JP2001172524A - 染料組成物および繊維構造物の染色方法 - Google Patents

染料組成物および繊維構造物の染色方法

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JP2001172524A
JP2001172524A JP36060999A JP36060999A JP2001172524A JP 2001172524 A JP2001172524 A JP 2001172524A JP 36060999 A JP36060999 A JP 36060999A JP 36060999 A JP36060999 A JP 36060999A JP 2001172524 A JP2001172524 A JP 2001172524A
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fiber structure
fiber
dyeing
fluid
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Toshinori Hara
稔典 原
Jiro Amano
慈朗 天野
Masaki Azuma
雅樹 東
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、従来よりも優れた染色堅牢度を有す
る染色物を提供することができる染料組成物およびそれ
を用いてなる繊維構造物の染色方法を提供せんとするも
のである。 【解決手段】本発明の染料組成物は、分子量が550以
上である染料が、二酸化炭素を媒体とする超臨界流体中
に含有されていることを特徴とするものである。また、
本発明の繊維構造物の染色方法は、かかる染料組成物中
で、繊維構造物を処理することを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高堅牢度染色物を
提供することができる染料組成物とそれを用いてなる繊
維構造物の染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維構造物の染色は、染料を分散
または溶解などした水系の処理液を用いて行われてき
た。このような方法は加工が容易であるが、より高い染
色堅牢度や色濃度への要求は継続してある。特に近年大
きな発展を遂げたポリエステルマイクロファイバーを用
いた新合繊素材ではその要求がより大きい。
【0003】また、最近の環境への配慮の意識の高まり
から、染料や加工剤などを大量に含んだ廃液処理コスト
が低減できる方法として、二酸化炭素を媒体とする超臨
界流体を繊維構造物の染色に利用し、排水ゼロの染色を
行う試みがすでに始められている(特開平4−2459
81号公報)。
【0004】しかしこの染色方法で用いられている染料
は、通常の水を媒体とする染色で用いることのできる染
料の一部であり、例えば染色堅牢度を改善するような、
特殊な染料を用いるわけではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、従来よりも優れた染色堅牢度を有す
る染色物を提供することができる染料組成物およびそれ
を用いてなる繊維構造物の染色方法を提供せんとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の染料組成物は、分子量が550
以上である染料が、二酸化炭素を媒体とする超臨界流体
またはそれに類する流体に含有されていることを特徴と
するものである。
【0007】また、本発明の繊維構造物の染色方法は、
かかる染料組成物中で、繊維構造物を処理することを特
徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり優れ
た染色堅牢度を有する染色物を提供することができる染
料組成物について、鋭意検討し、超臨海流体という特定
な流体と、特定な分子量を有する染料とを組合せてみた
ところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したも
のである。
【0009】本発明において超臨界流体またはそれに類
する流体とは、臨界温度および臨界圧力を超えた温度お
よび圧力の状態にある流動体をいう。この状態は気相お
よび液相のどちらに属するともいえない状態であり、密
度は液体と同程度であるにもかかわらず、気体と同程度
の運動性を持つ。このため、超臨界流体には種々の薬剤
が液体と同様に溶解可能であり、特に分散染料をよく溶
解するため、ポリエステル繊維構造物の染色に利用する
ことが可能である。
【0010】本発明で超臨界流体の媒体に用いる物質の
例としては、二酸化炭素、窒素、水、エタノールなどが
挙げられるが、超臨界流体の状態にする条件の容易さや
安全性の面から二酸化炭素を用いるのが最も好ましい。
ここで、二酸化炭素の臨界温度は31.1℃、臨界圧力
は7.2Mpaであるが、通常の繊維加工で用いられる
装置の圧力より十分高い、例えば1Mpa以上の高圧状
態にある気体または液体の状態の流動体も、超臨界流体
と同様の作用を有するため、本発明ではこのような流動
体をそれに類する流体として用いることも可能である。
【0011】また本発明では、二酸化炭素を媒体とする
超臨界流体またはそれに類する流体の作用を高めるた
め、エントレーナーとしてメタノール、アンモニア、水
など、他の媒体を添加して用いることもできる。
【0012】本発明では優れた染色堅牢度、特に摩擦堅
牢度を得るため、分子量が550以上の染料を用いる。
この理由は分子量の小さい染料は繊維内部に吸尽されて
も移動しやすく、長期間の使用や熱処理などによって繊
維表面に移行しやすいためである。このようにして繊維
表面に移行した染料は、摩擦により他の物体に移行し、
それを汚染する。分子量が550以上という大きな染料
は、繊維を構成する高分子中に強固に固定され、表面へ
の移行速度が大幅に減少する。
【0013】本発明においては、超臨界流体またはそれ
に類する流体を用いることにより、特にこのように大き
な分子量の染料を繊維構造物内部に吸尽させられること
が特徴である。通常の水を溶媒として用いた加工では、
繊維構造物内部に吸尽させられる化合物の分子量は50
0程度までである。
【0014】用いる染料の種類としては、繊維構造物の
染色に用いられる染料一般を用いることができるが、中
でも分散染料、油溶性染料、有機顔料などを用いること
が好ましい。この理由は二酸化炭素を媒体とする超臨界
流体またはそれに類する流体には上記のような疎水性の
染料が特に溶解しやすいためである。
【0015】用いる染料の系統としては、アゾ系、アン
トラキノン系、キノリン系、クマリン系、メチン系、ア
ミノケトン系、縮合アゾ系、フタロシアニン系、ピレン
系、ペリレン系などの系統に属する各種分散染料、油溶
性染料、有機顔料のうち、分子量が550以上のものを
挙げることができる。またはカラーインデックスで規定
される、C.I.ディスパースイエロー、C.I.ディ
スパースオレンジ、C.I.ディスパースレッド、C.
I.ディスパースバイオレット、C.I.ディスパース
ブルー、C.I.ディスパースブラウン、C.I.ディ
スパースグリーン、C.I.ディスパースブラック、あ
るいはC.I.ソルベントイエロー、C.I.ソルベン
トオレンジ、C.I.ソルベントレッド、C.I.ソル
ベントバイオレット、C.I.ソルベントブルー、C.
I.ソルベントブラウン、C.I.ソルベントグリー
ン、C.I.ソルベントブラック、さらにははC.I.
ピグメントイエロー、C.I.ピグメントオレンジ、
C.I.ピグメントレッド、C.I.ピグメントバイオ
レット、C.I.ピグメントブルー、C.I.ピグメン
トブラウン、C.I.ピグメントグリーン、C.I.ピ
グメントブラック、C.I.ピグメントホワイトなどの
各番号で示される各種染料のうち分子量が550以上の
ものを使用することができる。
【0016】これら分子量が550以上の染料は通常の
染色加工法では繊維構造物にほとんど吸尽されないた
め、通常の染色では用いることができないが、本発明に
おいては、超臨界流体またはそれに類する流体を用いる
ことにより、特にこのように大きな分子量の染料を繊維
内部に吸尽させられることが特徴である。
【0017】また、このような分子量が550以上の染
料の中には、摩擦堅牢度のみならず、耐光性や耐薬品性
など各種特性にも優れたものも多く、これらを繊維構造
物の染色で利用することができ、かつ、その耐光堅牢度
などを向上させることができることが、本発明のもう一
つの特徴である。 かかる耐光性や耐薬品性が優れた染
料としては、クマリン系、縮合アゾ系、フタロシアニン
系、ピレン系、ペリレン系などの系統に属する各種分散
染料、油溶性染料、有機顔料のうち、分子量が550以
上のものを使用することができる。
【0018】なお、分子量が550以上の染料の一部
は、繊維の構造を緩和する有機化合物を水に添加して行
うキャリヤー染色において、繊維構造物内部に吸尽され
る可能性がある。しかし、このキャリヤー染色では、キ
ャリヤーが繊維内部へ残留しやすく、これが染色堅牢度
を低下させるため、本発明のように優れた堅牢度を得る
ことは難しい。また近年の環境問題への意識の高まりか
ら、キャリヤー染色を行うのは現状では非常に困難であ
る。
【0019】本発明において、分子量が550以上であ
る染料が、二酸化炭素を媒体とする超臨界流体またはそ
れに類する流体に含有されているとは、該染料が二酸化
炭素を媒体とする超臨界流体またはそれに類する流体に
溶解、分散、乳化などして含まれていることをいうもの
である。本発明では、この分子量が550以上である染
料が、二酸化炭素を媒体とする超臨界流体またはそれに
類する流体に含有されている流体を、特に繊維用処理剤
として用いるものである。
【0020】次に、この染料組成物を用いた繊維構造物
の染色方法について説明する。本発明に係る繊維構造物
の染色方法は、前記染料組成物を用いて繊維構造物を処
理するものである。
【0021】本発明における繊維構造物としては、天然
繊維、再生繊維、半合成繊維、合繊繊維のうち少なくと
も一つからなるフィラメント、紡績糸、織物、編物、不
織布などを用いることができる。天然繊維としては綿、
獣毛繊維、絹、麻など、再生繊維としてはセルロース系
再生繊維のレーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ
(銅アンモニアレーヨン)など、半合成繊維としてはセ
ルロース系半合成繊維としてアセテート(トリアセテー
ト)など、また合成繊維としてはポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、アラミド、フッ素、ポリフェニレンスル
フィドなどの各種繊維を挙げることができる。
【0022】なかでも、高いレベルの染色堅牢度が求め
られる汎用繊維の中で、ポリエステル繊維が最も実用面
で重要であるため、これらの繊維を含有するポリエステ
ル繊維構造物を用いることがより有効である。ポリエス
テル繊維構造物としては、ポリエステル繊維のみからな
るもの以外に、綿、羊毛などの天然繊維、アセテートな
どの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、ナイロンな
どの合成繊維のうち少なくとも一つとポリエステル繊維
を混紡または交撚、交織、交編などしたものなどが含ま
れる。
【0023】さらに、本発明は該ポリエステル繊維構造
物が単糸繊度0.5デシテックス以下の繊維を含有して
なる場合、非常に有効となる。この理由は、このように
繊度が小さく表面積が大きいポリエステル繊維では、表
面への染料の移行が速いために摩擦堅牢度が劣悪な場合
が多いからである。本発明により、分子量が550以上
の染料を上記繊維に吸尽させれば、このような染料は繊
維を構成する高分子中に強固に固定されるため、高い摩
擦堅牢度が得られる。また、上記のような繊度が小さい
ポリエステル繊維では、耐光堅牢度も一般に劣悪である
ため、本発明により分子量が550以上の染料の中で耐
光性に優れるものを用いて染色することで、やはり高い
耐光堅牢度を得ることができる。
【0024】単糸繊度0.5デシテックス以下の繊維と
しては、直接紡糸法で製造されたもの、複合紡糸法で製
造された繊維の一部を溶出、分割などして得られるもの
などを用いることができる。単糸繊度0.5デシテック
ス以下の繊維を含有してなる繊維構造物としては、該繊
維と通常用いられる2〜10デシテックス程度の繊度の
繊維とを併用したもの、該繊維と高収縮糸を併用したも
の、該繊維と天然繊維を併用したものなどを挙げること
ができる。
【0025】このような繊維構造物を、分子量が550
以上の染料が二酸化炭素を媒体とする超臨界流体または
それに類する流体に含有されてなる染料組成物を用いて
処理することで、繊維構造物内部に該染料を吸尽させて
染色する。この染料組成物は、少なくとも分子量が55
0以上の染料と二酸化炭素を媒体とする超臨界流体また
はそれに類する流体とを含有する。本発明の繊維構造物
の染色方法では、分子量が550以上の染料が二酸化炭
素を媒体とする超臨界流体またはそれに類する流体に含
有されてなる染料組成物を特に繊維構造物に対して用い
ることで、該染料が繊維構造物内部に効率よく吸尽さ
れ、十分な色濃度で染色されるとともに、かつ高い染色
堅牢度、特に摩擦堅牢度が得られることが利点となる。
この理由は、二酸化炭素を媒体とする超臨界流体または
それに類する流体では繊維構造物を構成する高分子に超
臨界流体が大量に吸尽されて膨潤が起こり、構造が緩和
されているためと考えられる。
【0026】また、二酸化炭素を媒体とする超臨界流体
またはそれに類する流体は温度と圧力を変化させること
で、含有された染料の溶解性を大きく変化させることが
容易であり、この性質を利用して染料をより効率的に繊
維構造物に吸尽させることもできる。
【0027】すなわち、処理工程の初期には、できる限
り多量の染料が超臨界流体またはそれに類する流体に溶
解する条件を用い、処理工程の後期には、できる限り染
料が超臨界流体またはそれに類する流体に溶解しにく
く、繊維内部に移行しやすい条件に変化させる。このよ
うな方法の例としては、処理工程の後期に、初期よりも
圧力を低下させて、染料の超臨界流体またはそれに類す
る流体への溶解性を低下させて、繊維構造物内部への移
行を促進する方法を採用することができる。
【0028】ここで、前記後期とは、該処理中に圧力が
最大になってから処理が終了するまでの期間を言う。そ
の際の処理温度は、好ましくは圧力が最大になるときに
同時に最大になることが望ましい。
【0029】本発明では、本発明の染料組成物に耐光
剤、難燃剤、抗菌剤、撥水剤、深色加工剤などの機能加
工剤を含有させ、染色と同時に機能加工剤を繊維構造物
に付与することもできる。この方法を用いると繊維構造
物の処理プロセスをより短縮できるため、生産効率向上
やエネルギー消費削減の面で非常に有利になる。
【0030】本発明において、繊維構造物を上記染料組
成物で処理する形態は、繊維構造物を装置に充填し、そ
の装置に二酸化炭素を注入して超臨界状態またはそれに
類する状態とし、その状態中に染料を同じ超臨界流体ま
たはそれに類する流体に含有させて導入するなどすれば
よい。染料を超臨界状態またはそれに類する状態の二酸
化炭素に含有させるため、処理槽とは別にもう一つの槽
を設けることが好ましい。
【0031】本発明においては、染色をより効率的に行
うために、繊維構造物を充填する装置は超臨界流体また
はそれに類する流体を循環させる設備、繊維構造物を循
環させる設備、またはその両者を備えていることが好ま
しい。ここで超臨界流体またはそれに類する流体を循環
させるには、繊維構造物を充填した容器へ流体を注入す
る配管と排出する配管を取付け、それをポンプでつない
で駆動するなどすればよい。また、繊維構造物を循環さ
せるには、繊維構造物を充填する容器中で超臨界流体ま
たはそれに類する流体を流動させて繊維構造物を回転さ
せるなどすればよい。
【0032】二酸化炭素を媒体とする超臨界流体または
それに類する流体の圧力は、好ましくは10Mpa以
上、より好ましくは25Mpa以上が望ましい。二酸化
炭素を媒体とする超臨界流体またはそれに類する流体の
温度は好ましくは80℃以上、より好ましくは110℃
以上が好ましい。この理由は圧力がこれより小さいと超
臨界流体またはそれに類する流体への染料の溶解度が小
さく、温度がこれより低いと繊維構造物への染料の吸尽
速度が小さいからである。
【0033】また本発明においては、繊維構造物に吸尽
されず染料が残留する場合において染料が繊維表面に付
着して摩擦堅牢度を低下させる場合がある。それを防ぐ
ためには染色後に染料を含まず、繊維構造物から染料が
引き出されない条件の超臨界流体またはそれに類する流
体で一定時間処理することが望ましい。この繊維構造物
から染料が引き出されない条件としては、特に温度を6
0℃以下とすることが望ましい。
【0034】本発明において、分子量が550以上であ
る染料により繊維構造物が確かに染色されたこと、すな
わち染料が繊維構造物を構成する単繊維内部へ吸尽され
ることを確認する方法としては、染色後の繊維構造物の
断面切片を光学顕微鏡で観察するなどすればよい。また
染色された繊維構造物の堅牢度の評価はJISL084
9に規定された摩擦堅牢度、JISL0841〜L08
43に規定された耐光堅牢度などの堅牢度試験法を用い
ればよい。
【0035】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0036】なお、実施例および比較例における測定は
以下の方法で行った。 <摩擦堅牢度>JISL0849に規定された学振形摩
擦試験機を用いた試験を行い、JISグレースケールに
て1〜5級の間で級判定を行った。 <耐光堅牢度>スガ試験機社製スタンダード紫外線ロン
グライフフェードメータを使用し、ブラックパネル温度
83±3℃で200時間紫外線照射を行ない、変褪色の
度合いをグレースケール(級)にて1〜5級の間で級判
定した。 [実施例1]ポリエステルタフタ布帛(180℃中間セ
ット後布帛、糸使い:経糸、緯糸とも総繊度83デシテ
ックス、36マルチフィラメント、織密度:経98×緯
84本/inch、目付:70g/m2)50gを内容積5
00mlの高圧容器に充填した後、二酸化炭素を容器に
注入しながら温度を40℃に上昇させた。さらにその温
度を保ったまま二酸化炭素を継続して注入し、圧力を2
0Mpaとした。
【0037】次に上記高圧容器に連結された別の内容積
100mlの高圧容器に染料としてC.I.ピグメント
バイオレット23(分子量608) を0.5g充填し
た後、同様に温度を40℃、圧力を20Mpaとした。
その後、繊維構造物が充填された高圧容器と染料が充填
された高圧容器の間の弁を開き、さらに2つの容器に連
結された循環ポンプを起動して染料を繊維構造物が充填
された容器に導入した。
【0038】それから温度を130℃に上昇し、その条
件を30分保った後、次の30分で徐々に二酸化炭素を
排出した。さらに繊維表面に付着した染料を洗浄するた
め、再度二酸化炭素を2つの容器に注入し、40℃、2
0Mpaの条件で循環ポンプを起動して10分間処理し
た。この後この布帛に、仕上げセットを想定した160
℃で1分間の熱処理を施した。
【0039】この後、上記サンプルの断面切片を作成し
光学顕微鏡で観察したところ、確かに繊維内部への染料
吸尽が認められた。 [比較例1]実施例1と同じ布帛を、同じ染料を用いて
通常行われる水を媒体とする染色法により染色した。布
帛片重量は50g、染料重量は0.5g、液量は500
mlとし、温度は130℃で60分間の処理を行った。
【0040】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、繊維内部への染
料吸尽は全く認められなかった。 [実施例2]繊維構造物として単糸繊度0.47デシテ
ックスの繊維を用いた平織織物(180℃中間セット後
布帛、糸使い:経糸、緯糸とも総繊度67デシテック
ス、144マルチフィラメント、織密度:経110×緯
90本/inch、目付:60g/m2)50gを用いるこ
とを除いては実施例1と同様に行った。
【0041】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、やはり繊維内部
への染料吸尽が認められた。また同じサンプルについて
摩擦堅牢度試験を行ったところ、その評価は5級で非常
に良好であった。 [比較例2]実施例2と同じ布帛を、C.I.ディスパ
ースブルー60(分子量379)を用いて比較例1と同
様に水を媒体とする染色法により染色した。この後この
布帛を1g/lの水酸化ナトリウムと1g/lのハイド
ロサルファイトを含む液中で80℃で還元洗浄処理し、
さらに130℃で2分間の乾燥と仕上げセットを想定し
た160℃で1分間の熱処理を施した。
【0042】処理後のサンプルについて同様に摩擦堅牢
度試験を行ったところ、その評価は4級で若干劣るもの
であった。 [実施例3]繊維構造物として単糸繊度0.08デシテ
ックスの繊維を用いた平織織物(総繊度110デシテッ
クス、18マルチフィラメント、島数70の海島型複合
繊維を製織し180℃の中間セット後に海成分を除去し
て細繊度化したもの、織密度:経78×緯60本/inc
h、目付:80g/m2)50gを用いることを除いては
実施例1と同様に行った。
【0043】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、やはり繊維内部
への染料吸尽が認められた。また同じサンプルについて
摩擦堅牢度試験を行ったところ、その評価は4級で良好
であった。 [比較例3]実施例3と同じ布帛を、C.I.ディスパ
ースブルー60(分子量379)を用いて比較例2と同
様に水を媒体とする染色法により染色、乾燥、熱処理し
た。
【0044】処理後のサンプルについて同様に摩擦堅牢
度試験を行ったところ、その評価は2級で不良であっ
た。 [実施例4]染料として耐光性に優れるC.I.ピグメ
ントブルー15(分子量576)を用いることを除いて
は、実施例1と同様に行った。
【0045】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、確かに繊維内部
への染料吸尽が認められた。 [比較例4]実施例4と同じ染料を用いることを除いて
は、比較例1と同様に水を媒体とする染色法により染色
した。
【0046】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、繊維内部への染
料吸尽は全く認められなかった。 [実施例5]染料として耐光性に優れるC.I.ピグメ
ントブルー15(分子量576)を用いることを除いて
は、実施例2と同様に行った。
【0047】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、やはり繊維内部
への染料吸尽が認められた。また同じサンプルについて
耐光堅牢度試験を行ったところ、その評価は5級で非常
に良好であった。 [比較例5]比較例2と同様に水を媒体とする染色法に
より染色したサンプルについて同様に耐光堅牢度試験を
行ったところ、その評価は3級で良好とはいえないもの
であった。 [実施例6]染料として耐光性に優れるC.I.ピグメ
ントブルー15(分子量576)を用いることを除いて
は、実施例3と同様に行った。
【0048】処理後のサンプルについて同様に断面切片
を作成し光学顕微鏡で観察したところ、やはり繊維内部
への染料吸尽が認められた。また同じサンプルについて
耐光堅牢度試験を行ったところ、その評価は4級で良好
であった。 [比較例6]比較例3と同様に水を媒体とする染色法に
より染色したサンプルについて同様に耐光堅牢度試験を
行ったところ、その評価は2級で不良であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の染料組成物および繊維構造物の
染色方法によれば、高分子量の染料を繊維構造物の染色
に用いることができ、摩擦堅牢度や耐光堅牢度に優れた
繊維構造物を得ることができる。特に本発明の染料組成
物および繊維構造物の染色方法は堅牢度の低下しやすい
細繊度のポリエステル繊維を含有した繊維構造物の染色
に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H057 AA02 BA81 CA29 CB46 CB49 CC02 DA01 DA17 FA03 FA16 HA02 HA09 JA14 JB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量が550以上である染料が、二酸化
    炭素を媒体とする超臨界流体またはそれに類する流体に
    含有されていることを特徴とする染料組成物。
  2. 【請求項2】分子量が550以上である染料が、二酸化
    炭素を媒体とする超臨界流体またはそれに類する流体に
    含有されて構成されている染料組成物中で、繊維構造物
    を処理することを特徴とする繊維構造物の染色方法。
  3. 【請求項3】該繊維構造物が、ポリエステル繊維構造物
    であることを特徴とする請求項2に記載の繊維構造物の
    染色方法。
  4. 【請求項4】該ポリエステル繊維構造物が、単糸繊度
    0.5デシテックス以下の繊維を含有していることを特
    徴とする請求項3に記載の繊維構造物の染色方法。
  5. 【請求項5】該処理の後期に圧力を低下させることを特
    徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の繊維構造物の
    染色方法。
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