JP2000220501A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JP2000220501A
JP2000220501A JP11021568A JP2156899A JP2000220501A JP 2000220501 A JP2000220501 A JP 2000220501A JP 11021568 A JP11021568 A JP 11021568A JP 2156899 A JP2156899 A JP 2156899A JP 2000220501 A JP2000220501 A JP 2000220501A
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大羽  拓
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    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リーン空燃比の運転域かつ高地における高負
荷領域での加速時に、アクセルペダルを踏み増ししても
トルク増加が望めないことによる運転性の違和感を防止
する。 【解決手段】 過給機37はリーン空燃比の運転域で目
標過給圧が得られるように作動する。標準エンジンを基
準大気圧のもとで使用する場合の実過給圧推定値を演算
手段38が演算し、リーン空燃比の運転域での加速時
に、基準大気圧とこの実過給圧推定値のずれ分に応じた
過給圧補正値を演算手段39が演算し、この過給圧補正
値で目標吸入空気量を増量補正した値を第2目標吸入空
気量として演算手段40が演算し、この第2目標吸入空
気量がエンジンに導入されるようにスロットル弁制御装
置31を駆動手段41が駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はエンジンの制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】リーン空燃比(理論空燃比よりも希薄な
空燃比)の運転域での加速時に、空燃比をリッチ側に移
行してエンジン出力を高めようとすると、NOx発生量
が大幅に増加するので、空燃比は変えずに過給を行うこ
とで、リーン空燃比の運転域での加速時にNOxの発生
量を増加させることなくエンジン出力を高めるようにし
たものがある(特開平7−158462号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、理論空燃比
の運転域での同レベルの加速時には、リーン空燃比の運
転域での加速時ほど過給圧変化が大きくなる必要がな
く、吸入空気量が速やかに立ち上がり、これによってト
ルクの応答性が良好となるのであるが、過給圧変化が大
きくなるリーン空燃比の運転域での加速時には過給圧の
応答遅れにより吸入空気量の立ち上がりが遅れるため、
理論空燃比の運転域での同レベルの加速時とはトルクの
立ち上がりが異なってしまう。
【0004】このように、同レベルの加速を行っても、
空燃比の設定によってトルクの立ち上がりが異なるので
は、運転性に違和感が生じる。
【0005】そこで、リーン空燃比の運転域での加速時
に、目標過給圧からの実過給圧のずれ分に応じて目標吸
入空気量を増量補正した値を第2目標吸入空気量として
演算し、その第2目標吸入空気量がエンジンに導入され
るようにスロットル弁開度を制御することにより、リー
ン空燃比の運転域での加速時にも、理論空燃比の運転域
での同レベルの加速時と同じトルクの立ち上がりが得ら
れるようにすることが考えられる(特願平10−305
870号参照)。
【0006】この場合に、実過給圧をセンサにより検出
するのでは、高度変化による大気圧変化やエンジン個体
差による実過給圧の違いがあるときも、基準大気圧(た
とえば標準大気圧)の状態および標準エンジンの状態の
ときと同じリーン空燃比の運転域での加速時の空気量増
量補正が行われる。
【0007】しかしながら、空気量を増量補正するとい
っても、スロットル弁の全開位置以上に空気量を増やす
ことができないため、リーン空燃比の運転域かつ高地
(基準大気圧よりも低い大気圧状態の土地)における高
負荷領域での加速時やリーン空燃比の運転域かつ低地
(基準大気圧状態の得られる土地)における劣化エンジ
ン(標準エンジンよりも過給圧が低下することになった
エンジン)での加速時にはアクセルペダルを踏み増しし
てもトルクを増加させることができず、運転性に違和感
を与えてしまう。
【0008】これをさらに説明すると、エンジン回転
数、アクセル操作量が一定の条件で、低地であれば、実
過給圧が200mmHgまで上昇するとしたとき、高地
になると、実過給圧が150mmHgまでしか上昇しな
かったとする(ただし、これらの数値は基準大気圧を0
mmHgとする相対圧である)。このときもコントロー
ルユニットでは、リーン空燃比の運転域での加速時に、
目標過給圧からの実過給圧のずれ分に応じて目標吸入空
気量を増量補正した値を第2目標吸入空気量として演算
し、その第2目標吸入空気量がエンジンに導入されるよ
うにスロットル弁開度を制御する。同様にして、エンジ
ン回転数、アクセル操作量が一定の条件で、標準エンジ
ンであれば、低地で実過給圧が200mmHgまで上昇
するとしたとき、劣化エンジンになると、実過給圧が1
50mmHgまでしか上昇しなかったとする。このとき
もコントロールユニットでは、リーン空燃比の運転域で
の加速時に、目標過給圧からの実過給圧のずれ分に応じ
て目標吸入空気量を増量補正した値を第2目標吸入空気
量として演算し、その第2目標吸入空気量がエンジンに
導入されるようにスロットル弁開度を制御する。つま
り、高度変化による大気圧変化やエンジン個体差による
実過給圧の違いで実過給圧が50mmHgも小さくなる
と、これに対応して空気量の増量補正値が大きくなるた
め、このときの第2目標吸入空気量が、スロットル弁を
全開にしたときの空気量を超えるときは、第2目標吸入
空気量の全てをエンジンに導入できないことになり、吸
入空気量の不足が生じてしまう。この空気量不足により
ドライバがトルク不足を感じてアクセルペダルを踏み増
ししても、トルク増加が望めないことから、運転性に違
和感が生じる。
【0009】そこで本発明は、標準エンジンを基準大気
圧のもとで使用する場合の実過給圧を、高度変化による
大気圧変化やエンジン個体差に依存しない推定値(演算
値)で与え、基準大気圧からの実過給圧推定値のずれ分
に応じて目標吸入空気量を補正した値を第2目標吸入空
気量として演算し、その第2目標吸入空気量がエンジン
に導入されるようにスロットル弁開度を制御することに
より、または実過給圧をセンサにより検出する場合に、
エアフローメータ上流圧(大気圧)を検出するセンサを
追加し、基準大気圧からの大気圧検出値のずれ分に応じ
て目標過給圧を減量補正し、この減量補正された目標過
給圧からの実過給圧検出値のずれ分に応じて過給圧補正
値を演算することにより、リーン空燃比の運転域かつ高
地における高負荷領域での加速時やリーン空燃比の運転
域かつ劣化エンジンでの加速時に、アクセルペダルを踏
み増ししてもトルク増加が望めないことによる運転性の
違和感を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図23に
示すように、アクセルペダルと関係なくスロットル弁の
開度を制御可能な装置31と、所定の運転域でリーン空
燃比となる目標当量比tDMLを演算する手段32と、
理論空燃比の得られる燃料量をこの目標当量比tDML
で補正して目標燃料量を演算する手段33と、この目標
燃料量をエンジンに供給する手段34と、理論空燃比で
の目標吸入空気量を基準目標吸入空気量として演算する
手段35と、この基準目標吸入空気量を前記目標当量比
tDMLで除算した値を目標吸入空気量tTPとして演
算する手段36と、前記リーン空燃比の運転域で目標過
給圧が得られるように作動する過給機37と、標準エン
ジンを基準大気圧(たとえば標準大気圧)のもとで使用
する場合の実過給圧推定値Pcrを演算する手段38
と、前記リーン空燃比の運転域での加速時に、基準大気
圧とこの実過給圧推定値Pcrのずれ分に応じた過給圧
補正値ηpを演算する手段39と、この過給圧補正値η
pで前記目標吸入空気量tTPを増量補正した値を第2
目標吸入空気量tTP´として演算する手段40と、こ
の第2目標吸入空気量tTP´がエンジンに導入される
ように前記スロットル弁制御装置31を駆動する手段4
1とを設けた。
【0011】第2の発明では、第1の発明において前記
実過給圧推定値Pcrの前記加速時の変化を無駄時間と
一次遅れで近似する。
【0012】第3の発明では、第1の発明において前記
実過給圧推定値Pcrの前記加速時の変化を無駄時間と
一次遅れで近似するとともに、無駄時間のあいだ減量補
正する。
【0013】第4の発明では、第3の発明において前記
減量補正量が、前記加速時のアクセル操作量の所定時間
当たりの変化量に応じた値である。
【0014】第5の発明では、第3の発明において前記
減量補正量が、エンジンの負荷と回転数に応じた値であ
る。
【0015】第6の発明では、第1の発明において前記
実過給圧推定値Pcrの前記加速時の変化を無駄時間と
ランプ応答で近似する。
【0016】第7の発明では、第6の発明において前記
ランプ応答の所定時間当たり変化量をエンジンの負荷と
回転数に応じて設定する。
【0017】第8の発明は、図24に示すように、アク
セルペダルと関係なくスロットル弁の開度を制御可能な
装置31と、所定の運転域でリーン空燃比となる目標当
量比tDMLを演算する手段32と、理論空燃比の得ら
れる燃料量をこの目標当量比tDMLで補正して目標燃
料量を演算する手段33と、この目標燃料量をエンジン
に供給する手段34と、理論空燃比での目標吸入空気量
を基準目標吸入空気量として演算する手段35と、この
基準目標吸入空気量を前記目標当量比tDMLで除算し
た値を目標吸入空気量tTPとして演算する手段36
と、前記リーン空燃比の運転域で目標過給圧Pcmが得
られるように作動する過給機37と、標準エンジンを基
準大気圧(たとえば標準大気圧)のもとで使用する場合
の目標過給圧Pcmを演算する手段51と、大気圧を検
出する手段52と、基準大気圧とこの大気圧検出値のず
れ分に応じて前記目標過給圧Pcmを減量補正する手段
53と、実過給圧を検出する手段54と、前記リーン空
燃比の運転域での加速時に、前記減量補正した目標過給
圧Pcmとこの実過給圧検出値PCRのずれ分に応じた
過給圧補正値ηpを演算する手段55と、この過給圧補
正値ηpで前記目標吸入空気量tTPを増量補正した値
を第2目標吸入空気量tTP´として演算する手段40
と、この第2目標吸入空気量tTP´がエンジンに導入
されるように前記スロットル弁制御装置31を駆動する
手段41とを設けた。
【0018】
【発明の効果】リーン空燃比の運転域に過給機を作動さ
せる領域が重なる場合に、リーン空燃比の運転域で加速
を行ったとき、過給圧の応答遅れにより、実過給圧が目
標過給圧より遅れて立ち上がるのであるが、このとき、
第1の発明によれば、過給圧補正値により目標吸入空気
量よりも大きくなった第2目標吸入空気量がエンジンに
導入され、これによって、過給圧の応答遅れに伴う空気
量不足によるトルク落ちを避けることができる。言い換
えると、リーン空燃比の運転域での加速時にも、理論空
燃比の運転域での加速時と同じパターンのトルク変化を
実現できることから、設定空燃比が異なることによる運
転性の違いを解消できる。
【0019】この場合に、実過給圧をセンサにより検出
し、目標過給圧からの実過給圧検出値のずれ分に応じて
過給圧補正値を演算するのでは、標準エンジンでも高地
の場合に過給圧補正値が低地の場合より大きくなり、あ
るいは低地でも劣化エンジンの場合に過給圧補正値が標
準エンジンの場合より大きくなり、これによってスロッ
トル弁開度が、大きくなる側に補正される(つまりスロ
ットル弁開度が高度変化による大気圧変化やエンジン個
体差に依存する)ところ、空気量を増量補正するといっ
ても、スロットル弁の全開位置以上に空気量を増やすこ
とができないため、リーン空燃比の運転域かつ高地にお
ける高負荷領域での加速時やリーン空燃比の運転域かつ
劣化エンジンでの加速時にはアクセルペダルを踏み増し
してもトルクを増加させることができず、運転性に違和
感を与えてしまうことがあるのであるが、第1の発明で
は、実過給圧推定値が、高度変化による大気圧変化やエ
ンジン個体差に依存しない演算値であるため、高地にな
っても低地と同じ値の過給圧補正値が演算され、あるい
は劣化エンジンになっても標準エンジンと同じ値の過給
圧補正値が演算されるため、運転性に違和感を与えるこ
とがない。第1の発明によれば、リーン空燃比の運転域
かつ高地における高負荷領域での加速時やリーン空燃比
の運転域かつ劣化エンジンでの加速時にアクセルペダル
を踏み増しすれば、その踏み増し分に応じてトルクを増
加させることができるのである。
【0020】第2の発明によれば、実過給圧の加速時の
変化を精度よく近似できる。
【0021】第3の発明によれば、実過給圧の加速初期
の変化をも精度よく近似できる。
【0022】第4の発明によれば、アクセル操作量の動
きに合わせて実過給圧の加速初期の変化を精度よく近似
できる。
【0023】第5の発明によれば、エンジンの負荷と回
転数に関係なく実過給圧の加速初期の変化を精度よく近
似できる。
【0024】第6の発明によれば、実過給圧推定値を演
算する際の演算負荷とROM容量を小さくできる。
【0025】第7の発明によれば、エンジンの負荷と回
転数に関係なく実過給圧の加速時の変化を簡易に近似で
きる。
【0026】第8の発明では、実過給圧検出値が高度変
化による大気圧変化やエンジン個体差により低下したと
き、この低下分に対応する大気圧補正値により目標過給
圧が減量補正され、これによって、大気圧変化やエンジ
ン個体差による実過給圧検出値の違いがあっても過給圧
補正値が同じになるので、リーン空燃比の運転域かつ高
地における高負荷領域での加速時やリーン空燃比の運転
域かつ劣化エンジンでの加速時にアクセルペダルを踏み
増しすれば、その踏み増し分に応じてトルクを増加させ
ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1において 1はエンジン本
体、2は吸気通路、3は排気通路、4は燃焼室5に直接
に臨んで設けられた燃料噴射弁、6は点火栓、7はスロ
ットル弁、8はこのスロットル弁7の開度を電子制御す
るスロットル弁制御装置である。
【0028】エンジンにはターボチャージャ11を備え
る。ターボチャージャ11は、吸気を圧縮するコンプレ
ッサ12と、このコンプレッサ12を駆動する力を排気
エネルギーから吸収するタービン13とを同軸14でつ
ないだものである。過給圧が設定圧力を超えることを防
止するため、タービン13入口の排気を、タービン13
をバイパスして流すウェイストゲートバルブ15が設け
られている。
【0029】アクセルセンサ22からのアクセル操作量
(アクセルペダルの踏み込み量のこと)、クランク角セ
ンサ23からの単位クランク角毎のポジション信号およ
び基準位置信号からの各信号が、エアフローメータ24
からの吸入空気流量、水温センサ25からの冷却水温の
各信号とともにコントロールユニット21に入力され、
コントロールユニット21では、燃料噴射弁4を介して
燃料噴射(空燃比)を制御し、またスロットル弁制御装
置8を介してスロットル弁7の開度を制御する。
【0030】ここで、燃料噴射の制御内容の概略を説明
すると、燃料噴射弁4は、低負荷などにおいて、燃料を
圧縮行程の後半に噴射して、これにより、圧縮上死点付
近において、点火栓6の近傍のキャビティに可燃混合気
を形成し、点火栓6による点火に伴い燃料を成層燃焼さ
せ、全体としては空燃比が40を超える超希薄燃焼を行
う。また、高負荷域では、燃料を吸気行程で噴射し、燃
料と空気の混合を早め、燃焼室5の全域を均質的な混合
気で満たし、理論空燃比付近の混合気による均質燃焼を
行う。さらに、成層燃焼域と均質燃焼域との中間負荷域
において、成層燃焼よりも空燃比としては濃いが、理論
空燃比よりは薄い希薄燃焼を行う。
【0031】このように、制御域として空燃比が大きく
異なる3つの領域が存在するので、各領域での燃焼状態
を、空燃比の大きな側(リーン側)から、成層燃焼、均
質リーン燃焼、均質ストイキ燃焼という。
【0032】さて、均質リーン燃焼域の一部に過給を行
う領域を重ねている場合に(図9参照)、過給圧変化が
大きくなる均質リーン燃焼域での加速時に、過給圧の応
答遅れにより吸入空気量の立ち上がりが遅れるため、均
質ストイキ燃焼域での同レベルの加速時とはトルクの立
ち上がりが異なってしまう。
【0033】これに対処するため、リーン空燃比の運転
域での加速時に、目標過給圧からの実過給圧のずれ分に
応じて目標吸入空気量を増量補正した値を第2目標吸入
空気量として演算し、その第2目標吸入空気量がエンジ
ンに導入されるようにスロットル弁開度を制御すること
により、リーン空燃比の運転域での加速時にも、理論空
燃比の運転域での同レベルの加速時と同じトルクの立ち
上がりが得られるようにすることが考えられる。
【0034】この場合に、実過給圧をセンサにより検出
するのでは、高度変化による大気圧変化やエンジン個体
差による実過給圧の違いがあるときも、標準大気圧状態
(基準大気圧状態)および標準エンジン状態のときと同
じリーン空燃比の運転域での加速時の空気量増量補正が
行われる。
【0035】しかしながら、空気量を増量補正するとい
っても、スロットル弁の全開位置以上に空気量を増やす
ことができないため、リーン空燃比の運転域かつ高地に
おける高負荷領域での加速時やリーン空燃比の運転域か
つ劣化エンジンでの加速時にはアクセルペダルを踏み増
ししてもトルクを増加させることができず、運転性に違
和感を与えてしまうことがあるので、これに対処するた
めコントロールユニット21では、実過給圧推定値を、
高度変化による大気圧変化やエンジン個体差に依存しな
い演算値で与え、標準大気圧からのこの実過給圧推定値
のずれ分に応じて目標吸入空気量を補正した値を第2目
標吸入空気量として演算し、その第2目標吸入空気量が
エンジンに導入されるようにスロットル弁開度を制御す
る。
【0036】コントロールユニット21で実行されるこ
の制御の内容を、以下のフローチャートにしたがって説
明する。
【0037】まず図2は、スロットル弁の目標開度tT
PSを演算するためのもので、一定時間毎(たとえば4
ms毎)に実行する。
【0038】なお、アクセル操作量とエンジン回転数に
基づいてスロットル弁の目標開度を演算するという基本
的な部分は先願装置(特願平9−38773号)ですで
に開示している。
【0039】ステップ1ではアクセル操作量APSとエ
ンジン回転数Neに基づいてドライバ(運転者)の要求
する吸入空気量を演算する。具体的には予め実験的に得
ているドライバ要求吸入空気量のデータ(図3参照)
を、アクセル操作量APSとエンジン回転数Neとをパ
ラメータとするマップにして記憶しておき、そのマップ
から検索する方法であってよい。
【0040】ステップ2ではアイドル回転の安定のため
に必要な吸入空気量を演算し、このアイドル安定化のた
めに必要な吸入空気量を、ステップ3において上記のド
ライバ要求吸入空気量に加算し、その加算値を基準目標
吸入空気量とする。
【0041】このようにして得られる基準目標吸入空気
量は、均質ストイキ燃焼域でそのときのアクセル操作量
とエンジン回転数に見合った目標トルクが得られる吸入
空気量である。
【0042】基準目標吸入空気量として、本実施形態で
は、1吸気行程毎の吸入空気量に対応する均質ストイキ
燃焼時の基本噴射パルス幅を用いているが、1吸気行程
毎の吸入空気量そのもの、単位時間毎の吸入空気量、こ
れら吸入空気量に対応する均質ストイキ燃焼時の燃料量
のいずれを用いてもよい。
【0043】ステップ4では、この基準目標吸入空気量
を目標当量比tDML(求め方は図15により後述す
る)と燃費率補正係数FCrateとで補正し、目標吸
入空気量tTPを演算する。具体的には
【0044】
【数1】tTP=(基準目標吸入空気量/tDML)×
FCrate の式により目標吸入空気量tTPを演算する。
【0045】この結果、目標吸入空気量tTPは、目標
当量比tDML(つまり目標空燃比)で、そのときのア
クセル操作量とエンジン回転数に見合った目標トルクが
得られる吸入空気量となる。
【0046】なお、数1式の燃費率補正係数FCrat
eは、図4に示したように目標当量比tDMLが1.0
より小さくなるほど(つまり理論空燃比よりリーン側に
なるほど)、1.0より小さくなる値である。数1式に
よりリーン側になるほど目標吸入空気量tTPが減量補
正されるようにしているのは、リーン側になるほど燃費
率がよくなるので、そのぶん目標吸入空気量が少なくて
良いからである。
【0047】ステップ5では、標準大気圧からの実過給
圧のずれ分に応じて目標吸入空気量tTPを増量補正し
た値を第2目標吸入空気量tTP´として演算する。こ
の第2目標吸入空気量tTP´の演算については図7に
より説明する。
【0048】図7のフローチャートは図2のステップ5
のサブルーチンで、これも一定時間毎に実行する。
【0049】ステップ11では実過給圧推定値を演算す
る。この演算については図8により説明する。図8のフ
ローチャートは図7のステップ11のサブルーチンで、
一定時間毎に実行する。
【0050】ステップ21では、エンジン負荷としての
基準目標吸入空気量とエンジン回転数から、予め設定し
てある燃焼状態毎のマップを検索して基準過給圧を求め
る。
【0051】ここで、基準過給圧とは標準エンジンを標
準大気圧(760mmHg)のもとで使用した場合に得
られる平衡状態での過給圧のことである。また、燃焼状
態には、成層燃焼、均質リーン燃焼、均質ストイキ燃焼
の3つがあり、図9に示したように、運転条件に応じて
どの燃焼状態とするかは予め決められている。燃焼状態
が違えば実過給圧が異なるので、各燃焼状態に対応して
基準過給圧のマップを持たせており、したがって、各燃
焼状態に対応する基準過給圧を求めるのである。なお、
全ての燃焼状態に共通する基準過給圧の概略の特性は、
図10に示したようになる(基準目標吸入空気量が大き
くなるほど、またエンジン回転数が高くなるほど大きな
値となる)。
【0052】さて、実過給圧の加速時の変化を図12上
段にモデル的に示すと、基準過給圧Pchがステップ変
化するのに対して、実過給圧はターボラグにより無駄時
間の後に一次遅れで増加する。しかも、加速時には無駄
時間のあいだで実過給圧がステップ変化する前よりも低
下する。そこで、こうした実過給圧の加速時の変化を近
似するため、無駄時間のあいだはアクセル操作量APS
の所定時間当たりの変化量に応じた減量補正を行うとと
もに、無駄時間後は基準過給圧の加重平均値を求める。
【0053】具体的には、図8のステップ22で現在の
燃焼状態が図9に示すいずれの燃焼状態であるかをみ
て、現在の燃焼状態が成層燃焼であるときは、ステップ
23、24に進み、成層燃焼に対する基準過給圧Pch
1をPchに、成層燃焼に対する加重平均係数Kr1を
Krに入れる。同様にして、現在の燃焼状態が均質リー
ン燃焼であるときは、ステップ25、26に進み、均質
リーン燃焼に対する基準過給圧Pch2をPchに、均
質リーン燃焼に対する加重平均係数Kr2をKrに、ま
た現在の燃焼状態が均質ストイキ燃焼であるときは、ス
テップ27、28に進み、均質ストイキ燃焼に対する基
準過給圧Pch3をPchに、均質ストイキ燃焼に対す
る加重平均係数Kr3をKrにそれぞれ入れる。
【0054】上記の加重平均係数Kr1、Kr2、Kr
3は、図12上段において、無駄時間後の実過給圧の立
ち上がりの程度を定めるもので、全ての燃焼状態に共通
する加重平均係数の概略の特性は、図11に示したもの
となる。
【0055】図8のステップ29では、このようにして
得た基準過給圧Pchと加重平均係数Krを用いて、
【0056】
【数2】 Pcr0=Kr×Pch+(1−Kr)×Pcr0-1 ただし、Pcr0-1:Pcr0の前回値の式により基準
過給圧の加重平均値Pcr0を求めるとともに、ステッ
プ40で無駄時間補償を行う。加速時の無駄時間補償
は、たとえば、
【0057】
【数3】Pcr=Pcr0−ΔAPS×K ただし、K:正の定数の式で無駄時間補償を行い、その
無駄時間補償後の値を実過給圧推定値Pcrとする(図
12上段の破線参照)。
【0058】ここで、数3式右辺第2項のΔAPSはア
クセル操作量APSの所定時間当たりの変化量で、加速
時にはΔAPSが正となるため、加速直後に数3式の右
辺第2項の分だけ実過給圧が加速直前の値より小さくな
る。加速直後の圧力低下分(数3式の右辺第2項)をΔ
APSに依存させるようにしたのは、ΔAPS(つまり
スロットル開度の変化速度)が大きくなるほど、無駄時
間内における圧力低下分も大きくなるからである。な
お、数3式の第2項目による減量補正は、予め定めた無
駄時間内だけで行うようにすることはいうまでもない。
【0059】これに対して減速時は、図12下段のよう
に通常の無駄時間補償を行う(図12下段の破線参
照)。
【0060】なお、数3式第2項の定数Kは簡単には一
定値でもよいが、図13のようにエンジンの負荷と回転
数に応じた可変値で設定してもかまわない。図13によ
ればΔAPSが同じでも、低負荷低回転域のほうが高負
荷高回転域よりも圧力低下が大きくなる。
【0061】これで、実過給圧推定値Pcrが求まった
ので、図7に戻り、ステップ12に進む。ステップ12
では
【0062】
【数4】ηp=Pcr/標準大気圧 の式により過給圧補正値ηpを算出し、ステップ13に
おいてこの補正値ηpを目標吸入空気量tTPに乗算し
た値を第2目標吸入空気量tTP´(=ηp×tTP)
として求める。実過給圧推定値Pcrは基準過給圧Pc
hに基づいて作られるため、高地では必ず標準大気圧以
上の値となり、均質リーン燃焼域における加速時に数4
式より過給圧補正値ηpが1.0以上の値となる。した
がって補正値ηpにより目標吸入空気量tTPが増量補
正された値が第2目標吸入空気量tTP´となる(図1
4参照)。
【0063】このようにして第2目標吸入空気量tTP
´が求まったら図2に戻り、ステップ6に進む。ステッ
プ6では、第2目標吸入空気量tTP´に基づいてスロ
ットル弁の目標開口面積を演算し、この目標開口面積に
応じてスロットル弁の目標開度tTPSをステップ7に
おいて演算する。具体的には、第2目標吸入空気量tT
P´とエンジン回転数から図5を内容とするマップを検
索してスロットル弁の目標開口面積を求め、この目標開
口面積から図6を内容とするテーブルを検索してスロッ
トル弁の目標開度tTPSを求める。
【0064】この目標開度tTPSの信号は前述のスロ
ットル弁制御装置8に入力され、これによってスロット
ル弁制御装置8は、スロットル弁7の実開度TPSが目
標開度tTPSと一致するようにスロットル弁7を駆動
する。
【0065】次に、図15は目標当量比tDMLを演算
するためのもので、上記の図2とは独立に一定時間毎に
実行する。
【0066】ステップ41では、エンジン負荷としての
基準目標吸入空気量とエンジン回転数に基づいて、さら
に冷却水温をも考慮して基準目標当量比tDML0を演
算する。具体的には、基準目標吸入空気量とエンジン回
転数から図16を内容とするマップを検索して求めれば
よい。なお、図16は、図9に示した3つの燃焼状態の
各領域毎に異なる数値を入れたものである。たとえば、
均質ストイキ燃焼域には1.0の値が、均質リーン燃焼
域には0.7〜0.8程度の値が、成層燃焼域にはこれ
以下の小さな正の値が入っている。
【0067】ステップ42では、当量比の位相が実際に
吸入される空気の位相に合うように補正する。この位相
補正を1次遅れとして扱うのであれば、
【0068】
【数5】tDML=Kt×tDML0+(1−Kt)×
tDML-1 ただし、Kt:加重平均係数 tDML-1:tDMLの前回値 の式により目標当量比tDMLを演算すればよい。
【0069】数5式の加重平均係数Ktはたとえば基準
目標吸入空気量とエンジン回転数から図17を内容とす
るマップを検索して求める。
【0070】このようにして得られた目標当量比tDM
Lを用いて、図示しないフローチャートにおいては、
【0071】
【数6】TI=TP×tDML×2+TS ただし、TP:基本噴射パルス幅、 TS:無効噴射パルス幅 の式により、従来と同様にシーケンシャル噴射時の燃料
噴射パルス幅TIが演算される。
【0072】数6式のTPはエアフローメータ24によ
り検出される吸入空気流量Qaをエンジン回転数Neで
除算した結果に定数を掛けた値で、このTPによりほぼ
理論空燃比の混合気が得られる。TSはバッテリ電圧の
低下により燃料噴射パルス幅が小さくなっていくことを
補償するための値である。
【0073】このTIを持つ噴射信号が燃料噴射弁4に
出力されると、噴射弁4からはエンジン2回転に1回、
点火順序に合わせて燃料が噴射される。
【0074】このように、本実施形態では、均質リーン
燃焼域での加速時に、過給圧補正値ηpが1.0以上の
値となり、第2目標吸入空気量tTP´が目標吸入空気
量tTPよりも大きくなる結果(図14参照)、第2目
標吸入空気量tTP´に基づいて演算されるスロットル
弁の目標開度tTPSが、目標吸入空気量tTPに基づ
いて演算されるスロットル弁開度tTPSよりも大きく
なり、これによって過給圧が発達していない場合でも目
標とする吸入空気量である第2目標吸入空気量tTP´
を導入できることになり、過給圧の応答遅れに伴う空気
量不足によるトルク落ちを避けることができる。
【0075】この場合に、実過給圧をセンサにより検出
し、目標過給圧からの実過給圧検出値のずれ分に応じて
過給圧補正値を演算するのでは、標準エンジンでも高地
の場合に過給圧補正値ηpが低地の場合より大きくな
り、あるいは低地でも劣化エンジンの場合に過給圧補正
値ηpが標準エンジンの場合より大きくなり、これによ
ってスロットル弁開度が大きくなる側に補正される(つ
まりスロットル開度が大気圧やエンジン個体差に依存す
る)ところ、空気量を増量補正するといっても、スロッ
トル弁の全開位置以上に空気量を増やすことができない
ため、リーン空燃比の運転域かつ高地における高負荷領
域での加速時やリーン空燃比の運転域かつ劣化エンジン
での加速時にはアクセルペダルを踏み増ししてもトルク
を増加させることができず、運転性に違和感を与えてし
まうことがある。
【0076】これに対して本実施形態では、実過給圧推
定値Pcrが、高度変化による大気圧変化やエンジン個
体差に依存しない演算値であるため、高地になっても低
地と同じ値の過給圧補正値が演算され、あるいは劣化エ
ンジンになっても標準エンジンと同じ値の過給圧補正値
が演算されるため、運転性に違和感を与えることがな
い。本実施形態によれば、リーン空燃比の運転域かつ高
地における高負荷領域での加速時やリーン空燃比の運転
域かつ劣化エンジンでの加速時にアクセルペダルを踏み
増しすれば、その踏み増し分に応じてトルクを増加させ
ることができるのである。
【0077】図18の波形図は第2実施形態で、第1実
施形態の図12に対応する。第1実施形態では、実過給
圧の加速時の変化を無駄時間と一次遅れで近似したが、
第2実施形態は、実過給圧の加速時の変化を無駄時間と
ランプ応答で近似するようにしたものである。
【0078】第2実施形態によれば、実過給圧推定値の
加速時の演算精度において第1実施形態よりも少々落ち
るものの、第1実施形態より演算負荷、ROM容量を小
さくすることができる。
【0079】なお、ランプ応答における所定時間当たり
の変化量(加速時は増量分、減速時は減量分)は一定値
でもよいが、図19のようにエンジンの負荷と回転数に
応じた可変値で設定してもかまわない。図19によれ
ば、高負荷高回転域のほうが低負荷低回転域よりも所定
時間当たり変化量が大きくなる。
【0080】図20、図21のフローチャートは第3実
施形態で、第1実施形態の図7、図8に置き換わるもの
である。なお、図20において図7と同一部分には同一
のステップ番号を付している。
【0081】第3実施形態は、実過給圧をセンサにより
検出する場合に、エアフローメータ上流圧(大気圧)を
検出するセンサを追加し、標準大気圧からの大気圧検出
値のずれ分に応じて目標過給圧を減量補正し、この減量
補正された目標過給圧からの実過給圧検出値のずれ分に
応じて過給圧補正値を演算することにより、実過給圧を
センサにより検出する場合においても、リーン空燃比の
運転域かつ高地における高負荷領域での加速時やリーン
空燃比の運転域かつ劣化エンジンでの加速時にアクセル
ペダルを踏み増しすれば、その踏み増し分に応じてトル
クを増加させることができるようにしたものである。
【0082】具体的に述べると、図20のステップ51
では、アクセル操作量APSとエンジン回転数Neに基
づいて目標過給圧Pcmを燃焼状態毎に演算する。
【0083】この目標過給圧Pcmの演算については図
21により説明する。図21は図20のステップ51の
サブルーチンで、一定時間毎に実行する。
【0084】図21において、ステップ61では、図8
のステップ31と同じに、エンジン負荷としての基準目
標吸入空気量とエンジン回転数から、予め設定してある
燃焼状態毎のマップを検索して基準過給圧を求める。
【0085】ステップ62、63、64では各基準過給
圧の加重平均値を求めることにより位相補正を行う。具
体的には、成層燃焼、均質リーン燃焼、均質ストイキ燃
焼に対する各基準過給圧をPch1、Pch2、Pch
3とすると、
【0086】
【数7】Pcm1=Kp1×Pch1+(1−Kp1)
×Pcm1-1 Pcm2=Kp2×Pch2+(1−Kp2)×Pcm
-1 Pcm3=Kp3×Pch3+(1−Kp3)×Pcm
-1 ただし、Kp1:成層燃焼での加重平均係数 Kp2:均質リーン燃焼での加重平均係数 Kp3:均質ストイキ燃焼での加重平均係数 Pcm1-1:Pcm1の前回値 Pcm2-1:Pcm2の前回値 Pcm3-1:Pcm3の前回値 の式により3つの基準過給圧の加重平均値Pcm1、P
cm2、Pcm3を求めることができる。
【0087】数7式の加重平均係数Kp1、Kp2、K
p3は、図22第2段目において、目標過給圧の立ち上
がりの程度を定めるもので、全ての燃焼状態に共通する
加重平均係数の概略の特性は、図11に示したものと同
様となる。
【0088】ステップ65では基準目標吸入空気量とエ
ンジン回転数から定まる運転点が、図9に示したいずれ
の燃焼域にあるかを判定し、現在の運転点が成層燃焼域
にあれば、ステップ66に進み、Pcm1を目標過給圧
Pcm0に入れる。同様にして、現在の運転点が均質リ
ーン燃焼域にあるときはステップ67に進んでPcm2
を目標過給圧Pcm0に入れ、また現在の運転点が均質
ストイキ燃焼域にあるときはステップ68に進んでPc
m3を目標過給圧Pcm0に入れる。
【0089】ステップ69では、センサにより検出され
る大気圧(絶対圧)から
【0090】
【数8】大気圧補正値=大気圧センサ値/標準大気圧 の式により大気圧補正値を演算し、この補正値をステッ
プ70において上記の目標過給圧Pcm0に乗算した値
を目標過給圧Pcmとして計算する。
【0091】ここで、高地であれば、大気圧センサ値は
標準大気圧以下となるので、大気圧補正値は高地で必ず
1以下の正の値となる。
【0092】このようにして目標過給圧Pcmを演算し
たら図20に戻り、ステップ52でセンサにより検出さ
れる実過給圧検出値PCRを読み込み、ステップ53で
【0093】
【数9】ηp=Pcm/PCR の式により過給圧補正値ηpを算出する。
【0094】前述のように実過給圧をセンサにより検出
し、目標過給圧からの実過給圧検出値のずれ分に応じて
過給圧補正値を演算するのでは、スロットル弁開度が大
気圧変化やエンジン個体差に依存し、これによって、リ
ーン空燃比の運転での加速時にスロットル弁開度が、大
きくなる側に補正されるところ、第3実施形態では、実
過給圧検出値が大気圧変化やエンジン個体差により低下
したとき、この低下分に対応する大気圧補正値により目
標過給圧が減量補正され、これによって、大気圧変化や
エンジン個体差による実過給圧検出値の違いがあっても
過給圧補正値が同じになるので、リーン空燃比の運転域
かつ高地における高負荷領域での加速時やリーン空燃比
の運転域かつ劣化エンジンでの加速時にアクセルペダル
を踏み増しすれば、その踏み増し分に応じてトルクを増
加させることができるのである。
【0095】実施形態では、均質リーン燃焼域の一部に
過給領域がある場合の均質リーン燃焼域における加速に
ついて説明したが、均質リーン燃焼域の全部に過給領域
がある場合の均質リーン燃焼域における加速のほか、成
層燃焼域の一部や全部に過給領域がある場合の成層燃焼
域における加速についても、本発明を適用することがで
きる。
【0096】実施形態では、基準大気圧として標準大気
圧の場合で説明したが、これに限られるものでない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の制御システム図。
【図2】スロットル弁目標開度の演算を説明するための
フローチャート。
【図3】ドライバ要求吸入空気量の特性図。
【図4】燃費率補正係数の特性図。
【図5】スロットル弁目標開口面積の特性図。
【図6】スロットル弁目標開度の特性図。
【図7】第2目標吸入空気量の演算を説明するためのフ
ローチャート。
【図8】実過給圧の演算を説明するためのフローチャー
ト。
【図9】燃焼状態の領域図。
【図10】基準過給圧の特性図。
【図11】加重平均係数の特性図。
【図12】実過給圧の過渡時の変化を示す波形図。
【図13】定数Kの特性図。
【図14】第1実施形態の作用を説明するための波形
図。
【図15】目標当量比の演算を説明するためのフローチ
ャート。
【図16】基準目標当量比の特性図。
【図17】加重平均係数の特性図。
【図18】第2実施形態の実過給圧の過渡時の変化を示
す波形図。
【図19】ランプ応答の所定時間当たり変化量の特性
図。
【図20】第3実施形態の第2目標吸入空気量の演算を
説明するためのフローチャート。
【図21】目標過給圧の演算を説明するためのフローチ
ャート。
【図22】第3実施形態の作用を説明するための波形
図。
【図23】第1の発明のクレーム対応図。
【図24】第8の発明のクレーム対応図。
【符号の説明】
4 燃料噴射弁 7 スロットル弁 8 スロットル弁制御装置 11 ターボチャージャ(過給機) 21 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風間 勇 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3G084 AA04 BA05 BA09 BA13 CA04 DA04 DA05 EA08 EA11 EB02 EC03 FA01 FA10 FA12 FA18 FA26 FA33 3G092 AA01 AA06 AA09 AA18 BA01 BA05 BA06 BB03 DC03 DE03S DF01 DG07 EA02 EA05 EA06 EA07 EA08 EA16 EA17 EB06 EC07 FA03 FA08 GA12 GB06 HA01Z HA07Z HA11Z HA16Z HE01Z HG08Z 3G301 HA01 HA04 HA11 HA16 JA03 JA12 JA13 KA07 KA12 KB05 LA03 LB04 MA01 MA11 NA00 NA01 NA06 NA09 NB02 NB05 NB06 ND42 NE06 NE13 NE14 NE15 NE21 NE23 PA01Z PA07Z PA09Z PA17Z PE01Z PE03Z PE04Z PE08Z PF03Z PF04Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクセルペダルと関係なくスロットル弁の
    開度を制御可能な装置と、 所定の運転域でリーン空燃比となる目標当量比を演算す
    る手段と、 理論空燃比の得られる燃料量をこの目標当量比で補正し
    て目標燃料量を演算する手段と、 この目標燃料量をエンジンに供給する手段と、 理論空燃比での目標吸入空気量を基準目標吸入空気量と
    して演算する手段と、 この基準目標吸入空気量を前記目標当量比で除算した値
    を目標吸入空気量として演算する手段と、 前記リーン空燃比の運転域で目標過給圧が得られるよう
    に作動する過給機と、 標準エンジンを基準大気圧のもとで使用する場合の実過
    給圧推定値を演算する手段と、 前記リーン空燃比の運転域での加速時に、基準大気圧と
    この実過給圧推定値のずれ分に応じた過給圧補正値を演
    算する手段と、 この過給圧補正値で前記目標吸入空気量を増量補正した
    値を第2目標吸入空気量として演算する手段と、 この第2目標吸入空気量がエンジンに導入されるように
    前記スロットル弁制御装置を駆動する手段とを設けたこ
    とを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】前記実過給圧推定値の前記加速時の変化を
    無駄時間と一次遅れで近似することを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】前記実過給圧推定値の前記加速時の変化を
    無駄時間と一次遅れで近似するとともに、無駄時間のあ
    いだ減量補正することを特徴とする請求項1に記載のエ
    ンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】前記減量補正量は、前記加速時のアクセル
    操作量の所定時間当たりの変化量に応じた値であること
    を特徴とする請求項3に記載のエンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】前記減量補正量は、エンジンの負荷と回転
    数に応じた値であることを特徴とする請求項3に記載の
    エンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】前記実過給圧推定値の前記加速時の変化を
    無駄時間とランプ応答で近似することを特徴とする請求
    項1に記載のエンジンの制御装置。
  7. 【請求項7】前記ランプ応答の所定時間当たり変化量を
    エンジンの負荷と回転数に応じて設定することを特徴と
    する請求項6に記載のエンジンの制御装置。
  8. 【請求項8】アクセルペダルと関係なくスロットル弁の
    開度を制御可能な装置と、 所定の運転域でリーン空燃比となる目標当量比を演算す
    る手段と、 理論空燃比の得られる燃料量をこの目標当量比で補正し
    て目標燃料量を演算する手段と、 この目標燃料量をエンジンに供給する手段と、 理論空燃比での目標吸入空気量を基準目標吸入空気量と
    して演算する手段と、 この基準目標吸入空気量を前記目標当量比で除算した値
    を目標吸入空気量として演算する手段と、 前記リーン空燃比の運転域で目標過給圧が得られるよう
    に作動する過給機と、 標準エンジンを基準大気圧のもとで使用する場合の目標
    過給圧を演算する手段と、 大気圧を検出する手段と、 基準大気圧とこの大気圧検出値のずれ分に応じて前記目
    標過給圧を減量補正する手段と、 実過給圧を検出する手段と、 前記リーン空燃比の運転域での加速時に、前記減量補正
    した目標過給圧とこの実過給圧検出値のずれ分に応じた
    過給圧補正値を演算する手段と、 この過給圧補正値で前記目標吸入空気量を増量補正した
    値を第2目標吸入空気量として演算する手段と、 この第2目標吸入空気量がエンジンに導入されるように
    前記スロットル弁制御装置を駆動する手段とを設けたこ
    とを特徴とするエンジンの制御装置。
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