JP2001295175A - 繊維用処理剤、それにより処理されてなる繊維構造物およびその製造方法 - Google Patents

繊維用処理剤、それにより処理されてなる繊維構造物およびその製造方法

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雅樹 東
Toshinori Hara
稔典 原
Jiro Amano
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃剤、特に分子量が大きく非ハロゲン系であ
るものを多量に繊維内部に吸尽し、従来よりも優れた難
燃性を有する布帛を提供する。 【解決手段】難燃剤が超臨界流体またはそれに類する流
体に含有されてなる繊維用処理剤により繊維構造物を処
理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維構造物の難燃性
を向上させる繊維処理剤とそれを用いる繊維構造物の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維構造物、特にポリエステル繊
維構造物の難燃性向上のためには、主としてポリマー基
質を改質するか、繊維構造物の仕上げ加工工程で難燃剤
を付与することで行われてきた(特開平11−3503
47号公報、特開平11−222729号公報)。ここ
でポリマー基質を改質する方法では多様な製品を製造す
る上で制約が大きいため、カーテンなど高い意匠性を有
する商品は主に仕上げ加工工程で難燃剤を付与する方法
が必須であった。
【0003】この仕上げ加工工程で難燃剤を付与する方
法の一つは難燃剤を繊維表面にバインダーとともに付与
する方法であるが、この方法では耐久性が問題になる場
合があったり、大量に付与した場合に風合いが硬化した
りする問題があった。またもう一つの方法は高温の液中
での処理により繊維内部に難燃剤を吸尽させる方法があ
るが、この方法では吸尽率が不足して性能が得られにく
いという問題があった。この吸尽率は特に性能の高い高
分子量の難燃剤を用いる場合に小さくなるため、高分子
量の難燃剤を繊維内部に多量に吸尽させる技術が望まれ
ていた。
【0004】また、現在の仕上げ加工で用いられる難燃
剤の主流はハロゲン系難燃剤であるが、地球環境保全に
対する意識の高まりから、より環境負荷の少ない難燃加
工技術が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、難燃剤、特に分子量が大きく非ハロ
ゲン系であるものを多量に繊維内部に吸尽し、従来より
も優れた難燃性を有する布帛を提供することができる繊
維用処理剤、それにより処理されてなる繊維構造物およ
びその製造方法を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次の手段を採用する。
【0007】すなわち、難燃剤が超臨界流体またはそれ
に類する流体に含有されてなる繊維用処理剤である。
【0008】また、本発明の繊維構造物は、前記繊維用
処理剤により処理されてなるものである。
【0009】さらに、本発明の繊維構造物の製造方法
は、前記繊維用処理剤中で、繊維構造物を処理するもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、超臨界流体と
は、臨界温度および臨界圧力を越えた温度および圧力の
状態にある流体をいう。この状態は気相および液相のど
ちらに属するともいえない状態であり、密度は液体と同
程度であるにもかかわらず、気体と同程度の運動性を持
つ。このため、超臨界流体には種々の薬剤が液体と同様
に溶解可能であり、繊維構造物の機能加工に利用するこ
とが可能である。
【0011】超臨界流体の溶媒に用いる物質の例として
は、二酸化炭素、窒素、水、エタノールなどが挙げられ
るが、超臨界流体の状態にする条件の容易さや安全性の
面から本発明では二酸化炭素を用いるのが最も好まし
い。ここで、二酸化炭素の臨界温度は31.1℃、臨界
圧力は7.2Mpaである。また、本発明においては、
超臨界流体に類する流体を用いることができる。ここで
いう超臨界流体に類する流体とは、通常の繊維加工で用
いられる装置の圧力(0.5MPa以下)より十分高い
が超臨界状態には到達していない状態の流動体で、超臨
界流体と同様の作用を有するものをいう。これには、温
度が0℃〜150℃の範囲において圧力1Mpa以上の
高圧状態にある気体または液体の状態の流動体が含まれ
る。
【0012】また本発明では、二酸化炭素等を媒体とす
る超臨界流体の作用を高めるため、エントレーナーとし
てメタノール、アンモニア、水など、他の溶媒をさらに
添加して用いることもできる。
【0013】本発明において、難燃剤とは、繊維の表面
に付与もしくは繊維の内部に吸尽させることにより繊維
構造物の難燃性を向上するものをいう。難燃剤の作用機
構としては、酸化防止、表面温度の低下、炭化層による
熱の遮断および酸素の遮断などが言われているが、本発
明ではこのような作用のうち少なくともいずれかを有す
るものを用いればよい。かかる難燃剤の例としては、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機系水
酸化物、赤リン、リン酸エステルなどのリン系化合物、
シリコーンオイルなどのシリコーン化合物、ハロゲン原
子を含有した有機化合物、リンや窒素を含有した有機化
合物などが含まれる。
【0014】本発明においては、繊維中に強固に固定
し、繊維表面への移行速度を大幅に減少させる観点か
ら、分子量が400以上の難燃剤を用いるのが好まし
い。分子量の小さい難燃剤の場合、繊維内部に吸尽され
ても移動しやすく、長期の使用や熱処理などによって繊
維表面に移行し脱落することがある。また、高性能の難
燃剤には難燃性を発現させる原子を多量に含ませるため
に分子量が大きいものが多い。このような分子量の大き
い難燃剤は通常の製造方法では繊維構造物にほとんど吸
尽されないため、通常の処理方法においては用いること
ができないが、本発明においては、二酸化炭素等を媒体
とする超臨界流体を用いることにより、特にこのように
大きな分子量の難燃剤を繊維構造内部に吸尽させること
ができる。
【0015】なお、分子量が400以上の難燃剤の一部
には、繊維構造を緩和する有機化合物を水に添加して行
うキャリヤー法において繊維構造内部に吸尽させ得る可
能性もある。しかし、このキャリヤー法では、キャリヤ
ーが繊維内部に残留しやすいため、本発明のように難燃
剤を繊維内部に強固に固定することができず、洗濯耐久
性が低下することがある。また近年の環境問題の高まり
から、キャリヤー法を行うのは現状では非常に困難であ
る。
【0016】本発明においては、環境への負荷を考慮す
ると、化学構造中にハロゲン原子を含有しない難燃剤、
いわゆる非ハロゲン系難燃剤を用いることが好ましい。
かかる非ハロゲン系難燃剤の系統としては、リン酸エス
テル系、フォスファゼン系などの系統に属するリン系難
燃剤、シリコーン系難燃剤が含まれる。
【0017】本発明では、二酸化炭素等を媒体とする超
臨界流体に溶解しやすいという観点から、難燃剤が難水
溶性であることが好ましい。
【0018】本発明において、難燃剤が二酸化炭素を媒
体とする超臨界流体またはそれに類する流体に含有され
ているとは、難燃剤が二酸化炭素等を媒体とする超臨界
流体またはそれに類する流体に溶解、分散、乳化などし
て含まれていることをいうものである。本発明は、この
ような流体を特に繊維用処理剤として用いるものであ
る。
【0019】次に、この難燃剤を用いた繊維構造物の処
理方法について説明する。
【0020】本発明に用いられる繊維構造物は、天然繊
維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維のうち少なくとも
一つからなるフィラメント、紡績糸、織物、編物、不織
布などを用いることができる。天然繊維としては、綿、
獣毛織物、絹、麻など、再生繊維としてはセルロース系
再生繊維のレーヨン(ビスコースレーヨン)、キュプラ
(銅アンモニアレーヨン)など、半合成繊維はセルロー
ス系半合成繊維としてアセテート(トリアセテート)な
ど、また合成繊維としてはポリエステル、ナイロン、ア
クリル、アラミド、フッ素などの各種繊維を挙げること
ができる。
【0021】中でも高いレベルの耐光性、耐候性が求め
られる汎用繊維の中で、ポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レートなどのポリエステル繊維が最も実用面で重要であ
るため、これらの繊維を含有するポリエステル繊維構造
物を用いることがより有効である。ここでポリエステル
繊維構造物には、ポリエステル繊維のみからなるもの以
外に、綿、羊毛などの天然繊維、アセテートなどの半合
成繊維、ナイロンなどの他の合成繊維のうち少なくとも
一つがポリエステル繊維に混繊、混紡、交撚した糸を用
いるもの、交織または交編などしたものなどが含まれ
る。
【0022】難燃剤が超臨界流体またはそれに類する流
体に含有されてなる繊維用処理剤を用いて繊維構造物を
処理することで、繊維構造物を構成する繊維内部に前記
薬剤を吸尽させる。この処理剤は、二酸化炭素等を媒体
とする超臨界流体またはそれに類する流体を用いている
ため、特に分子量400以上の難燃剤でも効率よく繊維
内部に吸尽させることができる。この理由は、二酸化炭
素等の超臨界流体またはそれに類する流体は、繊維を構
成する高分子に超臨界流体等が大量に吸尽されて高分子
の膨潤が起こり、繊維構造が緩和されることにより、難
燃剤が繊維内部に拡散しやすくなるためと考えられる。
【0023】本発明では、難燃剤の効果を顕著に得るた
めには、難燃剤の繊維構造物への吸尽率は3%以上が好
ましい。この理由は、難燃剤による熱分解で発生するラ
ジカル補足、難燃剤の熱分解時の吸熱反応による冷却効
果、炭化層形成による熱の遮断および酸欠状態にするこ
とにより繊維構造物を難燃化させるという難燃化機構に
起因するものと考えられる。
【0024】また、特に二酸化炭素を媒体とする超臨界
流体およびそれに類する流体を用いる場合には、温度と
圧力を変化させることで、含有された難燃剤の溶解性を
大きく変化させることが容易であり、この性質を利用し
て難燃剤をより効率的に繊維構造物に吸尽させることが
できる。
【0025】すなわち、処理工程の初期には、できる限
り多量の難燃剤が超臨界流体に溶解する条件とし、処理
工程の後期には、できる限り難燃剤が超臨界流体に溶解
しにくく、繊維内部に移行しやすい条件に変化させるの
である。このような方法の例としては、処理工程の後期
に、初期よりも圧力を低下することにより、難燃剤の超
臨界流体への溶解性を低下させ、繊維内部への移行を促
進することができる。
【0026】ここでいう処理工程の後期とは、処理中に
圧力が最大になってから処理が終了するまでの期間をい
う。その際の処理温度は、好ましくは圧力が最大になる
ときに同時に最大になることが望ましい。
【0027】本発明では、難燃剤を含む繊維用処理剤に
さらに染料を含有させ、難燃性を付与する機能加工と同
時に染色を行うこともできる。この方法を用いると繊維
構造物の処理プロセスをより短縮できるため、生産効率
向上やエネルギー消費削減の面で非常に有利になる。
【0028】本発明において、繊維構造物を難燃剤を含
む処理剤で処理する形態は、繊維構造物を装置に充填
し、その装置に二酸化炭素等の媒体を注入して超臨界ま
たはそれに近い状態とし、その状態中に難燃剤を超臨界
流体またはそれに類する流体に含有させればよい。難燃
剤を超臨界流体またはそれに類する流体に含有させるた
め、処理槽とは別にもう一つの槽を設けることが好まし
い。
【0029】本発明においては、機能加工をより効率的
に行うために、繊維構造物を充填する装置は、超臨界流
体またはそれに類する流体を循環させる設備、繊維構造
物を循環させる設備、またはその両者を備えていること
が好ましい。ここで超臨界流体またはそれに類する流体
を循環させるには、繊維構造物を充填した容器へ流体を
注入する配管と排出する配管を取付け、それをポンプで
つないで駆動するなどすればよい。また、繊維構造物を
循環させるには、繊維構造物を充填する容器中で超臨界
流体またはそれに類する流体を流動させて繊維構造物を
回転させるなどすればよい。
【0030】二酸化炭素等を媒体とする超臨界流体また
はそれに類する流体の圧力は、難燃剤の溶解度を高くす
る観点から、10Mpa以上が好ましく、25Mpa以
上がより好ましく。また、超臨界流体またはそれに類す
る流体の温度は、難燃剤の吸尽速度を大きく保つ観点か
ら、80℃以上が好ましく、110℃以上がより好まし
い。
【0031】また、本発明においては、繊維に吸尽され
ない難燃剤が処理剤中に残留する場合、難燃剤が繊維表
面に付着して品位などを低下させる場合がある。それを
防ぐためには機能加工処理後に難燃剤を含まず、繊維構
造物から難燃剤が引き出されない条件の超臨界流体また
はそれに類する流体で一定時間処理することが望まし
い。このように、繊維構造物から難燃剤が引き出されな
い条件としては、二酸化炭素を媒体として、処理圧力を
10〜30MPa程度、処理温度を60℃以下とすれば
よい。
【0032】本発明において、難燃剤が繊維構造物を構
成する単繊維内部へ吸尽されていることを確認する方法
としては、処理後の繊維構造物を構成する繊維断面のX
MA(X-ray Microanalyzer)観察により難燃剤中のハ
ロゲン、リン、窒素などの原子を検出するなどすればよ
い。
【0033】また、処理後の繊維構造物の難燃性の評価
は、限界酸素指数およびJIS L−1091D法(接
炎回数)の試験法を用いればよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0035】なお、実施例および比較例における測定は
以下の方法で行った。 <重量増加率の測定>処理前と処理後のサンプルの絶乾
重量を測定し、次式により算出した。
【0036】 重量増加率(%)=100×(W1−W0)/W0 W0:処理前のサンプルの絶乾重量(g) W1:処理後のサンプルの絶乾重量(g) <難燃性評価>限界酸素指数およびJIS L−109
1D法(接炎回数)により測定した。 [実施例1]ポリエチレンテレフタレートタフタ布帛
(180℃中間セット後布帛、糸使い:経糸、緯糸とも
総繊度83デシテックス、36マルチフィラメント、織
密度:経98×緯84本/inch、目付:70g/m2
10gを内容積500mlの高圧容器に充填した後、二
酸化炭素を容器に注入しながら温度を40℃に上昇させ
た。さらにその温度を保ったまま二酸化炭素を継続して
注入し、圧力を20Mpaとした。
【0037】次に上記高圧容器に連結された別の内容積
100mlの高圧容器に難燃剤としてジラウリルハイド
ロゲンフォスファイト(分子量418)を0.5g充填
した後、同様に温度を40℃、圧力を20Mpaとし
た。その後、繊維構造物が充填された高圧容器と難燃剤
が充填された高圧容器の間の弁を開き、さらに2つの容
器に連結された循環ポンプを起動して難燃剤を繊維構造
物が充填された容器に導入した。
【0038】それから温度を130℃に上昇し、その条
件を30分保った後、次の30分で徐々に二酸化炭素を
排出した。さらに繊維表面に付着した難燃剤を洗浄する
ため、再度二酸化炭素を2つの容器に注入し、40℃、
20Mpaの条件で循環ポンプを起動して10分間処理
した。
【0039】この処理によるサンプルの重量増加率は
4.3%で、さらに同サンプルの構成糸断面のXMA観
察を行ったところ、繊維内部にリン原子が存在すること
が認められた。また、同じサンプルについて限界酸素指
数の測定および難燃性試験を行ったところ、限界酸素指
数は29、難燃性の評価は接炎回数5回で非常に良好で
あった。 [比較例1]実施例1と同じ布帛を、同じ薬剤を用いて
通常行われる水を媒体とする製造法により処理した。布
帛片重量は10g、難燃剤重量は0.5g、液量は50
0mlとし、温度は130℃で60分間の処理を行っ
た。
【0040】処理後のサンプルの重量増加率は0.5%
で、XMA観察によってわずかながら繊維内部への難燃
剤吸尽が認められた。また、同じサンプルについて限界
酸素指数および難燃性実験を行ったところ、限界酸素指
数は18、難燃性の評価は接炎回数2回で不良であっ
た。 [実施例2]難燃剤としてビスフェノールAビス(ジフ
ェニルフォスフェート)(分子量693)を用いる以外
は実施例1と同様に行った。
【0041】処理後のサンプルの重量増加率は3.2%
で、XMA観察を行ったところ、繊維内部への難燃剤吸
尽が認められた。また、同じサンプルについて限界酸素
指数および難燃性試験を行ったところ、限界酸素指数は
27、難燃性の評価は接炎回数5回で非常に良好であっ
た。 [比較例2]難燃剤としてビスフェノールAビス(ジフ
ェニルフォスフェート)(分子量693)を用いる以外
は比較例1と同様に行った。
【0042】処理後のサンプルの重量増加率は0.2%
で、XMA観察を行ったところ、繊維内部への難燃剤吸
尽は全く認められなかった。 [実施例3]難燃剤としてアミドフォスファゼン オリ
ゴマー(分子量230〜770の混合物)を用いる以外
は実施例1と同様に行った。
【0043】処理後のサンプルの重量増加率は3.7%
で、XMA観察を行ったところ、繊維内部への難燃剤吸
尽が認められた。また、同じサンプルについて限界酸素
指数および難燃性試験を行ったところ、限界酸素指数は
28、難燃性の評価は接炎回数5回で非常に良好であっ
た。 [比較例3]難燃剤としてアミドフォスファゼン オリ
ゴマー(分子量230〜770の混合物)を用いる以外
は比較例1と同様に行った。
【0044】処理後のサンプルの重量増加率は0.3%
で、XMA観察を行ったところ、繊維内部への難燃剤吸
尽は全く認められなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、分子量の大きい難燃剤
や非ハロゲン系の難燃剤を繊維内部に多量に吸尽でき、
従来のようにバインダーによる風合い効果、耐久性不
足、吸尽量不足などの問題のない高性能難燃加工が可能
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:32 D06M 5/08 Fターム(参考) 3B154 AA02 AA07 AA08 AA11 AB20 AB21 AB22 BB02 BB05 BB12 BB32 BD09 BD15 BD20 BE04 BF07 BF30 DA15 DA30 4H028 AA35 BA04 4L031 AA18 AB01 BA02 BA08 DA16 4L033 AB01 AB09 AC05 BA39 BA98 DA06

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】難燃剤が超臨界流体またはそれに類する流
    体に含有されてなる繊維用処理剤。
  2. 【請求項2】該超臨界流体またはそれに類する流体が二
    酸化炭素を媒体とする請求項1記載の繊維用処理剤。
  3. 【請求項3】該難燃剤の分子量が400以上である請求
    項1または2に記載の繊維用処理剤。
  4. 【請求項4】該難燃剤が、化学構造中にハロゲン原子を
    含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の繊維用処理剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の繊維用処
    理剤により処理されてなる繊維構造物。
  6. 【請求項6】難燃剤の吸尽率が3%以上である繊維構造
    物。
  7. 【請求項7】難燃剤が超臨界流体またはそれに類する流
    体に含有されてなる繊維用処理剤を用いて繊維構造物を
    処理する繊維構造物の製造方法。
  8. 【請求項8】該超臨界流体またはそれに類する流体が二
    酸化炭素を媒体とする請求項7記載の繊維構造物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】該難燃剤の分子量が400以上である請求
    項7または8に記載の繊維構造物の製造方法。
  10. 【請求項10】該難燃剤の化学構造中に紫外線を吸収す
    る機能を有する部分と酸化を防止する機能を有する部分
    の両方を含有する請求項7〜9のいずれかに記載の繊維
    構造物の製造方法。
  11. 【請求項11】該繊維構造物がポリエステルからなる請
    求項7〜10のいずれかに記載の繊維構造物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】該繊維構造物が単繊維繊度0.5デシテ
    ックス以下の繊維を含有してなる請求項7〜11のいず
    れかに記載の繊維構造物の製造方法。
  13. 【請求項13】処理の後期に圧力を低下させる請求項7
    〜12のいずれかに記載の繊維構造物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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