JP2000212088A - 難溶性抗ウイルス剤の水溶液 - Google Patents

難溶性抗ウイルス剤の水溶液

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Junya Teramae
順也 寺前
Junji Hasatani
順二 波佐谷
Yoko Ogawa
洋子 小川
Hirotaka Yamaguchi
裕隆 山口
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KOBAYASHI KAKO KK
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来技術の難点を解消し、特に中性付近の水
溶液の状態で、長期に亘って結晶析出の起ることがな
い、点眼剤、点鼻薬等の外用液剤又は内用液剤としても
用いることができる、安定な難溶性抗ウイルス剤の水溶
液を提供する。 【解決手段】 本発明の難溶性抗ウイルス剤水溶液の構
成は、9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]グア
ニン又はその塩類の水溶液であって、ニコチン酸アミ
ド、L−アルギニン及び塩化マグネシウムよりなる群よ
り選ばれた1種類或いは2種類以上の溶解補助剤を含有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安定性に優れた難
溶性抗ウイルス剤の水溶液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチ
ル]グアニン(以下、アシクロビルという)は、プリン
骨格を有する抗ウイルス剤であり、ヘルペス群ウイルス
に強い抗ウイルス作用を有し、単純ヘルペスウイルス及
び水痘・帯状疱疹ウイルスに起因する感染症の治療剤と
して有効な薬物である。
【0003】しかしながら、アシクロビルは、強酸及び
強アルカリには可溶であるが、水には溶けにくく、更に
短期間に結晶が析出してくるため長期保存も困難であ
り、このため、溶液としない眼軟膏剤は開発されている
ものの、特に中性付近におけるアシクロビルの安定な水
溶液の提供は困難とされていた。
【0004】このような難点への対策として、薬効に影
響を及ぼさない範囲でアシクロビルの構造の一部を変え
た可溶性誘導体、例えばモノホスフェート体として液剤
(眼科用溶液、注射溶液)とする方法(特開昭53−1
08999号公報参照)や、最近では、溶解補助剤とし
てポリビニルピロリドンを用いた水溶液製剤(特開平8
−268892号公報参照)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、アシク
ロビルの構造の一部を変えた可溶性誘導体として液剤と
する方法には、装置や設備等で多大の費用を必要とする
という難点があり、実用的ではない。
【0006】又、溶解補助剤としてポリビニルピロリド
ンを用いた水溶液製剤には、本発明の発明者等の追試に
よれば、冷蔵庫内で保存しても約2週間でアシクロビル
の結晶が析出し、従って、冬季等の低温での保存には耐
えることができず、ポリビニルピロリドンの濃度を濃く
すれば、結晶の析出が遅延されるものの、この場合は粘
性が強くなって使用に支障が生じるという問題のあるこ
とが判明している。
【0007】このような事情から、例えばヘルペス群ウ
イルス感染症に対して点眼剤、点鼻薬等として容易に使
用でき、且つ、低温で長期間に亘って安定に保存をする
ことができる、アシクロビルの中性付近における水溶液
の開発が望まれている。
【0008】本発明は、上記のような従来技術の難点を
解消し、特に中性付近の水溶液の状態で、長期に亘って
結晶析出の起ることがない、点眼剤、点鼻薬等の外用液
剤又は内用液剤としても用いることができる、安定な難
溶性抗ウイルス剤の水溶液を提供することを目的として
なされた。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用した難溶性抗ウイルス剤水溶液の構成
は、9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]グアニ
ン又はその塩類の水溶液であって、ニコチン酸アミド、
L−アルギニン及び塩化マグネシウムよりなる群より選
ばれた1種類或いは2種類以上の溶解補助剤を含有する
ことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の態様】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明の難溶性抗ウイルス剤の水溶液にお
ける主成分は、上記の9−[(2−ヒドロキシエトキ
シ)メチル]グアニン、即ちアシクロビル、又は、その
塩類であり、この塩類としては、例えば、塩酸、リン酸
等の鉱酸の塩、マレイン酸、メタンスルホン酸等の有機
酸の塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属或いは
アルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。
【0012】このアシクロビルについては、すでに説明
した通り、強酸及び強アルカリには可溶であるが、水に
は溶けにくく、更に短期間に結晶が析出してくるため長
期保存も困難であることが知られており、水に対する溶
解度は、4℃において0.03g/100ml、25℃
において0.12g/100mlである。
【0013】一方、難溶性の薬物を可溶化するためには
種々の手段が用いられるが、化学構造を変えることな
く、他成分を添加することにより可溶化する目的で使用
する添加物を溶解補助剤といい、本発明の難溶性抗ウイ
ルス剤の水溶液も、この溶解補助剤によりアシクロビル
を可溶化するものである。
【0014】本発明の発明者等は、溶解補助剤としての
使用が知られている化合物を含めた各種添加物を用い
て、長期に亘って結晶析出が起こらない安定なアシクロ
ビルの水溶液を開発するために鋭意研究を重ねたが、い
ずれの添加物を使用した水溶液も、4℃の保存条件にお
いて短期間に結晶が析出し、安定な水溶液を製すること
ができなかった。
【0015】しかしながら、研究を続行したところ、以
外にもニコチン酸アミド、L−アルギニン又は塩化マグ
ネシウムを添加することにより、長期に亘って結晶析出
が起こらない安定なアシクロビルの水溶液を得ることが
でき、更に研究を続けた結果、本発明を完成させたもの
である。
【0016】即ち、本発明で使用する溶解補助剤の第1
は、ニコチン酸アミドであり、この添加量としては、例
えば2%w/v以上という範囲を挙げることができる。
【0017】又、本発明で使用する溶解補助剤の第2
は、L−アルギニンであり、この添加量としては、例え
ば5%w/v以上という範囲を挙げることができる。
【0018】更に、本発明で使用する溶解補助剤の第3
は、塩化マグネシウムであり、この添加量としては、例
えば5%w/v以上という範囲を挙げることができる。
【0019】更に又、本発明で使用する溶解補助剤とし
ては、上記ニコチン酸アミド、L−アルギニン及び塩化
マグネシウムから適宜に選ばれた2種類を使用しても、
ニコチン酸アミド、L−アルギニン及び塩化マグネシウ
ムの3種類を使用してもよく、2種類以上の溶解補助剤
を併用した場合は、単独で添加するよりもそれぞれの溶
解補助剤の使用量が少量ですみ、且つ、長期間に亘って
安定な水溶液が得られる傾向にある。
【0020】尚、いずれの溶解補助剤或いはその組み合
わせについても、あまりに多量に添加すると抗ウイルス
剤としての薬理作用に悪影響を与えてしまうことも予想
されるので、その添加量の上限としては、薬理的に許容
される量、或いは、所望の濃度までアシクロビルが溶解
する量となる。
【0021】本発明の難溶性抗ウイルス剤の水溶液を製
造するには、上記アシクロビル及び1乃至3種類の溶解
補助剤を使用し、一般的な液剤の製造方法に従えばよ
く、このようにして得られる本発明の難溶性抗ウイルス
剤の水溶液においては、アシクロビルを例えば0.2%
W/Vまで溶解させることができるが、低温(4℃)で
の長期間に亘る安定性を保つには、アシクロビルの濃度
を0.1%w/vとすることがが好ましい
【0022】尚、本発明の難溶性抗ウイルス剤の水溶液
に対し、エデト酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、
炭酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ヨウ化カリウ
ム、ソルビン酸カリウム、リン酸ピリドキサール、塩酸
ピリドキシン等の第三物質を添加することによって、上
記1乃至3種類の溶解補助剤の効果に加え、更に安定性
を向上することができる。
【0023】又、本発明の難溶性抗ウイルス剤の水溶液
には、その製剤上の必要性に応じ、上記エデト酸ナトリ
ウム等以外の安定化剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤等を
添加することもできる。
【0024】
【作用】本発明の難溶性抗ウイルス剤の水溶液におい
て、アシクロビルの結晶化がどのようにして防止される
のかは必ずしも明確ではないが、水溶液中での難溶性物
質(アシクロビル)と溶解補助剤との分子間に起こるあ
る特殊な相互作用が、これら異種分子間の親和性を増加
させてある種の結合を導き、ここに生成した複合体(Co
mplex)が可溶性であるために溶解度が増加し、同時に
これが安定化に寄与し、そのために本発明の難溶性抗ウ
イルス剤の水溶液は、結晶が析出しやすい低温において
も安定性に優れているものと推測される
【0025】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】安定性試験としては、冷蔵庫内或いは冬期
の保存を想定した4℃、及び、日常温度における保存を
想定した25℃において、1年間の試験を行った。又、
夏期の保存を想定した40℃,6ヶ月間の保存試験も行
い、医薬品として要求される安定性を確認した。
【0027】 実施例1 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) ニコチン酸アミド 2000(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) 水酸化ナトリウム 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0028】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、ニコチン酸アミド2gを加えて溶解し、更に、エデ
ト酸ナトリウム100mg及び亜硫酸水素ナトリウム1
00mgを加えて溶解した。この液に、水酸化ナトリウ
ム水溶液を少量ずつ加えて、pHを8.0に調節し、精
製水を加えて100mLとした。
【0029】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、4
℃では7ヶ月を経過した時点で結晶析出が認められた
が、4℃及び40℃で6ヶ月間、及び、25℃で1年間
保存しても、いずれも性状の変化、分解物、含有量の低
下は認められず、後述する比較用水溶液と比して著しく
優れたものであった。
【0032】 実施例2 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) L−アルギニン 5000(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) 塩酸 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0033】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、L−アルギニン5gを加えて溶解し、更に、エデト
酸ナトリウム100mg及び亜硫酸水素ナトリウム10
0mgを加えて溶解した。この液に、塩酸水溶液を少量
ずつ加えて、pHを8.0に調節し、精製水を加えて1
00mLとした。
【0034】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表2に示した。
【0035】
【表2】
【0036】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、4
℃では7ヶ月を経過した時点で結晶析出が認められた
が、4℃及び40℃で6ヶ月間、及び、25℃で1年間
保存しても、いずれも性状の変化、分解物、含量低下は
認められず、後述する比較用水溶液と比して著しく優れ
たものであった。
【0037】 実施例3 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) 塩化マグネシウム 10000(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) 水酸化ナトリウム 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0038】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、塩化マグネシウム10gを加えて溶解し、更に、エ
デト酸ナトリウム100mg及び亜硫酸水素ナトリウム
100mgを加えて溶解した。この液に、水酸化ナトリ
ウム水溶液を少量ずつ加えて、pHを8.0に調節し、
精製水を加えて100mLとした。
【0039】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表3に示した。
【0040】
【表3】
【0041】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、4
0℃で6ヶ月間、4℃及び25℃で1年間保存しても、
いずれも性状の変化、分解物、含量低下は認められず、
後述する比較用水溶液と比して著しく優れたものであっ
た。
【0042】 実施例4 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) ニコチン酸アミド 1000(mg) 塩化マグネシウム 2000(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) ホウ砂 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0043】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、ニコチン酸アミド1g及び塩化マグネシウム2gを
加えて溶解し、更に、エデト酸ナトリウム100mg及
び亜硫酸水素ナトリウム100mgを加えて溶解した。
この液に、ホウ砂水溶液を少量ずつ加えて、pHを8.
0に調節し、精製水を加えて100mLとした。
【0044】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表4に示した。
【0045】
【表4】
【0046】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、4
0℃で6ヶ月間、4℃及び25℃で1年間保存しても、
いずれも性状の変化、分解物、含量低下は認められず、
後述する比較用水溶液と比して著しく優れたものであっ
た。
【0047】 実施例5 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) ニコチン酸アミド 2000(mg) L−アルギニン 500(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) ホウ酸 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0048】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、ニコチン酸アミド2g及びL−アルギニン500m
gを加えて溶解し、更に、エデト酸ナトリウム100m
g及び亜硫酸水素ナトリウム100mgを加えて溶解し
た。この液に、ホウ酸水溶液を少量ずつ加えて、pHを
8.0に調節し、精製水を加えて100mLとした。
【0049】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表5に示した。
【0050】
【表5】
【0051】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、4
0℃で6ヶ月間、4℃及び25℃で1年間保存しても、
いずれも性状の変化、分解物、含量低下は認められず、
後述する比較用水溶液と比して著しく優れたものであっ
た。
【0052】 実施例6 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) L−アルギニン 2000(mg) 塩化マグネシウム 1000(mg) リン酸ピリドキサール 100(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) ホウ酸 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0053】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、L−アルギニン2g、塩化マグネシウム1g及びリ
ン酸ピリドキサール100mgを加えて溶解し、更に、
エデト酸ナトリウム100mg及び亜硫酸水素ナトリウ
ム100mgを加えて溶解した。この液に、ホウ酸水溶
液を少量ずつ加えて、pHを8.0に調節し、精製水を
加えて100mLとした。
【0054】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表6に示した。
【0055】
【表6】
【0056】作製した直後の水溶液は、黄色澄明で、4
0℃で6ヶ月間、4℃及び25℃で1年間保存しても、
いずれも性状の変化、分解物、含量低下は認められず、
後述する比較用水溶液と比して著しく優れたものであっ
た。
【0057】 実施例7 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) ニコチン酸アミド 1000(mg) L−アルギニン 1000(mg) 塩化マグネシウム 1000(mg) エデト酸ナトリウム 100(mg) 亜硫酸水素ナトリウム 100(mg) ホウ酸 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0058】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、ニコチン酸アミド1g、L−アルギニン1g及び塩
化マグネシウム1gを加えて溶解し、更に、エデト酸ナ
トリウム100mg及び亜硫酸水素ナトリウム100m
gを加えて溶解した。この液に、ホウ酸水溶液を少量ず
つ加えて、pHを8.0に調節し、精製水を加えて10
0mLとした。
【0059】作製直後のアシクロビル含量を100%と
した場合の各種安定性試験の結果を表7に示した。
【0060】
【表7】
【0061】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、4
0℃で6ヶ月間、4℃及び25℃で1年間保存しても、
いずれも性状の変化、分解物、含量低下は認められず、
後述する比較用水溶液と比して著しく優れたものであっ
た。
【0062】 比較例1 水溶液処方(100mL) アシクロビル 100(mg) 水酸化ナトリウム 適量 塩酸 適量 精製水 適量 ────────────────────────── 計 100(mL)
【0063】アシクロビル100mgを、約60℃に加
温した精製水約50mLに溶解した。室温まで冷却した
後、水酸化ナトリウム水溶液及び塩酸水溶液を少量ずつ
加えて、pHを8.0に調節し、精製水を加えて100
mLとした。
【0064】作製した直後の水溶液は、無色澄明で、溶
解補助剤が添加されていないため、4℃では翌日、又、
25℃では約1ヶ月で結晶の析出が認められ、製品とし
ての品質が保持できないものであった。
【0065】比較例2乃至11アシクロビル100mg
を、約60℃に加温した精製水約50mLに溶解した。
室温まで冷却した後、以下の表8に示す溶解補助剤それ
ぞれ5g加えて溶解し、更に、水酸化ナトリウム水溶液
及び塩酸水溶液を少量ずつ加えて、pHを8.0に調節
し、精製水を加えて100mLとした。
【0066】作製した水溶液を4℃で保管したところ、
すべての溶液に関し、以下の表8に示す日数で結晶の析
出が認められ、製品としての品質が保持できないもので
あった。
【0067】
【表8】
【0068】上記実施例及び比較例の結果より、ニコチ
ン酸アミド、L−アルギニン、塩化マグネシウムの溶解
補助剤を用いた難溶性抗ウイルス剤、アシクロビルの水
溶液においては、一般的な保存条件下で長期間にわたっ
て安定に保存し得ることが確認でき、製品としての価値
が十分期待できるものであることがわかった。
【0069】又、実施例4〜7に示したように、2種類
以上の溶解補助剤を組み合わせて使用することにより、
それぞれの溶解補助剤を単独で使用する場合よりも添加
量を低減させることができる。
【0070】以上より、本発明は、比較用水溶液よりも
明らかにアシクロビルの結晶化を抑制することができ、
特に結晶が析出しやすい低温でも、長期間に亘って安定
な難溶性抗ウイルス剤の水溶液を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/16 A61K 47/16 G 47/22 47/22 G (72)発明者 小川 洋子 福井県坂井郡金津町市姫二丁目26番17号 小林化工株式会社内 (72)発明者 山口 裕隆 福井県坂井郡金津町市姫二丁目26番17号 小林化工株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB24 BB26 CC35 DD22E DD23 DD24 DD30 DD51 DD51E DD60E DD63 FF15 4C086 AA01 CB07 MA02 MA05 MA17 NA02 ZB33

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチ
    ル]グアニン又はその塩類の水溶液であって、溶解補助
    剤としてニコチン酸アミドを含有することを特徴とする
    難溶性抗ウイルス剤の水溶液。
  2. 【請求項2】 9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチ
    ル]グアニン又はその塩類の水溶液であって、溶解補助
    剤としてL−アルギニンを含有することを特徴とする難
    溶性抗ウイルス剤の水溶液。
  3. 【請求項3】 9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチ
    ル]グアニン又はその塩類の水溶液であって、溶解補助
    剤として塩化マグネシウムを含有することを特徴とする
    難溶性抗ウイルス剤の水溶液。
  4. 【請求項4】 9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチ
    ル]グアニン又はその塩類の水溶液であって、ニコチン
    酸アミド、L−アルギニン及び塩化マグネシウムよりな
    る群より選ばれた1種類乃至3種類の溶解補助剤を含有
    することを特徴とする難溶性抗ウイルス剤の水溶液。
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