JP2000212185A - パラボロノフェニルアラニン誘導体の製造方法 - Google Patents

パラボロノフェニルアラニン誘導体の製造方法

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JP2000212185A
JP2000212185A JP11007974A JP797499A JP2000212185A JP 2000212185 A JP2000212185 A JP 2000212185A JP 11007974 A JP11007974 A JP 11007974A JP 797499 A JP797499 A JP 797499A JP 2000212185 A JP2000212185 A JP 2000212185A
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Yoshinori Yamamoto
嘉則 山本
Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
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Ajinomoto Co Inc
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】パラボロノフェニルアラニン誘導体の製造にお
いて、ホウ素原子を効率的に導入する製法の提供。 【解決手段】保護された芳香族アミノ酸誘導体から、パ
ラジウム触媒とアミンの存在下、ピナコールボランと反
応させる一般式3の化合物の製造方法。 [Rはアミノ基の保護基、Rは水素又はアミノ基の
保護基を、RはC1〜7のアルキル基又はC7〜8の
アラルキル基、Xはヨウ素、臭素、塩素又はトリフルオ
ロメタンスルホニルオキシ基あるいはRとRは一体
となってメチル基又はカルボニル基を示す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中性子捕捉療法に
用いられているパラボロノフェニルアラニンの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、中性子捕捉療法によるガン治療が
注目されている。中性子捕捉療法はホウ素10同位体を
選択的にガン細胞へ取り込ませ、熱速度の中性子を照射
して起こる核反応でガンを致死させるものである。
【0003】この様な目的で臨床にて使用される有機ホ
ウ素化合物としてパラボロノフェニルアラニンがある
が、ホウ素10同位体が高価であるにも関わらず、基質
へホウ素を効率よく導入する方法がなく、その開発が望
まれている。
【0004】近年、本発明者らは芳香族アミノ酸誘導体
へ、ジボラン化合物を用いてホウ素を導入し、パラボロ
ノフェニルアラニンを合成する有用な方法を発見してい
る(山本嘉則ら、J. Org. Chem. (1998) 63 7529-753
0)。しかし、原料となるジボラン化合物が高価である
うえ、このジボラン化合物をホウ素10同位体で合成す
ると更に高価なものとなる。更に、ジボラン化合物では
使用されるホウ素の半分が無駄になるため、より効率的
な導入方法が求められていた。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、中性子捕
捉療法で有用なパラボロノフェニルアラニンの誘導体を
合成するにあたり、高価なホウ素10同位体を効率的に
基質へ導入する、工業的に有用な方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意検討を行った結果、特定の芳香族ア
ミノ酸誘導体をパラジウム触媒とトリアルキルアミンの
存在下、ピナコールボランと反応させると、効率的にホ
ウ素を基質へ導入することが出来ることを見出し、本発
明を完成させた。ピナコールボランはボランから容易に
合成することができる。また反応では1原子のホウ素の
みが反応に関与するため、高価なホウ素10同位体を効
率的に使用できる。
【0007】すなわち本発明には、次の発明が含まれ
る。
【0008】(i)下記一般式(1)
【化4】 [式中、R1はアミノ基の保護基を示し、R2は水素原子
又はアミノ基の保護基を示し、R3は炭素数1〜7のア
ルキル基又は炭素数7〜8のアラルキル基を示し、Xは
ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子又はトリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基を示す。あるいはR2とR3は一体
となってメチル基又はカルボニル基を示す。]で表され
る芳香族アミノ酸誘導体を、パラジウム触媒及びトリア
ルキルアミンの存在下、下記一般式(2)
【化5】 で表されるピナコールボランと反応させることを特徴と
する、下記一般式(3)
【化6】 [式中、R1、R2、R3は前記と同じ意味を示す。]で
表されるパラボロノフェニルアラニン誘導体の製造方
法。
【0009】(ii)R2が水素原子又はベンジル基であ
り、R3がベンジル基である請求項1記載の製造方法。
【0010】(iii)R2とR3が一体となったメチル基
である請求項1記載の製造方法。
【0011】(iV)前記の製造方法により製造された一
般式(3)で表されるパラボロノフェニルアラニン誘導
体を用い、ピコナール残基の加水分解、並びにアミノ基
及びカルボキシル基の脱保護を行うことにより製造され
る、パラボロノフェニルアラニン。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の原料として用いる上記一
般式(1)の芳香族アミノ酸誘導体に於いて、R1はア
ミノ基の保護基を示す。このようなアミノ基の保護基は
当業者であれば適宜選択することができるが、具体例と
しては、ベンジルオキシカルボニル基、第3ブチルオキ
シカルボニル基などのウレタン型保護基、ホルミル基、
フタロイル基、アシル基、ベンゾイル基などのアシル型
保護基等を挙げることができる。これらの保護基は置換
基(ハロゲン原子等)を有することもある。
【0013】上記一般式(1)に於いて、R2は水素原
子又はアミノ基の保護基を示す。アミノ基の保護基につ
いては、前記と同様である。R2がアミノ基の保護基を
示す場合、R1と同一であっても異なっていてもよい。
【0014】上記一般式(1)に於いて、R3は炭素数
1〜7のアルキル基又は炭素数7〜8のアラルキル基を
示す。これらは当業者であれば適宜選択することができ
るが、具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基などのアルキル基、ベンジル基などのアラルキル
基等があげられる。これらの保護基は置換基(ハロゲン
原子やニトロ基等)を有することもある。
【0015】上記一般式(1)において、R2とR3は一
体となってメチル基又はカルボキシル基であってもよ
い。具体的には、下記一般式(4)又は(5)で表され
る化合物が挙げられる。
【0016】
【化7】
【0017】上記一般式(1)において、Xはヨウ素原
子、臭素原子、塩素原子又はトリフルオロメタンスルホ
ニルオキシ基を示す。
【0018】一般式(1)のうち、R2が水素原子又は
ベンジル基であり、R3がベンジル基であるもの、或い
はR2とR3が一体となってメチル基であるものが好まし
い。
【0019】また、一般式(1)のうち、Xがヨウ素原
子であるものが好ましい。
【0020】本発明の原料として用いる上記一般式
(1)は、天然アミノ酸であるフェニルアラニン又はチ
ロシンから容易に合成することができる。保護基である
1とR2とR3及び脱離基であるXは任意の順番で導入
することが出来る。また、1工程で2以上の置換基が導
入される場合もあり得る。Xがヨウ素原子、臭素原子又
は塩素原子である場合、フェニルアラニンにヨウ素、臭
素又は塩素を反応させて得られる公知化合物のパラヨー
ドフェニルアラニン、パラブロモフェニルアラニン又は
パラクロロフェニルアラニンのアミノ基とカルボキシル
基を、アミノ酸保護やペプチド合成で一般に用いられる
方法(例えば、泉屋信夫ら、"ペプチド合成の基礎と実
際"、丸善株式会社、1985年、に記載の方法)で保
護することで任意の化合物を合成することができる。X
がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である場合、
チロシンのアミノ基とカルボキシル基をアミノ酸保護や
ペプチド合成で一般に用いられる方法で保護した後、ト
リフルオロメタンスルホニルクロライドやトリフルオロ
メタンスルホン酸無水物と反応させることで任意の化合
物を合成することができる。
【0021】本発明のもう一方の原料として用いる上記
一般式(2)は、ボランから公知の方法(例えば、C.
E. Tucker, et. al., J. Org. Chem. (1992) 57 3482-3
485に記載の方法)で合成することが出来る。この基質
の反応性は、ホウ素が天然に存在するホウ素であって
も、ホウ素10同位体であっても変わることはない。
【0022】本発明ではパラジウム触媒として、2価ま
たは0価のパラジウム触媒が使用される。パラジウム触
媒の例として、例えばジクロロビス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(II)、ジクロロ[1,1’−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム
(II)、パラジウム(II)アセテート、ビス(ジベ
ンジリデンアセトン)パラジウム(0)、トリス(ジベ
ンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、テトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げ
られる。これらのパラジウム触媒は溶媒等の付加物を持
つ場合もある。反応において使用されるパラジウム触媒
は、基質に対して当量以下であり、望ましくは触媒量
(0.05〜50モル%)の範囲である。
【0023】本発明では反応においてトリアルキルアミ
ンを使用する。トリアルキルアミンとしては、例えばト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミン等があげられる。反応
において使用されるトリアルキルアミンは、基質に対し
て当量以上であり、望ましくは1当量から5当量の範囲
である。
【0024】本発明における反応は適当な溶媒中で行う
ことが出来るが、望ましくは非プロトン性有機溶媒中で
行うのがよい。非プロトン性有機溶媒としては、例えば
ヘキサン等の炭化水素、四塩化炭素や塩化メチレン等の
ハロゲン化炭化水素、ジオキサンやジエチルエーテル等
のエーテル、アセトン、ジメチルスルホキシド、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸
トリアミドなどが挙げられる。反応は室温から溶媒還流
温度で行うことが出来る。また反応は、望ましくはアル
ゴンや窒素等の不活性気体環境下で行うのがよい。反応
混合物は反応終了後、水を加えることで反応を停止し、
任意の有機溶媒を用いて通常の抽出操作で目的物を単離
する事ができる。目的物は場合によってはシリカゲルを
用いたカラムクロマトグラフィーによって単離精製する
こともできる。
【0025】以上の操作によって得られた上記一般式
(3)で示される化合物は、過ヨウ素酸ナトリウム等で
アリルホウ酸のピナコールエステルをアリルホウ酸へ加
水分解し、任意の方法でアミノ基とカルボキシル基の脱
保護を行うことで、容易に中性子捕捉療法に有用なパラ
ボロノフェニルアラニンに導くことが出来る。これら加
水分解工程と脱保護工程の順番は特に限定されない。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。これら実施例は本発明を限定するものではない。
【0027】
【化8】
【0028】<参考例1>パラヨードフェニルアラニン
3.065グラム(10.53ミリモル)、炭酸ナトリ
ウム5.022グラム(47.38ミリモル)、水10
0ミリリットルを50℃にて攪拌し、溶液が均一になっ
たら臭化ベンジル4.0ミリリットル(33.70ミリ
モル)を入れ、130℃で一昼夜還流させた。これを室
温に冷却し、酢酸エチルにて抽出し、飽和食塩水で有機
層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過
後、有機層を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル
=20/1)にて精製し、目的物である上記化合物
(7)を3.342グラム(収率57%)得た。
【0029】<実施例1>フラスコ1に上記化合物
(7)7.150グラム(12.70ミリモル)、ジク
ロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロ
セン]パラジウム(II)279ミリグラム(0.38
ミリモル)を入れ、アルゴン置換し、1,4−ジオキサ
ンを40ミリリットル入れ、10分間攪拌し、トリエチ
ルアミン5.3ミリリットル(38.20ミリモル)を
更に入れ攪拌を続けた。別のフラスコ2にピナコールボ
ラン2.440グラム(19.1ミリモル)を入れ、注
意深くアルゴン置換した後、1,4−ジオキサンを40
ミリリットル入れて攪拌した。このフラスコ2内の溶液
をフラスコ1へゆっくりと加えていった。50℃に昇温
し、36時間攪拌を続けた。室温に冷却し、水を少し加
えて反応を停止した。有機層を酢酸エチルに抽出し、飽
和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで有機層を
乾燥した。濾過し、有機層を減圧濃縮して得られた粗生
成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサ
ン/酢酸エチル=7/1)にて精製し、目的物である上
記化合物(8)を5.998グラム(収率84%)得
た。
【0030】<実施例2(工程1)>上記化合物(8)
1.106グラム(1.97ミリモル)を50ミリリッ
トルのアセトンで溶液にし、過ヨウ素酸ナトリウム1.
264グラム(5.91ミリモル)、酢酸アンモニウム
319ミリグラム(4.14ミリモル)、水50ミリリ
ットルを加え、48時間激しく攪拌した。アセトンを減
圧濃縮した後、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過し、減圧濃
縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル、クロロホルム/酢酸エチル/メタノール
=90/6/4)にて精製し、目的物である上記化合物
(9)を768ミリグラム(収率81%)得た。
【0031】<実施例2(工程2)>上記化合物(9)
104.0ミリグラム(0.217ミリモル)を2ミリ
リットルのエタノールに溶解し、0.1ミリリットルの
6規定塩酸水溶液を加えた。この溶液の入った反応フラ
スコ内の空気を窒素で3回置換し、60ミリグラムの2
0%水酸化パラジウム炭素(水分1.5%)を加えた。
次にこの反応フラスコ内の窒素を水素で3回置換し、水
素風船をつけて常圧下、40℃で22時間攪拌した。こ
の反応混合物から触媒を濾過し、濾液を濃縮したとこ
ろ、52.4ミリグラムのオイル状物質を得た。NMR
で分析したところ、目的物である上記化合物(10)の
生成を確認した。またHPLCで分析したところ、目的
物である上記化合物(10)が49.4%の収率で得ら
れた。
【0032】
【化9】
【0033】<参考例2>パラヨードフェニルアラニン
8.033グラム(27.60ミリモル)を2規定水酸
化ナトリウム水溶液13.8ミリリットル(27.60
ミリモル)に溶解し、0℃で溶液が均一になるまで攪拌
した。ベンジルオキシカルボニルクロライド5.1ミリ
リットル(35.72ミリモル)、2規定水酸化ナトリ
ウム水溶液17.9ミリリットル(35.80ミリモ
ル)を計4回に分けて0℃に保ったまま交互に加えた。
30分間0℃で攪拌した後、室温に昇温し、更に1時間
攪拌した。反応溶液をエーテルで洗浄し、氷冷下1規定
塩酸水溶液でpH=3まで酸性にした。酢酸エチルで抽
出し、pH=4になるまで水で洗浄し、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥した。濾過後、有機層を減圧濃縮して得ら
れた粗生成物をヘキサンと酢酸エチルから再結晶して目
的物である上記化合物(11)を9.046グラム(収
率77%)で得た。
【0034】<参考例3>上記化合物(11)6.62
8グラム(15.59ミリモル)をトルエン300ミリ
リットルに懸濁し、パラホルムアルデヒド3.12グラ
ム、パラトルエンスルホン酸1水和物326ミリグラム
(1.71ミリモル)を加え、共沸させた。3時間後、
室温に冷却し、反応溶液を1規定炭酸水素ナトリウム水
溶液100ミリリットルで洗浄し、続いて飽和食塩水で
洗浄し、無水硫酸ナトリウム水溶液で乾燥した。濾過
し、有機層を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムク
ロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン/酢酸エチル
=3/1)にて精製し、目的物である上記化合物(1
2)を6.583グラム(収率97%)得た。
【0035】<実施例3>フラスコ1に上記化合物(1
2)3.40グラム(7.78ミリモル)、ジクロロ
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ン]パラジウム(II)171ミリグラム(0.23ミ
リモル)を入れ、アルゴン置換し、1,4−ジオキサン
を20ミリリットル入れ、10分間攪拌し、トリエチル
アミン3.25ミリリットル(23.33ミリモル)を
更に入れ攪拌を続けた。別のフラスコ2にピナコールボ
ラン1.49グラム(11.66ミリモル)を入れ、注
意深くアルゴン置換した後、1,4−ジオキサンを10
ミリリットル入れて攪拌した。このフラスコ2内の溶液
をフラスコ1へゆっくりと加えていった。80℃に昇温
し、27時間攪拌を続けた。室温に冷却し、水を少し加
えて反応を停止した。有機層を酢酸エチルに抽出し、飽
和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで有機層を
乾燥した。濾過し、有機層を減圧濃縮して得られた粗生
成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサ
ン/酢酸エチル=4/1)にて精製し、目的物である上
記化合物(13)を2.458グラム(収率72%)得
た。
【0036】<実施例4(工程1)>上記化合物(1
3)1.725グラム(3.94ミリモル)を50ミリ
リットルのアセトンで溶液にし、過ヨウ素酸ナトリウム
2.53グラム(11.83ミリモル)、酢酸アンモニ
ウム670ミリグラム(8.68ミリモル)、水40ミ
リリットルを加え、48時間激しく攪拌した。アセトン
を減圧濃縮した後、水層を2規定水酸化ナトリウム水溶
液100ミリリットルで希釈し、室温で1時間攪拌し
た。水層を塩化メチレンで洗い、氷冷下濃塩酸でpH=
3まで酸性にした。この際生成したあめ状の固体を濾過
し、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、クロロホ
ルム/エタノール/酢酸=90/10/1)にて精製
し、目的物である上記化合物(14)を1.30グラム
(収率96%)得た。
【0037】<実施例4(工程2)>上記化合物(1
4)105.5ミリグラム(0.307ミリモル)を2
ミリリットルのエタノールに溶解し、0.1ミリリット
ルの6規定塩酸水溶液を加えた。この溶液の入った反応
フラスコ内の空気を窒素で3回置換し、60ミリグラム
の20%水酸化パラジウム炭素(水分1.5%)を加え
た。次にこの反応フラスコ内の窒素を水素で3回置換
し、水素風船をつけて常圧下、40℃で22時間攪拌し
た。この反応混合物から触媒を濾過し、濾液を濃縮した
ところ、76.4ミリグラムのオイル状物質を得た。N
MRで分析したところ、目的物である上記化合物(1
0)の生成を確認した。またHPLCで分析したとこ
ろ、目的物である上記化合物(10)が68.3%の収
率で得られた。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、保護された芳香族アミ
ノ酸誘導体にホウ素原子を効率的に導入することがで
き、中性子捕捉療法で有用なパラボロノフェニルアラニ
ンの誘導体を工業的に有用な方法製法が提供される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 [式中、R1はアミノ基の保護基を示し、R2は水素原子
    又はアミノ基の保護基を示し、R3は炭素数1〜7のア
    ルキル基又は炭素数7〜8のアラルキル基を示し、Xは
    ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子又はトリフルオロメタ
    ンスルホニルオキシ基を示す。あるいはR2とR3は一体
    となってメチル基又はカルボニル基を示す。]で表され
    る芳香族アミノ酸誘導体を、パラジウム触媒及びトリア
    ルキルアミンの存在下、下記一般式(2) 【化2】 で表されるピナコールボランと反応させることを特徴と
    する、下記一般式(3) 【化3】 [式中、R1、R2、R3は前記と同じ意味を示す。]で
    表されるパラボロノフェニルアラニン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 R2が水素原子又はベンジル基であり、
    3がベンジル基である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 R2とR3が一体となったメチル基である
    請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製造方法により製造され
    た一般式(3)で表されるパラボロノフェニルアラニン
    誘導体を用い、ピコナール残基の加水分解、並びにアミ
    ノ基及びカルボキシル基の脱保護を行うことにより製造
    される、パラボロノフェニルアラニン。
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