JPH09106303A - 制御系のゲイン自動決定方法 - Google Patents

制御系のゲイン自動決定方法

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JPH09106303A
JPH09106303A JP28914895A JP28914895A JPH09106303A JP H09106303 A JPH09106303 A JP H09106303A JP 28914895 A JP28914895 A JP 28914895A JP 28914895 A JP28914895 A JP 28914895A JP H09106303 A JPH09106303 A JP H09106303A
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control
suf
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御系のゲインの最適値を自動決定する決定
方法を提供する。 【解決手段】 対象とする制御系を基にして制御系のゲ
イン最適値を自動決定するためのゲイン調整系を形成
し、このゲイン調整系を用いて得られるゲインを制御系
のゲインとする。つまり、速度偏差に制御ループのゲイ
ンを乗じた値を制御対象に加えて制御対象の比例制御を
行う制御系において、速度偏差の増加に対して発振領域
から安定領域に向かってゲインが減少する特性を備えた
ゲイン調整系を形成し、このゲイン調整系において発振
限界に収束するゲインを求め、ゲイン調整系で求めたゲ
インを制御系のゲインとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータやロボット
等の制御において、比例制御を行う際の制御ループゲイ
ンを自動決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】モータやロボット等の制御において、制
御対象を比例制御によって制御する場合がある。この比
例制御は、制御要素に対する動作信号と該制御要素から
制御対象に加えられる操作量との間に連続的比例関係が
成り立つような制御であり、制御ループのゲインを発振
限界付近に設定することによって、制御系の性能を最大
限に利用することができる。
【0003】通常、この制御系の制御ループのゲインの
調整は専ら人手により、ゲインと該ゲインに対する応答
との関係を観察しながらゲインを調節する試行錯誤の操
作を繰り返すことによって行っている。
【0004】図10は、比例制御系を表すブロック線図
であり、該ブロック線図はモータやロボットを制御対象
としている。比例制御系では、速度指令vcと制御対象
2の速度vとから速度偏差Sufを求め、ゲイン項1にお
いて速度偏差SufにゲインKvを乗じ、このゲイン項1
の出力制御対象に加えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ゲイン決定方法では、人手によるゲイン調整であるため
多くの労力を必要とし、最適なゲイン調整はより多くの
時間と労力を要し、制御対象の特性が不明である場合に
は、ゲイン調整は特に困難となる。
【0006】そこで、本発明は前記した従来の制御系の
ゲイン調整の問題点を解決して、制御系のゲインの最適
値を自動決定する決定方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の制御系のゲイン
自動決定方法は、対象とする制御系を基にして制御系の
ゲイン最適値を自動決定するためのゲイン調整系を形成
し、このゲイン調整系を用いて得られるゲインを制御系
のゲインとするものである。つまり、速度偏差に制御ル
ープのゲインを乗じた値を制御対象に加えて制御対象の
比例制御を行う制御系において、速度偏差の増加に対し
て発振領域から安定領域に向かってゲインが減少する特
性を備えたゲイン調整系を形成し、このゲイン調整系に
おいて発振限界に収束するゲインを求め、ゲイン調整系
で求めたゲインを制御系のゲインとするものである。
【0008】本発明のゲイン調整系において、速度偏差
の増加に対して発振領域から安定領域に向かってゲイン
が減少する特性は、速度偏差に対して逆比例するゲイン
特性、あるいは速度偏差に対してゲインが負の傾斜を有
する一次関数特性によって形成することができる。
【0009】速度偏差に対して逆比例するゲイン特性に
よって、速度偏差の増加に対して発振領域から安定領域
に向かってゲインが減少する特性を形成する場合には、
速度偏差に係数を加算した値で制御対象の最大トルクを
除算した除算値を求め、該除算値を初期ゲインを加算す
ることによって得ることができる。
【0010】速度偏差に対してゲインが負の傾斜を有す
る一次関数特性によって、速度偏差の増加に対して発振
領域から安定領域に向かってゲインが減少する特性を形
成する場合には、速度偏差に傾斜係数を乗算し、この乗
算値を初期ゲインから減算することによって得ることが
できる。
【0011】本発明のゲイン調整系では、速度偏差に制
御ループのゲインを乗じた値を制御対象に加えて行う比
例制御によって、速度偏差を減少させゲインを増加させ
る制御を行い、一方、速度偏差の増加に対して発振領域
から安定領域に向かってゲインが減少する特性によっ
て、逆に速度偏差を増加させゲインを減少させる制御を
行う。この両制御を、発振限界のゲインを挟んで行うこ
とによって、ゲイン調整系は自動的に制御系のゲインの
最適値を決定する。
【0012】ゲイン調整系は、安定領域において、制御
対象の速度を速度指令側にフィードバックして速度偏差
を求め、この速度偏差に基づいて、速度偏差を減少する
方向のフィードバック制御を行う。この制御によって速
度偏差が減少し、ゲインは逆に増加する。ゲインが制御
系の発振限界を越えて大きくなると、制御系は発振を起
こして速度偏差が大きくなる。発振領域において、発振
して速度偏差が大きくなると、ゲインは減少する。ゲイ
ン調整系は、この速度偏差とゲインの増減を発振限界を
境に繰り返して発振限界に収束する。この収束時のゲイ
ンは、発振限界時のゲインであって、制御系の性能を最
大限に発揮するゲインとなる。
【0013】このゲイン調整系におけるゲイン収束の動
作は自動的に行われ、制御系の特性を知ることなく行う
ことができる。
【0014】なお、ゲイン調整系の形成において、速度
偏差に対して逆比例するゲイン特性を形成する場合に
は、制御系の最大速度偏差をゲイン調整系中の係数とし
て用いることができ、最大速度偏差に近い程大きなゲイ
ンを出力する。また、ゲイン調整系によるゲイン調整に
おいて、始めに行う係数および初期ゲインの設定におい
て、速度偏差が零の場合のゲイン調整系のゲインが発振
限界のゲインより大きくなるように、係数および初期ゲ
インの設定を行う。つまり、制御対象の最大トルクを係
数で除算し、該除算値に初期ゲインを加算した値が発振
限界のゲインより大きくなるように、係数および初期ゲ
インの設定を行う。
【0015】また、速度偏差に対してゲインが負の傾斜
を有する一次関数特性を形成する場合には、ゲイン調整
系によるゲイン調整において、初期ゲインの設定におい
て、初期ゲインが発振限界のゲインより大きくなるよう
に設定する。
【0016】前記設定によって、ゲイン調整系によるゲ
イン調整系の発振限界への収束を保証することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。
【0018】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態を説明するためのゲイン調整系のブロック
線図である。図1のゲイン調整系は、前記図10に示し
た比例制御系のゲインの最適値を自動決定するためのブ
ロック線図である。ゲイン調整系は、図10のブロック
線図と同様にゲイン項1と制御対象2を備え、速度指令
vcから制御対象2の速度vを減じた速度偏差Sufをゲ
イン項1(図1中の一点鎖線)に入力し、ゲイン項1の
出力を制御対象2に入力する。ゲイン調整系のゲイン項
1は、以下の式により表されるゲインGを備える。
【0019】 ゲインG=Kv=Kv0 +{Tmax /(|Suf|+δ)} …(1) ここで、Kv0 は初期ゲイン項11のゲイン値、Tmax
はロボットやモータ等の制御対象が出せる最大トルク、
Sufは速度偏差、δは係数である。最大トルクTmax は
制御対象によって定まる既知の値であり、初期ゲイン値
Kv0 および係数δは制御対象の動作が安定な範囲で、
制御系が発振するような設定値である。この初期ゲイン
値Kv0 および係数δの設定については後述する。
【0020】ゲイン項1は、前記式(1)のゲインとす
るために、ゲイン値Kv0 の初期ゲイン項11の出力に
{Suf×Tmax /(|Suf|+δ)}を加算する構成と
する。この構成により、速度偏差Sufの入力に対して、
ゲイン項1は初期ゲイン項11の出力(Kv0 ×Suf)
に{Suf×Tmax /(|Suf|+δ)}を加算した(K
v0 ×Suf)+{Suf×Tmax /(|Suf|+δ)}を
制御対象に入力する。これによって、ゲイン項1のゲイ
ンGは前記式(1)で表される値となる。
【0021】次に、ゲイン調整系のゲインGの特性につ
いて、図2の特性図を用いて説明する。図2の特性図
は、横軸を速度偏差Sufとし、縦軸をゲインGとし、前
記式(1)を表されるゲイン特性である。式(1)を表
されるゲイン特性は、ゲインGが速度偏差Sufに対して
逆比例する特性である。図中において、速度偏差Sufが
零の場合(図中の点B)のゲイン値{Kv0 +(Tmax
/δ)}を最大値とし、該最大値から速度偏差Sufの増
加に従って減少する。この減少の途中において、図中の
一点鎖線で示される制御系が発振を生じる限界のゲイン
を通過する。したがって、一点鎖線の発振限界のゲイン
より大きなゲインの領域では制御系は発振し、発振限界
のゲインより小さなゲインの領域では制御系は安定な動
作となる。なお、図中で発振限界における速度偏差Suf
をSufC で表し、ゲインをGC で表している。
【0022】次に、制御系のゲインの最適値を決定する
ゲイン調整系の動作について説明する。
【0023】ゲイン調整系は比例制御を行う制御系であ
り、制御対象の速度vを速度指令側にフィードバックし
て速度偏差Sufを求め、この速度偏差Sufに基づいて、
速度偏差を減少する方向のフィードバック制御を行う。
例えば、図2において、速度偏差SufがSufA の場合に
は、一点鎖線で示される発振限界以下の制御系が安定な
領域であるため、比例制御によって図中の特性曲線に沿
って速度偏差Sufが減少し、ゲインGは逆に増加する。
この制御方向は、図2中で矢印Aで表される。
【0024】この比例制御によって、ゲインGが制御系
の発振限界のゲインGC を越えると、制御系は発振領域
となり発振を起こす。これによって、制御系の速度偏差
Sufは大きくなる。発振領域における発振によって速度
偏差Sufが大きくなると、ゲインGは減少する。この動
作は図2中で矢印Bで表される。
【0025】ゲイン調整系は、発振限界を境にして、特
性曲線に従って速度偏差SufとゲインGの増減を繰り返
し発振限界に収束する。この収束時のゲインは、発振限
界時のゲインGC であって、制御系の性能を最大限に発
揮するゲインとなる。このゲイン調整系におけるゲイン
収束の動作は、前記したように制御系の持つ特性に応じ
て自動的に行われるため、制御系の特性を知ることなく
行うことができる。
【0026】したがって、ゲイン調整系では、ゲインが
発振限界以下の安定領域では、速度偏差に制御ループの
ゲインを乗じた値を制御対象に加える比例制御によっ
て、速度偏差を減少させゲインを増加させる制御を行
う。一方、ゲインが発振限界以上の発振領域では、速度
偏差の増加に対して発振領域から安定領域に向かってゲ
インが減少する特性によって、逆に速度偏差を増加させ
ゲインを減少させる制御を行う。そして、この発振限界
を挟んで逆の特性を持つ二つの制御を用いることによっ
て、ゲイン調整系は自動的に制御系のゲインの最適値を
決定する。
【0027】図2の特性図において、ゲイン調整系が自
動的に制御系のゲインの最適値を決定するためには、前
記式(1)で表される特性曲線と発振限界のゲイン(図
中の一点鎖線)とが交差する必要があり、特性曲線は式
(1)中の初期ゲインKv0と係数δによって調整する
ことができる。
【0028】以下、図3および図4を用いて初期ゲイン
Kv0 の大小による特性曲線の変化を示し、図5および
図6を用いて係数δの大小による特性曲線の変化を示
す。
【0029】はじめに、初期ゲインKv0 について説明
する。図3は初期ゲインKv0 が大の場合の特性曲線の
状態を示している。初期ゲインKv0 が大きい場合(図
中では細い二点鎖線で示している)には、ゲインGは大
きくなる。そして、初期ゲインKv0 が発振限界のゲイ
ンGC よりも大きな場合には、特性曲線は常に発振領域
(図中の斜線部分)内となって安定な制御系を形成する
ことができない。
【0030】一方、図4は初期ゲインKv0 が小の場合
の特性曲線の状態を示している。初期ゲインKv0 が小
さい場合(図中では細い二点鎖線で示している)にはゲ
インGも小さくなって常に安定領域となるが、最大のゲ
インを得ることができる速度偏差Sufが零の場合でもゲ
インGは発振限界のゲインGC に達せず、制御対象の持
つ特性を充分に発揮することができない。
【0031】次に、係数δについて説明する。図5は係
数δが大の場合の特性曲線の状態を示している。係数δ
は最大速度偏差に対応する値である。係数δが大きい場
合には、ゲインGは小さくなって系は安定領域となる
が、速度偏差Sufが零の場合でも最大のゲインG(=
{Kv0 +(Tmax /δ)})は発振限界のゲインGC
に達せず、制御対象の持つ特性を充分に発揮することが
できない場合がある。
【0032】一方、図6は係数δが小の場合の特性曲線
の状態を示している。係数δが小の場合には、ゲインG
は大きくなって系は発振領域内に入り、安定領域に復帰
することができない程度まで上昇する場合がある。
【0033】したがって、初期ゲインKv0 と係数δ
は、速度偏差Sufが零の場合のゲインG(={Kv0 +
(Tmax /δ)})が発振限界のゲインGC より大きく
なり、かつゲインGC と交差するような値に設定する。
【0034】次に、制御系とゲイン調整系との関係を図
7を用いて説明する。図7において、符号20から24
で示される制御系は、モータやロボット等の制御を行う
制御系であり、20はコンピュータを内蔵した数値制御
装置(CNC)、21は共有RAM、22はプロセッサ
(CPU),RON,RAM等を有するデジタルサーボ
回路、23はトランジスタインバータ等のサーボアン
プ、24はサーボモータ、25はパルスコーダである。
なお、この構成は従来のデジタルサーボ制御を行う装置
と同一であるため、概略的に示している。前記図10の
ブロック線図で示す制御系は、図7中の破線で囲まれる
制御系Aであり、この制御系Aを基にして該制御系Aの
最適なゲインを自動決定するためのゲイン調整系Bを構
成する。このゲイン調整系Bは、前記図1に示すブロッ
ク線図によって構成される。ここで、このゲイン調整系
Bを形成する初期ゲインKv0 および係数δは、前記し
たように、速度偏差Sufが零の場合のゲインG(={K
v0 +(Tmax /δ)})が発振限界のゲインGC より
大きくなり、かつゲインGC と交差するような値に設定
する。
【0035】ゲイン調整系Bによって自動決定したゲイ
ンKvをゲインパラメータとして、制御系Aのゲインに
設定することによって、ゲインの最適な調整を行うこと
ができる。
【0036】(第2の実施の形態)図8は本発明の第2
の実施の形態を説明するためのゲイン調整系のブロック
線図である。図8のゲイン調整系は、前記図10に示し
た比例制御系のゲインの最適値を自動決定するためのブ
ロック線図である。ゲイン調整系は第2の実施の形態と
同様の構成であり、ゲイン項1と制御対象2を備え、速
度指令vcから制御対象2の速度vを減じた速度偏差S
ufをゲイン項1(図8中の一点鎖線)に入力し、ゲイン
項1の出力を制御対象2に入力する。そして、ゲイン調
整系のゲイン項1は、以下の式により表されるゲインG
を備える。
【0037】 ゲインG=Kv=Kv1 −α・|Suf| …(2) ここで、Kv1 は初期ゲイン項11のゲイン値、Sufは
速度偏差、αは傾斜係数である。初期ゲイン値Kv1 お
よび傾斜係数αは制御対象の動作が安定な範囲で、制御
系が発振するような設定値である。この初期ゲイン値K
v1 および傾斜係数αについては後述する。
【0038】ゲイン項1は、前記式(2)のゲインとす
るために、ゲイン値Kv1 の初期ゲイン項11の出力か
ら(α・|Suf|・Suf)を減算する構成とする。この
構成により、速度偏差Sufの入力に対して、ゲイン項1
は初期ゲイン項11の出力(Kv1 ×Suf)から(α・
|Suf|・Suf)を減算した(Kv1 ×Suf)−(α・
|Suf|・Suf)を制御対象に入力する。これによっ
て、ゲイン項1のゲインGは前記式(2)で表される値
となる。なお、(α・|Suf|・Suf)を減算する代わ
りに、(−α・|Suf|・Suf)を加算する構成とする
こともできる。
【0039】次に、ゲイン調整系のゲインGの特性につ
いて、図9の特性図を用いて説明する。図9の特性図
は、横軸を速度偏差Sufとし、縦軸をゲインGとし、前
記式(2)を表されるゲイン特性である。式(2)を表
されるゲイン特性は、ゲインGが速度偏差Sufに対して
傾斜係数αで減少する特性である。図中において、速度
偏差Sufが零の場合のゲイン値(Kv1 )を最大値と
し、該最大値から速度偏差Sufの増加に従って減少す
る。この減少の途中において、図中の一点鎖線で示され
る制御系が発振を生じる限界のゲインを通過する。した
がって、一点鎖線の発振限界のゲインより大きなゲイン
の領域では制御系は発振し、発振限界のゲインより小さ
なゲインの領域では制御系は安定な動作となる。なお、
図中で発振限界におけるゲインをGC で表している。ま
た、図9に特性図では、速度偏差Sufが大となる部分で
は、ゲインGを正とするために一定の正のゲインKv2
に設定している。
【0040】次に、制御系のゲインの最適値を決定する
ゲイン調整系の動作について説明する。この動作は、前
記図2とほぼ同様である。
【0041】比例制御によって、ゲイン調整系は制御対
象の速度vを速度指令側にフィードバックして速度偏差
Sufを求め、この速度偏差Sufに基づいて速度偏差を減
少する方向のフィードバック制御を行う。図9におい
て、速度偏差SufがSufA の場合には、ゲインは一点鎖
線で示される発振限界以下となる。この場合には、制御
系が安定な領域であるため、比例制御によって傾斜係数
αの特性曲線上を移動して速度偏差Sufが減少し、図9
中の矢印Aで表されるようにゲインGは逆に増加する。
【0042】この比例制御によって、ゲインGが制御系
の発振限界のゲインGC を越えると、制御系は発振領域
となり発振を起こす。これによって、制御系の速度偏差
Sufは大きくなる。発振領域における発振によって速度
偏差Sufが大きくなると、図9中の矢印Bで示されるよ
うにゲインGは減少する。
【0043】ゲイン調整系は、発振限界を境にして、傾
斜係数αの特性曲線上において速度偏差SufとゲインG
の増減を繰り返して発振限界に収束する。この収束時の
ゲインは、発振限界時のゲインGC であって、制御系の
性能を最大限に発揮するゲインとなる。このゲイン調整
系におけるゲイン収束の動作は、前記したように制御系
の持つ特性に応じて自動的に行われるため、制御系の特
性を知ることなく行うことができる。
【0044】したがって、図8に示す第2の実施の形態
のゲイン調整系においても、図2で示す第1の実施の形
態と同様に、ゲインが発振限界以下の安定領域では、比
例制御によって速度偏差を減少させゲインを増加させる
制御を行い、ゲインが発振限界以上の発振領域では、速
度偏差の増加に対して発振領域から安定領域に向かって
ゲインが減少する特性によって、逆に速度偏差を増加さ
せゲインを減少させる制御を行う。そして、この発振限
界を挟んで逆の特性を持つ二つの制御を用いることによ
って、ゲイン調整系は自動的に制御系のゲインの最適値
を決定する。
【0045】また、前記実施の形態に示したゲイン調整
系の特性曲線の他に、速度偏差の増加に対して発振領域
から安定領域に向かってゲインが減少する他の特性を備
えたゲイン調整系を形成することによって、同様の作用
によって、ゲイン調整系を発振させることによって発振
限界のゲインを求め、該ゲインを制御系のゲインとする
ことにより、適切なゲインを自動的に決定すことができ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
制御系のゲインの最適値を自動決定する決定方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明するためのゲ
イン調整系のブロック線図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のゲイン調整系のゲ
インGの特性図である。
【図3】初期ゲインKv0 が大の場合の特性曲線であ
る。
【図4】初期ゲインKv0 が小の場合の特性曲線であ
る。
【図5】係数δが大の場合の特性曲線である。
【図6】係数δが小の場合の特性曲線である。
【図7】制御系とゲイン調整系との関係を示す図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態を説明するためのゲ
イン調整系のブロック線図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態のゲイン調整系のゲ
インGの特性図である。
【図10】比例制御系を表すブロック線図である。
【符号の説明】
1 ゲイン項 2 制御対象 11 初期ゲイン Suf 速度偏差 20 制御装置 21 共有RAM 22 デジタルサーボ回路 23 サーボアンプ 24 モータ 25 パルスコーダ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 速度偏差に制御ループのゲインを乗じた
    値を制御対象に加えて制御対象の比例制御を行う制御系
    において、速度偏差の増加に対して発振領域から安定領
    域に向かってゲインが減少する特性を備えたゲイン調整
    系を形成し、前記ゲイン調整系を発振させることによっ
    て発振限界のゲインを求め、該ゲインを制御系のゲイン
    とすることを特徴とする制御系のゲイン自動決定方法。
  2. 【請求項2】 前記ゲイン調整系は、速度偏差に対して
    逆比例のゲイン特性を備えることを特徴とする請求項1
    記載の制御系のゲイン自動決定方法。
  3. 【請求項3】 前記ゲイン調整系は、速度偏差に係数を
    加算した値で制御対象の最大トルクを除算し、前記除算
    値を初期ゲインに加算した値をゲインとすることを特徴
    とする請求項1,又は2記載の制御系のゲイン自動決定
    方法。
  4. 【請求項4】 前記係数は、制御系の最大速度偏差であ
    ることを特徴とする請求項3記載の制御系のゲイン自動
    決定方法。
  5. 【請求項5】 前記係数および初期ゲインは、速度偏差
    が零の場合のゲイン調整系のゲインを発振限界のゲイン
    より大きくする値であることを特徴とする請求項3記載
    の制御系のゲイン自動決定方法。
  6. 【請求項6】 前記係数および初期ゲインは、制御対象
    の最大トルクを該係数で除算し、該除算値に初期ゲイン
    を加算した値を発振限界のゲインより大きくする値であ
    ることを特徴とする請求項3記載の制御系のゲイン自動
    決定方法。
  7. 【請求項7】 前記ゲイン調整系は、速度偏差に対して
    ゲインが負の傾斜を有する一次関数特性であることを特
    徴とする請求項1記載の制御系のゲイン自動決定方法。
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