JP3583636B2 - 酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 - Google Patents
酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3583636B2 JP3583636B2 JP02002699A JP2002699A JP3583636B2 JP 3583636 B2 JP3583636 B2 JP 3583636B2 JP 02002699 A JP02002699 A JP 02002699A JP 2002699 A JP2002699 A JP 2002699A JP 3583636 B2 JP3583636 B2 JP 3583636B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- dispersion
- film
- liquid
- forming composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Cosmetics (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性及び紫外線吸収性に優れ、親油性を有する透明な皮膜を形成し得る組成物及びその製造方法と、前記皮膜形成性組成物を応用して成る皮膚用組成物,塗料組成物及び樹脂組成物、並びに容器に関する。
【0002】
さらに詳しくは、チタンアルコキシド又はその油性溶液もしくは分散液に分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物を添加し、次いで水を添加し加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体を濃縮し、或いは油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びに前記皮膜形成性組成物を応用して成る皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物及び容器に関する。
【0003】
【従来の技術】
酸化チタンは高い紫外線遮蔽効果を有し、塗料等の紫外線による退色防止や、紫外線による炎症を防止するための化粧料等に顔料としてよく用いられる。かかる目的に適する薄片状或いは微粒子状の酸化チタンを得るには、形状や粒子径の制御の容易なゾル−ゲル法が広く用いられている。しかしながらこの方法では、チタンアルコキシドを加水分解させるため水の添加が不可欠であり、分散媒としてブタノール等の低級アルコールを用いる。それゆえ、ゾル−ゲル法により得られた酸化チタンは親油性に乏しく、油性材料に分散した際透明な状態は得られず、油性化粧料や油性塗料に配合する際には、分散性を向上させたり、耐水性を持たせるために疎水化処理を行う必要があった。また、皮膜を形成する必要のある場合には、皮膜形成性を有する水溶性高分子化合物を用いる必要があるため、耐水性の皮膜を得ることは困難であった。
【0004】
さらに、食品,化粧料,医薬品用の包材や容器、医療器具素材など、紫外線に対する抵抗性を要する樹脂組成物や容器においては、紫外線吸収剤を混練したり、紫外線吸収剤を含有する高分子化合物により表面処理を行ったりする必要があった。そのため、紫外線曝露による紫外線吸収剤自体の劣化やブリードが生じやすく、品質保持や安全性の面で問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明においては、耐水性及び紫外線吸収性に優れ、親油性を有する透明な皮膜形成性組成物を得、これらを皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物及び容器の各分野において応用することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するべく種々検討を行った結果、チタンアルコキシド又はその油性溶液もしくは分散液において、加水分解反応を進行させる際、チタンアルコキシドからチタン酸化物の粒子が成長する過程で、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物を適量加えることにより、油性分散媒中に透明な状態で分散した酸化チタン粒子が得られ、さらに前記油性分散体を濃縮し、分散媒を除去したものが優れた皮膜形成能を有し、皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物及び容器の各分野において容易に応用し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明においては、チタンアルコキシド又はその油性溶液もしくは分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上と水を添加して加水分解し、透明な酸化チタンの油性分散体を得、さらにこの油性分散体を濃縮し、或いは油性分散体より分散媒を除去して、透明な皮膜形成性組成物を得る。そして、この皮膜形成性組成物を皮膚用組成物,塗料組成物等の各分野に応用する。なお、チタンアルコキシドの加水分解を行う際に、加水分解抑制剤の1種又は2種以上を共存させることにより、選択的に薄片状粒子のゲルを得ることができる。また必要に応じ、酸又は塩基もしくはこれらにより形成される塩を触媒として用いることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において用い得るチタンアルコキシドとしては、チタンテトラメトキシド,チタンテトラエトキシド,チタンテトラノルマルプロポキシド,チタンテトライソプロポキシド,チタンテトラノルマルブトキシド,チタンテトライソブトキシド,チタンテトラターシャルブトキシド等が挙げられる。かかるチタンアルコキシドは、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物が液状の場合には直接それらに溶解又は分散することができる。また、油性溶媒に溶解又は分散して前記有機化合物を添加し、作用させてもよい。かかるチタンアルコキシドの溶液又は分散液の濃度としては0.0001M〜6.0Mであることが好ましく、0.01M〜4.0Mの範囲とすることが特に好ましい。
【0009】
上記チタンアルコキシドを溶解又は分散する油性溶媒としては、ノルマルヘキサン,ノルマルヘプタン,ノルマルオクタン等のノルマルアルカン類、1−ヘキセン,1−ヘプテン,1−オクテン,1−ノネン,1−デセン,1−ウンデセン等のノルマルアルケン類、ベンゼン,メチルベンゼン,エチルベンゼン等のベンゼン類、ヘキサノール,ヘプタノール,オクタノール,ノナノール,デカノール等のアルコール類、プロピルエーテル,イソプロピルエーテル,ブチルエーテル,イソブチルエーテル,ノルマルペンチルエーテル,イソペンチルエーテル,メチルブチルエーテル,メチルイソブチルエーテル,メチルノルマルペンチルエーテル,メチルイソペンチルエーテル,エチルプロピルエーテル,エチルイソプロピルエーテル,エチルブチルエーテル,エチルイソブチルエーテル,エチルノルマルペンチルエーテル,エチルイソペンチルエーテル,アリルエーテル,エチルアリルエーテル,アニソール,フェネトール,フェニルエーテル,ベンジルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸イソプロピル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,プロピオン酸メチル,プロピオン酸エチル,プロピオン酸プロピル,プロピオン酸ブチル,プロピオン酸イソブチル,酪酸メチル,酪酸エチル,酪酸プロピル,酪酸イソプロピル,酪酸ブチル,酪酸イソブチル等のエステル類などが使用できる。また、アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,ゴマ油,サザンカ油,サフラワー油,大豆油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,パーシック油,ヒマシ油,綿実油,落花生油,ホホバ油等の液状植物油類、ミンク油,卵黄油,液状ラノリン等の液状動物油類、流動パラフィン,イソパラフィン,スクワラン,プリスタン等の炭化水素油類、オレイルアルコール,2−ヘキシルデカノール,イソステアリルアルコール,2−オクチルドデカノール等の液状高級アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,エチレングリコールモノフェニルエーテル,エチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル,エチレングリコールジメチルエーテル,エチレングリコールジエチルエーテル,エチレングリコールジブチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレングリコールメチルエーテルアセテート,エチレングリコールエチルエーテルアセテート,エチレングリコールブチルエーテルアセテート,エチレングリコールフェニルエーテルアセテート,ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート,ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート等の二価アルコール誘導体類、オクタン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ラウリン酸ヘキシル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,ジオイレイン酸プロピレングリコール,トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン等の液状エステル油類、ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油など、一般に化粧料又は皮膚外用剤用或いは塗料用として用いられる油性物質を用いることができる。本発明にはこれらより1種又は2種以上を選択して用いる。
【0010】
本発明においては、チタンアルコキシドに有機化合物を作用させ、それによりチタンアルコキシドの加水分解を制御するが、本発明において使用し得る有機化合物としては、分子内に孤立電子対を有する原子や極性基を有する有機化合物で、液状であるか、油性溶媒に溶解又は分散させ得るものであれば、特に限定されない。たとえば、乳酸,酒石酸,クエン酸,リンゴ酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,イソオクタン酸,イソミリスチン酸,イソパルミチン酸,イソステアリン酸,ヒドロキシパルミチン酸,ヒドロキシステアリン酸等のカルボン酸類、アセチルアセトン,エチレングリコール,ジエチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,エチレンジアミン,エチレンジアミン四酢酸,ジチゾン,ジメチルグリオキシム,8−キノリノール等のキレート作用を有する化合物、デシルアミン,ウンデシルアミン,ドデシルアミン,テトラデシルアミン,ヘキサデシルアミン,オクタデシルアミン,ジヘキシルアミン,ジオクチルアミン,ジデシルアミン,N−メチルデシルアミン,N−メチルラウリルアミン,N−メチルパルミチルアミン,N−エチルパルミチルアミン等のアミン類、ヘキシルアミド,オクチルアミド,デシルアミド,ウンデシルアミド,ラウリルアミド,ミリスチルアミド,パルミチルアミド,ステアリルアミド等のアミド類、ミリスチン酸モノエタノールアミド,ステアリン酸モノエタノールアミド,ミリスチン酸ジエタノールアミド,ステアリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸,ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン,2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸ペンチル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチル,パラメトキシ桂皮酸イソプロピル,パラメトキシ桂皮酸オクチル,パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル等のメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル,サリチル酸フェニル,サリチル酸ホモメンチル,サリチル酸ジプロピレングリコール,サリチル酸エチレングリコール,サリチル酸ミリスチル,サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸,ウロカニン酸エチル,4−ターシャルブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン,2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール,アントラニル酸メチルといった紫外線吸収剤、ローダミンBステアレート(赤色215号),テトラクロロテトラブロモフルオレセイン(赤色218号),テトラブロモフルオレセイン(赤色223号),スダンIII(赤色225号),ジブロモフルオレセイン(だいだい色201号),ジヨードフルオレセイン(だいだい色206号),フルオレセイン(黄色201号),キノリンイエローSS(黄色204号),キニザリングリーンSS(緑色202号),アリズリンパープルSS(紫色201号),薬用スカーレット(赤色501号),オイルレッドXO(赤色505号),オレンジSS(だいだい色403号),イエローAB(黄色404号),イエロー405号(黄色405号),スダンブルーB(青色403号)等の油溶性色素類などが挙げられ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。チタンアルコキシドに対する添加量としては、チタンアルコキシド1モルに対して0.001モル〜4モル程度とするのが好ましい。
【0011】
また本発明においては、チタンアルコキシドから酸化チタンへの重縮合に際し、加水分解を制御する加水分解抑制剤を添加することもできる。加水分解抑制剤を添加することにより、チタンアルコキシドの加水分解の進行を制御し、選択的に薄片状のゲル粒子を得ることができる。
【0012】
上記加水分解抑制剤はキレート試薬及び電子供与性試薬より選択され、ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール等のアルキレングリコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,テトラエチレングリコールモノメチルエーテル,テトラエチレングリコールモノエチルエーテル,プロピレングリコールモノメチルエーテル,プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールのアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル,エチレングリコールモノベンジルエーテル等のアルキレングリコールのアリールエーテル類、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、エチレンジアミン,トリエタノールアミン等のアミン類などが挙げられ、これらより1種又は2種以上を選択して用いる。前記の中でも、特にアルキレングリコール類が好ましく使用できる。
【0013】
上記の加水分解抑制剤は、チタンアルコキシド1モルに対し1モル〜20モルの割合で添加することが好ましく、2モル〜10モルとするのがより好ましい。加水分解抑制剤の添加量が1モル未満であると、チタンアルコキシドの加水分解の制御効果が十分に得られず、また20モルを超えると、チタンアルコキシドの加水分解が十分に進行しないので好ましくない。
【0014】
さらに本発明においては、必要に応じ酸又は塩基、或いはこれらにより形成される塩を触媒として添加することができる。かかる酸又は塩基としては、塩酸,硫酸等の強酸、炭酸,ギ酸,酢酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸等の弱酸、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の強塩基、ヒドロキシアンモニウム,アセトアミジン,ヒドラジン等の弱塩基が用いられる。塩としては、弱酸と弱塩基,弱酸と強塩基及び強酸と弱塩基の中和により得られる塩が好ましく用いられ、特に好ましいものとして、炭酸ナトリウム,炭酸アンモニウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素アンモニウム,酢酸ナトリウム,酢酸アンモニウム,ステアリン酸ナトリウムを挙げることができる。これら酸又は塩基或いは塩の添加量としては、チタン1モルに対し10−3〜10−4モルの範囲とするのが適切である。
【0015】
本発明における酸化チタンの油性分散体より得られる皮膜形成性組成物の製造方法としては、まずチタンアルコキシドを油性溶媒の1種又は2種以上に溶解又は分散し、この油性溶液又は分散液を撹拌しながら、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上を油性溶媒に溶解又は分散して添加した後、水を添加し、加水分解する。水の添加量はチタンアルコキシド1モルに対し0.001モル〜4モル程度とするのが適切である。分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物が液状である場合には、チタンアルコキシドに直接かかる有機化合物を添加してもよい。分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の種類やチタンアルコキシドに対する添加量を調整することにより、生成される酸化チタンの形状を制御することができる。そして、得られた酸化チタンの油性分散体を濃縮し、又はほぼ完全に分散媒を除去することにより、透明な皮膜形成性組成物を得る。
【0016】
さらに本発明においては、加水分解抑制剤を油性溶媒の1種又は2種以上に溶解又は分散して添加することにより、選択的に薄片状のゲルを得ることができる。また触媒として酸又は塩基或いは塩を添加する場合は、これらの油性溶液又は分散液は水と同時に添加してもよいが、ある程度加水分解を進行させた後に添加してもよく、添加時期によりゲル粒子の形状を制御することが可能である。また、油性溶媒又は分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物として、加水分解抑制作用を有するものを用いてもよい。
【0017】
上記反応系については、撹拌を停止して2〜24時間静置し、反応を継続させる。必要に応じてチタンに対し5〜7倍モル量の酸もしくは塩を添加して反応を停止し、過剰量の水を添加して未反応のチタンアルコキシドが残留しないことを確認し、残留する場合には過剰量の水により洗浄,除去する。反応を停止するのに添加する酸もしくは塩については特に限定されない。
【0018】
上記酸化チタンの油性分散体は、分散媒として揮発性の油性溶媒又は有機化合物を用いた場合には、風乾,減圧蒸留等により濃縮し、さらに分散媒を除去することができる。一方、揮発性に乏しい油性溶媒又は有機化合物を用いた場合には、シクロヘキサン等の揮発性の油性溶媒を添加して共沸させて濃縮,除去する。
【0019】
本発明に係る皮膜形成性組成物は耐水性に優れ、また優れた透明性と紫外線吸収性を有し、皮膚外用剤や化粧料等の皮膚用組成物に含有させて紫外線防御効果を付与することができ、また塗料組成物,樹脂組成物,容器等に応用して耐光性を付与することができる。
【0020】
本発明においては、皮膜形成剤として、上記皮膜形成性組成物の1種又は2種以上を含有させることにより、紫外線による皮膚への悪影響を防止するのに有効な皮膚用組成物を得ることができるが、かかる皮膚用組成物は、ローション剤,乳剤,ゲル剤,クリーム剤,軟膏,パスタ剤等の皮膚外用剤、二層ないし三層状の化粧水,乳液,クリーム,ゲル,パック等の皮膚用化粧料、メイクアップベースローション,メイクアップベースクリーム等の下地化粧料、乳液状,クリーム状,油性軟膏型,油性スティック状,粉末状等のファンデーション類,アイカラー類,チークカラー類,アイライナー類,マスカラ類,ネイルエナメルといったメイクアップ化粧料、リップクリーム,リップスティック等の口唇用化粧料、日焼け止めローション,日焼け止めクリーム,日焼け止め油等の日焼け止め化粧料、ハンドクリーム,ボディローション等の身体用化粧料などとして提供し得る。なお、皮膜形成性組成物の皮膚用組成物への配合量としては特に限定されないが、0.01〜30.0重量%の範囲とするのが適当である。本発明に係る皮膜形成性組成物は非常に優れた皮膜形成能を有するので、あまり多量に配合することを要しない。
【0021】
本発明に係る皮膚用組成物には、上記の皮膜形成性組成物の他、油脂類,ロウ類,炭化水素類,脂肪酸類,高級アルコール類,エステル類,低級アルコール類,多価アルコール類,保湿剤,細胞賦活剤,抗炎症剤,美白剤,殺菌剤,界面活性剤,水溶性高分子化合物,防菌防黴剤,色素類,香料等、一般的に皮膚外用剤や化粧料に配合される原料を含有させることができる。また、体質顔料,着色顔料,真珠光沢顔料等の粉体類を含有させることができる。特に紫外線防御を目的とした日焼け止め組成物においては、従来より用いられている微粒子酸化チタンや酸化亜鉛といった紫外線散乱効果を有する粉体や、紫外線吸収剤を併用し得る。
【0022】
本発明においてはさらに、上記皮膜形成性組成物の1種又は2種以上を塗膜形成成分として含有させて、塗料組成物として提供することができる。これら塗料組成物においては、アマニ油や大豆油、脱水ヒマシ油,ペンタエリスリトール,アルキッド樹脂,スチレン化油,マレイン酸化油,ウレタン化油等の合成乾性油、セラック,コーパル,ダンマル等の天然樹脂、石灰ロジン,ロジンエステル等の加工樹脂、フェノール樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,フタル酸樹脂,ビニル樹脂等の合成樹脂、ニトロセルロース,アセチルセルロース,ベンジルセルロース等のセルロース誘導体、塩化ゴム,環化ゴム,合成ゴム等のゴム誘導体などの塗膜形成成分をも併用し得る。また、乾燥剤,硬化剤,可塑剤,分散剤,乳化剤等の塗膜形成補助成分を含有させることもできる。溶剤又は希釈剤としては、エタノール,ブタノール等のアルコール類、石油スピリット,燈油,キシレン等の炭化水素類、酢酸エチル,酢酸ブチル等のエステル類、アセトン,エチルメチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチレングリコール,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、トリクロルエチレン,塩化メチレン等の塩化化合物等を用いることができる。さらに、オレンジ5,レッド24,レッド25,ブラック5等の油溶性染料や、炭酸カルシウム,硫酸バリウム,酸化亜鉛等の無機体質顔料、クロムイエロー,カドミウムイエロー,ニッケルチタンイエロー,ベンガラ,カドミウムレッド,モリブデンレッド,紺青,群青等の無機着色顔料、ピグメントイエロー類,ピグメントオレンジ類,ピグメントレッド類,ピグメントバイオレット類,ピグメントブルー類,ピグメントグリーン類,ピグメントブラウン類,ピグメントブラック類等の有機顔料を含有させることもできる。
【0023】
また本発明においては、スチレン系樹脂,オレフィン系樹脂,メタクリル系樹脂,ポリ塩化ビニル系樹脂,ポリ塩化ビニリデン樹脂,ポリアミド樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリアセタール樹脂,ポリフェニレン樹脂,フッ素樹脂,シリコーン樹脂等の合成樹脂に、上記皮膜形成性組成物を混練した後成形することにより、紫外線吸収性を付与した樹脂組成物を得ることができる。合成樹脂と混練する際の皮膜形成性組成物等の重量比は、合成樹脂100重量部に対し、10〜300重量部とするのが適切である。
【0024】
上記皮膜形成性組成物等を含有する樹脂組成物は、ヘンシェルミキサーやタンブラー等で混合した後、一軸或いは多軸の押出機,バンバリーミキサー,ニーダー,ローラーなどの混練装置中にて溶融混練して調製される。得られた樹脂組成物は、射出成形,押出成形,ブロー成形,インフレーション成形,真空成形等の方法により、各種成形体に成形する。また、フィルムや二軸延伸フィルム,シート,発砲ビーズなどに成形した後、所望の成形体に成形してもよい。
【0025】
上記合成樹脂に対しては、これらを成形した後に、本発明に係る皮膜形成性組成物を適宜溶剤に溶解又は分散してスプレー射出し、皮膜形成性組成物等により被覆して紫外線吸収性を付与することもできる。
【0026】
そして、上記の樹脂組成物により成形して紫外線吸収性を有する容器を得ることができる。樹脂により成形された容器の表面を、本発明に係る皮膜形成性組成物により被覆してもよい。
【0027】
【実施例】
さらに実施例により、本発明について詳細に説明する。
【0028】
[実施例1〜実施例3] イソステアリン酸を作用させた酸化チタンを含有する皮膜形成性組成物
チタンエトキシドを流動パラフィンに溶解して0.2Mの溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、表1に示す量のイソステアリン酸を流動パラフィン溶液として添加し、次いで表1に示す量の水を添加した。撹拌を停止して室温で24時間静置した後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、水を添加して洗浄し、温浴にて20時間静置して流動パラフィンを蒸散させ、濃縮した。
【0029】
【表1】
【0030】
[実施例4] イソステアリン酸を作用させた酸化チタンを含有する皮膜形成性組成物
チタンエトキシドの1.5Mジメチルポリシロキサン溶液を調製し、その溶液1リットルを撹拌しながら、イソステアリン酸0.75モルをジメチルポリシロキサンに溶解して添加し、次いで水0.75モル及びジエチレングリコール7.5モルをそれぞれ添加した。撹拌を停止して室温で5日間静置した後、ステアリン酸9.0モルを添加して反応を停止し、水を加えて洗浄し、50℃にて減圧濃縮した。
【0031】
[実施例5] 8−キノリノールを作用させた酸化チタンを含有する皮膜形成性組成物
チタンエトキシドをイソパラフィンに溶解して0.2Mの溶液とした。この溶液1リットルを撹拌しながら、0.001モルの8−キノリノールをイソパラフィン溶液として添加し、次いで0.1モルの水を添加した。撹拌を停止して室温で24時間静置した後、ステアリン酸1.4モルを添加して反応を停止し、水を添加して洗浄し、温浴にて20時間静置して、イソパラフィンを蒸散させて除去した。
【0032】
本発明の実施例1〜実施例5により形成される皮膜について、積分球による紫外部吸収スペクトルの測定とSPFアナライザーによるSPF値の測定を行った。以上の結果を表2にまとめて示した。なお、イソステアリン酸及び8−キノリノールの作用は、赤外吸収スペクトルにより確認した。
【0033】
【表2】
【0034】
表2より明らかなように、本発明の実施例1〜実施例5については、262〜272nmにおいて高い吸収極大が認められ、実施例5については、さらに長波長側に8−キノリノールに起因する吸収が認められた。またSPFアナライザーによる測定では、ほぼ18〜21の高いSPF値を示していた。
【0035】
続いて、本発明に係る皮膚用組成物の実施例の処方を示す。
【0036】
製法:(1)に(2),(3)を加えて均一とし、これに(5)〜(7)を(4)に溶解したアルコール部を加えて混合,均一化して油層とする。(10)に(8),(9)を溶解したものを水層とし、この水層部に油層部を室温下に加え、撹拌,混合する。
【0037】
製法:(1)〜(8)の油相成分を混合,加熱溶解し、70℃とする。一方、(9)〜(11)を(12)に添加して溶解し、70℃に加熱する。この水相に前記油相を添加してホモミキサーにて均一に乳化する。続いて冷却し、40℃にて(13)を(14)に溶解して添加,混合する。
【0038】
製法:(1)〜(7)の油相成分を混合し、加熱溶解した後70℃とする。一方、(8)〜(10)を(11)に加えて溶解して加熱し、70℃とする。この水相に前記油相を撹拌しながら添加し、ホモジナイザーにより乳化した後冷却し、40℃にて(12)を添加,混合する。
【0039】
製法:(1)〜(5)の油相成分を混合,加熱溶解し、(6)を分散した後70℃とする。一方、(7)〜(9)を混合,溶解して加熱し、70℃とする。この水相を前記油相に撹拌しながら添加し、ホモジナイザーにより乳化した後冷却し、40℃にて(10)を添加,混合する。
【0040】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱溶解し、75℃とする。一方、(7)〜(10)の水相成分を混合,溶解し、75℃に加熱したものに(11)〜(13)の顔料を添加して、ホモミキサーにて分散する。この水相成分に前記油相成分を添加し、ホモミキサーにて均一に乳化した後冷却し、40℃にて(14)を添加,混合する。
【0041】
製法:(1)〜(11)を混合し、85℃に加熱して溶解し、これに(12)〜(17)を十分混合し粉砕した後、撹拌しながら添加し、コロイドミルで磨砕分散する。(18)を加え、脱気後70℃で容器に流し込み、冷却する。
【0042】
製法:(12)〜(14)を(6)の一部に加え、ローラーで処理して顔料部とする。(15)を(6)の一部に溶解して染料部とする。(1)〜(5),(6)の残部及び(7)〜(11)を混合し、加熱溶解した後、前記顔料部及び染料部を加えてホモミキサーで均一に分散し、(16)を添加して型に流し込み、冷却固化する。
【0043】
製法:(5)の一部に(7)を加え、コロイドミルを通して分散,ゲル化する。一方、(1)〜(4),(8)を混合し、加熱溶解したものに、(9),(10)を加えた後冷却してロールミルで練り、再加熱して溶解し、前記ベントナイトゲルと(6)を(5)の残部に溶解して加え、撹拌しながら冷却する。
【0044】
製法:(1)〜(6)の油相成分を混合,加熱し、70℃とする。一方、(8)に(7)を加え、ホモミキサーで分散した後、70℃とする。油相に水相を添加した後、ホモミキサーで均一に乳化分散し、冷却後50℃で(9)を添加,混合する。
【0045】
製法:(1)〜(8)を混合し、均一に溶解する。
【0046】
上記の本発明の実施例6〜実施例15について、使用試験を行った。その際、各実施例において、本発明の実施例1〜実施例5に係る皮膜形成性組成物を次のように代替して比較例1〜比較例10を調製し、同時に試験を行った。すなわち比較例1〜比較例3及び比較例5では、実施例1〜実施例3及び実施例5の皮膜形成性組成物をヒドロキシエチルセルロースに代替し、水相に添加して調製した。比較例4では、実施例4をシリコーン処理酸化チタンに代替した。比較例6では、実施例1及び実施例5の皮膜形成性組成物をジメチルポリシロキサンに代替した。比較例7では、実施例2の皮膜形成性組成物をヒマシ油に代替した。比較例8では、実施例3の皮膜形成性組成物を配合せずにマイクロクリスタリンワックスを10.0重量%に増量し、軽質流動イソパラフィンにて全量を100.0重量%とした。比較例9では、実施例4の皮膜形成性組成物を配合せずにポリアクリル酸エステルエマルションを30.0重量%配合し、精製水を減量して全量を100.0重量%とした。比較例10では、実施例5の皮膜形成性組成物をニトロセルロースに代替し、ベンガラ0.5重量%及び酸化チタン1.0重量%を加え、トルエンにて全量を100.0重量%とした。使用試験は、20才代〜50才代の女性パネラー20名を1群として用い、各群に実施例及び比較例のそれぞれをブラインドにて2週間使用させて行った。使用試験終了後、化粧料の付き、密着感、透明感、仕上がり感及び化粧持ちについて官能評価させた。実施例6〜実施例12及び比較例1〜比較例7については、紫外線防御効果についても評価させた。これらの評価結果は以下に示す評価基準に従って点数化させて20名の平均値を算出し、表3にまとめて示した。
【0047】
[化粧料の付き]
良好 5点
やや良好 4点
普通 3点
やや悪い 2点
悪い 1点
【0048】
[化粧料の密着感]
ある 5点
ややある 4点
普通 3点
ややない 2点
ない 1点
【0049】
[透明感]
ある 5点
ややある 4点
どちらともいえない 3点
ややない 2点
ない 1点
【0050】
[仕上がり感]
自然である 5点
やや自然である 4点
どちらともいえない 3点
やや不自然である 2点
不自然である 1点
【0051】
[化粧持ち]
良好 5点
やや良好 4点
普通 3点
やや悪い 2点
悪い 1点
【0052】
[紫外線防御効果]
高い 5点
やや高い 4点
普通 3点
やや低い 2点
低い 1点
【0053】
【表3】
【0054】
表3より明らかなように、本発明の実施例使用群では、化粧料の付き及び密着感について、いずれにおいてもおおむね良好な評価を得ていた。また、いずれにおいてもほぼ良好な透明感が得られており、かなり高い紫外線防御効果が認められていた。特に実施例9使用群では、紫外線防御効果の相乗的な向上が認められた。また、いずれにおいても自然な仕上がり感が得られており、水系や水中油型乳化系の化粧料についても、ほぼ良好な化粧持ちが得られていた。
【0055】
これに対し比較例使用群では、全群で化粧料の付き及び密着感に対する評価が低下していた。また、比較例1及び比較例2使用群を除いて、透明感及び仕上がり感に対する評価が悪くなっていた。さらに、比較例4使用群以外は化粧持ちについての評価も悪くなっており、比較例1〜比較例3及び比較例5及び比較例7使用群では、有意な紫外線防御効果は見られなかった。
【0056】
すなわち、本発明の実施例6〜実施例15については、皮膚等への付き及び密着感が良好で、優れた透明感と自然な仕上がりが得られ、化粧持ちも良好であった。さらに、有機系紫外線吸収剤や微粒子酸化チタン等の無機紫外線遮断剤を含有していなくても、かなり高い紫外線防御効果を有しており、紫外線による皮膚への悪影響の防御に有効であることが示された。また紫外線吸収剤や微粒子酸化チタンと併用することにより、紫外線防御効果が相乗的に向上することが示された。
【0057】なお本発明の実施例6〜実施例15については、室温で6カ月間保存した場合に、状態の変化は全く認められなかった。また上記使用試験において、皮膚刺激性反応や皮膚感作性反応の見られたパネラーは存在しなかった。
【0058】
次に、本発明に係る塗料組成物についての実施例を示す。
【0059】
製法:(1),(2)を(3),(4)に混合し、均一に溶解する。
【0060】
上記実施例について、JIS規格K5400「塗料一般試験方法」に従い耐光性を評価した。すなわち、150×70×0.8mmの銅板の片面に実施例16に係る塗料を塗装し、乾燥して試験片とした。この試験片に対し、紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機にて100時間照射を行った後、光電色彩計にて測色した。その結果、100時間の紫外線照射を行っても退色は全く観察されなかった。
【0061】
続いて、本発明に係る樹脂組成物及び容器の実施例を示す。
【0062】
製法:(1),(2)を混合し、二軸押出機(ZSK−25,WERNER & PFLEIDERER社製)を用いて溶融混練する。
【0063】
[実施例18] 耐光性樹脂フィルム
ポリプロピレンを延展してフィルム状に成形した後、イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有皮膜形成性組成物(実施例3)25重量%を酢酸ブチル溶液としてスプレーして被覆処理した。
【0064】
[実施例19] 耐光性容器
上記実施例17に係る耐光性樹脂組成物を用い、ブロー成形により容器を得た。
【0065】
[実施例20] 耐光性容器
ポリ塩化ビニル樹脂製の容器表面に、イソステアリン酸を作用させた酸化チタン含有皮膜形成性組成物(実施例4)30重量%をイソパラフィン溶液としてスプレーし、被覆処理を行って得た。
【0066】
上記実施例19及び実施例20の容器について、JIS B7551に規定される紫外線カーボンアーク灯式耐光試験機にて100時間照射を行った後、各容器の引っ張り強度,曲げ強度及び耐薬品性を測定し、紫外線照射前の値と比較した。各実施例において、前記測定値の有意な低下は認められなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、耐水性及び紫外線吸収性に優れ、親油性を有する透明な皮膜形成性組成物を得ることができ、これらを応用して、密着性,耐水性及び紫外線吸収性に優れる皮膚用組成物、並びに耐光性を有する塗料,樹脂組成物及び容器を得ることができた。
Claims (5)
- チタンアルコキシドの油性溶液又は分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体を濃縮し、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組成物であって、前記油性溶液又は分散液に用いられる油性溶媒がエーテル類、液状植物油類、液状動物油類、炭化水素油類、液状高級アルコール類、液状エステル油類及びシリコーン油からなる群より選択される1種又は2種以上を含む油性溶媒であり、前記有機化合物がカルボン酸類又はキレート作用を有する化合物であることを特徴とする皮膜形成性組成物を含有して成る、塗料組成物。
- チタンアルコキシドの油性溶液又は分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体を濃縮し、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組成物であって、前記油性溶液又は分散液に用いられる油性溶媒がエーテル類、液状植物油類、液状動物油類、炭化水素油類、液状高級アルコール類、液状エステル油類及びシリコーン油からなる群より選択される1種又は2種以上を含む油性溶媒であり、前記有機化合物がカルボン酸類又はキレート作用を有する化合物であることを特徴とする皮膜形成性組成物を混合して成る、樹脂組成物。
- チタンアルコキシドの油性溶液又は分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体を濃縮し、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組成物であって、前記油性溶液又は分散液に用いられる油性溶媒がエーテル類、液状植物油類、液状動物油類、炭化水素油類、液状高級アルコール類、液状エステル油類及びシリコーン油からなる群より選択される1種又は2種以上を含む油性溶媒であり、前記有機化合物がカルボン酸類又はキレート作用を有する化合物であることを特徴とする皮膜形成性組成物により表面を被覆して成る、成形体。
- 請求項2に記載の樹脂組成物より成形されることを特徴とする、容器。
- チタンアルコキシドの油性溶液又は分散液に、分子内に孤立電子対を有する原子及び/又は極性基を有する有機化合物の1種又は2種以上と、水を添加して加水分解して得られる透明な酸化チタンの油性分散体を濃縮し、或いは前記油性分散体より分散媒を除去して成る皮膜形成性組成物であって、前記油性溶液又は分散液に用いられる油性溶媒がエーテル類、液状植物油類、液状動物油類、炭化水素油類、液状高級アルコール類、液状エステル油類及びシリコーン油からなる群より選択される1種又は2種以上を含む油性溶媒であり、前記有機化合物がカルボン酸類又はキレート作用を有する化合物であることを特徴とする皮膜形成性組成物により、表面を被覆して成る容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02002699A JP3583636B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02002699A JP3583636B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000212469A JP2000212469A (ja) | 2000-08-02 |
JP3583636B2 true JP3583636B2 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=12015579
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02002699A Expired - Fee Related JP3583636B2 (ja) | 1999-01-28 | 1999-01-28 | 酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3583636B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5301075B2 (ja) * | 2005-09-12 | 2013-09-25 | 株式会社ナリス化粧品 | 複合ワックス及びこれを含む油性化粧料 |
US7879395B2 (en) * | 2006-10-17 | 2011-02-01 | Qimonda Ag | Method of preparing a coating solution and a corresponding use of the coating solution for coating a substrate |
-
1999
- 1999-01-28 JP JP02002699A patent/JP3583636B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000212469A (ja) | 2000-08-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1580166B1 (en) | Titanium oxide particles having useful properties | |
EP0880561B1 (en) | Uv absorbing compositions | |
AU623662B2 (en) | Photochromic color rendering regulating composition or cosmetic | |
JPH11193354A (ja) | シリカ被覆酸化亜鉛粒子、その製法及びその粒子を含有する 組成物 | |
KR20050111621A (ko) | 다공질 산화티탄 분체 및 그 제조방법 | |
EP1673061A1 (en) | Soft-focus cosmetic composition comprising fumed alumina | |
JP4890251B2 (ja) | 金属酸化物の分散方法 | |
EP2067747A1 (en) | Porous titanium oxide and method for producing the same | |
JPH09286928A (ja) | 紫外線吸収剤複合化粉体及びその製造方法 | |
JP3742245B2 (ja) | 耐紫外線組成物及び容器 | |
JP3583636B2 (ja) | 酸化チタンを含有する透明な皮膜形成性組成物及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 | |
JPH01143821A (ja) | 化粧料 | |
JP3516894B2 (ja) | フォトクロミック性を有する酸化チタンの油性分散体及び親油性酸化チタン粉体とその製造方法、並びにこれらより得られる皮膜形成性もしくは皮膜組成物、及びこれらを含有する組成物 | |
JP3530052B2 (ja) | 酸化チタンを含有する透明な油性皮膜により表面が被覆されて成る表面処理粉体及びその製造方法、並びにこれを含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 | |
JP6682950B2 (ja) | 表面処理酸化亜鉛粒子、分散液、化粧料および酸化亜鉛粒子 | |
JPS5843912A (ja) | 皮膚化粧料 | |
WO2020067406A1 (ja) | 表面処理金属酸化物粒子、分散液、組成物、化粧料および表面処理金属酸化物粒子の製造方法 | |
JP2020055737A (ja) | 表面処理金属酸化物粒子、分散液、組成物、化粧料および表面処理金属酸化物粒子の製造方法 | |
JP6922529B2 (ja) | 表面処理酸化亜鉛粒子の製造方法 | |
JP2004168913A (ja) | 紫外線吸収性複合粉体 | |
JP3530086B2 (ja) | 酸化チタンを含有する皮膜組成物とその製造方法、及びこれにより表面処理した粉体及び樹脂組成物、並びに前記粉体もしくは樹脂組成物を含有する皮膚用組成物,塗料組成物,樹脂組成物,及び容器 | |
JP2001200179A (ja) | 表面被覆処理粉体及びその製造方法、並びにそれを含有する皮膚外用剤 | |
JPS60149515A (ja) | 日焼け止め化粧料 | |
JPS61257910A (ja) | 化粧料 | |
US4857305A (en) | N-phenylphthalisoimides as ultraviolet radiation absorbers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A132 Effective date: 20040323 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040513 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040720 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070806 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110806 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110806 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |