JP2000218539A - ワイヤソーの加工液供給装置 - Google Patents

ワイヤソーの加工液供給装置

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JP2000218539A
JP2000218539A JP1980099A JP1980099A JP2000218539A JP 2000218539 A JP2000218539 A JP 2000218539A JP 1980099 A JP1980099 A JP 1980099A JP 1980099 A JP1980099 A JP 1980099A JP 2000218539 A JP2000218539 A JP 2000218539A
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slurry
tank
cleaning liquid
wire saw
wire
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JP1980099A
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Masashi Nagatsuka
真史 永塚
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Tokyo Seimitsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スラリ又は洗浄液の回収先をスラリ用タンクと
洗浄液用タンクとで容易に切り換えられるワイヤソーの
加工液供給装置を提供する。 【解決手段】本発明によれば、スラリ回収タンク40及
び洗浄液タンク76はそれぞれ、台車91、125に搭
載されるとともに、ガイドローラ92、126が設けら
れている。このガイドローラ92、126は、ワイヤソ
ー本体11に設けられたガイドレール99に係合され
る。これにより、スラリ回収タンク40及び洗浄液タン
ク76は、ガイドレール99に沿って走行し、回収パイ
プ38の排出口の真下に、供給口40A又は供給口76
Aが配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤソーの加工液
供給装置に係り、特にシリコン、ガラス、セラミック等
の脆性材料を切断するワイヤソーの加工液供給装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤソーは、走行するワイヤ列にスラ
リを供給しながら被加工物を押し付けることにより、被
加工物を多数のウェーハに切断する装置である。このワ
イヤソーにおいて、前記ワイヤ列に供給されたスラリ
は、ワイヤ列の下方に設けられたオイルパンで回収され
る。そして、オイルパンで回収されたスラリは、回収パ
イプを介してスラリ用タンクに送液され、再びワイヤ列
に供給される。
【0003】ところで、前記被加工物の切断が終了する
と、前記ワイヤ列には洗浄液が供給され、前記ワイヤ列
等の洗浄が行われる。ワイヤ列に供給された洗浄液は、
前記スラリと同様にオイルパンで回収され、回収パイプ
を介して洗浄液用タンクに送液されて循環利用される。
このため、ワイヤソーは、前記オイルパンで回収された
液体の回収先がスラリ用タンクと洗浄液用タンクとで切
り換えられるように構成される。従来のワイヤソーは、
前記回収パイプが前記オイルパンに揺動自在に取り付け
られ、スラリ用タンクと洗浄液用タンクは前記オイルパ
ンの下方に設置される。そして、前記回収パイプを揺動
させて、回収パイプの排出口をスラリ用タンクの供給口
又は洗浄液用タンクの供給口の真上に配置させることに
より、スラリや洗浄液の回収先をスラリ用タンクと洗浄
液用タンクとで切り換えていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワイヤソーは、スラリ中に含まれる砥粒等の固形物が回
収パイプ内で固着すると、前記回収パイプがスムーズに
揺動せず、液体の回収先を切り換えることができないと
いう欠点があった。本発明はこのような事情に鑑みてな
されたもので、スラリ又は洗浄液の回収先をスラリ用タ
ンクと洗浄液用タンクとで容易に切り換えられるワイヤ
ソーの加工液供給装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、ワイヤソー本体の側面に設けられたスラリ
又は洗浄液の排出口と、前記ワイヤソー本体の側面に形
成されたガイド部材に係合される係合部材が設けられた
台車と、前記台車に搭載され、スラリが貯留されるスラ
リ用タンクと、前記台車に搭載され、洗浄液が貯留され
る洗浄液用タンクと、から構成され、前記台車の係合部
材を前記ガイド部材に係合させ、該台車をガイド部材に
沿って走行させることにより、前記スラリ用タンク又は
前記洗浄液用タンクのうち一つのタンクを前記排出口に
対向した回収位置に選択的に位置させるようにしたこと
を特徴とする。
【0006】請求項1記載の発明によれば、スラリ用タ
ンク及び洗浄液用タンクは、台車に搭載され、ワイヤソ
ー本体に形成されたガイド部材に沿って走行させるの
で、容易に回収位置に位置決めされる。したがって、前
記回収位置に前記スラリ用タンクを配置してスラリをス
ラリ用タンクに回収したり、前記回収位置に洗浄液用タ
ンクを配置して洗浄液を洗浄液用タンクに回収したりす
ることができる。即ち、前記排出口からのスラリ又は洗
浄液の回収先をスラリ用タンクと洗浄液用タンクとで容
易に切り換えることができる。
【0007】請求項2記載の発明によれば、前記スラリ
用タンク又は前記洗浄液用タンクには、飛散防止部材が
設けられているので、前記スラリ用タンク又は洗浄液用
タンクに回収されるスラリ又は洗浄液が飛散することは
ない。したがって、飛散したスラリ又は洗浄液が前記ガ
イド部材や係合部材に付着することがなく、前記スラリ
用タンク及び前記洗浄液用タンクを前記ガイド部材に沿
ってスムーズに走行させることができる。これにより、
前記排出口からのスラリ又は洗浄液の回収先をスムーズ
に切り換えることができる。
【0008】請求項3記載の発明によれば、前記排出口
から回収されるスラリ又は洗浄液は、除去部材によって
ゴミ等の不要物が除去されるので、前記不要物による配
管の詰まりやポンプの故障等のトラブルを未然に防ぐこ
とができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るワイヤソーの加工液供給装置の実施の形態について詳
説する。図1は、本発明の加工液供給装置が採用された
ワイヤソー10の斜視図であり、図2はワイヤソー本体
11の主要部を露出させた斜視図である。
【0010】これらの図に示すように、前記ワイヤソー
10は、ワイヤソー本体11にスラリ供給ユニット4
4、スラリ回収タンク(スラリ用タンク)40、洗浄液
タンク(洗浄液用タンク)76及びオーバーフロータン
ク56が設けられて構成される。ワイヤソー本体11に
は、ワイヤリール12が内蔵され、このワイヤリール1
2に巻かれたワイヤ14は、多数のガイドローラ16、
16…で形成される一方側のワイヤ走行路を経由して4
本のグルーブローラ18A、18B、18C、18Dに
複数回巻き掛けられる。これにより、グルーブローラ1
8Aとグルーブローラ18Bとの間に、ワイヤ14同士
が平行なワイヤ列20が形成される。ワイヤ列20を形
成したワイヤ14は、ワイヤ列20を挟んで左右対称に
形成されるとともに前記一方側のワイヤ走行路と同一構
造の他方側のワイヤ走行路を経由して、図示しないワイ
ヤリールに巻き取られる。
【0011】前記ワイヤ列20の両側に形成されるワイ
ヤ走行路には、それぞれワイヤ案内装置22及びダンサ
ローラ24が配設され(図2では一方側のワイヤ走行路
のみ図示)、ワイヤ案内装置22によって、ワイヤ14
がワイヤリール12から一定ピッチで巻き取られ、又は
送りだされる。また、ダンサローラ24には、所定重量
のウェイト(図示せず)が架設され、このウェイトによ
って走行するワイヤ14に一定の張力が付与される。更
に、ワイヤ走行路には、図示しないワイヤ洗浄装置が設
けられ、このワイヤ洗浄装置から噴射される洗浄液によ
ってワイヤ14に付着したスラリ等がワイヤ14から除
去される。
【0012】前記4本のグルーブローラ18A〜18D
は、その両端が対向する一対のスピンドルブラケット4
2、42に回転自在に支持され、各々の回転中心を結ん
だ時にその形状が矩形状となる位置に配設されている。
前記一対のスピンドルブラケット42、42は、オイル
パン36の上部に設置されている。また、前記グルーブ
ローラ18C及び前記一対のワイヤリール12は、それ
ぞれ正逆回転可能なモータ26、28に連結されてい
る。これらのモータ26、28が駆動されると、前記ワ
イヤ14は、一対のワイヤリール12間を高速で往復走
行される。
【0013】前記ワイヤ列20の上方には、ワークフィ
ードテーブル30がフィードベース32に昇降自在に取
り付けられている。このワークフィードテーブル30
は、フィードベース32に設けられたモータ33によっ
て、前記ワイヤ列20に対し垂直方向に昇降移動され
る。また、ワークフィードテーブル30の下部には、図
示しないインゴットが、結晶方位合わせされた状態で保
持される。
【0014】前記ワイヤ列20の下方には、オイルパン
36が設置され、このオイルパン36によって前記ワイ
ヤ列20に供給された加工液(スラリ又は洗浄液)が回
収される。オイルパン36の内側には傾斜面が形成され
ており、この傾斜面の下部には、図5に示す回収パイプ
38が接続されている。回収パイプ38の排出口は、ワ
イヤソー本体11の外部に突出して配置され、その排出
口の下方には、スラリ回収タンク40が配設される。こ
れにより、オイルパン36に回収されたスラリは、回収
パイプ38を介して排出口からスラリ回収タンク40に
送液される。
【0015】図3は、図1に示したスラリ回収タンク4
0のA矢視図であり、図4及び図5は、図3で示したス
ラリ回収タンク40の平面図及び左側面図である。スラ
リ回収タンク40は、スラリを一時的に貯留するタンク
であり、前記回収パイプ38によって送液されたスラリ
が、供給口40Aを介して内部に貯留される。この供給
口40Aの上部には、カバー60が取り付けられてい
る。カバー60は、供給口40Aを中心としてコの字状
に組み付けられた3枚の側板60A、60A、60A
と、該側板60Aの上部に組み付けられた上板60Bと
から構成される。中央の側板60Aの下端は図5の如
く、ヒンジ62によってスラリ回収タンク40の蓋41
に取り付けられ、これにより、カバー60は矢印B方向
に揺動自在に構成される。このカバー60をワイヤソー
本体11側に揺動させると、カバー60によって回収パ
イプ38の排出口が包囲されるので、回収パイプ38と
供給口40Aとの隙間からスラリが外部に飛散するのが
防止される。
【0016】また、前記供給口40Aの下方には、目の
細かい金網58が設けられ、回収パイプ38から送液さ
れたスラリは、全てこの金網58を通過するように構成
される。これにより、前記スラリは、金網58によって
インゴットの破片等のゴミが除去されてスラリ回収タン
ク40内に貯留される。また、スラリ回収タンク40に
は、回収されたスラリを図6のスラリタンク46に送液
する回収ポンプ66が図5の如く設けられる。回収ポン
プ66のインペラは、樹脂材料、たとえばポリアセター
ル系のエンジニアリングプラスチックで作られる。これ
により、金属製のインペラを用いたときのように、イン
ペラがスラリ中の砥粒によって磨耗して金属粉が発生す
ることがない。したがって、金属粉がインゴットの切断
部に付着してインゴットの切断精度を悪化させることが
ない。
【0017】スラリ回収タンク40には、回収したスラ
リの液面高さを測定する液面計68が設置される。液面
計68は主として、昇降棒70、フロート72、ケーシ
ング74及びセンサ75で構成される。昇降棒70は、
スラリ回収タンク40に垂直方向にスライド自在に支持
され、この昇降棒70の下端にフロート72が取り付け
られる。フロート72は、ドーナツ状に形成され、中央
の円孔に前記昇降棒70が挿入される。昇降棒70に
は、フロート72の上下にナット78、78が取り付け
られ、このナット78、78を上下方向から締結するこ
とにより、前記フロート72が昇降棒70に固定され
る。
【0018】前記昇降棒70は、アルミによって中空状
に形成されている。また、前記フロート72は、薄厚の
ステンレスで中空状に形成されている。これにより、昇
降棒70及びフロート72は軽量化が図られ、比重の小
さい液体、例えばワイヤソー用のクーラントオイル(比
重1.05)にも浮上される。また、前記フロート72
は、ステンレスで製作されているので、クーラントオイ
ルによって腐食することはない。なお、前記クーラント
オイルは、インゴットの切断部を洗浄する場合等に使用
され、このクーラントオイルを前記スラリと同じ経路で
ワイヤ列20に供給した場合には、クーラントオイルは
スラリと同様に、スラリ回収タンク40に回収される。
【0019】前記フロート72の周囲には、円筒状のフ
ロートカバー80がスラリ回収タンク40の蓋41に取
り付けられている。これにより、フロート72は、スラ
リ回収タンク40内のスラリの液面乱れに影響されるこ
とがないので、液面計68はスラリの液面高さを精度良
く測定することができる。前記昇降棒70の上部には、
近接体82が取り付けられる。また、昇降棒70のケー
シング74には、複数のセンサ75、75…が上下方向
に所定の間隔で取り付けられる。センサ75は、例えば
近接センサが用いられ、前記近接体82が近づくと感知
するように構成される。各センサ75はそれぞれ、ワイ
ヤソー本体11内の制御部88(図13参照)に接続さ
れ、近接体82の接近を感知するとその旨の信号が制御
部88に出力される。制御部88は、どのセンサ75が
近接体82を感知したかによって、スラリ回収タンク4
0内のスラリの液面高さを認識する。そして、制御部8
8は、認識した液面高さに応じて前記回収ポンプ66の
回転数を制御し、スラリ回収タンク40からのスラリ吐
出量を制御する。たとえば、液面高さが高い場合には、
回収ポンプ66の回転数を増加させてスラリの吐出量を
増やし、スラリがスラリ回収タンク40から溢れるのを
防止する。逆に、スラリの液面高さが低い場合には、前
記制御部88は、回収ポンプ66の回転数を低下させて
スラリの吐出量を減少させ、場合によっては、スラリの
吐出量が零になるような回転数(例えば60rpm)に
回収ポンプ66を制御する。これにより、スラリ回収タ
ンク40内のスラリの液面高さの変動を抑えることがで
きるとともに、回収ポンプ66のインペラによって常に
スラリを攪拌し、スラリ中の固形物の固着を防止するこ
とができる。なお、制御部88が上記の如く回収ポンプ
66を制御したにもかかわらず、スラリの液面高さが許
容範囲を超えた場合には、回収ポンプ66の故障や配管
詰まり等の異常状態が発生したと判断し、図1の表示画
面89にエラーメッセージを表示する。
【0020】前記スラリ回収タンク40には図5に示す
ように、ワイヤソー本体11と反対側の側面の上部に排
出口86が形成されている。その排出口86の下方に
は、オーバーフロータンク56が設置される。これによ
り、スラリ回収タンク40に回収されたスラリの量が多
い場合には、スラリが排出口86を介してオーバーフロ
ータンク56に回収されるので、スラリが床に溢れるこ
とがない。
【0021】また、前記スラリ回収タンク40は、複数
の車輪90、90…を有する台車91に搭載されるとと
もに、ワイヤソー本体11側の側面には鉛直方向の回転
軸を有するガイドローラ(係合部材)92、92が設け
られている。一方、ワイヤソー本体11には、側面の下
部にガイドレール(ガイド部材)99が水平方向に配設
されている。ガイドレール99は、断面凹状のレールが
下向きに配設され、その対向する内壁に前記ガイドロー
ラ92が係合されるように構成される。このガイドレー
ル99に前記ガイドローラ92、92をガイドレール9
9の端部から係合させると、スラリ回収タンク40はワ
イヤソー本体11の側面に沿って移動される。これによ
り、スラリ回収タンク40の供給口40Aを回収パイプ
38の排出口の真下に容易に配置することができる。
【0022】図6は、スラリ供給ユニット44の斜視図
であり、図7は、図6に示したスラリ供給ユニット44
のC矢視図である。また、図8及び図9は、図7の側面
図及び平面図である。これらの図に示すように、スラリ
供給ユニット44は、スラリタンク46、熱交換器5
0、供給ポンプ52、循環ポンプ106及び流量計54
等を移動可能な台車48に搭載して構成され、それぞれ
が隣接した状態で配設される。
【0023】スラリタンク46は、図13に示した前記
回収ポンプ66の排出口に配管を介して連結されてい
る。したがって、前記スラリ回収タンク40で回収され
たスラリは、回収ポンプ66を介してスラリタンク46
に貯留される。スラリタンク46には図8に示すよう
に、攪拌機94が設けられ、攪拌翼96をモータ98で
回転させることにより前記スラリタンク46内に貯留さ
れたスラリを攪拌するように構成される。これにより、
スラリタンク46に貯留したスラリ中の砥粒がスラリタ
ンク46の内壁に固着することがない。図8に示した攪
拌機94の攪拌翼96は、樹脂(例えばポリアセタール
系のエンジニアリングプラスチック)で形成され、スラ
リとの摩擦によって金属粉が発生しないように構成され
る。
【0024】また、前記スラリタンク46には、供給ポ
ンプ52が設けられ、供給ポンプ52が駆動されること
により、スラリタンク46に貯留されたスラリがワイヤ
列20上方に設置された図13のノズル100に供給さ
れ、このノズル100からワイヤ列20に向けて噴射さ
れる。前記供給ポンプ52とノズル100とを連結する
配管には、流量計54が配設され、この流量計54で供
給ポンプ52から吐出されるスラリの流量が測定され
る。前記流量計54及び供給ポンプ52は、ワイヤソー
本体11の制御部88によって制御される。即ち、制御
部88は、流量計54の測定値に基づいて供給ポンプ5
2の吐出量が所定の値になるように供給ポンプ52を制
御する。
【0025】スラリタンク46には、液面計104が設
けられる。この液面計104によってスラリタンク46
内に貯留されたスラリの液面高さが測定され、液面計1
04で測定された液面高さの信号は制御部88に出力さ
れる。制御部88は、液面計104で測定された液面高
さが許容範囲を超えた場合に、スラリの漏れや配管の詰
まり等の異常状態が発生したと判断し、図1の表示画面
89にエラーメッセージを表示した後、モータ26、2
8をはじめとして、供給ポンプ52等のインゴットの切
断に関係する機器を停止させる。
【0026】前記スラリタンク46には、循環ポンプ1
06が設置される。循環ポンプ106は、熱交換器50
に配管を介して接続され、熱交換器50にスラリを循環
供給するように構成される。熱交換器50は、温調ユニ
ット118に接続され、この温調ユニット118から熱
交換器50に所定温度の冷却水が供給される。これによ
り、スラリタンク46内のスラリは、循環ポンプ106
によって熱交換器50に送液され、熱交換器50で冷却
水により冷却される。
【0027】循環ポンプ106と熱交換器50との間に
は、温調バルブ110が配設されている。また、前記ス
ラリタンク46には、スラリの温度を測定する温度セン
サ108が設けられる。前記循環ポンプ106と温調バ
ルブ110は、この温度センサ108で測定された温度
に基づいて前記制御部88により制御される。即ち、制
御部88は、温度センサ108の測定値に基づいて温調
バルブ110を開閉する。例えば、温度センサ108で
測定したスラリの温度が基準値よりも高い場合、制御部
88は、温調バルブ108を開いて熱交換器50でスラ
リを冷却する。逆に、スラリの温度が基準値よりも低い
場合、制御部88は、温調バルブ110を閉じて熱交換
器50へのスラリの送液を停止する。このとき、循環ポ
ンプ106の駆動を継続することにより、スラリは、循
環ポンプ106のモータの発熱により加熱される。な
お、符号112は、冷却水用フィルタであり、熱交換器
50に供給する冷却水が濾過されることによって、その
冷却水に含まれるゴミ等が除去される。
【0028】また、前記スラリタンク46には図9に示
すように、粘度計114が設けられる。粘度計114
は、スラリタンク46内のスラリの粘度を測定するもの
で、その測定された粘度情報が前記制御部88へ入力さ
れる。制御部88は、粘度計114で測定された粘度が
基準値よりも高い場合は、粘度調整バルブ(図示せず)
を開いてクーラントまたはスラリ新液をスラリに補充す
る。
【0029】図10は、図1に示した洗浄液タンク76
のA矢視図であり、図11及び図12は、図10で示し
た洗浄液タンク76の側面図及び平面図である。洗浄液
タンク76は、インゴットの切断部を洗浄する洗浄液
(通常、スラリに使用されるクーラントオイル)を貯留
するタンクであり、前記グルーブローラ18A〜18D
が設置された加工室に前記洗浄液を噴射できるように構
成されている。即ち、洗浄液タンク76には、ポンプ1
20が設けられ、ポンプ120の吐出先には、ハンドシ
ャワー122が取り付けられている。これにより、ポン
プ120が駆動されると、洗浄液タンク76に貯留され
た洗浄液がハンドシャワー122から噴出され、前記加
工室が洗浄される。なお、前記加工室の洗浄は、インゴ
ットの切断終了後等に行われる。
【0030】洗浄液タンク76は、複数の車輪124、
124…を有する台車125に搭載されるとともに、洗
浄液タンク76の側面には、前記ワイヤソー本体11に
形成されたガイドレール99に係合するガイドローラ
(係合部材)126、126が回転自在に支持されてい
る。これにより、洗浄液タンク76をワイヤソー本体1
1の側面に沿って移動させることができ、洗浄液タンク
76の供給口76Aを容易に回収パイプ38の排出口の
真下に配置することができる。前述したように、図5の
スラリ回収タンク40もワイヤソー本体11の側面に沿
って移動させることができる。したがって、洗浄液タン
ク76及びスラリ回収タンク40をワイヤソー本体11
に沿って移動させると、回収パイプ38による加工液の
排出先を洗浄液タンク76とスラリ回収タンク40とに
切り換えることができる。回収パイプ38の排出先を図
11の如く洗浄液タンク76に切り換えると、前記ハン
ドシャワー122からインゴットの切断部に供給された
洗浄液が、オイルパン36及び回収パイプ38を介して
洗浄液タンク76に回収される。
【0031】前記洗浄液タンク76の供給口76Aの上
部には、カバー128が取り付けられている。カバー1
28は、供給口76Aを中心としてコの字状に組み付け
られた3枚の側板128A、128A、128Aと、該
側板128Aの上部に組み付けられた上板128Bとか
ら構成される。中央の側板128Aの下端は、ヒンジ1
30によって洗浄液タンク76に取り付けられ、カバー
128は矢印D方向に揺動自在に構成されている。この
カバー128をワイヤソー本体11側に揺動させると、
カバー128によって回収パイプ38の排出口が包囲さ
れるので、回収パイプ38と供給口76Aとの隙間から
洗浄液が飛散することが防止される。
【0032】また、前記供給口76Aの下方には、目の
細かい金網134が設けられ、回収パイプ38から送液
された洗浄液が全てこの金網134を通過するように構
成される。これにより、前記洗浄液は、金網134によ
ってインゴットの破片等のゴミが除去されて洗浄液タン
ク76内に回収される。以上説明したように、本実施の
形態のワイヤソーの加工液供給装置によれば、スラリ回
収タンク40及び洗浄液タンク76はそれぞれ、台車9
1、125に搭載されるとともに、ガイドレール99に
よってガイドされるので、スラリ回収タンク40の供給
口40Aや洗浄液タンク76の供給口76Aを前記回収
パイプ38の排出口の真下に容易に配置することができ
る。すなわち、本実施の形態の加工液供給装置によれ
ば、スラリ回収タンク40と洗浄液タンク76をガイド
レール99にガイドさせながら移動させるだけで、回収
パイプ38による加工液の排出先をスラリ回収タンク4
0と洗浄液タンク76とで容易に切り換えることができ
る。
【0033】また、本実施の形態の加工液供給装置によ
れば、前記スラリ回収タンク40及び洗浄液タンク76
にカバー60、128を設けたのでスラリや洗浄液が飛
散するのを防止することができる。これにより、飛散し
たスラリや洗浄液がガイドレール99に付着することが
ないので、前記スラリ回収タンク40と洗浄液タンク7
6の移動をスムーズに行うことができ、加工液の回収先
の切り換えを容易に行うことができる。また、スラリが
飛散しないので、飛散した加工液の洗浄を行う必要がな
い。
【0034】また、本実施の形態の加工液供給装置によ
れば、前記スラリ回収タンク40と洗浄液タンク76に
金網58、134を設け、この金網58、134によっ
て回収パイプ38から送液されたスラリや洗浄液に含ま
れる不要物を除去したので、前記不要物による配管の詰
まりやポンプの故障等を防止することができる。また、
本実施の形態の加工液供給装置によれば、ガイドレール
99がワイヤソー本体11の側面に沿って形成され、ス
ラリ回収タンク40及び洗浄液タンク76がワイヤソー
本体11の外部に配設されているので、スラリ回収タン
ク40や洗浄液タンク76に貯留された加工液の熱が、
ワイヤソー本体11の構成機器に影響することがない。
【0035】なお、本実施の形態の加工液供給装置で
は、スラリ回収タンク40と洗浄液タンク76をそれぞ
れ別の台車91、125に搭載したが、同一の台車に搭
載し、同時にスライドさせてもよい。また、前記スラリ
回収タンク40と洗浄液タンク76における加工液の回
収先の切換を自動で行ってもよい。
【0036】また、本実施の形態では、スラリや洗浄液
に含まれる不要物を金網58、134によって除去した
が、これに限定するものではない。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のワイヤソ
ーの加工液供給装置によれば、スラリ用タンク及び洗浄
液用タンクは、台車に搭載され、ワイヤソー本体に形成
されたガイド部材に沿って走行させるので、容易に移動
されて回収位置に位置決めされる。これにより、排出口
から回収されるスラリ又は洗浄液の回収先を、スラリ用
タンク及び洗浄液用タンクとで容易に切り換えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る加工液供給装置を用
いたワイヤソーの全体構成図
【図2】図1に示したワイヤソー本体の要部を露出させ
たワイヤソーの斜視図
【図3】図1に示したスラリ回収タンクの正面図
【図4】図2に示したスラリ回収タンクの平面図
【図5】図2に示したスラリ回収タンクの側面図
【図6】図1に示したスラリ供給ユニットの斜視図
【図7】図6に示したスラリ供給ユニットの正面図
【図8】図6に示したスラリ供給ユニットの側面図
【図9】図6に示したスラリ供給ユニットの平面図
【図10】図1に示した洗浄液タンクの正面図
【図11】図10に示した洗浄液タンクの側面図
【図12】図10に示した洗浄液タンクの平面図
【図13】実施の形態の加工液供給装置を含むワイヤソ
ーの構造を示すブロック図
【符号の説明】
10…ワイヤソー 20…ワイヤ列 40…スラリ回収タンク 58、134…金網 60、128…カバー 76…洗浄液タンク 91、125…台車 92、126…ガイドローラ 99…ガイドレール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤソー本体の側面に設けられたスラ
    リ又は洗浄液の排出口と、 前記ワイヤソー本体の側面に形成されたガイド部材に係
    合される係合部材が設けられた台車と、 前記台車に搭載され、スラリが貯留されるスラリ用タン
    クと、 前記台車に搭載され、洗浄液が貯留される洗浄液用タン
    クと、 から構成され、前記台車の係合部材を前記ガイド部材に
    係合させ、該台車をガイド部材に沿って走行させること
    により、前記スラリ用タンク又は前記洗浄液用タンクの
    うち一つのタンクを前記排出口に対向した回収位置に選
    択的に位置させるようにしたことを特徴とするワイヤソ
    ーの加工液供給装置。
  2. 【請求項2】 前記スラリ用タンク及び洗浄液用タンク
    には、前記排出口から回収されるスラリ又は洗浄液の飛
    散を防止する飛散防止部材が設けられたことを特徴とす
    る請求項1記載のワイヤソーの加工液供給装置。
  3. 【請求項3】 前記スラリ用タンク及び洗浄液用タンク
    には、前記排出口から回収されるスラリ又は洗浄液から
    ゴミ等の不要物を除去する除去部材が設けられたことを
    特徴とする請求項1又は2記載のワイヤソーの加工液供
    給装置。
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