JPH08286146A - 高効率ライトバルブ投射システム - Google Patents

高効率ライトバルブ投射システム

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JPH08286146A
JPH08286146A JP7078927A JP7892795A JPH08286146A JP H08286146 A JPH08286146 A JP H08286146A JP 7078927 A JP7078927 A JP 7078927A JP 7892795 A JP7892795 A JP 7892795A JP H08286146 A JPH08286146 A JP H08286146A
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JP
Japan
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light
image
pixel
lens array
display system
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Application number
JP7078927A
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English (en)
Inventor
Eugene Dolgoff
ドルゴフ ユージーン
J Mcpharlen Malcolm
ジェイ. マクファーレン マルコム
B Christis Paul
ビー. クリスティ ポール
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Projectavision Inc
Original Assignee
Projectavision Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶プロジェクタにおいて、画素間の暗スペ
ースを除去するもの。 【構成】 光源と、画像が形成される素子と、前記光源
からの光を前記素子に送るように、前記光源と前記素子
との間に配設され、光反射内面を有する光トンネルとか
らなり、前記光トンネルが前記素子の縦横比と整合する
縦横比を有することを特徴とするディスプレイシステ
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広くはビデオ及びデー
タディスプレイ装置に関し、より特定すれば、新規の投
射光学系に関連して能動マトリクスLCDなどのライト
バルブを採用する改良されたビデオディスプレイシステ
ムに関するものである。
【0002】
【発明の背景】電子画像化技術の主流は、その創始以
来、陰極線管(CRT)又はキネスコープであった。C
RT技術は年々進歩してはいるが、幾つかの主要な欠点
がなお存在する。画像サイズはなお制限され、それが群
観察を困難にしている。約30″(対角線計測寸法)よ
り大きいCRT画像管はそのサイズ、重量、経費及び高
真空を用いることによる破裂の危険などが存在する。ま
た、高輝度を達成するため、危険な高電圧を用い、しか
も人体に有害なX線や電磁波を発生するものである。
【0003】CRT型ビデオディスプレイの画像品質
は、カラー歪み、像歪み、地球磁場の影響による色不純
性、及び色収差により低下するものである。さらに、C
RTディスプレイは特に至近範囲において鑑賞されると
き、この種のTVディスプレイにおいて固有の走査線や
不連続燐光ドット又は燐光ストライプなどのような視覚
的要因に支配される。これらの視覚的要因は映画館にお
けるスクリーン映像より低い画像品質をもたらすもので
ある。
【0004】これらの欠点の幾つかを克服しようとし
て、他の形式の発光ディスプレイを開発する調査研究も
また多年行なわれてきた。すなわち、プラズマ、エレク
トロルミネッセント(EL)及び冷陰極燐光ディスプレ
イなどが、実施化には至っていないまでも最も有望な技
術とされている。さらに、これら他の発光ディスプレイ
が成功したとしても、実用上において最新のCRTの輝
度又はサイズを上回る利点を提供するか否かということ
は疑問である。
【0005】今日では、2″×3″画像のポケットTV
が電子多重又は能動マトリクスアドレス技術によりアド
レスされる液晶ディスプレイを用いて実用化されてい
る。しかしながら、直視用大画像の発生は今日なお解決
されていない多くの問題を残している。単純な多重化は
クロストーク(混信)のために満足な画像を発生し得な
い。能動マトリクスはクロストーク問題を軽減するが、
極めて多くの製造工程及び大表面積にわたって設けなけ
ればならない多数のスイッチング要素及び記憶要素を用
いるため、直視用の大型、無欠点能動マトリクスディス
プレイを製造することは不可能であり、超大型ディスプ
レイにおける経済性は実現できない状態にある。
【0006】大型ビデオ画像システム、及び大型及び小
型であって薄型の、すなわち“フラットスクリーン”画
像システムに対する要求は、近年増すばかりであり、高
解像度テレビジョン放送の出現により、急激に増加する
ものと予想される。近年においては、“投射型テレビジ
ョン”が開発、及び市場化されている。しかしながら、
このような投射型ディスプレイ装置は初期のビデオディ
スプレイシステムに関連する多くの問題を一層悪化さ
せ、しかも、新たな問題も生じている。すなわち、投射
型テレビジョンは標準直視型テレビジョンより高価であ
り、より多くの複雑性と、携帯に不便な重量及び大型化
をもたらすものである。投射型テレビジョンシステム
は、各々投射レンズを有する3基のCRTを用いる方式
と、電子ビームにより走査される油膜を用いる方式の2
つに大別される。
【0007】CRT型投射システムは比較的薄暗い照明
による視聴環境を要求するとともに、極めて限定された
鑑賞角度しか許容しない高価な、特定のスクリーンを要
求するものである。3個のCRTは青、緑、及び赤の三
原色において画像を発生し、可能な限り輝度を高めるた
め、従来のシステムより高いアノード電圧により駆動さ
れるが、この高いアノード電圧は管重量を短くするとと
もに、放射線による危険性や高電圧に基づく他の問題を
大きくする。3個のCRT管はまた、危険な管破裂の確
率を増加させる。アイドファー(eidophor)と
して紹介する標準オイルベース型システムは、比較的短
寿命な3個の“被走査オイル要素”を有する。いずれの
システムにおいても、3組の光学素子を用いる全3個の
カラー画像が観察スクリーン上に正確に収束されなけれ
ばならない。この収束調整は色合い、飽和、垂直及び水
平サイズ及び直線性、並びにピンクッション及びバレル
歪みの極小化の調整などに加えて行なわなければならな
い。いずれのシステムにおいても、妥当な調整を行なう
ことは普通人の能力を越えたものである。正確なビーム
収束は容易には行なうことができず、しばしば半時間に
も及ぶ余分な調整時間を必要とする。これはシステムの
回路性能における変動及びレンズの収差に基づくもので
ある。また、プロジェクタ又はスクリーンが移動すれ
ば、収束調整を再び行なわなければならない。
【0008】実験はレーザシステムにおいても行なわれ
た。これは画像をCRTの面(フェース)上に電子ビー
ム走査するのと同じ方法で画像を鑑賞スクリーン上に走
査するものである。このようにして開発が進められたレ
ーザシステムは、携帯するには大きすぎるし、使用及び
維持にとっては極めて複雑で、しかも、高価かつ危険で
あって、大画像用としては余りに画像が薄暗いという欠
点を有する。
【0009】上述した問題点を解決すべく多くの試みが
実行され、その結果、幾つかの新たな“ライトバルブ”
型システムが実験されるようになった。このタイプのシ
ステムは理論的には所望の輝度を発揮し得る外部光源を
用い、ライトバルブにより画像情報を伝達する光を変調
するようにしたものである。実用可能なライトバルブシ
ステムを開発するための調査研究は、基本的には異なっ
た光学的、電子的、物理的及びその他の効果を使用する
ことに結び付き、所望の結果を達成するために種々の物
質を見いだし、かつ製造することとなった。種々のライ
トバルブシステムの試みは、主として結晶(石英、カリ
ウム二水素燐酸、リチウムニオブ酸塩、バリウムストロ
ンチウムニオブ酸塩、イットリウムアルミニウムガーネ
ット及びクロームオキサイド)、液体(ニトロベンゼ
ン)などもしくは液晶(セマチック又はネマチック液晶
もしくは支持液中のイオドギニンスルフェートなどの懸
濁粒子)もしくは1又は2以上の光学的効果を得るため
の他の同様な物質を用いるものである。ここに言う1又
は2以上の光学的効果とは、偏光面の回転を生じ又は加
えられた電解に基づいて物質の屈折率を変化させるよう
な電気−光学的効果、磁界を用いる磁気−光学的効果、
電気−歪み効果、ピエゾ光学効果、静電粒子配向、光伝
導度、音響−光学効果、カラー写真効果及びレーザ走査
誘導型二次電子放射などを含むものである。液晶ライト
バルブを除いてこのようなライトバルブ装置は十分大き
い絞り開口を有するものを経済的に製造することは不可
能であり、製造品質においてしばしば有害かつ危険であ
り、製造品質において矛盾したものとなる。
【0010】全てのライトバルブにおいては、異なった
領域は異なった情報又はアドレスを与えられなければな
らず、その結果、各領域を通じて異なった量の光が発生
し、それは光ビームの全体にわたって完全な画像となる
まで加えられる。ライトバルブの異なった画素(すなわ
ち、ピクセル)をアドレス指定するための技術はレーザ
又は電子ビームをその領域に向かって偏光させる方法又
はその材料自体もしくはそれに近接して配置された導電
路の小さな十字交差、すなわちマトリクスを使用し、そ
のマトリクスにおける前記領域を活性化するためにアド
レス指定する方法を含むものである。走査ビーム方式に
おいては、ガス排出及び物質の腐食に伴う問題が発生す
る。電気マトリクスシステムは、技術者に対する困難性
として好ましい導電性を有する透明材料の上に、高精度
な被覆を要求する。さらに、これらのマトリクスはほと
んどの材料の与えられた領域を活性化するに必要な高電
圧において、実施不可能な超高速スイッチング回路によ
って駆動されなければならない。
【0011】小領域をアドレスするためによく用いられ
るシステムは、しばしば電子多重技術として紹介され
る。電子多重技術は液晶などのような低電圧動作材料に
よってのみ好ましく作動するものである。この方法によ
れば全ての画素アドレスは導通グリッド状のx及びy座
標である。与えられた画素領域を活性化するため、特定
された種々の大きさの電圧をx及びy導体に印加し、そ
れらが整合してともに閾値電圧を越えたとき、その領域
を変調するようにしなければならない。このような多重
化技術の主要な欠点は、その周囲領域が電解の影響を受
けて、当該周囲画素に影響する誤データを生じ、コント
ラスト及び解像度を低下させたり、カラー飽和及び精度
の低下をもたらすようなクロストークの発生である。ク
ロストーク問題は解像度が大きくなるとき、増大する。
これは液晶材料が印加電圧に対して平等に直線応答する
からである。全画素は同一システム内において互いに繋
がっているため、これらは部分電圧を与えられ、したが
っていずれか一画素がアドレス指定されたとき、部分的
に活性化される。液晶混合物には非線型材料を添加する
ことができる。しかしながら、これはクロストークが画
像品質を顕著に低下させる約160ラインの解像度を上
回る解像度を許容するものではない。
【0012】ある時間において、アドレスされた画素以
外の全画素をマトリクスから選択的に切り離すようにし
た“能動マトリクス”ライトバルブはディスプレイにお
ける画素又はレンズに関係なくクロストーク問題を排除
するものである。近年、能動マトリクスディスプレイは
画素を切り離すためのスイッチング要素としてトランジ
スタ、ダイオード又はイオン化ガスを用いることにより
行なわれている。
【0013】液晶ライトバルブは極めて小さい持続性を
有し、一画素又は画素ラインは一時的に活性化されるた
め、全ての画素がそのとき“オフ”になってから、究極
的に観察されるためには、スクリーンに実質上わずかな
光を投射しなければならないことになる。この特性は光
を浪費し、コントラストの悪いぼやけた画像を生ずると
ともに、このぼやけた画像を補償するための高輝度光源
を用いることにより多大の熱を発生することになる。高
リフレッシュ速度はそれがより高速のスイッチング時間
及び応答性を有する材料を要求するため、実現困難であ
る。
【0014】しかしながら、能動マトリクスディスプレ
イは各画素に接続されたコンデンサなどのような記憶要
素をも用いるものである。これは各画素が適当な電荷を
維持し、これによってその画素がアドレスされてシステ
ムから切り離された後に、妥当な透過率を維持させるも
のである。したがって、各画素は全ての時点において、
正確な量の電荷“オン”を維持する。これは光のスルー
プットを増大させるとともに、フリッカー(ちらつき)
を制限するものである。
【0015】高輝度ディスプレイを実現するために高ワ
ット光源が用いられる場合、感熱性はその度合いに応じ
てコントラストとカラー忠実度とを低下させることにな
る。カラーフィルタ及び偏光子(もし、使用されるなら
ば)による高強度光の吸収は、赤外線がほとんど又は全
く存在しない場合でさえこれらの素子の発熱をもたらし
て、画像品質を低下させ、さらには、ライトバルブに損
傷を与える危険すら存在する。一般冷却機構の使用は有
害なノイズを発生し、必要な音響ボリュームを小さく絞
った比較的脆弱な環境においては重大な問題となる。
【0016】ライトバルブ投射システムの別の固有の問
題は、フレームの各画素がアドレス回路又は物理的構造
を含む不透明な境界により包囲されるという事実に関す
る。これは画素を視界的に不連続にし、映像を不都合に
粒状化させ、近距離又は大スクリーンによる観察中にお
ける不快感を増すものである。この問題は、単一のフル
カラーライトバルブが用いられる場合に、より増幅され
た形となり、各画素における個々の赤、緑、及び青色要
素が収束もしくは混合されないまま観察者に対して露呈
される。
【0017】したがって、小型ライトバルブによる投射
は、大型の高輝度像を生成するための最も実際的かつ経
済的な方法を提供するものである。しかしながら、この
ようなライトバルブプロジェクタは今日に至るまでなお
幾つかの欠点を有している。これらの欠点は少なくとも
4つの範疇に大別される。すなわち、 1) ライトバルブにおける制約 2) 光源上の制約 3) 光学系の非効率性、及び 4) スクリーン性能の脆さ、である。これらの問題は
“薄型輪郭”を有する装置から小映像又は大映像を大投
射像として表示できるような実用的な高品質ディスプレ
イシステムを容易に製造し得るように解決されなければ
ならない。
【0018】従来技術におけるビデオディスプレイシス
テムに関する上述した問題点及びその他の問題点に着目
して本発明は通常照明の部屋又は周囲光の多い環境にお
いても、広い鑑賞角度から歪みを生ずることなく高品質
及び十分な輝度を有する極めて大型のサイズ調整可能な
ビデオ映像を提供することを目的とするものである。
【0019】さらに、本発明の1つの目的は、特別に構
成されたLCDライトバルブなどのようなライトバルブ
装置と、長寿命で高輝度、かつ平均的な発光性、及び色
温度を有する独立した光源と、正面又は背面投射のため
の高効率の新規な光学系を用いたビデオディスプレイシ
ステムを構成し、これを過大な熱又はファンノイズを生
ずることなく作動させることである。
【0020】本発明の別の目的は、高解像度及び高コン
トラスト(すなわち、ストライプ、画素又はラインの現
出を排除すること)を有し、かつ高精度の演色性(CR
Tのそれに等しいか、又はそれ以上のもの)を有するシ
ステムを提供することである。
【0021】本発明のさらなる目的は、フリッカー及び
グレアを排除し、カラーピークを鈍化させることにより
眼精疲労を少なくするようなディスプレイ方式を提供す
ることである。
【0022】本発明のさらに別の目的は、長期間点検不
要(メンテナンスフリー)であって、長い動作寿命を有
し、所望に応じて特別のスクリーンと併用することがで
きる比較的低価格で量産可能な小型軽量の可搬システム
を提供することである。
【0023】本発明のさらに別の目的は、鑑賞に先立っ
て焦点整合又は他の困難な調整を必要としないシステム
を提供することである。
【0024】本発明のさらに別の目的は、放射線の発生
及び管破裂の危険を大幅に低下させたシステムを提供す
ることである。
【0025】本発明のさらに別の目的は、特別のスクリ
ーンを必要とすることなく、壁面又は天井面に容易に投
射し、かつ比較的広い鑑賞角度において快適に鑑賞する
ことができるシステムを提供することである。
【0026】本発明のさらに別の目的は、三次元投射可
能なシステムを提供することである。
【0027】本発明のさらに別の目的は、CRTに関す
る欠点である量産性、かさばり、高電圧、及び放射線と
管破裂の危険を克服し、かつ三次元CRT投射システム
における収束の困難性を解決したシステムを提供するこ
とである。
【0028】本発明のさらに別の目的は、像コントラス
ト、カラー再現性、解像度及び収率を増大させるととも
に、カラー画素の視認性、フリッカー、感熱性、画像ア
ーティファクト、システム冷却ノイズ及び非結像光の浸
出性を低下させ、さらにはライトバルブシステムのコス
ト及び複雑性を減少させることである。
【0029】本発明のさらに別の目的は、輝度効率、平
均輝度、及び色温度を増大させるとともに、管寿命を長
期化させ、かつ電源の重量及びかさを減少させることに
より従来の光源に関する制約を克服し、かつ改良したシ
ステムを提供することである。
【0030】本発明のさらに別の目的は、集光性の改
良、色選択及び偏光に基づく光損失の減少、ライトバル
ブの絞り開口比損失、及び他の非結像光損失の減少を含
む新規のシステムを提供することである。
【0031】本発明のさらに別の目的は、光吸収を減少
させた特別のスクリーン材料を使用して性能を向上させ
ること、レンティキュラー−レンズ−パターン像の劣化
とオフアクシス(軸外し)投射歪み及びオフアクシス輝
度低下を減少させること、そして、グレア及び像視認性
に対する周囲光の影響を減少させることを含む新規のシ
ステムの提供にある。
【0032】さらに、本発明のいま1つの目的は、投射
距離内における無駄な空間の極小化及び三次元投射を可
能にしたシステムを提供することである。
【0033】本発明のその他の目的もまた、以下の説明
から明らかになるであろう。
【0034】
【発明の要約】後に明らかになるであろう本発明の全て
の目的は、“能動マトリクス”を用い、そのマトリクス
中の液晶要素の各々を電子的にアドレス指定及び活性化
することにより画像形成するための液晶ディスプレイ
(LCD)装置などのようなライトバルブを採用した“高
効率ライトバルブ投射システム”により達成される。マ
トリクスはセパレート型のトランジスタ又は他の適当な
材料が各画像(ピクセル)を制御すべくそれらに近接し
て配置され、各画素のためのビデオ信号をストアすべく
コンデンサなどのようなストレイジ要素を用いることに
より“能動”素子となる。システムはさらに、ライトバ
ルブを照射するための光源と、光源からの光を平行に
(コリメート)するとともに、光スループット効率及び
投射像の品質を改善する光学系、及びライトバルブから
鑑賞面上に画像を投射し、かつ結像するためのレンズシ
ステムを含む直接投射光学系を具備している。
【0035】本発明の一実施例における重要な局面は、
それらの間に間隔を有するフルカラー画像を形成するた
めに単一の多色化LCDから3素子カラー画素を重畳す
るようにした二色性ミラーシステムの使用にある。
【0036】本発明の一実施例における別の局面は、画
素間のスペースを充満させることである。これらのスペ
ースは4ミラーシステムを用いて充満させることができ
る。第1のストリップミラー対は各画素を複製し、その
像は画素間に予め存在するスペース中に水平に移入され
る。第2のミラー対は新たに発生した画素列を複製し、
原画及び複製画素像を垂直に移動させて画素間の残りの
スペースに充当させる。
【0037】隣接画素間のスペースを充満させるための
他の方法としては、拡大用レンズアレー及びコリメート
レンズ又は第2のコリメートレンズアレーを用いて各画
素の個々の像を拡大し、かつ平行化する方法が存在す
る。
【0038】本発明は、以下図面を参照して説明する詳
細な説明により好ましく理解されるであろう。
【0039】
【実施例の詳細な説明】本発明は「高効率ライトバルブ
投射システム」を指向するものである。このシステムの
全体はビデオディスプレイシステムの問題点を克服して
前述した目的を達成するために創出されたものである。
【0040】CRT問題を巡る最も有望な技術は、ライ
トバルブ技術である。この技術は外部光源及び“ライト
バルブ”を使用する。ライトバルブは光源の光を変調し
て光ビーム上に画像又はデータ情報を載せ、その結果、
ビームは鑑賞面上に投射される。ライトバルブ投射シス
テムは、CRT投射システムと同じ思想を用いて構成さ
れ、しかも、CRT投射システムより高輝度の像を生成
することができる。このようなシステムは黒白像、単色
像、又はフルカラー像をディスプレイするためにも構成
される。
【0041】周知のライトバルブ−ビデオディスプレイ
システムの1つは、CRTに関する問題点を解決する上
での最大の可能性を示しており、それは透過又は反射モ
ードにおいて用いられるアドレス用導通マトリクスであ
って、液晶の偏光/回転、複屈折又はスキャッタリング
(散乱)を利用することである。しかしながら、電子多
重化技術を用いる最新のビデオディスプレイ設計に関し
ては、それにまつわる問題を排除するため、種々の変形
を行なわなければならない。LCD技術は現時点におい
ては好ましいものであるが、本発明は、一般にライトバ
ルブ技術に適用可能であり、広い観点において翻訳され
るべきである。
【0042】図1は赤ディスプレイ用の1つ110と、
緑ディスプレイ用の1つ111と、青ディスプレイ用の
1つ112からなる3個のライトバルブを示し、各ライ
トバルブは適当なカラー光源100,101,102の
光により照射される。光源100からの赤色光は集光レ
ンズ120により集光され、コリメート光学系130に
より平行化されてから投射光学系140により赤色像を
スクリーン150上に投射結像する。同様に、緑、及び
青色像も投射されて、スクリーン上に収束し、これによ
ってフルカラー像が形成される。しかしながら、このフ
ルカラーシステムの不利益はプロジェクタ又はスクリー
ンが移動すれば、像を収束するために光学系を必ず調整
しなければならないことである。本発明において、この
収束の必要性は図2に略示するような二色性ミラー及び
単一投射レンズを用いることにより排除される。ライト
バルブ200からの赤色像情報は正面ミラー201から
反射されて二色性ミラー204に入射し、ここで、赤色
光は反射されるが、赤及び緑色光は通過する。LCD2
20からの青色像情報は正面ミラー202から反射され
て二色性ミラー203に入射し、ここで、赤色光は反射
されるが、緑色光は通過する。反射光はさらに二色性ミ
ラー204を通過する。このようにしてスクリーン20
6上には投射光学系205により完全整合したフルカラ
ー像が投射される。収束は常に完全であり、プロジェク
タ又はスクリーンの再位置決めには影響されない。本発
明は収束問題を緩和するCRTプロジェクタを形成する
ために適用し得る。
【0043】画像が赤、青及び緑色画素のモザイクであ
るべき場合、各画素はその原放送輝度並びにその演色性
を再現するための正確な電流量を受け取らなければなら
ない。電子多重化技術を用いる現在のLCD TVディ
スプレイは十分な使用画像を生成するものではあるが、
そのような画像が大画面に投射されるときは透過光はゼ
ロにはならないため低コントラストを生ずることにな
る。さらに電子多重化技術によれば近接画素に対するク
ロストーク及び電子的“滲出”が解像度及びカラー忠実
度を減少させることになる。また光が浪費されるため各
画素が走査フィールドの一部でのみオンに転じられる状
況下では、画像は薄暗い現れ方となる。画像は十分にリ
フレッシュされにくいため、フリッカ及び輝度光源はL
CDの残光に左右される。しかしこれは調整不可能であ
る。
【0044】上述した問題を解決するため、本発明のシ
ステムは各画素をアドレスするために用いるデータをス
トアするライトバルブを用い、これによってそのライト
バルブの画素を所望の時間内だけ活性化し続けようとす
るものである。所望の時間とは新たなデータが受信さ
れ、その画素について異なった値が指示されるまでであ
る。データは種々の手段によりストアされるが、好まし
くはコンデンサに電荷として蓄えられるべきである。こ
のコンデンサは、それが充電された直後において放電路
を分離するようにその充電回路から切り離されるように
なっている。
【0045】回路分析によれば、所定の画素がそのX及
びY導体を通じてアドレスされるときそのアドレス電圧
の1/3は他の画素にも現れるということを示してい
る。液晶材料が好ましい直線性を有しておれば、これは
誤データによる不適当な画素の部分的活性化を生ずるこ
とになる。これは液晶がその閾値電圧を高めることによ
り活性化されることを制限する手段を付加するか、電圧
の非直線性に応答させるようにするか、又は回路からそ
の画素をアドレスさせるときまで切り離しておくスイッ
チング機構を付加することにより軽減することができ
る。これを実行する好ましい方法は各画素に“スイッ
チ”を加え、“能動マトリクス”アドレスシステムとし
て知られたものを構成することである。
【0046】例えば図18に示す通り、インジュウム酸
化錫などの透明導通物質からなるX−Y画素マトリクス
はガラス容器の内面に被覆され、その容器内には液晶物
質1800が充填される。一表面上の所定の水平列にお
ける各画素はリザーバ1810内のヘリウムなどのよう
なガスと接触するように配置される。このリザーバ18
10はそれをイオン化して列内の画素電極に電流を流す
通路を生ずるための閾値電圧を必要とする。対向するガ
ラス板上に対応する画素電極1820は、例えば垂直ラ
インに沿ったビデオ信号入力に接続される。電圧が閾値
に達すると、第1ガラス板上の所定の列におけるガスが
イオン化される。対向ガラス板上の対応する画素電極に
つながる垂直列に供給されるビデオ信号はそれらに画素
電極を充電し、ガラス板間の液晶物質はコンデンサを形
成する誘電体として作用する。その直後においてガスを
イオン化するに必要な閾値電圧が除去されると、水平列
に沿って必要量の電荷を蓄えた画素電極コンデンサは蓄
積データを置換すべく新たなデータが受け取られるまで
その列に沿った液晶物質の分極回転を維持する。
【0047】選択的に“能動マトリクス”は各画素に隣
接して薄膜トランジスタを被覆し、各画素においてスト
レージ素子を用いることによっても構成することができ
る。各トランジスタはそれをオンに転じて対応する画素
にビデオ信号電圧を伝達するためのゲート信号を受信す
るまでトランジスタがゲート信号を除去するかによりオ
フに遮断されると、ガス電極はそれらの間の液晶ととも
に電荷を蓄積するコンデンサとして作用する。これによ
り液晶物質の活性状態は新たな信号によって変化させら
れるまで維持される。液晶物質の充電漏れが大きすぎる
場合には電荷を維持するために余分のコンデンサを付加
することができる。
【0048】このようにして各画素はアドレスされて、
オンに転じられ(光の透過又は反射による)、さらに次
のフレームのためにデータが送り込まれるまで維持され
る。このシステムによればフリッカーは進行走査方式に
より画像と同様に制限することができる。各画素は次の
フレームにおける画素の透過又は反射に関する適当なレ
ベルまで直ちに変化し、フレームの全長についてオンと
なる。各画素が全ての時点においてオン(所望量)にな
ると外部光源からの光のスループット特性は最大まで高
められる。半導体物資の最新の被覆技術を、能動マトリ
クスなどのような大量素子生産に用いることができる。
同様にLCDのようなライトバルブの能動マトリクスア
ドレス技術に加えて電子走査アドレス及びレーザ走査ア
ドレスを含む他の方法もまたプロジェクタ内のライトバ
ルブにおいて用いることができる。
【0049】ライトバルブは直接投射光学系の関連にお
いて用いることができる。本発明の一般概念は図17に
略示されている。この構成は光ビームを放出する光源1
700と光ビームを平行化するコリメート光学系171
0を含み、後者の光学系はビーム反射用の球面又は放物
面鏡1720と、ビームを前方に収束する集光レンズ1
730と、ビームを再び平行化するコリメートレンズ1
740からなっている。ライトバルブ(又はライトバル
ブ群)1750は平行ビームによって照射され、その上
にフルカラー光学像を形成する。次に投射光学系175
0はこの像を鑑賞面1790上に結合する。投射像の品
質を改善するため三原色の画素を重ね合わせるためのサ
ブシステム1760が用いられ、各画素間にスペースを
有するフルカラー画素が形成される。また画素間のスペ
ースに充満を生ずるためのサブシステム1770が用い
られる。
【0050】薄膜トランジスタの被覆により形成された
能動マトリクスライトバルブもまた重大な欠点を有する
ものである。すなわち、微小区分寸法や、多くの被覆層
及び導電路、トランジスタ及びこの種ライトバルブにお
ける他の特徴による高密度性のために短絡や開放が生ず
る機会が多いということである。単純な欠陥は画素の全
列を永久的にオン又はオフにするという、スクリーンに
投影された欠陥が極めて顕著であって、受入れ難いため
にディスプレイシステムの全体を使用不可能とする場合
がある。したがって、ディスプレイの解像度及び/又は
サイズの拡大と、許容し得るディスプレイコストの急激
な増加などとしてディスプレイ収率が際立って低下する
ことになる。したがって、各画素におけるトランジスタ
の冗長化及び導体通路の冗長化、並びに短絡したトラン
ジスタ又は通路を除去するためのレーザの使用などの技
術がこのような欠点を補償するものとして工夫されてき
た。しかしながら、これらの技術によっても多くの欠点
はなお改善されず、低収率及び高コストの状態がなお続
いている。
【0051】本発明の2つのディスプレイ技術は適当な
ディスプレイドライバと背中合わせの関係であり、これ
は収率を高めるとともに、能動マトリクスディスプレイ
を製造するコストを低減させるものである。図19に示
すように、各ディスプレイ1910,1920の分離配
置は、その比較的少ない不正確な欠点1911及び19
21のため、それぞれ受入れ難いものではあるが、2つ
の拒否されたディスプレイは、1つの欠点は他の欠点が
対応しなくなるところで結合される。2つのディスプレ
イにおける出力面又は入力面は90°のねじれ角を有す
る(但し、半波長板がそれらの間に配置されていなけれ
ば)通常のLCDにおいて互いに対面しなければならな
い。この方法において、例えば第1のディスプレイにお
ける入力面に入った垂直偏光は、電流が供給されなけれ
ば液晶物質によって90°回転させられ、水平偏光とし
て現出する。それはここで第2のディスプレイにおける
出力面に入り、液晶物質によって回転させられて垂直偏
光となり、第2のディスプレイにおける入力面から補償
される。その結果、ディスプレイ間に偏光子を配置する
必要はなくなる。
【0052】本発明においては、透過性ライトバルブが
好ましく用いられるが、反射性ライトバルブであっても
同様に用いることができる。活性化媒体として液晶を用
いるとき、ねじりネマチック効果は光を変調して満足な
像を生ずる最も一般的な方法を提供する。しかしなが
ら、ねじりネマチック効果の利用は反射性ライトバルブ
においてはよく作用しない。これは(例えば、垂直方向
において偏光した)偏光がライトバルブに入射して、9
0°回転し、背後の反射器に達してねじりネマチックセ
ルを通過する第2の時点においては、90°逆回転す
る。かくして、光は初期偏光とともに優勢的に補償され
る。液晶物資に印加されるべき電圧信号が存在すると
き、ネマチック液晶はセル面に、電圧に応じたある角度
で交差するようになり、光に関するそれらのねじり配向
性を失う。したがって、セルに入射した光はこれを通過
してから光路を変えることなく折り返される。したがっ
て、電圧が印加されるか、又は印加されない状態におい
て、光はねじりネマチック効果によって影響を受けない
反射性セルから出現する。
【0053】反射性液晶セルは、液晶のスキャッタリン
グ又は複屈折を利用して動作するものである。反射性能
動マトリクスライトバルブは多くの方法により構成する
ことができる。例えば、単一のシリコンチップを従来
の、例えば1970年にヒューズにより提案されたよう
なシリコンチップ製造技術を用いて能動マトリクスとし
て形成し、そのシリコンチップ上にアルミニウムなどの
金属材料からなる反射性画素電極を形成する。セルの対
向面は透明インジュウム酸化錫からなる画素電極を有す
るガラスより形成することができる。
【0054】スキャッタリング効果(図20参照)を用
いることにより、セル2000に入射した光は鏡面反射
背面に達し、例えばシュリーレン型(Schliere
ntype)光学系におけるような絞り開口2010を
通って収束されるために、そのセルから反射される。電
圧が与えられた領域に印加されると、光は電圧に比例し
て散乱し、それが絞り開口を通ってスクリーン2020
上に結像されることを阻止する。液晶分子の複屈折を利
用するため、セルは印加電圧に応じて液晶双極子をセル
の面に平行するか、又は直交し、場合によってはその中
間の角度で配向されるように構成される。この場合、分
子がセルの面に直交して配列されたセルに入射した偏光
は、その不変の偏光状態により背後反射面から反射され
た後、そのセルから放出される。しかしながら、双極性
分子がセル面に完全に、又は部分的に平行する場合の妥
当なセル厚さによれば、液晶分子の複屈折性は液晶物質
をして可変効率の1/4波長板の如く作用させる。かく
して、そのような反射性セルへの入射及び出射経路を辿
った後、偏光はその偏光面を印加電圧に応じてある角度
(90°まで)だけ回転させる(セルを通る二重通路は
そのセルを半波長板として作用させる)。
【0055】必要な投射光を光源球により発生した熱及
び赤外線は解像度及びコントラストを低下させるととも
に、カラー歪み及びグレー歪みの発生源となり、ライト
バルブに損傷を与える場合がある。熱及び赤外線、そし
て光はライトバルブをガウス分布状に照射し、そのライ
トバルブの中央に“ホットスポット”を生じさせる。損
傷が限界にまで達していなくても、ライトバルブが拡大
してそれを通過する間隔光を増加させるため、やはり画
像の劣化を生じることになる。偏光回転効果が用いられ
る場合、ライトバルブを通過する光の偏光面の回転が変
化してコントラスト、解像度及びガウス分布におけるカ
ラー及びグレーレベル演色性を犠牲にする。
【0056】ライトバルブの発熱による有害な効果を処
理するために幾つかの工程が実施される。まず、ライト
バルブを含む全ての光学系は、例えばパワートランジス
タにおいて行なわれているような大放熱手段に対し、好
ましい接触状態で取り付けられるべきである。ライトバ
ルブ窓を含むシステム中の光学系は極めて高い光学品質
と高い熱伝導性を有するダイヤモンド及びサファイヤな
どのような物質から形成されるか、又はそれらを被覆さ
れる。さらに、全ての光学系は赤外線(IR)スペクトル
を反射するために二色性反射器において実施されている
ような適当な厚さの材料の被覆を行なうことができる。
赤外線反射ミラー及び吸熱カラーは光路中において用い
ることも可能である。さらに、容器中に収容され、指数
整合(index−match)した高沸点流体からな
る液体又は気体(流体手段)をさらなる冷却用として用
いることができる。この流体は収容された領域内におい
て静止又は循環し、かつ被冷却要素と接触するように配
置される。選択的に透過光学素子に代えて、金属光学素
子からなる反射光学素子を用い、これらをさらなる放熱
のために利用して赤外線波長の反射を抑制する(これは
赤外線非反射被覆を伴う)。
【0057】当然ながら、非反射被覆を光学面の全体に
適用してそれらの表面反射に基づく不都合を減少させる
ことができる。このような表面としてはレンズ、ホット
ミラー、吸熱器、偏光子、プリズム及びLCDなどのラ
イトバルブの表面や、さらには、ライトバルブのガラス
面の内面をも含み、ガラス−ITO境界ガラス−液晶境
界、ITO液晶境界等々における反射を減少させる。
【0058】冷却ファンはライトバルブ並びにシステム
の他の要素を冷却するためにも用いられる。特定点(ス
ポット)に対する冷却を行なうためには、ダクト及び細
管が用いられる。しかしながら、ファンはノイズ問題を
生じ、これはシステムのオーディオボリュームが特に小
室において低レベルに維持されている場合には重大な欠
点となる。このようなノイズを抑制するためには、ファ
ンと、例えば本発明の種々の要素のためのハウジングの
出口との間にエアバッフルを用いることができる。図1
6はプラットフォーム1620上に配置されたファン1
600を含む騒音抑制システムを示している。気流ブロ
ッカ1630は空気が出口1640を通ってハウジング
から排出されるまでにそれを湾曲通路に沿って偏光及び
進行させる。空気及び音響を反射する表面は吸音物質に
より被覆されており、これによって視聴環境に入るノイ
ズを大きく低下させることができる。ある種のノイズは
出口1640においてなお存在するため、ノイズ減少の
ためにさらなる手段が設けられる。この手段は残りのノ
イズを拾って増幅器に送り、そこでノイズの位相を18
0°反転させるためのマイクロホン1650である。位
相反転されたノイズはスピーカ1660から再生され
る。増幅器のボリュームと、位相を適当に調整すること
により、残りの気になるノイズは実質的に減少して実用
上聴取されなくなる。
【0059】用いられる光源の輝度及びシステムの物理
的及び経済的制約に応じて幾分かの無視し得ないガウス
分布状熱パターンがライトバルブに止まり、全熱量が時
間とともに蓄積される場合がある。したがって、この問
題を除去することに関連して、例えば電子的なアプロー
チが試みられる。温度効果と反対の方向に電界を変更す
ることはこのような熱効果に基づく歪みを実質的に排除
するものである。これは偏光面の回転角度がそれを通す
ライトバルブの厚さだけでなく、加えられた電界の大き
さにも左右されるからである。この結果、ライトバルブ
の全体を通じて均一な性能が補償される。このようなシ
ステムは異なった画素に対して異なった態様で印加さ
れ、ライトバルブを通じてガウス分布状パターンにおい
て分布するバイアス電圧を利用するものである。ライト
バルブに配置されたサーミスタ又は他の温度検出装置
は、全平均ライトバルブ温度を監視して温度が変動する
ときのガウス分布状バイアス電圧を調整するものであ
り、これは電子帰還回路を用いて行なわれる。より正確
な温度制御のためには、サーミスタ型装置が画素間のス
ペース中において各画素に隣接して配置され、これによ
って各画素の熱補償バイアスを独立して制御するもので
ある。
【0060】“能動”マトリクスは投射像における輝度
を多重アレーより高くし、かつ与えられた輝度レベルに
おいて発生する熱を少なくするものである。このように
して各画素を個々にアドレスすれば、クロストークを除
去することができる。しかしながら、全ての導通路、ト
ランジスタ及びコンデンサは画素間における実質的な
“デッドスペース”(死空間)を発生する。これらのデ
ッドスペースは一般に隣接画素からの電界が互いに混合
して誤データを発生し、色コントラスを低下させるとと
もに、色混合を歪ませるような“オーバーラップ領域”
に存在する。これらの領域上に不透明、黒色、反射性又
は他の被覆を施すと、それらは少なくとも次の3つの効
果を発揮する。すなわち、まずそれはスクリーンに向か
う光路から不正確に変調され、もしくは変調されなかっ
た光の通路を遮断し、第2に半導体を強力な光と熱の照
射に基づく損傷から保護し、第3に画素の放電機会を減
少させるものである。被覆された領域は画素サイズの分
数程度である。
【0061】フルカラーを発生する投射システムにおい
て、3個のライトバルブを用いることに代えて、単一の
ライトバルブを用いたフルカラー投射システムを構成す
る幾つかの方法も存在する。単純で小型、かつ廉価なフ
ルカラービデオ投射システムは、単一の“フルカラー”
ライトバルブを用いて構成することができる。投射方式
を用いない従来のフルカラー直視ビデオディスプレイ
は、単一の“フルカラー”を用いて構成されたものであ
った。しかしながら、このようなシステムの画像は投射
により拡大されると、これまでに述べたような幾つかの
問題が顕著に発生したわけである。
【0062】標準CRT型TVシステムでは赤色、青色
及び緑色画素データがCRT面上の近接する赤色、青色
及び緑色燐光スポットに送られる。同様に直接鑑賞型フ
ルカラーLCD TVシステムでは赤色、青色、緑色画
素データがLCDの近接領域に送られる。これらの領域
がその後赤色、青色及び緑色フィルタで被覆され、これ
らのLCD画素エレメントを通過する光が適当な色彩を
帯びる。図15aは一定の色彩の画素が互いに上下に配
置され、垂直のカラーストライプを生じさせるカラー画
素の簡単な構成を示す。3つの水平方向に近接する画素
領域が画素三つ組を形成し、これは実像からの単一のフ
ルカラー画素を表す。図15bはカラー三つ組の3つの
画素が三角形を形成するよう配置される画素の他の構成
を示す。好ましい単一のライトバルブの実施例では、こ
のようなフルカラーライトバルブを図17の位置175
0に配置し、フルカラー像を生じさせることができる。
【0063】一実施例では単一のライトバルブ2100
を3つの部分に分割することができる。例えば赤色の像
を生じさせライトバルブ板2110の左1/3を電子的
にアドレスすることができ、像の緑色の要素に対応する
電子データがライトバルブ2120の中央1/3をアド
レスし、像の青色の要素を表す電子データがライトバル
ブ2130の右1/3をアドレスすることができる(図
21)。このような3つの像からの光をその後オーバー
ラップさせ、投射光学系に通し、スクリーンに投射する
ことができる。投射レンズ2220は一定の焦点距離を
もつため、それを各カラー要素の像からその焦点距離だ
け離れるよう配置せねばならない(それは各像から光学
的に等距離でなければならない)。これを幾つかの方法
で達成することができる。1つ又はそれ以上のレンズ系
をライトバルブ2100の後方に配置し、3つの像が異
なる光路を横切っても3つの像の内の1つ又はそれ以上
の焦点を同一の投射レンズに通し調節することができる
(図22参照)。例えば補正レンズ2201を反射路に
対する直線進路の距離の差に補正することができる。こ
れに代えて例えば図23に示されているように、進路の
長さを適当なミラーによって整合させることができる。
更に好ましくは、図75に示す構成を採用することもで
きる。図75において、符号7510、7520、75
30、7540は、ビームを反射させるための第1面ミ
ラー又はプリスムを示し、符号7550、7560は、
ダイクロイックミラーを示す。画像形成素子からの光
は、レンズ7580によって拡大され、所望の拡大率の
画像を形成する。角度を正しく(例えばA1を67.3
8度に、A2を36.87度に)設定すると、全てのビ
ームが等しい光路を通り、1つのフルカラービームに合
体する。画像形成素子は、種々の態様に、又は、例えば
水平方向の複数の部分に2分割した一方を更に2分割す
るなどして複数の部分に分割できることは言うまでもな
い。前述したように、反射ライトバルブを含む反射光学
系を使用し、フルカラービデオ像を生じさせることがで
きる。単一のライトバルブをもつこの形式のセットアッ
プの一例が図24に示されている。
【0064】このセットアップでは光源2400からの
光が集光光学系2410によって集められ平行化され
る。四分の一波長板2420を通過した後、光がマクニ
ールビームスプリッタキューブ2000に入る。S偏光
がキューブの内面から前面ミラー2430に反射する。
これがS偏光を反射させ、キューブ、四分の一波長板、
集光光学系及び電球に戻し、四分の一波長板に戻す。こ
の時四分の一波長板を2回にわたって通過したS偏光が
90°回転しP偏光になる。それはキューブを通過する
ことができ、面偏光がなされる場合であっても使用する
ことができる。
【0065】二色性ミラーセットアップ2440が光を
赤色、緑色及び青色ビームに分割しこれが進路等化ミラ
ー2450から反射し、ライトバルブ2100の3つの
部分を照らし、それが3つのカラー要素の像をもってア
ドレスし、その光がライトバルブから反射し、その進路
をマクニールプリズムまで戻る。投射される像に現れる
光はライトバルブによってP偏光からS偏光に変換され
る。したがってそれがキューブの内面から反射し、投射
レンズ2220を通りスクリーンに出る。非結像光はP
偏光されたままであり、キューブを通過しシステムに再
入射し、幾らか明るい投射像を照射させる。後方にミラ
ーを有する複屈折透過ライトバルブをこの構成に使用す
ることもできる。
【0066】普通のLCDSではカラーフィルタがLC
Dのキャビティー内に配置される。これが必要であるの
は実際のLSDの画像とそれに色彩を帯びさせるカラー
フィルタの物理的位置の差が視差を生じさせ、直接鑑賞
型LSDを正面からある角度ずれた位置で見るとき、そ
れが非整合または非補正カラーとして認められるからで
ある。
【0067】LSDを形成するカラー板間の空間は代表
的には10ミクロンよりも小さいため、カラーフィルタ
の配置に高い程度の厚さ制御及び薄いコーティング厚さ
でのカラー透過率及び全体の透過率の均一性が要求され
る。これに加えて高い効率のフィルタ作用を使用し、カ
ラー板間の空間と同程度又はそれよりも大きいコーティ
ング化学製品に汚濁微粒子が生じないようにせねばなら
ない。
【0068】しかしながら、投射は光がライトバルブを
実質上あらゆる視差誤差を除去する平行の方向に通過す
る場合であってもライトバルブを実質上平行化された光
で照らし、あらゆる角度からスクリーン上に見ることが
できるユニークなシチュエーションを提供する。これは
フルカラーライトバルブを投射に使用すると、厚さを正
確に制御する必要のない外部カラーフィルタを使用する
ことができるということを意味する。ライトバルブの外
側に配置されているとき汚濁のリスクが減少し、その目
的のためのライトバルブの複雑性及び製造コストが減少
する。“フルカラー”ライトバルブを使用すると他の問
題が生じる。それは小さいディスプレイには重要ではな
いが、大きい像のとき大きい問題になる。この問題は低
いコントラスト比率及び低い色彩忠実度を生じさせる。
この問題を理解し補正するためフルカラーLCDのディ
スプレイの作用を分析せねばならない。次にこの問題の
性質を説明する。電圧が印加されず与えられた波長
(λ)のための液晶の厚さ(d)をもつツイステッドネ
マチック液晶装置から透過される光度(TI)は屈折異
方性(Δn)及び液晶ツイスト角(Θ)によって決定さ
れる。これらのパラメータの値が稀に同時に組み合わさ
れるときに限りTIをゼロにすることができる。これは
波長(λ)及び与えられる液晶の厚さ(d)の特別の組
み合わせを除きゼロの透過強度又は真の“黒”は生じな
いということを意味する。したがって異方性ツイスト角
及び液晶の厚さが決まっている場合、これらがLSD
(幾つかの平板間の液晶からなる)などの通常のライト
バルブ内にあるとき、一つの色彩だけを黒にすることが
できる。電圧が印加され光の回転が変化すると、その後
異なる色を黒にすることができる。この非直線性が全て
の色の真の黒の可能性を除去し(したがってコントラス
トを制限し)、認められる色彩が付加的に生じるため、
これが真の色彩の忠実度を除去する。
【0069】この問題を説明するため図10のダッシュ
曲線が一定の厚さをもつ標準フルカラーLCDの可視ス
プリングに対する透過強度を示す。図11のプロットA
は電圧に抗してプロットされる均一の厚さのフルカラー
LCDに使用される3つの波長に対する非直線透過率の
変化を示す。例えば赤色の透過率が最小であるとき、青
色の透過率は10%以上であり、緑色の透過率はおよそ
5%である。真の黒がないときコントラスト比率が低
く、これが現在のLCDSの大きい問題の1つである。
この問題を解決するため、前述した変数の1つを変え、
一定の信号電圧のための望ましい透過率が得られるよう
にせねばならない。これは画素を電子的にバイアスする
ことによってなすことができ、それがカラー要素の2つ
(赤色及び緑色など)に対応するデータをもってアドレ
スされる。これは赤色及び緑色画素を通る正味の透過率
を生じさせ、信号電圧がどのパネルにもないとき青色パ
ネルの透過率が均一化される。(d)を適正に選定する
と全てのカラーが最小になる。
【0070】これに代えて液晶の厚さ(液晶を包むプレ
ート間のスペース)を各カラーフィルタで選定しゼロ
(信号)ボルトにおいて的確な回転がそのカラーフィル
タによって透過される特定の波長のための偏光に与えら
れる。これをカラーフィルタの3つのセットのそれぞれ
になすことにより、電圧を印加しなくても各カラーの最
小量の光が透過される。これはより黒い黒を提供し高い
コントラストを生じさせる。例えば図12に示されるよ
うに、1つのプレートの段階的被覆又はエッチングによ
って段差が形成されるとき、これが達成される。
【0071】このような“段差のある厚さ”キャビティ
をもつライトバルブを使用すると、液晶の厚さ−波長の
組み合わせによって3つの色彩の全てに対する真の黒を
同時に得ることができ、印加される電圧と全てのカラー
に対する透過される強度間の直線関係を同時に得ること
ができる。これが図10(実線)で示されており、電圧
が印加されていなくても全ての色彩に対する透過率がゼ
ロに近く、図11のプロットBにおいて全ての色彩に対
する透過率が電圧をもって同時に変化する。
【0072】実施例では、“段差のある厚さ”キャビテ
ィによって100:1の高さのコントラスト比率及びC
RTのそれに近いカラー忠実度が生ずる。この高いカラ
ー忠実度が図13のCIEダイヤグラフに示されてお
り、そのダッシュ線は通常のマルチカラーLCディスプ
レイの色度を表し、点線は変化する液晶厚さをもつLC
カラーディスプレイの色度を表し、実線は通常のCRT
の色度を表す。
【0073】直接鑑賞型像を形成する光の小さい緊密に
集められた赤色、青色及び緑色のスポットが予想される
シーンの色彩のイリュージョンを生じさせる。しかしな
がら、この像が投射によって拡大されると、近接する赤
色、青色及び緑色の画素が混じらず、的確に色彩を帯び
た領域が生ずる。そうでなければ、これらは乱れた赤
色、青色及び緑色の領域として表れ、自然の色彩の像の
アピアランスが損なわれる。さらにライトバルブの近接
する画像領域間のデッドスペースも拡大され、乱れた分
裂する不自然に見える像が生ずる。フルカラーライトバ
ルブの実際の色彩に代わる乱れた赤色、青色及び緑色ス
ポットのアピアランスを種々の方法で排除することがで
きる。画素結合、又は、画像中の点、線、画素、デッド
スペース、或いは他の無上法部分が目立たないようにす
るという、本願が提案する思想は、それを達成するため
の方法と共に、投射型かダイレクトビュー(direct vie
w)型かを問わず、そのような領域を含むあらゆる表示画
像に適用できる。「平滑化効果」は画素寸法の大きい大
型ディスプレイで最も顕著であるが、表示画像が小さい
場合や画素寸法が小さい場合にも、画質の改善に有用で
ある。
【0074】単一のフルカラーライトバルブを利用する
投射される像のそれを排除する好ましい方法にはレンズ
アレーを使用することが必要である。図52は水平列5
210に配列された赤色、緑色及び青色画素をもつフル
カラーライトバルブ5200を示す。列は各列が先行す
る列から3/2画素だけずれるよう配置されることが好
ましいが、他の構成も可能である。レンズアレー523
0がライトバルブの前方で投射レンズ5240の後方に
配置されている。レンズアレーは球面レンズからなるも
のであってもよいが、円筒状又はその他の形式のレンズ
を使用することができ、それはライトバルブの画素の幅
の1/2のものである。各小レンズの曲率及びレンズの
アレーとライトバルブ間の距離を選定し、各小レンズ5
250がレンズアレーと投射レンズ間でレンズアレーの
わずかに前方のスペースに浮遊するライトバルブの部分
の非拡大実像を生じさせるようにすることができる。も
ちろん、他の構成も可能である。
【0075】図52(インセット)5250に示されて
いるように、単一の小レンズによって生ずる実像は6画
素からなるデータを含む。これらの6画素像は2つの水
平列からなり、3画素が上方に配置され、3画素が下方
に配置される。他のレンズの大きさ及び曲率を使用する
ことができ、各実像は異なる数の画素像を含み、本質的
に同様の作用を得ることができる。レンズアレーを加え
ると、赤色、緑色及び青色の画素データの最もよい焦点
の面、及びライトバルブ上にディスプレイされる像の情
報を分離させることができる。投射レンズがレンズアレ
ーを通してライトバルブの面付近の最もよい像の焦点の
面に焦点合わせする。4つの小レンズ5300(図53
参照)が単一の画素5310と同一の量のスペースを占
め、各小レンズがこの場合の6画素の像を生じさせるた
め、単一の画素のスクリーン上に焦点合わせされた後、
24の赤色、緑色及び青色のドットを重畳したものであ
る。しかしながら、これらのドットは24の異なる画素
ではないが、ライトバルブ上の6画素のみのデータを含
む(これは実際のシーンの2つの画素だけに対応するも
のであってもよい)。次の画素の像を生じさせるよう重
畳される24ドットは、先行する24ドット、又は同ド
ットの幾つかの部分及び幾つかの新しいものと同様の情
報の幾つかを含む。したがって、近接する各画素像は、
およそ2つの三つ組の重み付き平均値であり、分解能を
わずかだけ減少させる。しかしながら、新しく生じる各
画像は24ドットの焦点のずれた重畳状態であるため、
その色彩が組み合わされ、正味の均一の色彩が得られ
る。したがって、フルカラー像は正確な位置に正確な色
彩をもって十分な精度でディスプレイされたものであ
り、独立した赤色、緑色及び青色のドットが見えない場
合を除き、レンズアレーがなくても像は投射されたもの
から本質的に変化していないように見える。この混合プ
ロセスも画素間のスペースのアピアランスを排除する。
この組み合わされた作用が画素のアピアランスを排除す
る。円柱小レンズプロフィール、又は横切るレンチキュ
ラーレンズによって形成される光学的相当物を使用し、
“ぼやけ”は1つの赤色、1つの緑色及び1つの青色画
素の混合だけであるようにすることが好ましい。
【0076】リアスクリーンディスプレイユニットを構
成するとき、スクリーンがユニットに組み込まれるため
付加的融通性が提供される。これはスクリーンの直前に
光学系を付加することを許容する。リアスクリーン上に
投射される像が独立した赤色、緑色及び青色画素をもつ
場合、各直角方向に画素があるときの2倍の数のレンズ
をもつ前述したレンズアレーをスクリーンに当たる焦点
合わせされた像付近に配置することができる。前述した
ように、各レンズエレメントはスペース内の1つ又はそ
れ以上の三つ組の非拡大像を生じさせることができる。
画素があるとき、同数の小レンズをもつ第2レンズアレ
ーがその後nkk画素の混じった像を隣接スクリーン面
に焦点合わせすることができる(画素の実像の面ではな
く、元の像の面に近接した面上に焦点合わせされる)。
前述したように、独立したカラー画素がフルカラー画素
に混じる。
【0077】これに加えて特別の方法で構成される場
合、単一のレンズアレーを使用することができる。独立
した色彩の画素があるとき、単一のアレーは同数の小レ
ンズをもつべきである。アレーはスクリーン上に焦点合
わせされる像の後方に配置される。アレーはスクリーン
上に焦点合わせされる像の後方に配置される。アレーの
3つのレンズの内の2つが組み立てウエッジをもち、三
つ組の像が全てフルカラー画素を生じさせるオーバーラ
ップした隣接スクリーン上に焦点合わせされる。もちろ
ん、ウエッジは小レンズから分離するものであってもよ
い。これらの2つの技術をCRT又は独立した赤色、緑
色及び青色画素を普通にディスプレイする、あらゆる結
像装置に適用することができる。
【0078】フルカラー画素を生じさせる他の方法に
は、狭い角度のプリズム又はウエッジを使用することが
必要である。図28に示されているようにライトバルブ
に極めて近い位置に配置されない限り、これらの2つの
ウエッジをクリアスペースをもってシステムのどの位置
に配置することもできる。光の分布は普通のガウス分布
であるため、多量の光が中央に集中する。3つの像の明
るさを全て等しくするには、明らかな中心部を各ウエッ
ジ部よりも小さくすべきである。これに代えてより均一
な像を生じさせるため、くさびを薄い部分に分割し、ク
リアスペースをもって内部分散させることができる。ウ
エッジが光源とライトバルブ間のどこかに配置されてい
る場合、それがライトバルブをわずかに異なる角度から
照らす3つの非常に近接した光源を生じさせる。これは
スクリーン上の3つのわずかにずれた像を生じさせる。
【0079】ウエッジを投射レンズの後方などのライト
バルブの後方のどこかに配置することもできる。この配
置によって互いにわずかにずれたスクリーン上の3つの
像が生ずる。
【0080】ウエッジ角が簡単な幾何学に基づいて的確
に選定されている場合、像は1つの画素の幅だけずれ
る。1つの像の赤色の画素がその後第2像の隣接する緑
色の画素上に重畳され、これが第3画素の隣接する青色
の画素上に重畳され、フルカラー画素を生じさせ、独立
した赤色、緑色及び青色画素は見えなくなる。像の3つ
の画素のほとんどのグループが同一の色彩の値をもつた
め、この技術はほとんどの領域で有効に作用する。この
技術が小さい問題を生じさせるのは2つの全く異なる領
域間の境界である。この境界において色彩及び明るさの
急激な変化が生ずるとき、隣接する画素上にオーバーラ
ップする画素の2つが、異なる値をもつ隣接するものの
上にオーバーラップされ、したがって、大きい歪みが明
らかになり、像の境界にギザギザに見えるエッジが生ず
る。シーン内の一定の色彩の領域が大きい程、それが認
められる程度は小さい。
【0081】図9aに示されているように、個々の色彩
の画素のアピアランスを排除する他の方法には二色性ミ
ラーのシステムが使用される。図15aの画素構成の場
合、独立した赤色、青色及び緑色画素を下記の構成によ
ってオーバーラップさせることができ、平行化された光
901がフルカラーライトバルブ902を通過し、二色
性ミラー903に当たり、これは青色の像だけを反射さ
せる。残りの赤色及び緑色の像は二色性ミラー903を
通過し、二色性ミラー面904に当たり、これは赤色の
像だけを反射させ、緑色の像を通過させる。青色の像は
前面ミラー910,911から反射し、その後、二色性
ミラー905から反射し、これは青色の光だけを反射さ
せる。ここで青色の像が緑色の像に混じる。前面ミラー
910,911を調節し、青色の画素を緑色の画素にオ
ーバーラップさせることができる。赤色の像は前面ミラ
ー920,921から反射し、二色性ミラー906から
反射し、これは赤色の光だけを反射させる。920,9
21において赤色の画素をすでに混じっている青色及び
緑色の画素にオーバーラップさせることができる。ここ
に記載されている補償レンズ又は付加的ミラーを使用
し、通路の長さを整合させることができる。混じったと
き、図4に示されるように我々は画素間の大きいスペー
スのフルカラー像をもつ。
【0082】図15bに示されるように、個々の色彩を
帯びた画素がライトバルブ上に構成され、色彩の三つ組
が三角形を形成している場合、前述したように、赤色及
び青色の画素を集めると、正確な緑色の画素がそれと対
応する赤色及び青色の画素から垂直方向にずれるため、
集めたものを正確な緑色の画素の頂端と重畳させること
はできない。したがって、この形式の画素構成は赤色及
び青色の光に使用される通路と同様の付加的二色性ミラ
ー通路を使用することはできない。これが図9bに示さ
れており、これは付加的光路を含むよう変形された図9
aのシステムの側面図である。前述したように、平行化
された光901はフルカラーライトバルブ902を通過
する。しかしながら、ライトバルブ902と二色性ミラ
ー903間の距離が増大し、緑色の光を反射させ、赤
色、及び青色の光を透過させる二色性ミラー950を挿
入することを許容する。前述したように、903は青色
の光を反射させ、赤色の光を透過させる。ミラー面90
4,905は、前面ミラーである。ミラー906は赤色
の光を反射させ青色の光を透過させる。前述したよう
に、ミラー901,911,920,921は前面ミラ
ーである。ミラー960,970も前面ミラーである。
ミラー980は二色性ミラーであり、緑色の光を反射さ
せ赤色及び青色の光を透過させる。この構成においてミ
ラー911からのミラー910の分離、及びミラー92
1からのミラー920の分離が赤色及び青色の画素のオ
ーバーラップを生じさせる。さらに、ミラー960,9
70の正確な分離が正確な緑色の画素をすでに混じって
いる赤色−青色画素対にオーバーラップさせる。このオ
ーバーヘッドミラー構成にカラーライトバルブを使用し
てもよく、その画素構成が図15aに示されており、ミ
ラー960,970間の間隔が調節され、緑色の画素の
垂直方向のずれが防止される。これは、それらが赤色及
び青色の画素にすでに一致しているからである。緑色の
光のための分離したミラー通路は、各カラーイコールが
横切る距離を生じさせ、これは光が平行化されていても
その光は横切る距離をもって膨張し、投射レンズは3つ
の像を全て同時に焦点合わせせねばならないため重要で
ある。したがって、像はサブシステム930を透過する
ことができ、投射光学系940によって最終投射のため
の画像間のスペースを満たすことができる。
【0083】これに加えて、図9aにおいてミラー91
0,911,920,921を上方又は下方に傾斜さ
せ、赤色及び青色の画素を正確な緑色の画素上に重畳さ
せることができる。
【0084】図2aに示されている赤色、緑色及び青色
の画素のアピアランスを排除するための他の実施例で
は、4つの特別なミラーが使用される。各ミラーは明ら
かなスペース及びミラー化された領域をもつ。2つのミ
ラー2910,2920は、例えば銀又はアルミニウム
でコーティングされたミラー化された領域をもち、これ
はどのような色の光も全て反射させる。一方の特別なミ
ラー2930の反射コーティングは二色性のもので、青
色の光を反射させ、赤色及び緑色の光を透過させる。他
方の特別なミラー2940の反射二色性コーティング
は、赤色の光を反射させる。図29に示されているよう
に、4つのミラーのミラー化された領域は互いに位相が
ずれるよう配置されている。各ミラーにおいて2つのミ
ラー化されたスペース間の明らかなスペースは、ミラー
化されたスペースの幅の2倍に等しい。
【0085】赤色の画素#1 2950からの光が第1
ミラーの明らかな領域を通過し、第2ミラーのミラー化
された領域から下方に第1ミラーの赤色の反射領域に向
かって反射する。赤色の光はその後上方に反射し、第2
ミラーの明らかな領域を通過し、その後、第3及び第4
のミラーの明らかな領域を通過する。
【0086】緑色の画素#2 2960からの緑色の光
が、ミラー#1の二色性のミラー化された領域を通過
し、ミラー#2の明らかな領域を通過し、ミラー#3の
二色性のミラー化された領域を通過し、ミラー#4の明
らかな領域を通過し、赤色の画素から得られる光上に重
畳される。
【0087】青色の画素#3 2970からの光が、ミ
ラー#1,#2,#3の明らかなスペースを通過し、ミ
ラー#4のミラー化された領域から下方にミラー#3の
二色性のミラー化された領域に反射する。この二色性の
ミラー化された領域は、青色の光を上方に反射させ、そ
れを赤色及び緑色の画素からの光上に重畳させる。した
がって、我々はそれらの間のスペースをもつフルカラー
画素を生じさせた。
【0088】他の実施例では(図30参照)、2つの特
別なミラーが使用される。各ミラーは正確に取り付けら
れた45°の二色性ミラー部分を有する。第1ミラー3
010は赤色の光を反射させ、青色及び緑色を透過さ
せ、第2ミラー3020は青色の光を反射させ、赤色及
び緑色を透過させる。この構成では、赤色の画素#1か
らの赤色の光が2つの赤色の二色性面から上方に反射
し、第2青色二色性ミラー30202を通る。緑色の画
素#2からの緑色の光は、上方にまっすぐ進み、赤色及
び青色の二色性ミラーの両方を通過する。青色の画素#
3からの青色の光は、第1ミラーの明らかな空間を通過
し、第2ミラーの2つの青色二色性ミラー面から反射
し、それが上方に送られる。前述したように、この構成
は赤色、緑色及び青色の画素からの光を単一のビームに
重畳させ、スペースによって分離されたフルカラー画素
を生じさせる。
【0089】3つの特別の“ミラー”(図31参照)が
フルカラー画素を生じさせる他の方法に使用される。各
“ミラー”は、正確に配置された45°の二色性ミラー
部分からなる。第1ミラー3110は普通のミラーであ
り、赤色の光を反射させるが、緑色及び青色の光を透過
させる。第2ミラー3120は緑色の二色性ミラーであ
り、緑色の光を反射させるが、赤色の光を透過させ、第
3二色性ミラー3130は青色二色性ミラーであり青色
の光を反射させるが、赤色及び緑色の光を透過させる。
この実施例では赤色の画素#1からの赤色の光が2つの
普通のミラー3110から上方向に反射し、緑色及び青
色の二色性ミラーを通過する。緑色の画素#2からの緑
色の光も緑色二色性ミラー3120からの2つの反射を
生じ、これはそれを上方向に反射させ、赤色の画素から
の光上に重畳される。青色の画素#3からの光も2つの
青色二色性ミラー3130から反射し、それを赤色及び
緑色の画素からの光に上方向に重畳させる。再度フルカ
ラー画素がスペースによって分離した状態で生ずる。
【0090】種々の他の構成において、二色性ミラーを
利用し、赤色、緑色及び青色の画素を重畳させることが
できる。他の実施例と同様、投射レンズから生ずる像
は、正確なスペーシングによって分離された2つの“サ
ンドイッチ”面から反射することができる。例えば、第
1ミラーサンドイッチは赤色の二色性ミラー(図60参
照)の作用によって赤色の画素を緑色の画素上に重畳さ
せることができる。第2ミラーサンドイッチはその後、
青色の画素を赤色及び緑色の画素上に重ね合わせ、フル
カラー画素を構成することができる。大きいスペース
(2つの画素の幅)が生じたフルカラー画素間に形成さ
れ、これは排除することができる。
【0091】“時分割走査”技術を伴う単一の比較的低
い解像度のライトバルブを使用し、赤色、緑色及び青色
の画素の可視性を排除することもできる。最初にスクリ
ーンに現れる異なるデータをもって時間を小さいセグメ
ントに分割することにより、目はデータを時間を超えて
統合しデータの合計を異なるデータがスクリーン上に同
時に投射されたかのように見る。しかしながら、視覚的
に現れるデータの時分割を正確に行なわねばならず、そ
うでなければ像の明るさを減少させるフリッカーなどの
アーティファクトが現れる。
【0092】一例として、ライトバルブが赤色の情報だ
けをもってアドレスされ、その内赤色の光だけがライト
バルブに投射され、緑色及び青色の像が同様に投射され
る場合、視聴者はフルカラー像を認めるであろう。しか
しながら、標準ビデオ像は秒当たり30フレームであ
り、フリッカーはその高周波数で多くの視聴者にほとん
ど見えるため、前述したように時間をセグメントに分割
すると、各色彩に対し秒当たり10のイメージが生じ、
著しいカラーフリッカーが生ずる。これに加えて大きい
領域が1つの色彩だけである場合(現実にしばしば起こ
る)、その後、全体の領域が3つの時間セグメントの内
の2つにわたって黒になり、認められる明るさが1/3
に減少し、全体の領域の著しいフリッカーが生ずる。2
つのカラーテレビジョンにおいてCBSがモノクロムC
RTの前方のスピニングカラーホイールを使用するシー
ケンシャルカラーシステムを開発するとき、この部分が
詳細に検討された。この方法の使用に対する他の問題
は、他のファクタによる像の明るさの著しい減少であ
る。与えられたフレームにおいて光の1つの色だけがス
クリーンに投射されるため、光源から出る光の2/3が
全てのフレームから排除され、見える像から排除され
る。
【0093】この問題を解決するため、システムを次の
ようにセットアップすることができる。最初にライトバ
ルブがフルカラーライトバルブとしてアドレスされ、画
素が異なる形式に配アレーされ、あらゆる偶数列が1つ
の赤色、1つの緑色及び1つの青色のオーダーの画素を
含み、これがラインにわたって繰り返される。あらゆる
奇数ラインは同様の配アレーの画素を含むが、それはあ
らゆる偶数のラインに対し3/2の画素などの幾つかの
量だけずれてもよい。これはさらにランダムに現れる画
素パターンを生じさせる。時間の単一のセグメント(1
秒の1/30など)においてライトバルブがこの方式で
アドレスされ、正確な色の光が各画素にカラーフィルタ
のモザイクを通じて(前述したように)、又は例えば多
重二色性ミラーによって生ずる色彩を帯びた光ビームの
整合モザイクによって送られる。時間の次のセグメント
においてライトバルブが一定の方向の1つの画素によっ
てシフトされる。全てのカラーデータアドレッシングを
もってアドレスされる。同時に、カラーフィルタを移動
させるか、又は二色性カラー光線製造システムのミラー
を適当に振動させることにより、ライトバルブをアドレ
スする色彩を帯びた光のビームの分布が光バルブ上の色
彩を帯びたデータの新しい位置に対応するようシフトさ
れる。
【0094】時分割走査のこの実施例において、ライト
バルブの画素#1が時間の第1セグメントにわたって像
の画素#1に対応する赤色のデータをもってアドレスさ
れる。これは時間のそのセグメントにおいてスクリーン
上の画素#1の赤色のデータの像を生じさせる。時間の
次のセグメントにおいて色彩を帯びたビームの構成と同
様、カラーデータの位置がシフトされ、ライトバルブ上
の画素#1が緑色のデータを元のイメージの画素#1か
らディスプレイする。この元の像の画素#1からの緑色
のデータが先の時間のセグメントの画素#1のための赤
色のデータをディスプレイしたセグメント上の同一の位
置に投射される。同様に、次の時間セグメントにおいて
青色のデータがスクリーン上の画素#1に投射され、1
/10秒内にあらゆる画素位置にフルカラー像のイリュ
ージョンが生ずる。あらゆる時間ピリオド間(1/30
秒など)、1つの色彩だけの大きい領域が単一の色彩を
伴う1/3の画素を持つ。したがって、前述したように
2/3の時間に黒が生ずることなく、領域は常時その色
彩を表す。
【0095】この構成の場合、像内のその領域に何らか
の光があるとき、3つの画素の内の少なくとも1つが光
をスクリーンに常時送る。正確な配アレーをもって光の
多色ビームに分割する二色性ミラーの方法を使用する
と、全ての光があらゆる時間セグメントで使用されるた
め、与えられた時間セグメントの球の光の2/3が浪費
されるという問題は排除される。
【0096】“時分割走査”の好ましい実施例のよう
に、ライトバルブをアドレスし、画素#1が常時赤色の
データをもってアドレスされ、画素#2が常時緑色のデ
ータをもってアドレスされ、画素#3が常時青色のデー
タをもってアドレスされるようにすることができる。照
度は一定であり、画素#1は常時赤色のビームに照らさ
れ、画素#2は常時緑色のビームに照らされ、画素#3
は常時青色のビームに照らされ、以下同様である。しか
しながら、この実施例ではライトバルブの画素#1が第
1時間セグメントで像の画素#1からの赤色のデータを
もってアドレスされ、第2時間セグメントで像の画素#
2からの赤色のデータをもってアドレスされ、その後、
第3時間セグメントでの像の画素#3からの赤色のデー
タをもってアドレスされ、その後、像の画素#1からの
赤色のデータに戻り、全ての他の画素も同様である。ス
クリーンに進む前、ライトバルブからだけ光がミラーか
ら反射される。このミラーは電子的に制御される電磁石
コイルまたはミラーの一方のエッジ上の圧電結晶スタッ
クによって時間セグメントと同期して振動する。ミラー
の他方のエッジはヒンジ連結される。これに代えて、逆
回転ミラーからの反射が使用され、与えられた時間セグ
メントにおいて、照射される像が安定化され、次の時間
セグメントのときそれがシフトされる。ミラーを2つの
面を有する液体又はゲルが満たされた圧電プリズム(図
33参照)によって振動させてもよく、2つの面は平坦
であり、剛性をもち、一方のエッジに沿ってヒンジ連結
される。プリズムの他の3つの側面は折り畳むことがで
きる。プリズムの内側の圧電結晶3300のスタックが
振動電流と同期する振動様式でその角度を変化させる。
【0097】いずれかの場合の正味作用が第2時間セグ
メントで一方の画素によってスクリーン上の像をシフト
させ、第3時間セグメントで他方の画素によってそれを
シフトさせる。したがって、各スクリーン画素が時間を
超えて赤色、緑色及び青色情報を含み、これが視聴者に
フルカラー像を与え、認められるカラー画素はどこにも
なく、単一の低い解像度のライトバルブが使用される。
他の構成によって同一の目的を達成することができるの
は明らかである。この技術はライトバルブの解像度の3
倍の知覚力、すなわち3つのライトバルブに相当する知
覚力を生じさせる。
【0098】特に、“能動マトリクス”が使用されると
き、“フルカラー”ライトバルブ、又は複式“モノカラ
ー”ライトバルブのいずれかが使用されていても画素間
のデッドスペースは見えない。場合によってこのような
像が認められることがあるが、好ましい解決策はこのよ
うな画素の三つ組間の空間が排除され、“連続像”が生
じるよう全ての画素が三つ組内に正確に重畳されるよう
にすることである(赤色、緑色及び青色が“フルカラー
画素”を形成する)。図4において、各画素401は対
応する赤色、青色及び緑色画素が重畳したものである。
402は満たすことが要求されるスペースを表す。後述
するのは投射される像の画素間のこれらのデッドスペー
スを排除する方法である。
【0099】フルカラー画素間のスペース(3つのライ
トバルブの像の重畳によって生ずる)を排除する好まし
い方法にはレンズが使用される。“フルカラー”画素が
ある場合と同様、同一の数のレンズ(例えば各レンズの
中心が各画素802を超えるよう構成されたライトバル
ブのカラー“三つ組”の数)で構成されたレンズアレー
801(図8a及び8bに示されている)を使用し、各
画素を拡大することができる。その後、図8aの平行化
レンズアレー803又は図8bの大きい平行化光学系8
04のいずれかを使用し、適当な投射光学系によって投
射するための拡大された連続の画素を再平行化すること
ができる。
【0100】垂直方向の画素間のスペースが、水平方向
のそれとは異なる場合、意図的に画素に光が満たされな
いようにし、対称ドット(後述する)又は円柱レンズ又
はそれに相当するものを形成し、スペースを的確に満た
すことができる。これまでにも小さいレンズアレーが製
造されていたがそれは簡単であり経済的であり、容易に
得られるレンチキュラーレンズを使用することができ
る。これらの円筒状のレンズアレーをオーバーラップさ
せ、その軸を互いに直交させ、同一の目的を達成するこ
とができる。レンズの作用を各直角方向に分離させる
と、このような小さい大きさのものを正確に製造するこ
とが困難である円柱レンズの必要性が排除される。
【0101】画素の後方(そして投射レンズの前方)の
レンズを利用する画素間のスペースを幾つかの異なる方
法で排除することができるということは重要である。小
レンズの曲率及びライトバルブからのスペースを選定
し、画素の拡大された実像又は虚像を生じることができ
る。このような虚像又は実像を正確な大きさ、量をもっ
て拡大させ、これらがスペース内の面で連続するように
することができる。これらの面がその後投射レンズによ
ってスクリーン上に結像される。
【0102】実際には、画素の多くの虚像及び実像が異
なる大きさのスペースの種々の位置に生ずる。したがっ
て、投射レンズを前後にわずかに調節し、画素の像の大
きさを選定することができ、オーバーラップさせず、画
素間スペースを排除することができる。
【0103】光源が各画素の孔内に結像する構成が選択
される場合(後述する)、画素内の光の分布は均一では
ないこともある。そうでなければ、実際に画素間にスペ
ースがなくても反復構成がスクリーンに現れミラー画素
が生じる。この場合投射レンズが画素の面又はその画素
の拡大された虚像又は実像をスクリーンに焦点合わせす
るようにすべきではない。これに代えて投射レンズはレ
ンズアレーの像をスクリーンに焦点合わせすることがで
きる。画素内の光の分布が均一ではなくても各小レンズ
が均一に照らされる。
【0104】レンズアレーが的確に構成されておらず小
レンズ間のスペースがゼロに近くなくても画素の構成が
再度現れる。この問題を排除するため第2レンズアレー
を使用し、第1アレーの小レンズの拡大された実像又は
虚像を生じさせることができる。したがって“画素”は
均一に現れ近似する。
【0105】プロジェクタとスクリーン間の関係が変わ
らないキャビネットに組み込まれたリア投射システムの
場合、それをシステムに組み込みスクリーンの前方の画
素間のスペースを排除することが可能である。スクリー
ンの後方に配置されたプロジェクタから投射される画素
と同様の構成のレンズアレーが各画素の像を膨張させ、
画素間のスペースを満たす。このレンズアレーをスクリ
ーンに組み込み、それをスクリーンの合成要素にするこ
とができる。
【0106】次に示すのは画素間の空間を除去するため
の、そしてレンズアレーを形成するマスターを製造する
他の目的のためのレンズアレーを経済的に製造する方法
である。銅又はワックスなどのセミソフト材料を使用
し、先端に円形曲面をもつ工具によってそれに平行線を
引き、これによってマスターを製造することができる。
望ましいレンズ面を整合させる面を有する工具を形成
し、それをこのようなソフト材料に“段階的及び繰り返
し的”様式で繰り返し押し込み、これによって球面レン
ズアレーのマスターを製造することができる。このマス
ターをその後剛性金属マスター内に配置することができ
る。マスターを銅で製造するとき、銅をニッケルスルフ
ァメートなどの電気メッキ浴に浸すことができる。マス
ターを蝋などの非電導材料で製造するとき、それをまず
無電解ニッケルの薄い金属層でコーティングするか、又
は塩化錫銀溶液でスプレー処理することができる。この
様式で金属化した後、それを電気メッキ浴内に配置する
ことができる。その後ニッケルマスターをエンボス加工
機械上に配置し、複製をミラー及びプレキシグラスなど
の熱可塑性材料にエンボス加工することができる。この
ようなマスターを射出又は圧縮成形の型として使用する
こともできる。
【0107】マスターを製造する他の方法にはレンズの
高さが密度として表されるプロットを形成するコンピュ
ータが使用される。透かし絵に変換されるこのプロット
を段階的及び繰り返し的処理によって光を減少させ、複
写し、レンズアレーのレイアウトを整合させる密度パタ
ーンをもつマスクを製造することができる。その後マス
クを紫外線からフォトレジスト板に結像することができ
る。マスクの異なる密度はフォトレジストが露出される
量を変え、現像後各位置で洗浄されるフォトレジストの
量を変える。これはレンズアレーの形状のフォトレジス
トマスターを生じさせる。その後このフォトレジストマ
スターを金属化し複写に使用することができる。
【0108】投射システムのためのこのようなレンズア
レーを製造する他の方法には、フォトグラフ的に製造さ
れるレンズアレーが使用される。特に極めて小さいF数
が要求される場合、このような小さい部分を機械加工す
るとき、このようなフォトグラフレンズが従来のレンズ
よりも好ましい。従来の方法を使用し、必要な干渉パタ
ーンを生じさせることができる。
【0109】赤色、緑色及び青色のアピアランスを排除
するとき、ウエッジによってスクリーン上のオフセット
像を垂直方向及び水平方向に生じさせ、画素間のスペー
スを排除してもよい。ウエッジセグメントを投射レンズ
に適宜配置し、像の各スペースを隣接する像のデータの
複製で満たし、焦点合わせされた画素分解された像を生
じさせることができる。この方法は像の画素間のスペー
スを排除する他の好ましい方法である。
【0110】画素間のスペースが一定幅の全ての水平及
び垂直ラインであるため、空間的フィルタ作用を使用
し、スペースを排除することができる。空間的フィルタ
作用のクラシックの方法が図32に示されている。入力
においてレンズ3310が像Aに作用し、面Bのフーリ
エ変換が生じる。面Bの後方の焦点距離に配置された他
のレンズ3320がその変換のフーリエ変換を生じさ
せ、これは面Cの元の像である。特定の光学フィルタが
面Bに配置されている場合、フーリエ要素の面Bのフロ
ッケージによって最終像の種々の要求が排除される。フ
ーリエ要素は面Bの極座標様式で配アレーされ、最も高
い空間的周波数がフーリエ面の外側全体にわたって、及
びそれに向かって配置された元の像の最も小さい特徴に
対応する。像の低い空間的周波数は面Bのフーリエ変換
の中央領域に現れる。周期的入力パターンはフーリエ面
のその周波数の強度の局部的集中として現れる。画素間
のスペースを表す薄いラインの空間的周波数が高いた
め、これらはフーリエ変換の中央から最も離れた大きい
特徴を形成する。したがって適当なフィルタが面B内に
配置され、低い空間的周波数を通す場合、面Cの再変換
された像が大きく縮小されるか、又はフィルタが的確に
選定される場合、高い空間的周波数(画素間のラインに
対応する)が排除される。
【0111】全ての画素が与えられた方向の同一の空間
的周波数をもち、それはその間のラインの高い空間的周
波数とは異なるため、これらのラインを分離させ抑制す
ることができる。像の面Aはプロジェクタのライトバル
ブ面に近似し、フーリエ変換をなす、レンズは投射レン
ズに近似する。したがって投射レンズの前方のどこかが
ライトバルブ上の像のフーリエ変換に近似する。一定距
離後方の像を再変換する第2レンズが使用されていなく
ても、再変換は必ず生じ(スクリーン上の焦点合わせさ
れた像で)、最終レンズは必要ではない。したがって実
際の作用に必要であるのは適当なフィルタを投射レンズ
の後方のどこかに配置することである。ラインのパター
ンの空間的周波数は周知であるため、従来の方法を使用
しフーリエフィルタを形成し、望ましい空間的周波数要
素をブロックアウトすることができる。画素の幅と画素
間のスペースの幅の差が大きい程、この空間的フィルタ
プロセスの作用は大きい。幅が互いに近似していると
き、プロセスの作用は小さくなる。
【0112】これに代えてレンズがライトバルブと投射
レンズ間に配置されている場合、光をプロジェクタ内の
小さい焦点にすることができる。ピン孔を焦点に配置
し、ほとんどの光を通過させることができる。光が投射
レンズの前方に配置された再変換レンズを通過するとラ
イトバルブ面から像の高い空間的周波数のないスペース
に焦点合わせされた象が生じる。投射レンズがその像を
焦点合わせするよう構成されている場合、画素間のライ
ンを伴わずほとんどの光をスクリーン上に投射せさるこ
とができる。
【0113】明るい像を得る他の方法には投射レンズ以
外にホログラフィック位相フィルタが使用され、これは
従来知られているところのもので厚さが変化する材料又
は的確にレイアウトされたホログラフによって構成され
る。これは空間的フィルタ作用を生じさせるが、より多
くの光をスクリーンに通過させることができる。
【0114】画素間のスペースを満たす他の方法にはミ
ラーが使用される。光の最小の浪費で画素を正確な位置
に複製するミラーシステムを構成するため、特別の“ス
トライプのあるミラーシステム”を使用することができ
る。1つのこのような構成が図5に示されている。フル
カラーの像の情報501を含む光(図4に示されてい
る)が“ストライプのあるミラー対”502,503に
あたる。これは像全体を元の像およそ1/2の明るさ
(これも元の明るさの1/2に減少している)をもって
複写し、1つの画素の幅だけシフトさせ、図6に示され
ている水平列の画素間のスペースが満たされる。垂直列
601A,602A,603Aはそれぞれ垂直列60
1,602,603の複製である。図5のスペース50
4に生じる組み合わされた(元の及び複製の)像がその
後第2“ストライプのあるミラー対”505,506を
通過し、これは像を複製するが、それを1つの画素の高
さだけシフトさせる。これは同一の明るさの2つの像を
上下に生じさせ、図6の水平アレー610,611,6
12を満たす。したがってブランクスペースのない“ソ
リッド”イメージが生じる。ブランクすなわちデッドス
ペース、分離的に色彩を帯びた画素及び画素間の差異を
排除すると、CRTsが認められるライン、画素及びス
ペースをもつため小さいレンジの現在のCRTの像であ
っても像の解像度が向上する。
【0115】“ストライプのあるミラー対”が図7に示
されている。単一の画素701からの光がミラー対の第
1ミラー702の“クリア”スペース720にあたる。
この第1ミラーはガラス、プラスチック又は他の適当な
材料からなり、これが可視スペクトルにわたってARコ
ーティングされ、その一方側でアルミニウム又は銀など
の適当な反射材料のストライプ内でコーティングされ
る。例えば“ガラス上のストライプのあるマスク”の真
空蒸着によってストライプのあるコーティングを達成す
ることができる。これに代えてガラスにフォトレジスト
をコーティングし、これを望ましい大きさのストライプ
の投射された像に露出させることができる。現像後ガラ
スが露出され、望ましいストライプ内だけで金属真空蒸
着がなされる。蒸着後残りのレジストを剥がし、分離さ
せ、必要なクリアストライプを形成することができる。
【0116】対の第2ミラー703も他の明るい反射ス
トライプをもつ。このミラーでは、しかしながら反射コ
ーティングは薄く、フルカラーに代わり部分的ミラーを
生じさせる反射率が調節され、生じる2つの画素像は同
一の明るさをもつ。
【0117】スペース702を通過した後画素701か
らの光が部分的ミラー730にあたり、透過ビーム71
0及び反射ビームが生じ、これが第1ミラー702のミ
ラー化された面740にあたる。これは光をミラー70
3のクリアスペース750に反射させ、ビーム710か
ら近似的に配置される場合を除きビーム710の正確な
複製である第2ビーム710aが生じる。画素間のスペ
ースが画素の大きさと等しくない場合、ミラー702上
のミラー化された領域740及びミラー703上のクリ
アスペース750を画素間のスペースの大きさに調節す
ることができる。
【0118】図5の平面図は垂直ストライプをもつ“ス
トライプのあるミラー対”502,503がビーム50
1に対し“垂直傾斜軸”のまわりに傾斜し、水平に配置
された複製像を生じさせ、水平のストライプをもつ“ス
トライプのあるミラー対”505,506が“水平傾斜
軸”(これは第1“ストライプのあるミラー”の傾斜軸
及びビーム501と直角である)のまわりに傾斜し、垂
直に配置される複写像を生じさせることを示す。
【0119】白色の平行化されたビームを色彩を帯びた
平行化されたビームに分解する構成、及び多色の平行化
されたビームを単一の平行化された白色のビームに組み
合わせる構成はリバーシブルであり、これをライトバル
ブの一方側に使用し、ビームの全ての光を完全に使用
し、モノクロマティックライトバルブを的確に色彩を帯
びたビームで照らし、色彩を帯びたビームを再度組み合
わせ、個々に認められるカラー画素のないフルカラー画
素を形成し、画素間のスペースのない近似した像を得る
ことができる。
【0120】前述したように、時間多重を使用し、画素
間のデッドスペースを複製画素で満たし、“連続”像を
生じさせることができる。3つの色彩の像を僅かにオフ
セットし画素間のスペースを幾らか満たすことができ
る。例えば図3は赤色の画素302よりも僅かに高い青
色の画素301及び各赤色の画素302の僅かに左の緑
色の画素303を示す。異なる色彩を帯びた画素をオフ
セットする多くの他の構成は像のブラックスペースを減
少させることができるが、個々の色彩は近接レンズで可
視状態で残る。
【0121】良好な品質のカラー像を得るためにはでき
るだけ高い解像度をもたせ、赤色、緑色及び青色の画素
を互いに重畳させ、個々の色彩の画素のアピアランスを
排除し、画素間のスペースを排除することが重要であ
る。3つの光路及び3つのライトバルブによってこれを
達成するか又は多数の画素をもつ単一のライトバルブを
3つの部分に分割することによってこれを達成し、3つ
の色彩の像を生じさせるとコストが高く、簡単な単一の
ライトバルブシステムよりもシステムのスペース及び重
量が大きい。しかしながら単一のライトバルブは3つの
ライトバルブの解像度はもたない。したがって上述した
ように付加的コスト、複雑性、重量及び大きさの増大を
伴わず、高い品質の高い解像度の像を得ることができる
方法を発明することが望ましい。
【0122】ライトバルブの画素の数が増加すると、像
の解像度が増大することは明らかである。近似するイメ
ージの投射に使用される2つ又はそれ以上のプロジェク
タによって通常のライトバルブを使用する単一のプロジ
ェクタよりも高い解像度をもって像を生じさせることが
できる。これに代えて本質的に複数のプロジェクタの要
素を含まないが、プロジェクタ内に生じる近似する像を
伴う単一のプロジェクタを構成し、単一の投射レンズに
よって複合像を投射することができる。これは外部に配
置されるプロジェクタを整合させる必要性を排除し、単
一のライトバルブシステムよりも高い解像度を得る。
【0123】カラードットの位置に対する画素の線間の
関係にかかわらず、ライトバルブの3つの色彩を帯びた
画素の内のどれかのグループが使用され、ディスプレイ
されるシーンの特定のポイントの色彩を表すカラー三つ
組が形成される場合、3のファクタによってLCDの解
像度が減少する。しかしながら、赤色、緑色又は青色で
あるライトバルブの各画素が元のシーンのポイントのラ
イトバルブの画素の色彩に相当する信号によって駆動さ
れ、元のシーンのそのポイントの残りの2つの色彩の値
のデータが簡単に廃棄される場合、この解像限度は低下
させることができる。目は近接する画素の色彩の分布を
混ぜ合わせ、シーンのその領域の正確な色彩を生じさせ
るが、実際の画素のスペースと同様の明るさで詳細を見
分けることができる能力をもつ。
【0124】“時分割走査”を適用し低い解像度のライ
トバルブによって高い解像度のイメージを生じさせるこ
とができる。例えば各2つの画素間のスペースをもつイ
メージを画素の幅に等しい各水平線に沿って投射するこ
とができる。例えば小レンズアレーを使用するレンズを
製造し、各画素の大きさを適宜変化させることによりこ
れを達成することができる。したがってライトバルブが
例えば水平ライン上の500画素のものである場合、時
分割走査によって解像度を1000まで増大させること
ができる。スクリーンに出るとき、時間の半分をライト
バルブからの像の投射に使用することができ、時間の他
の半分をスクリーンへの中間画素の像の投射に使用する
ことができ像にその方向のライトバルブの2倍の解像度
を与えることができる。他の時間多重構成と異なり、時
間の各セグメントが全ての光を光源からスクリーンに投
射し、光源からの全ての光が常時視聴者に見えるため、
明るさは低下しない。この技術によって垂直方向の解像
度を増大させ、例えば標準的解像度のライトバルブの鮮
明な像を生じさせることができる。
【0125】ここに示されているシステムは個々にアド
レスされ維持される画素を処理することができる。この
方法は真のディジタルテレビジョンの基礎をなす。現在
オーディオ及びビデオ信号の両方がレーザディスク及び
“CDs”のディジタルビットとしてディジタル化され
記憶されている。このディジタル化は信号の正確な値を
マイクロ秒単位で維持する。アンプのノイズ及び非直線
性、スクラッチ、ドロップアウト及びレコーディング材
料の他の欠陥などのシステムの歪みは、各ビットにおい
てそれがオンかオフか、すなわち“0”か“1”かを見
るだけの強度又は明瞭性の変化に影響されないシステム
によって完全に無視することができる。これにより正確
な高い品質のテレビジョン及びビデオディスプレイを生
じさせる。ハイデフィニションテレビジョンに対する最
近の動向は、この形式のディジタルディスプレイ装置に
移行している。この発明は選定されるフォーマットに関
係なくディジタル及びハイデフィニションテレビジョン
を発展させる基礎をなす。
【0126】ディジタル処理を使用すると、ゴースト、
クロマクロール、モアレ縞、クロミナンス及び輝度信号
間のスノー及びストロークなどの現在のビデオシステム
固有の問題を容易に排除することができる。それは2つ
の画素間の補間によって付加的画素も生じさせ、実際に
透過するものよりも高い解像度のアピアランスを生じさ
せる。それはピクチュア、ズーミング、フレーム凍結、
イメージ強調、特別の作用などを容易に補う特別の特徴
ももつ。
【0127】像が有限数の画素で構成される電子像製造
システムは、像の画素の数が減少するにしたがって顕著
になるアーティファクトをもつ。このアーティファクト
によってしばしば、ぎざぎざ又はエイリアシングなどが
生じる。2つの異なる特徴間の境界などの対角線が像内
に現れるとき、画素は通常は水平面に平行及び直角のエ
ッジをつ矩形状であるため、ラインは階段のようにぎざ
ぎざになる。このようなぎざぎざの境界の顕著性を低下
させるため、特にディジタルシステムに使用する場合、
それがすでにコンピュータ化されているため周知のアン
チエイリアシング技術を適用することができる。境界が
異なる輝度及び異なる色の値の2つの領域間に検出され
るとき、2つの値間の平均輝度及び色度を算出すること
ができる。その後境界に沿った全ての画素において新し
い値が見えにくい境界間に生じ、ぎざぎざのエッジのア
ピアランスが減少する。
【0128】投射システムによって製造することができ
る像の明るさは部分的に球の明るさによって決定する。
これはより高い明るさを得るには高いワット数の球を使
用すべきであることを意味する。しかしながら、使用す
ることができる球のワット数は制限される。ホームプロ
ジェクタはおよそ5ampsよりも高くすべきではな
く、それはおよそ600ワット数に対応する。高いワッ
ト数のプロジェクタの運転は極めて高価であり、それは
大きい熱を排出する。したがって消費されるワットあた
りのルーメンのできるだけ高い効率の球を使用すること
が望ましい。最もよい光源はマイクロ波励起プラズマで
ある。ワットあたり130ルーメンのプロト型の球を使
用することができる。使用することができる他の光源は
Xe,Hg及び金属ハロイド球を含み、これはワットあ
たり75〜95ルーメンを得ることができる。タングス
テンハロゲン球はワットあたり40ルーメン以上を得る
ことができ、標準タングステンはワットあたり25ルー
メンまで得ることができる。
【0129】大きいフィラメント及びループを伴うハイ
パワーに代えて低いワット数の小さいフィラメントの2
つ又はそれ以上の球を使用することができる。マルチラ
ンプを使用すると幾つかの利点がある。ランプが損傷し
てもシステムの明るさが損なわれるだけであり、ランプ
が交換されるまで残りのランプは作用させることができ
る。低いワット数の各球は長いライフタイムをもち、小
さいフィラメント又はアークは光源の像を画素の孔内に
容易に焦点合わせすることができる。種々の方法をビー
ムの組み合わせに使用することができる。図37はプリ
ズムによって2つの光源が平行化され近似する一例を示
す。図45はどのようにしてミラーを2つの平行化され
たビームの近似に使用するかを示す。分離したビーム間
のスペースを排除する他の方法ではミラーによってビー
ムの一部分からの光がとられ、それぞれビーム間のスペ
ースを満たす。それが図38に示されている。
【0130】同図から明らかなように、2つの光源から
出る光は、1つのガウスビームとして現れるものを形成
するように、この方法で進路修正される。勿論、異なる
数のミラーを使用してもよいし、ミラー以外のプリズム
のような偏光子を使用してもよい。この技術は、ガウス
ビーム又は不規則ビームのプロファイルをより均一化す
る等、ビームのプロファイル特性を変更するために、幾
つかのビームの集合に、又は単一のビームに利用するこ
ともできる。これは、ビーム中の弱いスポット又はデッ
ドスポット、ホール、ホットスポットを除去するのに特
に有効である。これを行うための他の構成例を図77に
示す。同図に於いて、アーク又はフィラメントにおける
光軸に対する垂線から、正又は負側に例えば60度の角
度で放射する軸方向光源によって生成されるように、中
心にホールを有するビームが生成されるものとしてい
る。図77A及び77Bは、平坦面又は曲面を形成する
環状ミラー7710(ミラー77Aは全内部反射する)
がビームの外側部分から中央の円錐状又は軸円錐状(axi
conical)の反射素子に光を反射する。この光は、その
後、前方に反射してビームのホールを満たす。ホールを
満たす光の強度は、環状ミラーの寸法、円錐状反射素子
の傾斜角、(光にレンズ作用を及ぼす)環状円錐面の曲
率(曲率がある場合)、及び光の分散度又は収斂度を変
えることにより、調整することができる。
【0131】あるいは、ビームは、空間内に一定領域の
焦点に到達し、その結果、フィラメント又はアークの像
が互いに境を接し、新たな複合された光源を形成する。
ミラーの使用によって、これらの点光源は同一方向に伝
播し、単体の集光レンズを用いて集光され、最初に捕捉
された大部分の光を含む単一のコリメートされた光のビ
ームが容易に形成される。この例を図43に示した。通
常、2つのビームを結合すると、ラグランジュ(LaGrang
e)の不変式に従って2つのビームの結合された幅を持つ
1つのビーム、或いは、2つのビームの結合された分散
度を持つ1つのビーム(或いはこれらの組み合わせ)が
できる。しかし、以下の何れかの方法によって、ビーム
幅、ビーム分散度を変えることなく、2つのビームを1
つのビームに結合し、必要に応じて、ビームをランダム
に又は直線的に偏光することができる。
【0132】図83は、2つの光源からの光をどのよう
にして直線的偏光ビームに結合できるかを示す。830
0、8310は2つの独立したランダムな偏光白色光
源、8320、8325は球面反射器、8330、83
35はコリメートレンズである。8340、8345は
1/4波長板、8350、8355はマクニール偏光
器、8360は、第1面ミラーである。出力ビーム83
70は、直線的に偏光されている。単一のマクニール偏
光器を使用する変形例を図83bに示す。図84に示す
構成は、第1面ミラー8465が付加されていること、
マクニール偏光器8455が反転していること以外は、
図83のものと同じである。この場合、出力ビーム84
70は、ランダムに偏光される。図84Bは、単一のマ
クニール偏光器を使用する変形例を示す。これらの装置
は、多数の光源からのビームを結合できるように、数次
のカスケード状に組み合わせ、単一の光源からのビーム
と変わらない幅と分散度を持つ単一のランダムな又は直
線的な偏光ビームを生成するように構成することができ
る。
【0133】再生された色の正確さは幾つかの要因に関
係する。適当に選択されたカラーフィルタ又はダイクロ
イックミラー、上述したように、波長対ライトバルブの
キャビティの厚さ対電圧に対する補正及び正規ガンマ補
正、並びに別の通常のTVカラー回路を使用することに
よって、カラー再生の忠実度は、依然として投映システ
ムを通過する光の色構成(すなわち色温度)によって制
限されている。白熱光源は、簡単かつ安価に提供される
が、色温度が低く、「赤みを帯びた像」を生じる。一
方、金属ハライド、キセノン、水銀及び特にマイクロ波
によって励起されるプラズマ(これは、数千分の10時
間しか作動しないが、一定の明るさ及び色温度を生じ
る。)などの放電ランプは、より現実的な白色及び他の
色を生じる。しかしながら、これらのランプは、より高
価であり、より大きくかつ重い電源を必要とし、しかも
使用並びに交換がしばしばより困難で危険であるという
欠点を有している。現実的な色は、もし色温度補償フィ
ルタが使用されるならば、白熱光源を用いることによっ
て生じ得る。明るさを幾らか犠牲にすることによって、
全色スペクトルが青色の方へずれ、より現実的な白色及
び他の色が生じ得る。白熱光源を使用することの利点
は、かかる光源が、丈夫で、安価で、安全であり、ま
た、交換が容易で、小さい電源しか必要とせず又は電源
を全く必要としないことである。
【0134】光源の寿命を伸ばすための多くの試みがな
されている。例えば、マイクロ波によって励起されるプ
ラズマバルブは、実際に無制限の寿命を有しており、バ
ルブ交換をなくすためには最適のバルブである。フィラ
メントバルブの寿命を伸ばすため、回路が、フィラメン
トに平滑化された直流を流すために用いられる。さら
に、回路は、ランプが点灯されるたびに、急激な加熱及
びフィラメントの動作による衝撃を減じるために、ゆっ
くりと電圧を上昇させる。
【0135】白熱光源が最大の効率並びに最大の色温度
をもつためには、白熱光源は、相対的に低い電圧値及び
高い電流値で作動する緊密に巻かれたフィラメントを有
していることが必要である。これには、通常、大きくか
つ重い減電圧型変圧器が必要とされる。この負担を除去
するために、トライアック回路が使用され、効率サイク
ルを切断し、各サイクルの唯一の部分のみを用いるため
に使用され得る。適当な効率サイクルを選択すること
は、必要な低い電圧を、フィラメントに印加する。ま
た、再帰回路が、ライン電圧を監視し効率サイクルを調
整してライン電圧の変動を補償するために配置され、こ
れによって、一定の低電圧が、フィラメントに印加され
る。
【0136】ここに説明した投映システムにおいては、
システム内の種々の点での効率の低さによって、明るさ
が制限される。種々の方法が、これらの点での効率を上
げるために使用され、これによって、投映器の全体的な
効率及び明るさが、劇的に増大する。全ての光学素子に
ARコーティングを施した場合は、それが無い場合に各
面で約4%の損失があるのに比べて、スループットを大
幅に増大させることができる。ビデオ投射システムには
多くの面があるので、ARコーティングが無いと多量の
光が失われることがある。しかし、ARコーティングは
減圧室で行われるため、製作に費用と時間がかかるし、
一度にコーティングできる数量にも限界がある。更に、
例えばLCDのような構成部材は簡単にはコーティング
できない。これらの欠点を除去するために、マイラー(m
ylar)、クロナール(cronar)、ポリエステル、その他の
透明な材料のシート又はロールをARコーティングする
ことができる。場合によっては、これらの材料を、例え
ば屈折率の適合する感圧接着剤で全ての光学面に接着し
てもよい。このような材料は、容易に切断できるので、
不規則な形状や角度の面に合わせて切断できる。
【0137】全ての投映システムに共通する1つの問題
は、集光光学系の効率である。通常、バルブによって発
生する光の内のほんの一部分が、実際に集光され、投映
システム内で使用されているにすぎない。システムの効
率をさらに改良するために、投映のためのバルブから捕
捉される光の量を増大させる種々の方法が用いられてい
る。従来技術において、フィラメント又はアークなどの
光源が、非球面集光レンズのような集光レンズととも
に、後方に球面ミラーを備えた光源の前に配置される。
この光学的配置は、たいていの投映器において用いら
れ、後方及び前方へ伝播する光の幾らかを捕捉する。し
かしながら、光の大部分は、この光学的配置の側部を、
あるいは上方及び下方を通過した後、消失する。
【0138】この通常は消失してしまう光を用いる好ま
しい方法は、図42に示したような多重集光路を用いる
ことである。2つの集光レンズ4210及び4220、
並びに2つの球面ミラー4230及び4240が、バル
ブ4200から放射される光を、従来のシステムが捕捉
する光量の2倍の量捕捉する。今日の全てのバルブにお
いて、1方向に伝播する光は決して用いられ得ない。な
ぜなら、バルブの一側が、バルブ内にアーク又はフィラ
メント光源に電源を接続するために使用されるからであ
る。残りの方向(上方)からの光が、付加的な集光レン
ズ4250によって捕捉され、ミラー4260によって
システム内に反射される。この反射ビームは、別の箇所
に記載した方法を用いて、単一のビームに結合される。
【0139】この通常は消失してしまう光を用いる別の
方法は、図39に示したように、通常の集光光学系39
20内のランプ3900の周囲に、放物面反射器391
0の一部分を配置することである。従来は使用されなか
った光が、コリメートされ、前方へ伝播し、集光レンズ
から放射される光と結合する。その結果生じるコリメー
トされたビームを絞るため、これは、おそらくたいてい
の応用分野において必要なものであるが、このために、
図40に示した、2つのレンズからなるガリレイ式望遠
鏡などの種々の方法が用いられる。
【0140】バルブからより多くの光を捕捉するための
さらに別の方法を、図41に示した。この構成におい
て、光源4100は、楕円面ミラー4110の第1の焦
点に配置される。このミラーに達する光は、ミラーの第
2の焦点に集められ、ここで、コレメートのために、例
えば低いFナンバーをもつ集光レンズ4120によって
捕捉される。しかしながら、ミラー(4101及び41
02)によって反射されない光は、軸上にある光を除い
て全て消失してしまう。この光は、コリメートレンズ4
130を第2の焦点に配置することによって用いられ得
る。このレンズは、第2の焦点に集められない光をコリ
メートするが、第2の焦点に集められる光にはほとんど
影響を及ぼすことがない。光学的には、光源から放射さ
れる光を軸の近傍に集め、楕円面ミラーの第2の焦点に
集光するための、付加的な微小レンズが、第2の焦点に
近接する楕円面ミラーの2つの焦点間の軸上に配置され
る。
【0141】あるいは、放物面ミラー4610の一部分
が、通常は消失してしまう光を捕捉し、コリメートする
ために使用され得る。これを図46に示した。楕円面ミ
ラーを使用する別の方法を、図50に示した。この光学
的配置において、球面ミラー5010が、後方へ伝播す
る光を前方へ伝播させる。レンズ5020が、前方へ伝
播する光を捕捉し、この捕捉した光を焦点に集める。周
囲を取り巻く放物面ミラー5030は、球面ミラー及び
集光レンズに達しない光を捕捉し、捕捉した光を焦点レ
ンズの焦点に集める。この点で、光は焦点から集めら
れ、単体レンズ5040によってコリメートされる。
【0142】ここに記載したような広角度にわたって光
を捕捉する集光システムは、一般に大きなアパーチャを
有している。これによって、大きなコリメートビームが
生じることになる。ここに指摘したように、このような
ビームは、例えば出力側のレンズが入力側のレンズより
短い焦点距離をもつ望遠鏡光学系によって、直径を減じ
られ得る。このようにしてビームを絞ることは、ビーム
内の非コリメート放射角を増大させることによって達成
される。これは、光が投映レンズに捕捉されない程度ま
で広がる前に、投映システムの内部光路がどれだけ長く
なるかということを制限する。
【0143】特定のシステムデザインが望まれる場合に
は、光を調整し、内部光路の増大を可能とするための幾
つかの方法が採られ得る。この制限を処理する好ましい
方法を、図51に示した。この方法は、ここでフレネル
放物面反射器と呼ばれる反射面を形成することによって
達成される(これと同一の理論が、フレネル楕円面反射
器などの他の面を形成する場合に用いられる。)。
【0144】(図51の破線を示した)放物線の各部分
を組み合わせることによって、これと同等な(図51の
実線で示した)狭小な開口をもつ放物面5110が形成
され得る。こうして、コリメートされたビームを絞る必
要がほとんどなくなる。これによって、角度は増大する
ことなく、しかもコリメーション長はより長くなった状
態に維持される。
【0145】この制限を処理するための別の試みは、光
ファイバーケーブルにおいて用いられているアイデアを
使用することである。このようなケーブルにおいて、光
は長い距離を伝播し得るが、連続した低損失の内部反射
のために、ビームの直径は、我々のシステムではライト
バルブが配置される、「トンネル」の端に至るまで増大
することがない。画像形成素子の照射をより均一にした
り、ビームの形状を画像形成素子の形状に合致させる
等、ディスプレイシステムにとって重要な特性を得るた
めに、光トンネルを利用することができる。複数のライ
トバルブを使用するときは、複数のトンネルを使用する
ことができる。このトンネルは、ファイバの代わりに鏡
面で形成することができ、正方形、円形等の種々の形状
にすることができる。
【0146】入出力ビームを異なる分散度で異なる大き
さにするように、トンネルは拡張又は縮小する形状にす
ることができる。ガラスや樹脂のような中実の物体は、
全内反射を利用することにより、ミラートンネルとして
機能する。ミラートンネルは、画像形成素子と同寸であ
っても、それより大きくても小さくてもよく、必要であ
れば、その出力の後ろにある画像形成素子に光の大部分
を受け渡すことができる。トンネルは、その断面が徐々
に縮小又は増大するので、光の大部分がトンネルを抜け
る前に受ける反射数が増加する。面の反射率が高く(例
えば95ー99%)ないと、光の多くが失われる。複合
反射の利点は、複合反射によってトンネルの出力におい
て光がより均一化又は「スクランブル」された状態にな
ることである。これにより、トンネルへの入力時よりも
出力時の方がビームが均一化されることになるので、ビ
ームに「ホール」、ホットスポット、その他の不均一性
がある場合に、有用である。長いトンネルは、反射器、
プリズム又はその他の方向転換素子を使用することによ
って、システムのコンパクト化のために「折り畳む」こ
とができ、そうすれば、トンネルの全長を長くとること
ができる。画像形成素子をトンネルの出力に配置するこ
ともでき、或いは、トンネルの出力を画像形成素子に集
束させて画像形成素子に対する照射をより均一化するこ
ともできる。更に、トンネルの形状、そして特にその出
力開口の形状(両者は同一形状でなくてもよい)を画像
形成素子と同一形状にすることによって、光が画像形成
素子を満たすことができる。この方法は、円形ビームが
長方形の開口を照射する従来の映写システムに見られる
「こぼれ損失」を最小限にすることができる。その結
果、システム効率の大きな利得、即ち輝度が得られる。
【0147】フィールドレンズを画像形成素子の直前に
設置すると、画像形成素子を照射する光の分散角が小さ
くなる(即ちコリメーションが増大する)。この様子を
図67A及び67Bに示す。図67Aにおいて、光束6
710の中心光線6730が画像形成素子の光軸と角度
θを形成するように、トンネル6720の頂点から來る
光6710が画像形成素子6750を照射する。最外端
の光線6740は中央光線からφの傾きを持つため、画
像形成素子に当たる最外端の光線は画像形成素子の光軸
に対してθ+φの傾きを持つ。図67Bに示すように、
フィールドレンズ6760を使用して、中央光線673
0が画像形成素子の光軸と平行になるように、光束67
10を屈折させる。このようにして、画像形成素子の光
軸に対する光線の最大の傾きはφだけになる。その結
果、光線がどのレンズアレーの素子を通ったとしても、
画像形成素子を照射する光線は全て、画像形成素子の法
線に対して同一の光錐角度でアレー素子を照射するの
で、画像全体に亘って均一な輝度が得られる。このよう
に、各レンズアレー素子が許容角度内の光錐で照射され
るので、画素孔が画像形成素子上のどの位置にあるかに
関係なく、全ての光が画素孔に入射する。
【0148】非結像集光光学系がビームをさらに絞るた
めに使用され、その結果、本質的に光源の大きさが光学
的に減じられ得る。これによって、大きなアーク又はフ
ィラメントを備えたより明るいバルブを使用することが
可能となる。集光光学系は、通常は太陽熱集熱器用に光
を集めるために使用されているが、これは、本来のアー
ク又はフィラメントよりも小さい領域に光を集めること
ができる。これによって、より大きなコリメーションが
可能となり、より多くの光がより長い光路系内を伝播す
ることが可能となる。このような集光光学系を表すため
に、通常、「組み合わされた放物面反射器」という名称
が用いられる。しかし、この反射器の反射面は、実際に
は双曲線面状の壁面を有している。現在知られた2つの
非結像光学系は、1960年代にその原型が創作されて
おり、それぞれ、「エッジ・レイ(edge−ra
y)」集光光学系及び「ジェオメトリック・ベクトル・
フラックス(geometric vector−fl
ux)」集光光学系と呼ばれている。
【0149】このような集光子は又、一面が平坦な辺で
形成することができる。例えば、一面が平坦な4つの辺
を持つ集光子を図68に示す。集光子は、均一なコリメ
ートビームを生成するのに使用することもできる。集光
子が広がるにつれて、光は斜面による反射によって、拡
散度を減殺しながら且つコリメーションを増大しながら
拡散する。これは、周方向に対称な集光子を使用しても
可能であるが、一辺が平坦な辺を持つものを使用するこ
とで、画像形成素子の縦横比に整合するプロファイルの
ビームを生成することができる。これを図68に示す。
同図で、光源6800は、その背後に、球面反射器68
10を有する。反射器6810は、電球の実際のアーク
又はフィラメントの近傍に形成される第2の光源とし
て、後方の光を再結像させるものである。大きな球面を
持つミラー6820は、これらの光源を集光子6830
の入口に結像させる。集光子の後ろでは、レンズ684
0が光のコリメーションの増大を補助し、この光が画像
形成素子6850を照射する。画像形成素子6850の
前には、入力レンズアレーを配設してもよい。
【0150】投射レンズに入射して画面に到達する光の
量を更に増大するには、ライトバルブから投射レンズま
での距離を最小限にしなければならない(従って、コリ
メートされない光が投射レンズに入射する)。これを達
成するには、投射レンズの焦点距離とFナンバーを最小
限にすべきである。一般に、投射システムの光効率は、
そのシステムの光のコリメーションの度合いに強く影響
される。光のコリメーションが低いほど、システムを貫
通できる光の量が減少する。システムの部品点数が増す
ほど、その度合いが強い。ここに挙げた入力レンズアレ
ーや誘電偏光子や、ホログラム、バイナリ(binary)光素
子、プリズム等の色拡散素子等の輝度強化技術は、コリ
メーションの低下と共に効果が薄れる。従って、これら
の強度増強技術を有効に利用して最大の輝度と効率を持
つ投射器を実現するには、投射器内で光を充分にコリメ
ーションしなければならない。
【0151】今日、ハイパワーの効率的ダイオードレー
ザが開発されているので、適切な色光のレーザ光源をこ
のような投射器の光源として使用し、最大のコリメーシ
ョンを達成することもできる。スペックルは、回転位相
板や固定式多周波位相板のような公知の方法で除去する
ことができる。高変換率材料(例えばハライド金属)を
使用し、且つ、アーク(又は、フィラメントを使用して
いる場合はフィラメント)を可能な限り小型化した後、
非コヒーレント光源の輝度を更に高めるためには、生
憎、より高い電力を光源に供給するという方法しか残さ
れていない。しかし、この手法では、アーク又はフィラ
メント全体の寸法を増大する必要がある。光源の寸法が
増大すると、光のコリメーションはその分だけ低下し、
光システムを透過できる光量が減少する。このことは、
電力量の増加によるシステムの輝度強化には限界がある
ことを示している。しかし、以下に説明する方法によっ
て、光のコリメーションを最適化し、それを利用するシ
ステムの性能を最適化することにより、輝度を一層増大
することが可能である。
【0152】光源がコリメート用光素子(例えばレンズ
やパラボラ反射器)に比して小さくなるほど、光のコリ
メーションは増大するはずである。このことは、光源を
コリメート用光素子から遠ざけて、大きな光素子を使用
すれば、より大きいコリメートビームを生成できること
を意味している。従って、スペース及びより大きいビー
ムを形成することを代償に、光源は事実上、その大小に
拘らず、如何なる拡散/収斂誤差にでもコリメートし得
る。このことは、コリメートされたビームの大きさがラ
イトバルブ又は照射すべき他の画像形成素子の大きさを
超えると同時に無用化するように見えるかも知れない。
しかし、この超過光は、コリメート状態を保持したまま
プリズムのような素子を持つ画像形成素子に向けて再び
進路変更すれば、有効に利用することができる。これに
より、投射レンズのFナンバーを低下させることになる
が、より多くの光がシステムを貫通できるようになる。
Fナンバーの低下は、大抵は許容でき、より高輝度の画
像を得るためには、多少は犠牲にする価値がある。
【0153】例えば、画像形成素子として、画素型LC
Dを使用したシステムを考えてみよう。現行の能動マト
リクスLCDの開口率は僅かに25%乃至45%であ
る。典型的な画素は一辺が60ミクロンで、120ミク
ロンのピッチで並ぶ。既に述べたような入力レンズアレ
ーを使用することは、高度にコリメートされた光の場合
にのみ有用である。能動マトリクスLCDにおける通常
のガラスの厚みは1.1mmである。屈折率が約1.5
3であることを考慮すると、その許容角度は約5度であ
る。レンズ素子に例えば10どの角度で当たる光は、主
に、LCDの不透明領域に集束し、レンズが無い場合よ
りも、局部発熱や損傷を招き易い。開口率25%、斜径
4インチのLCDを例にとると、約150ワットの典型
的な金属ハライドアーク(長さは通常、4又は5mm)
は、同様の寸法の反射器により、約10度の発散度にコ
リメートされることになる。主に、ビーム内エネルギー
のガウス分布のため、入力レンズ群の許容角度内に光エ
ネルギーの大部分を集めると、入力レンズアレーの使用
により、光のスループットを強化することができる(多
分、50%まで)。
【0154】しかし、直径8〜9インチの、より大きな
(焦点距離が長い)反射器を使用すると、コリメーショ
ンが増し、光の殆どが5度の発散角度内に集中すること
になる。そして、LCDに直接到達する光のほぼ全部
が、入力レンズアレーによって画素孔に集束することに
なる。ビームの周辺を取り巻くプリズムを使用して、そ
のビームをLCDに屈折させると、実質的に全ての光を
LCDの開口窓に集めることができる。この光は、5度
の許容角度を超える角度でレンズ素子に入射する場合で
も、その光は、以下に述べる理由により、システム内を
進行することができる。
【0155】レンズアレーと画素孔との距離(ガラスで
1.1mm、空気換算値で0.7mm)は、画素間距離
(通常は約100ミクロン以下)よりも遥かに大きい。
従って、LCDが照射できる角度は幾つかあり、約5度
の許容角度を持つことになるだろう。(レンズレットの
直角に当たってから)レンズレットによって導かれる光
は、その背後の画素孔に入射する代わりに、その向こう
の画素に入射する。図55は、LCDが垂直軸上で回転
されたときに入力レンズによってLCDを透過した光の
強度を示している。典型的なLCDを利用して84度回
転させることで、7つの透過ピーク(約12度毎)が現
れ、夫々、約5度の許容角度を持つ。
【0156】使用されるフィラメントが大きくなるほ
ど、ビームの拡散度が増し、それに見合うコリメーショ
ンが得られる。9インチの円外の光をそれより大きい次
の透過ピーク角に相当する角度にあるLCDに拡散させ
るために、第2の組のプリズムを使用することができ
る。即ち、この例では、光が例えば最大15インチの直
径の円に拡散されるが、全ての光が僅か3インチ幅のL
CD内を進行する。しかしこれより大きくなると、投射
レンズのFナンバーが実用上可能な値より低くなる(そ
して投射器が余りに大型化して高価になる)と思われる
ので、非実用的であることは疑いない。より大きいLC
Dを使用したりLCDの壁を薄くしたりすれば、より多
くの光が透過し易くなるだろう。典型的なビデオLCD
では、水平方向の行は1行おきにその前の行と1.5画
素分ずれており、よりランダムに見える画素パターンを
構成している。このことは、LCDを水平軸中心の回転
によって得られるピークが、垂直軸中心の回転によって
得られるピークよりも大きく離れていることを意味す
る。水平方向の画素ピッチが垂直方向の画素ピッチに等
しいとすると、各ピークは、水平軸中心の回転では垂直
軸中心の回転の時よりも2倍も離れることになる。
【0157】上下方向からLCDに向かう光は、2つの
画素行によって上方又は下方に拡散されるか(角度の2
倍)、或いは、上方又は下方に拡散されて次の行に当た
ってから、第2のプリズムで水平方向に半画素分拡散さ
れることになる。これについては、種々の構成が可能で
ある。特に、コリメートされた光で最適な動作をする他
の輝度強化技術と組み合わせて使用できる投射システム
において、ほぼ全ての光を有効に利用できることに加
え、この方法には以下の2つの主要な利点がある。
【0158】第1に、光源と集光子とを組み合わせた場
合、照射が不均一になり、画面に、強度のばらつきや色
のばらつきが目立つことが多い。しかしこの技術を利用
すると、光源の異なる部分からの幾つかのビーム(通常
は9本)を上下に重合することにより、色と輝度をより
適切に混合することができ、より均一な照射が可能にな
る。プリズムの角、及びプリズムと画像形成素子との距
離は、ホットスポットをずらして「ホール」を均一に埋
め、結果的に得られる照射の均一性を最善化するよう
に、設定することができる。
【0159】第2に、照射システムは、典型的には、光
源からの光を集め、円形のビームを作る。一方、大抵の
光源は、矩形の画像を生成する。従来の投射器で画像全
体を照射するためには、矩形の画像については円の直径
が少なくとも矩形の対角線と等しくなるように比較の円
を外接させなければならないため、光の約40%もの損
失が生じる。しかし、上述した手法によれば、全ての光
を損失なく画像に重ねることができる。この場合も、コ
リメートされたビームの直径、プリズム角、画像源から
のプリズムの距離を適切に設定することで、最も均一な
照射が可能になる。円形のビームからの光が矩形の開口
をより均一に照射できるようにするために、画像形成素
子の縦横比に最も適合する一対の円筒レンズを使用する
ことができる。
【0160】図57は、円形のビームの各部分が矩形画
像上にどのように重ねられ、高効率の均一な照射ができ
るかについて、一例を示している。均一な光を供給する
光源からの光の大部分を集めるために、図39に示す高
効率複合集光子を利用した例を、図58Aの上面図、図
58Bの側面図で示す。両図において、画像形成素子の
向こう側に配置される投射レンズは、図示を省略してあ
る。省スペースと重量及びコストの低減化を図るため、
標準的なレンズに代えてフレネル(Fresnel)プリズムを
使用することができる。
【0161】他の実施例では、特に、光源から前後方向
に、光の放射が全く又は殆ど無い場合(典型的な軸方向
配列アークのように)、光を三日月状反射器で集光する
ことによって一点に集中させることができる。余り大き
なものを使用しなくても赤外光の大部分を取り出せるよ
うに、ホットミラーを焦点に幾分近づけて配置すること
ができる。光を反射して、しかもライトバルブに送られ
る熱を更に低減するためには、コールドミラーを使用す
ることができる。この焦点から拡散する拡散する光は、
コリメートすることができ、一旦、フレネルレンズで充
分な大きさに拡大される。
【0162】この構成の上面図及び側面図を図59A及
び図59Bに示す。図60A及び60Bは、試験的なシ
ステムのXY方向の光強度の、この構成で得られた画面
上のプロットを示す。他の場合なら画像の中央に「ホー
ル」を有するであろう光源は(パラボラが使用されてい
るような場合)、ここでは均一な照度の画面を生成して
いる。この構成を利用した場合は、光を充分に拡散させ
つつ、ばらばらのビームを画像形成素子に集めて適切な
角度で重合させるのに、距離を必要とするため、投射器
が大型化しがちである(例えば、10インチx10イン
チx24インチ)。このような寸法的要件を緩和するた
めに、種々の方法を利用することができる。
【0163】例えば、図61に示すように、集光子を有
する幾つかの小型アーク(又はフィラメント)−低電力
電球(6110)を、画像形成素子(6130)に対応
するコリメートレンズ(6120)に対して正しく配置
することによって、対応する画素に入射するように夫々
コリメートされたビーム(6140)を生成することが
できる。
【0164】或いは、図62に示すように、より大きな
単一の光源(6210)を充分に拡大して所望のコリメ
ートを行い、これを大きなレンズ6270でコリメート
した後、コリメートビームの各部分を、焦点(625
0)に集めることができる。尚、焦点(6250)も同
様に、コリメートされたビームを、それらが画像形成素
子の近くのコリメートレンズ(6220)を透過できる
正しい角度のコリメートビームを生成できるように、
(ミラーやプリズム等によって)適切に設定される。
【0165】この構成の好ましい変形例では、各ビーム
に対して1つの中間集束レンズ又は複数の集束レンズを
使用して、各ビームを結像させることができる。図65
は、複数の集束レンズ6560を付加した例を示してい
る。各レンズ6560は、コリメートレンズ6570の
特定の部分の画像(画像形成素子と同一形状を有する)
を画像形成素子6530に集束させる。その画像は、画
像形成素子の一部又は全部を満たすように形成すること
ができる。本願でしばしば述べているように、光を画像
形成素子の縦横比に合わせるために、円筒レンズを使用
することができる。この方法では、光を漏らさずに、画
像形成素子6530を均一に照射することができ、しか
も、画像形成素子6530を、入力レンズアレー658
0で画素孔に正しく集束させる角度で照射することがで
きる(後述する)。画像形成素子を適切に選択された軸
外の角度から照射する光は、本願で説明しているよう
に、対応する画素孔に入射することになる。
【0166】更に別の好ましい実施例では、図66に示
すように、光源6600からの光が光トンネルに入る。
レンズ6620は、トンネル(画像形成素子6660と
同一形状を有する)の出力の画像をレンズアレー663
0(フレネルレンズでもよい)の面に集束させる。フレ
ネルプリズム6640は、その画像の各部分を画像形成
素子6660に向けて屈折させる。集束レンズ6650
は、6630にある画像の各部分を、画像形成素子66
60上に結像させる。画面6630にあるレンズは、レ
ンズ6620の焦点をプリズム6640を介して結像レ
ンズ6650に合わせる。6630の中心部分について
は、6640の部分にプリズムは必要ない。トンネルか
らの光を6630の広い領域に見合った大きさに拡大す
ることにより、拡散度は低減し、コリメーションは拡大
率に応じて増大する。これにより、最終的には、面66
30と画像形成素子6660との距離が縮小され、コリ
メート度が画像形成素子6600の前に配設されたレン
ズアレー6670の許容角度内に納められる。
【0167】あるいは、レンズ6620は、トンネル6
610の出力を直接、画像形成素子6660上に集める
ようにする(従って、6630、6640、6650を
省略する)こともできる。トンネルからでる光の出力角
度と、入力レンズアレーの許容角度(本明細書中で度々
説明した)がわかれば、必要な拡大率が定まる。従っ
て、画像形成素子の寸法を考慮して、逆に拡大率を使用
すると、トンネルの出力口に必要とされる寸法が定ま
る。
【0168】他の実施例では(図63)、投射器全体の
幅を縮小するために、光学系(6310)の4つの辺の
周囲にミラー(6300)を適切に配置して、光を充分
に拡散させ、必要なコリメーションを行い、更に、コリ
メートレンズ(6300)で正しい角度にコリメート
し、画像形成素子(6630)を照射するように構成す
ることができる。図63には、簡単のため、ミラーを2
辺にのみ図示している。
【0169】赤色、緑色、青色の夫々の像を別々に変調
するために3個のライトバルブを使用するのに対応して
3つの光路がある場合、各カラー画像は、1つのフルカ
ラー画像に再結合する必要がある。これは、図2に示す
ものを含む種々の構成で達成することができる。しか
し、ライトバルブと投射レンズとの距離を最短にするに
は、ダイクロイックキューブを使用するとよい。このよ
うな公知のキューブは、立方体(キューブ)を形成する
ように組み合わせられた4個の正三角柱から成る。互い
に接する面には、ダイクロイックコーティングが施さ
れ、3つのカラー画像ビームが1つのフルカラー画像に
結合されるようになっている。従来のダイレクトビュー
(direct view)型ライトバルブは、フルカラー画像を生
成するためのカラーフィルタを利用している。カラーフ
ィルタは、光を吸収する働きを持つため、光の約2/3
を無駄にすることになり、しかも、その光を熱に変換す
るので、発熱の問題を増長している。
【0170】カラー画像形成素子を製造するための好ま
しい方法では、画像形成素子自体又は画像形成素子に隣
接する基板にダイクロイックコーティングを行う。隣接
する基板にコーティングした(ダイクロイックフィルタ
板を形成した)ときは、そのダイクロイック板は、画像
形成素子だけと、或いはカラーフィルタを利用する画像
形成素子と組み合わせて、使用することができる。後者
の構成は、ダイクロイックコーティングの狭帯域透光度
に起因する要件を緩和する。異なる色のコーティング
は、吸収性カラーフィルタの場合と同じように、モザイ
ク状に塗布することができる。この様子を図76に示
す。画像形成素子の直前には、一連の縞状のミラーが置
かれている。各ミラーの幅は、水平方向の画素ピッチの
2倍である。隣合うミラー間の距離は、水平方向の画素
ピッチに等しい。2つのレンズアレーは、入射光を一連
の平行な光線に変える。各光線の幅は、画像形成素子の
水平方向の画素ピッチに等しく、隣合う光線間の間隔
は、1つの光線の幅の2倍に等しい。光は、僅かな傾斜
角(ダイクロイックミラーコーティングから縞状ミラー
までの距離及び水平方向の画素ピッチに依存する)でダ
イクロイックミラーを照射する。
【0171】光は、2つのミラー間の空隙を通って進
み、垂直方向の列の画素及び半画素を照射するか(図1
5Bに示すように一列置きに画素位置がずれている場
合)、画素をまるごと照射する(画素が図15Aの配列
になっている場合)。明確に理解するために、1つの赤
の画素に当たる部分光を考える。赤色光は、ダイクロイ
ックコーティング7610を透過するのに対して、青色
光及び緑色光はミラー6620によって跳ね返される。
このミラーで反射された後、これらのビームは、赤の画
素の1つ先の青の画素7630を照射する。緑色光は、
ダイクロイックコーティングを透過するが、青色光は再
度跳ね返され、最後に縞状ミラーで反射され、青のダイ
クロイックコーティングと青の画素7640を透過す
る。
【0172】吸収カラーフィルタを使用することなく、
かかるカラーモザイクを形成するための別の方法を、以
下の実施例で説明する。図25は、ダイクロイックミラ
ー2540によって、赤色ビーム2510、緑色ビーム
2520及び青色ビーム2530の3つのコリメートビ
ームに分解される白色光のコリメートビーム2500を
示したものである。これらのビームは、その後、二重レ
ンズアレー2550を通過する。この二重レンズアレー
2550の各アレーは、ライトバルブ2560内の画素
数と同数のレンズを含んでいる。各レンズアレーの1つ
のレンズによって形成される各レンズ対は、ガリレイ式
望遠鏡を形成し、減じられた直径をもつコリメートビー
ムを生じさせる。レンズの曲率は、各コリメートビーム
の直径が3:1の割合で減じられるように選ばれる。第
2のダイクロイックミラー2570が、カラービームを
寄せ集める。しかし、2つのミラーの変位により、ビー
ムは、実際に重なり合うことはなく、カラーモザイクを
形成し、どのような(前に図15を参照して説明した2
つの装置のような)カラー装置においても選ばれる単色
ライトバルブに照射される。
【0173】カラービームのモザイクを生成するための
別の方法を、図26に示した。コリメートされた光26
00が、二重レンズアレー2610を通過する。この二
重レンズアレー2610もまた、1つのアレーあたり、
ライトバルブ2620内に存在する画素の数と同数のレ
ンズを含んでいる。2つのアレーの焦点距離は異なって
おり、一連のコリメートビーム2630が形成される。
各ビームの幅は画素の大きさに等しく、また、コリメー
トビーム間の間隔は画素のピッチの2倍に等しい。各コ
リメートビームは、3つの特別なミラーのスタックを遮
る。
【0174】これらの「ミラー」は、互いに間隔をおい
て配置されたミラー領域からなり、この間隔はミラー領
域の大きさの2倍となっている。このミラー領域の幅
は、ミラー面の法線に対して45°の角度でミラーに入
射するとき、各コリメートビームが正確に、ミラーの形
成された領域を満たすように選ばれている。レンズレッ
トの1つから放射される単一のコリメートビームの光路
をたどり、ビームはスタック内の最初の2つのミラー2
640及び2650における間隙を通過し、第3のミラ
ー2660上のダイクロイックミラー表面に達する。こ
のダイクロイックミラーは、赤色光を透過し、青色光及
び緑色光を下方へ反射させる。この青色−緑色ビーム
は、第2のミラー上のダイクロイックミラー領域に達す
る。この第2のミラーのダイクロイックミラー面は、緑
色のコリメートビームを、赤色ビームに平行な方向に反
射する一方、青色ビームを透過する。青色ビームは、標
準的な平面ミラーからなる第1のミラーに到達すること
により、赤色及び緑色ビームに平行となる。これらの赤
色、緑色及び青色ビームは、ライトバルブ上の3つの画
素に照射される。これらの画素は、単色であるが、それ
ぞれ、赤色、緑色及び青色のデータをもってアドレス指
定されている。あるいは、ダイクロイックミラーは、同
一の結果を生じる層をなして配置されたホログラムによ
って置き換えられる。
【0175】図27に示した別の実施例では、(上述の
ような)コリメートされた微小なビームの1つ2700
が、光を反射/回折し、本質的に赤色、緑色及び青色ビ
ームに分解するホログラム2710にあたる。第2のホ
ログラム2730、あるいは一連のプリズムが、軸上に
ないビームを軸上に位置するように曲げ、その結果、平
行な赤色、緑色及び青色ビームが形成され、これらのビ
ームは、その後前述のように、フルカラーライトバルブ
2720に照射される。
【0176】白色光は、ライトバルブ又は他の画像形成
素子を照射する前に、プリズム、回折格子、及び/又
は、標準的なブレーズド(blazed)、バイナリ(binary)、
その他のホログラムを通すことにより、異なる色のビー
ムに分解することができ、異なる色の各ビームは若干異
なる方向へ屈折されることになる。2つ(又はそれ以
上)のこのような素子をカスケード状に連設し、分光さ
れたビームがシステムの光軸と平行になるように、ある
いは、緑色成分が光軸に平行になって緑色ビームの何れ
かの側の他の緑色ビームに向けて収斂又は拡散するよう
に、分光されたビームの進路変更を行うことができる。
【0177】このような構成は、照射ビームの正しい色
成分を正しいカラーフィルタに導いて、3原色の色飽和
値を上げ、より多種類の色をより正確に再生するために
利用することができる。あるいは、カラーフィルタを使
用せずに、異なる色のビームで対応する画素を照射する
ことも可能である。図71に示す好ましい実施例では、
白色ビーム7100が上述したような1つの素子711
0(又は異なる色の累積拡散効果を持つ2以上の素子)
を透過して、各カラー成分が若干異なる角度に進む、ほ
ぼ完全に重畳されたビームを生成する。画像形成素子7
130は、レンズアレー7120で覆われている。この
レンズアレーでは、各レンズアレー素子7125がライ
トバルブ(又は画素別の画像形成素子)の垂直方向の画
素ピッチに等しい垂直方向のピッチと水平方向の画素ピ
ッチの3倍の水平方向ピッチで配列されている(レンズ
レットは、水平方向には水平方向の画素数の1/3の数
だけ設けられる)。
【0178】この構成では、図15A及び15Bに示す
ように、各水平方向の行に画素がR、G、B、R、G、
Bというように順次配列されるものとしている。このよ
うに順次配列された画素の行が互いにずれている場合
は、レンズアレー素子も、それと整合するようにずらさ
れている。夫々に着色されたビームは、互いに若干異な
る方向に進み、各色の情報を持つ画素に対応する各レン
ズアレー素子7125によって夫々の位置に導かれる。
即ち、スペクトルの赤色端は赤色情報を持つ画素へ導か
れ、スペクトルの青色端及びスペクトルの緑色を含む中
間部も夫々、同様にして導かれる。上述したように、画
素に配置されたカラーフィルタは、色飽和値が上昇され
ているために、これらのビームを更に透過させることが
できる。付加的なレンズアレーを使用すると、スペクト
ルの各部分からの光を全て各画素に集めることができ、
光の損失をほぼ完全になくすことができる。このことは
後に詳細に説明する。これに代えて、拡散角度、レンズ
アレー素子7125の焦点距離及び画素からの距離を厳
密に選定することによっても各色スペクトル部を正しく
ろ過することができる。即ち、ある波長を意図的に画素
間の不透明部分に向けることによって遮断することがで
きる。
【0179】必要があれば、緑色光の光軸が画像形成素
子の法線と平行になるように、システムを特別に設計す
ることができる。そのために、例えばプリズムを使用す
る場合、アクリルやポリスチレンのように、異なるアベ
(Abbe)Vナンバーを持つと共に類似する屈折率を持つ異
なる材料で、そのプリズムを形成することができる。プ
リズムを対向配置すると、緑色光を光軸上に移動させた
上で、各色を拡散させることになる。回折格子やホログ
ラムを使用する場合は、フリンジ間隔が相違するように
形成することができる。
【0180】図72に示す別の実施例では、このような
色拡散素子を2個(7210及び7220)使用してい
る。これらは同一で、背中合わせに接しているときに、
第1の素子の効果が第2の素子の作用で打ち消されるよ
うに、互いに対向して配置されている。しかし、両素子
を若干離して配置することにより、別々の色が見られ
る。図72では、レンズアレー7230(この場合も、
レンズは水平方向の画素ピッチの3倍のピッチで配列さ
れている)の各レンズアレー素子は、光源からの画像を
結像させる。各結像ビームが第1の色拡散素子7210
を透過するとき、光源からの集束されたスポット画像が
入射ビームの光軸に対して或る角度を持った色スペクト
ル線に拡散される。第2の色拡散素子7220は、中心
の色(緑色)が画素孔7240の面に達したときにシス
テムの光軸に平行になるように、異なる色のビームの進
路修正を行う。この場合も、個々のレンズアレーは、光
の損失がないように、各スペクトル部分を夫々の画素に
集束させることができるし、又、このような付加的なア
レーを使用せずに、画素間の部分を利用して所定の波長
を遮断することもできる。
【0181】システムの寸法、重量及びコストを低減す
るために、フレネルプリズムを使用することができる。
ホログラムや回折格子を使用する場合は、位相回折格子
が最も高い効率を示すだろう。第1オーダー(first ord
er)のうちの1つを使用して、他の第1オーダー、ゼロ
オーダー(zero order)及びそれより高いオーダー(highe
r orders)を抑制することができる。ホログラム及びブ
レーズド(blazed)回折格子は、特定の波長で最大の機能
を発揮する。したがって、最大の効率を得るには、3個
使用して、夫々のピークを所望の波長(赤、緑、青)に
合わせるとよい。
【0182】同じレンズアレーを使用して光を各色に分
離する他の方法では、ダイクロイックミラーを使用す
る。図73はその1つの方法を示している。この構成で
は、ダイクロイックミラー7310、7320、733
0(最後のミラー7320としてはダイクロイックミラ
ーでなく全面ミラー又はプリズムでもよい)によって、
白色光7300が3つのカラービームに分解される。こ
れらのミラーは、対応する各カラービームをレンズアレ
ー7340の各レンズアレー素子7345を透過させ
て、対応する色画素情報を含む画素7350を正しく照
射させるように、夫々配置される。全面ミラー7315
は、例えば、ミラー7310で反射するビームをレンズ
アレー7340に正しく配向させるために使用すること
ができる。
【0183】カラービームのモザイクを形成するために
ダイクロイック又はホログラフィック系を用いること
は、またカラーフィルタモザイクと共同してなされ得
る。光はフィルタに達する前に、適当に色付けされてい
るので、あまり吸収されず、よって選別された飽和色を
生じる。偏光面を回転させるライトバルブシステムは、
効率があまりよくない。なぜならば、偏光面を回転させ
るために、ライトバルブは偏光した光によって照射され
ねばならないからである。今日使用されているシステム
は、望まれた方向に偏光する光を除く全ての光を吸収す
ることによって(非能率的に)偏光した光を生成するシ
ート状の偏光子を用いて、偏光した光を生成する。これ
は、光の2/3以上を浪費し、偏光子を加熱させる。今
日使用されているライトバルブシステムにおいては、偏
光子はライトバルブ上に取り付けられている。したがっ
て、偏光子が加熱されると、ライトバルブが加熱され、
システムを通じて伝播される光の量が制限されることに
なる。
【0184】このライトバルブの加熱の問題に対する1
つの解決法は、偏光子をライトバルブから十分離れた位
置に取り付け、偏光子を直接冷却することである。シー
ト状の偏光子の非効率性を解消するより良好な解決法
は、偏光に際してマクニールプリズムを使用することで
ある。マクニールプリズムは、ブリュースタ角のような
一定の角度をなして誘電体表面に入射する光が、略直交
する偏光状態を有する反射及び透過ビームに分離すると
いう事実を応用したものである。この効果は、互いに接
合されてキューブを形成する2つのガラスプリズム間の
表面上に、真空蒸着などによって誘導体の多層コーティ
ングを施し、屈折率を変化させることによって最大とな
り得る。
【0185】キューブが適当に形成された場合、キュー
ブに入射する光の約50%がP偏光した光として透過
し、残り50%の光がS偏光した光として対角面によっ
て反射される。たいていのシート状偏光子は、これらに
あたる光の約65%〜75%を吸収し、このキューブか
ら放射される1つのビームを用いることによって、ライ
トバルブが利用可能な光の量を増大させ、吸収によって
加熱されるシート状偏光子によって引き起こされるライ
トバルブの加熱の問題を著しく改善することができる。
実際には両方のビームが使用され、ライトバルブ用の偏
光した光を生成する過程で、極めて微小量の光しか浪費
されないようになっている。
【0186】2本のビームは、2本のビームが平行に並
んだ光のビームとして結合されるとき、キューブから放
射されるビームの一方を、その偏光面が回転するように
反射するミラーとともに使用される。図44に示したよ
うに、キューブ4400によって反射されたS偏光した
光は、ミラー4410によって下方へ反射され、その光
の偏光面が水平に対して回転する。ミラー4420とし
て図示した第2のミラーが、この光を、キューブから放
射されるP偏光した光の方向に反射する一方、その偏光
方向は維持する。このミラーを直角に配置することによ
って、このビームは、キューブから放射されたP偏光し
たビームの高さまで反射される。このビームは、その後
ミラーによって前方へ反射され、あるいは、図示したよ
うに、プリズム4430によって前方へ屈折され、キュ
ーブから放射されるもう一方のビームに、その伝播方向
並びにその偏光面の両方において平行な第2の光ビーム
を形成する。各ビームは、互いに直角に隣接するレンズ
及びミラーを用いることによって焦点に集められ、単一
の偏光した光ビームを形成する。ここに記載した別の方
法が、また、ビームを結合させるために使用され、2本
のビームはライトバルブに照射される。
【0187】偏光ビームスプリッターキューブ5400
によって生成される2本のビームを使用する好ましい方
法を、図54に示した。この方法によれば、キューブの
誘電体のコーティングが施された対角面に平行なミラー
5410が、キューブに隣接して配置され、直交する偏
光を有する2つの平行に並んだビームを生成する。2分
の1波長板5420を一方のビーム内に配置することに
より、同一の偏光を有する平行に並んだ2本のビームが
生じる。生じたビームの大きさ及びアスペクトレシオ
は、球面レンズ5430、及び必要な場合には円筒型レ
ンズ5440を使用することによって変化させることが
できる。
【0188】大きなビームが偏光されねばならない場合
には、マクニールプリズムの使用は、重い、大きな、中
身の詰まったビームスプリッターキューブを必要とす
る。このビームスプリッターキューブは、製作コストが
高くつきしかも大きなスペースを必要とする。したがっ
て、微小な光ビームが使用される。しかし、付加的なレ
ンズ、及びビームの大きさの変化に適合する付加的なス
ペースを使用することが必要である。ビームの大きさを
感じることによって、非コリメート放射光の角度が増大
し、かかるキューブ内で非効率的な偏光がなされる。軽
量でスペースをあまりとらないマクニール板状偏光子が
使用され得るが、これは非常に狭小なバンド幅でしか機
能しない。ビデオ投映システムにおいては、本発明によ
って考察したように、白色ビームが、例えばダイクロイ
ックミラーシステムによって、3つの色成分ビームに分
解される。これらの分解された3つの色成分は、その後
3つのマクニール板状偏光子に送られる。これはスペー
スを節約し、重量を軽量化するにもかかわらず、色ビー
ムの分解及び再結合に必要な光学系が、節約されたスペ
ース及び軽量化された重量と同量の又はそれ以上のスペ
ース及び重量をとる。さらに、3つのマクニールビーム
スプリッタープレートは、システムの製作コストを著し
く増加させる。
【0189】出願人は、マクニールプリズムビームスプ
リッターと同等の機能を有するが、プレートの外面に多
数の微小な鋸歯を形成し、鋸歯のそれぞれが通常のプリ
ズムとして機能する「フレネルマクニールプリズム」を
発明した。このプリズムは、従来のプリズムよりはるか
に軽量であり、スペースもとらず、可視スペクトルの全
領域にわたって機能し、かつ安価に製作できる。
【0190】このような装置を図78に示す。好ましく
はポリカーボネートのような樹脂で形成された鋸歯状部
材7800の平坦面上には多層誘電コーティング780
0が形成されている。鋸歯状部材7800は、コーティ
ングの後、もう1つの対応する鋸歯状部材7820と接
合されて偏光分割板7830を形成する。コリメート光
7840は、偏光分割板7830を45度の角度から照
射する。各対の鋸歯(例えば7850)は、マクニール
プリズムとして働き、P偏光された光(以下、P偏光と
いう)を透過させてS偏光された光(以下、S偏光とい
う)を直角方向に反射する。P偏光とS偏光の分離は、
偏光分割板7830全体で行われる。他の箇所でも述べ
るように、S偏光は、例えばミラー7860で反射され
て半波長板870を透過し、画像形成素子に向かって進
む前に、P偏光になる。標準的なマクニール偏光キュー
ブの場合と同様に、これらの2つのビームは並んで、あ
るいは重なって、画像形成素子を照射する。
【0191】マクニール偏光器のようなこの種の偏光器
は、標準的なシート状偏光器に見られる光の吸収や加熱
に起因する光の損失を防止する。又、偏光すべきビーム
が大きくなるにつれて重量及び価格が増大しがちなマク
ニール偏光器のプリズムのコスト及び重量の低減に寄与
する。
【0192】図54に示すビーム分割キューブ5400
及び反射器5410から成る構成は、重量及びコストの
低減化に加え、小型化にも有利である。そのための構成
の一例を図64Aに示す。直角プリズム6430をこれ
らのプリズムのうちの1つに合体させてビーム分割キュ
ーブ6410を形成することにより、長斜方体6450
ができる。これは、ポリカーボネートのような中実の部
材で形成することができる。この長斜方体は、符号64
20で示す接合面の一方の面に適当な誘電コーティング
を施してから、キューブの他の直角プリズムと合体され
る。6440は、図54に符号5420で示すような半
波長材料を示す。これらのユニット6450の幾つか
は、例えば、入射光6400の光軸に対して22.5度
の傾きを持つ線に沿って配置することができる。これら
の個々のユニット6450は、適当な固定具6470で
結合された複数の平板6460の間に保持することがで
きる。ランダムに偏光されて、偏光プリズム及び反射器
から成るこのアレーに入射するビーム6400は、直角
方向に反射されて直線方向の偏光ビーム6480として
出ていく。
【0193】この構成は、例えば部材6435、641
5を射出成型により大量生産できるように変形可能であ
る。これらの部材は、接合面6425の何れかの面に適
当な誘電コーティングを施してから、接着剤で接合する
ことができる。ランダムに偏光されて複合体6455を
照射する光6405(図64B)は、P偏光及びS偏光
の何れかのビーム6465に分割され、入射方向640
5に対して直角方向に進む。同一の偏光の全てのビーム
中に配置された半波長部材6445を通過後は、その出
てくる光は一定の方向に直線的に偏光される。このビー
ムは、必要に応じて、元のビーム径6485をもって元
のビーム方向6405と平行に進むように、進路変更す
ることができる。そのために、例えば、ミラー面又はプ
リズムを構成する2重のレンティキュラレンズ6490
と「フレネルミラー」6495とを使用することができ
る。
【0194】図78のフレネル偏光板7830は、45
度で照射する必要があり、図64Bのフレネル偏光板6
455は22.5度で照射する必要があるので、何れ
も、マクニール偏光ビーム分割器と同じスペースを必要
とする。このスペースに関する要件は、フレネル偏光器
の種々の形状のうちの何れかを選択することによって軽
減することができる。以下に、その幾つかの例を挙げ
る。
【0195】例えば、ポリカーボネートのような樹脂で
成型され、レンティキュラレンズと結合された図79に
示すような鋸歯体は、偏光構造体を直角な入射角で照射
する場合にも、白色光を偏光させる。コリメート光79
00は、二重レンティキュラレンズ7910(正のレン
ズと負のレンズとが対になり、ケプラー望遠鏡を形成す
るもの)を照射して、対応するレンティキュラレンズ素
子の半分の幅のコリメート光7920になる。各ビーム
は、一面が平坦で他面が複数の45度の斜面で形成され
る第1の樹脂素子7950の一部を透過する。第1の樹
脂素子7950には、少なくとも左下から右上に傾斜す
る全ての斜面に、屈折率の異なる材料、例えばSIO2
及びTIO2を公知の方法で積層することにより、誘電
コーティング7960が形成され、マクニール偏光器を
構成するようになっている。このコーティングには、も
う一つの同一の樹脂部材7970が接着される。
【0196】基板7950を透過する各光ビーム792
0は、コーティング7960で干渉され、全てのP偏光
が、樹脂部材7970の平坦面から出る一方、全てのS
偏光が、右に反射されてからコーティング7960によ
って光源の方向に再度反射される。その光ビームはその
後、1/4波長板7940を透過して、扇状に偏光され
る。ミラー7930による反射の際、扇状に偏光された
光は、向きを(handedness)逆にし、再度1/4波長板7
940を透過した後、P偏光になり、コーティング79
60及び樹脂部材7970を透過できるようになる。従
って、樹脂部材7970から出るビーム7980は、ほ
ぼ完全なP偏光である。
【0197】この構成の変形例を図80に示す。この構
成例では、部材8050及び8070が、光軸に平行な
面と45度の斜面とで鋸歯面を形成している。先の例と
同様に、レンティキュラレンズ8010は、各レンティ
キュラレンズ素子の半分の幅の平行なビーム8020を
生成する。この例でも、P偏光は多層コーティング80
60を透過して8070から出る。しかし、この例で
は、S偏光は、隣の斜面に横に反射し、もう一度コーテ
ィング8060によって光軸に平行に反射される。この
S偏光は、その後、半波長板8040を透過し、P偏光
になる。従って、この偏光器から出るビーム8080
は、基本的にP偏光である。
【0198】この構成の望ましい変形例を図81に示
す。この変形例では、部材8150の鋸歯数が8170
の鋸歯数の半分である。両部材の全ての鋸歯は寸法が同
一であるから、部材8150の鋸歯の間隔を部材817
0の鋸歯の間隔の2倍にすることによって、この構造を
得ることができる。8160上に適切なコーティングを
施した後、2つの部材8150と8170は前例と同様
に接合される。この例では、レンティキュラレンズから
出たP偏光が光軸に平行に直進する。S偏光は、多層コ
ーティング8160で光軸に直角に反射され、8170
から、隣の鋸歯に入射する。このビームはその後、全内
反射によって光軸に平行に反射される。半波長板814
0を透過した後、S偏光はP偏光になる。従って、最終
的なビーム8180は、基本的にP偏光である。鋸歯の
寸法をそのままにして、レンティキュラレンズ及び半波
長板のセグメントのピッチを2倍にするように、鋸歯の
配列を変更することができる。その例を図82に示す。
【0199】図64に示すシステムの変形を用いること
によっても、この構成は可能である。これを図85に示
す。同図で、入射光8500は、二重レンティキュラレ
ンズアレー8510によって、各ビーム間の間隔が各ビ
ームの幅と同じであるいくつかの平行なビーム8520
に分割される。これらのビームは、部材8530を直角
の入射角で照射する。部材8530は、例えば2つの射
出成型部品8540、8550で形成することができ
る。これらの部品は、斜面8560を多層膜でコーティ
ングしてから接合される。8530から出る1つ置きの
ビームに対応して配設された半波長部材8570は、入
力ビーム8500と同径で同方向の一つの直線変更ビー
ム8580を生成する(但し、一次元では入力ビーム8
500の2倍の広がりをもつ)。
【0200】その他、種々の類似例も可能であり、本発
明の範囲に含まれる。マクニール又はフレネル偏光器の
寸法、重量、コストの低減を可能にするもう一つの方法
は、ホログラムか簡単な回折格子を使用することであ
る。広帯域マクニール又はフレネル偏光器に必要なプリ
ズムは、入射光を受けて、それを多層コーティング上に
ブルースター(Brewster)角で当てるよううに屈折させ
る。出力プリズムも同様に、多層コーティングからでる
光を受けて、再び光軸に平行になるように屈折させる。
これらのプリズムの代わりに適切なホログラムや回折格
子を使用すると、遥かに狭いスペースで(多層コーティ
ングは光軸に直角に形成することができるので)同じ作
用が得られる。
【0201】上述したマクニール偏光器及びフレネル偏
光器は、何れも、真空蒸着を要する多層コーティングを
使用している。これは若干のコストの増大と時間の浪費
を招く。一回の曝露(exposure)で記録できるホログラム
は、多層コーティングの代用として、低コスト及び短時
間で形成できる。これは、互いに干渉するビーム間の角
度が90度より大きくなるような厚みのあるホログラム
を形成することによって達成できる。乳剤中でできる縦
波パターンは、一回の短時間の曝露によって高低両屈折
率の交互積層膜になる。この「積層」は、形状及び機能
の面で従来の真空蒸着で生成される積層に類似する。ホ
ログラムは、所定の波長で最も高い効率を示すので、白
色光を使用する場合は、いくつかのホログラム(例え
ば、赤をピークとするもの、緑をピークとするもの、及
び青をピークとするもの)を重ねることにより、最善の
性能を実現することができる。3つのホログラムを夫々
別体に製作して組み合わせてもよいし、あるいは、乳剤
に3つの離れた曝露部を形成し、トリエタノールアミン
のような物質で、夫々の曝露部の基準ビーム角及び乳剤
の厚みの何れかを変えるようにしてもよい。
【0202】例えば、図54、64、80、81、8
2、85に示すような種々の構成で、多層コーティング
の代わりにコレステリック状態乃至ネマチック状態の液
晶を使用することができる。液晶は独特の異方性光特性
を有するので、これを利用することにより、偏光されて
いない光を右向き及び左向きの回転偏光ビームに分割す
ることができる。1つのビームを反射した後は、両ビー
ムが同じ向きに回転偏光するようになる。従って、1/
4波長板を透過すると、これらのビームは直線偏光に変
換される。コレステリック状態のフィルタは、特定の波
長で最高の効率を示す傾向があるので、幾つかの「同調
フィルタ」(例えば赤用、緑用、及び青用)を重ね合わ
せたものを利用して、白色光の効率的な偏光を行うこと
ができる。直角の入射角で照射可能な比較的薄い「偏光
板」又は「フレネル偏光器」を製作するためのこれらの
方法は、何れも、既にシート状偏光器が使用されている
場合にも、光の透過量が余りに少ないためにシート状偏
光器が使用されていない場合にも利用することができ
る。このような方法は、車のヘッドライトやフロントガ
ラスを垂直軸に偏光するためにも使用されている。こう
することで、近づいてくるヘッドライトからの眩光を大
幅に低減する一方で、自分の車のヘッドライトからの光
も含む、一旦何らかの物体による反射で拡散された光の
大部分を、フロントガラスを透過させてドライバーの眼
に到達させる。
【0203】通常のレンズを通過する直線偏光した光
は、もやは正確に前の直線偏光状態を維持していない。
これは、レンズが、上述の誘電体中での偏光効果のため
に通過する光の偏光状態を変化させ得る湾曲面からなっ
ているからである。レンズの表面が連続的に湾曲し、光
のビームの異なる部分に対してその角度を変化させるの
で、ビームの異なる部分の偏光状態は、異なって変化す
る。これは偏光した光を用いてライトバルブによって生
成される像のコントラスト及び色の忠実度を低下させ
る。この問題を解決するために、偏光子が使用される場
合に、可能な場合にはいつでも、この偏光子の全てのレ
ンズの後方に配置されなければならない。好ましい解決
法は、たとえ幾つかが連続的に使用される場合であって
も、できるだけ薄く、湾曲した表面上に効率のよいAR
コーティングを施されたレンズを使用し、光が一定の角
度で入射したときに生じる偏光作用を最小限にとどめる
ことである。
【0204】マクニール偏光ビームスプリッターは、入
射光の約50%をP偏光した光として透過するものであ
り、各ビーム、特に反射されたS偏光ビームは、幾分純
粋ではない。言い換えれば、透過されたビームは、主と
してP偏光されるが、P偏光状態にない光を幾らか含ん
でおり、一方、反射されたビームは、主としてS偏光さ
れるが、S偏光状態にない光を幾らか含んでいる。この
ような微小な「偏光の混合」は非常に目につきやすく、
完全に黒い領域を投映することが困難となり、コントラ
スト及び色の飽和が減じられる。この問題を解決するた
め、偏光子は、マクニールビームスプリッターとライト
バルブとの間に、それらの軸を平行にして配置され、相
対的に光の損失が微小となるが、望ましくない偏光状態
の光が除去され、コントラストレシオポテンシャルが、
約20:1から約1000:1に改善され、光の損失が
13%〜35%に増加するのみで、偏光子の使用による
光の2倍の光が残される。
【0205】ダイクロイックビーム組み合わせキューブ
を使用し、微小な空間内において、3つの独立に色付け
された結像ビームからフルカラーの像を生成すること
を、上で説明した。同一のキューブがまた、マクニール
偏光ビーム組み合わせキューブとして機能すべくコーテ
ィングを施され得る。このキューブは、偏光した光を使
用するライトバルブに対するビームアナライザーとして
機能する。この装置によって、1本のビームがキューブ
を透過し、他の2本のビームが内面によって反射され
る。その結果、透過ビームはP偏光し、反射ビームはS
偏光する。ライトバルブを励起する、キューブによって
透過される光はP偏光し、他の2つのライトバルブは、
S偏光した光で像を形成するように製作されねばならな
い。ここに記載したマクニール法によって偏光した光
は、全て1つの偏光状態にあるが、直交する偏光を必要
とするライトバルブに入射する前に、2分の1波長板に
よってその偏光面を回転せしめられ得る。
【0206】しかし、より簡単で安価な方法として、複
数の同一のライトバルブを使用し、(必要とされる偏光
に関して)他の画像形成素子からの異なる偏光の出力を
生成するライトバルブの後ろに半波長板を設けることが
できる。画素間には光を通さない部分があるので、能動
マトリクス型ライトバルブに特に顕著に大きな効率の損
失が見られる。この部分に当たった光は、画面には到達
せず、投射画像の輝度を低下させると共に、ライトバル
ブを加熱する。実際に、照射された光の約25%乃至4
5%しかライトバルブを透過しない。この問題に対処す
るためには、画素間の不透明部分を回避して、光を画素
孔に強制的に集める必要がある。そのための好ましい方
法では、集光システムからの光を画素孔に集束させるた
めのレンズを使用している。所定のライトバルブに対し
て画素孔の寸法は一定とされる。電球(bulb)を選択する
ことでフィラメント又はアークの寸法が決まる。選択さ
れた光源から、できるだけ多くの光を画素に導くには、
幾つかの要素を考慮に入れる必要がある。
【0207】横方向のフィラメントやアーク源を使用す
ることもできるが、軸方向のフィラメント又はアークを
反射器内に設けることが好ましい。これには以下のよう
な理由がある。 1.光源が反射器に近づくほど、光のコリメーションが
乏しくなる。軸方向の光源は反射器から最も遠くてよい
が、ほとんどの横方向の光源は、反射器に近寄るざるを
得ない。 2.軸方向の光源は、その光の大部分を、反射器で反射
されるように斜めに放射し、反射器の基部(base)又は前
方に向かう光は全く又は殆どない。横方向の光源は、そ
の光の多くを反射器の全領域中で(コリメーションの面
で)最も機能しにくい基部と、反射器が全く存在しない
ために反射器の作用を受けられない前方に放射する。
【0208】3.軸方向光源が反射器内で対称になるた
め、画像形成素子の照射は横方向光源の場合に比べて遥
かに対称的になる。 4.横方向の光源は、画像がレンズアレーによって集束
されるには、縦方向の光源よりも遥かに大幅な縮小を必
要とする。実用上、縮小率には限度があるので、横方向
の光源を使用することは、レンズアレーによって画素孔
に集束され得る光の量を更に減少させる原因になる。 5.これらの問題の幾つかは、球面後方反射器と集光レ
ンズとを使用することで解決されるが、そうすると、光
源の横幅を2倍にする(コリメーションを悪化させる)
ことになるし、大方の光が反射器にも集光レンズにも入
射できなくなるから、光の大部分を損失することにな
る。
【0209】ライトバルブにおいて使用されているガラ
スの厚さは、レンズアレーが画素ホールにどれだけ密接
するのかを制限し、したがってレンズアレーの焦点距離
がどれだけ短いかを制限する。集光光学系の焦点距離の
レンズアレーの焦点距離に対する比は、フィラメントあ
るいはアークの像の縮小の減少率を決定する。大きな集
光焦点距離を得て、縮小率が画素中にフィラメント/ア
ークの完全な像が結像されるのに十分な大きさとなり、
集光焦点距離が増大することによって、フィラメントか
ら集められる光の量が減少するようにすることが好まし
い。したがって、集光焦点距離はできるだけ短くなる
が、フィラメント/アークの像が、(回折による不鮮明
さを考慮して)画素中に適合するのに十分に縮小される
ようにしなければならない。故に、最小の許容され得る
明るさを生じさせる、最小の大きさのフィラメント又は
アークを備えたバルブを選ばなければならない。
【0210】与えられた画素の大きさ、最小のレンズア
レー焦点距離、与えられたフィラメントの大きさ、単位
面積あたりのフィラメントの最大効率、及び最小の集光
レンズ焦点距離によって、画素ホールを通過し得る最大
の光量が決定される。これらのパラメータを用いて、光
源及びレンズが、与えられたライトバルブに対し、でき
るだけ多くの光がライトバルブを通過するようにすべく
選択され得る。前に説明したように、コリメートホログ
ラムを使用する、あるいは非結像集光光学系を使用する
方法によれば、フィラメント/アークの大きさを小さく
することができ、画素ホール内により多くの光を集める
ことができる。
【0211】画像形成素子の前に単一のレンズアレーを
配置することでスループットを若干増大させることがで
きるが、光源が微細であるために光が完全にはコリメー
トされない現実のシステムでは、使用される光学系の形
状によるいくつかの問題がある。その一つは、不均一な
照射のために各画素の内部構造が見えてしまうという問
題である。この問題に対処する一つの方法は、コーラー
(Kohler)型照射装置を使用している。この種の装置で
は、(フィラメントの場合のように)たとえ光源が均一
でなくても、照射された領域はかなり均一に見える。入
力レンズを集光レンズと同視することができ、ライトバ
ルブの後ろの画素結合レンズをシステムの投射レンズと
同視することができる。この場合は、光源は画素結合レ
ンズに、又はその近傍に集束される。この様子を図34
に示す。画像形成素子(画素結合用)の後ろのアレーの
何れかの点における照度は、光源の輝度及びその点が照
射される立体角に比例する。
【0212】図34に示すように、各画素の各画像を拡
大して、画像中の画素間空隙を除去するために画像形成
素子3430の後ろに配設された出力レンズアレー34
20の中心に対する照射角3410は、画素孔が光錐全
体を画像形成素子の後ろのアレー素子まで透過させると
すると、画像形成素子の前に配置されたアレー素子34
40が形成する角度である。図34に示すように、画像
形成素子の後ろのアレー素子の下縁3450の点に当た
る光を見ると、画素孔の下縁が画像形成素子の後ろのア
レー素子を照射するための光錐角3460を制限してい
ることがわかる。従って、画像形成素子の後ろのアレー
素子の縁に沿った照射は、その素子の中心への照射の約
50%でピークに達し、隅部では約25%に落ちる。
【0213】各画素がその中心で最も明るく、縁で暗い
場合、実際には画素間に空隙がなくても、画素の配列が
画面に見えることがある。この問題は、第2のレンズ又
はフィールドレンズを使用することによって回避するこ
とができる。図36に示すように、理想的には、画素面
にあるフィールドレンズアレー3600が、(画素孔で
遮断されて)ライトバルブの後ろのアレー3610に到
達しそうにない光を方向転換させ、その結果、最後のレ
ンズアレー3610からみて、均一な照射を行えるよう
にしたい。しかし実際には、フィールドレンズアレー
を、正確に画素面に配置することはできない。そこで、
フィールドレンズアレーを2つのレンズアレーに分割し
て、ライトバルブの両側に、ライトバルブにできるだけ
近く配置することはできる。
【0214】このような構成では、図56に示すよう
に、第1のレンズアレー5610が、第1のフィールド
レンズ5620の援護を得て、光源の画像を画素孔の向
こう側の領域5630に結像させる。第2のフィールド
レンズ5640(ライトバルブの後ろの第1のレンズア
レー)は、その光を最終レンズアレー5650の方向に
案内するのを援助する。この最終レンズアレーは、投射
レンズによって画面に投影すべき画像を構成するその画
素の画像を拡大する。この画素の拡大された画像は、先
に説明したように、隣の画素の拡大された画像と合体
し、画面上に、画素間空隙のない連続した画素による連
続した画像を形成する。
【0215】図56で、第4のレンズ素子5650は実
際には不要であって、第3のレンズ素子5640は、画
素結合を達成するために、ライトバルブの後ろの所望の
位置に配置できることがわかる。しかし、この場合は、
画素結合レンズの実際の配置位置がどこであっても(但
し、正しい焦点距離を有する必要がある)、画素孔によ
る「ぼやけ」のない、均一な照射を受けた画素が得られ
るものと考えられる。従って、1つだけでなく、2つの
入力レンズアレーを使用することで、画素の照射の均一
性を改善することができる。光をして、画素孔を通過さ
せるために、レンズを使用するに当たり、画像形成素子
の前に単一のレンズアレーを置く方法では軽減されない
最も深刻な問題は、画像形成素子としてのガラスの厚み
の問題である。図35は、光源からの光が画素孔に集束
される仕組みを示す。
【0216】光源が、ランプフィラメント3500の中
心として表した、真の点光源であるならば、光は、ライ
トバルブの前のアレー素子3510を通過する結果、画
素3520の中心に集まり、その後、ライトバルブの後
ろのアレー素子3530の全体に照射される。これは、
スクリーン上の各画素の全体にわたる一様な照射を引き
起こす。しかしながら、フィラメントは広がっており、
真の点光源ではないので、光は、別の位置から別の角度
で、ライトバルブの前のアレー素子に入射する。図示し
たように、フィラメントの下端3540から放射される
光線は、画素ホール3550の上端に集まる。この点か
ら広がった後、光の幾らかはライトバルブの後ろの対応
するアレー素子に向かわない。これは、また、ライトバ
ルブの後ろのアレー素子に対する一様でない照射を引き
起こし、隣接する画素に幾らかの光が照射されることに
加えて、スクリーン上の画素に対する一様でない照射を
引き起こす。この光がスクリーン上において曲折する場
合には、それは隣接する画素におけるコントラスト及び
カラー忠実度を低下させる。
【0217】光を画素に集束させるための別の方法とし
て、ガリレオ型又はケプラー型望遠鏡アレーとして、2
つのレンズアレーを使用することができる。この方法に
よれば、第1のレンズアレー素子に入射するコリメート
光が、やはりコリメート光として画素に入る。しかし、
現実の光源は微小な広がりしかもたないから、コリメー
トされた光の束は、光軸から外れた種々の角度で第1の
レンズアレーに入ることもある。この場合も、余りに大
きく光軸から外れた角度で入射する光は画像形成素子の
不透明領域に当たることになるので、画素孔にな入る光
量には限界がある。
【0218】例えば、典型的な能動マトリクスLCDの
ガラスの厚みや、典型的な画素孔の大きさを考慮する
と、LCDの外側に向けて配置されたレンズアレーで生
成される最も早い光錐は約F6であろう。このFナンバ
ーは低減可能であり、レンズアレー素子の許容角度は、
より薄いガラスを使用するか、あるいはLCDの何れか
の辺を構成するガラス内にグリン(GRIN)レンズを形成す
ることにより、増大することができる。何れの方法も、
レンズを画素孔に近づけて許容角を約2倍にすることを
図っている。収差がFナンバーのそれ以上の低減値を制
限することがある。
【0219】ライトバルブの設計変更を必要とし、既存
のLCDを利用するこれらの方法の他にも、画像形成素
子を通過する光のスループットを増大させる好ましい方
法として、第1のレンズアレーが光源の画像を画素孔の
大きさにするようになっている2つの入力レンズアレー
を使用する方法がある。その途中には、ガラスのスペー
サは無いので、F2.5レンズを使用して、システムの
許容角度を倍増することができる。第2のレンズアレー
は、光源の部分画像を画素孔に1対1で結像させること
で、画像形成素子のガラスの厚みに対する依存性を除去
している。この様子を、図69に示す。同図で、691
0は第1のレンズアレー素子、6920は光源の部分画
像、6930は第2の入力レンズアレー、6940は画
素孔を示し、6940に生成された画像は6920の画
像である。
【0220】6920の光源画像を画素孔の大きさにす
るには、そこから出る光の角度が増大し、光は第2のレ
ンズアレー内の複数のレンズアレー素子に向かい、複数
の画素に集束されるようにする。従って、一つの部分画
像からの光は、この構成の場合、一つ置きの画素に(図
示したように)向かう。全ての光は、画素孔を通り、画
素間の空隙には集束しない。この場合、光の第1のレン
ズアレーに対する入力角は、慎重に制御する必要があ
り、そうでないと、跳び跳びの画素にその他の画素と異
なる輝度が現れることになる。このように、入射角の慎
重な制御への依存性を低減するために、第2のレンズア
レーのレンズアレー素子を画素孔と同一寸法にし(各方
向のレンズアレー素子の数を2倍にする)、第1の入力
レンズアレー素子によって形成される光源画像からの光
が第2のアレー上の数個のレンズアレー素子と、それと
同数の画素孔とを、どの画素も飛ばさないで照射するよ
うにしてもよい。この様子を図70に示す。
【0221】種々の変形も可能である。例えば、第1の
入力レンズアレーで形成された光源画像は、必ずしも画
素と同寸である必要はない。この場合、レンズの距離及
び焦点距離を、光源画像の部分画像を画素孔に対して
1:1以外の関係で画像化するように変更できる。この
場合も、2つの入力レンズアレーを使用する方が1つの
入力レンズアレーを使用するよりも有利である。光は完
全にはコリメートされないから、入力レンズアレー系の
許容角度を倍増することで、より多量の光が画像形成素
子の画素孔に到達する。
【0222】フィラメント画像が均一でない場合は、第
2のレンズアレー素子が、均一に照射された第1のレン
ズアレー素子の画像を画素孔に集束できるように、距離
を調整することができる。或いは、第2のレンズアレー
素子が(均一に照射されている)第1のレンズアレー素
子の部分画像を画素孔と同寸に形成できるように、3つ
のレンズアレーを使用することができる。この部分画像
は、第3のレンズアレーによって画素孔に集束されるこ
とになる。
【0223】光は、結像レンズによって集束される結
果、入力レンズアレーで画像形成素子に送られ、光トン
ネルの出口の画像を形成することができる。入力レンズ
アレーの直前にフィールドレンズを配置することによっ
て、各光束の主要光線を、システムの光軸に平行に屈折
させることができる。フィールドレンズを使用すると、
画像形成素子を照射する光の入射角を、全ての点におい
て減少させることができる。これにより、画素ピッチと
同一のピッチの入力レンズの使用が可能になる。光は、
その主要光線がシステムの光軸に平行でない場合でも、
画像形成素子に到達し(収斂、分散の何れも有り得
る)、レンズのピッチが画素孔のピッチよりも大きく
(収斂光の場合)又は小さく(分散光の場合)調整され
ていれば、レンズを通って画素孔に入る。
【0224】例えば、画像形成素子の面に焦点の合う光
トンネルを使用する構成では、画素孔のピッチよりも小
さいピッチのレンズアレーを使用することで(結像レン
ズが画像形成素子よりも小さい場合)、画像形成素子の
付近にフィールドレンズを配置する必要がなくなる。こ
の方法では、画像形成素子の何れかの点に当たる光束の
主要光線が、各レンズ素子及び対応する画素孔によって
形成される光軸に対して平行になる。従って、各レンズ
アレー素子を照射する光の角度は最小限に抑えられ、各
画素を照射する光錐は、許容角度内に納まり、光の全て
は画素孔に入り、均一な照度の画像を形成することがで
きる。
【0225】本発明によるシステムの好ましい実施例で
は、前述した用に、システムの効率を約2倍(画像形成
素子開口率に起因する損失に依存する)に改善すること
のできる入力レンズアレー系を、光が異なる色の画素に
送られる前に夫々の色成分に分離される前出の方法に適
用することができる。この手法も、システムの効率に約
2倍の利得を付加するので、両方の技術を併用すること
で、合計約4倍のシステムの効率化を図ることができ
る。これらを併用するためには、正しい色成分の光で対
応する画素を確実に照射できるように、各光素子を製作
する必要がある。
【0226】これを達成するための一構成を図74に示
す。同図で、光は、画像形成素子を種々の角度で照射す
る3つの異なる色成分ビームに分離されている。入力レ
ンズアレーは2つ使用されている。第1のレンズアレー
のピッチは、水平方向では画素のピッチの3倍で、垂直
方向では、画素ピッチの2倍である。第2のレンズアレ
ーのピッチは、水平方向では画素ピッチの2倍であり、
垂直方向では画素ピッチと同じである。更に他の変形例
も可能であることは言うまでもない。アレー7410の
レンズアレー素子7415は、各色につき一つずつ、画
素孔の大きさの2倍の大きさの3つの光源画像を生成す
る。レンズアレー7420は、これらの光源画像を2X
の倍率で画素孔7430に集束させる。その配置構成の
ため、同図からわかるように、ある一つの色の光源画像
は、その色データに対応する2つおきの画素に結像され
る。これにより、4倍のポテンシャル利得の正しい色の
画像が形成される。
【0227】色分解方法として、主要光線が互いに平行
である別々の異なる色のビームを生成する方法を使用す
る場合は、光源の各色の部分画像を生成するのに第1の
入力レンズアレー7410が必要ならば、そのピッチを
第2のアレー7420のピッチと同一にすることができ
る。色分解方法として、各色に一つずつ、合計3つの別
々のビームを使用する代わりに、1つの連続的なスペク
トルを生成する方法を使用する場合は、レンズアレー7
420のピッチと等しいピッチの、もう一つのレンズア
レーを付加することができる。このアレーは、アレー7
410、7420間に配置され、各素子が、アレー74
10中の各レンズ素子7415によって生成されたスペ
クトルの1/3を受けて、1つの画素孔の幅の2倍の部
分画素を生成するように動作する。これによって、アレ
ー7420によるこれらの部分画像の画素孔に対する
2:1の画像化が行われる。
【0228】上記例では、色フィルタが使用されている
場合、それらは画素の面上にあるものとしている。画素
の面外にある色フィルタを使用する場合は、その配置に
応じて、構成の変更が必要である。フィルタを光源の着
色部分画像の近辺に配置する場合は、上述したのと同じ
構造で正しく動作するだろう。しかし、フィルタを画像
形成素子の外側、即ち、最後の入力アレーの近くに配置
する場合は、別の構成が必要である。
【0229】その場合には、ビーム(白色光又は着色
光)がそのフィルタを介して、システムの光軸に平行な
方向以外の角度で画像形成素子を照射するならば、その
角度を、正しい着色ビームが対応する色の画素に到達で
きるように、慎重に選定する必要がある。光軸以外の角
度から画像形成素子を照射する着色ビームは、垂直方向
に2行分、又は、水平方向に1.5画素分と垂直方向に
1画素分、変位させれば、正しいカラー画像の形成に寄
与し得る。この変位は、公知の光技術又は本願に述べた
技術を利用して、簡単に行うことができる。これらの光
技術は、入力レンズアレーを一つだけ使用する場合にも
使用できる。本願に述べた方法を適宜組み合わせれば、
システムは夫々の方法の夫々の利点を併せもつことにな
る。
【0230】一例として、夫々が一つの対応する光トン
ネルに光を送る複数の光源を使用することもできる。各
光軸外ビームが光軸上のビームのものと同一のレンズア
レー素子を透過した後、画像形成素子の1つの画素に入
射するように、その光軸に対する角度を慎重に設定する
ことによって、光が画素孔に密に集束されたときは、そ
こから、5度という狭い角度で分散する分散ビームとし
て最も出易くなる。これは投射にとって好ましいことだ
が、ダイレクトビュー式ディスプレイに適用すると、許
容角度が余りに狭すぎる。しかし、視角は、各画素の画
像を後ろの画面に結像させる画像形成素子(例えばLC
D)の後ろにレンズアレーを設けることで拡大させるこ
とができる。特に本願に示すように、利得及び視角が選
択可能な画面を使用すれば、必要とされる広い角度に亘
って見た目の均一なディスプレイを形成することができ
る。
【0231】この手法は、既存のダイレクトビュー式デ
ィスプレイのように、光を画素に強制的に詰め込む手段
を利用していない場合でも、有用である。ラップトップ
型コンピュータに使用されているようなディスプレイ
は、その面に垂直な方向以外の角度からみる場合に、色
シフトや低コントラストが起こるという欠点を含んでい
る。これらの問題は、この技術を利用することで解決で
きる。高透過度、高利得の画面は、より広い視角に亘っ
て、真直ぐに見た場合とほぼ同等の輝度を示す。LCD
のように広く照射されるディスプレイでも、視界は比較
的狭いが、このようにして拡大することができる。
【0232】映画館の映写やHDTVの縦横比によりマ
ッチする、益々普及している「文字入り(letter-boxe
d)」映画に関しては、光の浪費につながる別の問題があ
る。例えば、ライトバルブは一般に、信号が印加されて
いないとき、全体が不透明ではないから、文字入り画像
には、完全に暗くあるべき像の上下部分に光漏れがあ
る。この光漏れを無くすため、画面にできるだけ近づけ
て、ライトバルブの上下部分に不透明な「シャッター」
を設け、画像領域がライトバルブの活性領域よりも小さ
いときに、黒であるべき領域の画面に光を入射させない
ようにすることができる。このような状況で生じる光の
浪費を無くすため、ライトバルブの前のビームに1対の
円筒レンズ又はプリズムを使用し、全ての光が画像をも
つ領域のみを照射するように、ビームの縦横比を変更す
ることができる。
【0233】これらの方法によって、光源の空間的なコ
ヒーレンスがより高くなるほど(光源がより点光源に近
づくほど)、これらの方法はより効果的に機能する。し
かしながら、より多くの光を生成しあるいはより長い寿
命をもつバルブを作製するためには、より大きな光を照
射される領域が必要となる。このような光源の利点を得
るために、ここに説明した方法によって、光源の大きさ
が、光を微小な点に「集中」させることによって減じら
れなければならない。
【0234】画素孔の中に光を充満させる別の方法は、
入力端が密に詰められ、出力端は各ファイバーがその隣
の画素孔と同じ寸法であるように配列されている光ファ
イバー束を使うものである。ビデオ投射システムには、
他の1つの浪費光源があるが、これは必ずしも浪費光に
なるとは考えられない。これは、画像の中の若干の領域
から取り出される光であり、その領域はより暗い領域と
考えられるからである。これは、スクリーン上に輝度の
変化が形成されて、像を造りだすために、スクリーンに
到達してはならない光である。しかし、この光は全部除
去する必要はない。
【0235】偏光を利用するライトバルブの使用ととも
に、偏光子がライトバルブの後に使用されて、検光子と
して働く。スクリーン上に出現すべきでない光は、この
偏光子/検光子の軸に直角に偏光されてライトバルブを
出て、そこで偏光子によって吸収される。これはまた若
干の熱も発生し、偏光子が近くにある場合には、ライト
バルブを加熱することもあり、スクリーンにいくべき光
のわずか25%〜35%しか偏光子/検光子を通らない
という点でも不満足である。最終の偏光子/検光子の代
わりに、マクニールの偏光ビームスプリッター(本明細
書に説明の通り)を使うことによって、種々の利点が得
られる。吸収がないので、発熱が起こらない。光の約5
0%が各ビームに現れるので、スクリーンにいくべき光
の100%近くがマクニールの検光子を通ってスクリー
ンにいく。
【0236】従来普通は偏光板によって吸収されていた
マクニールの検光子を出るビームの通路に置かれた平面
鏡が、普通は不要になった光を反射して光源に戻して、
ビームがコリメートされている程度に応じてシステムを
通じて再投射されるようにする。ビームは、そのシステ
ム内の通路をもう一度たどって、システムを通じての再
投射のために、集光ミラーで集められて、光源の中心に
焦点を結ぶ。この光の大部分は非平行性であり、その結
果、全システムを通じてその通路を再トレースできない
ことにより、またバルブへの帰路にある第1のマクニー
ルの偏光ビームスプリッターを出る不適切に偏光された
光のロスによって、スクリーンに到達できないであろう
が、この技術が使用されない場合には得られないような
輝度が画像に付加されるであろう。
【0237】これらの光節約システムは、投射システム
の光出力を大きく増加させる。要約すれば、光源からの
光を集めるために二重集光器システムを使用すると、従
来のシステムの2倍の光出力が得られる。吸収偏光子の
代わりに偏光ビームスプリッターを使用すると、光出力
がさらに2倍になる。カラー画像を造るためにカラーフ
ィルタの代わりに二色性ミラーを使用すると、光出力は
さらにもう一度2倍以上になる。ライトバルブの前にレ
ンズアレーを使用すると、ライトバルブ上の透明部分と
不透明部分の比率に左右されるが、光出力はさらにほぼ
2倍になる。これらの技術を前後に並べて使用すると、
従来のシステムに対して16倍の総合的な画像輝度の増
加が見られる可能性があることになる。最終の偏光子/
検光子並びにここに概説した他の方法の代わりに、偏光
ビームスプリッターと平面鏡を併用すると、さらに画像
の輝度及びシステムの効率を向上させる可能性がある。
【0238】開示されたビデオディスプレイシステムと
連動して、多くの投射フォーマットが使用できる。曲
面、指向性、高反射率のスクリーンの他に、安価でずっ
と分散性の広いスクリーンもこのシステムと一緒に使用
できる。正規の映画用のスクリーン又は壁面でさえも、
そのような高輝度のシステムに適切であることがわか
る。ユニット又はアタッチメントを前面ミラーの投射レ
ンズに対して直角に取り付けると、画像を寝室の天井に
映すことができる。この方法は頸や背中に負担を与える
ことなしにベッドに横になりながらビデオ像を便利に見
ることを可能にする。
【0239】背面スクリーン投射も同様に達成できる。
従来の背面スクリーンテレビジョンは、適切な輝度を得
るために両凸レンズ及びフレネルレンズを使用してい
る。これは、画像に識別可能なパターンを与え、水平及
び垂直ともに鑑賞角度を限定する。従来のCRTのよう
なこの種のスクリーンは、周囲の光を視聴者に反射し眩
光を造って、視聴者の眼に負担を与える。本発明のシス
テムでは、輝度は遥かに高く鑑賞角度は広く、流線型で
軽量で美的感覚の良いディスプレイユニットを得ること
ができる。
【0240】高輝度は、広い分散角を持った灰色の艶消
し(すなわち織目のある)のスクリーン材料の使用を可
能にする。これは、均一な輝度を持ち眩光をもたない実
際上どんな角度からも見ることのできる画像を造りだ
す。バルブの種類と動作電圧の選択によってディスプレ
イの輝度と色温度を変化させる能力を併有するこの種の
無眩光スクリーンは、ビデオディスプレイ端末を長時間
見つめなければならない人達に、ずっと疲れにくいディ
スプレイを提供することもできる。
【0241】最も効率的なスクリーン(前面又は背面)
の1つは、ホログラフィーを使用して造ることができ
る。ホログラムによって、予め決められた分散パターン
をもった散光器を作成でき、所望の大きさの拡散を創出
でき、正確に誂え通りの輝度分布特性をもたせることが
できる。効率は100%に近いものとすることができ
る。干渉は、簡単な使用については光学的に行うことが
でき、より複雑な特性についてはコンピュータージェネ
レーションによって行い得る。漂白又はゼラチン相ホロ
グラム又は金属被覆し、かつエンボスしたホログラム
が、高効率をもった実際のスクリーンを製作するのに使
用できる。
【0242】背面スクリーン投射によれば、スクリーン
一杯に映せるのに十分なだけ画像を拡大するために、投
光器をスクリーンの数フィート後に置くのではなく、1
個以上のミラーを使用してビームを1回以上反射し、よ
り小さい寸法のキャビネット内で画像を拡大できる。例
えば、対角線が50″の背面投射スクリーン一杯に映す
のに約18″の奥行きのキャビネットを使用できる。
【0243】周囲光が非常に多い環境でスクリーンに投
射された画像を見る場合、スクリーン上の暗くなければ
ならない部分がその周囲の光で満たされ、画像のコント
ラストが減少する。前面及び背面の両方の投射におい
て、周囲光の多い状況で高いコントラストをもった鮮明
な画像を与えるスクリーンの種類を構成することができ
る。このスクリーンの前面投射式のバージョンが図46
に示され、これはビーズ入りの偏平な白色又はメタリッ
ク塗装のスクリーンのような正規の前面投射スクリーン
からなる。スクリーンの上部には、比較的細い水平のス
リットをもった黒いマスクがある。その円筒形のレンズ
レットが水平に配置された両凸のレンズが、そのスリッ
トマスクの上部に置かれている。各円筒状レンズレット
につき1つのスリットがある。最大の融通性を得るため
に、スリットマスクは垂直方向に調節できる。投光器か
らの光は、このスクリーンの両凸レンズシート上に焦点
を結び、その画像を水平の円筒状のレンズレットの数に
相当する多数の水平の副画像に分解する。各レンズレッ
トはその画像成分を焦点に集めて細い線にし、それは相
当するマスク内のスリットを通過して、その後にあるス
クリーンから反射される。この反射光は全ての角度から
高い可視性で見られるように円筒状のレンズレットで再
度拡大される。投光器(最大の周囲光をつくる)の高さ
以外の高さから来る周囲の光はレンズレットによって黒
い吸光層上に焦点を結び、鑑賞者には見えない。
【0244】ルーサイト(lucite)のような基板上にマイ
クロプリズムの層を設けることによって、選択された利
得で背面投射画面を製作することができる。マイクロプ
リズムは、シリコン又はポリマー分子のような非平行辺
を有する透明分子を使用することにより、分子サイズに
形成することができる。分子濃度及び/又はコーティン
グ厚さを増加すると、利得が低下し、目立った輝度低下
のない視角が拡大する。出願人の見解では、最良の利得
は、画面を真直ぐに見たとき(最もはっきり見える)に
看取される輝度と、目立った輝度低下のない最大の視角
との妥協点である。実験では、最も妥協できる値は、
1.3ないし1.4の利得の範囲にある。看取される画
像の色温度を調整するために、木炭又は他の染料分子を
加えてより暗い黒を生成し、コントラストを強め、周囲
光を吸収することができる。45〜48%の透過度が得
られるように1.3の利得の画面に炭素と染料を付加す
ると、透過される画像の強度損と、コントラストの改善
及び周囲光の吸収の改善との最善の妥協点が得られる。
【0245】同じ目的で、ホログラフ画面を種々の方法
で作成することができる。例えば、選択された利得をも
つ画面でホログラムを構成し、その画面を、大きなレン
ズ又は第2のホログラム(公知のものでよい)を使用し
てホログラムに焦点が合うようにすることができる。直
角の入射角、或いは、画面に対して投射器が最もとり得
る角度の基準ビームを使用し、約1:1のビーム比とす
ると、特に位相ホログラム(例えば漂白銀、DCG又は
フォトポリマー)を使用する場合、元の画面よりも高い
透過度がホログラムで形成される。特定の利得のホログ
ラフ画面を形成する別の方法として、慎重に照射されて
ホログラムの「オブジェクト」のように異なる角度に選
択された輝度を示す半球形の分散器を使用することがで
きる。
【0246】ホログラフ画面は、前記「オブジェクト」
と適当な基準に対するその干渉性とを設計することによ
り、コンピュータ生成ホログラムとして形成することが
できる。ホログラフ画面は、利得と、水平及び垂直方向
の視角とを互いに独立に調整し得るという利点をもつ。
ライトバルブからの光は通常、変更されているというこ
とを利用して、画面の一面又は両面に直線変更器を配設
することにより、画像の輝度に殆ど影響を与えることな
く画面における周囲光の阻止効果を増大することができ
る。画像からの偏光された光の光軸と一致する光軸を有
する偏光器は、その画像を殆ど減衰しないが、画面に当
たる周囲光の僅か数パーセントしか鑑賞者には達しな
い。
【0247】従来は、偏光材料は、材料のロールの長さ
方向に対して一定の軸配向をもつように形成されていた
ので、その偏光材料を画面上におくと、その軸が、それ
を照射する偏光ビームの光軸と一致しない可能性があ
る。この不都合は、ビーム内に半波長材料のシートを配
設し、最大の画面輝度が得られるようにそれを回転させ
ることによって、安価に解決することができる。半波長
材料は、投射器内、或いは、ビームが小さい投射レンズ
の付近に配設すると、極く小さなもので済む。
【0248】偏光器の面で反射される周囲光は、偏光器
からの減衰なしに、鑑賞者に反射される。これは通常、
周囲光の極く一部であるが、場合によっては、邪魔にな
る。このような反射を大幅に低減するために、ポリエス
テル、マイラー、その他の熱可塑性材料の薄片に、拡散
パターンの浮き出し模様をつけることができる。このパ
ターンは、例えば、艶消しガラスの面、又は他の非平坦
面であってもよい。この材料は、屈折率が合致する感圧
接着剤で、偏光子の表面に接着することができる。或い
は、既に述べたように、偏光器にARコーティングをす
るか、偏光器をAR材料に接合してもよい。これらの方
法は、前後何れの投射画面に適用しても有効である。
【0249】このスクリーンの背面投射バージョンは、
水平に配置された両凸レンズシートを、その偏平な側を
互いに背中合わせにして置くことによって構成される。
上記のスリットマスクを両凸レンズシートの間に置く。
所望により、透過性の高い背面スクリーン材料をスリッ
トマスクの次に(レンズシートの間にも)置いてもよ
い。スクリーンは前面投射バージョンと同じように作動
し、鑑賞者に対する周囲光を消去する。前面及び背面の
どちらの構成においても、スリットマスクは、投光器か
らの光が正確にスリットを通るように、スクリーンに対
する投光器の高さに応じて、上下に調節できる。
【0250】周囲の光の反射を減少させる他の方法を使
用することもできる。ビデオ投光器の画像の焦点を、コ
ヒーレントな光ファイバー束の入力端に結ばせることが
できる。これは図17に1795で示されており、スク
リーン1790でなく投射ビーム中にファイバー束の入
力端を置いている。ファイバーのもう一方の端1797
は、偏平でもレンズ状に研磨してもよく、またレンズと
結合させてもよい。すなわち、各ファイバーは隣のファ
イバーから離れて拡大でき(ファイバーの分離とレンズ
による)、画像の一部(好ましくは一画素又はファイバ
ーあたりの画素の一部)を予め決めただけ拡大して背面
スクリーンに送達する。複合画像は連続して見え、ファ
イバーは曲げられるので、僅か数インチのキャビネット
の厚さで、極めて大きい画像を作り出す。
【0251】この方法はまた、画素間のスペースを埋め
る他のサブシステムの必要性もなくする。出力端でファ
イバーが離れて拡がる光ファイバースクリーンを使え
ば、ファイバー間の空間を埋めるのに黒い吸光性材料を
使って、レンズもスクリーンも使わないで、屋外スタジ
オのような周囲光の多い場所で鮮明な画像を作り出すこ
とができる。これは、ファイバー束の出力の表面積の大
部分が周囲光に吸収性であり、それでも画像を伝送する
光は鑑賞者に送られるからである。しかし、これはファ
イバーの間に導入される空間による画素状の構造を造る
という犠牲において行なわれる。しかしこの状況で大き
い投影画像を見るとき、鑑賞者は一般にスクリーンから
ある程度離れたところにおり、画素の構造は鑑賞者に肉
眼では見えない。
【0252】芸術的かつ未来的な投射システムの一例を
図14に示す。ビデオ投射器1401を直立材1402
に装着しミラー1403上に画像を投射することができ
る。ミラー1403は画像を反射して、「空間に懸垂」
したように見える枠に装着された特殊な背面スクリーン
1404上に焦点を結ばせる。スクリーン自体は、ほと
んど全ての背面投射材料を極めて薄いスラット1405
で造ることができる。それぞれの上にギヤを付けた各ス
ラットの端の上に軸を装着することによって、スラット
を開き(スラットは水平になり床に平行になる)またス
ラットを閉じる(床に直角になり、投射用の切れ目のな
い背面スクリーンを形成する)のにモーター駆動を使用
することができる。開いた位置では、スクリーンは空間
内の透明な窓のように見える。例えば遠隔操作で投射ユ
ニットを作動させると、スラットは同時に迅速に閉まっ
て、「空間内のビデオ画像」を形作る。
【0253】どんな投射方法が使われても、2つの他の
重要な問題が起こる。投射される表面が投射ビームの光
軸に直角でない限り、画像はスクリーン表面に正確に焦
点を結んでいない画の部分のキーストーニング及び暈け
を受ける。この問題は、投射器が床、低いテーブル又は
天井に設置され、スクリーンが壁の中央にある場合に固
有である。CRTシステムは電磁走査線の偏光を変化さ
せることによってキーストーニングを処理する。しか
し、ある種のライトバルブ型システムは予め決められた
画素の位置を有し、そのためこの方法を使えない。
【0254】その結果、一種の円柱レンズが構成でき
る。ズームレンズは通常、投射光学系の素子の相対位置
を変化させることによって投射される画像の寸法を変化
させる。しかし、これは異なった曲率のレンズ素子を使
っても達成できる。出願人のシステムは、1個のレンズ
に成形した標準レンズより一方は長く一方は短い2つの
異なった焦点距離をもつレンズをそれに追加したような
形をした1つのレンズを使用することができた。このレ
ンズの中心部はバルブからの全ての光ビームを包含する
のに十分なだけの大きさがあり、直角に投射された画像
を形成する。しかしこのレンズをライトバルブに対して
上下させると、倍率は画像の場所によって変化し、台形
状の画像の予備変形を起こし、ライトバルブの画像の上
部又は底部のどちらかが台形の最大の側面になる。すな
わち、ビデオ投射器がスクリーンとなす角度に応じてレ
ンズは上下に調節されて、キーストーン効果が消滅す
る。
【0255】可変焦点の問題は、「シャイムプルーク補
正」というあまり知られていない写真技術によって補正
できる。撮影されるシーンの奥行きが深くかなり大きい
絞り開口が使われる場合は、そのシーンの全ての要素に
同時に焦点を合わせる唯一の方法は、レンズとフィルム
を傾斜させて、シーンの中の全ての対象を通って引いた
線が、レンズ面を通って引いた線と交差する同じ点でフ
ィルム面を通って引かれた線と交差するようにすること
である。カメラでは、これは蛇腹で達成される。同じ論
理を使って、ライトバルブ面と投射光学系の面を傾斜さ
せ、スクリーン面を通る線と交点をつくる機械的調節
が、投射器のビームがスクリーンと直角に向いていない
場合でも全画像に焦点を合わせ得る。
【0256】科学フィクションはいつもビデオディスプ
レイを壁に掛かった薄い大きなスクリーンとして描写し
てきたし、今日の技術者は数10年の間この目標に向か
って研究してきた。壁の投射された画像によってこの考
えはほとんど実現した。しかし、壁への投射は投射レン
ズと壁との間になにも置けないので投射距離もシステム
の一部として含めねばならない。
【0257】発明者は、この介在空間又は投射距離をな
くする新しい型のスクリーンを考案した。このスクリー
ンでは、投射器をその下に置くこともでき、スクリーン
自体の中に組み込むこともでき、また全装置の厚さは数
インチを超える必要がない。このスクリーンは、ある表
面に極めて傾いた角度で照射された小さい径の光ビーム
は、長大な距離まで拡がるという現象を利用する。光ビ
ームの進行方向が表面にほぼ平行な場合は、表面がビー
ムの直径の数百倍大きいとしても、表面を光が打つまで
に投射距離を必要とせずに、ビームは全表面を照らすこ
とができる。傾いた表面上への照射による光ビームの拡
がりは、光ビームの寸法を一方向に「拡張」する。次に
この表面がこの非常に広いビームを他の表面に、再び傾
いた角度ではあるが最初の表面と直交する角度で再指向
させることができると、ビームは投射距離の必要なしに
再び直交方向に拡がることができる。
【0258】この再指向は、各鋸歯の傾斜部をミラーに
して「フレネルミラー」にした鋸歯型の素子4700を
もつ表面によって実現する。図47に示すように、これ
は光を広い面積に拡げるか、間に黒い水平のストライプ
をもつ光の水平のストライプ4710を作り出す。これ
らの反射体が小さいほど、その数は多くなり、画像中の
黒線は見分けにくくなる。光のガバレージを連続的に
し、暗いストライプをなくするために、各鋸歯の傾斜面
は鋸歯で反射される光バンドのどちらかの側で暗いバン
ドの半分をカバーするのに十分なだけ、ある与えれた鋸
歯にあたる光のセグメントを拡げるように僅かにカーブ
しているだけでよい。別方法として、鋸歯の面と画像形
成部分との間に両凸レンズを置いてもよい。
【0259】所望の挙動をする表面を造る別の方法は、
光を正しい方向に向け直すホログラフィーの表面を造る
既知の技術を使用することである。そのような「フレネ
ルミラー」に向けた光ビームが画像を含んでいる場合
は、画像はフレネルミラーの表面の上に一方向に拡が
る。図48が示すように、フレネルミラー4800が背
面ミラー4810に対して傾いた角度で置かれている場
合は、画像は直交方向に拡がり、全スクリーンを一杯に
する。しかし、背面スクリーンから見た画像は、スクリ
ーンを照射している光源に向かってスクリーンを見たと
きに一番明るく見えるので、スクリーンは傾いた角度で
見るときだけ一番明るい。スクリーン4910に直角な
方向に光を再指向させるために、第2のフレネルミラー
4900を追加すると、普通の方式で見たときスクリー
ン上の可視画像は一番明るくなる(図49参照)。
【0260】別の方法として、各フレネルミラーの面か
ら反射の後、カーブした鋸歯面又は両凸レンズを使用す
る代わりに、最後の鑑賞スクリーンの直前に球状レンズ
の列を置いて、画像の各部の間の空間をなくすることも
できる。フレネルミラーを使ってスクリーン上に投射す
ることによって2つの収差が生じる。画像はその進行に
したがって全ての方向に拡がるので、必要以上に拡がり
手前の端より向こうの端がずっと広くなる。この台形の
収差は第2のフレネルミラーから反射されたとき、直角
方向に繰り返される。これらの2つの台形収差は、拡が
りによって生じる台形収差の反対方向に適切なレンズで
両方の軸に台形的に画像を予め歪ませることによって補
正できる。第2の収差、投射レンズから画像の近い部分
まで距離と投射レンズから画像の遠い部分までの距離が
大きく異なることによる焦点収差である。この焦点収差
は、投射レンズを光バルブ面に対してスクリーンの傾斜
と反対の方向に傾けることによって補正できる。この傾
斜は、シャイムプルーク補正(前述)を使うので、傾い
た角度で投射されても、全画像がスクリーン上で焦点を
結ぶ。そのようなスクリーンは、スライドや映画を含め
てどんな種類の画像の投射にも使用できる。
【0261】投射システムは一般にその画像をある種の
スクリーン上に投射するが、ある場合には眼の網膜上に
直接投射するのが有利なこともある。LCDのような光
バルブは極めて小さくまた軽量に製作できるので、ここ
に表に示した技術のどれかを使って、極めて小型で軽量
の効率的な投射器を造ることができる。すると、これは
ヘッドバンド上又は眼鏡上のシステムを造ることがで
き、鑑賞者に個人用の鑑賞スクリーンを与えることがで
きる。全網膜に投射できるので、鑑賞者は画像で覆われ
た全視野を見ることができる。一方の眼だけに画像を投
射すると、鑑賞者は彼の周りに投射された全ての画像を
見ることできるが、それは現実の世界の上にスーパーイ
ンポーズされたように見える。この技術は、映画や秘密
のデータを他人に見られずに個人的に見たり、モニター
の代わりにコンピューターに接続すべきコンピューター
スクリーンを提供したりするのに特に有用である。この
用途は長時間1つの位置に鑑賞者の体や頭を拘束するこ
とを解消する。
【0262】従来の投射レンズやコンデンサーシステム
の代わりに、レンズ列のような小型の光学系が各画素に
対応するレンズレットをもって網膜上に各画素を結像す
るのに使用できる。選択的な方法として、複合ホログラ
フィー式光学素子を使用でき、又はライトバルブを網膜
上に反射し結像させるオンオフ素子をもった互いの反射
面を向かい合わせた多重カーブの反射器が使用できる。
【0263】本発明は、それ自身三次元ビデオ投射に適
応する。三次元投射を達成する1つの方法は、他方のラ
イトバルブ系の偏光子に対して直角なライトバルブ系の
偏光子をもった2つの投射システムを使用することであ
る。例えば、2台の離れたカメラからくるステレオビデ
オ信号を送り、非−偏光阻止型のスクリーン上に投射す
ると、偏光眼鏡をかけた鑑賞者は全カラーの三次元ビデ
オを見ることができる。両方のライトバルブシステムを
1つの容器の中に入れて、単一レンズの三次元ビデオ投
射システムを構成することができる。内部的には、2つ
の直角に偏光したステレオ画像はマクニールプリズムで
結合できる。別法として、図5の第1の「ストライブミ
ラー対」502及び503の内の第2のミラー503を
使う代わりに一方のライトバルブの画素の間に水平にあ
る空間を、簡単なビームスプリッター機構を介して、他
方のライトバルブの画素で満たして、1本の投射レンズ
を通して投射するための水平に交錯し、直角に偏光した
三次元の画像対を作り出すことができる。ストライプミ
ラー502は、第1のライトバルブからの光の軸に対し
て45°の角度に傾けることができる。このライトバル
ブの画素からの光は、ストライプミラーの透明部分を通
過する。第2のライトバルブはその軸が第1のライトバ
ルブの軸に直角であり、ストライプミラーのミラーにな
った部分からの光を反射して、直角の偏光をもつ両方の
画像から造られた交錯した複合画像を与える。
【0264】使用できる他の三次元投射の方法は、オー
トステレオスコープ式三次元投射である。この方法は、
三次元の鑑賞に特別の眼鏡を要しない。その円筒を直角
に配置した2個の同じ両凸レンズスクリーンを背中合わ
せに置き、場合によりその間に半透明の薄いスクリーン
を置いて、ステレオ情報又は多角視覚情報をもった2つ
以上のビデオ投射器で異なった角度からそれを投射す
る。画像は、空間の種々の場所でスクリーンの反対側か
ら鑑賞できる。人がスクリーンの周りを種々の位置に移
動しても、画像はオーバーラップなしに常に1つの画像
として見ることができる。これは、空間での種々の正視
性又は偽体鏡的な鑑賞ゾーンを作り出す。1つの画像が
両眼に入るように人が眼を正視性の鑑賞ゾーンに置く
と、三次元の像が見られる。多数の鑑賞者が、種々の角
度と位置から一度に正視性の三次元ビデオ画像を見るこ
とができる。この種のスクリーンは、両凸レンズの後に
正規のスクリーンをもった前面投射にも使用できる。
【0265】三次元の鑑賞用にステレオの可視データを
作成する別の方法は、画素の交互列のために偏光面を9
0°回転させる半波板ストリップを使用する。これらの
列は、各他方の列が右眼の像を造り、介在する列が左眼
の像を造るように用意されている。別法として、交互列
の代わりに交互の行(列に対して“行”という。)を左
右の眼の像の発現に使用することができる。他の発現パ
ターンは交互に位置する左右の眼の画像画素からなる各
行を有し、そのあと左右の眼の画素画像の碁盤目パター
ンが造られるように1つの画素による“行”オフセット
が行われる左右の眼の画像のもっと均一な統合を発現す
るのに使用される。1つの眼の画像に対応する画素は全
て半波板でカバーされ、そのため一方の眼の画像は他方
の眼の画像に対して直角に偏光される。この配置によっ
て、3個又は1個のライトバルブしかない単一の投射器
でも偏光眼鏡で見るための非−偏光阻止型スクリーンに
投射するのに使用でき、ステレオ画像は常に整合を要し
ないように調整済みである。
【0266】画素の間の空間を埋めるのにここに述べた
方法のどれかを使う場合は、各眼の視覚のデータを他方
の眼の視覚のデータにスクリーン上でオーバーラップす
るように造ることができる。これによって両眼の画像は
孔、線、画素又は他の空間なしに連続して見えるように
なる。
【0267】半波長板は画素の寸法に製作して、写真平
板の技術で正しい画素の上に置くことができる。一方の
眼で見るべき画素のパターンに相当する写真用マスクは
適当な厚さの複屈折性のプラスチックの上にコートした
フォトレジストの上に紫外線で撮像する。露光部分(使
用するレジストによっては未露光部分)のフォトレジス
トを現像で除去したら、薬品を使って露光したプラスチ
ックを溶解することができる。そのあと、残ったレジス
トを洗い流すと、ライトバルブの上に置くべきマスクが
残る。選択的な方法として、マスターダイを同様に金属
で造り、それを使って複屈折性のプラスチックの板の適
切な位置に穿孔して、ライトバルブ用のマスクを造るこ
ともできる。
【0268】左右の眼の視覚のために交互垂直列におい
てアドレスされたライトバルブは、(前面又は背面投射
の)両凸レンズスクリーン上に投射して、眼鏡なしで見
て三次元画像を造ることのできるオートステレオスコー
プ式のディスプレイを作り出すことができる。
【0269】システム内に組み込んだディジタル回路と
コンピューター能力の使用によってこのシステムは二次
元画像を三次元画像に変えるように画像を処理するのに
使用することができる。これを行う1つの方法では、映
画を前処理して三次元に変換することが必要である。変
換は1回だけでよく、変換済みのバージョンは後での投
射用にストアされる。この方法で、スクリーンの面上以
外の何処かに位置するように鑑賞者に見えるシーン中の
対象物は、予備処理中に選択してマークを付けることが
できる。ソフトウェアがフレームからフレームへマーク
した対象物をフォローするようにコンピューターに指示
できる。これで、操作者は対象物が視界から見えなくな
るまでに、1回だけ対象物を選べばよく、各フレーム毎
に対象物をマークする必要がなくなる。
【0270】一旦、シーン中の対象物を選び、マーク
し、それが出現する奥行きを決めて入力すれば、コンピ
ューターが元の画像とある距離をもってその対象物の複
製の画像を作成でき、眼は所望の奥行きで合体した画像
を見ることができる。例えば、偏光眼鏡を付けた人が見
るように2つの投射システムがその画像を直角に偏光し
ている上記のステレオシステムを使用して、コンピュー
ターは第1の画像に直角な偏光をもつ投射のためのこの
複製された画像を作成することができる。投射器は、そ
の片方の画像の次にある距離を開けてこの複製の画像を
投射し、その距離が鑑賞者が複合画像を見る奥行きを決
める。ある対象物を選んでその奥行きを変える場合は、
この事実を入力しその新しい奥行きを示すと、コンピュ
ーターはスクリーンに投射すべき2つの成分像の間の距
離を変更する。これで、鑑賞者は新しい奥行きでの両眼
単視によって脳に形成された複合像を見ることになる。
【0271】上記の投射法を使って、画像に奥行きを与
える他の方法を使うこともできる。しかし、この方法で
は三次元への変換は画像の投射に人の干渉又は予備処理
が不要なときに起こる。しかし、このシステムではでき
た奥行きが現実的であるならば作像を心に止めなければ
ならない。多数の投射器、例えば一度に3つのフレーム
をもち、ある時点でフレーム1及び4を見るべきステレ
オフレームとして投射することによって(例えば4は示
される現在のフレームであり、1は4フレーム前に示さ
れたフレームである)、ここに記載されたような眼鏡又
はオートステレオスクリーンを使用して三次元の視覚が
造られる。対象物が速く動くほど、左眼と右眼の像の間
の距離は大きくなり、鑑賞者には画像がさらにスクリー
ンの後に下がったり前に出たりするように見える。その
結果、対象物の動きは最も現実的な三次元の作像を与え
るような奥行きをもって調整されねばならない。
【0272】投射器からスピーカーへの音響の無線伝
送、ケーブル及びVCR信号の投射器への無線伝送、こ
こに述べたような投射システムへ組み込むときの組み込
みVCR及び/又は組み込みコンピューターのような最
近開発された技術革新は、今日手に入る他のシステムよ
りずっと広い用途をもった投射システムを作り出すこと
であろう。
【0273】本発明の好ましい種々の実施態様を詳細に
説明したが、そのような実施態様の改変及び改作は当業
者に自明である。しかし、そのような改変及び改作は下
記の請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲の中
にあることを明白に理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】各々の像を1つの共通スクリーン上に投射する
3個のLCDを示した本発明の略図。
【図2】3個のLCDの像が1組の映写光学系を介して
共通スクリーン上に重畳映写されるようにした本発明の
変形例を示す略図。
【図3】隣接間隔を短縮した画素を示す略図。
【図4】重ね合わされた“フルカラー画素”の投射映像
を示す略図。
【図5】隣接した画素間のスペースを満たす方法を示し
た4−ミラーシステムの略図。
【図6】図5の4−ミラーシステムにおける第1対のミ
ラー(“長ミラー対”)により画素間のスペースを満た
す態様を示した略図。
【図7】図5の4−ミラーシステムにおける前記細長ミ
ラー対を拡大して示す略図。
【図8】図8a及びbは本発明のレンズシステムの実施
例をそれぞれ示す略図。
【図9】図9aは本発明の好ましい実施例における二色
性ミラーシステムの略図であり、図9bは付加的な光路
を含むように変形された図9aと類似の二色性ミラーシ
ステムの実施例を示す略図。
【図10】2個のフルカラーLCDを通じて可視スペク
トルにわたる透過光強度曲線であって、一方のLCDが
階段状の厚み(ステップドシックネス)を有するLCD
キャビティと対比された一対のLCDキャビティ厚さを
有する状態を示すグラフ。
【図11】図11a及びbは透過光強度−対−2個のフ
ルカラーLCDにおいて用いられた3波長のための印加
電圧の関係を示すグラフであって、1つのLCDが一定
厚さのLCDキャビティを有するようにしたものを示す
グラフ。
【図12】赤、緑及び青色光線がそれを横切るようにし
たLCDの異なった厚さを示すために描かれた“階段状
厚さ”を有するLCDキャビティの拡大略図。
【図13】CRTディスプレイ及び通常のカラーLCD
ディスプレイのカラーレンジを本発明による一定のキャ
ビティ厚さ及び階段状厚さを有するLCDキャビティと
比較して示すCIE色度図。
【図14】ベネチアン−ブラインド型の背面投射スクリ
ーンによる本発明の構成を採用した背面スクリーン投射
システムを示す略図。
【図15】図15aはフルカラーLCDにおいて対応す
るカラー画素領域上のカラーフィルタを示す略図であ
り、図15bは三色の組を表す3個の画素が三角形によ
って示された選択的な画素配列の略図。
【図16】本発明において採用された音響抑制システム
を開放して示す斜視図。
【図17】本発明の好ましい実施例の略図。
【図18】画素を回路から切り離すスイッチング要素と
してガスを利用する能動マトリクス液晶ディスプレイを
示す略図。
【図19】一方が他方の欠陥画素を補償するように配置
された2個のライトバルブを有する電子画像投射システ
ムの実施例を示す略図。
【図20】反射性ライトバルブを用いた投射光学系を示
す略図。
【図21】フルカラー投射において用いられるように3
分割された単一のライトバルブを示す略図。
【図22】光路長補償レンズを用いることによりライト
バルブから投射レンズまでのビーム長を整合させる方法
を示す略図。
【図23】本発明の一実施例においてライトバルブから
投射レンズまでの異なったビーム路長を補償するために
ミラー配列を用いた技術を示す略図。
【図24】フルカラー像を生成するために反射性ライト
バルブを用い、ビームを偏光及び検光するためのマクニ
ールプリズムを用いた電子画像投射システムの選択的実
施例を示す略図。
【図25】二色性ミラーにより白色光を平行ビームをカ
ラービームに分離してそれらを二重レンズアレーに通過
させ、第2組の二色性ミラーによって互いに整列した縮
小された平行カラー光ビームを発生し、フルカラーライ
トバルブを照射するマルチカラービームとして用いるよ
うにした電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図26】電子画像投射システムにおいて、マルチカラ
ーライトバルブを照射するために用いられるマルチカラ
ー光ビームを発生する別の方法を示す略図。
【図27】白色光ビームを赤、緑及び青光線に分離する
ホログラムと、それらのビームを平行化するための第2
のホログラムを用いたマルチカラー光発生のためのさら
に別の方法を示す略図。
【図28】プロジェクタの光路中において、フルカラー
ライトバルブの3つのオーバーラップ像を発生し、赤、
緑及び青の画素カラー要素を画像中の完全カラー画素に
入射させるようにした光学くさびを示す略図。
【図29】電子画像投射システムにおいて、赤、緑及び
青の画素カラー要素を重ね合わせてフルカラー画素を生
成するための4つのミラーシステムを示す略図。
【図30】赤、緑及び青の画素カラー要素を重ね合わせ
てフルカラー画素を生成すべく用いられる電子画像シス
テムの別の実施例において用いられる2つのミラーシス
テムの略図。
【図31】赤、緑及び青の画素カラー要素を重ね合わせ
てフルカラー画素を生成するための電子画像投射システ
ムの別の実施例における3つのミラーシステムの略図。
【図32】フーリエ変換を実行するためにレンズを用い
て空間的にフィルタ処理する従来の方法を示す略図。
【図33】本発明と併用される像変位用電子制御プリズ
ムを示す略図。
【図34】電子画像投射システムの一局面において、照
射均一性の分析に用いるためのライトバルブ中の画素ホ
ールであって、その前後に小レンズを有するものを示す
略図。
【図35】電子画像投射システムの一局面において、さ
らなる分析のために用いられるライトバルブ及びレンズ
アレーの略側面図。
【図36】ライトバルブを有するフィールドレンズアレ
ーを用いた電子画像投射システムの実施例の一部を示す
略側面図。
【図37】2つの光源を用いてそれらの光ビームがプリ
ズムの使用により平行化され、かつ連続するようにした
電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図38】2つの平行ビームからの光をミラーにより再
分散させてガウス分布状の単一ビームとして認識される
ようにした電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図39】放物面反射器を通常の球面反射器及び集光レ
ンズに関連して用いることにより投射用の光をより多く
捕集するようにした電子画像投射システムの一部を示す
略図。
【図40】平行ビームの直径をより小さい平行ビームに
縮小すべく用いられるガリレイ望遠鏡の略図。
【図41】通常は損失となるような光を捕集して用いる
ための2つのコリメートレンズに関連して楕円ミラーを
用いるようにした電子画像投射システムの一部を示す略
図。
【図42】投射用に用いられる光源からの光をより多く
捕集するために複合集光路を用いた電子画像投射システ
ムの一部を示す略図。
【図43】分離した光ビームを分離した焦点にもたら
し、かつミラーを用いてそれらのビームの1つを再配置
することにより2ビームが平行するようにした単一光ビ
ーム生成用の電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図44】ミラーを用いてマクニールプリズムから入射
した光ビームの偏光面を回転することによりマクニール
プリズムから入射した別のビームと平行させるようにし
た電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図45】ミラーを使用して2本の平行ビームが隣接す
るようにした電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図46】集光システムにおいて、楕円反射器から外れ
た光を捕捉し、かつ平行させるために放物面を用いた電
子画像投射システムの一部を示す略図。
【図47】電子画像投射システムの要素動作の分析にお
いて用いられる“フレネルミラー”の動作を示す略図。
【図48】フレネルミラー及びリアスクリーンを用いた
電子画像投射システムにおける薄型スクリーンの一実施
例を示す略図。
【図49】2個のフレネルミラー及びリアスクリーンを
用いた電子画像投射システムの一部を示す略図。
【図50】球面反射器及び集光レンズによって捕捉され
なかった光を捕集するために楕円反射器の一部を用いた
電子画像投射システムの選択的な実施例を示す略図。
【図51】フレネル放物面鏡として紹介される電子画像
投射システムの一要素を示す略図。
【図52】レンズアレーに続いてフルミラーライトバル
ブを配置し、これによってレンズアレーの正面における
ライトバルブ画素上に縮小された実像を形成し、赤、緑
及び青画素が個々に入り込むフルカラー画像の投映を可
能とした電子画像投射システムの一実施例を示す略図。
【図53】レンズアレー後に24個の画素カラー要素の
実像を形成するために、電子画像投射システムの一実施
例におけるフルカラーライトバルブの正面に配置された
前記レンズアレーの4個のレンズを示す略図。
【図54】偏光ビームスプリッターキューブにより生成
される2本のビームを使用するために構成され、本発明
の実施例における好ましい方法を示す図。
【図55】LCDを垂直軸中心に回転させたときの入力
レンズアレーでLCDを透過させられた光の強度のプロ
ット図。
【図56】2つの入力がレンズアレー系と2つの出力レ
ンズアレー素子を有するライトバルブの画素孔を示す略
図。
【図57】大きな円形の光ビームがどのようにして矩形
の画素形成素子に集束されるかを示す概略図。
【図58】均一に放射する光源からの光の大部分を集め
られる効率的な集光器と、コリメート光の各部分を画像
形成素子に屈折させるプリズムとを使用したシステムの
上面及び側面図。
【図59】点光源から出てフレネルレンズによってコリ
メートされ、フレネルプリズムによって画像形成素子に
屈折された光を示す概略図。
【図60】図59Aの構成を用いて得られた画面上に、
試験的システムのX,Y方向の光強度をプロットした
図。
【図61】3つの光源がレンズによってコリメートされ
た後、画素形成素子を照射するディスプレイシステムの
図。
【図62】投射器を小型化する配置を示す概略図。
【図63】投射器を小型化するための別の配置を示す
図。
【図64】本発明の「フレネル・マクニール偏光器」の
実施例を示す概略図。
【図65】投射器の小型化のための他の配置を示す概略
図。
【図66】投射システム実施例を示す概略図。
【図67】光トンネルを使用した実施例において、投射
ディスプレイシステム内を光が通る進路を示す図。
【図68】画像形成素子を投射するコリメート光ビーム
を生成するための、非結像集光子と球面ミラーを示す
図。
【図69】画像形成素子を含む二重入力レンズアレー系
を示す図。
【図70】画像形成素子の前に2つの入力レンズアレー
を配設した本発明の他の実施例の概略図。
【図71】異なる色の光ビームをそれぞれの画素に導く
方法を示す概略図。
【図72】異なる色の光ビームを夫々の画素に導く他の
方法を示す概略図。
【図73】ダイクロイックミラーを使用して、光を各色
光に分離する別の方法を示す概略図。
【図74】色光を各画素に導くために2つの入力レンズ
アレーを使用した本発明の他の実施例を示す図。
【図75】ライトバルブから投射レンズへ進行するビー
ムの光路の長さの違いを補償するためにミラーを利用す
る技術を示す概略図。
【図76】カラー画像形成素子を形成するための好まし
い構成を示す図。
【図77】ビーム中の弱い部分またはデッドスポットを
埋めるように方向修正された光源からの光を示す概略
図。
【図78】「フレネル・マクニール偏光器」の概略図。
【図79】別の型の「フレネル・マクニール偏光器」を
示す図。
【図80】別の型の「フレネル・マクニール偏光器」を
示す図。
【図81】別の型の「フレネル・マクニール偏光器」を
示す図。
【図82】別の型の「フレネル・マクニール偏光器」を
示す図。
【図83】2つの光源からの光がどのようにして1つの
直線偏光ビームに結合されるかを示す図。
【図84】2つの光源からの光がどのようにして一つの
ランダムな偏光ビームとして結合されるかを示す図。
【図85】「フレネル・マクニール偏光器」の別の実施
例を示す図。
【符号の説明】
100 赤色光 101 緑色光 102 青色光 110,111,112 ライトバルブ 120 集光レンズ 130 コリメート光学系 140 投射光学系 150 スクリーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G09F 9/00 360 7426−5H G09F 9/00 360Z H04N 5/74 H04N 5/74 A (72)発明者 マルコム ジェイ. マクファーレン アメリカ合衆国、 コネチカット州 06804、 ブルックフィールド、 ツー フォーン リッジ ドライブ (72)発明者 ポール ビー. クリスティ アメリカ合衆国、 ニューヨーク州 10027、 ニューヨーク、 クラレモント アベニュー 140

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 画像が形成される素子と、 前記光源からの光を前記素子に送るように、前記光源と
    前記素子との間に配設され、光反射内面を有する光トン
    ネルとからなり、 前記光トンネルが前記素子の縦横比と整合する縦横比を
    有することを特徴とするディスプレイシステム。
  2. 【請求項2】 前記光トンネルが長方形、正方形及び円
    形の何れかのプロファイルを有することを特徴とする請
    求項1記載のディスプレイシステム。
  3. 【請求項3】 前記光トンネルが入力開口と、出力開口
    と、これらの入出力開口間で変化する形状とを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のディスプレイシステム。
  4. 【請求項4】 前記光トンネルが、前記入出力開口間で
    拡大又は縮小することを特徴とする請求項3記載のディ
    スプレイシステム。
  5. 【請求項5】 前記光トンネルが、「折り畳まれ」、少
    なくとも2つの光トンネル光路を形成することを特徴と
    する請求項1記載のディスプレイシステム。
  6. 【請求項6】 前記光トンネル光路が同一線上にないこ
    とを特徴とする請求項5記載のディスプレイシステム。
  7. 【請求項7】 レンズ、ミラー、及びプリズムから成る
    グループから選択され、前記光トンネル光路間に配設さ
    れた少なくとも一つの光素子を更に含む、請求項5記載
    のディスプレイシステム。
  8. 【請求項8】 前記光トンネルと前記素子との間に配設
    された少なくとも一つのレンズを含む、請求項1記載の
    ディスプレイシステム。
  9. 【請求項9】 前記少なくとも1つのレンズが前記出力
    開口の画像を前記素子の少なくとも一部に集束させるこ
    とを特徴とする請求項8記載のディスプレイシステム。
  10. 【請求項10】 前記素子に光を送るための複数の光ト
    ンネルを含む、請求項1記載のディスプレイシステム。
  11. 【請求項11】 前記光トンネルが前記素子に異なる角
    度で光を送るための手段を有することを特徴とする請求
    項10記載のディスプレイシステム。
  12. 【請求項12】 前記光トンネルが、一面において平坦
    な辺を有し、且つ、他の面で、非結像集光器として機能
    するように湾曲していることを特徴とする請求項1記載
    のディスプレイシステム。
  13. 【請求項13】 前記光トンネルが、集光器を出る光の
    発散を減少させ、コリメーションを増大させるように、
    前記素子に近づくほど広がっていくことを特徴とする請
    求項12記載のディスプレイシステム。
  14. 【請求項14】 前記光トンネルが入力開口を有し、こ
    の入力開口に前記光源の画像を形成するための球面反射
    器が更に備えられた、請求項1記載のディスプレイシス
    テム。
  15. 【請求項15】 光源と、 画像が形成される素子と、 前記光源と前記素子との間に配設された少なくとも1つ
    の入力レンズアレーと、 前記素子を照射する光のコリメーションを増大させる手
    段とから成り、前記増大手段が、 光ビームの直径を、前記阻止よりも大きく拡大する手段
    と、 前記素子から外れそうな光を前記素子に屈折させて、屈
    折された光を、前記少なくとも一つの入力レンズアレー
    と前記素子の画素孔を通過させる手段とからなることを
    特徴とするディスプレイシステム。
  16. 【請求項16】 光を、その分散及びコリメーションが
    前記少なくとも1つの入力レンズアレーの素子の許容角
    度に近くなるような充分な直径に拡大するための手段を
    含むことを特徴とする請求項15記載のディスプレイシ
    ステム。
  17. 【請求項17】 前記入力レンズアレーの各素子がこの
    入力レンズアレーと並んでいる画素以外の画素に光を集
    束させるように、屈折された光が前記素子をある角度で
    照射することを特徴とする請求項16記載のディスプレ
    イシステム。
  18. 【請求項18】 画像が形成される素子であって、少な
    くとも2つの異なる領域をもち、各領域が異なる色の情
    報に対応するデータを表示するものと、 少なくとも1つのレンズアレーと、 光源と、 前記光源から出る光を異なる色のビームに分解するマク
    ロプリズム手段であって、前記素子上の画素のピッチよ
    りも遥かに大きい少なくとも1つのプリズム構造を含む
    ものと、から成ることを特徴とするディスプレイシステ
    ム。
  19. 【請求項19】 前記マクロプリズム手段がフレネルプ
    リズムから成ることを特徴とする請求項18記載のディ
    スプレイシステム。
  20. 【請求項20】 緑のスペクトル分離されたビームがレ
    ンズアレー素子及び画素の光軸と実質的に平行になり、
    異なる色のビームが対応する色のデータを表示する画素
    を照射するように、少なくとも2つのカスケード結合さ
    れたマクロプリズム手段を含むことを特徴とする請求項
    18記載のディスプレイシステム。
  21. 【請求項21】 前記素子が、所定の水平方向のピッチ
    をもつ画素を含み、前記少なくとも1つのレンズアレー
    の各レンズアレー素子が前記素子上の画素の水平方向の
    ピッチの3倍の水平方向のピッチを有することを特徴と
    する請求項20記載のディスプレイシステム。
  22. 【請求項22】 少なくとも1つのマクロプリズム手段
    が緑のビームに実質的に平行な各色のビームを形成する
    ことを特徴とする請求項20記載のディスプレイシステ
    ム。
  23. 【請求項23】 前記マクロプリズム手段が、前記レン
    ズアレーにぶつかる前に、異なる色のビームを前記素子
    に向けて、互いに異なる角度で案内することを特徴とす
    る請求項21記載のディスプレイシステム。
  24. 【請求項24】 前記素子と前記少なくとも1つのレン
    ズアレーとの間に付加的レンズアレーを含み、前記付加
    的レンズアレーの各レンズ素子が色スペクトルの約1/
    3からの光を所定の画素孔に集束させることを特徴とす
    る請求項18記載のディスプレイシステム。
  25. 【請求項25】 色スペクトルの範囲が、その選択され
    たスペクトル成分がどの画素孔をも通過しないように決
    定され、もって、その画素孔を透過するビームの供給又
    は特定の色形成を行うことを特徴とする請求項18記載
    のディスプレイシステム。
  26. 【請求項26】 複数のマクニール型偏光器であって、
    その各々が、偏光されるビームよりも小さく、互いに一
    定の関係で配列されたものと、 出力ビームの部分の偏光面を選択的に変更するための手
    段と、 入射光を反対向きの回転偏光されたビームに分割するた
    めのコレステリック−ネマチック液晶と、 前記ビームを直線偏光ビームに変える1/4波長材料と
    から成ることを特徴とするフレネル偏光器。
  27. 【請求項27】 1つの選択された偏光面を有する出力
    ビームの部分に配設された半波長材料を含むことを特徴
    とする請求項26記載のフレネル偏光器。
  28. 【請求項28】 少なくとも2つの面をもち、各面が異
    なる波長でピークを示すコレステリック−ネマチック液
    晶でコーティングされていることを特徴とする請求項2
    6記載のフレネル偏光器。
  29. 【請求項29】 少なくとも1つのレンティキュラレン
    ズアレーと、入力ビームに平行な出力ビームを供給する
    ための少なくとも1つの付加的反射器とを含むことを特
    徴とする請求項26記載のフレネル偏光器。
  30. 【請求項30】 前記付加的反射器がフレネルミラーか
    ら成ることを特徴とする請求項29記載のフレネル偏光
    器。
  31. 【請求項31】 少なくとも1つのレンティキュラレン
    ズアレーと、 各々、平坦な1つの辺と1つの鋸歯状辺とを有する2つ
    の部材であって、前記鋸歯状辺が互いに接しており、鋸
    歯状辺の間に誘電コーティングが施されているものと、 入力側と、 前記入力側の1つおきの鋸歯面と反対側の反射面と、 各反射面と各鋸歯面との間の1/4波長材料とを含むこ
    とを特徴とする請求項26記載のフレネル偏光器。
  32. 【請求項32】 各素子上の鋸歯が45/90度の三角
    形であり、一方の素子の各鋸歯の斜辺がその素子の平坦
    な辺に平行であり、且つ、他方の素子上の三角形の鋸歯
    が前記一方の鋸歯に対する負形状を形成し、もって、前
    記2つの素子が、その鋸歯状縁に沿って互いに密着して
    いることを特徴とする請求項31記載のフレネル偏光
    器。
  33. 【請求項33】 光源と、 画像が形成される素子と、 前記素子と光源との間の前記素子の近傍に配設された少
    なくとも1つの入力レンズアレーと、 少なくとも1つの入力レンズアレーが配設されている側
    と反対側の少なくとも1つの出力レンズアレーとから成
    り、光源の画像が少なくとも一つの入力レンズアレーの
    各々によって前記素子を介して、その素子の彼方の少な
    くとも1つの出力レンズアレー素子の近傍の領域に集束
    されることを特徴とするディスプレイシステム。
  34. 【請求項34】 前記少なくとも1つの入力レンズアレ
    ーと前記素子との間に配設されたもう一つの入力レンズ
    アレーを含むことを特徴とする請求項33記載のディス
    プレイシステム。
  35. 【請求項35】 前記素子及び前記少なくとも1つの出
    力レンズアレーの彼方に配設されたもう1つの出力レン
    ズアレーを含むことを特徴とする請求項34記載のディ
    スプレイシステム。
  36. 【請求項36】 光源と、 画像が形成される素子と、 前記素子と前記光源との間の前記素子の近傍に配設され
    た2重レンズアレーシステムとから成り、光源からの光
    が2重レンズアレーシステムによって前記素子の画素に
    導かれ、前記2重レンズアレーシステムの第1の入力レ
    ンズアレーの各素子が、前記光源の始めの画像を形成
    し、前記2重レンズアレーシステムの第2のレンズアレ
    ーが、始めの画像を画像形西洋前記素子の画素孔に集束
    させることを特徴とするディスプレイシステム。
  37. 【請求項37】 前記第2のレンズアレーの各素子が、
    前記画像形成用素子の1以上の画素孔に光を導くことを
    特徴とする請求項36記載のディスプレイシステム。
  38. 【請求項38】 前記光源の始めの画像の1つから出る
    光が前記第2の入力レンズアレーの1つ以上の素子を照
    射することを特徴とする請求項36記載のディスプレイ
    システム。
  39. 【請求項39】 前記第1及び第2の入力レンズアレー
    の素子が、前記素子の画素孔とほぼ同一の大きさを有す
    ることを特徴とする請求項36記載のディスプレイシス
    テム。
  40. 【請求項40】 前記第1の入力レンズアレーの素子
    が、前記第2の入力レンズアレーの素子よりも大きいこ
    とを特徴とする請求項39記載のディスプレイシステ
    ム。
  41. 【請求項41】 前記光源の前記始めの画像の各々が、
    前記画像形成素子の画素孔と同じ大きさでなく、前記第
    2の入力レンズアレーの各素子が、前記最初の画像の正
    又は負に拡大された一つの画像を画素孔に集束させ、前
    記2番目の画像が前記画像形成用素子の画素と同じ大き
    さであることを特徴とする請求項36記載のディスプレ
    イシステム。
  42. 【請求項42】 前記2重入力レンズアレーシステムの
    第2の入力レンズアレーの素子が前記第1の入力レンズ
    アレーの素子の画像を前記素子の画素に集束させること
    を特徴とする請求項36記載のディスプレイシステム。
  43. 【請求項43】 光源と、 画像が形成される素子であって、所定の形状を有するも
    のと、 前記画像形成素子を照射するビームを、そのビームの形
    状が前記画像形成素子の形状に実質的に適合するように
    成型することによって、画像の輝度を強化する手段であ
    って、フレネル偏光器手段を含むものと、から成ること
    を特徴とするディスプレイシステム。
  44. 【請求項44】 前記強化手段が、照射光を対応する色
    の情報を表示する前記画像形成素子上の画素に導かれる
    異なる色の光に分解するための手段を含むことを特徴と
    する請求項43記載のディスプレイシステム。
  45. 【請求項45】 前記強化手段が、光のコリメーション
    を前記光源と前記素子の間に配設された入力レンズアレ
    ー素子の許容角度に近づけるように増大させるための手
    段を含むことを特徴とする請求項44記載のディスプレ
    イシステム。
  46. 【請求項46】 背面照射画面と、 少なくとも1つの偏光器とから成り、強化された周囲光
    阻止性能を有する背面照射式偏光画面。
  47. 【請求項47】 光源と、 三日月上のミラーを含み、その第1の焦点に前記光源が
    配置されている集光手段と、 前記三日月上のミラーの第2の焦点から出る光を集め
    て、それを第3の焦点に誘導する集光レンズと、 前記第1の三日月状面から外れた光を捉えるための第2
    の三日月状の面であって、第1の三日月面の第1の焦点
    から到来する光を前記集光レンズが集束する空間内の位
    置に導くように湾曲されているものと、 第3の焦点の彼方にあって、前記集光レンズから及び前
    記第2の三日月面からの光の全てをコリメートするため
    のコリメートレンズ、とから成ることを特徴とする光画
    像システム。
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