
される。以下実施例にてさらに説明を行うが、この事に
より、本発明はなんら限定されるものではない。
実施例1 PAとして、6・1ナイロン(εカプロラクタムとラウ
ロラクタムの共重合ポリアミド;CH2/NHCO=6.8;融点180
℃)を、EVOHとしては、C2H4含有量32モル%、ケン化度
99.6モル%、MI=1.3g/10分、融点181℃のEVOHを用い、
共射出装置で、PA側押出機先端温度240℃、EVOH側200
℃、PAとEVOHとが合流するホットランナーブロック部26
0℃で共射出成形を行い、深さ70m/m、径40mmφのカップ
を得た。この時のカップ胴部の厚みは最内層PA360μ、
中間層EVOH80μ、最外層PA760μであった。この容器の
胴部には衝撃デラミが生じやすい様、金型にタテ50m/m
×ヨコ10m/m厚み、1.0、2.0、4.0mmの凹凸を付けておい
た該多層共射出容器に水を充填し、アルミ板で口部をお
おいフランジ部を接着剤でシールした後、常圧、常温
下、1mの高さより胴部を水平にして繰返し落下テストを
行った所、15回目でデラミが発生した。また加圧(4kg/
cm2CO2ガス充填)、常温下で同様の落下テストを行った
所、40回目でデラミが発生した。また前記容器に水を充
填し、レトルト条件(121℃、1時間)下におき、容器
の外観を観察した。この結果を表1に示す。
表1中 Rは製品の胴部のEVOH層の最大厚みから最小厚
みを引いた値を示す。
Xは製品の胴部のEVOH層の平均厚みを示す。
実施例2 実施例1において、共射出成形機の射出金型を延伸ブ
ローボトル用の有底パリソン型に変更し、多層パリソン
を成形した後延伸ブロー成形を行い、750mlの外見良好
なボトルを得た。この時の胴部平均厚み最内層PA90μ、
中間層EVOH20μ、最外層PA190μであった。この場合
も、ブロー金型に衝撃デラミが生じやすい様にタテ50mm
×ヨコ15mm、厚み1、2および4mmの凹凸を付けておい
た。該容器に水を充填し、キャップを付けた後、実施例
1と同様に行った。その結果、表1に示す様に耐衝撃デ
ラミ性の改善が認められた。
実施例3 実施例2において、ブロー成形時金型を140℃に加熱
し、成形を行った。その結果、表1に示す様に耐衝撃性
がさらに改善するのみならず、外見(透明性)良好であ
り、耐熱性の向上も認められた。
実施例4 実施例2において、共射出成形機のPA押出機側にEVOH
をまたEVOH押出機側にPAの投入し、実施例2と同様に行
い、EVOH50μ/PA200μ/EVOH50μのボトルを得た。この
ボトルの性能は表1に示す様に良好であった。
実施例5〜6 詳細および結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において、共射出成形法にかえて、2種3層
共押出機でシートを作成し、熟成形機を用いて、カップ
を作成した。この時のカップの胴部の厚みはPA300μ/EV
OH85μ/PA780μであった。この容器を実施例1と同様に
行った所、衝撃デラミは1回で発生し、使用に耐えなか
った。
比較例2〜6 詳細および結果を表1に示す。
G.発明の効果 本発明の多層共射出構造体は、耐衝撃デラミ性が優
れ、また外観も良好で、さらに偏肉を少なく、さらにま
たレトルトなどの過酷な条件下においても白濁などがみ
とめられない。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カプロアミドを主たる成分とし下記式
    (I)を満足するポリアミド樹脂(A)層とエチレン含
    有量20〜60モル%、酢酸ビニル成分のけん化度が95%以
    上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(B)層の
    少なくとも二層からなる多層共射出構造体。 5≦CH2/NHCO≦7 (I)
  2. 【請求項2】(B)層がエチレン−酢酸ビニル共重合体
    けん化物5〜95重量%と融点あるいは融点がない場合は
    Vicat軟化温度が120℃以上のポリアミド95〜5重量%か
    らなる組成物層である請求項1または2記載の多層共射
    出構造体。
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