JP2000212467A - 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 - Google Patents

酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器

Info

Publication number
JP2000212467A
JP2000212467A JP11020034A JP2003499A JP2000212467A JP 2000212467 A JP2000212467 A JP 2000212467A JP 11020034 A JP11020034 A JP 11020034A JP 2003499 A JP2003499 A JP 2003499A JP 2000212467 A JP2000212467 A JP 2000212467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersion
oil
titanium oxide
treated
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11020034A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3530052B2 (ja
Inventor
Takashi Nakamura
高志 中村
Yasushi Murakami
泰 村上
Yoshio Takasu
芳雄 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noevir Co Ltd
Original Assignee
Noevir Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noevir Co Ltd filed Critical Noevir Co Ltd
Priority to JP02003499A priority Critical patent/JP3530052B2/ja
Publication of JP2000212467A publication Critical patent/JP2000212467A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3530052B2 publication Critical patent/JP3530052B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性及び紫外線吸収性に優れ、親油性を有
して油性溶媒に対する分散性の良好な表面処理粉体を
得、皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,容器の各
分野において応用する。 【解決手段】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
と、水、或いはさらに加水分解抑制剤を添加して加水分
解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体、及びこ
れを濃縮し、或いはこれより分散媒を除去して得られる
皮膜形成性組成物、或いは前記油性分散体より分散媒を
除去し、乾燥或いはさらに焼成して得られる親油性酸化
チタン粉体より選択される1種又は2種以上により、核
となる粉体の表面を被覆して表面処理粉体を得、これを
皮膚用,塗料,樹脂の各組成物並びに容器に応用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性及び紫外線
吸収性に優れ、親油性を有して油性溶媒に対する分散性
の良好な表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを
応用して成る皮膚用組成物,塗料組成物及び樹脂組成
物、並びに容器に関する。
【0002】さらに詳しくは、チタンアルコキシド又は
その油性溶液もしくは分散液に分子内に孤立電子対を有
する原子及び/又は極性基を有する有機化合物を添加
し、次いで水を添加し加水分解して得られる透明な酸化
チタンの油性分散体、又は前記油性分散体を濃縮し、或
いは前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成
性組成物により表面被覆して成る表面処理粉体とその製
造方法、並びにこれらを応用して成る皮膚用組成物,塗
料組成物,樹脂組成物及び容器に関する。
【0003】
【従来の技術】酸化チタンは高い紫外線遮蔽効果を有
し、塗料等の紫外線による退色防止や、紫外線による炎
症を防止するための化粧料等に顔料としてよく用いられ
る。かかる目的に適する薄片状或いは微粒子状の酸化チ
タンを得るには、形状や粒子径の制御の容易なゾル−ゲ
ル法が広く用いられている。しかしながらこの方法で
は、チタンアルコキシドを加水分解させるため水の添加
が不可欠であり、分散媒としてブタノール等の低級アル
コールを用いる。それゆえ、ゾル−ゲル法により得られ
た酸化チタンは親油性に乏しく、油性材料に分散した際
透明な状態は得られず、油性化粧料や油性塗料に配合す
る際には、分散性を向上させたり、耐水性を持たせるた
めに疎水化処理を行う必要があった。また、酸化チタン
により表面被覆して粉体に紫外線吸収性を持たせる場
合、油性溶媒への分散性を向上させるには、さらに疎水
化処理を行う必要があり、有色顔料の場合には、その粉
体自体の発色に影響を与えることも多かった。
【0004】さらに、食品,化粧料,医薬品用の包材や
容器、医療器具素材など、紫外線に対する抵抗性を要す
る樹脂組成物や容器においては、紫外線吸収剤を混練し
たり、紫外線吸収剤を含有する高分子化合物により表面
処理を行ったりする必要があった。そのため、紫外線曝
露による紫外線吸収剤自体の劣化やブリードが生じやす
く、品質保持や安全性の面で問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明において
は、耐水性及び紫外線吸収性に優れ、親油性を有して油
性溶媒に対する分散性の良好な表面処理粉体を得、皮膚
用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,容器の各分野にお
いて応用することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
種々検討を行った結果、チタンアルコキシド又はその油
性溶液もしくは分散液において、加水分解反応を進行さ
せる際、チタンアルコキシドからチタン酸化物の粒子が
成長する過程で、分子内に孤立電子対を有する原子及び
/又は極性基を有する有機化合物を適量加えることによ
り、油性分散媒中に透明な状態で分散した酸化チタン粒
子が得られ、さらに前記油性分散体を濃縮し、分散媒を
除去したものが優れた皮膜形成能を有し、これらによ
り、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して乾燥
し、或いはさらに焼成して得られる親油性酸化チタン粉
体により、粉体の表面処理を行うと良好な結果が得られ
ること、さらに前記表面処理粉体が皮膚用組成物,塗料
組成物等に良好に応用し得ることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明においては、チタンアルコ
キシド又はその油性溶液もしくは分散液に、分子内に孤
立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化
合物の1種又は2種以上と水を添加して加水分解し、透
明な酸化チタンの油性分散体を得、さらにこの油性分散
体を濃縮し、或いは油性分散体より分散媒を除去して、
透明な皮膜形成性組成物を得、又は、前記油性分散体よ
り分散媒を除去した後乾燥し、或いはさらに焼成して親
油性酸化チタン粉体を得る。そして、これら油性分散
体,皮膜形成性組成物及び親油性酸化チタンの1種又は
2種以上により粉体の表面処理を行って、皮膚用組成
物,塗料組成物等の各分野に応用する。なお、チタンア
ルコキシドの加水分解を行う際に、加水分解抑制剤の1
種又は2種以上を共存させることにより、選択的に薄片
状粒子のゲルを得ることができる。また必要に応じ、酸
又は塩基もしくはこれらにより形成される塩を触媒とし
て用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において用い得るチタンア
ルコキシドとしては、チタンテトラメトキシド,チタン
テトラエトキシド,チタンテトラノルマルプロポキシ
ド,チタンテトライソプロポキシド,チタンテトラノル
マルブトキシド,チタンテトライソブトキシド,チタン
テトラターシャルブトキシド等が挙げられる。かかるチ
タンアルコキシドは、分子内に孤立電子対を有する原子
及び/又は極性基を有する有機化合物が液状の場合には
直接それらに溶解又は分散することができ、或いは油性
溶媒に溶解又は分散して有機化合物を添加し、作用させ
る。かかるチタンアルコキシドの溶液又は分散液の濃度
としては0.0001M〜6.0Mであることが好まし
く、0.01M〜4.0Mの範囲とすることが特に好ま
しい。
【0009】上記チタンアルコキシドを溶解又は分散す
る油性溶媒としては、ノルマルヘキサン,ノルマルヘプ
タン,ノルマルオクタン等のノルマルアルカン類、1-ヘ
キセン,1-ヘプテン,1-オクテン,1-ノネン,1-デセ
ン,1-ウンデセン等のノルマルアルケン類、ベンゼン,
メチルベンゼン,エチルベンゼン等のベンゼン類、ヘキ
サノール,ヘプタノール,オクタノール,ノナノール,
デカノール等のアルコール類、プロピルエーテル,イソ
プロピルエーテル,ブチルエーテル,イソブチルエーテ
ル,ノルマルペンチルエーテル,イソペンチルエーテ
ル,メチルブチルエーテル,メチルイソブチルエーテ
ル,メチルノルマルペンチルエーテル,メチルイソペン
チルエーテル,エチルプロピルエーテル,エチルイソプ
ロピルエーテル,エチルブチルエーテル,エチルイソブ
チルエーテル,エチルノルマルペンチルエーテル,エチ
ルイソペンチルエーテル,アリルエーテル,エチルアリ
ルエーテル,アニソール,フェネトール,フェニルエー
テル,ベンジルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,
酢酸イソプロピル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,プロ
ピオン酸メチル,プロピオン酸エチル,プロピオン酸プ
ロピル,プロピオン酸ブチル,プロピオン酸イソブチ
ル,酪酸メチル,酪酸エチル,酪酸プロピル,酪酸イソ
プロピル,酪酸ブチル,酪酸イソブチル等のエステル類
などが使用できる。また、アボカド油,アルモンド油,
オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆
油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック
油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,ホホバ油等の液状植
物油類、ミンク油,卵黄油,液状ラノリン等の液状動物
油類、流動パラフィン,イソパラフィン,スクワラン,
プリスタン等の炭化水素油類、オレイルアルコール,2-
ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2-オ
クチルドデカノール等の液状高級アルコール類、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコール
モノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエ
ーテル,エチレングリコールモノフェニルエーテル,エ
チレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル,エチ
レングリコールジメチルエーテル,エチレングリコール
ジエチルエーテル,エチレングリコールジブチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコ
ールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジメチ
ルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,
ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレングリ
コールメチルエーテルアセテート,エチレングリコール
エチルエーテルアセテート,エチレングリコールブチル
エーテルアセテート,エチレングリコールフェニルエー
テルアセテート,ジエチレングリコールエチルエーテル
アセテート,ジエチレングリコールブチルエーテルアセ
テート等の二価アルコール誘導体類、オクタン酸セチ
ル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロ
ピル,ラウリン酸ヘキシル,オレイン酸オレイル,オレ
イン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチ
ルオクタン酸ヘキシルデシル,フタル酸ジエチル,フタ
ル酸ジブチル,ジオイレイン酸プロピレングリコール,
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2-エチルヘキ
サン酸トリメチロールプロパン等の液状エステル油類、
ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサ
ン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチル
シクロペンタシロキサン等のシリコーン油など、一般に
化粧料用或いは塗料用として用いられる油性物質を用い
ることができる。本発明にはこれらより1種又は2種以
上を選択して用いる。
【0010】本発明においては、チタンアルコキシドに
有機化合物を作用させ、それによりチタンアルコキシド
の加水分解を制御するが、本発明において使用し得る有
機化合物としては、分子内に孤立電子対を有する原子や
極性基を有する有機化合物で、液状であるか、油性溶媒
に溶解又は分散させ得るものであれば、特に限定されな
い。たとえば、乳酸,酒石酸,クエン酸,リンゴ酸,ミ
リスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,イソオクタ
ン酸,イソミリスチン酸,イソパルミチン酸,イソステ
アリン酸,ヒドロキシパルミチン酸,ヒドロキシステア
リン酸等のカルボン酸類、アセチルアセトン,エチレン
グリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコ
ール,ジプロピレングリコール,エチレンジアミン,エ
チレンジアミン四酢酸,ジチゾン,ジメチルグリオキシ
ム,8-キノリノール等のキレート作用を有する化合物、
デシルアミン,ウンデシルアミン,ドデシルアミン,テ
トラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オクタデシル
アミン,ジヘキシルアミン,ジオクチルアミン,ジデシ
ルアミン,N-メチルデシルアミン,N-メチルラウリルア
ミン,N-メチルパルミチルアミン,N-エチルパルミチル
アミン等のアミン類、ヘキシルアミド,オクチルアミ
ド,デシルアミド,ウンデシルアミド,ラウリルアミ
ド,ミリスチルアミド,パルミチルアミド,ステアリル
アミド等のアミド類、ミリスチン酸モノエタノールアミ
ド,ステアリン酸モノエタノールアミド,ミリスチン酸
ジエタノールアミド,ステアリン酸ジエタノールアミド
等の脂肪酸アルカノールアミド類、2-ヒドロキシ-4-メ
トキシベンゾフェノン,2-ヒドロキシ-4-メトキシベン
ゾフェノン-5-スルホン酸,ジヒドロキシジメトキシベ
ンゾフェノン,2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン,テト
ラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導
体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,
パラジメチルアミノ安息香酸ペンチル,パラジメチルア
ミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、
パラメトキシ桂皮酸エチル,パラメトキシ桂皮酸イソプ
ロピル,パラメトキシ桂皮酸オクチル,パラメトキシ桂
皮酸2-エトキシエチル等のメトキシ桂皮酸誘導体、サリ
チル酸オクチル,サリチル酸フェニル,サリチル酸ホモ
メンチル,サリチル酸ジプロピレングリコール,サリチ
ル酸エチレングリコール,サリチル酸ミリスチル,サリ
チル酸メチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸,ウ
ロカニン酸エチル,4-ターシャルブチル-4'-メトキシジ
ベンゾイルメタン,2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール,アントラニル酸メチルといっ
た紫外線吸収剤、ローダミンBステアレート(赤色21
5号),テトラクロロテトラブロモフルオレセイン(赤
色218号),テトラブロモフルオレセイン(赤色22
3号),スダンIII(赤色225号),ジブロモフルオ
レセイン(だいだい色201号),ジヨードフルオレセ
イン(だいだい色206号),フルオレセイン(黄色2
01号),キノリンイエローSS(黄色204号),キ
ニザリングリーンSS(緑色202号),アリズリンパ
ープルSS(紫色201号),薬用スカーレット(赤色
501号),オイルレッドXO(赤色505号),オレ
ンジSS(だいだい色403号),イエローAB(黄色
404号),イエロー405号(黄色405号),スダ
ンブルーB(青色403号)等の油溶性色素類などが挙
げられ、これらより1種又は2種以上を選択して用い
る。チタンアルコキシドに対する添加量としては、チタ
ンアルコキシド1モルに対して0.001モル〜4モル
程度とするのが好ましい。
【0011】また本発明においては、チタンアルコキシ
ドから酸化チタンへの重縮合に際し、加水分解を制御す
る加水分解抑制剤を添加することもできる。加水分解抑
制剤を添加することにより、チタンアルコキシドの加水
分解の進行を制御し、選択的に薄片状のゲル粒子を得る
ことができる。
【0012】上記加水分解抑制剤はキレート試薬及び電
子供与性試薬より選択され、ジエチレングリコール,ト
リエチレングリコール,ポリエチレングリコール,ポリ
プロピレングリコール等のアルキレングリコール類、エ
チレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコ
ールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチ
ルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,テトラ
エチレングリコールモノメチルエーテル,テトラエチレ
ングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチ
ルエーテル等のアルキレングリコールのアルキルエーテ
ル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル,エチ
レングリコールモノベンジルエーテル等のアルキレング
リコールのアリールエーテル類、アセチルアセトン等の
β-ジケトン類、エチレンジアミン,トリエタノールア
ミン等のアミン類などが挙げられ、これらより1種又は
2種以上を選択して用いる。前記の中でも、特にアルキ
レングリコール類が好ましく使用できる。
【0013】上記の加水分解抑制剤は、チタンアルコキ
シド1モルに対し1モル〜20モルの割合で添加するこ
とが好ましく、2モル〜10モルとするのがより好まし
い。加水分解抑制剤の添加量が1モル未満であると、チ
タンアルコキシドの加水分解の制御効果が十分に得られ
ず、また20モルを超えると、チタンアルコキシドの加
水分解が十分に進行しないので好ましくない。
【0014】さらに本発明においては、必要に応じ酸又
は塩基、或いはこれらにより形成される塩を触媒として
添加することができる。かかる酸又は塩基としては、塩
酸,硫酸等の強酸、炭酸,ギ酸,酢酸,ミリスチン酸,
パルミチン酸,ステアリン酸等の弱酸、水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム等の強塩基、ヒドロキシアンモニウ
ム,アセトアミジン,ヒドラジン等の弱塩基が用いられ
る。塩としては、弱酸と弱塩基,弱酸と強塩基及び強酸
と弱塩基の中和により得られる塩が好ましく用いられ、
特に好ましいものとして、炭酸ナトリウム,炭酸アンモ
ニウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素アンモニウム,
酢酸ナトリウム,酢酸アンモニウム,ステアリン酸ナト
リウムを挙げることができる。これら酸又は塩基或いは
塩の添加量としては、チタン1モルに対し10-3〜10
-4モルの範囲とするのが適切である。
【0015】本発明における酸化チタンの油性分散体等
の調製方法としては、まずチタンアルコキシドを油性溶
媒の1種又は2種以上に溶解又は分散し、この油性溶液
又は分散液を撹拌しながら、分子内に孤立電子対を有す
る原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は
2種以上を油性溶媒に溶解又は分散して添加した後、水
を添加し、加水分解する。水の添加量はチタンアルコキ
シド1モルに対し0.001モル〜4モル程度とするの
が適切である。分子内に孤立電子対を有する原子及び/
又は極性基を有する有機化合物が液状である場合には、
チタンアルコキシドに直接かかる有機化合物を添加して
もよい。分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極
性基を有する有機化合物の種類やチタンアルコキシドに
対する添加量を調整することにより、生成される酸化チ
タンの形状を制御することができる。そして、得られた
酸化チタンの油性分散体を濃縮し、又はほぼ完全に分散
媒を除去することにより、透明な皮膜形成性組成物を得
ることができ、前記油性分散体より分散媒を除去した後
乾燥し、或いはさらに200℃〜700℃で2〜4時間
程度焼成して、親油性酸化チタン粉体を得ることができ
る。
【0016】さらに本発明においては、加水分解抑制剤
を油性溶媒の1種又は2種以上に溶解又は分散して添加
することにより、選択的に薄片状のゲルを得ることがで
きる。また触媒として酸又は塩基或いは塩を添加する場
合は、これらの油性溶液又は分散液は水と同時に添加し
てもよいが、ある程度加水分解を進行させた後に添加し
てもよく、添加時期によりゲル粒子の形状を制御するこ
とが可能である。また、油性溶媒又は分子内に孤立電子
対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物と
して、加水分解抑制作用を有するものを用いてもよい。
【0017】上記反応系については、撹拌を停止して2
〜24時間静置し、反応を継続させる。必要に応じてチ
タンに対し5〜7倍モル量の酸もしくは塩を添加して反
応を停止し、過剰量の水を添加して未反応のチタンアル
コキシドが残留しないことを確認し、残留する場合には
過剰量の水により洗浄,除去する。反応を停止するのに
添加する酸もしくは塩については特に限定されない。
【0018】上記酸化チタンの油性分散体は、分散媒と
して揮発性の油性溶媒又は有機化合物を用いた場合に
は、風乾,減圧蒸留等により濃縮し、さらに分散媒を除
去することができる。一方、揮発性に乏しい油性溶媒又
は有機化合物を用いた場合には、シクロヘキサン等の揮
発性の油性溶媒を添加して共沸させて濃縮,除去する。
【0019】そして本発明においては、酸化チタンの油
性分散体、又はこれより得られる皮膜形成性組成物を溶
剤に溶解又は分散し、核となる粉体に対し吹き付け、混
練した後、100℃程度で10分間ほど乾燥する工程を
繰り返すことによって、表面被覆処理を行う。溶剤とし
ては、エタノール,ブタノール等のアルコール類、イソ
パラフィン,キシレン,シクロヘキサン等の炭化水素
類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセト
ン,エチルメチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン
類、ジエチレングリコール,エチレングリコールモノエ
チルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル
等のエーテル類などを用いることができる。被覆処理に
用いる酸化チタンの油性分散体における酸化チタンの濃
度は5〜50重量%程度とすることが好ましく、被覆量
は、核となる粉体に対し最終的に10〜40重量%とす
るのが適切である。
【0020】また本発明においては、上記の酸化チタン
の油性分散体より得られる皮膜形成性組成物、及び酸化
チタンの油性分散体より分散媒を除去し、乾燥或いはさ
らに焼成して成る親油性酸化チタン粉体より選ばれる1
種又は2種以上と、核となる粉体とをボールミル中で混
合磨砕することにより、上記皮膜形成性組成物等で被覆
された表面処理粉体を得ることもできる。表面処理を行
う際の皮膜形成性組成物等と核となる粉体との混合比
は、重量比にして1:20〜1:1の範囲とするのが適
切である。混合比により、粉体の表面被覆率を制御する
ことができる。
【0021】本発明に係る表面処理粉体は耐水性に優
れ、また優れた透明性と紫外線吸収性を有し、油性溶媒
への分散性が良好で、粉体成分又は顔料として皮膚外用
剤や化粧料等の皮膚用組成物に含有させて紫外線防御効
果を付与することができ、また塗料組成物,樹脂組成
物,容器等に応用して耐光性を付与することができる。
有色顔料の場合は、核となる顔料自体の発色が損なわれ
ることがない。
【0022】本発明においては、粉体成分又は顔料とし
て、酸化チタンの油性分散体等による上記表面処理粉体
の1種又は2種以上を含有させることにより、紫外線に
よる皮膚への悪影響を防止するのに有効な皮膚用組成物
を得ることができる。かかる皮膚用組成物は、ローショ
ン剤,ゲル剤,軟膏,パスタ剤等の皮膚外用剤、二層な
いし三層状の化粧水,乳液,クリーム,ゲル,パック等
の皮膚用化粧料、メイクアップベースローション,メイ
クアップベースクリーム等の下地化粧料、乳液状,クリ
ーム状,油性軟膏型,油性スティック状,粉末状等のフ
ァンデーション類,アイカラー類,チークカラー類とい
ったメイクアップ化粧料、リップクリーム,リップステ
ィック等の口唇用化粧料などとして提供し得る。なお、
本発明に係る表面処理粉体の配合量については、通常皮
膚用組成物に粉体,顔料成分として配合し得る量を配合
できる。
【0023】本発明に係る皮膚用組成物には、上記の酸
化チタンの油性分散体等による表面処理粉体の他、油脂
類,ロウ類,炭化水素類,脂肪酸類,高級アルコール
類,エステル類,低級アルコール類,多価アルコール
類,保湿剤,細胞賦活剤,抗炎症剤,美白剤,殺菌剤,
界面活性剤,水溶性高分子化合物,防菌防黴剤,色素
類,香料等、一般的に化粧料に配合される原料を含有さ
せることができる。また本発明に係る表面処理粉体以外
に、体質顔料,着色顔料,真珠光沢顔料等の粉体類を含
有させることができる。特に紫外線防御を目的とした日
焼け止め組成物においては、従来より用いられている微
粒子酸化チタンや酸化亜鉛といった紫外線散乱効果を有
する粉体や、紫外線吸収剤を併用し得る。
【0024】本発明においてはさらに、上記酸化チタン
の油性分散体等による表面処理粉体の1種又は2種以上
を顔料成分として含有させて、塗料組成物として提供す
ることができる。これら塗料においては、アマニ油や大
豆油、脱水ヒマシ油,ペンタエリスリトール,アルキド
樹脂,スチレン化油,マレイン酸化油,ウレタン化油等
の合成乾性油、セラック,コーパル,ダンマル等の天然
樹脂、石灰ロジン,ロジンエステル等の加工樹脂、フェ
ノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,フタル酸樹脂,
ビニル樹脂等の合成樹脂、ニトロセルロース,アセチル
セルロース,ベンジルセルロース等のセルロース誘導
体、塩化ゴム,環化ゴム,合成ゴム等のゴム誘導体など
の塗膜形成成分をも併用し得る。また、乾燥剤,硬化
剤,可塑剤,分散剤,乳化剤等の塗膜形成補助成分を含
有させることもできる。溶剤又は希釈剤としては、エタ
ノール,ブタノール等のアルコール類、石油スピリッ
ト,燈油,キシレン等の炭化水素類、酢酸エチル,酢酸
ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケト
ン,シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチレングリコ
ール,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレ
ングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、トリ
クロルエチレン,塩化メチレン等の塩化化合物等を用い
ることができる。さらに、本発明に係る表面処理粉体の
他に、オレンジ5,レッド24,レッド25,ブラック
5等の油溶性染料や、炭酸カルシウム,硫酸バリウム,
酸化亜鉛等の無機体質顔料、クロムイエロー,カドミウ
ムイエロー,ニッケルチタンイエロー,ベンガラ,カド
ミウムレッド,モリブデンレッド,紺青,群青等の無機
着色顔料、ピグメントイエロー類,ピグメントオレンジ
類,ピグメントレッド類,ピグメントバイオレット類,
ピグメントブルー類,ピグメントグリーン類,ピグメン
トブラウン類,ピグメントブラック類等の有機顔料を含
有させることもできる。
【0025】また本発明においては、スチレン系樹脂,
オレフィン系樹脂,メタクリル系樹脂,ポリ塩化ビニル
系樹脂,ポリ塩化ビニリデン樹脂,ポリアミド樹脂,ポ
リエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリカーボネート
樹脂,ポリアセタール樹脂,ポリフェニレン樹脂,フッ
素樹脂,シリコーン樹脂等の合成樹脂に、上記酸化チタ
ンの油性分散体等による表面処理粉体を混練した後成型
することにより、紫外線吸収性を付与した樹脂組成物を
得ることができる。合成樹脂と混練する際の酸化チタン
の油性分散体等による表面処理粉体の混合重量比は、合
成樹脂100重量部に対し、10〜100重量部とする
のが適切である。
【0026】上記酸化チタンの油性分散体等による表面
処理粉体を含有する樹脂組成物は、ヘンシェルミキサー
やタンブラー等で混合した後、一軸或いは多軸の押出
機,バンバリーミキサー,ニーダー,ローラーなどの混
練装置中にて溶融混練して調製される。得られた樹脂組
成物は、射出成形,押出成形,ブロー成形,インフレー
ション成形,真空成形等の方法により、各種成形体に成
形する。また、フィルムや二軸延伸フィルム,シート,
発砲ビーズなどに成形した後、所望の成形体に成形して
もよい。
【0027】上記合成樹脂に対しては、これらを成形し
た後に、本発明に係る酸化チタンの油性分散体等による
表面処理粉体を適宜溶剤に溶解又は分散し、スプレー射
出等により吹き付け処理して被覆することにより、紫外
線吸収性を付与することもできる。
【0028】そして、上記の樹脂組成物の1種又は2種
以上により成型して紫外線吸収性を有する容器を得るこ
とができる。樹脂により成型された容器の表面を、本発
明に係る酸化チタンの油性分散体等による表面処理粉体
の1種又は2種以上により、吹き付け処理等によって被
覆してもよい。
【0029】
【実施例】さらに実施例により、本発明について詳細に
説明する。
【0030】[製造例1〜製造例3] イソステアリン
酸を作用させた酸化チタンの流動パラフィン分散体チタ
ンエトキシドを流動パラフィンに溶解して0.2Mの溶
液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、表1に
示す量のイソステアリン酸を流動パラフィン溶液として
添加し、次いで表1に示す量の水を添加した。撹拌を停
止して室温で24時間静置した後、ステアリン酸1.4
モルを添加して反応を停止し、水を添加して洗浄し、イ
ソステアリン酸を作用させた酸化チタンの油性分散体を
得た。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例1] イソステアリン酸を作用さ
せた酸化チタン分散体被覆処理タルク 製造例1に係るイソステアリン酸を作用させた酸化チタ
ンの流動パラフィン分散体を、酸化チタン濃度にして2
0重量%に調製し、タルク100gに対し少量ずつ吹き
付けて混合し、混練後100℃で10分間乾燥した。こ
の操作を、前記酸化チタンの流動パラフィン分散体によ
る被覆処理量が30重量%に達するまで繰り返し、実施
例1とした。
【0033】[実施例2] イソステアリン酸を作用さ
せた酸化チタン含有皮膜被覆処理ナイロンパウダー 製造例2に係るイソステアリン酸を作用させた酸化チタ
ンの流動パラフィン分散体より、温浴にて20時間静置
して流動パラフィンを蒸散させて濃縮し、皮膜形成性組
成物を得た。この皮膜形成性組成物を、酸化チタン濃度
にて40重量%となるようにオクタメチルシクロテトラ
シロキサンに分散させ、ナイロンパウダー100gに対
し少量ずつ吹き付けて混合し、混練後100℃で10分
間乾燥した。この操作を、前記酸化チタン含有皮膜形成
性組成物による被覆処理量が40重量%に達するまで繰
り返し、製造例2のイソステアリン酸を作用させた酸化
チタンを含有する皮膜形成性組成物により表面が被覆処
理されたナイロンパウダーを得、実施例2とした。
【0034】[実施例3] イソステアリン酸を作用さ
せた酸化チタン含有皮膜被覆処理ベンガラ 製造例3に係るイソステアリン酸を作用させた酸化チタ
ンの流動パラフィン分散体より、温浴にて20時間静置
して流動パラフィンを蒸散させて濃縮し、皮膜形成性組
成物を得た。この皮膜形成性組成物30gとベンガラ1
20gとを、ボールミル中にて4時間混合処理し、製造
例3のイソステアリン酸を作用させた酸化チタンを含有
する皮膜形成性組成物により表面が被覆処理されたベン
ガラを得、実施例3とした。
【0035】[製造例4] イソステアリン酸を作用さ
せた酸化チタンのジメチルポリシロキサン分散体 チタンエトキシドの1.5Mジメチルポリシロキサン溶
液を調製し、その溶液1リットルを撹拌しながら、イソ
ステアリン酸0.75モルをジメチルポリシロキサンに
溶解して添加し、次いで水0.75モル及びジエチレン
グリコール7.5モルをそれぞれ添加した。撹拌を停止
して室温で5日間静置した後、ステアリン酸9.0モル
を添加して反応を停止し、水を加えて洗浄し、50℃に
て減圧濃縮した。
【0036】[実施例4] イソステアリン酸を作用さ
せた酸化チタン分散体被覆処理合成マイカ 製造例4のイソステアリン酸を作用させた酸化チタンの
ジメチルポリシロキサン分散体を、酸化チタン濃度にし
て25重量%となるように調製し、合成マイカ100g
に対し少量ずつ吹き付けて混合し、混練後100℃で1
0分間乾燥した。この操作を、前記酸化チタン含有皮膜
形成性組成物による被覆処理量が35重量%に達するま
で繰り返し、製造例4のイソステアリン酸を作用させた
酸化チタンのジメチルポリシロキサン分散体により表面
が被覆処理された合成マイカを得、実施例4とした。
【0037】[製造例5] 8-キノリノールを作用させ
た酸化チタンを含有する皮膜形成性組成物 チタンエトキシドをイソパラフィンに溶解して0.2M
の溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、
0.001モルの8-キノリノールをイソパラフィン溶液
として添加し、次いで0.1モルの水を添加した。撹拌
を停止して室温で24時間静置した後、ステアリン酸
1.4モルを添加して反応を停止し、水を添加して洗浄
し、温浴にて20時間静置して、イソパラフィンを蒸散
させて除去した。
【0038】[実施例5] 8-キノリノールを作用させ
た酸化チタン含有皮膜処理カオリン 製造例5に係る8-キノリノールを作用させた酸化チタン
を含有する皮膜形成性組成物を、酸化チタン濃度にして
20重量%となるようにシクロヘキサンに分散し、カオ
リン100gに対し少量ずつ吹き付けて混合し、混練後
100℃で10分間乾燥した。この操作を、前記酸化チ
タン含有皮膜形成性組成物による被覆処理量が35重量
%に達するまで繰り返し、製造例5に係る8-キノリノー
ルを作用させた酸化チタンを含有する皮膜形成性組成物
により表面が被覆処理されたカオリンを得、実施例5と
した。
【0039】[実施例6] イソステアリン酸を作用さ
せた酸化チタン粉体被覆処理酸化チタン 上記製造例1に係るイソステアリン酸を作用させた酸化
チタンの流動パラフィン分散体を温浴にて25時間静置
した後乾燥し、イソステアリン酸を作用させた酸化チタ
ン粉体を得た。この粉体30gと酸化チタン150gと
を、ボールミル中で4時間混合磨砕処理し、イソステア
リン酸を作用させた酸化チタン粉体により被覆処理され
た酸化チタンを得、実施例6とした。
【0040】[実施例7] 親油性酸化チタン粉体被覆
処理セリサイト 上記製造例2に係るイソステアリン酸を作用させた酸化
チタンの流動パラフィン分散体を温浴にて25時間静置
した後乾燥し、さらに400℃で4時間焼成して、親油
性酸化チタン粉体を得た。この粉体40gとセリサイト
160gとを、ボールミル中で4時間混合磨砕処理し、
親油性酸化チタン粉体により被覆処理されたセリサイト
を得、実施例7とした。
【0041】[実施例8] 8-キノリノールを作用させ
た酸化チタン粉体被覆処理タルク 上記製造例5に係る8-キノリノールを作用させた酸化チ
タンを含有する皮膜形成性組成物を乾燥後粉砕して、8-
キノリノールを作用させた酸化チタン粉体を得た。この
粉体25gとタルク75gとを、ボールミル中で4時間
混合磨砕処理し、前記酸化チタン粉体により被覆処理さ
れたタルクを得、実施例8とした。
【0042】本発明の実施例1〜実施例8の各粉体は、
いずれも高い撥水性を示した。またこれらについて、積
分球による紫外部吸収スペクトルの測定とSPFアナラ
イザーによるSPF値の測定を行った。以上の結果を表
2にまとめて示した。なお、イソステアリン酸及び8-キ
ノリノールの作用は、赤外吸収スペクトルにより確認し
た。
【0043】
【表2】
【0044】表2より明らかなように、本発明の実施例
1〜実施例8については、262〜275nmにおいて
高い吸収極大が認められ、実施例5及び実施例8につい
ては、さらに長波長側に8-キノリノールに起因する吸収
が認められた。またSPFアナライザーによりSPF値
を測定したところ、いずれの実施例においても、酸化チ
タンの油性分散体等による被覆処理を行わない核粉体に
比べて、有意なSPF値の上昇が認められていた。
【0045】続いて、本発明に係る皮膚用組成物の実施
例の処方を示す。
【0046】 [実施例9] 二層状ローション剤 (1)スクワラン 8.00(重量%) (2)β-カロチン 0.02 (3)エタノール 10.00 (4)ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン 0.20 テトラオレイン酸エステル (5)パラオキシ安息香酸メチル 0.10 (6)香料 0.10 (7)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 10.00 被覆処理タルク(実施例1) (8)ソルビトール 1.00 (9)グリセリン 1.00 (10)精製水 69.58 製法:(1)に(2)を加え、これに(4)〜(6)を(3)に溶解し
たアルコール部を加えて均一とし、さらに(7)を分散し
て油層とする。(10)に(8),(9)を溶解したものを水層と
し、この水層部に油層部を室温下に加え、撹拌,混合す
る。
【0047】 [実施例10] 水中油型乳剤 (1)スクワラン 6.0(重量%) (2)セタノール 1.0 (3)ミツロウ 0.5 (4)ワセリン 2.0 (5)ジメチルポリシロキサン 2.0 (6)ポリオキシエチレン(10E.O.)モノオレイン酸 1.0 エステル (7)グリセリルモノステアリン酸エステル 1.0 (8)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 5.0 皮膜処理ナイロンパウダー(実施例2) (9)グリセリン 4.0 (10)1,3-ブチレングリコール 4.0 (11)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (12)精製水 68.3 (13)香料 0.1 (14)エタノール 5.0 製法:(1)〜(7)の油相成分を混合,加熱溶解し、(8)を
添加,分散して70℃とする。一方、(9)〜(11)を(12)
に添加して溶解し、70℃に加熱する。この水相に前記
油相を添加してホモミキサーにて均一に乳化する。続い
て冷却し、40℃にて(13)を(14)に溶解して添加,混合
する。
【0048】 [実施例11] 水中油型クリーム (1)ワセリン 5.0(重量%) (2)ステアリルアルコール 3.0 (3)ステアリン酸 3.0 (4)グリセリルモノステアリン酸エステル 3.0 (5)スクワラン 10.0 (6)酢酸トコフェロール 0.2 (7)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 10.0 被覆処理タルク(実施例1) (8)1,3-ブチレングリコール 7.0 (9)水酸化カリウム 0.2 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (11)精製水 58.4 (12)香料 0.1 製法:(1)〜(6)の油相成分を混合し、加熱溶解したもの
に(7)を添加,分散した後70℃とする。一方、(8)〜(1
0)を(11)に加えて溶解して加熱し、70℃とする。この
水相に前記油相を撹拌しながら添加し、ホモジナイザー
により乳化した後冷却し、40℃にて(12)を添加,混合
する。
【0049】 [実施例12] 日焼け止め用油中水型クリーム (1)スクワラン 40.0(重量%) (2)グリセリルジイソステアリン酸エステル 3.0 (3)有機変性モンモリロナイト 1.5 (4)オキシベンゾン 2.0 (5)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 5.0 皮膜処理ナイロンパウダー(実施例2) (6)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン粉体 3.0 被覆処理酸化チタン(実施例6) (7)1,3-ブチレングリコール 5.0 (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (9)精製水 40.3 (10)香料 0.1 製法:(1)〜(4)の油相成分を混合,加熱溶解し、(5),
(6)を分散させた後70℃とする。一方、(7)〜(9)を混
合,溶解して加熱し、70℃とする。この水相を前記油
相に撹拌しながら添加し、ホモジナイザーにより乳化し
た後冷却し、40℃にて(10)を添加,混合する。
【0050】 [実施例13] メイクアップベースクリーム (1)ステアリン酸 10.0(重量%) (2)スクワラン 6.0 (3)セタノール 1.5 (4)オクタン酸セチル 2.0 (5)自己乳化型グリセリルモノステアリン酸エステル 2.0 (6)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 0.5 皮膜処理ベンガラ(実施例3) (7)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン粉体 1.0 被覆処理酸化チタン(実施例6) (8)プロピレングリコール 8.0 (9)水酸化カリウム 0.2 (10)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (11)精製水 68.4 (12)黄酸化鉄 0.2 (13)香料 0.1 製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,加熱溶解し、(6),
(7)を添加,分散して75℃とする。一方、(8)〜(11)の
水相成分を混合,溶解し、75℃に加熱したものに(12)
を添加して、ホモミキサーにて分散する。この水相成分
に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一に乳化
した後冷却し、40℃にて(13)を添加,混合する。
【0051】 [実施例14] 油性軟膏型ファンデーション (1)固形パラフィン 3.00(重量%) (2)マイクロクリスタリンワックス 6.00 (3)ミツロウ 2.00 (4)ワセリン 12.00 (5)酢酸ラノリン 1.00 (6)スクワラン 6.00 (7)パルミチン酸イソプロピル 18.00 (8)酢酸トコフェロール 0.20 (9)パラオキシ安息香酸ブチル 0.02 (10)8-キノリノールを作用させた酸化チタン粉体 17.48 被覆処理タルク(実施例8) (11)8-キノリノールを作用させた酸化チタン含有 15.00 皮膜処理カオリン(実施例5) (12)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 1.00 皮膜処理ベンガラ(実施例3) (13)酸化チタン 15.50 (14)黄酸化鉄 2.50 (15)黒酸化鉄 0.20 (16)香料 0.10 製法:(1)〜(9)を混合し、85℃に加熱して溶解し、こ
れにまず(10)〜(12)を順次添加して分散し、次に(13)を
添加,分散し、さらに(14)及び(15)を十分混合し粉砕し
た後撹拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散す
る。(16)を加え、脱気後70℃で容器に流し込み、冷却
する。
【0052】 [実施例15] 油性スティック状ファンデーション (1)固形パラフィン 3.00(重量%) (2)マイクロクリスタリンワックス 7.00 (3)ワセリン 15.00 (4)ジメチルポリシロキサン 3.00 (5)スクワラン 5.00 (6)パルミチン酸イソプロピル 17.00 (7)酢酸トコフェロール 0.20 (8)パラオキシ安息香酸ブチル 0.02 (9)酸化チタン 19.68 (10)黄酸化鉄 3.00 (11)黒酸化鉄 0.20 (12)8-キノリノールを作用させた酸化チタン含有 20.00 皮膜処理カオリン(実施例5) (13)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 2.80 被覆処理タルク(実施例1) (14)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 3.00 被覆処理合成マイカ(実施例4) (15)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 1.00 皮膜処理ベンガラ(実施例3) (16)香料 0.10 製法:(1)〜(8)の基剤成分を混合し、70℃〜80℃で
加熱融解する。これに、(9)〜(11),次いで(12)〜(15)
をそれぞれ混合,粉砕して加えて分散し、コロイドミル
で磨砕分散する。次いで、(16)を添加して型に充填して
冷却固化する。
【0053】 [実施例16] パウダーファンデーション (1)流動パラフィン 5.0(重量%) (2)ミリスチン酸オクチルドデシル 2.5 (3)ワセリン 2.5 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)香料 0.1 (6)酸化チタン 12.0 (7)8-キノリノールを作用させた酸化チタン粉体 42.3 被覆処理タルク(実施例8) (8)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 10.0 皮膜処理ナイロンパウダー(実施例2) (9)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 20.0 被覆処理合成マイカ(実施例4) (10)ベンガラ 3.0 (11)黄酸化鉄 2.0 (12)黒酸化鉄 0.5 製法:(6)〜(12)の顔料成分を混合し、粉砕機を通して
粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、(1)〜(5)を混
合して加え、均一に混合する。これを粉砕機で処理し、
ふるいを通し粒度をそろえた後、金皿に充填して圧縮成
形する。
【0054】 [実施例17] ツーウェイファンデーション (1)流動パラフィン 4.0(重量%) (2)スクワラン 2.0 (3)メチルフェニルポリシロキサン 4.0 (4)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5)香料 0.1 (6)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン粉体 15.0 被覆処理酸化チタン(実施例6) (7)親油性酸化チタン粉体被覆処理セリサイト 25.0 (実施例7) (8)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 30.2 被覆処理タルク(実施例1) (9)8-キノリノールを作用させた酸化チタン含有 5.0 皮膜処理カオリン(実施例5) (10)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 2.5 皮膜処理ベンガラ(実施例3) (11)シリコーン処理黄酸化鉄 2.0 (12)シリコーン処理黒酸化鉄 0.1 (13)ポリエチレン末 10.0 製法:(6)〜(13)の顔料成分を混合し、粉砕機を通して
粉砕する。これを高速ブレンダーに移し、(1)〜(5)を混
合して加え、均一に混合する。これを粉砕機で処理し、
ふるいを通し粒度をそろえた後、金皿に充填して圧縮成
形する。
【0055】上記本発明の実施例9〜実施例17につい
て、使用試験を行った。その際、各実施例において、本
発明の実施例1〜実施例8に係る表面処理粉体をシリコ
ーン処理した各粉体に代替して比較例1〜比較例9を調
製し、同時に試験を行った。使用試験は、20才代〜5
0才代の女性パネラー20名を1群として用い、各群に
実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて2週間使
用させて行った。使用試験終了後、化粧料の付き、密着
感、透明感、紫外線防御効果、仕上がり感及び化粧持ち
について官能評価させ、評価結果を以下に示す評価基準
に従って点数化させて20名の平均値を算出し、表3に
示した。
【0056】[化粧料の付き] 良好 5点 やや良好 4点 普通 3点 やや悪い 2点 悪い 1点
【0057】[化粧料の密着感] ある 5点 ややある 4点 普通 3点 ややない 2点 ない 1点
【0058】[透明感] ある 5点 ややある 4点 どちらともいえない 3点 ややない 2点 ない 1点
【0059】[紫外線防御効果] 高い 5点 やや高い 4点 普通 3点 やや低い 2点 低い 1点
【0060】[仕上がり感] 自然である 5点 やや自然である 4点 どちらともいえない 3点 やや不自然である 2点 不自然である 1点
【0061】[化粧持ち] 良好 5点 やや良好 4点 普通 3点 やや悪い 2点 悪い 1点
【0062】
【表3】
【0063】表3より明らかなように、本発明の実施例
使用群では、化粧料の付き及び密着感について、いずれ
においてもおおむね良好な評価を得ていた。また、いず
れにおいてもほぼ良好な透明感が得られており、普通程
度以上の紫外線防御効果が認められていた。特に実施例
12使用群では、紫外線防御効果の相乗的な向上が認め
られており、実施例14,実施例16及び実施例17に
ついても、かなり高い評価が得られていた。また、いず
れにおいても自然な仕上がり感が得られており、水系や
水中油型乳化系の化粧料についても、ほぼ良好な化粧持
ちが得られていた。
【0064】これに対し比較例使用群では全般に、化粧
料の付き,密着感,透明感及び仕上がり感についての評
価が、対応する実施例使用群に比べて低下していた。ま
た、比較例1〜比較例3及び比較例5使用群では、有意
な紫外線防御効果は見られなかった。さらに各比較例使
用群において、化粧持ちについての評価が若干低下して
いた。
【0065】すなわち、本発明の実施例9〜実施例17
については、皮膚への付き及び密着感が良好で、優れた
透明感と自然な仕上がりが得られ、化粧持ちも良好であ
った。さらに、有機系紫外線吸収剤や微粒子酸化チタン
等の無機紫外線遮断剤を含有していなくても、かなり高
い紫外線防御効果を有しており、紫外線による皮膚への
悪影響の防御に有効であることが示された。また紫外線
吸収剤や微粒子酸化チタンと併用することにより、紫外
線防御効果が相乗的に向上することが示された。
【0066】なお本発明の実施例9〜実施例17につい
ては、室温で6カ月間保存した場合に、状態の変化は全
く認められなかった。また上記使用試験において、皮膚
刺激性反応や皮膚感作性反応の見られたパネラーは存在
しなかった。
【0067】次に、本発明に係る塗料組成物についての
実施例を示す。
【0068】 [実施例18] 耐光性塗料 (1)アルキド樹脂 20.0(重量%) (2)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン分散体 10.0 被覆処理タルク(実施例1) (3)8-キノリノールを作用させた酸化チタン含有 10.0 皮膜処理カオリン(実施例5) (4)酢酸ブチル 30.0 (5)シクロヘキサノン 30.0 製法:(1)〜(3)を(4),(5)に混合し、均一に溶解する。
【0069】上記実施例について、JIS規格K540
0「塗料一般試験方法」に従い耐光性を評価した。すな
わち、150×70×0.8mmの銅板の片面に実施例
18に係る塗料を塗装し、乾燥して試験片とした。この
試験片に対し、紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機に
て100時間照射を行った後、光電色彩計にて測色し
た。その結果、100時間の紫外線照射を行っても退色
は全く観察されなかった。
【0070】続いて、本発明に係る樹脂組成物及び容器
の実施例を示す。
【0071】 [実施例19] 耐光性樹脂組成物 (1)ポリスチレン 87.5(重量%) (2)イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有 12.5 皮膜処理ナイロンパウダー(実施例2) 製法:(1),(2)を混合し、二軸押出機(ZSK−25,
WERNER & PFLEIDERER社製)を用い
て溶融混練する。
【0072】[実施例20] 耐光性樹脂フィルム ポリプロピレンを延展してフィルム状に成形した後、イ
ソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有皮膜処理ベ
ンガラ(実施例3)25重量%を酢酸ブチル溶液として
吹き付けて被覆処理した。
【0073】[実施例21] 耐光性容器 上記実施例19に係る耐光性樹脂組成物を用い、ブロー
成形により容器を得た。
【0074】[実施例22] 耐光性容器 ポリ塩化ビニル樹脂製の容器表面に、イソステアリン酸
を作用させた酸化チタン分散体被覆処理合成マイカ(実
施例4)30重量%をイソパラフィン溶液として吹き付
け、被覆処理を行って得た。
【0075】上記実施例21及び実施例22の容器につ
いて、JIS B7551に規定される紫外線カーボン
アーク灯式耐光試験機にて100時間照射を行った後、
各容器の引っ張り強度,曲げ強度及び耐薬品性を測定
し、紫外線照射前の値と比較した。各実施例において、
前記測定値の有意な低下は認められなかった。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、油
性材料への分散性に優れ、油性塗料や油性又は耐水性化
粧料等に応用可能な表面処理粉体を得ることができ、さ
らに使用感及び透明感に優れ、且つ良好な仕上がり感が
得られ、紫外線防御効果にも優れる皮膚用組成物を得る
ことができ、また耐光性に優れる塗料組成物,樹脂組成
物並びに容器を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/04 C08K 9/04 C08L 101/00 C08L 101/00 C09C 3/08 C09C 3/08 C09D 1/00 C09D 1/00 5/32 5/32 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z C23C 24/00 C23C 24/00 (72)発明者 高須 芳雄 長野県上田市常田3−15−1 信州大学繊 維学部内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
    と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタ
    ンの油性分散体、及び前記油性分散体を濃縮し、或いは
    前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組
    成物より選択される1種又は2種以上により、表面を被
    覆して成る表面処理粉体。
  2. 【請求項2】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
    と、加水分解抑制剤の1種又は2種以上及び水を添加し
    て加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散
    体、及び前記油性分散体を濃縮し、或いは前記油性分散
    体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組成物より選択
    される1種又は2種以上により、表面を被覆して成る表
    面処理粉体。
  3. 【請求項3】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
    と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタ
    ンの油性分散体の1種又は2種以上、又は前記油性分散
    体を濃縮し、或いは前記油性分散体より分散媒を除去し
    て成る皮膜形成性組成物より選択される1種又は2種以
    上を溶剤に溶解又は分散したものを、核となる粉体に吹
    き付けながら混練した後乾燥する工程を繰り返し行うこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の表面処理粉体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
    と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタ
    ンの油性分散体を濃縮し、或いは前記油性分散体より分
    散媒を除去して成る皮膜形成性組成物、及び前記油性分
    散体より分散媒を除去した後、乾燥し、或いはさらに焼
    成して成る親油性酸化チタン粉体より選択される1種又
    は2種以上と、核となる粉体とをボールミル中で混合磨
    砕して表面処理すること特徴とする、請求項1に記載の
    表面処理粉体の製造方法。
  5. 【請求項5】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
    と、加水分解抑制剤の1種又は2種以上及び水を添加し
    て加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体
    の1種又は2種以上、又は前記油性分散体を濃縮し、或
    いは前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成
    性組成物より選択される1種又は2種以上を溶剤に溶解
    又は分散ししたものを、核となる粉体に吹き付けながら
    混練した後乾燥する工程を繰り返し行うことを特徴とす
    る、請求項2に記載の表面処理粉体の製造方法。
  6. 【請求項6】 チタンアルコキシド又はその油性溶液も
    しくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び
    /又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上
    と、加水分解抑制剤の1種又は2種以上及び水を添加し
    て加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体
    を濃縮し、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して
    成る皮膜形成性組成物、及び前記油性分散体より分散媒
    を除去した後、乾燥し、或いはさらに焼成して成る親油
    性酸化チタン粉体より選択される1種又は2種以上と、
    核となる粉体とをボールミル中で混合磨砕して表面処理
    すること特徴とする、請求項2に記載の表面処理粉体の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1及び請求項2に記載の表面処理
    粉体より選択される1種又は2種以上を含有して成る、
    皮膚用組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1及び請求項2に記載の表面処理
    粉体より選択される1種又は2種以上を含有して成る、
    塗料組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1及び請求項2に記載の表面処理
    粉体より選択される1種又は2種以上を混合して成る、
    樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1及び請求項2に記載の表面処
    理粉体より選択される1種又は2種以上により表面を被
    覆して成る、樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項9及び請求項10に記載の樹脂
    組成物の1種又は2種以上より成型されることを特徴と
    する、容器。
  12. 【請求項12】 請求項1及び請求項2に記載の表面処
    理粉体より選択される1種又は2種以上により表面を被
    覆して成る、容器。
JP02003499A 1999-01-28 1999-01-28 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 Expired - Fee Related JP3530052B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02003499A JP3530052B2 (ja) 1999-01-28 1999-01-28 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02003499A JP3530052B2 (ja) 1999-01-28 1999-01-28 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000212467A true JP2000212467A (ja) 2000-08-02
JP3530052B2 JP3530052B2 (ja) 2004-05-24

Family

ID=12015795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02003499A Expired - Fee Related JP3530052B2 (ja) 1999-01-28 1999-01-28 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3530052B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003083008A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Isi Corporation Poudre de protection contre les ultraviolets, dispersion contenant cette poudre et receptacle a protection contre les ultraviolets
WO2011007668A1 (ja) 2009-07-13 2011-01-20 テイカ株式会社 油性分散体およびこの油性分散体を配合した化粧料
WO2014141892A1 (ja) * 2013-03-14 2014-09-18 水澤化学工業株式会社 塗料用白色顔料
JP2020128570A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 茂資 鈴木 酸化チタン被膜形成方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003083008A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Isi Corporation Poudre de protection contre les ultraviolets, dispersion contenant cette poudre et receptacle a protection contre les ultraviolets
JPWO2003083008A1 (ja) * 2002-03-29 2005-08-04 有限会社アイエスアイ 紫外線遮蔽粉体、その粉体を含有する分散物、紫外線遮蔽フィルム及び紫外線遮蔽容器
WO2011007668A1 (ja) 2009-07-13 2011-01-20 テイカ株式会社 油性分散体およびこの油性分散体を配合した化粧料
US8293257B2 (en) 2009-07-13 2012-10-23 Tayca Corporation Oily dispersion and cosmetic material incorporating this oily dispersion
WO2014141892A1 (ja) * 2013-03-14 2014-09-18 水澤化学工業株式会社 塗料用白色顔料
JPWO2014141892A1 (ja) * 2013-03-14 2017-02-16 水澤化学工業株式会社 塗料用白色顔料
JP2020128570A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 茂資 鈴木 酸化チタン被膜形成方法
JP7327755B2 (ja) 2019-02-08 2023-08-16 茂資 鈴木 酸化チタン被膜形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3530052B2 (ja) 2004-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0880561B1 (en) Uv absorbing compositions
AU623662B2 (en) Photochromic color rendering regulating composition or cosmetic
WO1998017730A1 (fr) Poudre d'oxyde de zinc inactivee et preparation cosmetique
EP1673061A1 (en) Soft-focus cosmetic composition comprising fumed alumina
JP3894597B2 (ja) 超微粒子酸化チタンおよびその製造方法
JP3267508B2 (ja) シリカ・酸化セリウム複合粒子、その製造方法及びそれを配合した樹脂組成物並びに化粧料
JPH01143821A (ja) 化粧料
JP3742245B2 (ja) 耐紫外線組成物及び容器
JP3530052B2 (ja) 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器
JPS60149517A (ja) 日焼け止め化粧料
JP3516894B2 (ja) フォトクロミック性を有する酸化チタンの油性分散体及び親油性酸化チタン粉体とその製造方法、並びにこれらより得られる皮膜形成性もしくは皮膜組成物、及びこれらを含有する組成物
JP3583636B2 (ja) 酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器
JP2000297005A (ja) 化粧料
JP3530086B2 (ja) 酸化チタンを含有する皮膜組成物とその製造方法、及びこれにより表面処理した粉体及び樹脂組成物、並びに前記粉体もしくは樹脂組成物を含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器
JP2001200179A (ja) 表面被覆処理粉体及びその製造方法、並びにそれを含有する皮膚外用剤
JPS60149515A (ja) 日焼け止め化粧料
JPS61257910A (ja) 化粧料
JP3594721B2 (ja) 表面被覆薄片状粉体、その製造方法及びそれを配合した化粧料
JPS60149516A (ja) 日焼け止め化粧料
JP2002146189A (ja) 酸化チタンの油性分散体及び親油性酸化チタン粉体、並びに増粘・皮膜形成性組成物、及びこれらの製造方法、並びにこれらを含有する化粧料
JP3480879B2 (ja) 化粧料
JP3495296B2 (ja) 酸化チタンの油性分散体及び親油性酸化チタン粉体、及びこれらの製造方法、並びにこれらを含有する化粧料
JP3065375B2 (ja) メーキャップ化粧料
JPH11199441A (ja) 粉体化粧料
JPH10204316A (ja) 複合粉体及び化粧料

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20031202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040210

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080305

Year of fee payment: 4

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D05

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090305

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100305

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110305

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120305

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees