JP2000211342A - 暖房用熱交換器 - Google Patents

暖房用熱交換器

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JP2000211342A
JP2000211342A JP11218865A JP21886599A JP2000211342A JP 2000211342 A JP2000211342 A JP 2000211342A JP 11218865 A JP11218865 A JP 11218865A JP 21886599 A JP21886599 A JP 21886599A JP 2000211342 A JP2000211342 A JP 2000211342A
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幹夫 福岡
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重樹 大森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気発熱体の電気的特性を損なうことなく、
電気発熱体を暖房用熱交換器のコア部に容易にかつ熱伝
達良好に組付可能とする。 【解決手段】 熱交換用コア部のうち、電気発熱体9が
設置される部位では、断面二つ折り形状の保持板10
が、隣接する両コルゲートフィン7の各折り曲げ頂部の
間に配置されている。保持板10の折り曲げ部からなる
閉塞端部10aは、熱交換用コア部の空気入口側に向け
凸な断面V字形状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気発熱体を一体化
した暖房用熱交換器に関するもので、車両エンジン(内
燃機関)にて加熱された温水(エンジン冷却水)を熱源
として空気を加熱する車両暖房用熱交換器に用いて好適
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の電気発熱体を一体化した
熱交換器は、特開平5−69732号公報において提案
されている。この従来装置によれば、温水(エンジン冷
却水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交換器に電
気発熱体を一体化することにより、エンジン始動直後の
ように温水温度が低いときには、電気発熱体への通電に
より、電気発熱体の発生熱を空気中に放熱して空気を加
熱することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報記
載の従来装置では、発熱体素子と電極板から構成される
電気発熱体を暖房用熱交換器のコア部と一体ろう付けし
ているので、高温のろう付け温度(アルミニュウムのろ
う付けの場合、600°C程度)の雰囲気に発熱体が晒
される。このため、電気発熱体の電気的特性が著しく損
なわれるという不具合がある。
【0004】これに対し、本出願人は、先に、特願平9
−215042号明細書において、熱交換器のコア部が
偏平チューブとコルゲートフィンとを交互に複数ずつ積
層した構造を有していることを利用して、両隣接コルゲ
ートフィンの間に偏平チューブに代えて断面U字形状の
保持板A(図14参照)をろう付けした後、このろう付
け温度の低下した状態で当該保持板の両対向板部A1、
A2間に電気発熱体Bを介装する構造を提案した。
【0005】しかし、これによれば、電気発熱体Bの電
気的特性を良好に確保できるものの、保持板Aの断面U
字状部A3が弾性を有する。このため、電気発熱体Bを
保持板Aの両対向板部A1、A2間に介装した後、当該
両板部を、図15にて示す矢印方向に、加圧により、断
面U字状部A3の弾性に抗して電気発熱体Bに密着させ
ようとしても、断面U字状部A3の曲率半径が大きい
と、図14において形成されていた両対向板部A1、A
2と電気発熱体Bとの間の隙間A4のうち、両対向板部
A1、A2が電気発熱体Bと密着しない領域(図15に
て符号A5参照)として残留する。
【0006】このため、保持板を介する電気発熱体から
コア部への熱伝達が良好にはなされ難いという不具合が
発生する。
【0007】また、保持板の両板部への加圧は、通常、
コア部を帯状締結部材により挟持することでなされるた
め、帯状締結部材が余分に必要となるという不具合もあ
る。
【0008】そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなさ
れたもので、電気発熱体の電気的特性を損なうことな
く、電気発熱体を暖房用熱交換器のコア部に容易にかつ
熱伝達良好に組付可能とすることを目的とする。
【0009】また、本発明は、余分な構成部材を採用す
ることなくかつ電気発熱体の電気的特性を損なうことな
く、電気発熱体を暖房用熱交換器のコア部に容易にかつ
熱伝達良好に組付可能とすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、偏平チューブ(6)と
コルゲートフィン(7)との組み合わせからなる熱交換
用コア部(3)の一部の部位に、電気発熱体(9)を設
置する暖房用熱交換器において、熱交換用コア部(3)
のうち、電気発熱体(9)が設置される部位では、隣接
するコルゲートフィン(7)の折り曲げ頂部相互の間
に、V字形状の折り曲げ部からなる閉塞端部(10a、
10e)を有するように形成した断面二つ折り形状の保
持板(10)を、その閉塞端部(10a、10e)及び
他端側の開口部(10b)にて前記偏平チューブへの熱
源流体の流通方向に向くように、偏平チューブ(6)の
長手方向に沿い長手状に配置し、保持板(10)の対向
する両板部(10c、10d)相互の間に所定間隔(L
1 )を設定した状態で、これら両板部(10c、10
d)をそれぞれコルゲートフィン(7)の折り曲げ頂部
に接合し、保持板(10)の内部に開口部(10b)か
ら電気発熱体(9)を電気絶縁して組み付けたことを特
徴としている。
【0011】これによると、保持板の閉塞端部が断面V
字形状に形成されているから、適宜な締結部材による締
付け力が熱交換用コア部に作用したとき、閉塞端部が両
板部を近づける方向に容易に弾性変形し、当該両板部が
その全面に亘り電気発熱体の両面に一様に密着する。
【0012】従って、両板部の各全面を介する電気発熱
体からコア部への熱伝達を良好に確保しつつ、電気発熱
体を保持板の内側に確実に保持固定できる。
【0013】また、コルゲートフィンに予め保持板を接
合しておき、熱交換用コア部の一体ろう付け終了後に保
持板の内部に電気発熱体を組み付けることができるの
で、熱交換用コア部のろう付けによって電気発熱体の電
気的特性を損なう恐れが全くないことは勿論である。
【0014】また、請求項2に記載の発明のように、保
持板の閉塞端部は、前記両板部の内方或いは外方へ向け
断面V字形状に形成されておれば、請求項1に記載の発
明の作用効果を確実に達成できる。
【0015】また、請求項3に記載の発明のように、閉
塞端部の頂部の曲率半径は、前記両板部が加圧を受けて
その各全面に亘り相互に均一に接近するように前記閉塞
端部を弾性変形させる値に設定されていれば、閉塞端部
が両板部を近づける方向により一層容易に弾性変形し、
当該両板部がその全面に亘り電気発熱体の両面により一
層一様に密着する。その結果、請求項1又は2に記載の
発明の作用効果をより一層向上できる。
【0016】また、請求項4に記載の発明では、閉塞端
部と両板部との各境界部及び閉塞端部には、薄肉部(1
2a、12b、12c)が形成されている。
【0017】これによると、閉塞端部が両板部を近づけ
る方向により一層容易に弾性変形し、当該両板部がその
全面に亘り電気発熱体の両面により一層一様に密着す
る。その結果、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発
明の作用効果をより一層向上できる。
【0018】また、請求項5に記載の発明では、請求項
1に記載の発明において、断面U字形状の保持板が、断
面V字形状の閉塞端部を有する断面二つ折り形状の保持
板に代えて採用され、閉塞端部にてその長手方向に複数
のスリット(s)を備えている。
【0019】これによっても、複数のスリットが請求項
1にいう閉塞端部の弾性変形を容易にする。従って、請
求項1に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0020】また、請求項6に記載の発明では、請求項
1に記載の発明において、断面二つ折り形状の保持板
が、断面V字形状の閉塞端部を有する断面二つ折り形状
の保持板に代えて採用され、断面湾曲形状の折り曲げ部
からなる閉塞端部(10a、10e、10f)を備えて
いる。
【0021】さらに、熱硬化性、耐熱性及び熱伝導性を
有する樹脂接着層(10g)を保持板と電気発熱体との
間に隙間なく設けてなる。
【0022】これにより、保持板の両板部は、請求項1
に記載の発明にて述べたような締結部材による締め付け
力を必要とすることなく、樹脂接着層を介し電気発熱体
の両外表面に一様に密着し得る。従って、請求項1に記
載の発明の作用効果を締結部材を不要としつつ達成でき
る。換言すれば、請求項1に記載の発明の作用効果を、
構成部品数の低減を確保しつつ達成できる。
【0023】また、樹脂接着層が保持板と電気発熱体と
の間に隙間なく形成されるから、保持板の内表面と電気
発熱体の外表面との間に空気による断熱層が形成される
ことがない。しかも、樹脂接着層は良好な熱伝導性、耐
熱性及び熱硬化性を有する材料からなる。
【0024】よって、樹脂接着層が電気発熱体の発熱に
悪影響されることなく、電気発熱体の発熱が樹脂接着層
を介し保持板に良好に伝達されるから、電気発熱体の発
熱の保持板への安定した伝熱性能を確保できる。
【0025】また、請求項1乃至6のいずれかに記載の
発明において、保持板の両板部の各開口部側端面(電気
発熱体の挿入側端面)に面取りを施しておけば、電気発
熱体の保持板の開口部内への挿入をより一層容易にしつ
つ、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の作用効果
を達成できる。
【0026】また、請求項7に記載の発明では、請求項
1に記載の発明において、断面二つ折り形状の保持板
が、断面V字形状の閉塞端部を有する断面二つ折り形状
の保持板に代えて採用され、断面湾曲形状の折り曲げ部
からなる閉塞端部(10a、10e、10f)を備えて
いる。さらに、保持板(10)と電気発熱体(9)との
間にグリースを隙間なく充填している。
【0027】これにより、保持板の内表面と電気発熱体
の外表面との間に空気による断熱層が形成されることが
ない。よって、電気発熱体の発熱がグリースを介し保持
板に良好に伝達されるから、電気発熱体の発熱の保持板
への安定した伝熱性能を確保できる。
【0028】また、コルゲートフィンに予め保持板を接
合しておき、熱交換用コア部の一体ろう付け終了後に保
持板の内部に電気発熱体を組み付けることができるの
で、熱交換用コア部のろう付けによって電気発熱体の電
気的特性を損なう恐れが全くないことは勿論である。
【0029】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもの
である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】(第1実施形態)図1〜図8は本発明を適
用した車両暖房用熱交換器の第1実施形態を示すもの
で、図1において、暖房用熱交換器Hは、温水入口側タ
ンク1と、温水出口側タンク2と、この両タンク1、2
の間に設けられた熱交換用コア部3とを有している。
【0032】温水入口側タンク1には図示しない車両エ
ンジンからの温水(エンジン冷却水)が流入する入口パ
イプ4が設けられ、温水出口側タンク2には温水を外部
へ流出させ、エンジン側に還流させる出口パイプ5が設
けられている。なお、本例の熱交換器は図1に示すよう
に左右対称形であるので、温水入口側タンク1と温水出
口側タンク2とを左右逆転してもよい。
【0033】各タンク1、2はそれぞれタンク本体部1
a、2aと、このタンク本体部1a、2aの開口端面を
閉じるシートメタル1b、2bとからなり、図1の上下
方向が長手方向となる周知のタンク構造である。そし
て、シートメタル1b、2bには偏平状のチューブ挿入
穴(図示せず)が多数個、図1の上下方向に1列または
複数列並んで形成されている。
【0034】熱交換用コア部3は暖房用空気の流れ方向
(図1の矢印E方向)に対して平行な偏平状に形成され
た偏平チューブ6を多数個図1の上下方向に並列配置し
ている。そして、この多数個の偏平チューブ6相互の間
に波形状に成形されたコルゲートフィン(フィン部材)
7を配置し接合している。このコルゲートフィン7には
周知のごとく暖房用空気の流れ方向Eに対して所定角度
で斜めに多数のルーバ(図示せず)が切り起こし成形さ
れており、このルーバの成形によりフィン熱伝達率を向
上させている。
【0035】偏平チューブ6の両端開口部はシートメタ
ル1b、2bのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿通され、
接合される。また、コア部3の最外側(図1の上下両端
部)のコルゲートフィン7のさらに外側にはサイドプレ
ート8a、8bが配設され、このサイドプレート8a、
8bは最外側のコルゲートフィン7およびシートメタル
1b、2bに接合される。
【0036】さらに、熱交換用コア部3の一部位に、偏
平チューブ6の代わりに、電気発熱体9を設置してい
る。図1の例では、熱交換用コア部3の4箇所(斜線
部)に電気発熱体9を等間隔で設置している。
【0037】そして、熱交換用コア部3のうち、電気発
熱体9が設置される部位では、隣接する両コルゲートフ
ィン7の各折り曲げ頂部の間に、偏平チューブ6の長手
方向に延びる断面二つ折り形状の保持板10を配置して
いる。図2、図3に示すように、この保持板10の折り
曲げ部からなる閉塞端部10aが熱交換用コア部3の空
気入口側に向き、他端側の開口部10bが熱交換用コア
部3の空気出口側に向くように、保持板10の配置方向
が設定されている。
【0038】また、保持板10は、その対向する両平板
部10c、10d相互の間に所定間隔L1 を設定し、そ
の状態で、これら両平板部10c、10dをそれぞれコ
ルゲートフィン7の折り曲げ頂部に接合するようにして
ある。
【0039】ここで、保持板10の折り曲げ部からなる
閉塞端部10aの形状寸法について図2〜図6を参照し
て詳細に説明する。
【0040】閉塞端部10aは、熱交換用コア部3の空
気入口側に向け凸な断面V字形状に形成されており、こ
の閉塞端部10aの頂部11の曲率半径Rは、次のよう
に設定されている。
【0041】即ち、電気発熱体9を、図5にて示すごと
く、保持板10の両平板部10c、10d間に挿入す
る。このとき、両平板部10c、10dの各内表面と電
気発熱体9の両外表面との間にはそれぞれ隙間gが形成
される。
【0042】そこで、その後、両平板部10c、10d
間に図6にて示すような加圧力を付与したとき、当該両
平板部10c、10dが、図6にて示すごとく、その各
全面に亘り均等に弾性変形して、電気発熱体9の両面全
体に亘り均一に密着し得るように、保持板10の板厚の
2倍以下の値に設定されている。
【0043】なお、保持板10の全体の厚さL2 は、偏
平チューブ6の厚さL3 と略同一に設定してある。この
ため、偏平チューブ6の代わりに保持板10を隣接する
コルゲートフィン7相互の間に設置できる。図3におい
て、Dはコア部厚さで、空気流れ方向Eの偏平チューブ
6およびコルゲートフィン7の寸法である。
【0044】ところで、本例における熱交換器では、上
記各構成部品1〜8bのすべてがアルミニュウム(アル
ミニュウム合金も含む)にて成形されており、また、保
持板10も同様にアルミニュウムにて成形されている。
保持板10は板厚0.1〜0.5mm程度の金属薄板で
あり、また、当該保持板10の幅(暖房空気の流れ方向
Eの幅)はコア部厚さDと略同一であり、また、保持板
10の長手方向の寸法(図1の左右方向の寸法)はシー
トメタル1b、2b間の寸法と略同一である。
【0045】電気発熱体9は、保持板10の両平板部1
0c、10d間に開口部10bから挿入されて当該保持
板10の内部に保持される。ここで、電気発熱体9は保
持板10に対して後述の構造により電気的に絶縁して保
持される。
【0046】電気発熱体9は図2、図3及び図7にて示
す構造になっている。この電気発熱体9は、板状の発熱
体素子9aと、この発熱体素子9aの表裏両面に配置さ
れた細長の平板状の電極板9b、9cとからなる3層の
サンドウイッチ構造を有しており、両電極板9b、9c
は、その全周に亘り電気的絶縁材料からなる被覆部材9
dにより発熱体素子9aと共に被覆されている。
【0047】ここで、発熱体素子9aは所定の設定温度
(例えば、200°C付近)T0 にて抵抗値が急増する
正の抵抗温度特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン
酸バリウム)からなるPTCヒータ素子であり、その板
厚は1.0〜2.0mm程度である。
【0048】発熱体素子9aの両電極板9b、9cはア
ルミニュウム、銅、ステンレス等の導電金属材から成形
されており、その板厚は0.1〜0.5mm程度であ
る。この両電極板9b、9cの長手方向の寸法(図1の
左右方向の寸法)は保持板10と略同一である。そし
て、この両電極板9b、9cの長手方向において発熱体
素子9aは複数箇所(図1の例では4箇所)配置されて
いる。発熱体素子9aと両電極板9b、9cは互いに圧
接することにより、両者間の電気的導通を得るようにし
てある。
【0049】被覆部材9dが保持板10の両平板部10
c、10dの内側面に圧接するようにして、電気発熱体
9は保持板10の内部に組み付けられる。ここで、被覆
部材9dは保持板10と両電極板9b、9cとの間の電
気的な絶縁作用を果たすものであるが、発熱体素子9a
の熱を保持板10に伝導する役割を果たすため、保持板
10と両電極板9b、9cとの間の被覆部材9dの厚さ
t1 は25μ〜100μ程度の薄膜状にして、良好な熱
伝導作用を確保している。
【0050】一方、発熱体素子9aの側方における被覆
部材9dの厚さt2 は1〜2mm程度に厚くして、発熱
体素子9aの保護を図るようにしてある。被覆部材9d
の具体的材質としては、高耐熱性の樹脂(例えば、ポリ
イミド樹脂等)が好ましい。
【0051】上記電極板9bは正極側電極板であり、ま
た、上記電極板9cは負極側電極板であり、それぞれ外
部回路との電気接続用の端子部9e、9fが一体成形さ
れている。この両端子部9e、9fは本例では熱交換用
コア部3の後方側(空気流れ方向Eの下流側)に突出し
ている。また、正極側電極板9bの端子部9eは図1に
示すように正極側電極板9bの右側端部に形成され、負
極側電極板9cの端子部9fは負極側電極板9cの左側
端部に形成されている。また、図示しないが、端子部9
e、9fは、左右いずれかの同一方向に形成されていて
もよい。
【0052】なお、各電気発熱体9の電極板9b、9c
に一体成形された端子部9e、9fには、図示しない外
部制御回路が電気接続され、この外部制御回路を介して
車載電源から各電気発熱体9に通電されるようになって
いる。ここで、端子部9e、9fは一体成形でなく溶接
等により電極板9b、9cに接合してもよいことはもち
ろんである。
【0053】帯状の両締結部材12、13は、ステンレ
ス又はばね鋼に表面処理されたような耐食性に優れた金
属材料からなるもので、これら両締結部材12、13
は、図1にて示すごとく、熱交換用コア部3の空気入口
側の面および空気出口側の面の両方又は空気出口側のみ
に配置される。
【0054】両締結部材12、13はその両端に折り曲
げ形状からなる引掛け部を有しており、これら両締結部
材12、13は、その各両引掛け部を、上下のサイドプ
レート8a、8bの長手方向の中央部に形成された係止
溝部8c、8dに引掛けて、上下のサイドプレート8
a、8bの間に装着される。これら締結部材12、13
の装着により、電気発熱体9を保持板10の両平板部1
0c、10d間に圧接保持させる締付け力を熱交換用コ
ア部3に対して作用させる。なお、図1では、コア部3
の幅方向(図1の左右方向)の中央の1箇所のみに締結
部材12、13を装着しているが、コア部3の幅方向の
複数箇所に両締結部材12、13を装着してもよいこと
はいうまでもない。
【0055】また、保持板10はV字形状の折り曲げ部
からなる閉塞端部10aを有しているから、両締結部材
12、13の装着を上述のように行うことで、保持板1
0の両平板部10c、10dをその全面に亘り電気発熱
体9の両面に密着させつつ、電気発熱体9の保持固定が
可能となる。
【0056】図8は本第1実施形態の暖房用熱交換器H
を適用した車両用空調装置の概要を示す。
【0057】この空調装置においては、車室内空気また
は車室外空気が、樹脂製の空調ケース14の上流側に配
置された電動送風ファン15により吸い込まれて、冷凍
サイクルの蒸発器(冷房用熱交換器)16に送風され、
ここで送風空気は冷却、除湿される。次に、この冷風
は、エアミックスドア17により暖房用熱交換器Hを通
過する流れと、バイパス通路18を通過する流れとに分
岐され、暖房用熱交換器Hで加熱される温風とバイパス
通路18を通過する冷風の風量割合をエアミックスドア
17の回動量により調整して、車室内への吹出空気温度
を制御するようになっている。
【0058】なお、エアミックスドア17を廃止して、
暖房用熱交換器Hに循環する温水量を温水制御弁により
制御して吹出空気温度を制御するタイプの車両用空調装
置に対しても本発明は同様に適用できる。
【0059】次に、上述の暖房用熱交換器の製造方法を
説明する。
【0060】まず、最初に図1に示す熱交換器構成を組
み付けるコア組付工程を行う。すなわち、熱交換用コア
部3のチューブ6とコルゲートフィン7を交互に積層す
るとともに、熱交換用コア部3のうち、電気発熱体9が
設置される部位(図1の4箇所の斜線部)では、隣接す
る両コルゲートフィン7の折り曲げ頂部の間に、チュー
ブ6の長手方向に延びる保持板10を配置する。
【0061】ここで、この保持板10の両平板部10
c、10dの間隔を所定間隔L1 に保持するために、こ
の保持板10の内部に、この所定間隔L1 の板厚を持っ
たダミー板(図示せず)を挿入する。
【0062】このダミー板は後述の一体ろう付けの工程
に対する耐熱性を有し、かつアルミニュウムろう付けさ
れない特性を持った材質(例えば、カーボン等)で形成
しておく。この組付工程で、タンク1、2、パイプ4、
5、およびサイドプレート8a、8bも組み付けること
はもちろんである。
【0063】次に、上述のごとく、組み付けた熱交換器
組付体の組付状態を図示しない適宜の治具により保持し
て、ろう付け炉内に搬入し、ろう付け工程を行う。すな
わち、ろう付け炉内で熱交換器組付体をろう付け温度
(600°C程度)に加熱して、熱交換器各部材のアル
ミニウムクラッド材のろう材を溶融し、熱交換器組付体
の各部材間を一体ろう付けする。
【0064】ろう付け終了後に、熱交換器組付体をろう
付け炉から搬出し、常温まで熱交換器組付体の温度が低
下した後に、電気発熱体9の組付工程を行う。すなわ
ち、電気発熱体9はそれ単独で、熱交換器組付体とは別
に、板状の発熱体素子9aの表裏両面を平板状の電極板
9b、9cにより挟み込んで3層のサンドウイッチ構造
とし、電極板9b、9cの周囲を全周にわたって被覆部
材9dにより被覆しておく。
【0065】そして、熱交換器組付体の熱交換用コア部
3における4箇所の保持板10の内側に挿入されている
ダミー板を取り出す。この後に、保持板10の対向する
両平板部10c、10dの内側に形成される所定間隔L
1 の空間に、開口部10bから閉塞端部10a側へ向か
って電気発熱体9を挿入する。
【0066】この電気発熱体9の組付の後に、両締結部
材12、13の各両端の引掛け部を上下のサイドプレー
ト8a、8bの係止溝部8c、8dに引掛けて、上下の
サイドプレート8a、8bの間に両締結部材12、13
を熱交換用コア部3が圧縮されるように装着する。
【0067】これにより、電気発熱体9を保持板10の
内側に圧接保持させる締付け力を熱交換用コア部3に対
して作用させ得る。
【0068】ここで、保持板10の閉塞端部10aが断
面V字形状の折り曲げ部からなりかつこの折り曲げ部の
頂部11の曲率半径Rが上述のごとく設定されている。
【0069】このため、上述のように両締結部材12、
13による締付け力が熱交換用コア部3に作用したと
き、閉塞端部10aが両平板部10c、10dを近づけ
る方向に容易に弾性変形し、当該両平板部10c、10
dがその全面に亘り電気発熱体9の両面に一様に密着す
る。
【0070】これにより、両平板部10c、10dの各
全面を介する電気発熱体9からコア部3への熱伝達を良
好に確保しつつ、電気発熱体9を保持板10の内側に確
実に保持固定できる。また、同時に、電気発熱体9の内
部において、発熱体素子9aの表裏両面が平板状の電極
板9b、9cに確実に圧接するので、小さな接触抵抗で
良好な電気導通状態が得られる。
【0071】次に、上記構成において作動を説明する。
車室の暖房を行うときには、図8の空調用送風ファン1
5が作動して、暖房用熱交換器Hのコア部3の偏平チュ
ーブ6とコルゲートフィン7との間の空隙部に矢印Eの
ように暖房用空気が通過する。一方、車両用エンジンの
ウォータポンプ(図示せず)の作動によりエンジンから
の温水(熱源流体)が入口パイプ4より温水入口側タン
ク1内に流入する。
【0072】そして、温水は、入口側タンク1にて多数
本の偏平チューブ6に分配され、この偏平チューブ6を
並列に流れる間にコルゲートフィン7を介して暖房用空
気に放熱する。多数本の偏平チューブ6を通過した温水
は、温水出口側タンク2に流入し、ここで集合され、出
口パイプ5から温水は熱交換器外部へ流出し、エンジン
側に還流する。
【0073】一方、暖房時において、エンジンからの温
水の温度が設定温度(例えば、80℃)より低いとき
は、外部制御回路から両電極板9b、9cの端子部9
e、9f間に車載電源の電圧を加える。これにより、発
熱体素子9aが通電され発熱する。発熱体素子9aの発
熱は電極板9b、9c、被覆部材9d、保持板10を経
て、両側のコルゲートフィン7に伝導されて、このコル
ゲートフィン7から暖房用空気に放熱される。
【0074】ここで、上述のごとく、保持板10の両平
板部10c、10dがその各全面に亘り電気発熱体9の
両面に一様に密着しているから、発熱体素子9aの発熱
は両側のコルゲートフィン7から暖房用空気に良好に放
熱され得る。
【0075】従って、保持板10の閉塞端部10aを上
記構成とすることで、温水の低温時でも暖房空気を速や
かに加熱して即効暖房を良好に行うことができる。
【0076】なお、電気発熱体9の発熱体素子9aは所
定の設定温度T0 にて抵抗値が急増する正の抵抗温度特
性を有するPTC素子であるから、周知のごとく、その
発熱温度を設定温度T0 に自己制御する自己温度制御機
能を備えている。
【0077】ところで、車両用空調装置では、図8に示
すように、空調ケース14内において冷房用熱交換器1
6の下流側に暖房用熱交換器Hが配置されているので、
冷房用熱交換器16で発生した凝縮水が空気流れととも
に暖房用熱交換器Hに向かって飛散し、暖房用熱交換器
Hの空気上流側の面に付着することがある。また、外気
導入口より雪が空調ケース14内に入り込み、送風ファ
ン15の作動により雪が飛散、溶融して暖房用熱交換器
Hの空気上流側の面に付着することもある。
【0078】しかし、本第1実施形態によると、保持板
10の断面V字形状の折り曲げ部からなる閉塞端部10
aが熱交換用コア部3の空気入口側に向き、他端側の開
口部10bが熱交換用コア部3の空気出口側に向くよう
に、保持板10の配置方向が設定されている。従って、
凝縮水等が暖房用熱交換器Hの空気上流側の面に付着し
ても、閉塞端部10aにより凝縮水等が保持板10の内
側に進入するのを確実に防止できる。
【0079】このため、凝縮水等が電気発熱体9に付着
することがないので、電気発熱体9の電気絶縁性の薄膜
状の被覆部材9dに万一亀裂等が発生しても、水の付着
よる電気的ショート事故等の不具合が発生することもな
い。
【0080】図9は、上記第1実施形態の変形例を示し
ている。
【0081】この変形例においては、上記第1実施形態
にて述べた保持板10において、薄肉部12aが、閉塞
端部10aと平板部10cとの境界部に形成されてお
り、一方、薄肉部12bが、閉塞端部10aと平板部1
0dとの境界部に形成され、また、薄肉部12cが閉塞
端部10aに形成されている。なお、両薄肉部12a、
12bは、上記両境界部を保持板10の内側から薄肉状
に形成されている。
【0082】また、両平板部10c、10dの開口部1
0b側先端部は、各符号cにて示すごとく、保持板10
の内側から面取りされている。
【0083】このように構成した本変形例では、保持板
10の両平板部10c、10dがその各先端部にて上述
のごとく面取りcされているから、電気発熱体9の両平
板部10c、10d間への開口部10bからの挿入がよ
り一層容易になされ得る。
【0084】また、保持板10において、閉塞端部10
aと両平板部10c、10dとの各境界部及び閉塞端部
10aには、上述のごとく、各薄肉部12a、12b及
び12cが形成されているから、上記第1実施形態のよ
うに両締結部材12、13による締付け力が熱交換用コ
ア部3に作用したとき、閉塞端部10aが両平板部10
c、10dを近づける方向により一層容易に弾性変形
し、当該両平板部10c、10dがその全面に亘り電気
発熱体9の両面により一層一様に密着する。
【0085】これにより、保持板10の両平板部10
c、10dを介する電気発熱体9からコア部3への熱伝
達をより一層良好にし得る。
【0086】(第2実施形態)図10は本発明の第2実
施形態を示している。
【0087】この第2実施形態では、保持板10Aが、
上記第1実施形態にて述べた保持板10に代えて採用さ
れている。
【0088】保持板10Aは、保持板10において、閉
塞端部10aに代え、閉塞端部10eを設けた構成とな
っている。
【0089】閉塞端部10eは、閉塞端部10aとは逆
に、両平板部10c、10dの間に向けV字形状に突出
するように形成されている。ここで、閉塞端部10eの
頂部11aの曲率半径Rは、上記第1実施形態にて述べ
た閉塞端部10aの頂部11のそれと同一である。
【0090】これにより、上記第1実施形態のように両
締結部材12、13による締付け力が熱交換用コア部3
に作用したとき、閉塞端部10eが上記第1実施形態と
同様に両平板部10c、10dを近づける方向により容
易に弾性変形し、当該両平板部10c、10dがその全
面に亘り電気発熱体9の両面に一様に密着する。
【0091】その結果、上記第1実施形態と同様に、保
持板10の両平板部10c、10dを介する電気発熱体
9からコア部3への熱伝達を良好にし得る。
【0092】(第3実施形態)図11は、本発明の第3
実施形態を示している。
【0093】この第3実施形態では、保持板10Bが、
上記第1実施形態にて述べた保持板10に代えて採用さ
れている。
【0094】保持板10Bは、保持板10において、閉
塞端部10aに代え、閉塞端部10fを設けた構成とな
っている。
【0095】閉塞端部10fは、閉塞端部10aとは異
なり、両平板部10c、10dから外方へU字形状に突
出するように形成されている。
【0096】この閉塞端部10fは、3つのスリットS
を備えており、これら各スリットSは、閉塞端部10f
の頂部にその長手方向に沿い所定間隔にて貫通形成され
ている。
【0097】これにより、上記第1実施形態のように両
締結部材12、13による締付け力が熱交換用コア部3
に作用したとき、閉塞端部10fが上記第1実施形態と
同様に両平板部10c、10dを近づける方向により容
易に弾性変形し、当該両平板部10c、10dがその全
面に亘り電気発熱体9の両面に一様に密着する。
【0098】その結果、上記第1実施形態と同様に、保
持板10の両平板部10c、10dを介する電気発熱体
9からコア部3への熱伝達を良好にし得る。なお、スリ
ットSの数、開口寸法や形成間隔は、閉塞端部10fの
弾性変形を容易にし得る範囲で適宜選定すればよい。
【0099】(第4実施形態)図12及び図13は、本
発明の第4実施形態を示している。
【0100】この第4実施形態では、樹脂接着層10g
が、図12にて示すごとく、上記第1実施形態にて述べ
た保持板10と電気発熱体9との間に形成されている。
【0101】ここで、樹脂接着層10gの形成方法につ
いて説明する。
【0102】まず、樹脂接着剤塗布工程S1において、
樹脂接着剤を電気発熱体9の外表面(被覆部材9dの外
表面)の全体に亘り所定の厚さにて塗布する。
【0103】本第4実施形態では、上記樹脂接着剤とし
て、次の条件を考慮したものが採用されている。
【0104】即ち、上記樹脂接着剤は、電気発熱体9の
発熱により溶解防止の点から、熱硬化性を有するもので
なければならない。また、当該樹脂接着剤は、電気発熱
体9の発熱温度が約160℃以上になることから、約1
60℃以上の耐熱温度を有するものでなければならな
い。しかも、電気発熱体9から保持板10への良好な熱
伝達を確保する必要があることから、上記樹脂接着剤は
良好な熱伝導性を有するものでなければならない。
【0105】以上のことから、本実施形態では、上記樹
脂接着剤として、熱硬化性、上記耐熱性及び良好な熱伝
導性を有するシリコン系或いはアクリル系の樹脂接着剤
が採用されている。
【0106】ついで、電気発熱体挿入工程S2におい
て、上述のように樹脂接着剤を塗布した電気発熱体9
を、上記第1実施形態にて述べたようにコア部3にろう
付け済みの保持板10内にその開口部10bから挿入す
る。
【0107】このとき、電気発熱体9の外表面には上述
のごとく上記樹脂接着剤が予め塗布されているから、電
気発熱体9は、塗布樹脂接着剤のうち余分な部分を保持
板10の開口部10bからはみ出させつつ、保持板10
内に挿入される。
【0108】従って、上記塗布樹脂接着剤は保持板10
の内表面に一様に行き亘るようにして保持板10の内表
面と電気発熱体9の外表面との間に隙間なく充填され
る。
【0109】その後、樹脂接着剤拭き取り工程S3にお
いて、保持板10の開口部10bからはみ出した樹脂接
着剤を拭き取った後、樹脂接着剤加熱硬化工程S4にお
いて、保持板10内に充填済みの樹脂接着剤を加熱によ
り硬化させる。これにより、保持板10と電気発熱体9
との間に樹脂接着層10gを形成することができる。
【0110】以上によれば、樹脂接着層10gが保持板
10と電気発熱体9との間に隙間なく形成されるから、
保持板10の内表面と電気発熱体9の外表面との間に空
気による断熱層が形成されることがない。しかも、樹脂
接着層10gは良好な熱伝導性、熱硬化性及び耐熱性を
有する材料からなる。
【0111】よって、樹脂接着層10gが電気発熱体9
の発熱により悪影響を受けることなく、電気発熱体9の
発熱が樹脂接着層10gを介し保持板10に良好に伝達
されるから、電気発熱体9の発熱の保持板10への安定
した伝熱性能を確保できる。
【0112】また、上述のように、樹脂接着層10gが
保持板10と電気発熱体9との間に隙間なく形成される
から、保持板10の両平板部10c、10dは、上記第
1実施形態にて述べたような両締結部材12、13によ
る締め付け力を必要とすることなく、樹脂接着層10g
を介し電気発熱体9の両外表面に一様に密着し得る。従
って、両締結部材12、13が不要となり、構成部品数
の低減につながる。なお、その他の構成及び作用効果は
上記第1実施形態と同様である。
【0113】(第5実施形態)図14は、本発明の第5
実施形態を示している。この第5実施形態では、グリー
ス充填層10hが、上記第1実施形態にて述べた保持板
10と電気発熱体9との間に形成されている。グリース
充填層10hのグリースは、良好な熱伝導性を有し、し
かも電気発熱体9の発熱温度以上の高温まで半固体状態
を維持可能なグリースを用いており、具体的にはシリコ
ン系グリースを用いるのが好ましい。
【0114】ここで、グリース充填層10hの形成方法
について説明する。まず、グリースを電気発熱体9の外
表面(被覆部材9dの外表面)の全体に亘り所定の厚さ
にて塗布する。ついで、グリースを塗布した電気発熱体
9を、コア部3にろう付け済みの保持板10内にその開
口部10bから挿入する。このとき、グリースは保持板
10の内表面に一様に行き亘るようにして保持板10の
内表面と電気発熱体9の外表面との間に隙間なく充填さ
れる。その後、保持板10の開口部10bからはみ出し
たグリースを拭き取る。これにより、保持板10と電気
発熱体9との間にグリース充填層10hを形成すること
ができる。なお、グリースは半固体であるから、第4実
施形態のような樹脂接着剤の加熱硬化工程は不要であ
る。
【0115】グリース充填層10hの形成後、電気発熱
体9の脱落防止のために、図1に示す締結部材12を、
保持板10の開口部10bが位置する側に装着する。
【0116】以上によれば、グリース充填層10hが保
持板10と電気発熱体9との間に隙間なく形成されるか
ら、保持板10の内表面と電気発熱体9の外表面との間
に空気による断熱層が形成されることがない。よって、
電気発熱体9の発熱がグリース充填層10hを介し保持
板10に良好に伝達されるから、電気発熱体9の発熱の
保持板10への安定した伝熱性能を確保できる。
【0117】なお、上記第4、第5実施形態では、保持
板10として、その閉塞端部10aがV字形状を有する
ものを採用した例について説明したが、これに限ること
なく、保持板10の閉塞端部10aを上記第1実施形態
の各変形例にて述べた閉塞端部に形成してもよく、ま
た、当該閉塞端部10aを単なる断面半円環状の閉塞端
部に形成しても、上記第4、第5実施形態と同様の作用
効果を達成できる。また、このようなことは、上記第
4、第5実施形態において、閉塞端部10aを一般に任
意の湾曲形状としても、同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す暖房用熱交換器の
斜視図である。
【図2】図1の電気発熱体設置部の拡大斜視図である。
【図3】図1の電気発熱体設置部の断面図である。
【図4】図1の保持板の部分斜視図である。
【図5】加圧前の保持板への電気発熱体の挿入状態を示
す断面図である。
【図6】加圧後の保持板への電気発熱体の挿入状態を示
す断面図である。
【図7】(a)は図1の電気発熱体の一部破断斜視図、
(b)は当該電気発熱体の横断面図、(c)は当該電気
発熱体の縦断面図、(d)は当該電気発熱体の平面図で
ある。
【図8】本発明による暖房用熱交換器を適用した車両空
調装置の通風系の概略断面図である。
【図9】上記第1実施形態の第1変形例を示す保持板の
側面図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示す保持板の部分拡
大斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態を示す保持板の拡大斜
視図である。
【図12】本発明の第4実施形態を示す電気発熱体設置
部の断面図である。
【図13】上記第4実施形態における樹脂接着層の形成
工程を示す図である。
【図14】本発明の第5実施形態を示す電気発熱体設置
部の断面図である。
【図15】加圧前の断面U字状の保持板内への電気発熱
体の挿入状態を示す断面図である。
【図16】加圧後の断面U字状の保持板内への電気発熱
体の挿入状態を示す断面図である。
【符号の説明】 3…熱交換用コア部、6…偏平チューブ、7…コルゲー
トフィン、9…電気発熱体、10…保持板、10a、1
0e、10f…閉塞端部、10b…開口部、10c、1
0d…板部、12a、12b、12c…薄肉部、10g
…樹脂接着層、10h…グリース充填層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大森 重樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 佐藤 広之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源流体が流通する偏平チューブ(6)
    を多数本並列配置するとともに、この多数本の偏平チュ
    ーブ(6)の間にコルゲートフィン(7)を接合するこ
    とにより熱交換用コア部(3)が構成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部位に電気発熱体(9)
    を設置する暖房用熱交換器において、 前記熱交換用コア部(3)のうち、前記電気発熱体
    (9)が設置される部位では、隣接するコルゲートフィ
    ン(7)の折り曲げ頂部相互の間に、V字形状の折り曲
    げ部からなる閉塞端部(10a、10e)を有するよう
    に形成した断面二つ折り形状の保持板(10)を、その
    閉塞端部(10a、10e)及び他端側の開口部(10
    b)にて前記偏平チューブへの前記熱源流体の流通方向
    に向くように、前記偏平チューブ(6)の長手方向に沿
    い長手状に配置し、 前記保持板(10)の対向する両板部(10c、10
    d)相互の間に所定間隔(L1 )を設定した状態で、こ
    れら両板部(10c、10d)をそれぞれ前記コルゲー
    トフィン(7)の折り曲げ頂部に接合し、 前記保持板(10)の内部にその開口部(10b)から
    前記電気発熱体(9)を電気絶縁して組み付けたことを
    特徴とする暖房用熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記保持板の閉塞端部は、前記両板部の
    内方或いは外方へ向け断面V字形状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の暖房用熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記閉塞端部の頂部の曲率半径は、前記
    両板部が押圧力を受けたときその各全面に亘り相互に均
    一に接近するように前記閉塞端部を弾性変形させる値に
    設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の暖房用熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記閉塞端部と前記両板部との各境界部
    及び前記閉塞端部には、薄肉部(12a、12b、12
    c)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一つに記載の暖房用熱交換器。
  5. 【請求項5】 熱源流体が流通する偏平チューブ(6)
    を多数本並列配置するとともに、この多数本の偏平チュ
    ーブ(6)の間にコルゲートフィン(7)を接合するこ
    とにより熱交換用コア部(3)が構成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部位に電気発熱体(9)
    を設置する暖房用熱交換器において、 前記熱交換用コア部(3)のうち、前記電気発熱体
    (9)が設置される部位では、隣接するコルゲートフィ
    ン(7)の折り曲げ頂部相互の間に、断面U字形状の保
    持板(10)を、そのU字形状の折り曲げ部からなる閉
    塞端部(10f)及び他端側の開口部(10b)にて前
    記偏平チューブへの前記熱源流体の流通方向に向くよう
    に、前記偏平チューブ(6)の長手方向に沿い長手状に
    配置し、 前記保持板(10)の対向する両板部(10c、10
    d)相互の間に所定間隔(L1 )を設定した状態で、こ
    れら両板部(10c、10d)をそれぞれ前記コルゲー
    トフィン(7)の折り曲げ頂部に接合し、 前記保持板(10)の内部にその開口部(10b)から
    前記電気発熱体(9)を電気絶縁して組み付け、 前記保持板の閉塞端部はその長手方向に複数のスリット
    (s)を備えていることを特徴とする暖房用熱交換器。
  6. 【請求項6】 熱源流体が流通する偏平チューブ(6)
    を多数本並列配置するとともに、この多数本の偏平チュ
    ーブ(6)の間にコルゲートフィン(7)を接合するこ
    とにより熱交換用コア部(3)が構成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部位に電気発熱体(9)
    を設置する暖房用熱交換器において、 前記熱交換用コア部(3)のうち、前記電気発熱体
    (9)が設置される部位では、隣接するコルゲートフィ
    ン(7)の折り曲げ頂部相互の間に、断面湾曲形状の折
    り曲げ部からなる閉塞端部(10a、10e、10f)
    を有するように形成した断面二つ折り形状の保持板(1
    0)を、その閉塞端部及び他端側の開口部(10b)に
    て前記偏平チューブへの前記熱源流体の流通方向に向く
    ように、前記偏平チューブ(6)の長手方向に沿い長手
    状に配置し、 前記保持板(10)の対向する両板部(10c、10
    d)相互の間に所定間隔(L1 )を設定した状態で、こ
    れら両板部(10c、10d)をそれぞれ前記コルゲー
    トフィン(7)の折り曲げ頂部に接合し、 前記保持板(10)の内部にその開口部(10b)から
    前記電気発熱体(9)を電気絶縁して組み付け、 熱硬化性、耐熱性及び熱伝導性を有する樹脂接着層(1
    0g)を前記保持板と前記電気発熱体との間に隙間なく
    設けてなることを特徴とする暖房用熱交換器。
  7. 【請求項7】 熱源流体が流通する偏平チューブ(6)
    を多数本並列配置するとともに、この多数本の偏平チュ
    ーブ(6)の間にコルゲートフィン(7)を接合するこ
    とにより熱交換用コア部(3)が構成されており、 この熱交換用コア部(3)の一部位に電気発熱体(9)
    を設置する暖房用熱交換器において、 前記熱交換用コア部(3)のうち、前記電気発熱体
    (9)が設置される部位では、隣接するコルゲートフィ
    ン(7)の折り曲げ頂部相互の間に、断面湾曲形状の折
    り曲げ部からなる閉塞端部(10a、10e、10f)
    を有するように形成した断面二つ折り形状の保持板(1
    0)を、その閉塞端部及び他端側の開口部(10b)に
    て前記偏平チューブへの前記熱源流体の流通方向に向く
    ように、前記偏平チューブ(6)の長手方向に沿い長手
    状に配置し、 前記保持板(10)の対向する両板部(10c、10
    d)相互の間に所定間隔(L1 )を設定した状態で、こ
    れら両板部(10c、10d)をそれぞれ前記コルゲー
    トフィン(7)の折り曲げ頂部に接合し、 前記保持板(10)の内部にその開口部(10b)から
    前記電気発熱体(9)を電気絶縁して組み付け、 前記保持板(10)と前記電気発熱体(9)との間にグ
    リースを隙間なく充填したことを特徴とする暖房用熱交
    換器。
JP21886599A 1998-11-18 1999-08-02 暖房用熱交換器 Expired - Fee Related JP4085528B2 (ja)

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KR100981817B1 (ko) 2003-08-29 2010-09-13 자화전자 주식회사 자동차 공조장치용 전열히터

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