JP2000206507A - 液晶プロジェクタ装置用透明体及び偏光板 - Google Patents
液晶プロジェクタ装置用透明体及び偏光板Info
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Abstract
ジェクタ装置を得る。 【解決手段】光源からの光をレンズ、偏光板を介して液
晶パネルを通過させ、投影するようにした液晶プロジェ
クタ装置における、上記レンズ、偏光板における偏光体
の保持板、液晶パネルを構成する透明基板等の透明体の
少なくとも一種をサファイア基板で形成する。
Description
を投影するようにした液晶プロジェクタ装置に用いる透
明体や偏光板に関する。
用されてきた液晶プロジェクタ装置は、液晶パネルの高
精細化・ランプの高輝度化による映写画像の向上によ
り、パソコン映像をそのまま投影して使用するプレゼン
ツールへと発展を遂げて来た。
に示すように構成されている。光源1は、メタルハライ
ドランプ・キセノンランプ・UHP等の高輝度ランプ光
源であり、これから投射された光は、球面反射鏡2によ
り反射され、赤外線や紫外線等をカットするフィルタ3
を透過させ、不要な赤外線・紫外線を除去する。その
後、インテグレータレンズ4、集光レンズ5を透過させ
て集光させた後、入射側偏光板6を通し、液晶パネル8
に入射する。液晶パネル8から出射させた光は、出射側
偏光板7を透過後、投影レンズ9により拡大投影され、
前方のスクリーン等に画像が映し出される。
パネル1枚を用いた単板式のものであるが、この単板式
に加え、RGB3原色の光源分解光に対応して、3枚の
液晶パネルを組み込んだ3枚式も一般的に知られてい
る。
応じて透過・反射を行うダイクロイックミラー10、及
び光を合成する合成プリズム11、また、全反射ミラー
12が使用される。そして、ダイクロイックミラー10
によって、光源からの光を赤(R)、緑(G)、青
(B)に分解し、それぞれ個別の液晶パネル8に透過さ
せ、合成プリズム11で合成して投影するようになって
いる。
の液晶画像形成部に偏光板6、7を用いるために、光が
大幅に吸収されてしまうこと、また、装置の小型化を図
るため、1インチ近傍のサイズにまで面積の小型化が図
られた液晶パネル8の画像を数十インチから数百インチ
まで拡大し投影すること、などにより投影された映像の
明るさの低減が避けられない。
ライドランプ、UHPランプ、キセノンランプなどの高
出力のランプが使用されている。しかも、使用用途が、
パソコン映像をそのまま投影して使用するプレゼンツー
ルへと拡大するにつれ、更に小型化、高精細化、高輝度
化の要求が強くなり、ますます高出力のランプが選択さ
れるようになってきている。
は、熱による不都合が重要な課題となっている。
板としては沃素系偏光板を用いるが、これでは耐光性・
耐熱性・耐湿熱性が十分ではないため、特に液晶プロジ
ェクタには、耐光性・耐熱性・耐湿熱性により優れる染
料系偏光板が使用されている(特開平9−22008
号、特開平9−22009号公報等参照)。
の透過率が40%程度しかなく、大半の光を吸収し発熱
してしまい、70℃以上になると特性が維持できないと
いう問題がある。また、液晶パネル8自体も熱には弱
く、60℃以上になると特性に支障を来すという問題が
ある。そこで、液晶プロジェクタ装置では、以下に示す
ように数々の冷却方式が考案されてきた。
冷方式入射側の偏光板6、液晶パネル8、出射側の偏光
板7等の発熱部、及び光源1、電源部を冷却ファンによ
り冷却し、熱を帯びた空気を排気する。
6を液晶パネル8から1〜5mm程度離して設置し、液
晶パネル8に偏光板6の熱が直接伝わるのを防止し、そ
の間に冷却風を流すことにより冷却効率を高める。
して、熱伝導率1W/m・K以上の放熱用ガラス板を設
置し、液晶パネル8の発熱に対する放熱効果を高めると
ともに、冷却風によりゴミが液晶パネル8に付着するこ
とを防止する。
入し、冷却効率を高める(特公平6−58474号公報
参照)。
チェ素子等による電子冷却装置を取り付け、強制冷却を
する。
源1からの光を偏光板6に入射する前に、変換器により
偏光方向を揃え、偏光板6に吸収される光の量を減ら
す。
却方法でも以下のような課題があった。
騒音とゴミの付着の問題がある。十分な冷却効果を得る
ため、送風量を増やしていくとファンの高速回転、及び
大型化により騒音の問題が生じ、静かな室内でプレゼン
テーションを行ったり、ホームシアターとして使用する
場合には不適当である。
板6を分離独立させることで、液晶パネル8への影響を
低減し、放熱効果を高めることはできるが、やはり効果
には限界がある。また、偏光板6における偏光体の保持
板として使用している青板ガラスまたは白板ガラスも熱
伝導性が悪く、放熱効果が不十分となり、(1)の場合
と同様に、結局冷却ファンの出力アップに頼らざるを得
ず、上記のごとく騒音とゴミ付着の問題を解消すること
は出来なかった。
板を設置した場合、ゴミが付着した時の焦点を外し、映
写面に影響を与えないという効果は得られるが、ガラス
板は熱伝導率が良いものでも2W/m・K以下の物しか
なく、十分な放熱効果は得られなかった。
い、圧力抜き、気泡発生、混入異物及び冷却媒体漏れ等
が生じ、信頼性の点で問題がある。また、液冷機構につ
いても大掛かりなものが必要となり装置全体が大きくな
ってしまうという問題がある。
加した固体冷却方式の場合、液晶プロジェクタ装置全体
のコストが大幅に上昇してしまうだけなく、十分な冷却
効果を得られるには至っていない。
板6で吸収されていた偏光成分を偏光板6の透過偏光軸
に予め変換しておくことにより、発熱量を低減しようと
いうものであるが、やはり約20%の光は吸収され発熱
するため、液晶パネル8が小型化し、単位面積あたりの
ランプの強度が上がれば、冷却効果としては不十分であ
った。
単な構造で充分な冷却効果を得ることはできなかった。
また、発熱の問題は上述した偏光板6以外にも、さまざ
まな部位で生じている。
に位置する画素電極及びスイッチング素子を形成する透
明基板は、現状では熱伝導率が1.2W/m・K程度と
低い石英ガラスを用いて構成しているため、液晶パネル
8内に蓄積される熱を効率良く逃がすことができないと
いう問題があった。
をRGBの3色光に分離して、各々の色に対応する画像
を表示し、合成プリズム11等を用いて合成する方式の
液晶プロジェクタ装置では、ダイクロイックミラー10
を用いて光源1からの光を分離している。このダイクロ
イックミラー10は、現状は青板ガラス又は白板ガラス
等に光源の波長を選択して透過・反射を行う膜を表面に
施して作製しているが、この部品についても、光吸収に
よる発熱を引き起こし、装置全体の温度を上昇させると
いう問題を発生させている。
合、予め不要な発熱源となる赤外線をカットするという
ことが行われているが、通常このIRカット用のフィル
タ3についても青板ガラス又は白板ガラスが用いられて
おり、熱伝導性が低いため蓄熱してしまい、装置全体の
温度上昇の原因となっていた。
照度を均一にできないことから、光源強度を拡散させる
ために一般的にインテグレーターレンズ4が用いられて
いる。このインテグレーターレンズ4は、通常、パイレ
ックスガラス等の光学ガラスを型プレスして製造される
多数のレンズが、1枚のプレートに作り込まれた構造の
ものが多用されているが、更に特性を向上させたものと
して角柱側面の全反射を利用する石英ガラス等の材質の
ものが使用されている。この場合、屈折率が1.46程
度と小さいため、全反射角度が大きくなり、角柱ロッド
長を長く設定する必要があり、また、疑似光源数が少な
いという問題があった。
らの光をレンズ、偏光板を介して液晶パネルを通過さ
せ、投影するようにした液晶プロジェクタ装置におけ
る、上記レンズ、偏光板における偏光体の保持板、液晶
パネルを構成する透明基板等の透明体の少なくとも一種
をサファイア基板で形成したことを特徴とする。
おける透明体として熱伝導性の高いサファイア基板を用
いることによって、放熱性を高めるようにしたものであ
る。
C軸方向又はC軸方向投影線方向と透過すべき偏光透過
軸との成す角度が±2°以内であるか、又はC軸と直交
する軸(例えばM軸またはA軸)と透過すべき偏光透過
軸との成す角度が±2゜以内であるか、又はC面と透過
すべき偏光の透過方向に垂直な面との成す角度が±2°
以内であることを特徴とする。
にしておくことによって、偏光特性に悪影響を及ぼすこ
とを防止できるようにしたものである。
に反射防止コートを施すことによって透過率を高めたこ
とを特徴とする。
保持板の表面に偏光体を接合して偏光板を構成したこと
を特徴とする。
軸方向又はC軸投影線方向と上記偏光体による偏光透過
軸との成す角度が±2°以内であるか、又はC軸と直交
する軸と上記偏光体による偏光透過軸との成す角度が±
2゜以内であるか、又はC面と上記偏光体による偏光の
透過方向に垂直な面との成す角度が±2°以内であるこ
とを特徴とする。
面に反射防止コートを施したことを特徴とする。
る保持板と偏光体の間に、ショア硬度30以下の透明粘
着材を10〜70μmの厚みで介在させて貼り合わせた
ことを特徴とする。
って説明する。
イドランプ・キセノンランプ・UHP等の高輝度ランプ
光源であり、これから投射された光は、球面反射鏡2に
より反射され、赤外線や紫外線等をカットするフィルタ
3を透過させ、不要な赤外線・紫外線を除去する。その
後、インテグレータレンズ4、集光レンズ5を透過させ
て集光させた後、入射側偏光板6を通し、液晶パネル8
に入射する。液晶パネル8から出射させた光は、出射側
偏光板7を透過後、投影レンズ9により拡大投影され、
前方のスクリーン等に画像が映し出される。
用いた単板式のものであるが、他の実施形態としてRG
B3原色の光源分解光に対応して、3枚の液晶パネル8
を組み込んだ3枚式もある。
じて透過・反射を行うダイクロイックミラー10、及び
光を合成する合成プリズム11、また、全反射ミラー1
2が使用される。そして、ダイクロイックミラー10に
よって、光源からの光を赤(R)、緑(G)、青(B)
に分解し、それぞれ個別の液晶パネル8に透過させ、合
成プリズム11で合成して投影するようになっている。
す液晶プロジェクタ装置において、ダイクロイックミラ
ー10、フィルタ3、レンズ4、偏光板6、7における
偏光体の保持板、液晶パネル8を構成する透明基板等の
透明体の少なくとも一種をサファイア基板で形成したこ
とを特徴とする。そのため、サファイア基板は熱伝導性
が高いことから、上述した各部品での発熱を効率よく放
熱することができる。
ァイア基板を適用した実施形態を説明する。
ア基板からなる保持板15の表面に、透明接着剤で接合
して偏光板6、7を構成する。なお、この時、偏光体1
3の透過偏光軸14と、保持板15を構成するサファイ
ア基板のC軸またはC軸投影線方向を示す軸またはC軸
と直交する軸(例えばM軸)16との成す角度が±2゜
好ましくは±0.5゜以内となるように、両者を接合す
る。
6、7を、液晶パネル8の前後にセットし、光を照射し
た状態を示している。この場合、入射側は、液晶パネル
8から1〜5mmの間隔を開けて設置し、出射側は、液
晶パネル8の表面に直接透明接着剤を用いて偏光体13
側を貼り合わせた。
・Kと高いサファイア基板を保持板15とし、偏光体1
3と貼り合わせることにより、偏光体13を透過できな
かった光の吸収による蓄熱をサファイア基板に伝導し、
効率よく放熱させることができる。さらに、冷却ファン
を組み合わせて使用することにより極めて効率よく、偏
光板6の蓄熱を放散する事が出来る。
の透過偏光軸14と、保持板15を成すサファイア基板
のC軸又はC軸投影線又はC軸と直交する軸16との成
す角度を±2゜好ましくは±0.5゜以内に制御する理
由は、偏光体13により整えた偏光が、サファイア結晶
内の複屈折を起因とした旋光を発生させないようにする
ためである。例えば、上記範囲以上の角度となった場
合、液晶プロジェクタ装置から投影する映像に乱れ等の
影響が生じる。
らなる保持板15の主面15aの面方位をC面±2゜好
ましくは±0.5゜以内とすることによっても、複屈折
の影響をなくし、安定した映像とすることが可能であっ
た。
板15の位置関係については、液晶パネル8の入射側の
偏光板6については、偏光体13を保持板15よりも液
晶パネル8側に設置し、出射側の偏光板7については、
偏光体13を保持板15よりも液晶パネル8側に設置し
た方が、液晶パネル8の表示コントラストがより向上す
る。
性を出来る限り変化させないことが重要であり、サファ
イア製の保持板15の軸方位及び面方位を精度良くセッ
トしたとしても、透過させることにより偏光特性の変化
を0とすることは困難であるからである。このような配
置とすることにより、コントラストの特性は、サファイ
アを使用しない場合と比較してほぼ同等レベルが実現可
能であった。
板6を液晶パネル8から離した構造を示したが、図6に
示すように、液晶パネル8に直接偏光板6を接合した構
造を取った場合でも、熱伝導性の良いサファイアを保持
板15として使えば、十分な放熱効果が得られ、冷却状
態を保つことができる。この構造を取った場合、液晶表
示面から、冷却風にさらされるサファイア製の保持板1
5外面側との距離を大きくできるため、保持板15の表
面にゴミが付着した場合でも、焦点が合いにくく、投影
される映像の品位を劣化させることを防止することがで
きる。
ア基板は、片面もしくは両面に反射防止コートを施すこ
とにより、更に透過性を高めることができる。また、そ
の反射防止コートも接着面と空気に触れる面とでコーテ
イング特性をその屈折率に合わせた設計とすることで、
さらに透過率を向上させることが可能であった。
る面には屈折率がほぼ1.0に対する反射防止コートを
施すが、この場合反射防止コートの屈折率は1.33±
0.15の範囲内のものを用いればよく、例えば屈折率
1.38のMgF2を用いる。また、他部材との接合面
には後述する透明粘着材の屈折率に合わせて、屈折率
1.38〜1.55に対する反射防止コートを施すこと
が好ましい。
けるサファイア基板には、少なくとも片面に液晶パネル
8の有効画素エリアよりも0.1mm以上大きなサイズ
となる透過率が1%未満の遮光枠を塗布することによ
り、投影する映像が周りからの散乱光によるコントラス
トの低下という問題を防止することが可能であった。こ
の遮光膜は、シルク印刷のようなものでも良く、クロム
系の蒸着膜でも構わない。
偏光板6、7を構成した場合、従来の青板ガラスまたは
白板ガラスを保持板15として使用した場合と比較し、
各々10〜15℃以上の冷却効果の改善が見られた。
サファイア基板を用いた実施形態について説明する。
極及びスイッチング素子を形成する透明基板と、出射側
に位置する対向電極を形成する透明基板との間隙に液晶
を保持する構造を取っており、これらの透明基板をサフ
ァイア基板で構成するか、またはこれらとは別に、液晶
パネル8の入射側や出射側にサファイア基板からなる透
明基板を備える。
射側と出射側に、少なくとも0.1mm以下の空隙を開
けて、密閉するようにサファイア基板からなる透明基板
18を接合したものである。
に空隙を開けた理由を説明する。液晶プロジェクタ装置
に用いる液晶パネル8は、拡大投影して使用されるた
め、間隔を一定に保つためのビーズを液晶と共に封入す
ることは出来ず、外周部のシール槽のみで一定間隔を保
つ構造となっている。そのため、サファイアの透明基板
18を直接接触させセットした場合、温度変化による熱
膨張等により、液晶パネル8の表面を変形させ、投影映
像の品位を落とすということになるのである。
ることにより、これらの変形を防ぐことができる。ま
た、液晶パネル8内の蓄熱を効率良く外周部の透明基板
18に伝導させるには、間隙を出来るだけ狭くする方が
良いことから、少なくとも0.1mm以下に間隙を保つ
ことにより、この両方の特性を満足することが確認でき
た。
明基板18を接合した場合の例を示したが、空間の代わ
りに柔軟性のある透明粘着材を介して接するように貼り
付けても良い。この場合の透明粘着材は、表1に示すよ
うにショア硬度30以下とすれば良い。また、その厚み
は、画像品質への影響を考慮した場合、10μm以上と
すれば問題がなく、熱の伝導による冷却性を確認した実
験を行った結果、表2に示すように70μm以下の厚み
とすれば良いことがわかった。
び出射側の両方に透明基板18を備えた方がより高い放
熱性を示すが、いずれか片側でも高い放熱効果を得るこ
とは可能である。さらに、透明基板18を成すサファイ
ア基板の片側、または、両側に反射防止コートを施すこ
とにより、更に、透過特性を向上させることが可能であ
る。
イア基板は、透過すべき偏光の偏光軸に対して、サファ
イア基板のC軸またはC軸投影線またはC軸と直交する
軸が±2゜以内、好ましくは0.5°以内となるようセ
ットすることで、旋光等のにより投影画像の品位を劣化
させる問題を回避することができる。また、サファイア
基板の面方位をC面±2゜好ましくは±0.5゜とする
ことによっても、投影画像の品位に影響を与えることを
防止できる。
基板18放熱板で覆うことにより、透明基板8にゴミが
付着しても、液晶パネル8からの距離を大きくできるた
め、焦点が外せて、映像品位に支障が出なくなる。尚、
この厚みは、1mm以上必要であることが実験により確
認できた。
持板15をサファイア基板で構成することにより、約5
℃以上の液晶パネル面温度低下効果が得られた。
晶パネル8を構成する入射側の画素電極及びスイッチン
グ素子を形成する透明基板19、及び出射側の対向電極
を形成する透明基板20をサファイア基板で形成し、液
晶パネル8を構成したものである。
基板について、いずれも透過すべき偏光の偏光軸とサフ
ァイアの結晶軸によるC軸又はC軸投影線方向又はC軸
と直交する軸との成す角度が、±2゜好ましくは±0.
5゜以内となるように構成するか、またはサファイア基
板の面方位をC面±2゜好ましくは±0.5゜以内とす
る必要がある。
板19、20自体が十分な放熱特性を持つサファイアか
ら成るため、偏光板を別に備える必要がなく、上記透明
基板19、20の外面側に直接偏光体13を接合すれば
よい。このようにすれば、透明基板19、20が偏光体
13の保持板を兼用させることができ、コンパクトで低
コストの構造とすることができる。
に反射防止コートを施すことで尚一層透過特性を向上さ
せることが可能となるが、偏光体13を接着させる透明
粘着材が、一般的に1.4〜1.5の屈折率を示して一
部反射防止の役目も果たすため、特に反射防止コーティ
ングを施こさなくでも良好な透過特性が実現可能とな
る。さらにその屈折率に合わせた設計の反射防止コート
を施すことにより透過特性が向上する。
せた冷却構造を取った場合、石英基板で同構造を形成し
た場合と比較して、約15〜20℃の温度低減効果が実
現でき、光学系の光路も約5%の短縮が可能となった。
晶パネル8の反射電極及びスイッチング素子を形成する
透明基板21、及び入出射側の対向電極を形成する透明
基板22として用いたものであり、この場合も、放熱効
果を向上させることが出来る。
イッチング素子を形成する透明基板21に用いるサファ
イア基板は偏光の特性に影響しないため、その軸や面方
位は任意で良く、また、面の仕上げも反射面側のみ鏡面
仕上げすれば良い。そして、透明基板21の裏側に放熱
用ヒートシンク23を直接取り付けることが可能とな
る。また、入出射側の対向電極を形成する透明基板22
として使用する透明サファイア基板については、入射光
と反射された出射光の偏光方向が異なるため、偏光に対
し旋光性がないように、その主面をC面±2゜以内、好
ましくは±0.5゜以内とするのが良い。
明する。
一般的に高精細画像を表示する場合、透過液晶方式、反
射液晶方式、DLP方式に関わらず、図2に示すように
光源をRGBの3色光に分離して、各々の色に対応する
画像を表示し、プリズム等を用いて合成する方式を取っ
ている。
を果たしているダイクロイックミラー10をサファイア
基板で形成し、光源1の波長を選択して透過・反射を行
う膜をその表面に形成する。
0の蓄熱を効率良く放散できるようになり、装置全体の
温度を低減することが可能となった。これらに使用する
サファイア基板についても透過後又は透過前に調整され
る偏光透過軸に対し、C軸またはC軸投影線方向または
C軸と直交する軸が±2゜好ましくは±0.5゜以内と
なるように構成するか、もしくは、サファイア基板の主
面がC面±2゜以内、好ましくは±0.5゜以内とする
のが良い。
の不要な発熱要因となる赤外線が光学系に入射するのを
防止する赤外線カット用のフィルタ3としてサファイア
基板を用い、その表面に赤外線カット膜を生成すること
もできる。この場合、フィルタ3は光源1直後に配置さ
れ、大きな発熱となっているため、光源1用の冷却ファ
ンを用いて冷却する事により、効率良く放熱することが
可能となり、装置全体の温度低減が効果が大きくなる。
も透過後または透過前に調整される偏光透過軸に対し、
C軸またはC軸投影線方向またはC軸と直交する方向が
±2゜好ましくは±0.5゜以内となるように構成する
か、もしくは、サファイア基板の主面がC面±2゜以
内、好ましくは±0.5゜以内とするのが良い。
熱フィンを接合することもできる。例えば、図10で
は、偏光板6の保持板15として使用するサファイア基
板の外周に、Mo−Mn等のメタライズ層24を形成
し、金属製放熱フィン25をロウ付け接合した。
ファイア製の保持板15に伝導し、更に効率良く熱伝導
性の良い金属製放熱フィン25へと伝導する。そして、
表面積を大きくして放熱性を上げた金属製放熱フィン2
5を冷却ファンで冷却することにより、更に冷却効果を
高くすることができる。
較し、更に、5〜10℃の温度低減効果の向上が見られ
た。このことにより、偏光体13の特性保証温度である
70℃に対し、遙かに低い安定した稼動条件を満たすこ
とが可能である。
イズ法を用いたが、活性金属法等を用いて作成しても同
様の効果が得られる。
る、一般的な樹脂枠(型)をアルミ等の高熱伝導性材料
で構成することにより、熱を更に効率良く伝えることが
出来るようになり、装置全体を放熱構造とすることがで
きるようになる。
する。
において、図11に示すように、高輝度ランプの光源1
を拡散させるロッド型のインテグレータレンズ26をサ
ファイアで構成した。
屈折率な透明材料であるため、4角柱のインテグレータ
レンズ26を作製した場合、全反射角を小さく設定する
事が可能となり、石英等の光学ガラスで作成したインテ
グレータレンズと比較して遙かに拡散性を向上させるこ
とが可能となり、また、全体の寸法もコンパクトに設計
することが可能である。
映像輝度の均一化を向上させることが可能となり、ま
た、放熱性についても改善が可能である。作成するイン
テグレータレンズ26の入射面及び出射面となる角柱の
端面部は、無反射コートを施すことにより、更に透過効
率を向上させることが可能となる。
いて説明する。
2O3)の単結晶体であり、Al原子・O原子が配置し結
晶を形成している。また、サファイアは、図12に示す
ように六方晶系であり、その中心軸がC軸、これに垂直
な面がC面(0001)である。そして、C軸から放射
状にのびるA軸(a1,a2,a3)とそれに垂直な面
がA面(11−20)となる。R面は、図のように、C
軸と一定の角度(約32.383゜)を有して存在す
る。尚、これらの軸及び面については、X線回折により
分析が可能である。
(Edge−defined Film−fed Gr
owth法)により製造した。即ち、高純度のアルミナ
を不活性雰囲気中で溶融し、このアルミナ融液と接する
ように内部にスリットを備えたリボン状のサファイア単
結晶育成用のモリブデンダイを位置させ、アルミナ融液
を毛細管作用によりモリブデンダイ上端部までアルミナ
融液を誘導し、そこで種結晶(シード)と接触させ、次
いでシードを上方に引き上げて単結晶アルミナであるサ
ファイアの育成を行った。この基板素材を引上育成する
に当たっては、シードの主面を育成したい面方位とし、
その成長軸を引き上げ軸としてセットし、引き上げれば
良い。このように引き上げることにより、主面の面方位
を容易に狙った面方位、軸方位として精度良く育成出来
るのである。尚、単結晶サファイアの育成方法は、EF
G法に限らず、チョクラルスキー法等他の方法によって
でも良いが、今回のような角形状の結晶を得たい場合
は、円柱状の結晶形状では効率が悪いため、板状の結晶
を精度良く得られるEFG法が適している。
を、ダイヤモンドホイール等により所定の形状に研削加
工を行った後、ダイヤモンド砥粒を用いラッピング加工
を行う。
コロイド粒子(コロイダルシリカ)を分散させた液を研
磨液として供給しながら、単結晶サファイアと研磨布を
相対的に摺動させて精密研磨(CMP)を行う。このよ
うにして研磨を行うことにより、新たに歪を生じさせず
に上記研削及びラッピング加工で生じた破壊層を除去す
ることができ、透過性に優れ、基板として用いる場合で
も良好な平滑な面が出来上がる。
明材料である石英ガラス・BK−7・フロートガラス
(青板ガラス)との特性値の比較を表3に示す。
が圧倒的に熱伝導率に優れ、放熱性に優れることが解
る。また、屈折率も比して高いため、インテグレータレ
ンズとして使用する場合も高い特性を有していることが
解る。
して薄く設計することが可能となり、全体としてコンパ
クトな光学系の設計が可能となる。さらに、耐熱性にも
優れ、液晶パネルを構成する多結晶シリコン(p−s
i)TFTの製造工程の高温プロセスに対しても、全く
問題なく使用が可能である。
ジェクタ装置に用いる透明体に熱伝導性の良いサファイ
ア基板を使用することにより、放熱効果が向上し、高輝
度で小型化した液晶プロジェクタ装置を発熱による特性
劣化という問題なしに実現することが出来る。
方位を精度良く制御する事で、偏光特性を忠実に透過
し、投影できるプロジェクタ装置が実現できる。
より金属製放熱フィンを直接ロー付けする事により、更
に放熱特性を大幅に向上することが可能である。
る投影画像の大幅な高輝度化・高精細化が可能となり、
更に装置の小型化にも貢献できる。
概略図である。
概略図である。
を示す図である。
を示す図である。
である。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】光源からの光をレンズ、偏光板を介して液
晶パネルを通過させ、投影するようにした液晶プロジェ
クタ装置における、上記レンズ、偏光板における偏光子
の保持板、液晶パネルを構成する透明基板等の少なくと
も一種をサファイア基板で形成したことを特徴とする液
晶プロジェクタ装置用透明体。 - 【請求項2】上記サファイア基板は、C軸方向又はC軸
投影線方向と透過すべき偏光透過軸との成す角度が±2
°以内であるか、又はC軸と直交する軸と透過すべき偏
光透過軸との成す角度が±2゜以内であるか、又はC面
と透過すべき偏光の透過方向に垂直な面との成す角度が
±2°以内であることを特徴とする請求項1記載の液晶
プロジェクタ装置用透明体。 - 【請求項3】上記サファイア基板の表面に反射防止コー
トを施したことを特徴とする請求項1又は2記載の液晶
プロジェクタ装置用透明体。 - 【請求項4】サファイア基板からなる保持板の表面に偏
光体を接合してなる偏光板。 - 【請求項5】上記サファイア基板は、C軸方向又はC軸
投影線方向と上記偏光体による偏光透過軸との成す角度
が±2°以内であるか、又はC軸と直交する軸と上記偏
光体による偏光透過軸との成す角度が±2゜以内である
か、又はC面と上記偏光体による偏光の透過方向に垂直
な面との成す角度が±2°以内であることを特徴とする
請求項4記載の偏光板。 - 【請求項6】上記サファイア基板からなる保持板と偏光
体の間に、ショア硬度30以下の透明粘着材を10〜7
0μmの厚みで介在させて貼り合わせたことを特徴とす
る請求項4記載の偏光板。 - 【請求項7】上記サファイア基板の表面に反射防止コー
トを施したことを特徴とする請求項4乃至6記載の偏光
板。
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