JP2000206805A - 電子写真による画像形成装置 - Google Patents

電子写真による画像形成装置

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JP2000206805A
JP2000206805A JP31957799A JP31957799A JP2000206805A JP 2000206805 A JP2000206805 A JP 2000206805A JP 31957799 A JP31957799 A JP 31957799A JP 31957799 A JP31957799 A JP 31957799A JP 2000206805 A JP2000206805 A JP 2000206805A
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roller
group
photosensitive layer
photoreceptor
image forming
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JP31957799A
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English (en)
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Koji Kuramasu
浩二 倉増
Michio Uchida
内田  理夫
Hiroaki Iwasaki
宏昭 岩崎
Akira Matayoshi
晃 又吉
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Kyocera Document Solutions Inc
Original Assignee
Kyocera Mita Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成サイクルを多数回にわたって反復し
た場合にも、感光体と電子写真ユニット操作用ローラと
を正しく位置規制することが可能であると共に、感光層
の剥離や感光体の削れの発生が顕著に抑制され、しかも
削れ屑の画像形成プロセスへの混入も有効に解消された
電子写真用画像形成装置を提供するにある。 【解決手段】 アルミニウム基体上に感光層を備えた画
像形成装置において、感光体のアルミニウム部分と接触
するコロを介して電子写真ユニット操作用ロールの間隔
規制を行い、且つコロとして、ポリブチレンテレフタレ
ートまたはポリカーボネート製のコロを用いることを特
徴とする画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、プリンター、
ファックス等の電子写真プロセス(画像形成システム)
に用いる画像形成装置に関するもので、より詳細には、
電子写真ユニット操作用ローラ、例えば転写ローラ、帯
電ローラ或いは現像ローラと感光体との位置規制が有効
に行われると共に、感光体の劣化や不具合の発生が防止
された画像形成装置に関する。本発明はまた、上記画像
形成装置に適した感光体にも関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスによる画像形成装置に
おいては、感光体の周囲に配置された電子写真ユニット
操作用機構を通して、帯電、露光、現像、転写などのユ
ニット操作を行っている。これらのユニット操作用機構
としては、ローラ状のものも使用されており、例えば現
像操作は一般に現像ローラにより行われる。また、転写
操作や帯電操作にも、それぞれ転写ローラや帯電ローラ
を用いることが知られている。例えば、感光体に形成さ
れたトナー像の転写に、感光体とこれに対面して設けら
れた転写ローラとの間に紙等の転写材を通過せしめて転
写を行う方式では、コロナ帯電器を用いる転写装置に比
して、オゾンの発生量が少ないという利点を与えるもの
である。
【0003】転写ローラを感光体に対して離隔して配置
することも既に知られており、特開平6−308843
号公報には、像担持体と転写ローラとを具備し、これら
両者間に転写材を通過させて、像担持体のトナーを転写
材に転写させる画像形成装置において、前記像担持体が
電荷発生剤及び電荷輸送剤を含有する有機感光体であ
り、前記転写ローラがゴム硬度が50゜(JIS A)
を超えるように硬化された導電性ポリウレタンゴム組成
物から形成されたローラであり且つ像担持体と転写ロー
ラとが、転写材の厚みより大きく且つトナーの転写材へ
の転写を可能にする小間隔だけ離隔して配置されている
ことを特徴とする画像形成装置における転写装置が記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】転写ローラ、帯電ロー
ラ或いは現像ローラなどの電子写真ユニット操作用ロー
ラを感光体に配置するには、感光体表面にコロを当接さ
せ、これにより、位置規制を行うのが一般的である。
【0005】しかしながら、感光層、特に有機感光層と
位置規制用のコロとを当接させた場合、感光層が剥離
し、この剥離が感光体の画像形成部にまで進行して、感
光体の寿命を短くしたり、或いは感光層が摩耗して、そ
の削れ屑が画像形成プロセスに混入して、種々のトラブ
ルを発生するという問題を生じる。
【0006】これを防止するために、感光体のコロ当接
部分に、感光層を設けずに導電性基体を露出させること
が考えられる。この場合には、感光層の剥離によるトラ
ブルは解消されるものの、やはり導電性基体の削れの発
生と、削れ屑が画像形成プロセスに混入するというトラ
ブルはやはり解消されない。
【0007】従って、本発明の目的は、画像形成サイク
ルを多数回にわたって反復した場合にも、感光体と電子
写真ユニット操作用ローラとを正しく位置規制すること
が可能であると共に、感光層の剥離や感光体の削れの発
生が顕著に抑制され、しかも削れ屑の画像形成プロセス
への混入も有効に解消された電子写真用画像形成装置を
提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、アルミ
ニウム基体上に感光層を備えた画像形成装置において、
感光体のアルミニウム部分と接触するコロを介して電子
写真ユニット操作用ロールの間隔規制を行い、且つコロ
として、ポリブチレンテレフタレートまたはポリカーボ
ネート製のコロを用いることを特徴とする画像形成装置
が提供される。本発明によればまた、アルミニウム基体
上に感光層を設けた感光体を備えた画像形成装置におい
て、前記感光体が陽極酸化処理アルミニウム基体上に有
機感光層を設けた感光体であり、感光体と電子写真ユニ
ット操作用ローラとの位置規制を行うためのコロを設
け、前記コロを感光体の陽極酸化処理アルミニウム基体
に接触させて成ることを特徴とする画像形成装置が提供
される。この画像形成装置においては、前記コロがポリ
ブチレンテレフタレートまたはポリカーボネートから成
ることが好ましい。本発明において、電子写真ユニット
操作用ローラとしては、転写ローラ、帯電ローラ或いは
現像ローラが挙げられる。本発明によれば更に、陽極酸
化処理アルミニウム基体と基体上に設けられた有機感光
層とから成る感光体において、有機感光層の両側に、転
写ローラ、帯電ローラ或いは現像ローラの位置規制を行
うコロと接触させるための陽極酸化処理アルミニウム基
体の露出部が形成されていることを特徴とする感光体が
提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の原理を説明するための図
1において、電子写真感光体1はアルミニウム基体2と
その上に設けられた感光層3とから成っているが、本発
明では、コロが当接する部分E、一般に端の部分を除い
て感光層3を設け、コロが当接する部分Eでは、アルミ
ニウム基体が露出するようにする。これにより、コロと
の当接により、感光層の画像形成部に剥離が発生するの
が回避され、感光体の寿命を長くすることができる。
【0010】また、電子写真ユニット操作用ローラの軸
にコロを枢着し、このコロをアルミニウム基体に当接さ
せることにより、前記ローラの位置規制を行う。図1に
示す具体例では、転写ローラ4の軸5にコロ6、6を枢
着させ、転写ローラ4の両側にコロ6、6を配置すると
共に、コロ6をアルミニウム基体に当接させることによ
り、感光体1と転写ローラ4との間の位置規制を行う。
【0011】本発明では、この位置規制用のコロとし
て、ポリブチレンテレフタレートまたはポリカーボネー
トを用いることにより、アルミニウム基体の削れを抑制
し、削れ屑の画像形成プロセスへの混入によるトラブル
を有効に解消することができる。後述する例を参照され
たい。この例には、図1に示す構成の有機感光体ドラム
(外径30mm)について、コロの材質を変えて10万
回転後のアルミニウム基体の削れ量を測定した結果が記
載されている。機械要素として最も広く使用されている
ポリアセタール樹脂(POM)の場合は、アルミニウム
基体の削れ量は30μmのオーダーに達するのに対し
て、ポリブチレンテレフタレートやポリカーボネートの
場合には、削れ量は10μmであって、約1/3に抑制
されているという驚くべき事実が明らかとなる。
【0012】本発明ではまた、コロ6が当接する導電性
基体を陽極酸化処理アルミニウム基体とすることによ
り、コロ6と基体2との当接による基体の削れを抑制す
ることができる。後述する例を参照されたい。この例に
は、図1に示す構成の有機感光体ドラム(外径30m
m)について、基体の材質を変えてドラム10万回転後
の基体の削れ量を測定した結果が記載されている。通常
のアルミニウム素管に対してポリアセタール樹脂製のコ
ロを当接させた場合には、基体の削れ量は30μmのオ
ーダーに達するのに対して、この素管を陽極酸化処理ア
ルミニウム基体に代えた場合には、基体の削れ量は10
μmであって、約1/3に抑制されているという驚くべ
き事実が明らかとなる。更に、陽極酸化処理アルミニウ
ム基体に当接させるコロとして、ポリブチレンテレフタ
レート或いはポリカーボネート製のコロを用いた場合に
は、ドラム10万回回転後の削れ量をほとんどゼロに抑
制できるという事実も明らかである。
【0013】本発明によれば、以上説明したとおり、有
機感光体のアルミニウム基体に接触させる電子写真ユニ
ット操作用ローラの位置規制のためのコロとして、ポリ
ブチレンテレフタレート或いはポリカーボネート製のも
のを用いることにより、アルミニウム基体の削れを抑制
することができる。また、有機感光体のアルミニウム基
体として、陽極酸化処理アルミニウム基体を用いること
により、位置決め用コロとの接触による削れを有効に防
止することができる。
【0014】[画像形成装置]本発明を転写ローラの位
置規制にコロを用いた例について以下に説明するが、本
発明はこの例に限定されず、帯電ローラ或いは現像ロー
ラなどの他の電子写真ユニット操作用ローラの位置規制
にも当然使用可能であることが理解されるべきである。
本発明の画像形成装置の一例を簡略化して示す図2にお
いて、前述した感光層を備えた回転感光体ドラム1の周
囲には、帯電ローラ11、レーザ光用光源を備えた画像
露光用光学系12、現像器13、転写ローラ4、除電用
光源15及び残留トナークリーニング装置16が配置さ
れている。転写ローラ4には、転写用の直流電圧を印加
するするための直流電源17が接続されている。ポジ現
像の場合、転写用電圧としては主帯電器11と同極性の
電圧を用い、一方反転現像の場合、主帯電器11と逆極
性の電圧を用いる。
【0015】画像形成に際し、帯電ローラ11により感
光体ドラム1の感光層3が正または負に均一に帯電され
る。この主帯電により、一般に感光層3の表面電位は、
絶対値で500乃至1000Vの範囲に設定される。
【0016】次いで光学系12よりレーザ光を用いて画
像露光が行われ、感光層3の原稿画像に対応する部分
(即ち、レーザ光照射部分)の電位は、0V〜200V
になり、レーザ光が照射されない部分(バックグラウン
ド)の電位は、主帯電電位からの暗減衰電位に保持さ
れ、静電潜像が形成される。
【0017】上記の静電潜像は、現像器13により現像
され、感光層の表面にはトナー像が形成される。現像器
13による現像は、ポジ現像によっても反転現像によっ
ても行われる。反転現像の場合、感光層3の主帯電極性
と同極性に帯電されたトナーを用いたそれ自体公知の現
像剤、例えば一成分乃至二成分系現像剤を用いての磁気
ブラシ現像法等によって行われる。即ち、レーザ光照射
部分に、主帯電極性と同極性に帯電されたトナー像が形
成される。この場合、現像器13と感光体ドラム1との
間には、現像を有効に行うために適宜バイアス電圧が印
加されることは従来法と同じである。
【0018】感光層表面に形成されたトナー像は、転写
ローラ4と感光体ドラム1との間に通された紙等の転写
材18上に転写され、次いで除電用光源15による光照
射によって感光層3の除電が行われる。
【0019】上述した転写及び除電が行われた後は、ク
リーニング装置16によって感光層3に残存するトナー
が除去され、次の画像形成サイクルが行われる。また転
写材に転写されたトナー像は、必要により熱乃至圧力に
より転写材に定着される。
【0020】[間隔保持用コロ]本発明では、位置規制
用コロとして、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
或いはポリカーボネート(PC)で形成されたものを使
用する。本発明に用いるポリブチレンテレフタレート
は、エステル反復単位の大部分、一般に60モル%以
上、特に80モル%以上を下記式(1)
【化1】 で表されるブチレンテレフタレート単位で占めるもので
あり、ガラス転移点(Tg)が20乃至40℃、特に2
5乃至35℃で、融点(Tm)が200乃至240℃、
特に210乃至230℃にある熱可塑性ポリエステルが
好適である。ホモポリブチレンテレフタレートが耐熱性
の点で好適であるが、ブチレンテレフタレート単位以外
のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルや少量
の他のポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレー
トとのブレンド物も使用しうる。
【0021】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、ブチレングリコール
以外のジオール成分としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,6−
ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種
又は2種以上が挙げられる。
【0022】用いるブチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る
分子量を有するべきであるが、その固有粘度(I.
V.)は一般的に0.4乃至1.5dl/g、特に0.
7乃至1.5dl/gの範囲にあるものが望ましい。機
械的精度や耐熱性の点では、コロを形成するポリブチレ
ンテレフタレートは結晶化されていることが好ましい。
密度法で測定される結晶化度は30%以上、特に40%
以上であることが望ましい。
【0023】一方、ポリカーボネート(PC)は、下記
一般式(2)、
【化2】 式中、R及びRは水素原子または低級アルキル基で
あって、R及びRは連結して、結合炭素原子と共
に、シクロヘキサン環のごときシクロ環を形成していて
もよい、で表される反復単位から成るものである。この
ポリカーボネートは対応するビスフェノール類とホスゲ
ンとから誘導され、ビスフェノール類としては、例え
ば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)、2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、1,1’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、
1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルメタン、1, 1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−1−フェニルエタン、1, 2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エタン、等が挙げられる。
【0024】位置規制用コロの半径(RR)は、転写ロ
ーラなどの電子写真ユニット操作用ローラの半径(R
T)との間に、下記式(I) RR=RT+d 式中、dは転写ローラなどの電子写真ユニット操作用ロ
ーラと感光体表面との間の間隔であり、dは一般にd≧
0mmである、の関係が成り立つ必要がある。また、位
置規制用コロの感光体との接触幅は、一般に1.0乃至
10mm、特に1.5乃至5.0mmの範囲にあること
が好ましい。
【0025】[感光体]本発明において使用する感光体
は、アルミニウム基体上に感光層、特に有機感光層を設
けたものである。有機感光層は、電荷発生剤及び電荷輸
送剤を感光層中に含有するものであり、電荷発生層(C
GL)及び電荷輸送層(CTL)を導電性基体上にこの
順序或いは逆の順序に設けた積層型感光体や、電荷発生
剤及び電荷輸送剤を単一分散感光層として導電性基体上
に設けた感光体等が使用できる。本発明においては、導
電性基体上に単分散型の有機感光層を設けた有機感光
体、特に該有機感光層が、樹脂媒質中に分散された電荷
発生剤、電子輸送剤及び正孔輸送剤を含有するものを使
用するのが、以下に述べる正帯電も負帯電も可能な点で
好適である。
【0026】この電子写真感光体の画像形成原理を示す
図3において、Aは正帯電の画像形成原理、Bは負帯電
の画像形成原理を示すものであり、電子写真感光体1
は、導電性基体2と単層有機感光層3とから構成され
る。この単層有機感光層3は、少なくとも電荷発生顔
料、正孔輸送剤及び電子輸送剤が結着樹脂中に分散させ
たものから形成されている。正帯電(A)の場合、露光
に先立って、感光層3の表面は正帯電されており、一方
導電性基体2の感光層側表面は負に誘導帯電されてい
る。この感光層3を画像露光すると、電荷発生顔料Gに
は正孔Hと電子eとの対が発生し、発生する電子eは電
子輸送剤により感光層3の表面に輸送され、一方発生す
る正孔Hは正孔輸送剤により導電性基体2の表面に輸送
されて、表面電荷の消失が行われ、静電潜像の形成が行
われる。逆に負帯電(B)の場合、露光に先立って、感
光層3の表面は負帯電されており、一方導電性基体2の
感光層側表面は正に誘導帯電されている。この感光層3
を画像露光すると、電荷発生顔料Gには正孔Hと電子e
との対が発生し、発生する電子eは電子輸送剤により導
電性基体2の表面に輸送され、一方発生する正孔Hは正
孔輸送剤により感光層3の表面に輸送されて、表面電荷
の消失が行われ、静電潜像の形成が行われる。以下、感
光層の組成について説明する。
【0027】(1)電荷発生顔料 電荷発生顔料としては、例えば、セレン、セレン−テル
ル、アモルファスシリコン、ピリリウム塩、アゾ系顔
料、ジスアゾ系顔料、アンサンスロン系顔料、フタロシ
アニン系顔料、インジコ系顔料、スレン系顔料、トルイ
ジン系顔料、ピラゾリン系顔料、ペリレン系顔料、キナ
クリドン系顔料等が例示され、所望の領域に吸収波長域
を有するよう、一種または二種以上混合して用いられ
る。
【0028】本発明の目的に特に好適なものとして、次
のフタロシアニン顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料
等が例示される。フタロシアニン系顔料としては、メタ
ルフリーフタロシアニン、アルミニウムフタロシアニ
ン、バナジウムフタロシアニン、カドミウムフタロシア
ニン、アンチモンフタロシアニン、クロムフタロシアニ
ン、銅4−フタロシアニン、ゲルマニウムフタロシアニ
ン、鉄フタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシア
ニン、オキソチタニルフタロシアニン、クロロインジウ
ムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、マ
グネシウムフタロシアニン、ジアルキルフタロシアニ
ン、テトラメチルフタロシアニン、テトラフェニルフタ
ロシアニン等が挙げられる。また、結晶形も、α型、β
型、γ型、δ型、ε型、σ型、x型、τ型等のものが何
れも使用可能である。X型無金属フタロシアニンが特に
好適なものである。
【0029】ペリレン系顔料としては、特に一般式
(3)、
【化3】 式中、R及びRの各々は、炭素数18以下の置換ま
たは未置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルカリール基、またはアラールキル基である。で
表されるもの。アルキル基としては、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、
シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基等が挙げ
られ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等
が挙げられ、アルカリール基としては、トリル基、キシ
リル基、エチルフェニル基等が挙げられ、アラールキル
基としては、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられ
る。置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子等が
ある。
【0030】ビスアゾ顔料としては、特に下記式(4)
【化4】 式中、Yは複素環基を含んでいてもよい2価の芳香族性
の基であり、Cpはカップラー残基である、で表わされ
るビスアゾ顔料が挙げられる。2価の芳香族性の基とし
ては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナン
トレン、クリセン、アントラキノン、ビフェノール、ビ
スフェノール類、或いは複素環或いは更にこれらの組み
合わせから誘導される2価の基が挙げられる。複素環基
としては、窒素、酸素、硫黄或いはこれらの組み合わせ
を環中に含有する単環或いは多環の飽和乃至不飽和の複
素環が挙げられ、、具体的には、ピロール、ピラゾー
ル、チオフェン、フラン、イミダゾリン、ピリミジン、
ピラゾリン、ピラン、ピリジン、ピリミジン、ベンゾフ
ラン、ベンゾイミダゾリン、ベンゾオキサゾール、イン
ドリン、キノリン、クロメン、カルバゾール、ジベンゾ
フラン、キサンテン、チオキサンテン等が挙げられる。
これら2価の基は、未置換でも或いは置換されていても
よく、置換基としては、アルキル基、アリール基或いは
複素環基が挙げられる。ここで、アルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル基等が挙げ
られ、アリール基としてはフェニル、ナフチル、ビフェ
ニル、アントリル、フェナントリル、フルオレニル基等
が挙げられ、複素環基としては、窒素、酸素、硫黄或い
はこれらの組み合わせを環中に含有する単環或いは多環
の飽和乃至不飽和の複素環基、例えばチエニル基、フリ
ル基、イミダゾリル基、ピロリル基、ピリミジニル基、
イミダゾール基、ピラジニル基、ピラゾリニル基、ピロ
リジニル基、ピラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル
基、モルホリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピロリ
ジニル基、ピロリニル基、ベンゾフリル基、ベンゾイミ
ダゾリル基、ベンゾフラニル基、インドリル基、キノリ
ル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基等が挙げら
れる。一方、式(4)におけるカプラー残基としては、
この種のアゾ顔料に使用されるカプラー(アゾカップリ
ング成分)の残基であれば任意のもの、例えば置換或い
は未置換のフェノール類、ナフトール類、或いは水酸基
含有複素環環化合物等であってよく、ここで置換基とし
ては、低級アルキル基、低級アルコキシ基、アリール
基、アシルオキシ基、クロール等のハロゲン原子、ヒド
ロキシル基、ニトリル基、ニトロ基、アミノ基、アミド
基、アシルオキシ基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0031】(2)電子輸送剤 電子輸送剤としては、電子輸送性を有する任意の材料が
単独或いは2種以上の組み合わせで使用される。電子輸
送剤としては、次のものが知られており、電子輸送性に
優れ、溶解性に優れたものを選択して用いることができ
る。パラジフェノキノン誘導体、ベンゾキノン誘導体、
ナフトキノン誘導体、ジナフトキノン誘導体、テトラシ
アノエチレン、テトラシアノキノジメタン、クロルアニ
ル、ブロモアニル、2,4,7−トリニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,7−トリニトロ−9−ジシアノメチレ
ンフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサン
トン、2,4,8−トリニトロチオキサントンなどの電
子吸引性物質や、これら電子吸引性物質を高分子化した
もの。
【0032】本発明の目的に特に好適な電子輸送剤とし
て、ジフェノキノン誘導体、特に下記式(5)
【化5】 式中、R、R、R10及びR11の各々は、アルキ
ル基、アルコキシ基または置換或いは未置換のアリール
基であって、これらは互いに同一であっても、或いは異
なっていてもよい、で表されるジフェノキノン誘導体を
挙げることができる。この誘導体中に存在するアルキル
基としては、炭素数1乃至8のアルキル基、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル
基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、
アミル基、2−エチルヘキシル基、シクロへキシル基等
が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。ま
た、アリール基としては、フェニル基やナフチル基が挙
げられ、これらは未置換でも、或いはアルキル基、アル
コキシ基、またはハロゲン原子等により置換されていて
もよい。
【0033】ジフェノキノン誘導体の具体例としては、
次のものが挙げられる。3,5−ジメチル−3’,5’
−ジt−ブチルジフェノキノン、3,5−ジメトキシ−
3’,5’−ジt−ブチルジフェノキノン、3,3’−
ジメチル−5,5’−ジt−ブチルジフェノキノン、
3,5’−ジメチル−3’,5−ジt−ブチルジフェノ
キノン、3,5,3’,5’−テトラメチルジフェノキ
ノン、2,6,2’,6’−テトラt−ブチルジフェノ
キノン、3,5,3’,5’−テトラフェニルジフェノ
キノン、3,5,3’,5’−テトラシクロヘキシルジ
フェノキノン
【0034】(3)正孔輸送剤 正孔輸送性物質としては、例えば次のものが知られてお
り、これらの内から、溶解性や、正孔輸送性に優れてい
るものが使用される。
【0035】ピレン、N−エチルカルバゾール、N−イ
ソプロピルカルバゾール、N−メチル−N−フエニルヒ
ドラジノ−3−メチリデン−9−カルバゾール、N,N
−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチル
カルバゾール、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メ
チリデン−10−エチルフエノチアジン、N,N−ジフ
エニルヒドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフエ
ノキサジン、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフエニルヒドラゾン、p−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−α−ナフチル−N−フエニルヒドラゾ
ン、p−ピロリジノベンズアルデヒド−N,N−ジフエ
ニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチルインドレニン
−ω−アルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、p
−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチアゾ
リノン−2−ヒドラゾンなどのヒドラゾン塩、2,5−
ビス(p−ジエチルアミノフエニル)−1,3,4−オ
キサジゾール、1−フエニル−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピ
ラゾリン、1−[キノニル(2)]−3−(p−ジエチ
ルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフエニ
ル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−
ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−[6−メトキシ−ピリジル
(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−[ピ
リジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1
−[レピジル(3)]−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−[ピリジル(2)]−3−(p−ジエチルアミ
ノスチリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノ
フエニル)ピラゾリン、1−[ピリジル(2)]−3−
(α−メチル−p−ジエチルアミノスチリル)−3−
(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−フエ
ニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチ
ル−5−(p−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、
スピロピラゾリンなどのピラゾリン類、2−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−3−ジエチルアミノベンズオキ
サゾール、2−(p−ジエチルアミノフエニル)−4−
(p−ジメチルアミノフエニル)−5−(2−クロロフ
エニル)オキサゾールなどのオキサゾール系化合物、2
−(p−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミ
ノベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物、ビス
(4−ジエチルアミノ−2−メチルフエニル)フエニル
メタンなどのトリアリ−ルメタン系化合物、1,1−ビ
ス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフエニ
ル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキス(4−N,
N−ジメチルアミノ−2−メチルフエニル)エタンなど
のポリアリールアルカン類、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(メチルフエニル)ベンジベン、N,N
´−ジフエニル−N,N´−ビス(エチルフエニル)ベ
ンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビス(プ
ロピルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−
N,N´−ビス(ブチルフエニル)ベンジジン、N,N
´−ビス(イソプロピルフエニル)ベンジジン、N,N
´−ジフエニル−N,N´−ビス(第2級ブチルフエニ
ル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(第3級ブチルフエニル)ベンジジン、N,N´−ジ
フエニル−N,N´−ビス(2,4−ジメチルフエニ
ル)ベンジジン、N,N´−ジフエニル−N,N´−ビ
ス(クロロフエニル)ベンジジンなどのベンジジン系化
合物、トリフエニルアミン、ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポ
リビニルアクリジン、ポリ−9−ビニルフエニルアント
ラセン、ピレン−ホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバ
ゾールホルムアルデヒド樹脂。
【0036】特に好適な正孔輸送剤として、次のものが
揚げられる。下記式(6)
【化6】 式中、a、b及びcの各々はゼロを含む2以下の整数で
あって、互いに同一でも異なっていてもよく、R17
18及びR19の各々は水素原子、アルキル基または
アリール基であって、互いに同一でも異なっていてもよ
い、で表されるベンジジン誘導体。具体例として、次の
ものが挙げられる。N,N,N’,N’−テトラ−p−
トリル−3,3’−ジメチルベンジジン、
【0037】下記式(7)
【化7】 式中、d及びeの各々はゼロを含む2以下の整数であっ
て、互いに同一でも異なっていてもよく、R20、R
21及びR22の各々は水素原子、アルキル基またはア
リール基であって、互いに同一でも異なっていてもよ
い、で表されるフェニレンジアミン誘導体。具体例とし
て次のものが挙げられる。N,N,N’,N’−テトラ
−m−トリル−メタフェニレンジアミン、
【0038】(4)結着樹脂 電荷発生剤や電子輸送剤及び正孔輸送剤を分散させる樹
脂媒質としては、種々の樹脂が使用でき、例えば、スチ
レン系重合体、アクリル系重合体、スチレン−アクリル
系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピ
レン、アイオノマー等のオレフィン系重合体、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステ
ル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリス
ルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ケ
トン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹
脂、フェノール樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬
化型樹脂等、各種の重合体が例示できる。これらの結着
樹脂は、一種または二種以上混合して用いることもでき
る。好適な樹脂は、スチレン系重合体、アクリル系重合
体、スチレン−アクリル系重合体、ポリエステル系樹
脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト等である。
【0039】特に好適な樹脂は、前に例示したポリカー
ボネート、例えば帝人化成社製パンライト、三菱瓦斯化
学社製PCZ等である。
【0040】(5)組成 感光層中の電荷発生顔料の濃度は、一般的にいって、樹
脂100重量部当たり0.1乃至10重量部、特に1乃
至7重量部の範囲にあることが好ましい。また、感光層
中における電子輸送剤と正孔輸送剤の重量比は、一般に
1:100乃至2:1、特に1:10乃至1:1の範囲
にあるのが望ましい。更に、電子輸送剤と正孔輸送剤と
は、合計で、樹脂100重量部当たり、50乃至200
重量部、特に80乃至150重量部の範囲の濃度で存在
するのが望ましい。感光層の厚みは、一般に10乃至5
0μm、特に15乃至30μmの範囲にあることが好ま
しい。
【0041】(6)アルミニウム基体 本発明に用いる感光体は、既に指摘したとおり、アルミ
ニウム製導電性基体の端を除いて感光層形成用組成物を
塗布して、感光層を形成させ、位置規制用コロが当接さ
れる部分にはアルミニウム製導電性基体が露出している
ものである。
【0042】基体としては、中空或いは中実のアルミニ
ウム製ドラムの表面を陽極酸化処理したものが好適に用
いられる。このドラムは、純アルミニウムから成るもの
でもよいが、一般に、強度、剛性、耐腐食性等の見地か
ら、アルミニウム合金を使用するのが好ましく、このア
ルミニウム中には、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、C
r、Ti、Ni等の合金金属が含有されている。好適な
アルミニウム基体は、Cu 0〜0.8%、Mg 0〜
2.8%、Mn0〜1.5%、Fe 0〜0.5%、S
i 0〜0.5%(%は重量基準)を含む組成を有する
ものであり、例えばJIS規格(H 4000)による
金属番号が1070、1050、1100、1200な
どの純アルミニウム、2011、2014、2017、
2024などのAl−Cu系合金、3003、300
4、3024などのAl−Mn系合金、5005、50
52、5154、5082などのAl−Mg系合金、合
金番号5182、5056、5083、5086などの
Al−Mn−Mg系合金、6061、6063などのA
l−Mg−Si系合金、7075、7N01などのAl
−Zn系合金、などが好適なものである。
【0043】陽極酸化処理膜(アルマイト被膜)の形成
に際しては、必要により機械的前処理、脱脂処理、化学
的乃至電気化学的前処理、などを行ったのち、陽極酸化
処理を行い、次いで必要により封孔処理を行う。機械的
前処理としては、それ自体公知のバフ研磨、研磨剤とし
て還元鉄粉、エメリー、カーボランダムなどを用いたブ
ラスト、研磨剤としてガラスビーズなどを用いた液体ホ
ーニング、ピアノ線やステンレススチール線によるスク
ラッチ、ワイヤーブラッシング、ベルトサンダー、沈降
性炭酸カルシウムによる湿式研磨などが使用される。脱
脂処理には、水酸化ナトリウム溶液、硫酸溶液、トリク
ロロエチレン、パークロロエチレンなどが使用される。
電気化学的前処理には、リン酸液が使用され、一方化学
的前処理にはリン酸及び硝酸液に少量の銅や添加剤を加
えたものが使用される。
【0044】陽極酸化処理には、大別して、硫酸法、シ
ュウ酸法、クロム酸法が知られており、これらの方法が
何れでも使用される。硫酸法の場合、一例として、硫酸
の濃度が一般に10〜30重量/容量%であり、形成さ
れる被膜が硬質、半硬質、一般であるかによって、液温
が−5℃〜22℃、電流密度が0.8〜5A/dm
(直流)、電解時間が20〜90分間の内から適切な
電解条件が選択される。シュウ酸法の場合、直流法と交
直重畳法とがあり、前者の場合、一例として、シュウ酸
の濃度が一般に7〜10重量/容量%であり、液温が2
0〜30℃、電流密度が約1A/dm前後の電解条件
が使用される。後者の場合、一例として、シュウ酸の濃
度が一般に3〜4重量/容量%であり、液温が20〜3
0℃、電流密度が正電流約1〜1.5A/dm前後、
負電流が〜0.5A/dmの電解条件が使用される。
クロム酸法の場合、一例として、クロム酸の濃度が一般
に3〜10重量/容量%であり、液温が40〜50℃、
電流密度が0.5〜1A/dmの電解条件が使用され
る。
【0045】陽極酸化被膜は、一般に多孔質被膜であ
り、その耐腐食性や物理的性質を改善するために、封孔
処理が行われていることが好ましい。この封孔処理に
も、水和封孔処理、有機質封孔処理、無機質封孔処理、
などの化学的方法と、電気化学的封孔処理とが知られて
おり、これらの何れの方法も使用される。最も代表的な
水和封孔処理では、常圧の水蒸気を用いる封孔処理や、
加圧水蒸気、一般に3〜6kg/cmの水蒸気を用い
る封孔処理、或いは沸騰水や熱水(85〜95℃)を用
いる封孔処理などが用いられる。また、有機質封孔処理
では、油脂或いは合成樹脂を使用し、これを陽極酸化処
理アルミニウム基体に塗布するか或いは浸漬することに
より、封孔を行う。
【0046】本発明に用いる基体の陽極酸化処理層(ア
ルマイト層)の膜厚は、一般に2〜11μm、特に4〜
10μmの範囲にあることが好ましい。アルマイト処理
層の膜厚が上記範囲を下回ると、転写コロとの当接によ
る削れ発生を長期にわたって安定に防止することが困難
となる傾向があり、一方アルマイト層の膜厚が上記範囲
を上回ると、かえってアルマイト層が脆くなり、長期使
用中にクラックが入るなどの不都合があり、更に感光体
の感度も低下する傾向がある。
【0047】一方、陽極酸化処理層の封孔の程度は、染
料を用いた染着テスト、即ち、JIS H 8683
「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の
封孔度試験方法」における染色液点滴試験(色差表示方
法)で求められる封孔度で評価することができる。即
ち、未封孔処理物の封孔度をF、完全封孔処理物の封
孔度をF100、試料の封孔度をFとしたとき、封孔率
として、下記式(II) で示される表現形式を用いると、完全に封孔処理したも
のが100%となり、封孔処理していないものが0%と
なるように、封孔の程度を定めることができる。
【0048】本発明に用いる基体の陽極酸化処理被膜
(アルマイト層)は、30%以上、好ましくは30〜8
0%、一層好適には40〜70%の封孔率を有すること
が好ましい。アルマイト層の封孔率が30%を下まわる
と、アルマイト層の削れ量が上記範囲内にある場合に比
して増大する傾向があり、好ましくない。封孔率が80
%を上まわると、基体と感光層との結着性が低下する傾
向があり、感光層の剥離防止の点で望ましくない。
【0049】有機感光体の場合、感光層中で光が全部吸
収されることは殆どなく、感光層を透過した光は、導電
性基体表面で反射し、レーザ光の場合には干渉光も発生
する。即ち、入射光と反射光との間、或いは反射光同士
の間で、光波長(λ)の整数倍の位相を生じると、光が
強め合い、また半波長(λ/2)の整数倍の位相を生じ
ると、光が打ち消しあって、干渉縞が発生し、これが画
像中に濃淡の縞となって、画質を低下させるのである。
アルミニウム基体の表面に、上記の陽極酸化処理被膜を
形成させることにより、光をランダムに散乱させること
により、上記の干渉縞の発生を防止することができる。
【0050】(7)感光体の製造 本発明に用いる感光体は、前述したアルミニウム基体
に、コロが当接する部分を除いて、前述した感光層形成
用組成物を塗布することにより製造される。用いる感光
層形成用組成物には、電子写真学的特性に悪影響を及ぼ
さない範囲で、それ自体公知の種々の配合剤、例えば、
酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一重項クエンチャー、U
V吸収剤、軟化剤、表面改質剤、消泡剤、増量剤、増粘
剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を
配合させることができる。
【0051】また、感光層の少なくとも上層に全固形分
当たり0.1乃至50重量%の立体障害性フェノール系
酸化防止剤を配合すると、電子写真学的特性に悪影響を
与えることなく、感光層の耐久性を顕著に向上させるこ
とができる。
【0052】感光体を形成させるには、電荷発生顔料、
電子輸送剤、正孔輸送剤及び結着樹脂の組み合わせを、
従来公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、ア
トライタ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散器等
を用いて塗布用組成物を調製し、従来公知の塗布手段に
より塗布し、乾燥すればよい。
【0053】塗布液を形成するのに使用する溶剤として
は、種々の有機溶剤が使用でき、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、
n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭
素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸
エチル、酢酸メチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示さ
れ、一種または二種以上混合して用いられる。塗布液の
固形分濃度は一般に5乃至50%とするのがよい。
【0054】[転写ローラ]図2に示す例においては、
転写ローラに位置規制用コロを適用した例が記載されて
いるので、この転写ローラについても説明する。転写ロ
ーラとしては、任意の導電性のゴム組成物から形成され
たものを用いることができる。好適な導電性ゴム組成物
として、導電性ポリウレタンゴム組成物が挙げられる
が、勿論これに限定されない。ゴム硬度が50゜(JI
S A)を超えるように硬化された、好適にはゴム硬度
が70゜以上の導電性ポリウレタンゴム組成物が好適で
ある。
【0055】ポリウレタンゴムは、重合体鎖中にポリエ
ステル乃至ポリエーテルに基づく柔かいセグメントと、
ウレタン乃至尿素結合を介して結合した芳香族鎖に基づ
く硬いセグメントとが存在することによりゴム状弾性を
示すものである。
【0056】ポリウレタンゴムは、ポリオール(水酸基
末端ポリマー)とポリイソシアネート化合物とを反応さ
せて得られるポリウレタンプレポリマー(イソシアネー
ト末端ポリマー)を、連鎖延長剤(架橋剤)と反応させ
て得られ、例えば線状の場合、下記式(8)で表される
反復構造を有する。
【化8】 式中、Rはポリオール残基であり、Rはポリイソシ
アネート残基であり、Rは連鎖延長剤の残基であり、
YはOまたは−NR−基(Rは水素原子または1価の有
機基である)であり、mはゼロまたは1であり、nは1
以上の数である。
【0057】上記式(8)の反復単位において、R
ポリオール残基が柔らかいセグメントであり、Rのポ
リイソシアネート残基が硬いセグメントである。連鎖延
長剤(架橋剤)が水の場合、脱炭酸反応によりmはゼロ
となり、連鎖延長剤が低分子量ジオール、ジアミンなど
の場合、mは1となる。
【0058】このポリウレタンを生成する反応は、下記
式(9)
【化9】 のイソシアネート末端プレポリマーと、下記式(10)
【化10】 HYR5YH ‥‥‥(10) の連鎖延長剤との反応により起こるが、この反応を調節
することにより、所望のゴム硬度とすることができる。
【0059】即ち、プレポリマー中の遊離イソシアネー
ト基は、連鎖延長剤(架橋剤)と反応し尿素結合を形成
することによりポリウレタンの分子量を高めるととも
に、既に存在するウレタン結合や尿素結合と反応するこ
とによりアロファネート結合やビューレット結合を生成
し、三次元的な架橋構造を形成することによりゴム硬度
が増大すると共に、耐磨耗性、耐熱性、耐久性等も向上
する。
【0060】プレポリマーの形成に用いるポリオールと
しては、一分子中に2個以上、好ましくは2乃至3個の
活性水素を有するポリオール、例えばポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオ
ール、ポリビニルポリオールなどの一種乃至二種以上が
使用される。電気的特性及び耐久性の点で、ポリエステ
ルポリオールが好ましく、ポリエステルポリウレタンの
製造で用いられる公知のポリエステルポリオールが適用
される。
【0061】なかでも好ましいポリエステルポリオール
はジオールとジカルボン酸からなるもので、脂肪族ジオ
ールの少なくとも一種以上と、脂肪族カルボン酸の少な
くとも一種以上とを適宜反応させて得られるポリエステ
ルポリオールである。また、該ポリエステルポリオール
中には、例えば、ポリカプロラクタムなど開環重合して
得られるポリエステル成分が含有されていてもよい。
【0062】脂肪族ジオール成分としては、例えば、
1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジ
オール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
1,4−シクロヘキサンメタノール、1,4−シクロヘ
キサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、などが好適に用いられる。
【0063】脂肪族カルボン酸としては、例えば、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸、ドデカンジカルボン酸、1,3−シクロヘ
キサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸などが好適に用いられる。
【0064】水酸基末端ポリマーの数平均分子量を30
0乃至10000、特に1000乃至8000の範囲と
することが望ましい。
【0065】ポリイソシアネート化合物としてはポリウ
レタンの製造に用いられる公知のポリイソシアネート化
合物が適用される。なかでもジイソシアネートを用いる
のが好ましく、例えばトリレンジイソシアネート、4,
4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、パラフ
ェニレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシ
クロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、トリジンジイソシアネートなどが適用さ
れる。特に、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが好適
なものである。
【0066】プレポリマーの製造に際しては、ポリオー
ルの一種乃至二種以上とポリイソシアネート化合物の一
種乃至二種以上とを、 NCO/OH比が1.1乃至4
の範囲で、更に好ましくは1.3乃至2.5の範囲で配
合し、60乃至130℃の加熱下で数時間反応させてポ
リウレタンプレポリマーを製造する。
【0067】連鎖延長剤(架橋剤)としては、多官能性
の活性水素含有化合物、特に低分子量のポリオール類
や、低分子量のポリアミン類、特に脂肪族乃至芳香族の
ポリアミン類が使用できる。連鎖延長剤(架橋剤)の好
適なものは、脂肪族ジオール成分、例えば、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−
オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、1,4−シクロヘ
キサンメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、などである。
【0068】脂肪族ジアミン成分としては、例えば、
1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミ
ン、1,3−ブタンジアミン、1,4−ブタンジアミ
ン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジア
ミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジ
アミン、ネオペンチルジアミン、エチレンジアミン、
1,4−シクロヘキサンジアミン、3−メチル−1,5
−ペンタンジアミン、などが好適に用いられる。
【0069】一方、芳香族ポリアミンとしては、トリレ
ンジアミン、4,4−ジフェニルメタンジアミン、キシ
リレンジアミン、ナフチレンジアミン、パラフェニレン
ジアミン、テトラメチルキシレンジアミン、ジシクロヘ
キシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、トリジン
ジアミンなどが挙げられる。
【0070】連鎖延長(架橋)反応は、一般に100乃
至300℃の温度及び0.5乃至5時間の反応時間の内
から、所望の硬度のポリウレタンが得られる温度と反応
時間とを選んで行う。
【0071】転写ローラとしては、ポリウレタンに導電
性粉末を配合した組成物をローラに成形したものが使用
される。導電性粉末をプレポリマーと連鎖延長剤(架橋
剤)との組成物に、架橋に先立って配合することによ
り、均一且つ一様な配合、分散が可能となる。この導電
性ゴムの表面抵抗は、一般に10乃至1014Ω・c
mの範囲、特に10乃至1012Ω・cmの範囲にあ
るのが好ましい。
【0072】導電性粉末としては、導電性カーボンブラ
ック、インジュウムまたはアンチモン等でドープした酸
化錫、銅、銀、アルミニウム等の金属粉末等がいずれも
使用できるが、導電性カーボンブラックが好ましい。導
電性粉末の含有量は、全体当たり5乃至70重量%、特
に10乃至50重量%の範囲にあるのが好ましい。
【0073】導電性ゴムローラを形成するに当たって、
それ自体公知の配合剤、例えば架橋促進剤、軟化剤、老
化防止剤、充填剤、分散剤、可塑剤等をそれ自体公知の
配合量で配合することができる。
【0074】上記の転写ローラは、通常、感光体ドラム
との間隔が1.0mm以下、特に0.5mm以下となる
ように配置されているのがよい。
【0075】本発明の電子写真感光体を用いる画像形成
法は、特に限定されず、一般に感光体を一様に負帯電し
た後、画像露光して静電潜像を形成させ、次いで非磁性
1成分系トナー、磁性1成分系トナー、磁性二成分系現
像剤、非磁性二成分系現像剤等を用いて現像を行い、次
いで転写紙に転写し、定着して画像形成を行う。
【0076】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0077】実施例1〜2及び比較例1 (1)導電性基体:径30mmで算術平均粗さ(Ra)が
0.6μmのアルミニウム合金(合金番号3003)製
ドラムを使用した。 (2)感光層:感光層の形成に用いた各材料は次の通り
である。 A)電荷発生顔料 x−H2Pc: X型無金属フタロシアニン B)電子輸送剤
【化11】 C)正孔輸送剤
【化12】 (3)位置規制用コロ:下記の3種類の樹脂から形成さ
れた間隔保持用コロを使用した。転写ローラと感光体と
の間隔(ギャップ)は0.2mmに設定した。 A)ポリアセタール樹脂(POM) ポリプラスチックス社製 ジュラコン M−25 B)ポリブチレンテレフタレート(PBT) ポリプラスチックス社製 ジェラネックス 2002 C)ポリカーボネート(PC) 三菱化学社製 ユーピロン
【0078】[試料作製] <感光体>前に示した電荷発生剤4重量部、電荷輸送剤
50重量部、及び正孔輸送剤30重量部、結着性樹脂と
してポリカーボネートを100重量部及び、溶媒として
800重量部のテトラヒドロフランをボールミルで50
時間分散して感光層用塗布液を調製し、この調製液を前
述したアルミニウム素管上に塗布した後、100℃で6
0分間熱風乾燥することにより、図1に示す単層型感光
体を得た。感光体の端の導電性基体の露出幅は8mmと
した。感光層の厚みは20μmである。
【0079】[評価] <削れ試験>上記の感光体及び転写間隔保持用コロを、
三田工業社製ファックス・プリンター・複写複合機 A
ntico80に取り付け、感光体ドラム10万回転後
のアルミニウム削れ量を測定した。削れ量の測定には、
株式会社 小坂研究所製の万能形状測定器 MODEL
−SE−3Hを用いた。得られた結果を表1に示す。
【0080】
【表1】 コロ材質 アルミニウム削れ量(μm) 判定 比較例1 POM 30 × 実施例1 PBT 10 ○ 実施例2 PC 10 ○
【0081】上記表1によると、転写ギャップ保持用コ
ロとして、ポリブチレンテレフタレート或いはポリカー
ボネート製のものを用いることにより、アルミニウムの
削れ量を著しく低減させることが可能である。
【0082】[実施例4乃至6及び比較例2乃至4] (1)導電性基体:径30mmのアルミニウム合金製ド
ラム(合金番号3003)を、20%硝酸(W/V)に
より、50〜60℃にて3分間脱脂処理し、次いで脱脂
処理したアルミニウム合金ドラムを水洗した後、2%水
酸化ナトリウムにより、50℃にて20秒間中和処理し
た。さらに、中和処理したアルマイト処理層を2度水洗
し、そして18%硫酸(W/V)に浸して、1.2A/
dmの電流を流しつつ、20℃にて35分間陽極酸化
処理した。陽極酸化処理層を、さらに2度水洗した後、
Ni−Ac系助剤(例えば、トップシールDX−30
0、奥野製薬社製)の7g/L水溶液を用いて、85〜
95℃にて3分間封孔処理した。このアルマイト層を2
度水洗し、60℃にて湯洗した後、乾燥した。得られた
基板のアルマイト層の厚みは6μmであり、前記式(I
I)から算出される封孔率は55%であった。 (2)感光層:感光層の形成に用いた各材料は次の通り
である。 A)電荷発生顔料 x−H2Pc: X型無金属フタロシアニン B)電子輸送剤 前記式(11)のものを使用した。 C)正孔輸送剤 前記式(12)のものを使用した。 (3)転写間隔保持用コロ:下記の3種類の樹脂から形
成された間隔保持用コロを使用した。転写ローラと感光
体との間隔(ギャップ)は0.2mmに設定した。コロ
の中心部の幅は4mmであり、ドラムとの接触幅は2〜
3mmである。 A)ポリアセタール樹脂(POM) ポリプラスチックス社製 ジュラコン M−25 B)ポリブチレンテレフタレート(PBT) ポリプラスチックス社製 ジェラネックス 2002 C)ポリカーボネート(PC) 三菱化学社製 ユーピロン
【0083】[試料作製] <感光体>前に示した電荷発生剤4重量部、電荷輸送剤
50重量部、及び正孔輸送剤30重量部、結着性樹脂と
してポリカーボネートを100重量部及び、溶媒として
800重量部のテトラヒドロフランをボールミルで50
時間分散して感光層用塗布液を調製し、この調製液を前
述した陽極酸化処理アルミニウムドラム及び未処理のア
ルミニウムドラム上に塗布した後、100℃で60分間
熱風乾燥することにより、図1に示す単層型感光体を得
た。感光体の端の導電性基体の露出幅は8mmとした。
感光層の厚みは20μmである。
【0084】[評価] <削れ試験>上記の感光体及び転写ローラの位置規制用
コロを、三田工業社製ファックス・プリンター・複写複
合機 Antico80に取り付け、感光体ドラム10
万回転後のアルミニウム削れ量を測定した。削れ量の測
定には、株式会社 小坂研究所製の万能形状測定器 M
ODEL−SE−3Hを用いた。得られた結果を表2に
示す。
【0085】
【表2】 比較例 コロ材質 基体 アルミニウム削れ量(μm) 判定 2 POM 未処理 30 × 3 PBT 未処理 10 ○ 4 PC 未処理 10 ○ 実施例 コロ材質 基体 アルミニウム削れ量(μm) 判定 3 POM 処理 10 ○ 4 PBT 処理 5 ◎ 5 PC 処理 5 ◎
【0086】上記表2によると、転写ローラの位置規制
用コロを当接させる基体として、陽極酸化処理アルミニ
ウム基体を使用すると、アルミニウムの削れ量を著しく
抑制できることが明らかである。また、転写ローラの位
置規制用コロとして、ポリブチレンテレフタレート或い
はポリカーボネート製のものを用いることにより、アル
ミニウムの削れ量を更に著しく低減させることが可能で
ある。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、アルミニウム基体上に
感光層を備えた画像形成装置において、感光体のアルミ
ニウム部分と接触するコロを介して電子写真ユニット操
作用ローラの位置規制を行い、且つコロとして、ポリブ
チレンテレフタレートまたはポリカーボネート製のコロ
を用いることにより、画像形成サイクルを多数回にわた
って反復した場合にも、感光体と各種ユニット処理用ロ
ーラとの位置規制を厳密に行うことが可能であると共
に、感光層の剥離や感光体の削れの発生が顕著に抑制さ
れ、しかも削れ屑の画像形成プロセスへの混入も有効に
解消される。本発明によればまた、画像形成装置におい
て、感光体を陽極酸化処理アルミニウム基体上に有機感
光層を設けた感光体とすると共に、前記コロを感光体の
陽極酸化処理アルミニウム基体に接触させることによ
り、画像形成サイクルを多数回にわたって反復した場合
にも、感光体と電子写真ユニット操作用ローラとの位置
規制を厳密に行うことが可能であると共に、感光層の剥
離や感光体の削れの発生が顕著に抑制され、しかも削れ
屑の画像形成プロセスへの混入も有効に解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の原理を説明するための
説明図である。
【図2】本発明の画像形成装置の一例の配置図である。
【図3】単層型電子写真感光体の画像形成原理を示す説
明図である。
フロントページの続き (72)発明者 岩崎 宏昭 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内 (72)発明者 又吉 晃 大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工 業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基体上に感光層を備えた画
    像形成装置において、感光体のアルミニウム部分と接触
    するコロを介して電子写真ユニット操作用ロールの間隔
    規制を行い、且つコロとして、ポリブチレンテレフタレ
    ートまたはポリカーボネート製のコロを用いることを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 アルミニウム基体上に感光層を設けた感
    光体を備えた画像形成装置において、前記感光体が陽極
    酸化処理アルミニウム基体上に有機感光層を設けた感光
    体であり、感光体と電子写真ユニット操作用ローラとの
    位置規制を行うためのコロを設け、前記コロを感光体の
    陽極酸化処理アルミニウム基体に接触させて成ることを
    特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記コロがポリブチレンテレフタレート
    またはポリカーボネートから成ることを特徴とする請求
    項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 電子写真ユニット操作用ローラが転写ロ
    ーラ、帯電ローラ或いは現像ローラであることを特徴と
    する請求項1乃至3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 陽極酸化処理アルミニウム基体と基体上
    に設けられた有機感光層とから成る感光体において、有
    機感光層の両側に、転写ローラ、帯電ローラ或いは現像
    ローラの位置規制を行うコロと接触させるための陽極酸
    化処理アルミニウム基体の露出部が形成されていること
    を特徴とする感光体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7155146B2 (en) 2003-11-20 2006-12-26 Ricoh Company, Ltd. Method and apparatus for electro photographic image forming capable of effectively performing an evenly charging operation
US7340200B2 (en) 2004-01-09 2008-03-04 Ricoh Company, Ltd. Charging unit and image forming apparatus incorporating the unit
KR100840595B1 (ko) 2006-02-06 2008-06-23 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 화상 형성 장치
CN112218753A (zh) * 2018-06-04 2021-01-12 3M创新有限公司 热成形耐磨多层光学膜及其制备方法

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