JP2000208305A - バリスタの製造方法 - Google Patents
バリスタの製造方法Info
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Abstract
ことができるバリスタの製造方法を提供する。 【解決手段】 積層型のバリスタ10はバリスタ素体1
2を含む。バリスタ素体12はセラミック体14を有
し、セラミック体14中には多数の内部電極16,1
6,・・が形成される。このバリスタ素体12は、酸化
亜鉛を主成分とするグリーンシートなどの積層体を焼結
することによって形成される。バリスタ素体12には、
2つの外部電極18,18が、水蒸気濃度が2g/m3
以下の雰囲気中で焼き付けられる。
Description
法に関し、特にたとえば単板型のバリスタや積層型のバ
リスタなどのバリスタの製造方法に関する。
り、素子のチップ化や高周波化が進んでおり、多くの小
型の積層型セラミックチップ部品が使用されている。バ
リスタについても例外ではなくチップ化が進んでいる。
また、近年、PL法に伴う製造物責任・製造者責任の強
化により、商品の安全性とりわけ寿命特性に対し、より
よい特性が望まれるようになってきた。このような積層
型セラミックバリスタを製造するためのバリスタの製造
方法では、セラミック材料と内部電極との積層工程およ
び焼成工程や外部電極の取付工程を有し、さらに、外装
部をコーティングする工程を有する場合もある。
おいて、焼成後の工程とりわけ数100℃で熱処理を行
う工程を経過した後、バリスタの寿命特性が悪化する現
象がある。これらの熱処理工程において、セラミック材
料中のBiの変化等が研究されているが、バリスタの寿
命特性が悪化する原因は解明されていない。
命特性の優れたバリスタを安価に製造することができる
バリスタの製造方法を提供することである。
タの製造方法は、酸化亜鉛を主成分とするバリスタの製
造方法において、バリスタ素体の焼成後、雰囲気中の水
蒸気濃度を2g/m3以下で熱処理することを特徴とす
る、バリスタの製造方法である。この発明にかかるバリ
スタの製造方法は、たとえば、雰囲気中の水蒸気濃度を
2g/m3 以下で外部電極を焼き付けることを特徴とす
る。この発明にかかるバリスタの製造方法は、たとえ
ば、積層型のバリスタの外装部に、雰囲気中の水蒸気濃
度を2g/m3 以下で高抵抗物または高抵抗を形成する
物質を焼き付けることを特徴とする。
は、バリスタ素子の焼成後において外部電極の焼き付け
に必要な熱処理工程や外装部に高抵抗化物または高抵抗
を形成する物質の焼き付けに必要な熱処理工程に着目
し、かつ、これらの熱処理時の周囲雰囲気に着目した。
この結果、雰囲気中の水蒸気濃度がバリスタの寿命特性
を悪化させる要因であることを見出した。検討をした結
果、上記の熱処理時の雰囲気中の水蒸気濃度を2g/m
3 以下におさえることで、寿命特性の悪化を防止するこ
とができることが判明した。また、この水蒸気の影響が
300℃未満では起こらないことを確認した。ただし、
この熱処理時間が数時間と長い場合には、300℃未満
でも寿命特性の劣化が生じる場合がある。しかし、この
ような長い工程は通常用いられないため、問題とはなら
ない。以上をまとめると、焼成後の300℃以上で熱処
理を施す工程において、水蒸気濃度を2g/m3 以下と
することでバリスタの寿命特性を安定化することができ
る。この効果は、酸化亜鉛を主成分としたセラミックな
どからなる積層型のバリスタだけではなく、同じように
酸化亜鉛を主成分とする単板型のバリスタにおいても奏
する。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
対し、AlがAl2 O3 に換算して100ppm、Bi
がBi2 O3 に換算して1.0mol%、CoがCo2
O3 に換算して0.5mol%、MnがMnOに換算し
て0.5mol%、SbがSbO3/2 に換算して0.5
mol%、YがY2 O3 に換算して1.0mol%、S
iがSiO2 に換算して0.2mol%、BがB2 O3
に換算して0.2mol%を配合し、ボールミルで60
時間混合・粉砕した後、脱水を行い、乾燥後#60のふ
るいで造粒して、粉体を得た。この粉体を750℃で2
時間仮焼し、できあがった仮焼物を粗粉砕した後、ボー
ルミルで再度混合・粉砕して、スラリーを得た。このス
ラリーを脱水・乾燥して、粉体を得た。
加え、厚さ50μmのシートを成形した。このシートを
所定の大きさに打ち抜いて、多数のグリーンシートを得
た。そして、図1に示すように、一部のグリーンシート
1の一部にAgPd(Ag:Pd=9:1)電極ペース
ト2をスクリーン印刷法で印刷した。そして、これらの
グリーンシートを所定の順・方向に積層し、積層体を得
た。
で樹脂分を分解、放出させた後、850℃〜900℃で
3時間焼成して焼結体(バリスタ素体)を得た。
1〜6時間、水蒸気を0.3〜10g/m3 含むエアー
気流中で熱処理し、その後、外部電極を塗布して、試料
(図2に示す積層型のバリスタ10)を作製した。な
お、図2に示す積層型のバリスタ10は、上述の焼結体
であるバリスタ素体12を含む。バリスタ素体12は、
上述のグリーンシートを焼結したセラミック体14を有
する。セラミック体14中には、上述のAgPd電極ペ
ーストからなる多数の内部電極16,16,・・が形成
されている。また、バリスタ素体12の両側面には、2
つの外部電極18,18がそれぞれ形成されている。2
つの外部電極18,18は、複数の内部電極16,1
6,・・に交互に接続されている。
ら他方の外部電極に1mAおよび10mAの電流を流
し、2つの外部電極間の電圧を測定することにより、バ
リスタ電圧(V1mA)およびαを測定した。バリスタ
電圧(V1mA)は、試料の一方の外部電極から他方の
外部電極に1mAの電流を流しているときの試料の2つ
の外部電極間の電圧であり、αはα=1/log(V1
0mA/V1mA)の式により算出した値である。な
お、式中のV10mAは、試料の一方の外部電極から他
方の外部電極に10mAの電流を流しているときの試料
の2つの外部電極間の電圧である。また、試料の寿命特
性として、試料を85℃の恒温槽中に入れ、上記のよう
に測定したバリスタ電圧(V1mA)の85%のDC電
圧を印加し、200時間後に試料を取り出し、1時間常
温で放置した後、同様にバリスタ電圧およびαを測定し
て、恒温槽中に投入する前のデータと比較して、バリス
タ電圧の変化率ΔV1mAを計算した。この結果を図3
および図4に示す。
600℃1時間、水蒸気濃度0.9、2.0、4.5g
/m3 で焼き付けた試料1(積層型のバリスタ)と、試
料1の外装にガラスを塗布し外部電極を焼き付けた温度
・条件と同じ温度・条件で焼き付けた試料2(積層型の
バリスタ)とを作製し、試料の寿命特性と同様に、試料
1および試料2の寿命特性を確認した。この結果を図5
に示す。
に酢酸ビニルをバインダとして加え、2t/cm2 の圧
力で直径10mm、厚み0.5mmの成形体を作製し、
1250℃で2時間焼成して、焼結体を作製した。この
焼結体の両面にAgペーストを塗布し、650℃で焼き
付けて2つの外部電極を形成して、試料3(単板型のバ
リスタ)を作製した。この時の焼き付けの雰囲気を上記
の水蒸気濃度と同じく0.9、2.0、4.5g/m3
にした。この試料3についての結果も図5に示す。
理温度が高く、かつ、水蒸気濃度が高いほどバリスタ電
圧の劣化が大きくなる。熱処理温度が200℃以下では
水蒸気濃度の影響は無視できる程度であるが、熱処理温
度が300℃以上となると水蒸気濃度の影響が顕著にな
る。この水蒸気濃度によるバリスタ電圧の変化は、酸化
亜鉛を主成分とするバリスタの粒界の酸素欠陥へ、水分
が吸着され、高温で電解の負荷がかかったとき、乖離す
ることが原因と見られる。水分は高温になればなるほど
粒界に拡散し、粒界に吸着する量が増加すると見られ、
この対策のためには、より低温での熱処理(電極の焼き
付け等)や水蒸気濃度を極力下げた雰囲気下での熱処理
を行うことが有効である。
うに、焼成後の300℃以上での熱処理は2g/m3 以
下の水蒸気濃度で行うことが望ましい。水蒸気濃度を2
g/m3 とした理由は、200時間の寿命特性におい
て、600℃で6時間以下のキープ時間を有する熱処理
においてバリスタ電圧の変化率が3%未満であることを
基準としたからである。この条件以上の長時間の熱処理
はコスト等がかかり、有効ではなく、また、通常必要と
されない熱処理時間である。バリスタ電圧の変化率が3
%以下の基準は、寿命特性として、一般に1000時間
で10%以下という基準があり、加速性を考え、3%が
基準を1000時間での満たす下限値であると判断した
ためである。
ミックなどからなるバリスタに対応すると考えられるた
め、この発明は、積層型のバリスタや単板型のバリスタ
に限定されるものではない。ただし、材料組成や焼成の
条件により、効果の度合いは変化すると考えられる。
リスタを安価に製造することができる。
を塗布した状態を示す平面図である。
る。
性に与える影響との関係を示すグラフである。
性に与える影響との関係を示すグラフである。
度と寿命特性との関係を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化亜鉛を主成分とするバリスタの製造
方法において、バリスタ素体の焼成後、雰囲気中の水蒸
気濃度を2g/m3 以下で熱処理することを特徴とす
る、バリスタの製造方法。 - 【請求項2】 雰囲気中の水蒸気濃度を2g/m3 以下
で外部電極を焼き付けることを特徴とする、請求項1に
記載のバリスタの製造方法。 - 【請求項3】 積層型の前記バリスタの外装部に、雰囲
気中の水蒸気濃度を2g/m3 以下で高抵抗物または高
抵抗を形成する物質を焼き付けることを特徴とする、請
求項1に記載のバリスタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00410499A JP4029160B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | バリスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP00410499A JP4029160B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | バリスタの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000208305A true JP2000208305A (ja) | 2000-07-28 |
JP4029160B2 JP4029160B2 (ja) | 2008-01-09 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00410499A Expired - Fee Related JP4029160B2 (ja) | 1999-01-11 | 1999-01-11 | バリスタの製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4029160B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100709913B1 (ko) | 2003-10-22 | 2007-04-24 | 티디케이가부시기가이샤 | 적층형 칩 배리스터, 이의 제조방법 및 적층형 소자 |
-
1999
- 1999-01-11 JP JP00410499A patent/JP4029160B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100709913B1 (ko) | 2003-10-22 | 2007-04-24 | 티디케이가부시기가이샤 | 적층형 칩 배리스터, 이의 제조방법 및 적층형 소자 |
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---|---|
JP4029160B2 (ja) | 2008-01-09 |
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