JP2000207780A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2000207780A
JP2000207780A JP11007997A JP799799A JP2000207780A JP 2000207780 A JP2000207780 A JP 2000207780A JP 11007997 A JP11007997 A JP 11007997A JP 799799 A JP799799 A JP 799799A JP 2000207780 A JP2000207780 A JP 2000207780A
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layer
ultraviolet
disk
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JP11007997A
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Kozaburo Hayashi
宏三郎 林
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Dexerials Corp
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Sony Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤層によ
り2枚のディスクが貼り合わされた片面記録タイプの光
記録媒体又は両面記録タイプの光記録媒体において、紫
外線硬化型のカチオン重合性接着剤層とそれに接触する
紫外線硬化インク層(装飾層もしくは有機保護層)との
間の密着力を更に向上させる。 【解決手段】 第1基板1上に光記録層2が形成された
光記録ディスク3と、第2基板4上に光記録層が形成さ
れてもよいダミーディスク6とが、第1基板1と第2基
板4とが外側となるように紫外線硬化型のカチオン重合
性の接着剤層7で貼り合わされてなる光記録媒体におい
て、光記録ディスク3と接着剤層7との間及びダミーデ
ィスク6と接着剤層7との間の少なくともいずれかの間
に紫外線硬化インク層5が形成されている場合に、その
紫外線硬化インク層5の表面抵抗値を1.0×1014Ω
以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DVD(デジタル
ビデオディスク)等の光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】最近注目されている光記録媒体として
は、光記録ディスクにダミーディスクを貼り合わせた片
面DVD等の片面記録タイプの光記録媒体(特開平9−
147428号公報)や、2枚の光記録ディスクを貼り
合わせた両面DVD等の両面記録タイプの光記録媒体
(特開平7−126577号公報)が挙げられる。
【0003】片面記録タイプの光記録媒体は、図1に示
すように、第1基板1上に光記録層2が形成された光記
録ディスク3と、第2基板4上に光記録媒体の装飾層あ
るいはレーベル印刷層として機能する紫外線硬化インク
層5が形成されたダミーディスク6とが、接着剤層7に
より第1基板1と第2基板4とが外側になるように貼り
合わされた構造を有する。また、図2に示すように、紫
外線硬化インク層5が第2基板4側から装飾インク層5
aと白色インク層5bとの多層構造となっている場合
や、更に光記録層2上に有機保護層として紫外線硬化イ
ンク層8が形成されている場合もある。
【0004】ところで、光記録ディスク3とダミーディ
スク6とを貼り合わせる際、紫外線硬化型のカチオン重
合性接着剤をスクリーン印刷法等により成膜した接着剤
層7を介して貼り合わせることが提案されている(特開
平9−249734号公報)。このようなカチオン重合
性接着剤は遅硬化性であるので、紫外線照射の後にでも
光記録ディスク3とダミーディスク6とを貼り合わせる
ことができる。しかも重合時の収縮率が小さいので、光
記録媒体における反りの発生を大きく抑制することがで
きる。
【0005】また、両面記録タイプの光記録媒体は、図
3に示すように、第1基板31上に第1光記録層32及
びその上に有機保護層として第1紫外線硬化インク層3
3が形成された第1光記録ディスク34と、第2基板3
5上に第2光記録層36が形成された第2光記録ディス
ク37とが、接着剤層38により第1基板31と第2基
板35とが外側となるように貼り合わされた構造を有す
る。また、一般的には、第2光記録ディスク37の第2
光記録層36上にも有機保護層として第2紫外線硬化イ
ンク層39が形成されている(図4参照)。このような
両面記録タイプの光記録媒体の場合も、第1光記録ディ
スク34と第2光記録ディスク37とを貼り合わせる際
に、紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤が使用されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うな片面記録タイプの光記録媒体の製造時に、遅硬化性
の紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤を使用して光記
録ディスク3とダミーディスク6とを貼り合わせた場
合、紫外線硬化インク層5及び紫外線硬化インク層層8
に対する接着剤層7の密着力は基本的には十分である
が、光記録媒体の普及に伴い、接着剤層7の密着力を更
に向上させることが強く求められている。
【0007】同様に、上述した両面記録タイプの光記録
媒体においても、第1紫外線硬化インク層33及び第2
紫外線硬化インク層39に対する紫外線硬化型のカチオ
ン重合性接着剤からなる接着剤層38の密着力を更に向
上させることが強く求められている。
【0008】本発明は、以上の従来の技術の課題を解決
しようとするものであり、紫外線硬化型のカチオン重合
性接着剤からなる接着剤層により2枚のディスクが貼り
合わされた片面記録タイプの光記録媒体又は両面記録タ
イプの光記録媒体において、接着剤層とそれに接触する
紫外線硬化インク層(装飾層もしくは有機保護層)との
間の密着力を更に向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、紫外線硬化
型のカチオン重合性接着剤からなる接着剤層に接触する
紫外線硬化インク層の表面抵抗値を、特定の値以上に設
定することにより、接着剤層の密着力が大きく向上する
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は、第1基板上に光記録層が
形成された第1ディスクと、第2基板上に光記録層が形
成されてもよい第2ディスクとが、第1基板と第2基板
とが外側となるように紫外線硬化型のカチオン重合性接
着剤からなる接着剤層で貼り合わされてなる光記録媒体
において、第1ディスクと接着剤層との間及び第2ディ
スクと接着剤層との間の少なくともいずれかの間に紫外
線硬化インク層が形成されており、且つその紫外線硬化
インク層の表面抵抗値が1.0×1014Ω以上であるこ
とを特徴とする光記録媒体を提供する。
【0011】ここで、光記録層が、第1ディスクのみに
存在する場合は片面記録タイプの光記録媒体であり、第
1ディスクだけでなく第2ディスクにも存在する場合に
は両面記録タイプの光記録媒体となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の片面記録タイプの光記録媒体は、
従来の片面記録タイプの光記録媒体と同様の層構造を有
しており、図1に示すように、第1基板1上に光記録層
2が形成された光記録ディスク3と、第2基板4上に、
光記録層を形成せずに、紫外線硬化型のラジカル重合性
インク組成物等を塗布し硬化させて成膜した装飾層とし
ての紫外線硬化インク層5(光記録媒体の装飾あるいは
レーベル印刷として機能)が形成されたダミーディスク
6とが、紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤からなる
接着剤層7により第1基板1と第2基板4とが外側にな
るように貼り合わされた構造を有する。
【0014】なお、装飾層としての紫外線硬化インク層
5には、公知の顔料や染料、更に必要に応じて界面活性
剤や分散剤等が含有されている。
【0015】また、図2に示すように、紫外線硬化イン
ク層5が第2基板4側から装飾インク層5aと白色イン
ク層5bとの多層構造となっている場合や、更に光記録
層2上に光記録層2を保護する有機保護層として、紫外
線硬化型のラジカル重合性インク組成物を塗布し硬化さ
せて成膜した紫外線硬化インク層8が形成されている場
合もある。
【0016】なお、有機保護層としての紫外線硬化イン
ク層8には、通常、顔料や染料を含有させず、成膜性を
向上させるためのレベリング剤等を含有させる。
【0017】このような構造を有する本発明の片面記録
タイプの光記録媒体においては、紫外線の照射により硬
化した紫外線硬化インク層5(並びに紫外線硬化インク
層8)の表面抵抗値が1.0×1014Ω以上となってい
る。このような高い表面抵抗値を有する紫外線硬化イン
ク層5(並びに紫外線硬化インク層8)に対しては、紫
外線硬化型のカチオン重合性接着剤からなる接着剤層7
が良好に密着することができる。反対に紫外線の照射に
より硬化した紫外線硬化インク層5(並びに紫外線硬化
インク層8)の表面抵抗値が1.0×1014Ω未満であ
ると、それらと接着剤層7との間の密着性が不十分とな
る。
【0018】この理由は明確ではないが、高い表面抵抗
値を示すことは、カチオン重合を阻害するようなイオン
性物質(例えば、塩類、金属酸化物等)の紫外線硬化イ
ンク層5(並びに紫外線硬化インク層8)の表面におけ
る濃度が低いことを意味し、そのためにカチオン重合反
応が阻害されることなく進行するためであると考えられ
る。
【0019】硬化後の紫外線硬化インク層5(並びに紫
外線硬化インク層8)の表面抵抗値の調整は、例えば、
使用する紫外線硬化型のラジカル重合性インク組成物に
添加するイオン性物質の種類や量を加減することにより
行うことができる。
【0020】なお、硬化した紫外線硬化インク層5(並
びに紫外線硬化インク層8)の表面張力は、低すぎると
紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤で濡れにくくなる
ので、好ましくは400μN/cm以上、より好ましく
は450μN/cm以上に調整する。表面張力の調整
は、レベリング剤等の添加により行うことができる。
【0021】紫外線硬化インク層5は、紫外線の照射に
より硬化可能な成膜成分(例えば、ウレタンアクリレー
トオリゴマー、エポキシアクリレートオリゴマー、アク
リル系モノマーや他のモノマー(例えば、「紫外線硬化
システム(p259−302(光重合性モノマーの一覧
表))第2版」、加藤清視著、総合技術センター発行
(平成2年))と、着色成分(例えば、カーミン6B、
フタロシアニンブルー等の有機顔料、二酸化チタン等の
白色顔料)と、充填剤(例えば、クレイ、タルク等)
と、光重合開始剤(例えば、アセトフェノン系光重合開
始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、前述の「紫外線
硬化システム(p102−115(光重合開始剤一覧
表))」参照))と、必要に応じてレベリング剤(例え
ば、フッ素系レベリング剤等)とを均一に混合して得ら
れる紫外線硬化型のラジカル重合性インク組成物を、ス
クリーン印刷法等により第2基板4上に塗工し、紫外線
を照射することにより形成することができる。
【0022】また、有機保護層としての紫外線硬化イン
ク層8は、紫外線硬化インク層5の場合と同様に、紫外
線の照射により硬化可能な成膜成分と、必要に応じてレ
ベリング剤(例えば、フッ素系レベリング剤等)とを均
一に混合して得られる紫外線硬化型のラジカル重合性イ
ンク組成物(例えば、SK5110、ソニーケミカル社
製)をスクリーン印刷法等により光記録ディスク3の光
記録層2上に塗工し、紫外線を照射することにより形成
することができる。
【0023】紫外線硬化インク層5(並びに紫外線硬化
インク層8)の厚みは、特に限定されないが、通常5〜
20μmである。
【0024】なお、図2に示すように、紫外線硬化イン
ク層5を第2基板4側から装飾インク層5aと白色イン
ク層5bとの多層構造とする場合、装飾インク層5aと
しては、カーボンインクを用いてオフセット印刷法又は
スクリーン印刷法により成膜したものを挙げることがで
きる。また、基板に受容層を形成することが許容される
場合には、インクジェット記録方法あるいは昇華型熱転
写記録方法等により形成したものを装飾インク層5aと
して使用することもできる。白色インク層5bは、顔料
として白色顔料を必ず使用する以外、前述の紫外線硬化
インク層5と同様な構成とすることができる。
【0025】装飾インク層5a及び白色インク層5bの
厚みは、前述した紫外線硬化インク層5の厚みの範囲中
で適宜選択することができる。
【0026】本発明の光記録媒体において、接着剤層7
は、遅硬化性の紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤を
成膜したものである。このような紫外線硬化型のカチオ
ン重合性接着剤としては、公知のものを使用することが
でき、例えば、特開平9−249734号公報の請求項
1並びに段落(0015)〜(0025)に開示された
エポキシ樹脂組成物を好ましく使用することができる。
【0027】接着剤層7の厚みは、特に限定されない
が、通常5〜100μmである。
【0028】接着剤層7は、紫外線硬化型のカチオン重
合性接着剤を必要に応じて溶媒にて適当な粘度に調整し
た後に、スピンコート法あるいはスクリーン印刷法によ
り、光記録ディスク3の光記録層2(もしくは紫外線硬
化インク層8)上に又はダミーディスク6の紫外線硬化
インク層5上に成膜したものである。この接着剤層7で
光記録ディスク3とダミーディスク6とを貼り合わる場
合、接着剤層7に紫外線を照射して遅硬化性のカチオン
重合反応を開始させた後に貼り合わせる。
【0029】図1及び図2に示したような片面記録タイ
プの光記録媒体の他の構成、即ち、光記録ディスク3を
構成する第1基板1、光記録層2、ダミーディスク6を
構成する第2基板4等については、従来の光記録媒体と
同様の構成とすることができる。例えば、第1基板1及
び第2基板4としては、透明なポリカーボネートディス
クを好ましく使用することができる。また、光記録層2
としては、アルミ薄膜、金薄膜、銀薄膜等に微小ピット
が形成された金属層等を使用することができる。微小ピ
ットの形成方法は常法に従って行うことができる。
【0030】次に、本発明の両面記録タイプの光記録媒
体について説明する。
【0031】本発明の両面記録タイプの光記録媒体は、
従来の両面記録タイプの光記録媒体と同様の層構造を有
しており、図3に示すように、第1基板31上に第1光
記録層32、及びその上に紫外線硬化型のラジカル重合
性インク組成物を塗布し硬化させて成膜した有機保護層
としての第1紫外線硬化インク層33が形成された第1
光記録ディスク34と、第2基板35上に第2光記録層
36が形成された第2光記録ディスク37とが、紫外線
硬化型のカチオン重合性接着剤からなる接着剤層38に
より第1基板31と第2基板35とが外側となるように
貼り合わされた構造を有する。また、一般的には、第2
光記録ディスク37の第2光記録層36上にも有機保護
層として第2紫外線硬化インク層39が形成されている
(図4参照)。
【0032】このような構造を有する本発明の両面記録
タイプの光記録媒体においても、図1及び図2において
説明した本発明の片面記録タイプの光記録媒体と同様
に、紫外線の照射により硬化した第1紫外線硬化インク
層33(並びに第2紫外線硬化インク層39)の表面抵
抗値が1.0×1014Ω以上となっている。これにより
接着剤層38と第1紫外線硬化インク層33(並びに第
2紫外線硬化インク層39)とを良好に密着させること
ができる。
【0033】なお、両面記録タイプの光記録媒体の各構
成要素は、片面記録タイプの光記録媒体の対応する構成
要素と同様のものを使用することができる。
【0034】本発明の光記録媒体は、以下に説明するよ
うに製造することができる。この場合、インク組成物の
塗布方法、紫外線照射条件(光源、波長、出力、温度
等)等の製造条件については、公知の装置や技術を適宜
利用することができる。
【0035】(図1に示す片面記録タイプの光記録媒体
の製造例)まず、第2基板上に装飾層形成用の紫外線硬
化型のラジカル重合性インク組成物を塗布した後に、紫
外線を照射して硬化させて紫外線硬化装飾インク層を形
成することによりダミーディスクを作成する。そして更
にその上に紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤を成膜
した後、紫外線を照射し、遅硬化性のカチオン重合性接
着剤のカチオン重合反応を開始させる。次に、カチオン
重合反応進行中のカチオン重合性接着剤層の成膜面に、
予め光記録層が第1基板上に設けられた光記録ディスク
の当該光記録層を貼り合わせ、その状態でカチオン重合
性接着剤層のカチオン重合反応を完遂させ、接着剤層を
硬化形成する。これにより図1に示す光記録媒体が得ら
れる。
【0036】(図2に示す片面記録タイプの光記録媒体
の製造例)まず、第2基板上に予め設けられた装飾イン
ク層の上に紫外線硬化型のラジカル重合性白色インク組
成物を塗布し、紫外線を照射して硬化させて2層構造の
紫外線硬化装飾インク層を形成することによりダミーデ
ィスクを作成する。更にその上に紫外線硬化型のカチオ
ン重合性接着剤を成膜し、遅硬化性のカチオン重合性接
着剤のカチオン重合反応を開始させる。このダミーディ
スクとは別に、第1基板上に予め設けられた光記録層の
上に紫外線硬化型のラジカル重合性有機保護インク組成
物を塗布し、紫外線を照射して硬化させて紫外線硬化有
機保護インク層を形成することにより光記録ディスクを
作成する。そして、この光記録ディスクの紫外線硬化有
機保護インク層面を、ダミーディスクのカチオン重合反
応進行中のカチオン重合性接着剤層の成膜面に貼り合わ
せ、その状態でカチオン重合性接着剤層のカチオン重合
反応を完遂させ、接着剤層を硬化形成する。これによ
り、図2に示す光記録媒体が得られる。
【0037】(図3に示す両面記録タイプの光記録媒体
の製造例)まず、第1基板上に予め設けられた第1光記
録層の上に紫外線硬化型のラジカル重合性有機保護イン
ク組成物を塗布し、紫外線を照射して硬化させて紫外線
硬化有機保護インク層を形成することにより第1光記録
ディスクを作成する。更にその上に紫外線硬化型のカチ
オン重合性接着剤を成膜し、遅硬化性のカチオン重合性
接着剤のカチオン重合反応を開始させる。このカチオン
重合反応進行中のカオチン重合性接着剤層の成膜面に、
予め第2光記録層が第2基板上に設けられた第2光記録
ディスクの当該第2光記録層を貼り合わせ、その状態で
カチオン重合性接着剤層のカチオン重合反応を完遂さ
せ、接着剤層を硬化形成する。これにより図3に示す光
記録媒体が得られる。
【0038】(図4に示す両面記録タイプの光記録媒体
の製造例)まず、第1基板上に予め設けられた第1光記
録層の上に紫外線硬化型のラジカル重合性有機保護イン
ク組成物を塗布し、紫外線を照射して硬化させて紫外線
硬化有機保護インク層を形成することにより第1光記録
ディスクを作成する。更にその上に紫外線硬化型のカチ
オン重合性接着剤を成膜し、遅硬化性のカチオン重合性
接着剤のカチオン重合反応を開始させる。これとは別
に、第2基板上に予め設けられた第2光記録層の上に紫
外線硬化型のラジカル重合性有機保護インク組成物を塗
布し、紫外線を照射して硬化させて紫外線硬化有機保護
インク層を形成することにより第2光記録ディスクを作
成する。この第2光記録ディスクの紫外線硬化有機保護
インク層面を、第1光記録ディスクのカチオン重合反応
進行中のカオチン重合性接着剤層の成膜面に貼り合わ
せ、その状態でカチオン重合性接着剤層のカチオン重合
反応を完遂させ、接着剤層を硬化形成する。これにより
図4に示す光記録媒体が得られる。
【0039】以上のようにして得られる光記録媒体は、
紫外線硬化インク層とカチオン重合性接着剤層との密着
性が非常に良好であり、機械的性質に優れ、記録安定性
にも優れた光記録媒体であり、DVDとして非常にすぐ
れた性能を発揮できる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、以下の実施例においては、紫外線硬化インク
層と紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤との密着力を
評価するために、装飾インク層及び光記録層は設けなか
った。
【0041】実施例1〜4、及び比較例1,2 (評価用媒体の作成)厚さ0.6mmで直径120mm
のポリカーボネート製透明基板に、表1の組成の紫外線
硬化型ラジカル重合性インク組成物をスクリーン印刷に
より10μm厚に塗布し、ラジカル重合させるために紫
外線を照射し硬化させ、紫外線硬化インク層を形成し、
2枚のダミーディスクを作成した。
【0042】次に、一方のダミーディスクの紫外線硬化
インク層上に、スルホニウム塩を使用した市販の紫外線
硬化型のカチオン重合性接着剤を、加熱溶解後に三本ロ
ールにより混合し、スクリーン印刷により40μm厚と
なるように成膜した。
【0043】次いで、カチオン重合性接着剤の成膜面か
ら800mJ/cm2のエネルギー密度でメタルハロゲ
ンランプより紫外線を照射して、遅硬化性のカチオン重
合性接着剤のカチオン重合反応を開始させた。
【0044】次に、カチオン重合反応進行中のカチオン
重合性接着剤層の面に、他方のダミーディスクの紫外線
硬化インク層面を50kg/1discの力で貼り合わ
せ、その状態を20分間保持することによりカチオン重
合性接着剤層のカチオン重合反応を完遂させた。これに
より評価用の実施例1〜4の光記録媒体を得た。
【0045】なお、比較例1及び2の光記録媒体は、表
2の表面抵抗を有する紫外線硬化型インク組成物を使用
してダミーディスクを作製する以外は、実施例1〜4と
同様に作製した。
【0046】
【表1】 (重量部) 実施例 成分 1 2 3 4 ウレタンアクリレート *1 62 − 62 − エチルカルヒ゛トールアクリレート *2 38 − 38 − エホ゜キシアクリレートホ゜リマー *3 − 60 − 60 2-フェノキシエチルアクリレート*4 − 40 − 40 酸化チタン*5 − − 15 − 酸化チタン*6 40 40 25 20 微粉珪酸*7 5 5 5 5 タルク*8 − − − 10 光重合開始剤*9 5 5 5 5 光重合開始剤*10 2 2 2 2 光重合開始剤*11 0.1 0.1 0.1 0.1 レベリング剤*12 0.05 0.05 0.05 0.05 表1注 *1: CN971A80,サートマー社製、*2: SR256,サートマー社製、*3: CN124,サートマー社製、*4: SR 339,サートマー社製、*5: CR-90,石原産業社製、*6: A190,堺化学社製、*7: アエロシ゛ル#2 00,日本アエロシ゛ル社製、*8: LMS200,富士タルク社製、*9: イルカ゛キュア651,チハ゛スヘ゜シャリティケミカル 社製、*10: イルカ゛キュア907,チハ゛スヘ゜シャリティケミカル社製、*11: DETX-S,日本化薬社製、*1 2: FC430,3M社製
【0047】(評価)得られたダミーディスクの紫外線
硬化インク層の表面抵抗値を、JIS C6481に準
拠する表面抵抗計(HP4329A、ヒューレットパカ
ード社製)を用いて測定した。また、紫外線硬化インク
層の表面に(ぬれ指数標準液(和光純薬工業(株)製)
を一滴垂らし、インク層の表面が十分に濡れたときの基
準液が示す表面張力を紫外線硬化インク層の表面張力と
した。得られた結果を表2に示す。
【0048】また、得られた評価用光記録媒体の端部に
直径5mmの貫通孔を設け、その近辺を約1cm程度引
き剥がし、形成された2つの孔のそれぞれに紐を通し、
それらの紐をテンシロン引張試験機(オリエンテック社
製)で180度方向に1000mm/分の速度で引き剥
がし、そのときに要した力を測定した。得られた結果を
表2に示す。
【0049】
【表2】 評価項目 テ゛ィスク密着性 表面抵抗 表面張力 (kgf) (Ω) (μN/cm) 実施例1 0.65 1×1014 420 2 0.9 3×1015 450 3 0.85 5×1014 450 4 0.72 2×1015 420 比較例1 0.24 3×1012 − 2 0.12 2.5×1013
【0050】表2からわかるように、表面抵抗値が1×
1014Ω以上の紫外線硬化インク層を有する実施例1〜
4の光記録媒体のディスク密着性は非常に良好であっ
た。その場合、表面張力が400μN/cm以上であっ
た。
【0051】なお、表面抵抗値が1×1014Ω未満の比
較例1及び2の光記録媒体は、ディスク密着性が実施例
1〜4の光記録媒体に比べ大きく劣っていた。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、装飾層もしくは有機保
護層として機能する紫外線硬化インク層と紫外線硬化型
のカチオン重合性接着剤層が接触するように2枚のディ
スクを貼り合わせてDVD等の光記録媒体を製造する際
に、紫外線硬化インク層とカチオン重合性接着剤層との
密着性を向上させることができ、従って得られる光記録
媒体は、機械的性質に優れ、記録安定性にも優れたもの
となり、DVDとして非常にすぐれた性能を発揮でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】片面記録タイプの光記録媒体の概略断面図であ
る。
【図2】片面記録タイプの光記録媒体の概略断面図であ
る。
【図3】両面記録タイプの光記録媒体の概略断面図であ
る。
【図4】両面記録タイプの光記録媒体の概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1 第1基板、2 光記録層、3 光記録ディスク、4
第2基板、5,8紫外線硬化インク層、6 ダミーデ
ィスク、7 接着剤層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月19日(1999.2.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基板上に光記録層が形成された第1
    ディスクと、第2基板上に光記録層が形成されてもよい
    第2ディスクとが、第1基板と第2基板とが外側となる
    ように紫外線硬化型のカチオン重合性接着剤からなる接
    着剤層で貼り合わされてなる光記録媒体において、第1
    ディスクと接着剤層との間及び第2ディスクと接着剤層
    との間の少なくともいずれかの間に紫外線硬化インク層
    が形成されており、且つその紫外線硬化インク層の表面
    抵抗値が1.0×1014Ω以上であることを特徴とする
    光記録媒体。
  2. 【請求項2】 第2基板上に光記録層が形成されておら
    ず、且つ紫外線硬化インク層が第2ディスクと接着剤層
    との間に装飾層として形成されている請求項1記載の光
    記録媒体。
  3. 【請求項3】 更に、紫外線硬化インク層が第1ディス
    クと接着剤層との間にも有機保護層として形成されてい
    る請求項2記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 第2基板上に光記録層が形成されておら
    ず、且つ紫外線硬化インク層が第1ディスクと接着剤層
    との間に有機保護層として形成されている請求項1記載
    の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 第2基板上に光記録層が形成されてお
    り、且つ紫外線硬化インク層が有機保護層として形成さ
    れている請求項1記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 紫外線硬化インク層が第1ディスクと接
    着剤層との間及び第2ディスクと接着剤層との間の双方
    に有機保護層として形成されている請求項5記載の光記
    録媒体。
  7. 【請求項7】 紫外線硬化インク層の表面張力が450
    μN/cm以上である請求項1〜6のいずれかに記載の
    光記録媒体。
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