JP3585813B2 - 光情報記録媒体とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は光記録媒体、詳しくは第1のディスクと第2のディスクとを、それぞれのディスクの中心がほぼ一致するように接着剤によって貼り合わせた光記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、DVDに代表される、2枚のディスクをそれぞれの中心がほぼ一致するように接着剤によって貼り合わせてなる光記録媒体のうち、第1のディスクのみで情報の記録再生を行う光記録媒体の場合、第2のディスクは厚みの規格や剛性を満足するために用いられることから、材質や構造等の条件が特に制約されない。そのため生産性を考慮して、主に第1のディスクと同じ材料の樹脂を用いた光透過性の円盤(第2のディスク)をそのままの状態で用い、第2のディスク側からその光透過性の円盤を通して紫外線(UV)を照射し、第1のディスクと光透過性の円盤の間に充填されて挟まれる状態で存在する紫外線硬化型接着剤を硬化することによって貼り合わせる方法が用いられている。この方法には紫外線を照射することですぐに硬化するアクリル樹脂を主成分とする紫外線硬化型アクリル樹脂接着剤が用いられている。
【0003】
2枚のディスクを貼り合わせる場合、それぞれのディスクの中心がほぼ一致するようにする必要がある。これは、ディスクの中心に形成された穴(センターホール)が光記録媒体を記録再生装置に設置するために用いられるためで、中心のずれは0.3mm以下とすることが好ましく、更に好ましくは0.1mm以下である。第1のディスクと第2のディスクの両方とも記録や再生を行うことができるディスクを使用した光記録媒体、すなわち両方のディスクともほとんど光(紫外線)を透過することができないディスクを用いて貼り合わせを行う場合は、第1のディスクと第2のディスクの間に挟まれる状態で存在する紫外線硬化型アクリル樹脂接着剤に、それを硬化するための十分な紫外線照射を行うことができないためにこの接着剤を使用することができない。
【0004】
また、特開平11−86344号には、第1のディスクのみに記録や再生を行うことができるディスクを用いる場合でも、作製される光記録媒体の信頼性を考慮して第1のディスクと構造を近似させた第2のディスクを用いることが開示されている。すなわち光透過性基板上に金属反射層と保護層が設けてはあるものの、記録及び/又は再生を行うディスクとしては使用しないいわゆる「ダミーディスク」を第2のディスクとして用いる場合も、このダミーディスクがほとんど光(紫外線)を透過することができないために、同様に第1のディスクと第2のディスクの間に挟まれる状態で存在する紫外線硬化型アクリル樹脂接着剤に、それを硬化するための十分な紫外線照射を行うことができず、この接着剤を使用することができない。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、特開平9−69239号や特開平11−86344号等には、紫外線の照射により瞬時に硬化する紫外線硬化型アクリル樹脂接着剤の代わりに、紫外線を照射することで硬化が始まり、徐々に硬化していくエポキシ樹脂を主成分とする紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いることが開示されている。この遅効性紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤の硬化の速度は、用いるエポキシ樹脂や硬化剤等の種類や量、更には照射する紫外線の条件等によって変化するため、利用する状況によって完全に硬化するまでの時間を数秒から数時間まで選択することが可能である。
【0006】
このような接着剤は、第1のディスクと第2のディスクのそれぞれにスクリーン印刷法やロールコート法等により塗布し、塗布した面に紫外線照射することで硬化反応を開始させ、その塗布面が内側になるように即座に貼り合わせ、硬化反応を更に進行させ、完全に硬化させることによって接着する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤の硬化速度は、前記のように照射する紫外線の条件によって変化する。同じ時間照射しても、照度が大きければ大きいほど硬化までの時間は短くなる。また照度は同じでも照射時間が長ければ同様に硬化までの時間は短くなる。即ち、硬化速度は照射される紫外線の積算光量に比例し、塗布された接着剤がどれだけの紫外線の光量を吸収するかによって硬化の状態は変化する。
塗布された接着剤が吸収する紫外線の光量は、直接照射された紫外線と、接着剤層そのものやその隙間を透過して、その下にある金属反射層等に到達し、そこで反射された紫外線とを合わせた光量となる。
【0008】
第1のディスクのみで情報の記録再生を行う光記録媒体の場合、前記のようにダミーディスクの金属反射膜が異なれば、貼り合わせ面の反射率が変わる。また同じ金属の反射層を用いる場合でも、スパッタリングの時間短縮や材料コスト低減等を目的としてダミーディスクの金属反射層のみを薄くする等の理由によって貼り合わせ面の反射率が変わり、照射する紫外線の条件を同じにしても、接着剤が吸収する紫外線の光量が変わる。これらの場合、当然接着剤層の硬化速度が変化する。
【0009】
このように、第1のディスクと第2のディスクを、吸収した紫外線の光量が違う接着剤によって貼り合わせて硬化すると、形成される硬化後の接着剤層は、見かけ上、硬化速度の違う2層の接着剤層によって構成されることとなる。即ち、形成された接着剤層は、第1のディスク側と第2のディスク側とで異なった応力を有することとなり、製造される光記録媒体はこの応力の差によって反ってしまったり、場合によっては硬化後に接着剤層が剥離してしまう等の不具合を発生することとなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題は以下のような本発明の光記録媒体により解決することができる。
(1)貼り合わせ面における紫外線(UV:波長365nm)の反射率が互いに異なり且つ該貼り合わせ面側の構造が互いに異なる第1のディスクと第2のディスクの前記貼り合わせ面の前記反射率差を15%以下に調整し、次いで前記両ディスクの中心がほぼ一致するようにして前記両ディスクを紫外線硬化型接着剤によって互いに貼り合わせることよりなる光記録媒体の製造方法。
(2)上記(1)において、反射率の調整が第1のディスク及び/又は第2のディスクに紫外線反射量調整層を形成することによって行われる、光記録媒体の製造方法。
(3)上記(1)または(2)において、前記紫外線硬化型接着剤が遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤からなる、光記録媒体の製造方法。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記反射率の調整が金属膜の形成により行われる光記録媒体の製造方法。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記反射率の調整が着色樹脂層の形成により行われる光記録媒体の製造方法。
【0011】
【作用】
ここで、貼り合わせ面における紫外線(UV:波長365nm)の反射率とは、貼り合わせ面が金属層の場合はその表面の反射率であるが、貼り合わせ面が金属層の上に有機保護層を形成したものである場合は貼り合わせ面の表面での反射率だけではなく、有機保護層表面の反射とその下の金属層からの反射、さらには有機保護層内を多重反射したものなどのすべてを合わせたものである。
紫外線の反射率の測定法について図1を用いて説明する。
貼り合わせ面は、主として金属反射層又は金属反射層上に有機保護層を有する状態の場合が多いが、どちらの場合もまずその面を上にして紫外線吸収加工の施された測定平面2上にディスク1を置き、20mm上方に設置した、紫外線ランプ3から照射された紫外線の、反射された光の量を同じく20mm上方に設置した受光部4にて受光し、その値を測定する。
【0012】
第1のディスクと第2のディスクが異なった構造を有する場合、常法に従ってそのまま貼り合わせたのでは上に指摘したように機械精度低下の問題を生じることがある。その原因は従来十分に理解されていなかったが、本発明者は第1および第2のディスクの貼り合わせ面における反射率の差が大き過ぎるためであることを見いだした。すなわち、第1および第2のディスクの紫外線反射率の差が15%を超えることが原因となって第1および第2のディスクの貼り合わせ面にそれぞれ塗布される遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤の硬化速度に差を生じて応力を生じ、機械精度の低下を生じることを見いだした。
そこで本発明は構造の異なる第1および第2のディスクの反射率の差を意図的に15%以下に調整することにより、製造される光記録媒体の機械精度を良好にし、高温高湿保存試験後でも機械精度が悪化しないで維持するもので、反射率差は更に好ましくは10%以下である。15%を超えると前記のように硬化後の接着剤層の内部応力の差によって機械精度が悪化したり、更には接着剤層の剥離が発生してしまう。
【0013】
従来、第1のディスクと第2のディスクとして、同じ条件で作製した同じ構造のものを用いる場合、それぞれの貼り合わせ面における紫外線の反射率はほぼ等しく、測定誤差は1%を僅かに越える程度以下となる。
ところが、第1および第2のディスクの構造が異なったものを使用する必要性も多々あり、上記の問題を生じていた。本発明は、第1のディスクと第2のディスクの構造(金属反射層の種類や金属反射層の層厚等)が異なることを前提としており、本発明に従って、貼り合わせ面に所定の反射率すなわち15%以下となるように金属反射膜の種類や層厚を調整したり、新たに金属層を形成したり、着色層の形成等の調整を行うと、それぞれの貼り合わせ面における紫外線の反射率差は15%以下になりあるいは0%に近くなり、従来の問題点は大幅に抑制され或いは解消され、機械精度の高い光記録媒体が提供できることが分かった。
【0014】
新たに形成する紫外線反射量調整層用に用いる材料、形成方法は特に限定されず、Au、Ag、Al、Cu、Pt、Ni、Cr等の金属を、スパッタリング法や蒸着法により形成することができる。
また、紫外線反射量調整層である着色有機保護層は、紫外線を吸収するものであれば特に限定されず、貼り合わせ面の紫外線反射率差の大小によって顔料、染料などから適宜選択した種々色素を紫外線硬化型の樹脂等に混ぜ、スピンコート法やスクリーン印刷法などによって形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の具体的な実施形態を説明する。
本発明の光記録媒体を構成する第1のディスクは、主として円盤状の光透過性基板上に記録層を有する。光透過性基板は、記録又は再生光に対して透光性を有するものであれば良く、例えばポリカーボネート(PC)、ポリオレフィン等が実用化されており、主に射出成形により成形され、その表面にグルーブやピット等を有している。形状については特に制限はなく、直径120mm、厚み0.2mm〜1.2mm、主に0.6mm程度の光透過性基板を用いたDVD等の光記録媒体が実用化されている。
【0016】
この光透過性基板上に金属反射層又は記録層を形成する。即ち、前記光透過性基板が再生専用の光記録媒体として使用されるためのピットを有する場合はAl等の金属反射層を形成する。一方、グルーブを有する光透過性基板上には、例えば有機色素記録層や、相変化記録層等の公知の記録層を形成すればよい。これらの記録層上に必要に応じて無色透明の紫外線硬化型アクリル樹脂等による有機保護層を形成する。この保護層を、スピンコート法やスクリーン印刷法等によって塗布し、紫外線を照射することによって硬化させ、2〜50μm程度の厚みに形成する。
【0017】
このように製造される第1のディスクは、同様に製造される第2のディスクと貼り合わせたり、特開平11−86344号に開示されているようにダミーディスクと貼り合わせたりする。このダミーディスクは、作製される光記録媒体の信頼性を考慮して第1のディスクと構造を近似させた第2のディスクで、光透過性基板上に金属反射層と保護層が設けてはあるものの、記録及び/又は再生を行うディスクとしては使用しないものである。また場合によっては、記録層そのものの種類が異なった第2のディスクと貼り合わせたりすること等も考えられる。
【0018】
貼り合わせの方法は、用いる材料によって、ロールコーター法、スピンコート法、スクリーン印刷法等の方法が種々適用可能であるが、特に遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を用いるスクリーン印刷法が好ましい。スクリーン印刷法に用いるスクリーン(版)の糸の太さやメッシュ(網目状の、接着剤等を通過させる部分)の粗さ、形成するメッシュの形状は、用いる接着剤の粘度や接着剤を塗布する厚み等によって適宜選択され、版の糸の太さによって塗布される接着剤の厚さを調節する。また、照射する紫外線光量は用いる接着剤によって異なるが500〜1500mJ/cm2程度が好ましい。遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤は様々なものが開発されており、本発明には、25℃で1000〜100000cps(BH型粘度計、2rpm測定器)程度の粘度を有するものが好ましい。
【0019】
遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤は、主としてエポキシ樹脂とエネルギー線重合開始剤とからなる。エポキシ樹脂接着剤の硬化反応については一般に広く知られており、エネルギー線重合開始剤としてはアミン系や酸無水系等が用いられ、エポキシ樹脂同士をアニオン重合やカチオン重合によってイオン重合するため、その反応性の速さとエポキシ樹脂の硬化物性とを併せ持つシステムとして期待されている。更に、このエポキシ樹脂の種類や、紫外線の照射量、またはエポキシ樹脂を遅延させる効果を有する物質等を添加することにより、硬化反応の速度を調節することが可能である。
【0020】
接着剤組成物としては、エポキシ基の残存率(赤外線吸収スペクトル分析法等により定量された初期のエポキシ基の量に対する、紫外線等のエネルギー線を照射した後の、エポキシ基の量の割合を%で表す)が、通常は50〜95%、好ましくは60〜90%の範囲になるように紫外線等のエネルギー線を調節して照射する。エポキシ基の残存率が95%以上の場合は十分に硬化せず、50%以下の場合は接着性が悪くなる。
【0021】
遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤は、硬化後に発生する接着剤層の応力が、2枚のディスクに対して均等になるように、必ず2枚のディスクとも、できる限り同じ条件で塗布し、同じ条件で紫外線照射することが好ましい。即ち、生産性等も考慮して、2枚のディスクには同じ遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を、同じスクリーン印刷法で、同じ糸の太さとメッシュで形成された版を用いて同じ厚さに塗布し、同じように紫外線照射する。
【0022】
このように製造する条件をすべて同じにしても、前記のように用いる2枚のディスク同士の、貼り合わせ面の紫外線反射率が違えば、硬化の状態が変わるのは当然である。そこで、様々な紫外線反射率を有するディスクから選択された2枚のディスクを貼り合わせる場合の、それぞれのディスクにおける貼り合わせ面の紫外線反射率差を15%以下に調整する。
【0023】
第1のディスクと第2のディスクが同じ構造の場合でも、記録層最上部の金属反射膜のスパッタリングに使用する製造装置の違いや製造条件の違い、又は使用する金属材料ターゲットのロットの違い等によって貼り合わせ面の紫外線反射率が変わるため、これらの条件が違う場合は、貼り合わせ面の紫外線反射率を管理する必要がある。
【0024】
特に第1のディスクと第2のディスクの構造が違う場合、例えば第1のディスクの反射層がAgで第2のディスクの反射層がAuであるような場合は、貼り合わせ面の紫外線反射率が大きく変わる。このような場合、紫外線反射率の低いもの(Ag)を紫外線反射率の高いもの(Au)に合わせることは容易ではないため、通常は紫外線反射率の高いAuの反射層を有する貼り合わせ面に、紫外線反射率を低下させる層、例えば着色有機保護層等を形成することによって、反射率の低い貼り合わせ面の紫外線反射率に合わせる。
【0025】
着色有機保護層に用いる着色剤は、紫外線を吸収するものであれば特に限定されず、貼り合わせ面の紫外線反射率差の大小によって顔料、染料などから適宜選択する。
着色剤としては例えば、アゾ顔料、アゾ染料、アニリンブラック、アリザリンレーキ、アルカリブルー、アントラノン系顔料、アントラノン系染料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、カーボンブラック、キナクリドン顔料、キノフタロン顔料、キノフタロン染料、ジオキサンジン顔料、ジクロルキノキサリン系染料、スチリル系分散染料、チオインジゴ系顔料、トリアジン系反応染料、ニトロジフェニルアミン系分散染料、ニトロソ顔料、ビニルスルホン系反応染料、ピリミジン系反応染料、ピロコリン系顔料、フタロシアニン顔料、フルオルビン系顔料、ブロムアクリルアミド系染料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、ホスホン酸系反応染料、金属錯塩アゾメチン顔料、染付けレーキ、二官能基反応染料および複合型反応染料から選択される少なくとも1種が好ましい。
着色有機保護層は、塗布法により形成するのが好ましく、具体的には、上記の着色剤を含む塗料を金属反射層表面に塗布し、その上に有機保護層を形成するか、あるいは有機保護層を形成する樹脂中に混合して塗布することにより形成する。
【0026】
また、第1のディスクと第2のディスクの、貼り合わせ面の紫外線反射率を合わせるために、Auの反射層上に紫外線反射率の低い金属をスパッタリングすることや、Agの反射層上に紫外線反射率の高い金属をスパッタリングすることによっても解決できる。更には、両方のディスクの貼り合わせ面全体に、紫外線をほとんど透過しない印刷層を形成するか、紫外線カット層を形成することによっても解決可能である。
【0027】
このような貼り合わせ面に、ロールコーター法、スクリーン印刷法等の方法によって遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を塗布し、接着剤の表面に500〜1500mJ/cm2程度の紫外線を照射することで硬化反応が開始する。これらを、接着剤を挟み込むようにして重ねた後、1〜10kg/cm2程度の圧力で加圧することにより密着させる。そして接着剤の硬化反応が進行して硬化に至る。
【0028】
【実施例】
(実施例1)
プレグルーブを有する厚さ0.6mm、直径120mmのポリカーボネート製の光透過性基板上に、ジアセトンアルコール中にシアニン系色素を2重量%含有する有機色素溶液をスピンコート法によって乾燥厚200nmになるように塗布し、乾燥後、その上に3kWのパワーで5秒間Agのスパッタリングを行って金属反射層を形成することで有機色素記録層を形成した。更にその金属反射層上にスピンコート法によって紫外線硬化型アクリル樹脂(ダイキュアクリアSD318(大日本インキ化学工業(株)製)をスピンコートした後、500mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させて有機保護層を形成した。
同様の光透過性基板上に金属反射層として、3kWのパワーで4秒間スパッタリングすることによりAgの金属反射層を形成し、同じく有機保護層を形成してダミーディスクを作製し、これを第2のディスクとした。
【0029】
これらの各ディスクの貼り合わせ面の紫外線反射率を、前記測定方法により測定した。
更に、これら2枚のディスクに、遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤SK7000(ソニーケミカル(株)製品名)を、スクリーン印刷法によって塗布し、500mJ/cm2の紫外線を照射した後、3kg/cm2、1秒間加圧することで密着させ、硬化することで貼り合わせた。スクリーン印刷法に用いた版のメッシュは300、糸の太さは40μmであった。
以上のようにして作製した光記録媒体の機械特性(反り角と面振れ量)を小野測器(株)製LM−1200で測定した。
【0030】
(実施例2)
第2のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで3秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(実施例3)
第1のディスクの金属反射層形成条件を、2kWのパワーで4秒間とし、第2のディスクの金属反射層形成条件を、2kWのパワーで2.5秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(実施例4)
第1のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで3秒間、第2のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで2秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(実施例5)
第1のディスクの金属反射層形成条件を、2kWのパワーで5秒間とし、第2のディスクの金属反射層形成条件を、2kWのパワーで2.3秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(実施例6)
第1のディスクの金属反射層上に形成する有機保護層に黄色色素(ジスアゾ系顔料であるジスアゾイエローHR)を1wt%添加し、膜厚10μmに形成し、第2のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで2秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
【0031】
(比較例1)
第1のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで4秒間、第2のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで2秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(比較例2)
第2のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで2秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(比較例3)
第2のディスクの金属反射層形成条件を、3kWのパワーで1秒間とした以外は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(比較例4)
第2のディスクの金属反射層を、3kWのパワーで2秒間スパッタリングしたAlとした以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
(比較例5)
第2のディスクの金属反射層を、2kWのパワーで2秒間スパッタリングしたAuとした以外は、実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
【0032】
以上の光記録媒体について機械精度を測定した結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
注1:機械精度は、反り角と面触れ量が両方とも目標値内で良好なものが◎、目標値内ぎりぎりであったものが○、目標値に対してどちらかが外れたものが△、両方外れたものが×とした。
注2:高温高湿試験条件は80℃80%RHで100時間とした。
【0034】
【発明の効果】
表1の結果から分かるように、第1のディスクと第2のディスクが、遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤からなる接着剤によって貼り合わされた光記録媒体において、第1のディスクと第2のディスクの貼り合わせ面から可視できる金属反射層材料が異なるか、又は同じ金属反射層材料でも膜厚によって反射率が変化する領域での反射膜厚みが異なる場合、それぞれの貼り合わせ面における紫外線(UV)の反射率差を15%以下とすることで、形成される接着剤層の、第1のディスク側と第2のディスク側とで有する応力の差を小さくすることができ、貼り合わせ後の機械精度が良好で、高温高湿試験後もその特性が劣化しない良好な光記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紫外線反射率の測定方法を示す説明図である。
Claims (5)
- 貼り合わせ面における紫外線(UV:波長365nm)の反射率が互いに異なり且つ該貼り合わせ面側の構造が互いに異なる第1のディスクと第2のディスクの前記貼り合わせ面の前記反射率差を15%以下に調整し、次いで前記両ディスクの中心がほぼ一致するようにして前記両ディスクを紫外線硬化型接着剤によって互いに貼り合わせることよりなる光記録媒体の製造方法。
- 前記反射率の調整が第1のディスク及び/又は第2のディスクに紫外線反射量調整層を形成することによって行われる、請求項1の光記録媒体の製造方法。
- 前記紫外線硬化型接着剤が遅効性の紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤からなる、請求項1または2の光記録媒体の製造方法。
- 前記反射率の調整が金属膜の形成により行われる請求項1乃至3のいずれかの光記録媒体の製造方法。
- 前記反射率の調整が着色層の形成により行われる請求項1乃至3のいずれかの光記録媒体の製造方法。
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