JPH10204316A - 複合粉体及び化粧料 - Google Patents

複合粉体及び化粧料

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JPH10204316A
JPH10204316A JP2602097A JP2602097A JPH10204316A JP H10204316 A JPH10204316 A JP H10204316A JP 2602097 A JP2602097 A JP 2602097A JP 2602097 A JP2602097 A JP 2602097A JP H10204316 A JPH10204316 A JP H10204316A
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JP
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powder
zinc oxide
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treatment
red
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JP2602097A
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Akihiro Kuroda
章裕 黒田
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】活性を抑制した酸化亜鉛の複合粉体、及び安定
性と安全性に優れ、かつ使用時の感触と紫外線防御効果
に優れた化粧料を提供する。 【解決手段】酸化亜鉛粉末を600〜1700℃の温度
にて加熱して得られる活性抑制型酸化亜鉛を有機粉末で
複合化した複合粉体、及び該複合粉体を含有する化粧
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化亜鉛粉末を加
熱することで活性を抑制した酸化亜鉛粉体を、有機粉末
で複合化した複合粉体、及び該粉体を含有する化粧料に
関する。更に詳しくは、酸化亜鉛粉末を高温で加熱する
ことで、酸化亜鉛の光触媒活性、固体酸活性等の各種活
性が抑制された酸化亜鉛粉体を、有機粉末で複合化する
ことによって得られた複合粉体を含有することで、製品
の安定性、安全性、紫外線防御効果、及び使用時の感触
に優れた化粧料を提供する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛粉末は、紫外線防御効果に優
れ、殺菌力があり、光学的にも白さが少ないなどの優れ
た特徴があり、他の粉体と複合化した場合でも酸化亜鉛
由来の優れた特徴を得ることができる。また、酸化亜鉛
粉末は酸化チタン等と比べて比較的軟らかく、メカノケ
ミカル的に複合粉体を得るには好ましい素材である。例
えば、特開平8−245343号公報等で、皮脂コント
ロール性と使用感の向上を目的として、シリコーン処理
した酸化亜鉛粉末を粉体で複合化する技術が提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酸化亜
鉛粉末は機能に優れるが、各種の活性が強いが故に製品
の安定性に影響を与える場合があり、この活性を抑制す
る技術が必要とされていた。酸化亜鉛粉末の活性が強い
と、化粧料中の油剤や香料等を経時で変質させ、臭いや
変色の原因となったり、皮膚にかぶれ等のトラブルを発
生させる可能性があり、これらの活性はなるべく低く抑
える必要があった。すなわち、本発明は、紫外線防御効
果を有し、活性が抑制され、安定性と安全性に優れ、か
つ使用時の感触に優れた複合粉体及び化粧料を提供する
ことを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の実情
に鑑み、鋭意研究した結果、酸化亜鉛粉末を600〜1
700℃の温度にて加熱することで、酸化亜鉛の活性が
抑制できることを見いだした。そして、この活性抑制型
酸化亜鉛粉体をもとに有機粉末で複合化した複合粉体を
化粧料に配合したところ、製品の安定性、安全性、及び
使用時の感触により優れた化粧料が得られることを見い
だした。すなわち、本発明は、酸化亜鉛粉末を600〜
1700℃の温度にて加熱処理した活性抑制型酸化亜鉛
粉体を、有機粉末で複合化して得られることを特徴とす
る複合粉体に関する。また、本発明は、該複合粉体を含
有することを特徴とする化粧料に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳説
する。本発明で用いる酸化亜鉛粉末は、その平均一次粒
子径が5nm〜100μmの範囲にあることが好まし
い。5nm未満では、粒子径が小さすぎるため工業的に
得ることが難しく、また100μmを超えると、粒子が
大きいために微粒子酸化亜鉛と比べて活性自体が低いた
め、活性自体が問題となることが少ない。また、、特に
平均一次粒子径が5〜100nmの範囲にある微粒子酸
化亜鉛の場合、粉体自体の活性が強く、本発明の活性低
下処理の効果が最も強く得られる特徴がある。粒子径の
測定方法としては、レーザー回折・散乱を用いる方法、
動的光散乱法、電子顕微鏡観察等の方法が挙げられる。
【0006】本発明で用いる酸化亜鉛粉末の形状として
は、例えば、球状、板状、紡錘状、不定形状、棒状、鱗
片状等の形状が挙げられるが、活性の抑制には直接関係
が無いため、特に限定されない。また、粒度分布につい
ても同様な理由により限定されない。
【0007】本発明では、酸化亜鉛粉末を600〜17
00℃の温度範囲、好ましくは800〜1200℃の温
度範囲にて加熱処理した活性抑制型酸化亜鉛粉体を使用
する。600℃未満では、活性の抑制が不十分であり、
また、1700℃を超えると、酸化亜鉛が昇華し、この
ガスは有毒であるため、環境や人体に対して好ましくな
い等の問題があり、上記温度範囲で加熱処理する必要が
ある。
【0008】加熱時間としては、0.1〜48時間が好
ましく、更に好ましくは1〜12時間である。0.1時
間未満では活性抑制が不十分となり、48時間を超える
と生産コストが高くなる場合がある。
【0009】加熱方法としては、坩堝等の容器に入れた
酸化亜鉛粉末をガスや電気を用いて直接加熱する方法
や、電磁波を用いる方法等が挙げられるが、上記の温度
条件にあれば特に限定されない。
【0010】本発明では、得られた活性抑制型酸化亜鉛
粉末を更に、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、シ
ラン処理、アルキルシラン処理、チタンカップリング剤
処理、フッ素化合物処理、油剤処理、金属石鹸処理、ワ
ックス処理、アミノ酸処理、N−アシル化リジン処理、
金属酸化物処理、プラズマ処理、粘剤処理等の従来公知
の方法で表面処理して用いることが可能である。尚、フ
ッ素化合物処理の例としては、パーフルオロアルキルリ
ン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル、フッ素含
有シリコーン化合物、パーフルオロアルキルシラン等が
挙げられる。
【0011】本発明で用いる有機粉末としては、種々の
大きさ、形状の樹脂粉末、有機色素、染料が挙げられ
る。樹脂粉末の大きさとしては、0.1〜100μmの
範囲にある物が好ましい。0.1μm未満では、工業的
に得ることが難しく、また、100μmを超えると、化
粧料に配合した場合に感触が好ましくない場合がある。
樹脂粉末の形状としては、球状、板状、紡錘状、不定形
状、棒状、鱗片状等の形状が挙げられるが特に限定され
ない。
【0012】樹脂粉末の例としては、ポリメチルメタク
リレート等のアクリル系樹脂、スチレン樹脂、フェノー
ル系樹脂、ウレタン系樹脂、テフロン系樹脂、ナイロン
系樹脂、ビニル系樹脂、ポリメチルシルセスキオキサン
等のシリコーン系樹脂、アクリルアミド系樹脂、セルロ
ース系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン系樹脂、
ポリプロピレン系樹脂、シルクパウダー等、従来公知の
樹脂化合物が挙げられ、中でも化粧料に使用実績のある
樹脂が安全性等の点で好ましい。
【0013】有機色素、染料の例としては、紅花、β−
カロチン、藍、クロロフィル等の天然色素類、タール系
色素類、カーボンブラック、合成染料のCa、Al、B
a塩等の有機顔料が挙げられる。これらの例としては、
赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤
色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色
3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色202
号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色
206号、赤色207号、赤色208号、赤色213
号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色
219号、赤色220号、赤色221号、赤色223
号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色
228号、赤色230号、赤色231号、赤色232
号、だいだい色201号、だいだい色203号、だいだ
い色204号、だいだい色205号、だいだい色206
号、だいだい色207号、黄色201号、黄色202
号、黄色203号、黄色204号、黄色205号、緑色
201号、緑色202号、緑色204号、緑色205
号、青色201号、青色202号、青色203号、青色
204号、青色205号、かっ色201号、紫色201
号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色
501号、赤色502号、赤色503号、赤色504
号、赤色505号、赤色506号、だいだい色401
号、だいだい色402号、だいだい色403号、黄色4
01号、黄色402号、黄色403号、黄色404号、
黄色405号、黄色406号、黄色407号、緑色40
1号、緑色402号、青色403号、青色404号、紫
色401号、黒色401号等が挙げられる。
【0014】本発明では、これらの有機粉末を前記同
様、更に、シリコーン油処理、シリコーン樹脂処理、シ
ラン処理、アルキルシラン処理、チタンカップリング剤
処理、フッ素化合物処理、油剤処理、金属石鹸処理、ワ
ックス処理、アミノ酸処理、N−アシル化リジン処理、
金属酸化物処理、プラズマ処理、粘剤処理等の従来公知
の方法で表面処理して用いることが可能である。尚、フ
ッ素化合物処理の例としては、パーフルオロアルキルリ
ン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル、フッ素含
有シリコーン化合物、パーフルオロアルキルシラン等が
挙げられる。
【0015】本発明は、上記活性抑制型酸化亜鉛粉体を
有機粉末で複合化した複合粉体に関するが、発明で言う
複合化とは、湿式混合・乾燥法やスプレードライヤー
等を用いて粉体同士を凝集処理や付着処理すること、
ボールミル等を用いてメカノケミカル的に複合化を生じ
させること、カップリング剤や接着性の樹脂等を用い
て化学的に粉体同士を結合させること等を言う。
【0016】本発明の複合化の比率としては、活性抑制
型酸化亜鉛と有機粉末とが重量比で1:99〜99:1
の範囲であることが好ましい。これ以外の範囲では、複
合化の効果が弱く、機能が十分に発揮できない場合があ
る。
【0017】本発明の複合粉体の形状は、複合化処理の
方法及び用いる粉体の大きさの関係によって大きく変化
する。例えば、酸化亜鉛粉末として微粒子酸化亜鉛を用
いた場合では、一般的に有機粉末の上を酸化亜鉛粉末が
覆う形になり易く、また、粒子径が顔料級の酸化亜鉛粉
末を用いた場合では、有機粉末が酸化亜鉛を覆う形か、
もしくは酸化亜鉛粉末と有機粉末の混合凝集物を形成し
易い。これらの形態は様々であり、本発明の複合化粉体
の形状としては特に限定されない。
【0018】本発明では、上記複合粉体と共に、紫外線
防御剤(無機系および有機系を含む)、抗酸化剤、ラジ
カル消去剤から選ばれる1種以上の成分を配合すること
が好ましい。
【0019】紫外線防御剤としては、UV−A(波長4
00〜320nm),UV−B(320nm〜280n
m)に対応する吸収特性を有する有機系及び無機系の紫
外線防御剤が使用できる。有機系紫外線防御剤の例とし
ては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシ
ル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、
2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン
塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、サ
リチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエー
ト、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、メトキ
シケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、2−フェニ
ル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエ
タノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カン
フル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,
2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾ
フェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチ
ルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4−ジメト
キシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミ
ダゾリジンプロピオン酸−2−エチルヘキシル等が挙げ
られる。更に、これらの骨格を基に、炭化水素系高分子
やシリコーン系高分子、シラン等で誘導体化した化合物
も使用可能である。
【0020】無機系紫外線防御剤の例としては、平均一
次粒子径が5〜300nmの範囲にある二酸化チタン、
低次酸化チタン、酸化セリウム、酸化コバルト、酸化セ
リウム・ジルコニウム、酸化鉄類等の粉体が挙げられ
る。また、これらの粉体の形状としては、球状、紡錘
状、棒状、不定型状、板状等が挙げられるが特に限定さ
れない。また、これらの粉体を更に従来公知の方法で表
面処理を行っても構わない。表面処理の例としては、前
記同様に従来公知の表面処理を挙げることができる。
【0021】抗酸化剤、ラジカル消去剤の例としては、
例えば、トコフェロール類、SOD、フェノール類、テ
ルペン類、ブチルヒドロキシトルエン、ビタミンC、植
物抽出成分、カテキン類、葉緑素、ポルフィリン類、微
生物産生成分等の従来公知の物質が挙げられる。
【0022】本発明の化粧料では、上記成分の他に、通
常化粧料に用いられる油剤、粉体(顔料、色素、樹
脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性剤、粘剤、防腐
剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、キレー
ト剤、中和剤、pH調整剤、セラミド類等の成分を同時
に配合することができる。
【0023】本発明で、必須成分である複合粉体の他に
化粧料中に適宜配合することができる粉体としては、例
えば、赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1
号、黒色401号等の色素、黄色4号Alレーキ、黄色
203号Baレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダ
ー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロンパウ
ダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー等の高
分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、
カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、
マイカ、セリサイト、カオリン等の体質顔料、雲母チタ
ン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム
等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ベントナ
イト、スメクタイト等が挙げられる。これらの粉体の形
状、大きさ、表面処理に特に制限はないが、表面処理と
しては、シリコーン処理、フッ素化合物処理、N−アシ
ル化リジン処理、粘剤処理等が好ましい。
【0024】油剤の例としては、セチルアルコール、イ
ソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサ
デシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アル
コール、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン
酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール等の多価アルコール、ミリスチン酸ミリスチル、ラ
ウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イ
ソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノ
ステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステ
アリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オク
チル等のエステル類、流動パラフィン、ワセリン、スク
ワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラノリン、カルナ
バロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム
核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油
脂、エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げ
られる。
【0025】また、別の形態の油剤の例としては、例え
ば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエ
ーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル
・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサ
ン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オ
ルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキ
サン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロ
キサン、糖変性シリコーン、グリセリル変性シリコー
ン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチル
シロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン
化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、フ
ルオロカーボン、フルオロアルコール、フッ素化シリコ
ーンレジン等のフッ素化合物が挙げられる。
【0026】界面活性剤としては、例えば、アニオン型
界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活
性剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0027】本発明の化粧料に用いることができる溶媒
としては、精製水、エタノール、軽質流動イソパラフィ
ン、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカ
ーボン、N−メチルピロリドン、フルオロアルコール、
パーフルオロポリエーテル、代替フロン、揮発性シリコ
ーン等が挙げられる。
【0028】本発明の化粧料としては、ファンデーショ
ン、白粉、アイシャドウ、アイライナー、チーク、口
紅、ネイルカラー等のメイクアップ化粧料、乳液、クリ
ーム、ローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、ア
フターシェーブローション、プレシェーブローション、
パック料、クレンジング料、洗顔料等の基礎化粧料、ヘ
アカラー、ボディパウダー、デオドラント、石鹸、ボデ
ィシャンプー、入浴剤、香水等が挙げられる。
【0029】また、本発明の化粧料における、複合粉体
の配合量としては、化粧料100重量部あたり、0.1
〜100重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜6
0重量部である。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明する。尚、各種活性の評価試験、官能特性評
価試験、紫外線防御効果試験は次の方法で行った。
【0031】(1)固体酸活性評価試験 福井らの方法(色材,55巻,12号,864〜871
頁,1982年)に従い、パルスリアクターを用いてイ
ソプロピルアルコールの転化反応の反応生成物(プロピ
レン、アセトン)をガスクロマトグラフで分析し、活性
を評価した。比較例の固体酸活性を100とし、実施例
の固体酸活性をAとした時、Aの値から表1に示す基準
に従って評価を行った。
【0032】
【表1】
【0033】(2)活性評価試験(変質の有無) 実施例及び比較例の複合粉体を白色ワセリン中に5重量
%の割合で混合し、60℃にて10日間放置した時の外
観所見と臭いから、変質の有無を判定した。
【0034】(3)官能特性評価試験 専門パネラー10名を用いて、試作品の化粧料を肌に塗
布し、その官能特性を評価した。感触に優れるを+5
点、感触が悪いを0点とし、その間を計4段階で評価
し、全員の点数の合計を以て評価結果とした。従って、
点数が高いほど、評価が高いことを示す。
【0035】(4)紫外線防御効果試験 専門パネラー10名を用いて、試作品の化粧料を肌に塗
布し、その紫外線防御効果を評価した。日中(1日)、
屋外でテニスを行い、日焼け(即時黒化)の状態から表
2に示す評価基準に従って評価した。パネラー全員の点
数の合計を以て評価結果とした。従って、点数が高いほ
ど、紫外線防御効果が高いことを示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例1 平均一次粒子径が16nmの微粒子酸化亜鉛を1000
℃にて4時間加熱したものを、N−ラウロイル−L−リ
ジンを用いて3重量%被覆した改質微粒子酸化亜鉛を得
た。次に、イソプロピルアルコール溶媒中で改質微粒子
酸化亜鉛と平均一次粒子径4.5μmの真球状ポリメチ
ルシルセスキオキサン粉末とフッ素化シリコーン樹脂を
23:75:2の重量比にて混合した後、溶媒を減圧下
に加熱除去した。得られた粉末を110℃にて3時間加
熱乾燥した後、ミキサーを用いて粉砕し、目的とする複
合粉体を得た。得られた複合粉体は、真球状ポリメチル
シルセスキオキサン粉末表面を微粒子酸化亜鉛が均一に
被覆した形を取っていた。
【0038】実施例2 平均一次粒子径が0.5μmの酸化亜鉛を800℃にて
6時間加熱し、改質酸化亜鉛粉体を得た。ミキサーを用
いて改質酸化亜鉛粉体と赤色202号を80:20の重
量比にて粗混合した後、ボールミルを用いてメカノケミ
カル的に複合化を実施し、目的とする複合粉体を得た。
得られた複合粉体は、酸化亜鉛粉体の表面を赤色202
号がほぼ覆っている形状を取っていた。
【0039】実施例3 平均一次粒子径が12μmの板状酸化亜鉛を900℃に
て6時間加熱し、改質板状酸化亜鉛粉体を得た。次に、
水中で改質板状酸化亜鉛粉体と赤色201号とパーフル
オロアルキルリン酸エステルトリエタノールアミン塩を
88:5:7の重量比にてよく混合した後、希硫酸を用
いて中和し、水洗行い、ろ過、乾燥した後、アトマイザ
ーにて粉砕を行って目的とする複合粉体を得た。得られ
た複合粉体は、酸化亜鉛粉体表面を赤色201号がほぼ
覆っている形状を取っていた。
【0040】比較例1 実施例1の改質微粒子酸化亜鉛の代わりに実施例1で用
いたのと同じ微粒子酸化亜鉛を用いた他は全て実施例1
と同様にして複合粉体を得た。
【0041】比較例2 実施例2の改質酸化亜鉛の代わりに実施例2で用いたの
と同じ酸化亜鉛を用いた他は全て実施例2と同様にして
複合粉体を得た。
【0042】比較例3 実施例3の改質板状酸化亜鉛の代わりに実施例3で用い
たのと同じ板状酸化亜鉛を用いた他は全て実施例3と同
様にして複合粉体を得た。
【0043】比較例4 平均一次粒子径が16nmの微粒子酸化亜鉛を1000
℃にて4時間加熱したものを、N−ラウロイル−L−リ
ジンを用いて3重量%被覆して改質微粒子酸化亜鉛を得
た。ミキサーを用いて改質微粒子酸化亜鉛と平均一次粒
子径4.5μmの真球状ポリメチルシルセスキオキサン
粉末25:75の重量比にて混合し、単なる混合粉体を
得た。
【0044】実施例4 下記の表3に示す処方に従ってサンスクリーン剤を得
た。尚、配合量の単位は重量%である。
【0045】
【表3】
【0046】成分Aを粗混合した後、ビーズミルを用い
て粉砕した。得られたスラリーを撹拌しながら、均一に
溶解した成分Bを加え、撹拌ボールと共に容器に充填し
て製品とした。尚、本製品は使用前によく振って使用し
た。
【0047】比較例5 実施例4で複合粉体(実施例1)の代わりに比較例1の
複合粉体を使用した他は全て実施例4と同様にして製品
を得た。
【0048】比較例6 実施例4で複合粉体(実施例1)の代わりに比較例4の
混合粉体を使用した他は全て実施例4と同様にして製品
を得た。
【0049】実施例5 下記の表4に示す処方に従ってファンデーションを得
た。尚、フッ素処理顔料としては、パーフルオロアルキ
ルリン酸エステル塩5重量%処理品を使用した。更に、
シリコーンエラストマー/ジメチルポリシロキサン混練
物としては、シリコーンエラストマー濃度が40重量%
のものを使用した。単位は重量%である。
【0050】
【表4】
【0051】成分A、Bをそれぞれミキサーを用いて混
合した。混合した成分Aを撹拌しながら、混合した成分
Bをゆっくりと滴下した。更にミキサーを用いてよく混
合した後、アトマイザーを用いて粉砕を行い、金型を用
いて金皿に打型して製品を得た。
【0052】比較例7 実施例5で複合粉体(実施例2)の代わりに比較例2の
複合粉体を用い、複合粉体(実施例3)の代わりに、比
較例3の複合粉体を用いた他は全て実施例5と同様にし
て製品を得た。
【0053】下記表5及び表6に実施例及び比較例で作
製した複合粉体の固体酸活性と活性(変質の有無)の評
価結果を示す。
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】表5の結果から、実施例1〜3は比較例1
〜3に比して、触媒活性が大幅に低下していることが判
った。表6は、加速テストの結果であるが、活性を抑制
してない酸化亜鉛粉体を配合した比較例1〜3は製品が
経時で変臭を発生する可能性があるのに対して、実施例
1〜3ではその可能性が大幅に低下していることが判っ
た。
【0057】下記表7に、実施例4〜5及び比較例5〜
7で作製した化粧料の評価結果を示す。
【0058】
【表7】
【0059】表7より、実施例4〜5の高温で加熱した
活性抑制型酸化亜鉛粉体の複合粉体を使用した場合で
も、凝集や融着などの現象は発生せず、従来の製品と同
様の官能特性と紫外線防御効果を有していることが判っ
た。また、製品を連用した場合にも、肌への影響は認め
られなかった。更に、比較例6の単純に混合物を使用し
た場合と比べて、本発明の複合粉体を使用した実施例4
〜5は、使用時の感触が向上していることが判った。
【0060】
【発明の効果】以上のことから、本発明の複合粉体は、
酸化亜鉛粉末の活性が抑制され、また該複合粉体を含有
する本発明の化粧料は、より安定性、安全性に優れ、か
つ使用時の感触、紫外線防御効果に優れていることは明
らかである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化亜鉛粉末を600〜1700℃の温
    度にて加熱処理した活性抑制型酸化亜鉛粉体を、有機粉
    末で複合化して得られることを特徴とする複合粉体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合粉体を含有すること
    を特徴とする化粧料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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