JP2000210346A - 人体用リフタ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベッドシーツ交換時に介護人やベッド上の人
にかかる負担を軽減することのできる人体用リフターを
提供する。 【解決手段】 シーツ等を交換すべく車椅子兼用ベッド
４上に横たわる人５を持ち上げる人体用リフター１を、
横たわる人５とベッド面６の間に挿入する可撓帯状の吊
り具７と、この吊り具７の両端をベッド面６より高い位
置に着脱自在に係止して吊り具７の端を巻き取る巻き上
げ装置８とで構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベッド上に横たわ
る人を持ち上げる人体用リフターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】介護用ベッドなど体の不自由な人のため
の多機能ベッドには、リクライニング機能を有するもの
や、車椅子に変態するものなど介護の負担軽減に資する
ものが種々開発されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ベッド
シーツの交換作業は、ベッド上に横たわる人を人手で部
分的に持ち上げたり移動させたりしながら行っており、
介護を行う人ばかりでなくベッド上の人にも負担をかけ
ている。

【０００４】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、ベッドシーツ交換時に介護人やベッド上の人にかか
る負担を軽減することのできる人体用リフターを提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、シーツ等を交換すべくベッド上に横たわる
人を持ち上げる人体用リフターを、横たわる人とベッド
面の間に挿入する可撓帯状の吊り具と、この吊り具の両
端をベッド面より高い位置に着脱自在に係止して吊り具
の端を巻き取る巻き上げ装置とで構成したものである。

【０００６】また、上記吊り具が、頭部を吊る頭部吊り
バンドと、尻部を吊る尻部吊りバンドと、脚部を吊る脚
部吊りバンドとからなり、上記巻き上げ装置が、ベッド
の一側に設けられ上記それぞれの吊りバンドの一端を着
脱自在に係止する支持フレームと、ベッドの他側に設け
られ上記それぞれの吊りバンドの他端を着脱自在に係止
して巻き取る巻取部とからなるものとするとよい。

【０００７】そして、上記吊り具が、尻部を吊る尻部吊
りバンドを備え、その尻部吊りバンドに、尻部外周を取
り囲んで受けるための開口部と、その開口部を閉じるべ
く開口部の両端を着脱自在に連結する留め金とを設ける
とよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を添付図
面に基づいて詳述する。

【０００９】図１に示すように、人体用リフター１は、
ベッド中央部２がベッド本体３から分離して車椅子とな
る車椅子兼用ベッド４に設けられており、横たわる人５
とベッド面６の間に挿入する可撓帯状の吊り具７と、こ
の吊り具７の両端をベッド面６より高い位置に着脱自在
に係止して吊り具７の端を巻き取る巻き上げ装置８とか
らなる。

【００１０】吊り具７は、頭部を吊る頭部吊りバンド９
と、尻部を吊る尻部吊りバンド１０と、脚部を吊る脚部
吊りバンド１１とからなる。

【００１１】それぞれの吊りバンド９，１０，１１は、
アクリル系の繊維で帯状に形成されており、長手方向の
両端を車椅子兼用ベッド４の幅方向へ向けて配されるよ
うになっている。また、それぞれの吊りバンド９，１
０，１１は、一端に後述する支持フレーム２０に掛ける
ための一対の第１フック１２を有し、他端に後述する巻
取ドラム２８，２９に掛けるための一対の第２フック１
３を有する。

【００１２】第１フック１２及び第２フック１３は、そ
れぞれ掛け爪（図示せず）を下方へ向けて形成されてお
り、吊りバンド９，１０，１１に幅方向（車椅子兼用ベ
ッド４の長手方向）に十分離間して設けられている。そ
して、このことによって車椅子兼用ベッド４上の人５を
面で支えることができるようになっている。

【００１３】図１及び図２に示すように、尻部吊りバン
ド１０は、尻部外周を取り囲んで受けるための開口部１
４と、その開口部１４を閉じるべく開口部１４の両端を
着脱自在に連結する留め金１５とを有する。

【００１４】開口部１４は、尻部吊りバンド１０の一側
を切り欠くと共にその切り欠きの奥をほぼ円形に拡げて
便座状に形成されており、開口部１４奥の縁に尻部を乗
せるようになっている。開口部１４は、尻部吊りバンド
１０のほぼ中央に形成されている。

【００１５】留め金１５は、開口部１４入口で互いに突
き合わされる端部の一方に第３フック１６を設け、か
つ、他方に第３フック１６を掛けるための掛け口１７を
設けて構成されている。

【００１６】第３フック１６は、掛け爪（図示せず）を
下方へ向けて形成されており、掛け口１７に上方から掛
けるようになっている。掛け口１７は、金属や硬質のプ
ラスチックなど剛性を有する板材に掛け爪を挿入するた
めの穴１８を形成して構成されている。

【００１７】また、尻部吊りバンド１０は、両端の中央
部にＵ字状の切り欠き１９，１９を有し、開口部１４上
に尻部を乗せたときに生じる尻部吊りバンド１０の歪み
や弛みを許容するようになっている。

【００１８】巻き上げ装置８は、車椅子兼用ベッド４の
一側に設けられそれぞれの吊りバンド９，１０，１１の
一端を着脱自在に係止する支持フレーム２０と、車椅子
兼用ベッド４の他側に設けられそれぞれの吊りバンド
９，１０，１１の他端を着脱自在に係止して巻き取る巻
取部２１とからなる。

【００１９】支持フレーム２０は、車椅子兼用ベッド４
の一側に上方に延びて起立するように設けられた柵状の
ものであり、金属製のパイプを組み付けて構成されてい
る。

【００２０】支持フレーム２０は、車椅子兼用ベッド４
から上方に延びる複数本の柱部２２と、柱部２２の上端
を掛け渡すようにして水平に形成される掛け部２３とか
らなり、掛け部２３に各吊りバンド９，１０，１１の第
１フック１２を掛けるようになっている。

【００２１】巻取部２１は、車椅子兼用ベッド４から上
方に延びる複数の支持部２４，２５，２６と、支持部２
４に回転自在に支持されるほぼ水平な回転軸２７と、回
転軸２７に設けられる巻取ドラム２８，２９とからな
る。

【００２２】支持部２４，２５，２６は、車椅子兼用ベ
ッド４から上方に延びる支持柱３０の上端に回転軸２７
を回転自在に支持する軸受け３３，３４，３５を形成し
てなるものであり、回転軸２７の両端と中間の２箇所を
支持するように配置されている。

【００２３】また、回転軸２７の一端を支持する支持部
２６には回転軸２７を回転させるための伝動装置３１が
設けられている。伝動装置３１は、ウォームギア機構で
構成されており、伝動装置３１内のウォームギア（図示
せず）はハンドル３２を介して手動で回転させるように
なっている。

【００２４】回転軸２７は、支持フレーム２０の掛け部
２３とほぼ同じ長さに形成されており、ハンドル３２を
回すことで回転されるようになっている。

【００２５】巻取ドラム２８，２９は、軸受け３３，３
４，３５間の回転軸２７に同軸上に、かつ、一体に設け
られており、回転軸２７と共に回転するようになってい
る。巻取ドラム２８，２９は、回転軸２７より大径の円
柱状に形成されており、外周には吊りバンド９，１０，
１１の第２フック１３を掛けるための掛け具３６が設け
られている。

【００２６】次に作用を述べる。

【００２７】ベッドシーツを交換する場合、まず、車椅
子兼用ベッド４上に横たわる人５とベッド面６との間に
吊り具７を挟み入れる。

【００２８】頭部吊りバンド９を頭の下に挟み入れると
きは、手で若干頭を持ち上げながら行い、脚部吊りバン
ド１１を脚の下に挟み入れるときは手で若干脚を持ち上
げながら行う。

【００２９】尻部吊りバンド１０を尻部の下に挟み入れ
るときは、一旦開口部１４両端を広げて開き、開口部１
４両端を尻部の外側を廻しながら開口部１４で尻部周囲
を取り囲むように開口部１４の両端を閉じ、第３フック
１６を掛け口１７に掛けて留める。このことにより、尻
部を持ち上げずとも尻部の外周下に尻部吊りバンド１０
を挟み入れることができ、介護人の負担を軽減すること
ができる。

【００３０】つぎに、それぞれの吊りバンド９，１０，
１１の第１フック１２を支持フレーム２０の掛け部２３
に掛け、第２フック１３を巻取ドラム２８，２９の掛け
具３６に掛ける。

【００３１】このとき、それぞれの吊りバンド９，１
０，１１は十分に長く、車椅子兼用ベッド４上に横たわ
る人５を動かすことなく容易に第１フック１２及び第２
フック１３を掛けることができる。

【００３２】この後、伝動装置３１のハンドル３２を回
し、各吊りバンド９，１０，１１を巻取ドラム２８，２
９に巻き取る。吊りバンド９，１０，１１が巻取ドラム
２８，２９に巻き取られると、吊りバンド９，１０，１
１は一端を支持フレーム２０の掛け部２３に掛けられて
いるため、車椅子兼用ベッド４上に垂れ下がって人とベ
ッド面６の間にある吊りバンド９，１０，１１の中央が
巻取部２１に若干近付きながら上昇され、車椅子兼用ベ
ッド４上に横たわる人５も上昇される。

【００３３】各吊りバンド９，１０，１１と尻部がベッ
ド面６から完全に離間されたら、ハンドル３２を回転さ
せるのを止め、ベッドシーツの交換作業を開始する。こ
のとき、回転軸２７はウォームギアで回転を規制されて
いるため、吊りバンド９，１０，１１で吊り上げられた
人５が自重で巻取ドラム２８，２９を回転させながら落
下することはなく、吊り上げられた状態のまま静止す
る。

【００３４】ベッドシーツの交換は、通常の場合と同様
に古いベッドシーツを剥ぎ取り、新しいベッドシーツを
吊りバンド９，１０，１１とベッド面６の間の間隙に通
しつつベッド面６上に敷く。

【００３５】ベッドシーツを交換したら、ハンドル３２
を回して各吊りバンド９，１０，１１を巻き戻し、車椅
子兼用ベッド４上に人５を降ろす。

【００３６】吊りバンド９，１０，１１を完全に巻き戻
したら、第１フック１２と第２フック１３を巻き上げ装
置８から取り外し、各吊りバンド９，１０，１１をベッ
ド面６上から取り去る。

【００３７】頭部吊りバンド９をベッド面６上から取り
去る場合、頭を手で持ち上げながら行い、脚部吊りバン
ド１１も同様に、脚部を手で持ち上げながら取り去る。

【００３８】尻部吊りバンド１０をベッド面６上から取
り去る場合、まず、掛け口１７から第３フック１６を取
り外し、開口部１４の両端を開きながら尻部吊りバンド
１０を尻部の下から抜き取る。このとき、尻部吊りバン
ド１０は尻部中央の下には敷かれておらず、尻部外周下
に挟まれているのみであるため、尻部を持ち上げずとも
容易に尻部吊りバンド１０を抜き取ることができる。

【００３９】このように、横たわる人５とベッド面６の
間に挿入する可撓帯状の吊り具７と、この吊り具７の両
端をベッド面６より高い位置に着脱自在に係止して吊り
具７の端を巻き取る巻き上げ装置８とで人体用リフター
１を構成したため、簡易な装置で介護人や車椅子兼用ベ
ッド４上の人５にかかる負担を軽減することができる。

【００４０】また、吊り具７を、頭部吊りバンド９と、
尻部吊りバンド１０と、脚部吊りバンド１１とで構成し
たため、寝たきりの人でも安全かつ容易に持ち上げるこ
とができる。

【００４１】そして、巻き上げ装置８を支持フレーム２
０と巻取部２１とで構成し、車椅子兼用ベッド４の両側
に対向して設けるものとしたため、車椅子兼用ベッド４
に人体用リフター１の機能を集約することができ、コン
パクトなものにできる。

【００４２】なお、伝動装置３１はハンドル３２を介し
て手動で回すものに限るものではなく、ウォームギアを
モータ（図示せず）で回すものとしてもよい。

【００４３】また、車椅子兼用ベッド４に人体用リフタ
ー１を設けるものについて述べたが、これに限るもので
はなく、他の一般的なベッドに設けてもよい。

【００４４】そして、支持フレーム２０と巻取部２１
は、車椅子兼用ベッド４に固定するものとしたが、着脱
自在なものとしてもよく、車椅子兼用ベッド４内に折り
畳み式に、或いは出没式に収納可能なものとしてもよ
い。

【００４５】また、巻取ドラム２８，２９は、回転軸２
７に沿って移動調節可能なものとしてもよい。このよう
にすることにより、各吊りバンド９，１０，１１を寝て
いる人５に合わせて装着することができる。回転軸２７
にキー溝（図示せず）を形成し、巻取ドラム２８，２９
にキー溝に係合する突起（図示せず）を形成するなどす
るとよい。

【００４６】次に他の実施の形態について述べる。

【００４７】図３に示す人体用リフター４０は、比較的
動くことのできる人のためのものであり、車椅子兼用ベ
ッド４を変形させて座った状態の人を持ち上げるための
ものである。

【００４８】上述の人体用リフター１との相違点は、吊
り具４１を尻部吊りバンド１０のみで構成し、巻き上げ
装置４２も尻部吊りバンド１０のみを巻き上げるように
した点にある。

【００４９】巻き上げ装置４２は、車椅子兼用ベッド４
の一側に設けられ尻部吊りバンド１０の一端を着脱自在
に係止する支持フレーム４３と、車椅子兼用ベッド４の
他側に設けられ尻部吊りバンド１０の他端を着脱自在に
係止して巻き取る巻取部４４とからなる。

【００５０】支持フレーム４３は、金属製のパイプの両
端を下方に折り曲げて形成されており、中央部に尻部吊
りバンド１０の第１フック１２を掛けるための掛け部４
５が形成されている。

【００５１】巻取部４４は、車椅子兼用ベッド４から上
方に延びる２本の支持部４６，４７と、支持部４６，４
７に両端を回転自在に支持されるほぼ水平な回転軸４８
と、回転軸４８に設けられる巻取ドラム２９とからな
る。

【００５２】支持部４６，４７は、回転軸４８の両端を
支持するように配置されている。

【００５３】また、回転軸４８の一端を支持する支持部
４６には回転軸４８を回転させるための伝動装置３１が
設けられている。

【００５４】巻取ドラム２９は、回転軸４８に同軸上
に、かつ、一体に設けられており、回転軸４８と共に回
転するようになっている。

【００５５】作用を述べる。

【００５６】シーツの交換は、まず、図４に示すように
車椅子兼用ベッド４の背もたれ４９を起こし、車椅子兼
用ベッド４を車椅子に変形させるなどして車椅子兼用ベ
ッド４上に横たわる人５を車椅子兼用ベッド４上に座る
状態にした後、上述の実施の形態と同様の手順で尻部吊
りバンド１０を尻部の下に挟み入れて行う。

【００５７】つぎに、尻部吊りバンド１０の第１フック
１２を支持フレーム２０の掛け部４５に掛け、第２フッ
ク１３を巻取ドラム２９の掛け具３６に掛ける。

【００５８】この後、伝動装置３１のハンドル３２を回
し、尻部吊りバンド１０を巻取ドラム２９に巻き取る。
尻部吊りバンド１０は上昇され、尻部吊りバンド１０上
に座る人５も座った状態のまま上昇される。

【００５９】尻部吊りバンド１０と尻部がベッド面６か
ら完全に離間されたら、ハンドル３２を回転させるのを
止め、ベッドシーツの交換作業を開始する。

【００６０】このように、吊り具４１を尻部吊りバンド
１０のみで構成したため、人体用リフター４０を小型化
することができ、容易にベッドシーツを交換することが
できる。

【００６１】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を奏する。

【００６２】（１）ベッド上に横たわる人を容易に持ち
上げることができ、容易にベッドシーツを交換できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適実施の形態を示す人体用リフター
の斜視図である。

【図２】図１の要部拡大平面図である。

【図３】他の実施の形態を示す人体用リフターの斜視図
である。

【図４】図３の使用状態の説明図である。

【符号の説明】

１ 人体用リフター ４ 車椅子兼用ベッド ６ ベッド面 ７ 吊り具 ８ 巻き上げ装置 ９ 頭部吊りバンド １０ 尻部吊りバンド １１ 脚部吊りバンド １４ 開口部 １５ 留め金 ２０ 支持フレーム ２１ 巻取部 ４１ 吊り具 ４２ 巻き上げ装置 ４３ 支持フレーム ４４ 巻取部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シーツ等を交換すべくベッド上に横たわ
   る人を持ち上げる人体用リフターにおいて、横たわる人
   とベッド面の間に挿入する可撓帯状の吊り具と、この吊
   り具の両端をベッド面より高い位置に着脱自在に係止し
   て吊り具の端を巻き取る巻き上げ装置とからなることを
   特徴とする人体用リフター。
2. 【請求項２】 上記吊り具が、頭部を吊る頭部吊りバン
   ドと、尻部を吊る尻部吊りバンドと、脚部を吊る脚部吊
   りバンドとからなり、上記巻き上げ装置が、ベッドの一
   側に設けられ上記それぞれの吊りバンドの一端を着脱自
   在に係止する支持フレームと、ベッドの他側に設けられ
   上記それぞれの吊りバンドの他端を着脱自在に係止して
   巻き取る巻取部とからなる請求項１に記載の人体用リフ
   ター。
3. 【請求項３】 上記吊り具が、尻部を吊る尻部吊りバン
   ドを備え、その尻部吊りバンドに、尻部外周を取り囲ん
   で受けるための開口部と、その開口部を閉じるべく開口
   部の両端を着脱自在に連結する留め金とを設けた請求項
   １又は２に記載の人体用リフター。