JP2000220074A - 繊維用処理剤および繊維構造物の製造方法 - Google Patents

繊維用処理剤および繊維構造物の製造方法

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JP2000220074A
JP2000220074A JP11326558A JP32655899A JP2000220074A JP 2000220074 A JP2000220074 A JP 2000220074A JP 11326558 A JP11326558 A JP 11326558A JP 32655899 A JP32655899 A JP 32655899A JP 2000220074 A JP2000220074 A JP 2000220074A
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compound
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silicone
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Toshinori Hara
稔典 原
Jiro Amano
慈朗 天野
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    • DTEXTILES; PAPER
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Abstract

(57)【要約】 【課題】繊維構造物の撥水の耐久性や深色化効果を向上
し、より実用特性に優れた繊維構造物を製造する。 【解決手段】フッ素系化合物および/またはシリコーン
系化合物が超臨界流体またはそれに類する流体に含有さ
れてなる繊維処理剤を用いて繊維構造物を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維構造物の撥水
加工の耐久性や深色化効果を向上する加工に適する、超
臨界流体またはそれに類する流体を利用した繊維用処理
剤とそれを用いる繊維構造物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維構造物の撥水性や深色性を向
上させるためには繊維構造物表面にフッ素系および/ま
たはシリコーン系化合物を含有した加工剤を付与するこ
とが行われてきた。このような方法は合成繊維の撥水性
向上や深色化に不可欠のものであるが、より高い撥水の
耐久性やより大きい深色化効果が継続して求められてい
る。ここで上記加工剤を従来の方法で用いた場合に撥水
の耐久性や深色化効果が不足する要因の一つは、このよ
うな方法ではフッ素系化合物および/またはシリコーン
系化合物が繊維構造物の内部ではなく繊維構造物の表面
のみに存在しているために繊維構造物と加工剤界面が剥
離しやすいことや、同じ化合物が繊維構造物の表面を完
全に被覆できていないことがあった。
【0003】さらに従来は繊維構造物の撥水性や深色性
を向上させる加工は染色後の繊維構造物を乾燥させてか
ら行われており、生産効率やエネルギー消費の点で改善
の余地があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、繊維構造物
の撥水の耐久性や深色化効果を向上する加工において、
従来の加工剤よりも優れた特性を得ることができる繊維
用処理剤およびそれを用いる繊維構造物の製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維処理剤およ
び繊維構造物の製造方法は、以下の構成を有する。
【0006】すなわち、本発明の繊維用処理剤は、フッ
素系化合物および/またはシリコーン系化合物が超臨界
流体またはそれに類する流体中に含有されてなるもので
ある。
【0007】また、本発明の繊維構造物の製造方法は、
フッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物が超
臨界流体またはそれに類する流体中に含有されてなる処
理剤を用いて繊維構造物を処理するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてフッ素系化合物と
は、化学構造中にフッ素原子を含む化合物一般をいう。
例としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パー
フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの水溶
性フッ素系界面活性剤、パーフルオロアルキル含有オリ
ゴマー、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物
などの油溶性フッ素系界面活性剤、フッ素含有ビニルモ
ノマーを重合した撥水撥油加工剤または塗料、四フッ化
エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・エチレ
ン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン・パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム、フッ素系
熱可塑性エラストマー、フッ素含有芳香族化合物などを
挙げることができる。
【0009】本発明においては、超臨界流体またはそれ
に類する流体への溶解性と、繊維構造物の内部への移行
の容易さから、なかでもパーフルオロアルキル含有オリ
ゴマー、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物
などの油溶性フッ素系界面活性剤を用いることが好まし
い。
【0010】本発明においてシリコーン系化合物とは、
化学構造中にシロキサン結合を有する化合物一般をい
う。例としては、ポリジメチルシロキサン、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン、アミノ変性、エポキシ変
性、カルボキシル変性、第4級アンモニウム塩変性、高
級アルキル変性、フッ素変性などの各種変性シリコー
ン、上記シリコーンと親水基を結合させたシリコーン系
界面活性剤、シリコーンゴム、シリコーン系熱可塑性エ
ラストマーなどを挙げることができる。
【0011】本発明においては、超臨界流体またはそれ
に類する流体への溶解性と、繊維構造物の内部への移行
の容易さから、なかでもポリジメチルシロキサン、メチ
ルハイドロジェンポリシロキサン、アミノ変性シリコー
ンのうちの少なくとも一つを用いることが好ましい。ま
た同じ理由で、上記シリコーン系化合物の分子量は、1
0万以下が好ましい。
【0012】本発明においては、フッ素系化合物および
/またはシリコーン系化合物の持つ機能の中で、実用上
重要性の高いものは撥水性向上と深色化であるので、こ
れらの化合物は撥水剤または深色化剤であることが好ま
しい。ここで撥水剤とは繊維構造物が水に濡れにくくな
るような加工剤の総称であり、深色化剤とは繊維構造物
がより深い色に見えるようになる加工剤の総称である。
【0013】本発明のフッ素系化合物および/またはシ
リコーン系化合物の分子量は、1000以上であること
が好ましい。この理由は、分子量がこれ以上であると繊
維構造物を構成する高分子中に化合物が強固に固定さ
れ、高度な耐久性が得られるからである。より望ましく
は、分子量は5000以上であることが好ましい。この
理由は、分子量がこれ以上であると繊維構造物を構成す
る高分子中に化合物がさらに強固に固定され、使用条件
が高温になるような条件下でも高度な耐久性が得られる
からである。本発明においては、超臨界流体を用いるこ
とにより、特にこのように大きな分子量の化合物を繊維
構造物内部に吸尽させられることが特徴である。通常の
水を溶媒として用いた加工では、繊維構造物内部に吸尽
させられる化合物の分子量は500程度までであり、長
期間の使用や熱処理により化合物が表面に移行しやす
い。
【0014】分子量の上限は特に限定されずに用いるこ
とができるが、高々20万程度までのものが好適であ
る。この理由は、これ以上の分子量のものは超臨界流体
への溶解度が非常に低く、繊維構造物への吸尽が難しく
なるからである。
【0015】分子量が1000以上である化合物の繊維
構造物内部への吸尽を確認する方法としては、フッ素系
化合物および/またはシリコーン系化合物が超臨界流体
またはそれに類する流体中に含有されてなる繊維用処理
剤中で繊維構造物を処理した後、繊維構造物の断面切片
を作成し、X線マイクロアナライザー(XMA)などの
手法を用いて単繊維断面内部にフッ素原子および/また
はケイ素原子が検出されるかどうか確認すればよい。
【0016】本発明において超臨界流体とは、臨界温度
および臨界圧力を超えた温度および圧力下の流動体をい
う。この状態は気相および液相のどちらに属するともい
えない状態であり、密度は液体と同程度であるにもかか
わらず、気体と同程度の運動性を持つ。このため、超臨
界流体には種々の薬剤が液体と同様に溶解可能であり、
かつ繊維構造物の細部まで浸透しやすいという利点もあ
る。また超臨界流体は圧力を下げることにより気体とな
り、その現象を利用して容易に溶解物を分離できるとい
う利点もある。
【0017】また、本発明でいう超臨界流体に類する流
体とは、通常の繊維加工で用いられる装置の圧力より十
分高い、例えば1Mpa以上の高圧状態にある気体また
は液体の状態の流動体をいう。このような高圧状態にあ
る流動体は、超臨界流体と同様に種々の薬剤を溶解可能
であり、かつ繊維構造物の細部まで浸透しやすいため、
本発明において超臨界流体と同様の作用を有する。
【0018】本発明における超臨界流体またはそれに類
する流体の媒体、すなわち超臨界流体またはそれに類す
る流体の状態にして用いる物質の例としては、二酸化炭
素、窒素、水、エタノールなどが挙げられるが、超臨界
流体の状態にする条件の容易さや安全性の面から二酸化
炭素を用いるのが最も好ましい。また、二酸化炭素は繊
維構造物に多量に吸尽されて、繊維構造物を膨潤させる
効果が大きいこともこの物質を用いる利点である。な
お、二酸化炭素の臨界温度は31.1℃、臨界圧力は
7.2Mpaである。
【0019】本発明において、フッ素系化合物および/
またはシリコーン系化合物が超臨界流体またはそれに類
する流体に含有されてなるとは、フッ素系化合物および
/またはシリコーン系化合物が超臨界流体またはそれに
類する流体に溶解、分散、乳化などして含まれることを
いう。本発明ではこのフッ素系化合物および/またはシ
リコーン系化合物が含有されてなる超臨界流体またはそ
れに類する流体を特に繊維用処理剤として用いる。
【0020】次に、この繊維用処理剤を用いた繊維構造
物の製造方法について説明する。本発明に係る繊維構造
物の製造方法は、前記繊維用処理剤を用いて繊維構造物
を処理するものである。
【0021】本発明における繊維構造物としては、天然
繊維、再生繊維、半合成繊維、合繊繊維のうち少なくと
も一つからなるフィラメント、紡績糸、織物、編物、不
織布などを用いることができる。天然繊維としては綿、
獣毛繊維、絹、麻など、再生繊維としてはセルロース系
再生繊維のレーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ
(銅アンモニアレーヨン)など、半合成繊維としてはセ
ルロース系半合成繊維としてアセテート(トリアセテー
ト)など、また合成繊維としてはポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、アラミドなどの各種繊維を挙げることが
できる。
【0022】なかでも、撥水の耐久性や深色化効果が求
められる汎用繊維の中でポリエステル繊維またはナイロ
ン繊維が最も実用面で重要であるため、これらの繊維を
含有する繊維構造物を用いることがより有効である。ポ
リエステル繊維またはナイロン繊維を含有する繊維構造
物としては、ポリエステル繊維またはナイロン繊維のみ
からなるもの以外に、綿、羊毛などの天然繊維、アセテ
ートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、ナイ
ロンなどの合成繊維のうち少なくとも一つとポリエステ
ル繊維またはナイロン繊維を混紡または交撚、交織、交
編などしたものなどが含まれる。
【0023】このような繊維構造物を、フッ素系化合物
および/またはシリコーン系化合物が超臨界流体または
それに類する流体に含有されてなる処理剤を用いて処理
することで、繊維構造物内部および/または表面にフッ
素系化合物および/またはシリコーン系化合物を付与す
る。この処理剤は、少なくともフッ素系化合物および/
またはシリコーン系化合物と超臨界流体またはそれに類
する流体とを含有する。本発明の繊維構造物の製造方法
では、フッ素系化合物および/またはシリコーン系化合
物が超臨界流体またはそれに類する流体に含有されてな
る処理剤を特に繊維構造物に対して用いることで、フッ
素系化合物および/またはシリコーン系化合物が繊維構
造物内部にも吸尽され、繊維構造物とより強い結合が得
られることが利点となる。この理由は、超臨界流体また
はそれに類する流体では繊維構造物を構成する高分子に
超臨界流体またはそれに類する流体が大量に吸尽されて
膨潤が起こり、構造が緩和されているためと考えられ
る。
【0024】また、超臨界流体またはそれに類する流体
は温度と圧力を変化させることで、含有された化合物の
溶解性や分散性を大きく変化させることが容易であり、
この性質を利用してフッ素系化合物および/またはシリ
コーン系化合物をより効率的に繊維構造物に付与するこ
ともできる。すなわち、処理工程の初期にはできる限り
多量のフッ素系化合物および/またはシリコーン系化合
物を超臨界流体またはそれに類する流体に含有できる条
件を用い、処理工程の後期にはできる限りフッ素系化合
物および/またはシリコーン系化合物が超臨界流体に存
在しにくい条件に変化させる。このような方法の例とし
ては、処理工程の後期に初期よりも圧力を低下させて、
フッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物の超
臨界流体またはそれに類する流体への溶解性や分散性な
どを低下させて繊維構造物内部への移行を促進する方法
を挙げることができる。さらに、上記圧力低下を急速に
行えば、超臨界流体またはそれに類する流体中に残留し
たフッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物を
瞬時に繊維構造物表面上に析出させ、繊維構造物をフッ
素系化合物および/またはシリコーン系化合物で効率的
かつ完全に被覆することもできる。
【0025】本発明では、本発明の繊維処理剤に染料を
含有させ、染色と同時にフッ素系化合物および/または
シリコーン系化合物を繊維構造物に付与することもでき
る。この方法を用いると繊維構造物の処理プロセスをよ
り短縮できるため、生産効率向上やエネルギー消費削減
の面で非常に有利になる。
【0026】本発明において、繊維構造物を上記処理剤
で処理する形態は、繊維構造物を装置に充填し、その装
置に超臨界流体またはそれに類する流体の状態にして用
いる物質を注入して圧力と温度を調整し、その状態中に
フッ素系化合物および/またはシリコーン系化合物を同
じ超臨界流体またはそれに類する流体に含有させて導入
するなどすればよい。このフッ素系化合物および/また
はシリコーン系化合物を超臨界流体またはそれに類する
流体に含有させるため、処理槽とは別にもう一つの槽を
設けることが好ましい。
【0027】本発明においては、フッ素系化合物および
/またはシリコーン系化合物の付与をより効率的に行う
ために、繊維構造物を充填する装置は超臨界流体または
それに類する流体を循環させる設備、繊維構造物を循環
させる設備、またはその両者を備えていることが好まし
い。ここで超臨界流体またはそれに類する流体を循環さ
せるには、繊維構造物を充填した容器へ媒体を注入する
配管と排出する配管を取付け、それをポンプでつないで
駆動するなどすればよい。また、繊維構造物を循環させ
るには、繊維構造物を充填する容器中で超臨界流体また
はそれに類する流体を流動させて繊維構造物を回転させ
るなどすればよい。
【0028】超臨界流体またはそれに類する流体の状態
にして用いる物質として二酸化炭素を用いる場合、好ま
しくは圧力は10Mpa以上、温度は40℃以上が好ま
しい。この理由は圧力がこれより小さいと超臨界流体ま
たはそれに類する流体へのフッ素系化合物および/また
はシリコーン系化合物の溶解度が小さいからである。ま
た温度がこれより低いと繊維構造物へのフッ素系化合物
および/またはシリコーン系化合物の吸尽速度が小さい
からである。
【0029】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0030】なお、実施例および比較例における測定は
以下の方法で行った。 <薬剤付与率の測定>処理前と処理後のサンプルの絶乾
重量を測定し、次式により算出した。
【0031】 薬剤付与率(%)=100×(W1−W0)/W0 W0:処理前のサンプルの絶乾重量(g) W1:処理後のサンプルの絶乾重量(g) <耐久撥水性試験>JIS L 1092において、洗
濯処理方法としてC法、試験の種類として撥水度試験
(スプレー試験)を用いて行った。ここで洗濯処理は同
じ処理を50回繰り返した。 <深色化効果の測定>測色計によりL*値を測定し、処
理前後の差の絶対値をΔLとした。 [実施例1]ポリエステルタフタ布帛片(180℃中間
セット後布帛、糸使い:経糸、緯糸とも総繊度83デシ
テックス(75デニール)−36マルチフィラメント、
織密度:経98×緯84本/inch、目付:70g/
2)50gを内容積500mlの高圧容器に充填した
後、二酸化炭素を容器に注入しながら温度を40℃に上
昇させた。さらにその温度を保ったまま二酸化炭素を継
続して注入し、圧力を20Mpaとした。
【0032】次に上記高圧容器に連結された別の内容積
100mlの高圧容器にフッ素系化合物としてパーフル
オロアルキル含有オリゴマー(分子量3000)を0.
5g充填した後、同様に温度を40℃、圧力を20Mp
aとした。その後、繊維構造物が充填された高圧容器と
フッ素系化合物が充填された高圧容器の間の弁を開き、
さらに2つの容器に連結された循環ポンプを起動してフ
ッ素系化合物を繊維構造物が充填された容器に導入し
た。
【0033】それから温度を130℃に上昇し、その条
件を30分保った後、次の30分で徐々に二酸化炭素を
排出した。この後、上記サンプルへの薬剤付与率を測定
したところ、それは0.90%であった。
【0034】処理後のサンプルについて上記耐久撥水性
試験を行った結果、洗濯処理後の撥水性の評点は100
点であり、撥水の耐久性が非常に高い繊維構造物が得ら
れた。 [実施例2]フッ素系化合物の代わりにシリコーン系化
合物として分子量1万のメチルハイドロジェンポリシロ
キサンを用いることを除いては実施例1と同様に行っ
た。
【0035】結果、薬剤付与率は0.84%、撥水性の
評点は100点であり、撥水の耐久性が非常に高い繊維
構造物が得られた。 [比較例1]実施例1と同じ布帛片にフッ素含有ビニル
モノマーを重合した撥水撥油加工剤であるアサヒガード
AG−710(旭硝子社製)を布帛重量に対して固形分
が1%付与されるようにパディング法で付与し、130
℃で2分間乾燥した後150℃で1分間キュアーした。
【0036】処理後のサンプルについて同様に耐久撥水
性試験を行った結果、撥水性の評点は90点であり、実
施例1または2に比較して低い撥水の耐久性しか得られ
なかった。 [実施例3]フッ素系化合物に加えて、染料として市販
染料Resolin Blue BBLS(ダイスタージャパン社製)を
0.5g同時に充填することを除いては実施例1と同様
に行った。
【0037】結果、フッ素系化合物と染料とを合わせた
薬剤吸尽率は1.33%で、撥水性の評点は100点で
あり、染色されており、かつ撥水の耐久性が非常に高い
繊維構造物が得られた。 [実施例4]フッ素系化合物の代わりにシリコーン系化
合物として分子量1万のメチルハイドロジェンポリシロ
キサンを用いることを除いては実施例3と同様に行っ
た。
【0038】結果、フッ素系化合物と染料とを合わせた
薬剤吸尽率は1.26%で、撥水性の評点は100点で
あり、染色されており、かつ撥水の耐久性が非常に高い
繊維構造物が得られた。 [実施例5]ポリエステルタフタ布帛片(180℃中間
セット後布帛、糸使い:経糸、緯糸とも総繊度83デシ
テックス(75デニール)−36マルチフィラメント、
織密度:経98×緯84本/inch、目付:70g/
2)50gを、染料として市販染料Vitasil Black T-M
B(松浦社製)を2.5g用いて常法で黒色に染色し
た。このときの染料吸尽率は染色前の布帛片に対して
4.12%、染色後のL*値は15.2であった。
【0039】この染色された布帛片を用いて、実施例1
と同様に布帛片の処理を行った。この場合の上記サンプ
ルへの薬剤付与率は染色後の布帛片に対して0.89%
であった。
【0040】処理後のサンプルについて上記深色化効果
の測定を行った結果、L*値は13.1で、染色後布帛
のL*値に対する差ΔLが2.1であり、深色化効果が
非常に高い加工ができた。 [実施例6]フッ素系化合物の代わりにシリコーン系化
合物として分子量1万のメチルハイドロジェンポリシロ
キサンを用いることを除いては実施例5と同様に行っ
た。
【0041】結果、薬剤付与率は0.80%、で、L*
値は13.8で、染色後布帛のL*値に対する差ΔLが
1.4であり、深色化効果が高い加工ができた。 [比較例2]実施例5と同様に染色した布帛片にフッ素
含有ビニルモノマーを重合した撥水撥油加工剤で、かつ
深色化効果も有するアサヒガードAG−710(旭硝子
社製)を布帛重量に対して固形分が1%付与されるよう
にパディング法で付与し、130℃で2分間乾燥した後
150℃で1分間キュアーした。
【0042】処理後のサンプルについて同様に深色化効
果の測定を行った結果、L*値は14.2で、染色後布
帛のL*値に対する差ΔLが1.0であり、実施例5ま
たは6に比較して低い深色化効果しか得られなかった。 [実施例7]フッ素系化合物に加えて、染料として市販
染料Vitasil Black T-MB(松浦社製)を2.5g同時に
充填することを除いては実施例1と同様に行った。
【0043】結果、フッ素系化合物と染料とを合わせた
薬剤吸尽率は4.92%、L*値は13.0であり実施
例5に記載の染色後布帛のL*値(15.2)に対する
差ΔLは2.2となり、深色化効果が非常に高い加工が
できた。 [実施例8]フッ素系化合物の代わりにシリコーン系化
合物として分子量1万のメチルハイドロジェンポリシロ
キサンを用いることを除いては実施例7と同様に行っ
た。
【0044】結果、フッ素系化合物と染料とを合わせた
薬剤吸尽率は4.84%、L*値は13.6であり実施
例5に記載の染色後布帛のL*値(15.2)に対する
差ΔLは1.6となり、深色化効果が非常に高い加工が
できた。 [実施例9]温度を130℃で30分保った後、二酸化
炭素を2分間で急速に排出することを除いては実施例5
と同様に行った。この場合の上記サンプルへの薬剤付与
率は染色後の布帛片に対して0.95%であった。
【0045】処理後のサンプルについて同様に深色化効
果の測定を行った結果、L*値は13.0であり実施例
5に記載の染色後布帛のL*値(15.2)に対する差
ΔLが2.2であり、深色化効果が非常に高い加工がで
きた。 [実施例10]フッ素系化合物の代わりにシリコーン系
化合物として分子量1万のメチルハイドロジェンポリシ
ロキサンを用いることを除いては実施例9と同様に行っ
た。
【0046】結果、薬剤付与率は0.92%、L*値は
13.3であり実施例5に記載の染色後布帛のL*
(15.2)に対する差ΔLが1.9であり、深色化効
果が非常に高い加工ができた。 [実施例11]実施例1でフッ素系化合物により処理さ
れた後のポリエステル布帛片を分解した単糸を用いて断
面切片を作成し、X線マイクロアナライザー(XMA)
を用いて単繊維断面内部にフッ素原子が検出されるかど
うか確認した。結果、繊維断面内部領域のみに分析範囲
を絞った測定で、明らかにフッ素原子の存在が検出で
き、分子量3000のフッ素系化合物が繊維内部に吸尽
されることが確認できた。 [実施例12]実施例2でシリコーン系化合物により処
理された後のポリエステル布帛片を分解した単糸を用い
て断面切片を作成し、X線マイクロアナライザー(XM
A)を用いて単繊維断面内部にケイ素原子が検出される
かどうか確認した。結果、繊維断面内部領域のみに分析
範囲を絞った測定で、明らかにケイ素原子の存在が検出
でき、分子量1万のシリコーン系化合物が繊維内部に吸
尽されることが確認できた。 [比較例3]比較例1でアサヒガードAG−710で処
理された後のポリエステル布帛片を分解した単糸を用い
て断面切片を作成し、X線マイクロアナライザー(XM
A)を用いて単繊維断面内部にフッ素原子が検出される
かどうか確認した。結果、繊維断面内部領域のみに分析
範囲を絞った測定では、フッ素原子は検出されず、パデ
ィング法ではフッ素化合物は繊維内部に吸尽できないこ
とが確認できた。
【0047】
【発明の効果】本発明の繊維用処理剤と繊維構造物の製
造方法によれば、フッ素系化合物および/またはシリコ
ーン系化合物が超臨界流体またはそれに類する流体に含
有されてなることによって、該化合物を繊維内部にも導
入でき、撥水の耐久性や深色化効果を大きく向上するこ
とができる。また本発明では染色と同時に該化合物を繊
維構造物に付与することができ、生産効率向上やエネル
ギー消費削減の点で有利となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D06P 1/52 D06P 1/52 5/08 5/08 Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フッ素系化合物および/またはシリコーン
    系化合物が超臨界流体またはそれに類する流体中に含有
    されてなることを特徴とする繊維用処理剤。
  2. 【請求項2】該超臨界流体またはそれに類する流体が二
    酸化炭素を媒体とすることを特徴とする請求項1記載の
    繊維用処理剤。
  3. 【請求項3】該フッ素系化合物および/または該シリコ
    ーン系化合物が撥水剤であることを特徴とする請求項1
    または2記載の繊維用処理剤。
  4. 【請求項4】該フッ素系化合物および/または該シリコ
    ーン系化合物が深色化剤であることを特徴とする請求項
    1または2記載の繊維用処理剤。
  5. 【請求項5】該フッ素系化合物および/または該シリコ
    ーン系化合物の分子量が1000以上であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維用処理剤。
  6. 【請求項6】フッ素系化合物および/またはシリコーン
    系化合物が超臨界流体またはそれに類する流体中に含有
    されてなる繊維用処理剤中で繊維構造物を処理すること
    を特徴とする繊維構造物の製造方法。
  7. 【請求項7】該超臨界流体またはそれに類する流体が二
    酸化炭素を媒体とすることを特徴とする請求項6記載の
    繊維構造物の製造方法。
  8. 【請求項8】該フッ素系化合物および/または該シリコ
    ーン系化合物が撥水剤であることを特徴とする請求項6
    または7記載の繊維構造物の製造方法。
  9. 【請求項9】該フッ素系化合物および/または該シリコ
    ーン系化合物が深色化剤であることを特徴とする請求項
    6または7記載の繊維構造物の製造方法。
  10. 【請求項10】該フッ素系化合物および/または該シリ
    コーン系化合物の分子量が1000以上であることを特
    徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の繊維用処理
    剤。
  11. 【請求項11】染色と同時に繊維構造物を処理すること
    を特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載の繊維構
    造物の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項6〜11のいずれかにおいて、該
    処理の後期に圧力を低下させることを特徴とする繊維構
    造物の製造方法。
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