JP2000214901A - 制御方法及び制御システム - Google Patents

制御方法及び制御システム

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JP2000214901A
JP2000214901A JP11017981A JP1798199A JP2000214901A JP 2000214901 A JP2000214901 A JP 2000214901A JP 11017981 A JP11017981 A JP 11017981A JP 1798199 A JP1798199 A JP 1798199A JP 2000214901 A JP2000214901 A JP 2000214901A
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JP11017981A
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Hiroshi Uno
博 宇野
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Saginomiya Seisakusho Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レベル比較法を用いたフィードバック制御方
式に改良を加え、制御対象出力の振幅をこれまでより格
段に高精度で制御できるようにする。 【解決手段】 レベル比較法を用いたフィードバック制
御システム10は、出力目標値発生部14が発生する出
力目標値Dsに基づいて、フィードバックループ22が
制御対象出力をフィードバック制御するように構成して
あり、出力目標値Dsは、出力実測値Ssが上限制御目
標値に達したならばデクリメントされて低下し始め、出
力実測値Ssが下限制御目標値に達したならばインクリ
メントされて上昇し始める。出力実測値Ssの実際の上
限値及び下限値が、夫々、オペレータが設定した上限最
終目標値及び下限最終目標値に近付くように、上限制御
目標値及び下限制御目標値をフィードバック制御して調
節を加えるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制御方法及び制御
システムに関し、より詳しくは、制御対象出力を所与の
上限値と所与の下限値とで規定される振幅をもって周期
的に変化させるための制御方法及び制御システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】様々な装置の出力を高精度で制御するた
めに、フィードバック制御方式が広く採用されている。
図5に典型的なフィードバックバック制御システムの基
本構成を示した。同図のフィードバック制御システム1
0’は、被制御装置12をフィードバック制御するため
のシステムであり、出力目標値Dsを発生させる出力目
標値発生部14’を備えている。また、センサ等で構成
する制御対象出力検出部16によって、制御対象出力の
実測値である出力実測値Ssを発生させており、比較部
18が、出力目標値Dsと出力実測値Ssとを比較し
て、それらの差分である制御偏差を発生させている。そ
して、この制御偏差に基づいて、制御信号発生部20
が、被制御装置12を制御するための制御信号を発生さ
せている。このフィードバック制御システム10’にお
いては、図5中に破線で囲んで示したように、被制御装
置12、制御対象出力検出部16、比較部18、及び制
御信号発生部20によって、フィードバックループ22
が形成されている。
【0003】制御対象出力を周期的に変化させるには、
出力目標値Dsを、それに対応させて周期的に変化させ
ればよい。また、出力目標値発生部14及び制御信号発
生部20はディジタル信号処理装置で構成することがで
きる。その場合に、出力目標値Ds及び出力実測値Ss
はディジタル信号となるが、もし制御信号をアナログ信
号とする必要があるならば、制御信号発生部20にD/
Aコンバータを組込めばよく、また、制御対象出力検出
部16が制御対象出力を検出するためにアナログセンサ
を使用しているならば、そのアナログセンサの出力をデ
ィジタル化するA/Dコンバータを制御対象出力検出部
16に組込めばよい。
【0004】制御対象出力を周期的に変化させる場合の
周波数を、様々に設定できるようにする場合には、その
周波数範囲の全域においてフィードバックループ22の
ゲインが一定であることが望ましく、さもないと、その
周波数に応じて出力目標値発生部14の出力の大きさを
調節しなければならない。しかしながら、フィードバッ
クループ22には、被制御装置12が含まれている。被
制御装置12は一般的にかなり複雑な伝達関数を有する
ばかりでなく、周波数が高くなるほど制御信号に対する
追随性が低下する傾向があるため、フィードバックルー
プ22のゲインの周波数特性は、多くの場合、周波数が
高くなるにつれてゲインが低下する特性となり、周波数
特性曲線のグラフが右肩下がりの曲線となる。
【0005】一方、制御対象出力を周期的に変化させる
に際して、その振幅を極めて高精度に制御しなければな
らない用途が存在する。その一例は、材料試験機を用い
て低サイクル疲労試験を実行する場合である。典型的な
材料試験機の構成は、油圧アクチュエータ系を制御して
所望の変位ないし荷重を発生させ、その変位ないし荷重
を試験片に印加することによって、様々な材料試験を実
行できるようにしたものである。このような材料試験機
を使用して疲労試験を実行する場合には、その油圧アク
チュエータ系に発生させる変位ないし荷重を正弦波状ま
たは三角波状に周期的に変化させる。そして、特にその
疲労試験が、低サイクル疲労試験である場合には、周期
的に変化させる変位ないし荷重の振幅を、その試験の開
始直後から非常な高精度で制御することが重要であり、
さもないと、試験結果の精度が著しく悪化してしまう。
【0006】前述の図5のフィードバック度制御システ
ム10’では、フィードバックループ22のゲインの周
波数特性が、所要の周波数領域内において一定のゲイン
を有するものにはなることは殆どなく、従って低サイク
ル疲労試験を実行するために材料試験機を制御するとい
う用途には不適当である。
【0007】この点について更に詳しく説明するなら
ば、例えば、図5のフィードバック制御システム10’
の目標値発生部14’から、出力目標値Dsを三角波状
の信号として発生させたものとする。この三角波信号の
値は、図7に破線で示すように、下限目標値から一定の
上昇速度で上昇し、上限目標値に達したならば一定の低
下速度で低下し始め、そして、下限目標値に達したなら
ば再び一定の上昇速度で上昇し始める。この三角波信号
の周波数が比較的低いうちは、制御対象出力の値は、図
7に実線で示すように、出力目標値Dsに良好に追随す
るため、その振幅誤差ΔEampは比較的小さい。
【0008】ところが、出力目標値Dsの三角波信号の
周波数が高くなると、図8の(a)に示したように、こ
の出力目標値Dsの振幅と比べて、制御対象出力の振幅
がかなり小さくなり、振幅誤差ΔEampが大きくなっ
てしまう。
【0009】このような典型的なフィードバック制御シ
ステムに付随する、高い周波数領域において振幅に関す
る制御精度が低下するという問題を解決するために、レ
ベル比較法を用いたフィードバック制御システムが提案
され、現在では広く採用されている。
【0010】図6に、レベル比較法を用いたフィードバ
ック制御システムの基本構成を示した。この図6のフィ
ードバック制御システム10”は、図5のフィードバッ
ク制御システム10’のフィードバックループ22と同
一構成のフィードバックループ22を含んでおり、その
構成要素には、図5に使用したものと同一の参照番号を
付してある。図6のフィードバック制御システム10”
の出力目標値発生部14はディジタル信号処理装置の一
部で構成されており、目標値発生部制御部30から供給
されるインクリメント命令(INC命令)及びデクリメ
ント命令(DEC命令)に応答して、出力目標値Dsを
インクリメント及びデクリメントできるようにしてあ
る。
【0011】また、目標値発生部制御部30もディジタ
ル信号処理装置の一部で構成されており、この目標値発
生部制御部30は、制御対象出力検出部16から制御対
象出力の実測値Ssを受取ると共に、上限目標値設定部
32からは制御対象出力の上限目標値を、また、下限目
標値設定部34からは制御対象出力の下限目標値を受取
るようにしてある。
【0012】目標値発生部制御部30は、出力実測値S
sが上限目標値と下限目標値との間にある状態から、I
NC命令またはDEC命令の一方の送出を開始する。そ
して、INC命令を送出しているときに出力実測値Ss
が上限目標値に達したならば、その時点でINC命令の
送出を停止してDEC命令の送出を開始し、また、DE
C命令を送出しているときに出力実測値Ssが下限目標
値に達したならば、その時点でDEC命令の送出を停止
してINC命令の送出を開始する。出力目標値発生部1
4は、これら命令に従って動作することにより、図8の
(b)に破線で示すような三角波状の出力目標値Dsを
発生する。被制御装置12は、この出力目標値Dsに従
ってフィードバックループ22によって制御され、その
結果、図8の(b)に実線で示したような波形の制御対
象出力が発生される。
【0013】図8の(b)において、制御対象出力(実
線)は、出力目標値Ds(破線)に対してある程度の位
相遅れを生じている。この位相遅れは、主として被制御
装置12の特性に起因して生じるものである。ただし、
被制御装置12が材料試験機であって、低サイクル疲労
試験を実行している場合には、制御対象出力の位相遅れ
は試験結果に影響を及ぼさないため、これを考慮する必
要はない。時刻t0’に、制御対象出力の実測値Ssが
上限目標値に達しており、そのため、出力目標値発生部
14の動作がインクリメントからデクリメントへ切り換
えられ、出力目標値Dsが上昇から低下へ転じている。
【0014】しかしながら、制御対象出力はオーバーシ
ュートを伴うため、この時刻t0’以後にも僅かに上昇
しており、その結果、振幅誤差ΔEampが発生してい
る。ただし、この図8の(b)に示した振幅誤差ΔEa
mpは、図5のフィードバック制御システム10’で制
御対象出力の設定周波数を高くしたときに発生する振幅
誤差ΔEamp(図8の(a)に示した)と比べてかな
り小さく、このことから、振幅の制御誤差を低減すると
いう、レベル比較法の効果が明らかである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】既述の如く、レベル比
較法を用いたフィードバック制御システム10”におい
て発生する振幅誤差ΔEamp(図8の(b)に示し
た)は、出力目標値Dsが上昇から低下に転じた際に、
制御対象出力がそれに追随できずにオーバーシュートを
発生することによって発生するものであり、このオーバ
ーシュートは主として被制御装置12の特性によって生
じている。材料試験機を用いて低サイクル疲労試験を実
行する場合には、その材料試験機が被制御装置12とな
るが、材料試験機は油圧アクチュエータ等の重量のある
機械要素を含んでいるため、オーバーシュートを発生し
ないような特性とすることは困難である。従って、制御
対象出力の振幅の制御精度を更に高めようとするなら
ば、フィードバック制御システムのうちの、被制御装置
を制御する側の部分の構成を、従来のものとは異なった
新規な構成とする必要がある。
【0016】本発明は上述した従来の問題点に鑑み成さ
れたものであり、本発明の目的は、レベル比較法を用い
たフィードバック制御方式に改良を加え、制御対象出力
の振幅をこれまでより格段に高精度で制御できるように
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に記載した本発明の制御方法は、制御対象
出力を所与の上限値と所与の下限値とで規定される振幅
をもって周期的に変化させるための制御方法において、
制御対象出力をフィードバック制御するために制御対象
出力実測値と比較する出力目標値を、上昇ないし低下さ
せるように変化させるステップと、前記出力目標値を上
昇させているときに、制御対象出力実測値が上限制御目
標値に達したならば、前記出力目標値の変化を上昇から
低下に転じさせるステップと、前記出力目標値を低下さ
せているときに、制御対象出力実測値が下限制御目標値
に達したならば、前記出力目標値の変化を低下から上昇
に転じさせるステップと、所与の上限値を上限最終目標
値として設定するステップと、所与の下限値を下限最終
目標値として設定するステップと、制御対象出力が上昇
から低下に転じるときの制御対象出力実測値である上限
実測値が前記上限最終目標値に近付くように前記上限制
御目標値を制御する上限制御目標値制御ステップと、制
御対象出力が低下から上昇に転じるときの制御対象出力
実測値である下限実測値が前記下限最終目標値に近付く
ように前記下限制御目標値を制御する下限制御目標値制
御ステップとを含んでいることを特徴としている。
【0018】また、請求項2に記載した本発明の制御方
法は、前記上限制御目標値制御ステップが、前記上限最
終目標値と前記上限実測値との差分を求めることで上限
偏差を導出するステップと、該上限偏差に基づいて前記
上限制御目標値を発生させるステップとを含んでおり、
前記下限制御目標値制御ステップが、前記下限最終目標
値と前記下限実測値との差分を求めることで下限偏差を
導出するステップと、該下限偏差に基づいて前記下限制
御目標値を発生させるステップとを含んでいることを特
徴としている。
【0019】また、請求項3に記載した本発明の制御シ
ステムは、制御対象出力を所与の上限値と所与の下限値
とで規定される振幅をもって周期的に変化させるための
制御システムにおいて、制御対象出力をフィードバック
制御するために制御対象出力実測値と比較する出力目標
値を発生させ、該出力目標値を上昇及び低下させること
ができるように構成した出力目標値発生部と、前記出力
目標値発生部が発生させている前記出力目標値が上昇し
ているときに制御対象出力実測値が上限制御目標値に達
したならば、前記出力目標値の変化を上昇から低下に転
じさせ、前記出力目標値発生部が発生させている前記出
力目標値が低下しているときに制御対象出力実測値が下
限制御目標値に達したならば、前記出力目標値の変化を
低下から上昇に転じさせるように、前記出力目標値発生
部を制御する目標値発生部制御部と、オペレータに所与
の上限値を上限最終目標値として設定させる上限最終目
標値設定部と、オペレータに所与の下限値を下限最終目
標値として設定させる下限最終目標値設定部とを備え、
前記目標値発生部制御部が前記上限制御目標値及び前記
下限制御目標値に基づいて前記出力目標値発生部を制御
することによって、制御対象出力が上昇から低下に転じ
るときの制御対象出力実測値である上限実測値が前記上
限最終目標値に近付くように前記上限制御目標値が制御
され、制御対象出力が低下から上昇に転じるときの制御
対象出力実測値である下限実測値が前記下限最終目標値
に近付くように前記下限制御目標値が制御されるように
したことを特徴としている。
【0020】また、請求項4に記載した本発明の制御シ
ステムは、制御対象出力実測値から前記上限実測値を導
出する上限実測値導出部と、前記上限最終目標値と前記
上限実測値とを比較してそれらの差分を求めることで上
限偏差を導出する比較部と、前記上限偏差に基づいて前
記上限制御目標値を発生させる上限制御目標値発生部
と、制御対象出力実測値から前記下限実測値を導出する
下限実測値導出部と、前記下限最終目標値と前記下限実
測値とを比較してそれらの差分を求めることで下限偏差
を導出する比較部と、前記下限偏差に基づいて前記下限
制御目標値を発生させる下限制御目標値発生部とを更に
備えたことを特徴としている。
【0021】請求項1に記載した本発明の制御方法によ
れば、周期的に変化する制御対象出力の上限値と下限値
とを実測し、それら上限実測値及び下限実測値に基づい
て、制御対象出力実測値と比較する出力目標値の上限値
及び下限値を制御するようにしているため、周期的に変
化する制御対象出力の振幅を高精度で制御することが可
能である。
【0022】また、請求項2に記載した本発明の制御方
法によれば、出力目標値の上限値及び下限値を制御する
ために、各々の最終目標値と実測値との差分を偏差とし
て求め、その偏差に基づいて制御目標値を発生させるよ
うにしていることから、比例制御、PID制御、及びそ
の他の制御方式のうちの適宜な制御方式によって出力目
標値の上限値及び下限値をフィードバック制御すること
が可能である。
【0023】また、請求項3に記載した本発明の制御シ
ステムによれば、請求項1に記載した本発明の制御方法
と同様に、周期的に変化する制御対象出力の上限値と下
限値とを実測し、それら上限実測値及び下限実測値に基
づいて、制御対象出力実測値と比較する出力目標値の上
限値及び下限値を制御するようにしているため、周期的
に変化する制御対象出力の振幅を高精度で制御すること
が可能である。
【0024】また、請求項4に記載した本発明の制御シ
ステムによれば、請求項2に記載した本発明の制御方法
と同様に、出力目標値の上限値及び下限値を制御するた
めに、各々の最終目標値と実測値との差分を偏差として
求め、その偏差に基づいて制御目標値を発生させるよう
にしていることから、比例制御、PID制御、及びその
他の制御方式のうちの適宜な制御方式によって出力目標
値の上限値及び下限値をフィードバック制御することが
可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明して行く。図1は本発
明の実施の形態に係るレベル比較法を用いたフィードバ
ック制御システムの構成を示したブロック図、図2及び
図3は図1のフィードバック制御システムの要部の動作
を示したフローチャート、図4は図1のフィードバック
制御システムの出力目標値発生部の動作を示したフロー
チャート、図5は従来の典型的なフィードバック制御シ
ステムの基本構成を示したブロック図、図6は従来のレ
ベル比較法を用いたフィードバック制御システムの基本
構成を示したブロック図、図7及び図8は、図1、図
5、及び図6のフィードバック制御システムにおける出
力目標値と制御対象出力の値とを示したグラフであり、
図7及び図8(a)は図5のフィードバック制御システ
ムのもの、図8(b)は図6のフィードバック制御シス
テムのもの、そして図8(c)は図1のフィードバック
制御システムのものである。
【0026】図1にブロック図で示した本発明の実施の
形態にかかるレベル比較法を用いたフィードバック制御
システム10は、被制御装置12の出力をフィードバッ
ク制御するためのシステムであり、特に、制御対象出力
を所与の上限値と所与の下限値とで規定される振幅をも
って周期的に変化させる際に、その振幅をこれまでより
格段に高精度で制御できるようにしたフィードバック制
御システムである。
【0027】被制御装置12はどのような装置であって
もよいが、ただし本発明は、制御対象出力の振幅を高精
度で制御することが重要な用途において大きな効果を発
揮するものであり、そのような用途に用いられる被制御
装置としては、例えば、材料試験機がある。典型的な材
料試験機の構成は、油圧アクチュエータ系を制御して所
望の変位ないし荷重を発生させ、その変位ないし荷重を
試験片に印加することによって、様々な材料試験を実行
できるようにしたものである。また、被制御装置12が
この種の材料試験機である場合には、その油圧アクチュ
エータ系に発生させる変位ないし荷重が制御対象出力と
なる。
【0028】このような材料試験機を使用して疲労試験
を実行する場合には、その油圧アクチュエータ系に発生
させる変位ないし荷重を、正弦波状または三角波状に周
期的に変化させる。そして、特にその疲労試験が、低サ
イクル疲労試験である場合には、周期的に変化させる変
位ないし荷重の振幅を、その試験の開始直後から非常な
高精度で制御することが重要であり、さもないと、試験
結果の精度が著しく悪化してしまう。
【0029】図1のフィードバック制御システム10
は、先に説明した図5のフィードバック制御システム1
0’や図6のフィードバック制御システム10”のもの
と同一構成のフィードバックループ22を備えており、
また更に、図6のフィードバック制御システム10”の
ものと同一構成の出力目標値発生部14及び目標値発生
部制御部30を備えている。
【0030】より詳しくは、図1のフィードバック制御
システム10は、出力目標値Dsを発生させる出力目標
値発生部14を備えており、この出力目標値Dsを制御
対象出力の実測値Ssと比較することで、制御対象出力
をフィードバック制御するようにしている。またそのた
めに、フィードバック制御システム10は、制御対象出
力実測値Ssを検出する制御対象出力検出部16と、出
力目標値Dsと制御対象出力実測値Ssとを比較してそ
れらの間の差分を制御偏差として導出する比較部18
と、その制御偏差に基づいて制御信号を発生する制御信
号発生部20とを備えている。被制御装置12、制御対
象出力検出部16、比較部18、及び制御信号発生部2
0によって、フィードバックループ22が形成されてお
り、このフィードバックループ22によって、周知の方
式で制御対象出力のフィードバック制御が行われる。
【0031】図1のフィードバック制御システム10の
構成要素のうち、被制御装置12を除いた残りの構成要
素によって、この被制御装置12を制御するための制御
装置の部分が形成されている。この制御装置の部分は、
ディジタル信号処理装置と、そのディジタル信号処理装
置の設定及び制御を行うためのホストコンピュータシス
テムとで構成することができる。更にその場合に、被制
御装置12へ送出する制御信号をアナログ信号とする必
要があるならば、制御信号発生部20にD/Aコンバー
タを組込めばよく、また、制御対象出力検出部16がア
ナログセンサを用いて制御対象出力を検出する構成であ
るならば、この制御対象出力検出部16にA/Dコンバ
ータを組込めばよい。
【0032】このようにすれば、出力目標値発生部14
の構成を、出力目標値Dsをディジタル信号として出力
する構成とすることができ、また、比較部18の構成
を、いずれもディジタル値である出力目標値Dsと制御
対象出力実測値Ssとの差分を演算処理によって算出す
る構成とすることができる。
【0033】尚、フィードバック制御システム10のう
ちの制御装置の部分を、このようにディジタル信号処理
装置とホストコンピュータシステムとの組合せで構成す
るというのは、あくまでも1つの具体的な構成例に過ぎ
ず、アナログ回路を併用した構成とすることも可能であ
る。ただし以下の説明では、この制御装置の部分をディ
ジタル信号処理装置とホストコンピュータシステムとの
組合せで構成した場合に即して説明して行く。
【0034】図1にブロックで示した構成要素のうち、
被制御装置12と制御対象出力検出部16とを除いた要
素はいずれも、ディジタル信号処理装置が実行する機能
を表したものであり、いわば機能要素である。フィード
バック制御システム10に用いるディジタル信号処理装
置は、CPU、RAM、ROM、それに積和演算器等を
組合せた一般的な構成のものであり、本発明にとって
は、その具体的な構成よりも機能の方が重要であること
から、図1には、フィードバック制御系10のうちの、
そのディジタル信号処理装置によって構成される部分
を、機能要素を組合せたブロック図で示したのである。
図中の機能要素の多くは、ハードウェアで実現すること
も、また、ソフトウェアで実現する(即ち、ディジタル
信号処理装置のCPUにその機能を実行させる)ことも
可能なものである。ここでは、それら機能要素の具体的
な機能について説明した後に、それらをソフトウェアで
実現する場合にディジタル信号処理装置のCPUに実行
させるプログラムの概要を、フローチャートを参照しつ
つ説明することにする。
【0035】図1のフィードバック制御システム10に
おいて、出力目標値発生部14は、目標値発生部制御部
30から供給されるインクリメント命令(INC命令)
及びデクリメント命令(DEC命令)に応答して、出力
目標値Dsをインクリメント及びデクリメントできるよ
うに構成されており、これによって、出力目標値Dsを
上昇ないし低下させることができるようにしてある。
【0036】目標値発生部制御部30は、制御対象出力
検出部16から制御対象出力の実測値Ssを受取ってお
り、また更に、上限制御目標値発生部42からは上限制
御目標値Rmax.cを、そして、下限制御目標値発生
部50からは下限制御目標値Rmin.cを受取ってい
る。目標値発生部制御部30は、出力実測値Ssが、上
限制御目標値Rmax.cと下限制御目標値Rmin.
cとの間にある状態から、INC命令またはDEC命令
の一方の送出を開始する。そして、INC命令を送出し
ているときに出力実測値Ssが上限制御目標値Rma
x.cに達したならば、その時点でINC命令の送出を
停止してDEC命令の送出を開始し、また、DEC命令
を送出しているときに出力実測値Ssが下限制御目標値
Rmin.cに達したならば、その時点でDEC命令の
送出を停止してINC命令の送出を開始する。
【0037】従って、目標値発生部制御部30は、IN
C命令及びDEC命令を送出することで出力目標値発生
部14を制御しており、出力目標値Dsを上昇させてい
るときに、制御対象出力実測値Ssが上限制御目標値R
max.cに達したならば、出力目標値Dsの変化を上
昇から低下に転じさせ、また、出力目標値Dsを低下さ
せているときに、制御対象実測値Ssが下限制御目標値
Rmin.cに達したならば、出力目標値Dsの変化を
低下から上昇に転じさせるようにしている。
【0038】上限制御目標値Rmax.cを発生させる
ために、フィードバック制御システム10は、上限最終
目標値設定部36と、上限実測値導出部38と、比較部
40と、上限制御目標値発生部42とを備えている。
【0039】上限最終目標値設定部36は、オペレータ
に所与の上限値を設定させるための要素であり、その設
定値を上限最終目標値Rmax.fとして送出してい
る。この上限最終目標値Rmax.fは、制御対象出力
の上限値がその値になるように制御を行うところの制御
目標値である。オペレータは、ホストコンピュータシス
テムにこの上限最終目標値Rmax.fの設定値を入力
する。ホストコンピュータシステムに入力された設定値
はディジタル信号処理装置のRAMへ転送され、ディジ
タル信号処理装置のCPUがそのRAMからの読出しを
行うことで、上限最終目標値Rmax.fを送出すると
いう上限最終目標設定部36の機能が実行される。
【0040】上限実測値導出部38は、出力実測値Ss
から上限実測値Rmax.aを導出して比較部40へ供
給している。この上限実測値Rmax.aは、周期的に
変化する制御対象出力が最新のサイクルにおいて上昇か
ら低下へ転じたときの転換点の出力レベルを表している
値である。
【0041】比較部40は、上限最終目標値Rmax.
fと上限実測値Rmax.aとを比較してそれらの差分
を求めることで上限偏差を導出し、この上限偏差を上限
制御目標値発生部42へ供給している。上限制御目標値
発生部42は、この上限偏差の値に基づいて上限制御目
標値Rmax.cを発生させている。
【0042】先に説明した、図6の従来のフィードバッ
ク制御システム10”では、オペレータが設定した上限
目標値がそのまま目標値発生部制御部30に入力され
て、目標値発生部14を制御するための上限目標値とし
て使用されていた。これに対して、図1に示した本発明
にかかるフィードバック制御システム10では、オペレ
ータが設定する上限目標値と、目標値発生部14を制御
するため上限目標値とが同一ではないため、前者を上限
最終目標値Rmax.fと呼び、後者を上限制御目標値
Rmax.cと呼んで区別しているのである。
【0043】下限値の制御のための構成も、以上に説明
した上限値の制御のため構成に対応したものであり、下
限制御目標値Rmin.cを発生させるために、フィー
ドバック制御システム10は、下限最終目標値設定部4
4と、下限実測値導出部46と、比較部48と、下限制
御目標値発生部50とを備えている。
【0044】下限最終目標値設定部44は、オペレータ
に所与の下限値を設定させるための要素であり、その設
定値を下限最終目標値Rmin.fとして送出してい
る。この下限最終目標値Rmin.fは、制御対象出力
の下限値がその値になるように制御を行うところの制御
目標値である。下限最終目標値設定部44は、上限最終
目標値設定部36と同様の構成とすればよい。
【0045】下限実測値導出部46は、出力実測値Ss
から下限実測値Rmin.aを導出して比較部48へ供
給している。この下限実測値Rmin.aは、周期的に
変化する制御対象出力が最新のサイクルにおいて低下か
ら上昇へ転じたときの転換点の出力レベルを表している
値である。
【0046】比較部48は、下限最終目標値Rmin.
fと下限実測値Rmin.aとを比較してそれらの差分
を求めることで下限偏差を導出し、この下限偏差を下限
制御目標値発生部50へ供給している。下限制御目標値
発生部50は、この下限偏差の値に基づいて下限制御目
標値Rmin.cを発生させている。
【0047】下限最終目標値Rmin.f及び下限制御
目標値Rmin.cという用語の意味については、上限
最終目標値Rmax.f及び上限制御目標値Rmax.
cという用語の意味についての上の説明を参照された
い。
【0048】以上に説明した構成によれば、周期的に変
化する制御対象出力が、最新の(即ち前回の)サイクル
において上昇から低下に転じたときの、その制御対象出
力の実測値(即ち上限実測値Rmax.a)に基づい
て、今回のサイクルにおいて制御対象出力の上限値を制
御するために用いる上限制御目標値Rmax.cの値が
制御される。しかもこの上限制御目標値Rmax.cの
制御は、以上の説明から明らかなように、上限実測値R
max.aが上限最終目標値Rmax.fに近付くよう
にするフィードバック制御として行われる。その結果、
今回のサイクルにおける制御対象出力の上限値は、上限
最終目標値Rmax.fに非常に近い値となる。
【0049】また下限値についても同様に、周期的に変
化する制御対象出力が、最新の(即ち前回の)サイクル
において低下から上昇に転じたときの、その制御対象出
力の実測値(即ち下限実測値Rmin.a)に基づい
て、今回のサイクルにおいて制御対象出力の下限値を制
御するために用いる下限制御目標値Rmin.cの値が
制御される。しかもこの下限制御目標値Rmin.cの
制御は、以上の説明から明らかなように、下限実測値R
min.aが下限最終目標値Rmin.fに近付くよう
にするフィードバック制御として行われる。その結果、
今回のサイクルにおける制御対象出力の下限値は、下限
最終目標値Rmax.fに非常に近い値となる。
【0050】このように、制御対象出力の上限値及び下
限値が高精度でフィードバック制御されるため、その振
幅誤差が非常に小さなものとなる。尚、この上限値及び
下限値のフィードバック制御を、比例制御として実行す
る場合には、上限制御目標値発生部42及び下限制御目
標値発生部50の構成を、最新の(即ち前回のサイクル
における)上限偏差及び下限偏差に適当なゲインを乗じ
た値を、夫々、上限制御目標値Rmax.c及び下限制
御目標値Rmin.cとして発生するような構成とすれ
ばよい。
【0051】或いは、この上限値及び下限値のフィード
バック制御を、比例・積分・微分制御(PID制御)と
して実行する場合には、上限制御目標値発生部42及び
下限制御目標値発生部50の構成を、最新の上限偏差及
び下限偏差に適当なゲインを乗じた夫々の値に更に、前
々回以前の複数回のサイクルにおける上限偏差及び下限
偏差から導出したそれら偏差の変化量や、それら偏差の
累積量に比例した値を夫々加算した値を、夫々、上限制
御目標値Rmax.c及び下限制御目標値Rmin.c
として発生するような構成とすればよい。
【0052】このように、上限値及び下限値のフィード
バック制御によって、上限制御目標値Rmax.c及び
下限制御目標値Rmin.cが調節されるため、目標値
発生部制御部30が送出するINC命令及びDEC命令
に従って動作している出力目標値発生部14が発生する
出力目標値Ds(図8の(c)に破線で示した)は、そ
の振幅が制御され、その結果、この出力目標値Dsに従
ってフィードバックループ22を介して制御される被制
御装置12の制御対象出力は、図8の(c)に実線で示
したようになる。
【0053】この図8の(c)について説明すると、時
刻t0に、制御対象出力(実線)が上限制御目標値Rm
ax.cに達しており、そのため、出力目標値発生部1
4の動作がインクリメントからデクリメントへ切り換え
られて、送出される出力目標値Dsが上昇から低下へ転
じている。ただし、制御対象出力はオーバーシュートに
よって、時刻t0以後にも僅かに上昇しており、そのた
め、制御対象出力が実際に上昇から低下へ転じるときの
上限値が、上限最終目標値Rmax.fに略々一致する
という結果が得られている。従って本発明によれば、た
とえ振幅誤差が発生したとしても、それは、図6の従来
のレベル比較法を用いたフィードバック制御系10”で
発生する図8の(b)に示した振幅誤差ΔEampとは
比較にならないほどの小さな振幅誤差でしかなく、振幅
制御の精度が格段に向上する。
【0054】次に、図2乃至図4のフローチャートを参
照して、本発明における重要な構成要素である出力目標
値発生部14、目標値発生部制御部30、上限実測値導
出部38、比較部40、上限制御目標値発生部42、下
限実測値導出部46、比較部48、及び下限制御目標値
発生部50を、ソフトウェアで実現する場合のプログラ
ムの概要について説明する。
【0055】図2及び図3のフローチャート100は、
目標値発生部制御部30、上限実測値導出部38、比較
部40、上限制御目標値発生部42、下限実測値導出部
46、比較部48、及び下限制御目標値発生部50の機
能に対応したものであおり、図4のフローチャート20
0は、出力目標値発生部14の機能に対応したものであ
る。
【0056】被制御装置12の制御対象出力を、所与の
上限値と所与の下限値とで規定される振幅をもって周期
的に変化させる制御を行うには、先ず、被制御装置12
のオペレータが、ホストコンピュータシステムへ、所望
の上限値及び下限値を入力する。入力されたそれら値
は、ホストコンピュータシステムから、図1の制御シス
テムを構成するために用いられているディジタル信号処
理装置へ、夫々、上限最終目標値Rmax.f及び下限
最終目標値Rmin.fとして転送される。
【0057】ディジタル信号処理装置は、図2に示すよ
うに、試験片が装着された被制御装置12を制御して、
出力実測値Ssが、上限最終目標値Rmax.fと下限
最終目標値Rmin.fとの間にくるようにする(ステ
ップS102)。
【0058】続いて、制御のための幾つかの変数及びフ
ラグの初期化を行う(ステップS104)、この初期化
プロセスにおいては、上限制御目標値Rmax.cを上
限最終目標値Rmax.fに等しく設定し、下限制御目
標値Rmin.cを下限最終目標値Rmin.fに等し
く設定する。これらの設定を行うのは、制御を開始した
最初のサイクルでは、前回のサイクルにおける上限実測
値Rmax.a及び下限実測値Rmin.aが存在して
おらず、上限制御目標値Rmax.c及び下限制御目標
値Rmin.cを導出することが不可能だからである。
そのため、最初のサイクルにおける上限値及び下限値の
制御のために、取りあえずそれら制御目標値を、上限最
終目標値Rmax.f及び下限最終目標値Rmin.f
に等しく設定するのである。
【0059】ステップS104の初期化プロセスでは更
に、I/Dフラグ、Max検出フラグ、及びMin検出
フラグを全て「0」に設定する。I/Dフラグは、IN
C命令及びDEC命令を伝達するためのフラグであり、
これが「0」であればDEC命令が送出されているもの
と解釈し、「1」であればINC命令が送出されている
ものと解釈する。
【0060】Max検出フラグは、上限実測値Rma
x.aの検出動作を実行開始すべきこと(または実行中
であること)を示すフラグであり、その検出動作を実行
開始すべきときに「0」から「1」に変更され、その検
出動作が終了したならば「1」から「0」に変更され
る。Min検出フラグは、下限実測値Rmin.aの検
出動作を実行開始すべきこと(または実行中であるこ
と)を示すフラグであり、その検出動作を実行開始すべ
きときに「0」から「1」に変更され、その検出動作が
終了したならば「1」から「0」に変更される。
【0061】以上の初期化プロセスを完了したならば、
上限最終目標値Rmax.fと下限最終目標値Rmi
n.fとで規定される振幅をもって制御対象出力を周期
的に変化させる(上昇及び低下を反復させる)制御を開
始する。この制御は、図2のステップS106以降図3
のステップS140までのプロセスから成るループと、
図4のフローチャート200に示したプロセスから成る
ループとを、時分割処理等によって並行して実行するこ
とによって行う。
【0062】既述の如く、図4のフローチャート200
は、出力目標値発生部14の機能を実行するためのもの
であり、図2のステップS106以降図3のステップS
140までのプロセスの説明より先に、そちらを説明す
ることにする。
【0063】図4のフローチャート200において、ス
テップS202では、三角波信号として発生させる出力
目標値Dsの上昇速度ないし低下速度を設定する。これ
ら変化速度は、出力目標値Dsをインクリメントないし
デクリメントする際の刻み量(増減量)ΔSに比例し、
そのインクリメントないしデクリメントを行う反復周期
ΔTに反比例する。増減量ΔSを最小に設定して反復周
期ΔTの長さを調節することで、出力目標値Dsの分解
能を細かくして滑らかに変化させることができるため、
ステップS202では、オペレータが設定した変化速度
に基づいて、それに対応した反復周期ΔTを算出する。
続いて、このΔTが経過する間、待機した後に(S20
4)、前述のI/Dフラグを参照し(S206、S21
0)、そのI/Dフラグが「1」であったならば出力目
標値発生部14が送出している出力目標値DsをΔSだ
けインクリメントし(S128)、I/Dフラグが
「0」であったならばΔSだけデクリメントする(S1
32)。そして、ステップS134において、制御対象
出力を周期的に変化させる制御を終了すべきことが示さ
れるまで、以上のステップS124〜S132を反復し
て実行する。以上によって、出力目標値Dsが、図8の
(c)に破線で示したように、三角波信号として発生さ
れる。
【0064】次に、図2のフローチャート100の、ス
テップS106以降の部分について説明する。制御対象
出力を周期的に変化させる制御を開始したならば、ステ
ップS106において出力実測値Ssの現在値を読み取
る。ステップS106に続くステップS108〜S12
2は、制御対象出力の上限値の制御に関する処理を行う
ステップであり、更にそれに続く図3のステップS12
4〜S138は、制御対象出力の下限値の制御に関する
処理を行うステップである。そして、これらステップS
106、ステップS108〜S122、及びステップS
138によって、制御対象出力の制御を行っている間、
反復して実行されるプロセスループが形成されている。
【0065】図2に示すステップS108では、Max
検出フラグが「1」であるか否かを調べる。もし「1」
でなかったならば(N)、処理の流れはステップS11
0へ進み、このステップS110では、出力実測値Ss
が上限制御目標値Rmax.cを超えたか否かを判定す
る。この判定を行う理由は、出力実測値Ssが上限制御
目標値Rmax.cを超えたならば、(後述のステップ
S116で)Max検出フラグを「1」にセットして、
上限実測値Rmax.aの検出動作を開始させるように
しているからである。そして、このステップS110で
の判定結果が否定(N)であったならば、今回のプロセ
スループにおける上限値の制御に関する処理は終了し、
処理の流れはこのステップS110から、下限値の制御
に関する処理のための最初のステップであるステップS
124へ進む。
【0066】一方、ステップS110での判定結果が肯
定(Y)であったならば、続いてステップS112にお
いて、I/Dフラグを「0」にリセットする。これによ
って出力目標値発生部14が発生している出力目標値D
sが、それまで上昇していたものが低下へと転じる(図
8の(c)中の時刻t0を参照されたい)。続いてステ
ップS114では、Max検出フラグを「1」にセット
し、変数Scuを最新の(ステップS106で読み取っ
たばかりの)出力実測値Ssに等しく設定し、また変数
Svuを同じく最新の出力実測値Ssに等しく設定す
る。ステップS114で行うこれらの処理は、いずれ
も、上限実測値Rmax.aの検出動作を実行開始する
ための準備処理である。
【0067】ステップS114で以上の処理を完了した
ならば、今回のプロセスループにおける上限値の制御に
関する処理は完了し、処理の流れはこのステップS11
2から、下限値の制御に関する処理のための最初のステ
ップである図3のステップS124へ進む。下限値の制
御に関する処理が完了したならば、ステップS140か
ら図2のステップS106へループバックする。従っ
て、ある回のプロセスループにおいてステップS114
を通過したならば、その次の回のプロセスループにおい
てステップS108を実行したときに、Max検出フラ
グが「1」である(Y)と判定される。
【0068】既述の如く、Max検出フラグが「1」で
あるということは、上限実測値Rmax.aの検出動作
を実行開始すべきこと(またはその検出動作が実行中で
あること)を表すものである。そのため、ステップS1
08において、Max検出フラグが「1」である(Y)
と判定された場合には、処理の流れはそこからステップ
S116へ進み、そこで変数Svuの更新を行う。この
更新は、変数Svuの現在値と、最新に読み取った出力
実測値Ssとの、いずれか大きい方の値をもって変数S
vuの新たな値とするというものであり、この更新が行
われるため、変数Svuは、上限実測値Rmax.aの
検出動作を開始してから現在までの出力実測値Ssの最
大値を追跡するための変数として機能することになる。
一方、前述の変数Scuは、ステップS114で設定さ
れた後には更新されないため、上限実測値Rmax.a
の検出動作の開始時刻における出力実測値Ssのレベル
を保持し続ける。
【0069】続いてステップS118において、最新に
読み取った出力実測値Ssの値が、変数ScuからΔe
を差し引いた値より小さいか否かを調べる。これは、出
力実測値Ssが、図8の(c)に示すように、上限実測
値Rmax.aの検出動作の開始時刻t0から一旦オー
バーシュートして幾らか上昇した後に低下に転じるた
め、この出力実測値Ssのレベルが、変数Scuで表さ
れたレベル(即ち、上限実測値Rmax.aの検出動作
の開始時刻t0における出力実測値Ssのレベル)より
低くなったときをもって、制御対象出力が確実に上限値
を通過したと判定し得ることを利用したものである。
尚、変数ScuからΔeを差し引いているのは、出力実
測値Ssに生じるノイズによって、上限実測値Rma
x.aの検出動作の終了直後に再度その検出動作が起動
されるという事態が生じるのを防止するためであり、こ
のΔeの値は、発生し得るノイズの大きさより僅かに大
きな値にしておく。
【0070】ステップS118における判定結果が否定
(N)であったならば、制御対象出力が上限値を通過し
たか否かは不明であり、この場合には、今回のプロセス
ループでの上限値の制御に関する処理は終了し、処理の
流れはこのステップS118から、下限値の制御に関す
る処理のための最初のステップである図3のステップS
124へ進む。
【0071】一方、図2のステップS118における判
定結果が肯定(Y)であったならば、これは、制御対象
出力が確実に上限値を通過したこと(即ち、上昇から低
下へ転じたこと)を示すものであり、処理の流れはステ
ップS120へ進む。ステップS120では、上限実測
値Rmax.aを、通過したばかりの上限値の実際のレ
ベルを表している変数Svuの値に等しく設定し、また
Max検出フラグを「0」にリセットして、上限実測値
Rmax.aの検出動作を終了する。
【0072】続いてステップS122において、以上の
ようにして新たに検出された上限実測値Rmax.aに
基づいて、上限制御目標値Rmax.cを更新する。先
に説明したように、上限値のフィードバック制御は、比
例制御で行うこともでき、またPID制御で行うことも
でき、更にはその他の制御でおこなうこともできる。こ
れを比例制御で行う場合には、図2のステップS112
のブロックに書込んであるように、上限最終目標値Rm
ax.fから上限実測値Rmax.aを差し引いた差分
に、所与のゲインKを乗じた値をもって、新たな上限制
御目標値Rmax.cとする。この新たな上限制御目標
値Rmax.cの値は、周期的に変化する制御対象出力
の次回のサイクルの上限値を制御するために用いられ
る。このステップS122での処理が完了したならば、
処理の流れは図3のステップS124へ進む。
【0073】既述の如く、以上の図2に示すステップS
108〜S122は、上限値の制御に関する処理を実行
するためのステップである。そして、以上の説明から明
らかなように、それらのうち、ステップS108、S1
10、S114、S116、S118、及びS120に
よって、上限実測値導出部38の機能が実行されてい
る。また、ステップS122によって、比較部40及び
上限制御目標値発生部42の機能が実行されている。ま
た、ステップS112は、INC命令及びDEC命令を
表すI/Dフラグの設定を行っており、従って、目標値
発生部制御部30の機能を実行している。
【0074】ステップS110、S114、S118、
及びS122のいずれからも、処理の流れは図3のステ
ップS124へ進む。ステップS124〜S138は、
下限値の制御に関する処理を実行するためのステップで
あり、以下にそれらステップについて説明する。ただ
し、ステップS124〜S138は、上限値の制御に関
する処理を実行するための図2に示すステップS108
〜S122の夫々に対応しているため、単に夫々のステ
ップの具体的な処理内容を説明するにとどめ、その処理
内容の意味するところについては、夫々のステップに対
応する上限値の制御に関する処理のためのステップの説
明を参照されたい。
【0075】図3のステップS124では、Min検出
フラグが「1」であるか否かを調べる。もし「1」でな
かったならば(N)、処理の流れはステップS126へ
進み、出力実測値Ssが下限制御目標値Rmin.cを
下回ったか否かを判定する。このステップS126での
判定結果が否定(N)であったならば、今回のプロセス
ループにおける下限値の制御に関する処理は終了し、処
理の流れはこのステップS126から、プロセスループ
を終了するか否かを判定するためのステップS140へ
進む。
【0076】一方、ステップS126における判定結果
が肯定(Y)であったならば、続いてステップS128
において、I/Dフラグを「1」にセットする。これに
よって、出力目標値発生部14が発生している出力目標
値Dsが、それまで低下していたものが上昇へと転じ
る。続いてステップS130では、Min検出フラグを
「1」にセットし、変数Sclを最新の(ステップS1
06で読み取ったばかりの)出力実測値Ssに等しく設
定し、変数Svlを同じく最新の出力実測値Ssに等し
く設定する。これらはいずれも、下限実測値Rmin.
aの検出動作を実行開始するための準備処理である。
【0077】ステップS130での以上の処理を完了し
たならば、今回のプロセスループにおける上限値の制御
に関する処理は終了し、処理の流れはこのステップS1
12から、プロセスループを終了するか否かを判定する
ためのステップS140へ進む。このステップS140
において、制御対象出力の制御を続行すべきであると判
定されたる場合には(Y)、このステップS140から
ステップS106へループバックする。従って、ある回
のプロセスループにおいてステップS130を通過した
ならば、その次の回のプロセスループにおいてステップ
S124を実行したときには、Min検出フラグが
「1」である(Y)と判定される。
【0078】既述の如く、Min検出フラグが「1」で
あるということは、下限実測値Rmin.aの検出動作
を実行開始すべきこと(またはその検出動作が実行中で
あること)を表すものである。そのため、ステップS1
24において、Min検出フラグが「1」である(Y)
と判定された場合には、処理の流れはそこからステップ
S132へ進み、そこで変数Svlの更新を行う。この
更新は、変数Svlの現在値と、最新に読み取った出力
実測値Ssとの、いずれか小さい方の値をもって変数S
vlの新たな値とするというものであり、この更新が行
われるため、変数Svlは、下限実測値Rmin.aの
検出動作を開始してから現在までの出力実測値Ssの最
小値を追跡するための変数として機能することになる。
一方、前述の変数Sclは、ステップS130で設定さ
れた後には更新されないため、下限実測値Rmax.a
の検出動作の開始時刻における出力実測値Ssのレベル
を保持し続ける。
【0079】続いてステップS134において、最新に
読み取った出力実測値Ssの値が、変数SclにΔeを
加えた値より大きいか否かを調べる。これは、その出力
実測値Ssのレベルが、変数Sclで表された出力実測
値Ssのレベルより高くなったときをもって、制御対象
出力が確実に下限値を通過したと判定し得ることを利用
したものである。尚、Δeの値は、既述の如く、出力実
測値Ssに発生し得るノイズの大きさより僅かに大きな
値にしておく。
【0080】ステップS134における判定結果が否定
(N)であったならば、制御対象出力が下限値を通過し
たか否かは不明であり、この場合には、今回のプロセス
ループでの下限値の制御に関する処理は終了し、処理の
流れはこのステップS134から、プロセスループを終
了するか否かを判定するためのステップS140へ進
む。
【0081】一方、ステップS134における判定結果
が肯定(Y)であったならば、これは、制御対象出力が
確実に下限値を通過したこと(即ち、低下から上昇へ転
じたこと)を示すものであり、処理の流れはステップS
136へ進む。ステップS136では、下限実測値Rm
in.aを、通過したばかりの下限値の実際のレベルを
表している変数Svlの値に等しく設定し、またMin
検出フラグを「0」にリセットして、下限実測値Rmi
n.aの検出動作を終了する。
【0082】続いてステップS138において、新たに
検出された下限実測値Rmin.aに基づいて下限制御
目標値Rmin.cを更新する。ここでは、下限値のフ
ィードバック制御を、上限値のフィードバック制御と同
様に比例制御で行っており、下限最終目標値Rmin.
fから下限実測値Rmin.aを差し引いた差分に、所
与のゲインKを乗じた値をもって、新たな下限制御目標
値Rmin.cとするようにしている。この新たな下限
制御目標値Rmin.cの値は、周期的に変化する制御
対象出力の次回のサイクルの下限値を制御するために用
いられる。このステップS138の処理が完了したなら
ば、処理の流れはステップS140へ進む。
【0083】既述の如く、以上のステップS124〜S
138は、下限値の制御に関する処理を実行するための
ステップである。そして、以上の説明から明らかなよう
に、それらのうち、ステップS124、S126、S1
30、S132、S134、及びS136によって、下
限実測値導出部46の機能が実行されている。また、ス
テップS138によって、比較部48及び下限制御目標
値発生部50の機能が実行されている。また、ステップ
S128は、INC命令及びDEC命令を表すI/Dフ
ラグの設定を行っており、従って、目標値発生部制御部
30の機能を実行している。
【0084】ステップS126、S130、S134、
及びS136のいずれからも、処理の流れはステップS
140へ進む。ホストコンピュータシステムから、図1
のフィードバック制御システム10を構成するために用
いられているディジタル信号処理装置へ、制御対象出力
を周期的に変化させる制御を停止すべき旨の指令が出さ
れたならば、ステップS140において、プロセスルー
プを終了すべきである(Y)との判定がなされて、図2
及び図3のフローチャートの処理は終了する。その停止
指令が出されていなければ、図3のステップS140の
判定結果は否定(N)であり、処理の流れは図2のステ
ップS106へ戻ってプロセスループが反復して実行さ
れる。
【0085】以上に図2乃至図4を参照して、図1のブ
ロック図に示した機能要素のうち、本発明にとって重要
な要素を、ディジタル信号処理装置を用いてソフトウェ
アで実現する場合の具体例を示した。ただし、本発明の
実施の形態はこの具体例に限られるものではなく、図1
のブロック図に示した様々な機能要素を、専用のハード
ウェアで構成することも可能であり、また更に、ディジ
タル技術によらず、アナログ技術によって本発明を構成
することも可能である。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た本発明の制御方法は、制御対象出力を所与の上限値と
所与の下限値とで規定される振幅をもって周期的に変化
させるための制御方法において、制御対象出力をフィー
ドバック制御するために制御対象出力実測値と比較する
出力目標値を、上昇ないし低下させるように変化させる
ステップと、前記出力目標値を上昇させているときに、
制御対象出力実測値が上限制御目標値に達したならば、
前記出力目標値の変化を上昇から低下に転じさせるステ
ップと、前記出力目標値を低下させているときに、制御
対象出力実測値が下限制御目標値に達したならば、前記
出力目標値の変化を低下から上昇に転じさせるステップ
と、所与の上限値を上限最終目標値として設定するステ
ップと、所与の下限値を下限最終目標値として設定する
ステップと、制御対象出力が上昇から低下に転じるとき
の制御対象出力実測値である上限実測値が前記上限最終
目標値に近付くように前記上限制御目標値を制御する上
限制御目標値制御ステップと、制御対象出力が低下から
上昇に転じるときの制御対象出力実測値である下限実測
値が前記下限最終目標値に近付くように前記下限制御目
標値を制御する下限制御目標値制御ステップとを含んで
いる。
【0087】そのため、周期的に変化する制御対象出力
の上限値と下限値とを実測し、それら上限実測値及び下
限実測値に基づいて、制御対象出力実測値と比較する出
力目標値の上限値及び下限値を制御するようにしている
ことから、周期的に変化する制御対象出力の振幅を高精
度で制御することができる。
【0088】また、請求項2に記載した本発明の制御方
法は、前記上限制御目標値制御ステップが、前記上限最
終目標値と前記上限実測値との差分を求めることで上限
偏差を導出するステップと、該上限偏差に基づいて前記
上限制御目標値を発生させるステップとを含んでおり、
前記下限制御目標値制御ステップが、前記下限最終目標
値と前記下限実測値との差分を求めることで下限偏差を
導出するステップと、該下限偏差に基づいて前記下限制
御目標値を発生させるステップとを含んでいるものとし
た。
【0089】従って、出力目標値の上限値及び下限値を
制御するために、各々の最終目標値と実測値との差分を
偏差として求め、その偏差に基づいて制御目標値を発生
させるようにしていることから、比例制御、PID制
御、及びその他の制御方式のうちの適宜な制御方式によ
って出力目標値の上限値及び下限値をフィードバック制
御することができる。
【0090】また、請求項3に記載した本発明の制御シ
ステムは、制御対象出力を所与の上限値と所与の下限値
とで規定される振幅をもって周期的に変化させるための
制御システムにおいて、制御対象出力をフィードバック
制御するために制御対象出力実測値と比較する出力目標
値を発生させ、該出力目標値を上昇及び低下させること
ができるように構成した出力目標値発生部と、前記出力
目標値発生部が発生させている前記出力目標値が上昇し
ているときに制御対象出力実測値が上限制御目標値に達
したならば、前記出力目標値の変化を上昇から低下に転
じさせ、前記出力目標値発生部が発生させている前記出
力目標値が低下しているときに制御対象出力実測値が下
限制御目標値に達したならば、前記出力目標値の変化を
低下から上昇に転じさせるように、前記出力目標値発生
部を制御する目標値発生部制御部と、オペレータに所与
の上限値を上限最終目標値として設定させる上限最終目
標値設定部と、オペレータに所与の下限値を下限最終目
標値として設定させる下限最終目標値設定部とを備え、
前記目標値発生部制御部が前記上限制御目標値及び前記
下限制御目標値に基づいて前記出力目標値発生部を制御
することによって、制御対象出力が上昇から低下に転じ
るときの制御対象出力実測値である上限実測値が前記上
限最終目標値に近付くように前記上限制御目標値が制御
され、制御対象出力が低下から上昇に転じるときの制御
対象出力実測値である下限実測値が前記下限最終目標値
に近付くように前記下限制御目標値が制御されるように
した。
【0091】そのため、請求項1に記載した本発明の制
御方法と同様に、周期的に変化する制御対象出力の上限
値と下限値とを実測し、それら上限実測値及び下限実測
値に基づいて、制御対象出力実測値と比較する出力目標
値の上限値及び下限値を制御するようにしていることか
ら、周期的に変化する制御対象出力の振幅を高精度で制
御することができる。
【0092】また、請求項4に記載した本発明の制御シ
ステムは、制御対象出力実測値から前記上限実測値を導
出する上限実測値導出部と、前記上限最終目標値と前記
上限実測値とを比較してそれらの差分を求めることで上
限偏差を導出する比較部と、前記上限偏差に基づいて前
記上限制御目標値を発生させる上限制御目標値発生部
と、制御対象出力実測値から前記下限実測値を導出する
下限実測値導出部と、前記下限最終目標値と前記下限実
測値とを比較してそれらの差分を求めることで下限偏差
を導出する比較部と、前記下限偏差に基づいて前記下限
制御目標値を発生させる下限制御目標値発生部とを更に
備えたものとした。
【0093】従って、請求項2に記載した本発明の制御
方法と同様に、出力目標値の上限値及び下限値を制御す
るために、各々の最終目標値と実測値との差分を偏差と
して求め、その偏差に基づいて制御目標値を発生させる
ようにしていることから、比例制御、PID制御、及び
その他の制御方式のうちの適宜な制御方式によって出力
目標値の上限値及び下限値をフィードバック制御するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるレベル比較法を用
いたフィードバック制御システムの構成を示したブロッ
ク図である。
【図2】図1のフィードバック制御システムの要部の動
作を示したフローチャートである。
【図3】図1のフィードバック制御システムの要部の動
作を示したフローチャートである。
【図4】図1のフィードバック制御システムの出力目標
値発生部の動作を示したフローチャートである。
【図5】従来の典型的なフィードバック制御システムの
基本構成を示したブロック図である。
【図6】従来のレベル比較法を用いたフィードバック制
御システムの基本構成を示したブロック図である。
【図7】図5のフィードバック制御システムにおける出
力目標値と制御対象出力の値とを示したグラフである。
【図8】図1、図5、及び図6のフィードバック制御シ
ステムにおける出力目標値と制御対象出力の値とを示し
たグラフであり、(a)は図5のフィードバック制御シ
ステムのもの、(b)は図6のフィードバック制御シス
テムのもの、そして(c)は図1のフィードバック制御
システムのものである。
【符号の説明】
10 フィードバック制御システム 14 出力目標値発生部 22 フィードバックループ 30 目標値発生部制御部 36 上限最終目標値設定部 38 上限実測値導出部 40 比較部 42 上限制御目標値発生部 44 下限最終目標値設定部 46 下限実測値導出部 48 比較部 50 下限制御目標値発生部 Ds 出力目標値 Ss 出力実測値

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象出力を所与の上限値と所与の下
    限値とで規定される振幅をもって周期的に変化させるた
    めの制御方法において、 制御対象出力をフィードバック制御するために制御対象
    出力実測値と比較する出力目標値を、上昇ないし低下さ
    せるように変化させるステップと、 前記出力目標値を上昇させているときに、制御対象出力
    実測値が上限制御目標値に達したならば、前記出力目標
    値の変化を上昇から低下に転じさせるステップと、 前記出力目標値を低下させているときに、制御対象出力
    実測値が下限制御目標値に達したならば、前記出力目標
    値の変化を低下から上昇に転じさせるステップと、 所与の上限値を上限最終目標値として設定するステップ
    と、 所与の下限値を下限最終目標値として設定するステップ
    と、 制御対象出力が上昇から低下に転じるときの制御対象出
    力実測値である上限実測値が前記上限最終目標値に近付
    くように前記上限制御目標値を制御する上限制御目標値
    制御ステップと、 制御対象出力が低下から上昇に転じるときの制御対象出
    力実測値である下限実測値が前記下限最終目標値に近付
    くように前記下限制御目標値を制御する下限制御目標値
    制御ステップと、 を含んでいることを特徴とする制御方法。
  2. 【請求項2】 前記上限制御目標値制御ステップが、前
    記上限最終目標値と前記上限実測値との差分を求めるこ
    とで上限偏差を導出するステップと、該上限偏差に基づ
    いて前記上限制御目標値を発生させるステップとを含ん
    でおり、 前記下限制御目標値制御ステップが、前記下限最終目標
    値と前記下限実測値との差分を求めることで下限偏差を
    導出するステップと、該下限偏差に基づいて前記下限制
    御目標値を発生させるステップとを含んでいる、 ことを特徴とする請求項1記載の制御方法。
  3. 【請求項3】 制御対象出力を所与の上限値と所与の下
    限値とで規定される振幅をもって周期的に変化させるた
    めの制御システムにおいて、 制御対象出力をフィードバック制御するために制御対象
    出力実測値と比較する出力目標値を発生させ、該出力目
    標値を上昇及び低下させることができるように構成した
    出力目標値発生部と、 前記出力目標値発生部が発生させている前記出力目標値
    が上昇しているときに制御対象出力実測値が上限制御目
    標値に達したならば、前記出力目標値の変化を上昇から
    低下に転じさせ、前記出力目標値発生部が発生させてい
    る前記出力目標値が低下しているときに制御対象出力実
    測値が下限制御目標値に達したならば、前記出力目標値
    の変化を低下から上昇に転じさせるように、前記出力目
    標値発生部を制御する目標値発生部制御部と、 オペレータに所与の上限値を上限最終目標値として設定
    させる上限最終目標値設定部と、 オペレータに所与の下限値を下限最終目標値として設定
    させる下限最終目標値設定部とを備え、 前記目標値発生部制御部が前記上限制御目標値及び前記
    下限制御目標値に基づいて前記出力目標値発生部を制御
    することによって、制御対象出力が上昇から低下に転じ
    るときの制御対象出力実測値である上限実測値が前記上
    限最終目標値に近付くように前記上限制御目標値が制御
    され、制御対象出力が低下から上昇に転じるときの制御
    対象出力実測値である下限実測値が前記下限最終目標値
    に近付くように前記下限制御目標値が制御されるように
    した、 ことを特徴とする制御システム。
  4. 【請求項4】 制御対象出力実測値から前記上限実測値
    を導出する上限実測値導出部と、 前記上限最終目標値と前記上限実測値とを比較してそれ
    らの差分を求めることで上限偏差を導出する比較部と、 前記上限偏差に基づいて前記上限制御目標値を発生させ
    る上限制御目標値発生部と、 制御対象出力実測値から前記下限実測値を導出する下限
    実測値導出部と、 前記下限最終目標値と前記下限実測値とを比較してそれ
    らの差分を求めることで下限偏差を導出する比較部と、 前記下限偏差に基づいて前記下限制御目標値を発生させ
    る下限制御目標値発生部と、 を更に備えたことを特徴とする請求項3記載の制御シス
    テム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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