JP4197418B2 - セルロース系繊維構造物の染色方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルロース系繊維構造物の染色方法に関し、さらに詳しくは超臨界または高圧二酸化炭素流体を用いたセルロース系繊維を含む繊維構造物の染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、直接染料または反応性染料を用いたセルロース系繊維の染色は、合成繊維の染色と比べ、染色によるシワの発生や染色ムラの発生が多いため、浴比を大きくして行われているが、この染色方法では染色後の廃液処理問題や大量の染色用水を必要とするという問題があった。環境問題が深刻化する昨今、セルロース系繊維の染色において、水などの資源の節約および硫酸ナトリウムの使用量低減などの環境負荷の少ない染色法が望まれている。
【0003】
近年、環境負荷の少ない染色法として、分散染料可染性の繊維を、超臨界状態の二酸化炭素流体に溶解可能な分散染料を用いて無水で染色する方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。また、セルロース繊維のような分散染料では通常染色できない繊維構造物を染色する方法としては、セルロース系繊維をアミノ基を有する化合物で変性した後、100〜150℃の温度および140〜250bar(14〜25MPa)の圧力で該繊維を反応性分散染料にて染色する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法ではセルロース系繊維を改質により分散染料可染化させた後に超臨界染色が行われるが、事前に溶剤でセルロース系繊維を改質しなければならないため、堅牢度が低く、また風合いが粗硬になるなどの問題がある。また、繊維を予めポリエチレングリコールで前処理した後、分散染料を用いて超臨界流体を溶媒として染色する方法が提案されている(例えば、特許文献4および非特許文献1参照)。しかし、この方法では、均一で十分な染着性が得られにくく、また堅牢な染色物が得られない。また、超臨界またはほぼ臨界の流体中で1種類以上の繊維材料を反応性分散染料で染色する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この方法では、反応性分散染料を用い、流体内の相対湿度を50%〜100%にして超臨界染色が行われるが、284バール(28.4MPa)の超高圧下でセルロース系繊維に水分が付与されるため、高圧下での水の酸性化による被染物の風合いの変化や強度劣化などの問題が生じる。
【0004】
また、綿を超臨界染色するに際し、綿繊維を予め前処理した後、反応型分散染料を用いる超臨界染色方法が報告されている(例えば、特許文献6および非特許文献2参照)。この方法では、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(以下、TEGDMEと称する)やN−メチルピロリドン(以下、NMPと称する)を前処理剤とし、アセトンを二酸化炭素の共溶媒として用い、さらに綿繊維をアルカリ水溶液で処理して染色が行われるが、綿繊維を水溶液で前処理する必要があるため、染色前の被染物の前処理や乾燥工程が必要となり、工程が長くなるなどの欠点があった。またアルカリ水溶液でセルロース系繊維を前処理すると、被染物の風合いが変化し易くなり、また上記TEGDMEは水との親和性が高いため、染色後の堅牢度を低下させる恐れがあった。
このように、セルロース系繊維を含む繊維構造物の染色において、環境負荷が少なく、均一かつ濃色に染色でき、さらに堅牢性に優れる染色方法はいまだ見出されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−245981号公報
【特許文献2】
特開2001−32134号公報
【特許文献3】
特開平8−74185号公報
【特許文献4】
米国特許第5298032号明細書
【特許文献5】
特開2001−316988号公報
【特許文献6】
特開2002−201575号公報
【非特許文献1】
M.L.Colomboらの報告(Proc.5th Meetingon Supercritical Fluids,351(1998))
【非特許文献2】
岡山県新技術振興財団らの報告(平成12年度地域コンソーシアム研究開発事業ベンチャー企業支援型地域コンソーシアム成果報告書)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として、セルロース系繊維を改質することなく、少ない環境負荷で、均一かつ濃色に染色することができる、高堅牢性を有するセルロース系繊維構造物の染色方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、セルロース系繊維の染色工程において、反応型分散染料を用い、かつ助剤として固体アルカリ剤を染色段階の超臨界または高圧の二酸化炭素の染色槽に添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0008】
(1)セルロース系繊維を含む繊維構造物を、二酸化炭素の臨界圧力である7.38MPa以上、25MPa未満の超臨界、または4.0MPa以上、7.38MPa未満の高圧二酸化炭素を媒体として反応型分散染料により染色するに際し、前記媒体中に固体アルカリ剤を添加することを特徴とするセルロース系繊維構造物の染色方法。
(2)前記媒体中にメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールから選ばれる低級アルコールを添加することを特徴とする(1)記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
(3)前記媒体中に無機性/有機性値が1.0〜4.5である環状アミン化合物を添加することを特徴とする(1)または(2)に記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる繊維構造物にはセルロース系繊維が含まれる。またこの繊維構造物の繊維形態には特に制限はなく、例えば、綿、糸、織編物、繊維製品などのいずれの形態であってもよい。セルロース系繊維としては、綿、麻などの天然セルロース繊維、キュプラ・アンモニウムレーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生セルロース繊維、リヨセル(登録商標)などの精製セルロース繊維などの短繊維または長繊維が挙げられる。
本発明において、超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素に7.38MPa以上の圧力および31.1℃以上の温度をかけることにより得られる非凝縮性高密度流体をいう。また高圧二酸化炭素とは、31.1℃で4.0MPa以上、7.38MPa未満のものをいう。
【0010】
本発明に用いられる反応型分散染料としては、セルロース系繊維を染色することができ、かつ超臨界または高圧二酸化炭素に溶解するものであればよく、例えば、檜原利夫;染色工業Vol.36,No10,(P478−488)または特開平9−310288号公報に記載された染料が挙げられる。これらのうち、セルロース繊維用反応基としてハロゲン化トリアジニル基を有する反応型分散染料が好ましく用いられる。より好ましくはクロロトリアジニル基を有するものであり、さらに好ましくはモノフロロトリアジル基を有するものである。染色槽への反応型分散染料の添加は、二酸化炭素の添加前または超臨界もしくは高圧二酸化炭素状態のいずれの段階で行ってもよいが、超臨界または高圧二酸化炭素状態で添加するのが好ましい。
【0011】
本発明の染色方法において、超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として反応型分散染料を用いて染色する際には、セルロース系繊維を均一かつ濃色に染色させ、かつ高堅牢性を得るために、上記媒体中に固体アルカリ剤が添加される。ここで、固体アルカリ剤とは、常温常圧下で固体であり、通常水に溶解させた場合に塩基性を呈する固体物質をいう。このような固体アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられ、これらのうち、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムが好ましい。染色槽ヘの固体アルカリ剤の添加は、二酸化炭素の添加前または超臨界もしくは高圧二酸化炭素流体の状態のいずれの段階で行ってもよいが、好ましくは超臨界または高圧二酸化炭素の状態である。また染色槽に水が存在すると染色が不均一となりやすいため、固体アルカリ剤にはその添加の際に水和物が含有されていないことが好ましい。固体アルカリ剤の添加量は、被染物を均一かつ濃色に染色し、かつ染色後の高堅牢性を得る点からは、投入する反応型分散染料の反応基、例えばハロゲン基のモル数以上とするのが好ましい。固体アルカリ剤を過剰に添加しても染色上問題はないが、未使用染料がそのまま残存することになる。
【0012】
さらに、超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として染色を行う際には、セルロース系繊維を濃色に染色するために、染色槽に低級アルコールおよび無機性/有機性値が1.0〜4.5である環状アミン化合物の少なくとも1種を助剤として添加することが好ましい。染色槽への上記助剤の添加は、二酸化炭素の添加前または超臨界もしくは高圧二酸化炭素状態のいずれの段階で行ってもよいが、超臨界または高圧二酸化炭素の状態で添加するのが好ましい。低級アルコールおよび環状アミン化合物はそれぞれ単独で用いても両者を同時に用いてもよい。
【0013】
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられるが、メタノールおよびエタノールが好ましく用いられる。低級アルコールの添加量は、染色槽の単位容積に対して0.1〜5vol.%の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜2vol.%である。環状アミン化合物としては、無機性/有機性値が1.0〜4.5が好ましく、より好ましくは1.4〜4.0であるものが用いられる。ここで環状アミン化合物の無機性/有機性値は、有機化合物の一般性状を表す値であり、有機化合物は、その数値が小さいほど疎水性になり、大きいほど親水性になることを示す。この値が1.0未満では被染物の染料の未染着や脱落を起こし易く、4.5を超えると染料の色相が変化する場合がある。このような環状アミン化合物としては、NMP、NMMO(4−メチルモルフォリン,N−オキシド)等が挙げられる。環状アミン化合物の添加量は、染色槽の単位容積に対して0.1〜5vol.%の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜3vol.%である。
【0014】
次に、本発明の染色方法について説明する。超臨界の二酸化炭素を媒体とする場合、染色温度は二酸化炭素の臨界温度よりも5℃以上高いのが好ましく、より好ましくは70〜120℃である。染色温度を120℃以上にしても問題はないが、120℃以下で十分に染着可能であり、コスト高を招く。染色圧力は、二酸化炭素の臨界圧力である7.38MPa以上であればよく、好ましくは15〜25MPaである。超臨界状態の雰囲気を作るには、液化二酸化炭素またはドライアイスなどを用い、密閉系にて31.1℃以上で、かつ7.38MPa以上にすればよい。具体的には、例えば、オートクレーブ中に反応型分散染料、被染物および固体アルカリ剤、さらに、好ましくは低級アルコールおよび/または無機性/有機性値が1.0〜4.5の環状アミン化合物などの助剤を入れ、その中にドライアイスまたは液化二酸化炭素などを入れて密閉し、加圧・加温して7.38MPa以上の圧力および31.1℃以上の温度を保持して染色を行う。この際、系中に水が存在すると染色が均一に進まない場合がある。
また高圧二酸化炭素を媒体とする場合は、染色濃度は60℃以上が好ましく、より好ましくは70〜120℃である。染色圧力は4.0MPa以上7.38MPa未満が好ましく、より好ましくは5.0〜7.0MPaである。
【0015】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。染色後の被染物の評価は以下のようにして行った。
1)染色物の測色値
洗浄前およびボイル洗浄後の染色物について、マクベスCOLOR−EYE3000分光光度計を用い、色差式:CIELab法により、K/S(色濃度)値、L(明度)値およびC(彩度)値を測定した。なお、各測定値により、それぞれ下記のように評価される。
K/S値:表面染着濃度を表し、数値が大きいほど濃染である。
L値:明度を表し、数値が大きいほど明るく、淡染である。
C値:彩度を表し、数値が大きいほど鮮やかである。
【0016】
2)洗濯堅牢度評価
洗浄前およびボイル洗浄後の被染物の洗濯堅牢度をJIS L−0884 A−2法に準じ、次のように評価した。すなわち、試験片の変褪色および添付白布片の汚染の程度をそれぞれ変褪色用グレースケールおよび汚染用グレースケールと比較して5級〜1級の5段階で評価した。なお、5級が変褪色または汚染がない場合を示し、数値が小さくなるほど変褪色、汚染が大きくなることを示す。
3)昇華堅牢度評価
ボイル洗浄後の被染物の昇華堅牢度をJIS L−0854に準じ、次のように評価した。すなわち、試験片の変褪色および添付白布片の汚染の程度をそれぞれ変褪色用グレースケールおよび汚染用グレースケールと比較して5級〜1級の5段階で評価した。なお、5級が昇華堅牢度に優れることを示し、数値が小さくなるほど昇華堅牢度に劣ることを示す。
4)総合評価
上記1)〜3)の項目について下記のように総合判断した。
◎:非常に優れている。
○:優れている。
×:不適である
【0017】
実施例1
経糸キュプラ84dtex/45f、緯糸キュプラ110dtex/60f綾織物を常法にて精練し、100℃で1分乾燥した後、経密度98本/2.5cm、緯密度88本/2.54cmの平織物を得た。
次に、容積1000ccのオートクレーブ(材質SUS316)内に該平織物2.8gおよび反応型分散染料(Dyster社SPN598)5%omf.と固体炭酸ナトリウム5%omf.を入れ、さらに液化二酸化炭素780gを投入後、オートクレーブを封入した。次に該オートクレーブを20℃にて15分放置し、オートクレーブ内部が超臨界状態ではないことを確認した後、昇温速度2℃/分にてオートクレーブを昇温した。オートクレーブ内部の温度が120℃、圧力25.0MPaになったことを確認して、120分間温度と圧力を保持し染色を行った。次に、オートクレーブの圧力を1.0MPa/分で減圧を行い5MPaまで減圧後はオートクレーブ内部圧力を大気圧まで開放した。
この結果、紺色に均一に染色され、かつ風合いの変化のない染色物を得た。得られた被染物を80℃で10分洗浄し乾燥後、測色した結果を表1に示したが、洗浄前とボイル洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄による染料脱落が極めて少なかった。また染料脱落は認められず高堅牢性を確認できた。
【0018】
実施例2
実施例1において、平織物をオートクレーブに投入する際に、反応型分散染料(Dyster社SPN598)および固体炭酸ナトリウムと同時にメタノールを10mlを添加し、さらにオートクレーブ内部の温度が117.5℃、圧力25.0MPaになったことを確認して、120分間温度と圧力を保持したこと以外は、実施例1と同条件にて染色を行った。
この結果、紺色に均一に染色され、かつ風合いの変化のない染色物を得た。得られた被染物を沸水洗浄、80℃で10分湯洗し、乾燥後測色した結果を表1に示したが、洗浄前とボイル洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄により染料脱落が極めて少なかった。また染料脱落はほとんど認められず高堅牢性を確認できた。
【0019】
実施例3
実施例1において、平織物をオートクレーブに投入する際に、反応型分散染料(Dyster社SPN598)と固体炭酸ナトリウムと同時にメタノールを10mlおよびNMPを5ml添加し、さらにオートクレーブ内部の温度が125.0℃、圧力25.0MPaになったことを確認して、120分間温度と圧力を保持したこと以外は、実施例1と同条件にて染色を行った。この結果、紺色に均一に染色され、かつ風合いの変化のない染色物を得た。
得られた被染物を沸水洗浄、80℃で10分湯洗し、乾燥後測色した結果を表1に示したが、洗浄前とボイル洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄により染料脱落が極めて少なかった。また染料脱落はほとんど認められず高堅牢性を確認できた。
【0020】
実施例4
実施例1において、平織物をオートクレーブに投入する際に、反応型分散染料(Dyster社SPN598)および固体炭酸ナトリウムと同時にメタノールを10mlとNMMOを30mg添加し、さらにオートクレーブ内部の温度が120.0℃、圧力25.0MPaになったことを確認して、120分間温度と圧力を保持した以外は、実施例1と同条件にて染色を行った。
この結果、紺色に均一に染色された染色物が得られた。得られた被染物を沸水洗浄、80℃で10分湯洗し、乾燥後測色した結果を表1に示したが、洗浄前とボイル洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄により染料脱落が極めて少なかった。また染料脱落はほとんど認められず高堅牢性を確認できた。
【0021】
比較例1
実施例1で得た平織物を、予め、炭酸ナトリウム5%水溶液に含浸した後、マングルで絞り風乾した。容積1000ccのオートクレーブ(材質SUS316)内に風乾後の平織物2.8gおよび反応型分散染料(Dyster社SPN598)5%omfを入れ、さらに液化二酸化炭素780gを投入後、オートクレーブを封入した。次に該オートクレーブを20℃にて15分放置し、オートクレーブ内部が超臨界状態ではないことを確認した後、昇温速度2℃/分にてオートクレーブを昇温した。オートクレーブ内部の温度が120℃、圧力25.0MPaになったことを確認して、120分間温度と圧力を保持し染色を行った。次に、オートクレーブの圧力を1.0MPa/分で減圧を行い5MPaまで減圧後はオートクレーブ内部圧力を大気圧まで開放した。
この結果、染色むらの多い紺色の染色物が得られた。また繊維表面には大量の炭酸ナトリウムの結晶が析出していた。得られた被染物を沸水洗浄、80℃で10分湯洗し、乾燥した結果、析出物は除去されたが染着ムラは改善されなかった。得られた被染物の堅牢度は実施例より1−2級低かった。
【0022】
比較例2
実施例1において、平織物をオートクレーブに投入する際に、固体アルカリを投入せずに、メタノールを10mlおよびNMPを5ml添加し、さらにオートクレーブ内部の温度が120.0℃、圧力25.0MPaになったことを確認して、120分間温度と圧力を保持した以外は、実施例1と同条件にて染色を行った。この結果、紺色に染色された被染物が得られた。得られた被染物を沸水洗浄、80℃で10分湯洗し、乾燥した結果、染料は簡単に布帛から脱落した。
【0023】
【表1】
Figure 0004197418
【0024】
表1の結果より、実施例1〜4では、いずれも洗浄前およびボイル洗浄後の染色物のK/S値、L値、C値共に殆ど差がなく、かつ、洗浄前とボイル洗浄後の洗濯堅牢度が良好な結果が得られ、均一な染色物が得られることが確認された。これに対して、比較例1は染着が低く、かつ染色むらがあるなどの問題があった。また、比較例2は染色後の洗浄で簡単に染料が脱落し、問題があった。
【0025】
【発明の効果】
請求項1〜3に係る発明によれば、セルロース系繊維を含む繊維構造物を、少ない環境負荷で、セルロース系繊維の改質をすることなく、均一かつ濃色に染色でき、また堅牢性に優れた染色物を提供することができる。

Claims (3)

  1. セルロース系繊維を含む繊維構造物を、二酸化炭素の臨界圧力である7.38MPa以上、25MPa未満の超臨界、または4.0MPa以上、7.38MPa未満の高圧二酸化炭素を媒体として反応型分散染料により染色するに際し、前記媒体中に固体アルカリ剤を添加することを特徴とするセルロース系繊維構造物の染色方法。
  2. 前記媒体中にメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールから選ばれる低級アルコールを添加することを特徴とする請求項1記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
  3. 前記媒体中に無機性/有機性値が1.0〜4.5である環状アミン化合物を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
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