JP2006057042A - 含浸処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材の風合いを損なうことなく、一定以上の分子量をもつ含浸物質を基材の内部まで含浸させることができる含浸処理方法を提供すること。
【解決手段】 超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させる含浸処理方法であって、前記含浸物質のGPC測定におけるピーク分子量が1000以上であり、かつ20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100ml以下である共溶媒を前記超臨界二酸化炭素が含有することを特徴とする含浸処理方法を提供することにより、上記課題を解決することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させる含浸処理方法に関する。特に、一定以上の分子量を有する含浸物質を、特定の共溶媒を含有する超臨界二酸化炭素中で基材に含浸させる含浸処理方法に関する。
基材に各種の含浸物質を含浸させることで、基材に各種の処理を施すことができる。このような含浸処理方法として、基材に含浸物質を含む溶液や分散液を接触させる方法が採用されることが多い。例えば、基材に対して撥水処理を行う場合、撥水剤を含む水系エマルジョン、パークレン溶液又は石油系溶液に基材を投入する方法が広く採用されている。しかしながら、水や有機溶剤を媒体として用いるこれらの方法では、例えば基材として天然皮革を用いた場合には、基材の風合いを損ねたり、縮んだりする問題があった。また、この場合、基材に水や有機溶剤が残存しやすく、それらを除去するための乾燥処理に時間がかかっていた。特に、天然皮革は微細な繊維が複雑に絡み合った構造を有するため、水や有機溶剤を媒体として用いる上記の方法では、基材の内部まで撥水剤を含浸させることが困難であり、十分な撥水効果を得ることは容易ではなかった。
特許文献1には、高圧流体を媒体として皮革組織及び繊維内に付与すべき有効成分を浸透させる皮革素材の製造方法が記載されている。当該方法によれば、超臨界二酸化炭素等の高圧流体を媒体とすることで、伸縮性、吸水性等の天然皮革本来の特性を損なわない皮革製品を提供できるとされている。また、単に皮革素材の表面に成分を付着させただけの方法に比べると、有効成分が皮革素材の組織、繊維内の深部まで浸透するので、一旦素材に有効成分が付与された後は不用意に成分が飛散することなく、付与の効果が長時間に亘って保持された皮革製品を提供できるとされている。ここで、使用されている有効成分としては、芳香成分が代表的である。また、皮革に含まれる脂質分等の不純物を抽出するために、低級アルコール等の有機溶剤を補助溶媒として用いるという記載はあるものの、有効成分を含浸させる際に共溶媒を用いるという記載はない。
特許文献2には、分子量が1000以上であってフッ素系化合物及び/又はシリコーン系化合物である撥水剤が、超臨界二酸化炭素に含有されてなる繊維用処理剤中で繊維構造物を処理する繊維構造物の製造方法が開示されている。この製造方法によれば、前記化合物を繊維内部にも導入でき、撥水の耐久性や深色化効果を大きく向上させることができるとされている。ここで、処理される繊維構造物としては、天然繊維、合成繊維等からなる織物、編物、不織布等が挙げられており、なかでもポリエステル繊維又はナイロン繊維を含有する繊維構造物が重要であるとされている。特許文献2において、フッ素系化合物及び/又はシリコーン系化合物は超臨界流体に溶解、分散、乳化等して含まれるとされているが、共溶媒についての記載はない。
特許文献3には、高圧二酸化炭素と極性溶媒を含む混合物が混合時にのみ極めて大きな溶解力を示す特異的共存効果を利用して、高圧二酸化炭素中でビニリデンフルオリド等の撥水剤を溶解して繊維を機能加工する繊維加工方法が記載されている。当該方法によれば、極性溶媒を選択的に添加することで、繊維と二酸化炭素の親和性の制御を行い、従来困難とされてきた繊維及び混紡織物の撥水加工を行うことができるとされている。このとき、高圧二酸化炭素と共に用いられる溶媒はメタノール、アセトン等の極性溶媒である。
特開2004−27175号公報(特許請求の範囲、発明の効果、[0071]) 特開2000−220074号公報(特許請求の範囲、発明の効果、[0019]〜[0022]) 特開2002−4169号公報(特許請求の範囲、発明の効果、[0013]、[0015])
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基材の風合いを損なうことなく、一定以上の分子量をもつ含浸物質を基材の内部まで含浸させることができる含浸処理方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させる含浸処理方法であって、前記含浸物質のGPC測定におけるピーク分子量が1000以上である含浸物質であり、かつ20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100ml以下である共溶媒を前記超臨界二酸化炭素が含有することを特徴とする含浸処理方法を提供することによって解決される。
このとき、前記共溶媒の含有率が0.01〜10%であることが好適である。但し、共溶媒の含有率とは、添加した共溶媒の常圧下での体積を超臨界流体の体積で割った値に100を掛けた値(%)である。
また、前記含浸物質がフッ素系化合物又はシリコーン系化合物であることも好適である。前記含浸物質が撥水剤、防水剤及び撥油剤からなる群より選択される少なくとも1種であることも好適である。前記含浸物質が前記共溶媒に可溶であることも好適であり、この場合前記含浸物質を前記共溶媒に溶解させた溶液を含浸処理槽内に供給することが好ましい。
前記基材が親水性の基材であることが好適である。前記基材が天然皮革であることも好適である。また、前記基材が縫製加工品であることも好適である。
本発明の含浸処理方法によれば、基材の風合いを損なうことなく、GPC測定におけるピーク分子量が1000以上である含浸物質を基材の内部まで含浸させることができる。特に、微細な繊維が複雑に絡み合った特有の組織構造を有する天然皮革を撥水加工するような場合に適している。
本発明の含浸処理方法は、超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させる方法である。超臨界流体を形成する化合物は多数あるが、本発明では、安全性やコストの面から二酸化炭素を使用する。二酸化炭素の臨界点は温度31.3℃、圧力7.4MPaであり、これを超える超臨界流体とすることが比較的容易である。
本発明で使用される含浸物質は、基材に含浸させることの可能な物質であり、目的に応じて様々な物質を使用することができる。ここでいう含浸とは、例えば、基材が繊維からなる構造体である場合には、基材を構成する単繊維それぞれの内部にまで含浸物質が浸入している状態のみならず、構造体内部の単繊維の表面に付着している状態も含むものである。
上記含浸物質は、GPC測定におけるピーク分子量が1000以上のものである。含浸物質が低分子量の化合物である場合には、容易に揮発したり、長時間の使用によって表面に移行したりするため、基材に長時間保持させることが困難である。したがって、含浸処理の効果を長時間維持するためには、一定以上の分子量を有する含浸物質を基材に含浸させることが好ましい。分子量が一定以上であると、含浸物質が基材に強固に固定されるため、基材中で移行することなく安定的に含浸処理の効果を発揮することができる。通常、ある程度以上の分子量をもつ含浸物質は、水又は有機溶剤を媒体とする処理剤に基材を浸漬させたのみでは、基材内部にまで含浸させることが困難である。一方で、超臨界二酸化炭素は疎水性の媒体であり、低分子量の化合物、特に疎水性の低分子量化合物を比較的容易に溶解させることができるが、高分子量の化合物を溶解又は分散させるのは通常困難とされている。しかしながら、特定の共溶媒を超臨界二酸化炭素に含有させて含浸処理を施すことによって、一定以上の分子量を有する含浸物質であっても基材の内部にまで含浸させることが可能となったものである。特に、微細な繊維が複雑に絡み合った組織構造を有するような基材に対しても、その組織構造の細部にまで上記含浸物質を含浸させることができる。
ここで、GPC測定におけるピーク分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって得られたGPC曲線(溶出曲線)のピークトップにおける溶出時間から計算されるポリスチレン換算の分子量である。ピーク分子量を二つ以上もつ含浸物質は、最も溶出時間の短い位置にあるピーク分子量が少なくとも1000以上であればよいものとする。GPC測定で用いる溶媒としては、クロロホルムが代表的である。ピーク分子量は、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上である。また、ピーク分子量の上限は特に限定されないが、基材内部への含浸の容易さ及び超臨界二酸化炭素への溶解性から、好ましくは100万以下、より好ましくは50万以下、さらに好ましくは30万以下である。
また、GPC測定におけるピーク分子量が1000以上である含浸物質は重合体である場合が多い。重合体とは、モノマーを各種の重合方法によって重合させて得られる化合物である。重合方法は特に制限はなく、重合体に用いられるモノマーは、含浸処理の目的に応じて適宜選択することができる。また、重合体として線状ポリマーだけでなく、グラフトポリマー、くし型ポリマー、星形ポリマー、デンドリマー又はラダーポリマー等の非線状ポリマーも使用することができる。
含浸物質の中でも、本発明では疎水性化合物を使用することが好適である。前述の通り、超臨界二酸化炭素は疎水性の媒体であり、疎水性化合物は比較的容易に超臨界二酸化炭素に溶解又は分散させることができる。GPC測定におけるピーク分子量が1000以上である疎水性化合物としては、ワックス、パラフィン、ポリオレフィン等の炭化水素化合物;ポリエステル;アクリル系樹脂;フッ素系化合物;シリコーン系化合物等が例示される。
GPC測定におけるピーク分子量が1000以上である含浸物質として、フッ素系化合物又はシリコーン系化合物が好適に使用される。これらの化合物は、一定以上の分子量を有する場合であっても、超臨界二酸化炭素中に比較的容易に溶解又は分散させることができることが知られているが、特定の共溶媒を使用することにより、基材の内部にまで含浸物質を十分に含浸させることができる。ここで、フッ素系化合物とは、化学構造中にフッ素原子を含む有機化合物をいい、例えば、パーフルオロアルキル基含有重合体、フルオロオレフィン重合体、パーフルオロポリエーテル、フッ素系エラストマー等が例示されるが、特にこれらに限定されない。パーフルオロアルキル基含有重合体としては、例えば、パーフルオロアルキル基を含有するビニルエーテル、ビニルエステル、(メタ)アクリレート等のモノマーの単独重合体、当該モノマー同士の共重合体、及び当該モノマーと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。フルオロオレフィン重合体としては、フルオロオレフィンの単独重合体、フルオロオレフィン同士の共重合体、及びフルオロオレフィンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が例示される。超臨界二酸化炭素への溶解性と、基材の内部への含浸のし易さから、中でもパーフルオロアルキル基含有重合体、フルオロオレフィン重合体がより好ましく用いられる。また、シリコーン系化合物とは、化学構造中にシロキサン結合を有する化合物をいい、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチル水素シロキサン等の未変性シリコーン、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、アルキル/アラルキル変性、水酸基変性、ポリエーテル変性、フッ素変性等の各種変性シリコーン、シリコーンゴム、シリコーン系熱可塑性エラストマー等を挙げることができるが、特にこれらに限定されない。
含浸物質の目的は特に限定されないが、抗菌剤、防虫剤、防カビ剤、防臭剤、消臭剤、薬効性物質、柔軟剤、硬化剤、撥水剤、撥油剤、防しわ剤、防縮剤、ピリング防止剤、防水剤、吸汗剤、蛍光増白剤、濃色化剤、防汚剤、帯電防止剤、防火剤、防燃剤、難燃剤、防炎剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、形状記憶加工剤、電磁波シールド加工剤、艶出し剤、つや消し剤、縫製性向上剤、平滑剤、スリップ防止剤等が例示される。中でも、撥水剤、防水剤及び撥油剤からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。通常、撥水剤、防水剤及び撥油剤は、溶剤に分散又は溶解させ、そこに基材を浸漬させたり、それを基材の表面に塗布したりして処理を行うことが多い。しかし、それでは内部まで含浸物質を含浸させることが困難であるため、基材内部における効果の発現が不十分で、基材の内部に水又は油が吸収保持される問題があった。また、撥水、防水又は撥油効果を持続させるためには、これらの含浸物質が容易に揮発せず、水又は油に容易に溶出しないことが求められることから、ある程度分子量が高くしかも疎水性の化合物であることが好ましい。また、撥水剤の中には、含浸処理を行った後、撥水効果を発現させるために加熱処理することが必要なものもある。しかし、基材として天然皮革等の熱に弱い基材を使用する場合には、含浸処理を施した後に加熱処理を行わなくとも、撥水剤、防水剤及び撥油剤としての効果を奏する含浸物質を使用することが好ましい。これらの含浸物質と共に、抗菌剤、消臭剤等を使用することも可能である。
撥水剤、防水剤及び撥油剤としては、フッ素系、シリコーン系、パラフィン系、エチレンウレア系、ジルコニウム系、メチロールアミド系、ワックス系等が挙げられる。市販されている撥水剤としては、「ユニダインTG−656」(ダイキン工業株式会社製)、「モディパーF3035」、「モディパーF2020」、「モディパーF600」、「モディパーF220」、「モディパーF200」(以上、日本油脂株式会社製)、「フロロサーフFS−7000」シリーズ、「フロロサーフFS−2010」シリーズ、「フロロサーフFG−4010」シリーズ(以上、株式会社フロロテクノロジー製)等のフッ素系撥水剤、「TSF451」、「TSF484」、「XS66−B1101」、「TSW−8251」(以上、GE東芝シリコン株式会社製)、「モディパーFS700」、「モディパーFS710」、「モディパーFS720」、「モディパーFS730」、「モディパーFS770」(以上、日本油脂株式会社製)等のシリコーン系撥水剤が例示される。上記撥水剤の中には、撥油剤としての効果を奏するものがある。
含浸物質の添加量は、含浸処理槽の単位容積あたりの含浸物質の添加量として、0.01g/L以上であることが好ましい。これより少ない添加量であると、基材に対し含浸物質を含浸させた効果が現れないおそれがある。より好ましくは、0.1g/L以上である。また、添加量は50g/L以下であることが好ましい。50g/Lを越えて添加した場合には、基材の風合いを悪化させるおそれがある。より好ましくは、10g/L以下である。
本発明の含浸処理方法において、超臨界二酸化炭素は、20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100ml以下である共溶媒を含有することが必要である。上述したように、超臨界二酸化炭素は、共溶媒を使用せずともある程度分子量の高い含浸物質を溶解又は分散させることができる場合があるが、上記特定の共溶媒を含有することによって、GPC測定におけるピーク分子量が1000以上である含有物質を基材の内部にまで含浸させることができるものである。
20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100ml以下である共溶媒としては、溶解度が上記範囲内のものであればよく、特に限定されない。例えば、炭化水素、ケトン、エーテル、アルコール、エステル、塩素系溶剤等が挙げられる。炭化水素としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−デカン等の直鎖状脂肪族炭化水素、分岐状脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、石油系溶剤が例示される。これらの炭化水素は、いずれも20℃の水にはほとんど溶けず、その溶解度は1g/100ml未満である。ケトンとしては、メチルエチルケトン(29)、メチルイソブチルケトン(1.9)、メチルイソプロピルケトン(0.6)等が例示される。エーテルとしては、ジメチルエーテル(2.4)、ジエチルエーテル(6.9)等が例示される。アルコールとしては、2−ブタノール(12.5)、1−ブタノール(7.7)、1−ペンタノール(2.7)、1−ヘキサノール(0.59)等の主鎖の炭素数が4以上の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール(4)等の芳香族アルコール、シクロヘキサノール(4)等の脂環式アルコール、複素環アルコール等が挙げられる。エステルとしては、酢酸メチル(24.4)、酢酸n−ブチル(0.7)等が挙げられる。また、塩素系溶剤としてテトラクロロエチレン(0.015)等が挙げられる。以上の例示の中でかっこ内に記載した数値は、20℃における水100mlに対する溶解度(g/100ml)である。
20℃における水100mlに対する溶解度の上限値は、好ましくは50g/100ml以下、より好ましくは20g/100ml以下、さらに好ましくは5g/100ml以下、特に好ましくは2g/100ml以下である。
共溶媒の沸点が低すぎる場合には、回収される二酸化炭素ガス中に共溶媒が混入しやすくなるため、共溶媒を回収再利用することを考慮すれば、沸点がある程度高いことが好ましい。沸点は好適には、40℃以上であり、より好適には60℃以上、さらに好適には80℃以上である。また、基材への残留のしにくさ及び回収のしやすさの観点から、沸点は高すぎないことが好ましく、好適には300℃以下、より好適には250℃以下である。さらに作業者の安全性及び共溶媒のコストまで考慮した場合には炭化水素が最適である。但し、芳香族系炭化水素は、基材に残存すると特有の臭気が発生するおそれがあるため、脂肪族炭化水素又は脂環式炭化水素を主成分とすることが望ましい。また、環境的な側面を考慮すると、共溶媒は塩素系溶剤でないことが望ましい。これらの共溶媒は1種のみならず、2種以上を同時に使用しても良い。
超臨界二酸化炭素中に添加する共溶媒の含有率は0.01〜10%であることが好適である。0.01%よりも少ない場合には共溶媒添加の効果が減少し、含浸物質を基材の内部に十分に浸入させることができない場合がある。より好適には0.1%以上であり、さらに好適には0.2%以上、特に好適には0.5%以上である。一方、共溶媒の含有率が10%を超える場合には、含浸操作後の基材に共溶媒が残存しやすくなり、共溶媒除去のための後処理が別途必要になる場合もあり、必ずしも好ましくない。より好適には7%以下、さらに好適には5%以下である。ここでいう「%」とは超臨界流体で満たされる容器中へ投入する共溶媒の常圧下での体積の、前記超臨界流体の体積に対する割合に、100を掛けたものであり、
[(添加した共溶媒の体積)/(超臨界流体の体積)]×100
で示されるものである。通常、前記超臨界流体の体積は、容器の容積にほぼ相当する。
含浸物質が前記共溶媒に可溶であることが好ましい。共溶媒に可溶であることによって、超臨界二酸化炭素に含浸物質が溶解又は分散しやすくなり、基材の内部にまで含浸物質が含浸しやすくなる。この場合、含浸物質を共溶媒に溶解させてから、含浸処理槽内に供給することが好適である。溶液の状態で超臨界二酸化炭素中に供給することによって、超臨界二酸化炭素中に含浸物質を溶解又は均一に分散させることが容易になり、それによってより良好に含浸物質を基材に含浸させることができる。また、溶液の状態で供給することによって、投入操作の作業性も良好となる。
本発明の含浸処理方法によって含浸される基材は特に限定されるものではないが、主として高分子化合物からなる基材が挙げられる。ここでいう高分子化合物は合成高分子化合物又は天然高分子化合物のいずれであっても良い。具体的な基材としては、繊維製品、皮革、木材、フィルム、プラスチック成形品等が例示される。より好適には、繊維製品、皮革、木材が使用される。
ここで、繊維製品としては、織物、編物、不織布等が例示される。また、繊維製品を構成する素材は特に限定されず、綿、麻、絹、羊毛、レーヨン、アセテート、トリアセテート、ナイロン(6、66)、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド(メタ系及びパラ系)、ポリウレタン、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等を例示することができる。
本発明の方法によって含浸処理を行うことにより、通常内部まで浸透させることが難しいとされていた親水性の基材に対しても、一定以上の分子量をもつ含浸物質を内部まで含浸させることが可能となる。また、一般的に、親水性の基材は、吸水性及び吸湿性が大きいため、基材に撥水性を付与する必要性が大きい。したがって、親水性の基材が好ましく使用される。中でも、天然繊維及び天然皮革を含浸処理することが好適である。天然繊維としては、綿、麻などの植物繊維、あるいは絹、羊毛などの動物繊維が挙げられる。また、天然皮革は、タンパク質系繊維が複雑に絡み合った構造を有している親水性の基材である。
また、厚みのある基材は、従来の方法では基材内部まで含浸物質を含浸させることが困難であることが多いことから、本発明の含浸処理方法を採用する利益が大きいものである。厚みのある基材としては、例えば厚手の布帛が挙げられる。ここで使用される布帛としては、織物、編物、不織布等が例示される。また、天然の不織布とも言える天然皮革も厚みのある場合が多く、好適な基材である。基材の目付は、好ましくは50g/m以上、より好ましくは100g/m以上、さらに好ましくは200g/m以上である。また、目付は通常5000g/m以下である。
天然皮革は微細なタンパク質系繊維が複雑に絡み合った特有の組織構造からなるため、含浸物質を組織の内部に含浸させることが困難である。また、水又は溶剤を媒体として含浸処理する場合には、変形したり風合いが損なわれたりすることが多いことから、本発明の含浸処理方法で使用する基材として特に好ましい。例えば、天然皮革を撥水加工した場合には、組織の内部にまで撥水剤を含浸させることができるため、切断した端部からも水が浸入しにくくなり好ましい。使用される天然皮革は特に限定されないが、牛革、豚革、羊革、鹿革等が例示される。また、天然皮革として毛皮も好適に使用され、ミンク、チンチラ、キツネ、兎などが例示される。人工皮革は、天然皮革に類似した三次元構造を有するため、内部に含浸させることが困難であり、天然皮革と同様に好適に使用される。
本発明の含浸処理方法で用いられる基材として、縫製加工品も好ましく用いられる。縫製加工品とは、複数の布帛又は皮革が糸を用いて縫い合わされたものをいう。縫製加工された製品は、水又は溶剤を媒体として含浸処理を施した場合には、糸と布帛又は皮革との収縮率の相違等によって型崩れを起こしやすく、超臨界二酸化炭素中で含浸処理することが好ましいものである。例えば天然皮革からなる縫製加工品を、水を媒体として撥水剤を含浸させるような場合には、水中での含浸処理工程中や、水を蒸発させるための加熱による乾燥工程中に天然皮革が縮みやすく、型崩れを起こしやすいため、本発明の含浸処理方法が好適に用いられる。
このとき、異なる種類の布帛又は皮革が縫合された製品の場合には、水を媒体として用いて含浸処理するときに、布帛又は皮革ごとに処理後の収縮率等が相違し、型崩れを起こしやすいため、本発明の含浸処理方法が好ましく用いられる。例えば、皮革と布帛とが縫合された製品を基材とすることも好適である。
これらの縫製加工品としては、各種の製品が使用できるが、衣料品が代表的である。シャツ、ブラウス、ジャケット、コート、パンツ、スカート、スーツ、ワンピース、セーター、Tシャツ、トレーナー、ネクタイ、下着(インナー)、靴下、ストッキング、手袋、帽子等の各種衣料に対して含浸処理を施すことができる。これらの他にも、本発明の含浸処理方法を採用する実益が最も大きいものが天然皮革を用いた縫製加工品である。天然皮革を用いた縫製加工品は、ジャンパー、パンツ、手袋、ベルト、鞄、靴、帽子、時計バンド等が挙げられ、これらに対して含浸処理することが最適である。
以下、含浸処理操作について説明する。本発明では、含浸処理槽内において超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させる。含浸処理槽は耐圧容器からなり、通常10MPa以上の耐圧性が要求され、好適には15MPa以上、より好適には20MPa以上の耐圧性が要求される。例えば、肉厚のステンレス製の含浸処理槽が使用される。
含浸処理槽は、通常開閉可能なドア又は蓋を有しており、これを開いて、大気中で基材を含浸処理槽内に投入する。含浸処理槽の内部には回転カゴが設けられていることも好ましい。含浸処理槽中に処理される基材を投入し、回転させながら含浸させることによって、ムラのない均一な含浸操作を行うことができる。また、基材が直接含浸処理槽の壁面に触れないため基材の損傷が少なく、毛屑等が回転カゴの外に出るため仕上がりがきれいである。特に、天然皮革や縫製加工品のように、風合いの変化や型崩れを発生しやすい基材を処理する場合に好適である。このとき、回転枠に複数の内カゴ、特に円筒状の内カゴを装着し、当該内カゴの中に基材を投入することが、型崩れを防ぐ観点からより好ましい。
含浸処理槽内に二酸化炭素を導入して、加圧する。例えば、バルブを開いて含浸処理槽内に二酸化炭素を導入して加圧し、槽内を超臨界二酸化炭素で満たして含浸処理を開始する。二酸化炭素の臨界点は温度31.3℃、圧力7.4MPaであり、これを超える超臨界流体とする。このとき、二酸化炭素を導入する前に、予め含浸処理槽内の空気を減圧脱気することが好ましい。
含浸物質は、予め含浸処理槽内に投入しておいても良いし、超臨界二酸化炭素の満たされた含浸処理槽内に後から導入しても良い。別途、超臨界二酸化炭素中で含浸物質を溶解させるための槽を設けて、そこから配管を介して含浸処理槽に導入しても構わない。また、共溶媒は共溶媒槽から共溶媒供給ポンプ及びバルブを介して含浸処理槽内に導入することができる。中でも、共溶媒中に予め含浸物質を溶解させた溶液を、含浸処理槽内に供給することが好適である。例えば、上記溶液を予め含浸処理槽内に投入しておいたり、上記溶液を共溶媒槽から含浸処理槽内に導入したりして供給することができる。
含浸処理条件は、含浸処理槽の内部が超臨界状態であればよいが、含浸物質や基材等によって適当に調整される。好適な圧力は7〜35MPaである。7MPa未満では含浸がされにくくなる場合が多く、より好適には10MPa以上である。一方35MPaを超えると装置が大掛かりになって、含浸処理に要するエネルギーも大きくなってしまい、より好適には30MPa以下、さらに好適には25MPa以下である。
また、超臨界二酸化炭素中で含浸処理する場合の好適な温度は30〜250℃である。30℃未満の場合には含浸処理がスムーズでなく、操作時間も長くなる場合がある。一方250℃を超えると基材や含浸物質が劣化する場合があり、要するエネルギーも大きくなる。より好適には150℃以下である。また、特に加熱に弱い含浸物質を含浸させる場合や、特に加熱に弱い基材に含浸させる場合には100℃以下にすることが好ましい場合もある。例えば、基材として天然皮革を用いた場合には、好ましくは70℃以下、より好ましくは50℃以下、さらに好ましくは40℃以下とすることが望ましい。
含浸処理に要する時間は、通常5〜240分である。240分を超えると作業効率が低下することがあり、処理温度によっては含浸物質が劣化することもある。より好適には180分以下である。一方、5分未満の時間では、十分に含浸されない場合が多いし、含浸ムラも発生しやすくなる。より好適には10分以上、さらに好適には20分以上である。基材として天然皮革を用いた場合には、微細な繊維が複雑に絡み合った構造を有するため、比較的長時間の含浸処理を施した方が良い場合が多く、含浸処理時間は好適には30分以上、より好適には60分以上である。
含浸処理が終了したところで、減圧バルブを開けて含浸処理後の流体を含浸処理槽から排出する。この時、一旦温度を下げて超臨界ではない状態にしてから、二酸化炭素を排出して圧力を低下させることが好ましい。これにより、流体中での含浸物質の溶解度が低下し、基材側に分配されやすくなり、より効果的に含浸させることができると考えられる。二酸化炭素を回収再利用する場合には、ガス分離槽に導入することが好ましい。ガス分離槽において、二酸化炭素ガスと、含浸物質及び共溶媒とが分離される。ガス分離装置の形態は、槽の形態である必要はないが、一般的には槽の形態であることが好ましい。分離される成分は、液体成分又は固体成分である含浸物質や、共溶媒等である。ガス分離槽で二酸化炭素ガスから除去された液体を回収して再使用することが好ましい。ガス分離槽内は、通常温度−10〜150℃、圧力0.1〜5MPa程度に設定される。ここで、圧力が0.1MPaとは、大気圧と同じ圧力であって、周辺環境と比べたときの差圧がゼロであるときのことである。この圧力において二酸化炭素は気体として存在し、固体成分や液体成分と分離される。
ガス分離槽から導出された二酸化炭素ガスは、コンプレッサーで圧縮された後、タンクで貯蔵することが好ましい。このとき、液化二酸化炭素として貯蔵することが好ましい。貯蔵される液化二酸化炭素の温度及び圧力は特に限定されるものではないが、通常、温度は0〜40℃程度、圧力は3〜10MPaである。
こうして回収された二酸化炭素を再使用して、再度含浸処理が行われる。撥水処理操作を例にとれば、超臨界二酸化炭素中で撥水剤を基材に含浸処理する場合には、水や溶剤を媒体として処理する場合に比べて、排液を排出しないために、元々環境に優しいプロセスである。これに加えて、撥水処理後の基材を乾燥するエネルギーを要さない点で、エネルギー的にも優れている。しかも、このように媒体の二酸化炭素を回収再使用することもできるから、環境保護の面からも極めて意義深いプロセスである。
ここで、基材が天然皮革である場合には、基材を含浸処理槽内に投入した後、含浸物質を含浸させる前に所定の時間超臨界二酸化炭素を流通させることが望ましい。超臨界二酸化炭素が基材の内部にまで浸透することによって、天然皮革の微細な繊維間の隙間に残存している油脂分や水分等の不純物を抽出除去することができ、含浸物質を浸入させるための空間を十分に確保することができ、皮革の内部にまで十分含浸させられて好ましい。
以上の本発明の含浸処理方法について、実施例でさらに詳細に説明する。実施例において使用した含浸物質、共溶媒、及び実施例において行った評価方法については以下のとおりである。
[含浸物質]
・ダイキン工業株式会社製撥水撥油剤「ユニダインTG−656」
パーフルオロアルキル基含有共重合体をミネラルスピリット中に15重量%含有するものである。「ユニダインTG−656」のGPC測定におけるピーク分子量を以下のように求めた。15gの「ユニダインTG−656」を100mlのエタノールに加え攪拌し、白く析出した重合体をデカンテーションによって回収した。エタノールによる洗浄、濾別を3回繰り返し、十分乾燥させることによって、「ユニダインTG−656」からミネラルスピリットを取り除いた固形分1.43g(収率64%)を得た。20mgの上記固形分を10mlのクロロホルムに溶解し、2mg/mlの濃度として、得られたサンプル溶液の25μlをインジェクションして、GPC曲線を得た。また、分子量標準物質として標準ポリスチレン(分子量500、2,500、10,200、37,900、96,400、427,000、1,090,000及び5,480,000)を用い、溶出時間に対する分子量の対数をプロットして検量線を得た。この検量線を用いて、得られたGPC曲線のピークトップにおける溶出時間から計算されるポリスチレン換算の分子量を得た。他の詳細な条件を下記に記載する。測定の結果、得られたGPC曲線は二つのピークを持ち、それぞれのピークトップにおける溶出時間は9.3分及び8.8分であった。当該溶出時間から計算されるポリスチレン換算のピーク分子量は、それぞれ36,400及び85,100であった。
GPC装置:株式会社島津製作所製 LC−10シリーズ
ポンプ:LC−10 AD
Auto Injector:SIL−10AD
検出器:RID−10A
Refractive index detector
SPD−10AD
UV−VIS detector 280 nm
カラムオーブン:CTO−10A
カラム温度:40℃
カラム圧力:10kgf/cm
カラム:株式会社島津製作所製 Shim−Pack GPC−80M
溶出溶媒:クロロホルム
溶出流速:1ml/min
[共溶媒]
・ノルマルパラフィン
日鉱石油化学株式会社製「ニッコーホワイトN−10」
20℃における水100mlに対する溶解度:0.005g/100ml
沸点:169〜173℃
・メチルイソブチルケトン(以後、MIBKと省略することがある)
大伸化学株式会社製 純度99.9%
20℃における水100mlに対する溶解度:1.9g/100ml
沸点:116℃
・アセトン
大伸化学株式会社製 純度99.7%
20℃における水100mlに対する溶解度: 20℃の水と任意の割合で混和する
沸点:56℃
・エタノール
日本アルコール販売株式会社製 特定アルコール99度以上1級発酵
20℃における水100mlに対する溶解度: 20℃の水と任意の割合で混和する
沸点:79℃
・ミネラルスピリット(「ユニダインTG−656」に含まれる)
20℃における水100mlに対する溶解度:1g/100ml未満
沸点:130〜200℃
[撥水度試験]
JIS L1092に準拠して撥水度試験(スプレー試験)を行った。試料の皮革から縦120mm、横50mmの試験片を採取し、試験片保持枠にしわを生じないように取り付け、撥水試験装置を用いて、スプレーの中心を保持枠の中心に一致させ、水250mlをガラス漏斗に入れて、試験片上に所要時間25−30秒で散布した。次に、保持枠を台上から外し、その一端で水平に保ち、試験片の表側を下向きにして他端を固い物に一度軽く当て、更に180°回転し、前と同様に操作して余分の水滴を落とした。保護枠に付けたまま試験片のぬれた状態を以下の基準で採点した。
評価:基準
100点:表面に湿潤や水滴の付着がないもの。
90点:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの。
80点:表面に小さな個々の水滴状の湿潤を示すもの。
70点:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態を示すもの。
50点:表面全体に湿潤を示すもの。
0点:表面及び裏面が全体に湿潤を示すもの。
[内部撥水性]
試料の皮革の厚み方向の中央部を皮革表面に平行にスライスし、皮革の内側へ水を0.3ml滴下し、吸水する様子を目視にて観察した。内部撥水性を以下の基準で評価した。なお、評価の再現性を見るため、観察を2回行った。
評価:基準
○:滴下した水が、蒸発し終わるまで皮革に吸水されなかった。
×:滴下した水が、蒸発し終わるまでに皮革に吸水された。
[吸水率]
試料の皮革を30mm四方に切り出し、水100ml中に一晩浸漬して取り出した後、紙タオル「キムタオル」で挟み軽く押さえて余分な水滴を取ってから、含浸処理終了直後の皮革の重量を測定した。その後、37℃のオーブンに入れ、経過時間ごとに皮革の重量を測定した。ここで、浸漬前の皮革の重量を基準として、皮革試料の重量増加の割合を吸水率(%)として求めた。
実施例1
回転軸の先にプロペラが取り付けられた攪拌翼と、それを囲むように配置された筒状のステンレス製金網を内部に備えた容量120mlの含浸処理槽を用いた。基材として120mm(縦)×50mm(横)に切った天然皮革(牛革、重さ4g、厚み1.5mm、目付667g/m)を、ステンレス製金網の周りに巻きつけた。槽の蓋を閉じた後バルブを開き、供給ポンプにて槽内に二酸化炭素を供給し、ヒーターで含浸処理槽を加熱して、含浸処理槽内を35℃、20MPaの超臨界状態とした。供給ポンプで二酸化炭素を供給しながら背圧弁から気体を放出し、5ml/minの流速で二酸化炭素を1時間流通させて、基材の油脂の除去を行なった。その間、攪拌翼をモーターで回転させて超臨界二酸化炭素流体を攪拌するとともに、含浸処理槽内を35℃、20MPaに維持した。背圧弁を開いて、二酸化炭素を排出して大気圧に戻した後、撥水撥油剤「ユニダインTG−656」を、含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が3g/L(含浸物質の添加量0.45g/L、共溶媒の含有率0.32%)となるように、ノルマルパラフィン「ニッコーホワイトN−10」を、共溶媒の含有率が3%となるように、両者を混合した溶液を槽内の攪拌翼の下に配置されたステンレス製皿に入れた。このとき、上記混合溶液は透明であった。「ユニダインTG−656」に含まれるミネラルスピリット及び「ニッコーホワイトN−10」の両者が共溶媒であるため、共溶媒の含有率は合計3.32%となる。再度二酸化炭素を供給して槽内を35℃、20MPaへ加圧し、攪拌翼を回転させながら2時間処理を行なった。その後、一旦温度を25℃まで下げて超臨界状態でない状態にしてから、背圧弁を開いて二酸化炭素を排出して大気圧に戻し、皮革を取出した。得られた皮革について、撥水度試験を行ったところ、撥水度は100点と良好であった。内部撥水性の評価を行ったところ、水滴は蒸発し終わるまで皮革に吸水されず良好であった。また、吸水率を評価したところ、浸漬処理終了直後の吸水率は70.2%であった。乾燥中の吸水率の経時的変化を図1に示す。これより、乾燥開始から90分後に吸水率が0%となることが示された。また、得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件及び評価結果を表1にまとめて示す。
実施例2
容量500mlの含浸処理槽に基材として15gの天然皮革(羊革)製ゴルフ手袋(キャスコ株式会社製、目付253g/m)を入れた。槽の蓋を閉じた後バルブを開き、供給ポンプにて槽内に二酸化炭素を供給し、ヒーターで含浸処理槽を加熱して、35℃、20MPaの超臨界状態とした。供給ポンプで二酸化炭素を供給しながら背圧弁から気体を放出し、10ml/minの流速で二酸化炭素を1時間流通させて、基材の油脂の除去を行なった。その間、循環ポンプを用い、超臨界二酸化炭素流体を循環させるとともに、含浸処理槽内を35℃、20MPaに維持した。背圧弁を開いて二酸化炭素を排出して減圧した後、再度供給ポンプにて槽内に二酸化炭素を供給し、含浸処理槽内を35℃、20MPaの超臨界状態とした。撥水撥油剤「ユニダインTG−656」を、含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が3g/L(含浸物質の添加量0.45g/L、共溶媒の含有率0.32%)となるように、ノルマルパラフィン「ニッコーホワイトN−10」を、共溶媒の含有率が3%となるように、両者を混合した溶液を調製した。このとき、上記混合溶液は透明であった。当該溶液をビーカーに入れ、共溶媒ポンプを用いて槽内に注入した。「ユニダインTG−656」に含まれるミネラルスピリット及び「ニッコーホワイトN−10」の両者が共溶媒であるため、共溶媒の含有率は合計3.32%となる。注入後、循環ポンプを運転しながら、35℃、20MPaで2時間処理を行った。その後、温度を25℃まで下げて超臨界状態でない状態にしてから、背圧弁を開いて二酸化炭素を排出して大気圧に戻し、手袋を取出した。得られた手袋の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた手袋の撥水度試験及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
実施例3
図2に示す含浸処理装置を用いて含浸処理を行った。洗濯ネットに入れた1kgの天然皮革(羊革)製ゴルフ手袋(キャスコ株式会社製、1つ15g、目付253g/m)を、容量30Lの含浸処理槽1内の回転カゴ2に入れた。含浸処理槽1のドアを閉じた後バルブ3及びバルブ4を開き、ストレージタンク5からクーラー6、供給ポンプ7及び予熱器8を経由して含浸処理槽1内に二酸化炭素を供給して、含浸処理槽1内を35℃、18MPaの超臨界状態とした。二酸化炭素を、バルブ4から流入させバルブ9から流出させることによって、0.5L/minの流速で1時間流通させ、油脂の除去を行なった。その間、回転カゴ2を回転させながら、含浸処理槽1内を35℃、18MPaに維持した。二酸化炭素をバルブ9を介して排出して減圧した後、ガス分離層10において二酸化炭素ガスと油脂とに分離した。再度含浸処理槽1内に二酸化炭素を供給し、含浸処理槽1内を35℃、18MPaの超臨界状態とした。その後、撥水撥油剤「ユニダインTG−656」を、含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が3g/L(含浸物質の添加量0.45g/L、共溶媒の含有率0.32%)となるように、ノルマルパラフィン「ニッコーホワイトN−10」を、共溶媒の含有率が3%となるように、両者を混合した溶液を調製した。このとき、上記混合溶液は透明であった。当該溶液をビーカー11に入れ、バルブ12を開き、共溶媒ポンプ13を用いて槽内に注入した。「ユニダインTG−656」に含まれるミネラルスピリット及び「ニッコーホワイトN−10」の両者が共溶媒であるため、共溶媒の含有率は合計3.32%となる。注入後、回転カゴ2を回転させながら、35℃、18MPaで2時間処理を行った。その後、温度を25℃まで下げて超臨界状態でない状態にしてから、バルブ9を介し二酸化炭素を排出して大気圧に戻し、手袋を取出した。バルブ9を介して排出した超臨界二酸化炭素を、ガス分離槽10に導入して、二酸化炭素ガスと、含浸物質及び共溶媒とに分離した。ガス分離槽10から導出した二酸化炭素ガスを、コンプレッサー14で圧縮した後、クーラー15を経て、再利用のためにストレージタンク5に貯蔵する。ストレージタンク5の二酸化炭素の残量が減少した時には、バルブ16を開いて二酸化炭素ボンベ17から二酸化炭素を供給する。得られた手袋の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた手袋の撥水度試験及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
実施例4
実施例1において、「ユニダインTG−656」と「ニッコーホワイトN−10」とを用いた代わりに、「ユニダインTG−656」のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法で皮革の油脂の除去及び含浸処理を行った。ここでは、「ユニダインTG−656」に含まれるミネラルスピリットは共溶媒である。従って、共溶媒の含有率は0.32%である。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。また、図1に示した吸水率の経時的変化から、乾燥開始から200分後に吸水率が0%となることがわかった。得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。
実施例5
「ユニダインTG−656」の分子量を測定したときと同様の方法によって、「ユニダインTG−656」からミネラルスピリットを取り除き、固形分(含浸物質)を得た。上記含浸物質を、含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が0.5g/Lとなるように、メチルイソブチルケトンを共溶媒の含有率が3%となるように、メチルイソブチルケトン中に予め固形分を溶解させた溶液を調製した。上記固形分はメチルイソブチルケトンに可溶であった。実施例1において、「ユニダインTG−656」と「ニッコーホワイトN−10」とを用いた代わりに、上記溶液のみを用いた以外は、実施例1と同様の方法で皮革の油脂の除去及び含浸処理を行った。得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。ここで、メチルイソブチルケトンは、取り扱い時に臭気を発するので、作業環境面からは必ずしも好ましくない場合がある。
比較例1
実施例5において、共溶媒を全く加えなかった以外は実施例5と同様の方法で皮革の油脂の除去及び含浸処理を行った。得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
比較例2
実施例5において、メチルイソブチルケトンを使用する代わりに、前記固形分を含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が0.5g/Lとなるように、アセトンを共溶媒の含有率が3%となるように、アセトン中に予め固形分を分散させた溶液を用いた以外は、実施例5と同様の方法で皮革の油脂の除去及び含浸処理を行った。上記固形分は、アセトンに溶解しなかった。得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
比較例3
実施例5において、メチルイソブチルケトンを使用する代わりに、前記固形分を含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が0.5g/Lとなるように、エタノールを共溶媒の含有率が3%となるように、エタノール中に予め固形分を分散させた溶液を用いた以外は、実施例5と同様の方法で皮革の油脂の除去及び含浸処理を行った。上記固形分は、エタノールに溶解しなかった。得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
比較例4
まず、実施例1と全く同様に、35℃、20MPaの超臨界二酸化炭素流体中で皮革の油脂の除去を行なった。背圧弁を開いて、二酸化炭素を排出して大気圧に戻した後、撥水撥油剤「ユニダインTG−656」を、含浸処理槽の単位容積あたりの添加量が3g/L(含浸物質の添加量0.45g/L、共溶媒の含有率0.32%)となるように、槽内の攪拌翼の下に配置されたステンレス製皿に入れた。ここでは、「ユニダインTG−656」に含まれるミネラルスピリットは共溶媒である。従って、共溶媒の含有率は0.32%である。その後、槽内の二酸化炭素を、19℃、20MPaの液体として、攪拌しながら2時間処理を行なった。その後、背圧弁を開いて二酸化炭素を排出して大気圧に戻した後、皮革を取出した。得られた皮革の風合いは、含浸処理前後でほとんど変わらなかった。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
比較例5
200mlのビーカーに「ニッコーホワイトN−10」を120ml入れ、さらに「ユニダインTG−656」を3g/Lとなるように加え、溶液を調整した。当該溶液に120mm(縦)×50mm(横)に切った天然皮革(牛革製、重さ4g、厚み1.5mm、目付667g/m)を入れて、2時間浸漬及び攪拌を行った。溶液から皮革を取り出した後、24時間室温にて溶剤を揮発させた。含浸処理条件、並びに得られた皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。また、図1に示した吸水率の経時的変化から、乾燥開始から吸水率が0%となるのに200分以上要することがわかった。得られた皮革の風合いは、含浸処理前に比較してごわつき悪化した。
比較例6
120mm(縦)×50mm(横)に切った天然皮革(牛革、重さ4g、厚み1.5mm、目付667g/m)について、無処理の状態における天然皮革の撥水度試験、内部撥水性及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。また、図1に示した吸水率の経時的変化から、乾燥開始から吸水率が0%となるのに200分以上要することがわかった。
比較例7
天然皮革(羊革)製ゴルフ手袋(キャスコ株式会社製、目付253g/m)について、無処理の状態での撥水度試験及び浸漬処理終了直後の吸水率の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2006057042
表1に示されるように、20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100ml以下の共溶媒を使用して含浸処理を施した場合(実施例1〜5)には、撥水度及び内部撥水性が優れ、風合いが含浸処理前後でほとんど変化しないことがわかった。浸漬処理終了直後の吸水率も低く、それに応じて吸水率0%となるまでに要する所要時間が短くなり、速乾性であることが示された。これに対し、共溶媒を用いない場合(比較例1)、用いても20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100mlを越える共溶媒を用いた場合(比較例2及び3)及び液化二酸化炭素を用いた場合(比較例4)には、撥水度及び内部撥水性が劣っていた。また、溶剤を媒体として含浸処理を行った場合(比較例5)には、撥水度、内部撥水性及び風合いのいずれも劣ることが示された。
これらの結果から、本発明の含浸処理方法を天然皮革に施すことで、基材の風合いを損なうことなく基材内部まで撥水剤を含浸させることができることが示された。
吸水率の経時的変化を示したグラフである。 実施例3の装置のプロセスフロー図である。
符号の説明
1 含浸処理槽
2 回転カゴ
3 バルブ
4 バルブ
5 ストレージタンク
6 クーラー
7 供給ポンプ
8 予熱器
9 バルブ
10 ガス分離層
11 ビーカー
12 バルブ
13 共溶媒ポンプ
14 コンプレッサー
15 クーラー
16 バルブ
17 二酸化炭素ボンベ

Claims (9)

  1. 超臨界二酸化炭素中で含浸物質を基材に含浸させる含浸処理方法であって、前記含浸物質のGPC測定におけるピーク分子量が1000以上であり、かつ20℃における水100mlに対する溶解度が100g/100ml以下である共溶媒を前記超臨界二酸化炭素が含有することを特徴とする含浸処理方法。
  2. 前記共溶媒の含有率が0.01〜10%である請求項1記載の含浸処理方法。
    但し、共溶媒の含有率とは、添加した共溶媒の常圧下での体積を超臨界流体の体積で割った値に100を掛けた値(%)である。
  3. 前記含浸物質がフッ素系化合物又はシリコーン系化合物である請求項1又は2記載の含浸処理方法。
  4. 前記含浸物質が撥水剤、防水剤及び撥油剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか記載の含浸処理方法。
  5. 前記含浸物質が前記共溶媒に可溶である請求項1〜4のいずれか記載の含浸処理方法。
  6. 前記含浸物質を前記共溶媒に溶解させた溶液を含浸処理槽内に供給する請求項5記載の含浸処理方法。
  7. 前記基材が親水性の基材である請求項1〜6のいずれか記載の含浸処理方法。
  8. 前記基材が天然皮革である請求項1〜7のいずれか記載の含浸処理方法。
  9. 前記基材が縫製加工品である請求項1〜8のいずれか記載の含浸処理方法。
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